JP3708986B2 - サクション機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、走行台車を介して走行可能であって負圧発生器とバラスト貯蔵槽とを搭載した機械フレーム並びに、駆動装置を有するシフト装置によって横方向移動調整可能かつ高さ調整可能なサクション管を装備し、前記シフト装置によって可動でかつ縦軸線を有する前記サクション管の端末管区分に、バラストを取入れるための吸込み口を設けた形式の、バラスト吸取り用のサクション機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サクション管の、垂直方向に配置された全部で3つの端末管区分の吸込み口領域に、団結したバラストを弛めほぐすために回転式弛めツールを装備することは英国特許第2172326号明細書に基づいてすでに公知である。前記端末管区分は夫々、シフト装置の独自の駆動装置によって高さ調整可能かつ横方向移動調整可能に構成されている。サクション機械の連続的な前進運動を可能にするために、サクション管の端末管区分は機械フレームに対して相対的にシフト可能に配置されている。1つの枕木間区画の上位にセンタリングした後に、端末管区分は吸込み口と共にバラスト内へ降下され、その際に弛めツールの回動に基づいて、枕木下の隣接区域に存在しているバラストも吸取られる。
【0003】
ドイツ連邦共和国登録実用新案第7127884号明細書に基づいて公知になつている別のサクション機械は、吸込み口の領域でサクション管の端末管区分に装着されたバイブレータを有し、該バイブレータによって、歯列を有する吸込み口は振動させられる。別の公知の実施態様ではバラストを弛めるためにローラ状の弛めツールが設けられており、該弛めツールもやはり吸込み口に配設されている。
【0004】
なおドイツ連邦共和国特許出願公開第2136306号明細書、米国特許第4741072号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4108673号明細書及びドイツ連邦共和国登録実用新案第8913731号明細書に基づいてその他のサクション機械も公知になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで本発明の課題は、冒頭で述べた形式のサクション機械を改良して、サクション流によって生ぜしめられるバラスト取入れ、特に団結状態にある道床バラストの取入れ効率を更に改善することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の構成手段は、縦軸線を中心として回転可能に支承されたサクション管の端末管区分に、回転駆動装置が配設されている点にある。
【0007】
【作用】
このように端末管区分を回転可能に構成したことによって、バラスト取入れは最小限の構造費で著しく改善される。その場合、吸込み口の回転に基づいて、かつその結果生じる隣接バラストに対する相対運動に基づいて該バラストは運動させられる。この機械的に発動される初期運動は、次いでサクション力によって加速続行される。従って本発明による吸込み口の回転によってバラストは迅速にかつ一層大きな効率で吸取られる。
【0008】
この吸取り効率は、請求の範囲の請求項2以降に記載しように吸込み口の領域に、該吸込み口から突出した複数の連行子を設けることによって付加的に高められる。
【0009】
サクション管の端末管区分及び吸込み口の更に有利な構成手段は、請求項2以降に記載した通りである。
【0010】
【実施例】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0011】
図1に示したサクション機械1は、複数のレール走行台車2を介して走行可能であって負圧発生器3を搭載した機械フレーム4並びに、該機械フレーム端部に配置されていて中央制御装置6を装備した運転室5を有している。更にまた該サクション機械1は、エネルギ供給用モータと走行駆動装置7とを装備している。機械端部を超えて張出しているサクション管10の端末管区分9をガイドして支持するために、サクション管の支持構造を同時に形成しているシフト装置11が機械フレーム4に装着して設けられている。つまり該シフト装置11は、垂直旋回軸12と旋回駆動装置13とを有する枢着部を形成するように機械長手方向で相前後して配置されて互いに枢着結合された2つの部分14,15によって構成されている。サクション管10の端末管区分9は、異なった駆動装置13,21によってXYZ座標軸に沿って調整可能である。
【0012】
シフト装置11の部分15と連結された端末管区分9には、サクション管10の可撓管部分が接続しており、吸込み口16とは反対側の可撓管部分の管端部17は、機械長手方向に対して垂直方向及び水平方向にシフト可能に支承されている。吸取られたバラストを貯蔵するために、機械横方向で互いに並列配置されていて夫々1つの放出口を有する2つのバラスト貯蔵槽18が設けられている。該バラスト貯蔵槽18と負圧発生器3との間には、閉塞可能な放出口を有する2つのフィルタ室が位置している。該放出口の下位には、機械長手方向に延在するコンベヤベルト19が、前記吸取られたバラストを、当該サクション機械に連結されたバラスト積載貨車20へ移送するために設けられている。
