JPH0742105A - 道床更換機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掘削装置を車両に対し上下方向及び左右方向
に移動自在に且つ９０°旋回可能として、バラスト盛土
の外側より回転させながらバラスト盛土内に挿入可能と
した。 【構成】 掘削車両１に、エンドレスの駆動チェン１０
に取付けられる複数のバケット１１からなる掘削装置４
と、該掘削装置４の一対を台車１９の両側に上下方向及
び左右方向に移動自在に且つ９０°旋回可能に支持する
姿勢調整装置５と前記掘削装置４の９０°旋回により掘
削されたバラスト盛土内のバラスト６１を吸引する吸引
装置６とを設ける。バラスト供給車両２に前記吸引装置
６により吸引されたバラストの供給を受けてバラスト盛
土内の空間６２へバラスト６１を補給するバラスト供給
装置２８を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄道軌道の補修に適用
する道床更換機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の道床更換機は例えば図１１乃至図
１３に示すように、台車５１の前方にフレーム５２を張
り出し、該フレーム５２上に受け皿５３とベルトコンベ
ヤ５４と回転軸５５とを取付け、該回転軸５５に、腕曲
した形状のアンダーカッタ５６を取付け、該アンダーカ
ッタ５６にはその周囲に複数個の刃を持つチェンカッタ
５７と、該チェンカッタ５７を駆動するモータ５８とが
設置されている。

【０００３】そしてその作業手順はまずモータ５８を回
転させアンダーカッタ５６の周囲のチェンカッタ５７を
回転させ、この状態でレール５９と平行にセットされて
いるアンダーカッタ５６を枕木６０の下のバラスト６１
中に回転軸５５を中心に１／４円回転して挿入し、レー
ル５９に直交させ、更換作業時は、台車５１を前進さ
せ、この時回転しているチェンカッタ５７によって枕木
６０の下のバラスト６１を連続的に掘削すると共に掘削
されたバラスト６１を台車５１のフレーム５２の上方ま
でかき上げ、その後、後続設備により分級や新しいバラ
ストの供給、締固め等が行われ更換作業が完了するよう
になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし上述した従来の
技術では掘削部であるアンダカッタ５６の形状が大き
く、掘削時においては台車５１よりアンダカッタ５６が
台車の架台の幅方向においてはみ出し、又、収納時にお
いてもアンダカッタ５６が架台５１の進行方向で大きく
はみ出している。従って、複線時の道床交換時、道床更
換実施と反対側路線を走行する車両との接触、干渉の危
険性が大であり、又、トンネル内等、狭あい作業場所で
の作業が困難である。

【０００５】更に、道床交換機の構成が、掘削車両、バ
ラスト供給車が分離され一度に掘削した後、バラストを
供給するので、レール下部のバラスト掘削後のレールが
宙に浮くのでレールと床盤間に仮設の足場を設ける必要
がある。また、掘削用のチェンカッタ形状が大きく、バ
ラスト掘削開始時にバラストの一部を手掘りしチェンカ
ッタを挿入する為人力が必要である。

【０００６】本発明はかかる問題点に対処するため開発
されたものであって掘削装置を車両に対し上下方向及び
左右方向に移動自在に且つ９０°旋回可能としバラスト
盛土の外側より掘削装置を回転させながらバラスト盛土
内に旋回しながら挿入可能とすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成を実施例に対応する図１乃至図１０を
用いて説明すると本発明はエンドレスの駆動チェン１０
に取り付けられる複数のバケット１１からなる掘削装置
４と、該掘削装置４の一対を台車１９の両側に上下方向
及び左右方向に移動自在に且つ９０°旋回可能に支持す
る姿勢調整装置５と、前記掘削装置４の９０°旋回によ
り掘削されたバラスト盛土内のバラスト６１を吸引する
吸引装置６とを具備する掘削車両１と、該掘削車両１に
連結されて、前記吸引装置６により吸引されたバラスト
の供給を受けてバラスト盛土内の空間６２にバラスト６
１を補給するバラスト供給装置２９を具備するバラスト
供給車両２とからなることを特徴とする。