【0013】
図2に示したように、サクション管10の、バラスト内へ侵入するために設けられている端末管区分9は、吸込み口16から離反した方の上端部域において、回転軸受22によって縦軸線23を中心として回動可能にサクション管10の可撓管隣接区域に支承されている。シフト装置11の部分15と結合された回転軸受22は、サクション管10の端末管区分9に対して共軸に配置されていて該端末管区分と結合された歯環24を有し、該歯環は、油圧式回転駆動装置26の駆動ピニオン25と噛合っている。
【0014】
バラストを取入れるために役立つ吸込み口16には、サクション管10の円筒形の端末管区分9に固定されていて半径方向に延びる複数の連行子27が、吸上げるべき隣接バラストを弛めて可動にするために配設されている。該連行子27は、その長手方向で見れば縦軸線23に対して角度をとって配置されており、しかも該連行子の自由端部28は、環状の吸込み口16によって形成されていて前記縦軸線23に対して直角方向に延びる吸込み平面29を超えて張出すように構成されている。
【0015】
作業現場で稼働する場合、サクション管10の端末管区分9又は吸込み口16は、運転室5から中央制御装置6によって、例えば1つの枕木間区画の上位で位置決め又はセンタリングされ、かつ駆動装置13,21の負荷によってバラスト上に降下される。この動作と並行して、回転駆動装置26を負荷することによって吸込み管10の端末管区分9がその縦軸線23を中心として回転させられ、これによって、吸込み口16及びやはり連動回転する連行子27と接触するバラストは、機械的な初期運動を惹起される。この機械的な初期運動に続いて該バラストはサクション流によって迅速に吸取られて両バラスト貯蔵槽18の一方に給送される。サクション管10の端末管区分9の回転運動に横方向運動を重畳することによって当該枕木間区画のバラストは完全に吸取りによって除去される。
【0016】
異なった特殊な作業、例えば枕木下バラスト及び路線導電線路下バラストの吸取り作業を最適にするために、連行子27を長めに構成する変化実施態様が有利な場合もある。このためには、サクション管の、吸込み口16と連行子27を含んでいる端末管区分9の下端部分を、急速カップリングによって着脱可能に端末管区分の残りの部分と連結するのが有利である。従って種々異なった現場作業条件に合わせて、装備組換え時間を最小限に短縮すると共に、その都度最適に働く連行子27を有利に使用することが可能になる。
【0017】
図3に示したように連行子30は、吸込み口16の区分を適当に変形することによって構成することもできる。該連行子30は、吸込み平面を超えて下向きに張出した複数の羽根31によって形成されており、サクション管の端末管区分9の矢印で示した回転方向で見て該羽根の前端域32は、回転方向で見て後端域33よりも縦軸線23から広く離隔されている。このように連行子30がタービーン羽根状の高次数平面を形成することによってバラストは、半径方向内向きに吸込み口16へ向かって動かされ、サクション効率は更に改善されることになる。
【0018】
図4に示した変化実施態様では、サクション管10の端末管区分9は、サクション管10に沿って回転可能に支承されたリング43として構成されており、該リングに、フィンガー状の複数の連行子27が着脱可能に固定されている。縦軸線23を中心とするリング43の回転は、回転駆動装置26に結合された駆動ロッド44と駆動ピニオン25とによって得られる。
【0019】
図5において側面図で示されたサクション管10の端末管区分9では、吸込み口16を形成している区域は、一点鎖線で示した吸込み口平面34内に位置している。該吸込み口平面34は、サクション管10の端末管区分9の縦軸線23に対して角度αを形成している。該角度αは45°であるのが殊に有利ではあるが、吸込み口16の所望のサイズに関連して約30°と50°との間の角度オーダー範囲内で変化させることも可能である。本実施態様では楕円形状の吸込み口16をめぐって、歯列状に突出した複数の連行子27が分配されている。吸込み口16の傾斜によって、特にサクション管10の端末管区分9の回転と相俟って、枕木間区画内のバラスト吸取り効果のみならず枕木下区域のバラスト吸取り効果も一層改善される。
【0020】
図6に示したサクション管10の端末管区分9の変化実施態様も、やはり傾斜した吸込み口16を有し、該傾斜吸込み口は、端末管区部9の下端域を屈曲させることによって実現されている。
【0021】