【０００８】

【作用】そして本発明は上記の手段により掘削車両の台
車の両側に位置する掘削装置は姿勢調整装置により、車
両の両側面に沿った格納位置と、車両に直交した作動位
置とに変更されて、格納時の車両の小型化と作動時の掘
削装置の手掘によることなくバラスト盛土内への挿入を
可能にして掘削効率の向上化とが図られ、又掘削された
バラストは吸引装置により吸引されて、該吸引装置より
掘削車両に連結されるバラスト供給車両に供給されて補
給されるためバラストの掘削及びバラストの補給作業を
分離せずに実施できる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例を図１乃至図１０に基
づいて説明すると１は掘削車両、２はバラスト供給車
両、３は駆動車両を示し、これら車両は掘削車両１を先
頭に、バラスト供給車両２を中間部に、駆動車両３を後
端に連結されている。そして掘削車両１には掘削装置４
と姿勢調整装置５と吸引装置６とを具備し、前記掘削装
置４は図８及び図９に示すように一端に上下一対の駆動
スプロケット７、７と他端に上下一対のアイドルホイー
ル８、８とを支承するカッタ本体９と該カッタ本体９の
外周に前記スプロケット７と前記ホイール８とを介して
巡らされる上下一対の駆動チェン１０、１０と該駆動チ
ェン１０、１０間に取付けられる複数のバケット１１と
からなり、前記駆動スプロケット７の駆動モータ１２
は、前記カッタ本体９に取付けられる取付板１３に支持
され、更に該取付板１３には図４に示すように前記バケ
ット１１の回転の接線方向に対向して位置する吸引口１
４が支持されている。

【００１０】又、前記姿勢調整装置５は図１０に示すよ
うに掘削車両１の架台１５に支承される回動シリンダ１
６と該回動シリンダ１６のロッド先端にピン１７を介し
て連結される連結リンク１８と、該連結リンク１８の他
端に取付けられて台車１９に支承される回転中心軸２０
と該回転中心軸２０に固定の回動リンク２１と、該回動
リンク２１に取付けられる昇降シリンダ２２と同じく回
動リンク２１に摺動自在に取付けられる支持柱２３とか
らなり該昇降シリンダ２２のロット先端と支持柱２３の
先端とを前記取付板１２を介して前記カッタ本体９に支
持させて、かくて図２に示すように回動シリンダ１６の
不作動時に掘削装置４は台車１９の両側に平行に位置
し、次いで回動シリンダ１６を図５の右側の矢印イの方
向に伸長させるとき連結リンク１８は矢印ロの方向に回
動すると共に掘削装置４は矢印ハの方向に回動し、最后
に図５の左側のように掘削装置４は９０°回動すると回
動シリンダ１６の伸長は停止し回動が終了する。

【００１１】更に前記吸引装置６は図６に示すように台
車１９に固定の回収タンク２４と該タンク２４上に固定
のモータ２５と該モータ２５に連動する吸引ポンプ２６
と該ポンプ２６に接続される配管２７とからなり該配管
２７は前記吸引口１４に連結されている。又前記バラス
ト供給車両２は図１に示すようにバラスト供給装置２８
を具備し、該バラスト供給装置２８は前記掘削車両１の
回収タンク２４に吸引ポンプ２９付き配管３０を介して
連結されるホッパ３１と該ホッパ３１に複数の搬送コン
ベヤ３２ａ，３２ｂ介して接続される補給コンベヤ３３
とを具備し、該補給コンベヤ３３を介して前記掘削装置
４で掘削されたバラスト盛土内の空間６２にホッパ３１
内の補給バラスト６１を充填するようになっている。

【００１２】次にその作用を説明すると、バラスト掘削
作業を行なわず、掘削車両１を移動走行する場合は、図
２に示すように掘削装置４を台車１９内部に折りたたみ
収納し、掘削車両１の幅からはみ出し量を最小にする。
これを更に詳述すると図２、図３、及び図４に示すよう
に先ず回動シリンダ１６を最縮操作させると掘削装置４
は連結リンク１８で引っ張られ回動中心軸２０を中心に
右回転し、台車１９の進行方向と平行方向に合った状態
で停止し、次に昇降シリンダ２２を最縮操作すると掘削
装置４は台車１９方向に向かって上昇し、バラスト盛土
より離れ掘削車両１の走行時に干渉しないように収納状
態となる。