図7及び図8に示したサクション管10の端末管区分9は、該端末管区分に対して共軸に配置された円形横断面の摺動管35を有し、該摺動管は、略示した駆動装置36によってガイド37を介して前記端末管区分9に対して相対的に高さ調整可能に構成されている。本実施態様ではサクション管10の端末管区分9が、図5に示したような吸込み口16を第1の吸込み口として有している一方、摺動管35の下端部は第2の吸込み口38を有している。該第2吸込み口38は、縦軸線23に対して直角方向に延びる吸込み口平面39内に位置している。本実施態様では、摺動管38を適当な位置に摺動させることによってバラストを選択的に、縦軸線23に対して直角方向に延びる第2の吸込み口38(図7)によってか、又は傾斜した第1の吸込み口16(図8)によって吸取ることが可能になる。いずれの作業位置においても共に、サクション管10の端末管区分9は、回転駆動装置(図示せず)によって縦軸線23を中心として連続的に回転させられる。
【0022】
図9及び図10に別の実施態様として示したサクション管の端末管区分9は、2つの区域40,41から成る吸込み口16を有している。吸込み口16の第1の区域40が、吸込み口平面34内に位置している斜向部分を含んでいるのに対して、吸込み口平面39を形成する第2の区域41は、縦軸線23に対して直角方向に延びている。サクション管の端末管区分9の円周の約1/4にわたっている、この第2の区域41では、サクション管の端末管区分9に複数の切欠き部42が設けられており、該切欠き部は歯列状の連行子27を形成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】シフト装置によって機械フレームの端部側に装備されていて機械端部を超えて張出したサクション管を有するサクション機械の側面図である。
【図2】吸込み口を有するサクション管の端末管区分の部分的な拡大側面図である。
【図3】サクション管の端末管区分及び吸込み口の第1変化実施態様の拡大側面図である。
【図4】サクション管の端末管区分及び吸込み口の第2変化実施態様の拡大側面図である。
【図5】サクション管の端末管区分及び吸込み口の第3変化実施態様の拡大側面図である。
【図6】サクション管の端末管区分及び吸込み口の第4変化実施態様の拡大側面図である。
【図7】サクション管の端末管区分及び吸込み口の第5変化実施態様の拡大側面図である。
【図8】図7の実施態様において端末管区分に対して摺動管を持上げた状態で示した側面図である。
【図9】サクション管の端末管区分及び吸込み口の第6変化実施態様の拡大側面図である。
【図10】サクション管の端末管区分及び吸込み口を図9の矢印VIの方向に見たサクション管の端末管区分の吸込み口の側面図である。
【符号の説明】
1 サクション機械、 2 レール走行台車、 3 負圧発生器、 4機械フレーム、 5 運転室、 6 中央制御装置、 7 走行駆動装置、 8 機械端部、 9 サクション管の端末管区分、 10 サクション管、 11 シフト装置又は支持構造、 12 垂直旋回軸、 13旋回駆動装置、 14,15 シフト装置の部分、 16 吸込み口又は第1の吸込み口、 17 可撓管部分の管端部、 18 バラスト貯蔵槽、 19 搬送ベルト、 20 バラスト積載貨車、 21 駆動装置、22 回転軸受、 23 縦軸線、 24 歯環、 25 駆動ピニオン、 26 油圧式回転駆動装置、 27 連行子、 28 自由端部、 29 吸込み平面、 30 連行子、 31 羽根、 32 前端域、 33 後端域、 34 吸込み口平面、 35 摺動管、 36 駆動装置、 37 ガイド、38 第2の吸込み口、 39 吸込み口平面、 40,41 区域、 42 切欠き部、 43 リング、 44駆動ロッド、 α 縦軸線と吸込み口平面との成す角度

Claims (3)

  1. バラスト吸取り用のサクション機械であって、
    走行台車(2)を介して走行可能であってかつ負圧発生器(3)とバラスト貯蔵槽(18)とを搭載した機械フレーム(4)並びに、駆動装置(21)を有するシフト装置(11)によって横方向移動調整可能かつ高さ調整可能なサクション管(10)を装備し、
    前記シフト装置(11)によって可動でかつバラストを取入れるための吸込み口(16)を備えた前記サクション管(10)の端末管区分(9)が、縦軸線(23)を有していて、かつ回転駆動装置(26)によって該縦軸線(23)を中心に回動可能に形成されている形式のものにおいて、
    サクション管(10)の端末管区分(9)が、吸込み口(16)から離反した方の上端域に回転軸受(22)を有し、かつ該回転軸受(22)によって、該回転軸受(22)に隣接した領域で可撓性に形成されたサクション管(10)と連結されており、回転軸受(22)が、回転駆動装置(26)と連結されていることを特徴とする、サクション機械。
  2. 回転軸受(22)が、サクション管(10)の端末管区分(9)に対して共軸に配置されていて該端末管区分(9)と結合された歯環(24)を有し、該歯環が、回転駆動装置(26)の駆動ピニオン(25)に噛合っている、請求項1記載のサクション機械。
  3. 吸込み口(16)には、吸上げるべきバラストを弛めて動かすために、サクション管(10)の円筒形の端末管区分(9)に固定された複数の連行子(27)が配設されており、しかもフィンガー状の連行子(27)が、半径方向に延びるように前記サクション管の端末管区分(9)の外周面に固定されている、請求項1又は2記載のサクション機械。
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