【００１３】又バラスト掘削作業を行う場合は図５の右
半面に示すように、回動シリンダ１６を伸長して、これ
にピン１７で連結される連結リンク１８を矢印ロ方向に
回動すると連結リンク１８、回動中心軸２０、及びカッ
タ本体９は一体結合されているので、これらは矢印ハ方
向に回動し、そして図５の左半面に示すようにレール５
９に直交する方向即ち９０°回動すると回動シリンダ１
６の伸長が停止し、回動が終了し、この時掘削装置４が
回動する前に昇降シリンダ２２を伸長させ掘削装置４を
レール５９と床盤間の更換バラスト６１の位置に降下さ
せておき、回動すると同時に図８に示すようにカッタ駆
動モータ１２を回転させ、その出力軸に直結の駆動スプ
ロケット７の駆動で駆動チェン１０に取り付けられたバ
ケット１１でバラスト６１を掘削しながら図６及び図７
に示すようにレール５９に直交した位置まで回動させ、
掘削装置４が直交した状態より駆動車両３で掘削車両１
を押し出し走行を開示する。この時掘削車両１の走行速
度は掘削装置４の掘削速度・能力に合った最適なものと
してバラスト６１を掘削し、掘削されたバラスト６１は
掘削装置４の左側から排除され図１及び図６に示すよう
にレール下のバラスト盛土内に空間６２が出来ると共に
掘削装置４のバケット１１で搬送されるバラスト６１
は、バケット１１の回転の接線方向に対向した位置に開
口する吸引口１４より吸引されて配管２７を経て回収タ
ンク２４内に放出される。更に回収タンク２４内で再使
用可能に分級されたバラストは、吸引ポンプ付配管３０
を介してバラスト供給車両２のバラスト供給装置２８に
供給され、該バラスト供給装置２８のホッパ３１内に投
入され、更に搬送コンベヤ３８及び補給コンベヤ３３を
介して、最終的に掘削装置４の後方の空間６２へ供給さ
れて充填される。

【００１４】

【発明の効果】このように本発明によるときは掘削車両
とバラスト供給車両とを連結して掘削車両にはエンドレ
スの駆動チエンに取付けられる複数のバケットからなる
掘削装置と、該掘削装置の一対を台車の両側に上下方向
及び左右方向に移動自在に且つ９０°旋回可能に支持す
る姿勢調整装置と、前記掘削装置の９０°旋回により掘
削されたバラスト盛土内のバラストを吸引する吸引装置
とを具備させたものであるから掘削装置が、姿勢調整装
置により台車の両側に沿った格納位置と台車に直交する
作業位置とに調整されて掘削車両の移動時の車両の走行
を円滑にすると共に掘削車両の掘削時のバラスト盛土内
への掘削装置の挿入掘削を容易にし、更に、吸引装置に
より掘削されたバラストの吸引が円滑に行われ、而もバ
ラスト供給車両には前記吸引装置により吸引されたバラ
ストをバラスト盛土内の空間へ補給するバラスト供給装
置を具備させたから、バラスト更換のための一連の作業
が一括して実施できるのでバラスト掘削後レールの仮受
け足場等の処置が不用で作業能率を向上できる等の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側面図である。

【図２】掘削車両の走行時の平面図である。

【図３】掘削車両の走行時の側面図である。

【図４】掘削車両の走行時の正面図である。

【図５】掘削車両の掘削時の平面図である。

【図６】掘削車両の掘削時の側面図である。

【図７】掘削車両の掘削時の正面図である。

【図８】掘削装置の側面図である。

【図９】掘削装置を示すもので（ａ）は図８のＡ−Ａ断
面図、（ｂ）は図８のＢ−Ｂ断面図である。

【図１０】姿勢調整装置を示すもので（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図である。

【図１１】従来例を示す作業前の側面図である。

【図１２】図１１のアンダカッタ挿入前後の平面図であ
る。

【図１３】図１２の正面図である。

【符号の説明】 １ 掘削車両 ２ バラスト供給車両 ４ 掘削装置 ５ 姿勢調整装置 ６ 吸引装置 １０ 駆動チェン １１ バケット １９ 台車 ２８ バラスト供給装置 ６１ バラスト ６２ 空間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンドレスの駆動チェーンに取付けられ
   る複数のバケットからなる掘削装置と、該掘削装置の一
   対を台車の両側に上下方向、及び左右方向に移動自在に
   且つ９０°旋回可能に支持する姿勢調整装置と、前記掘
   削装置の９０°旋回により掘削されたバラスト盛土内の
   バラストを吸引する吸引装置とを具備する掘削車両と、
   該掘削車両に連結されて、前記吸引装置により吸引され
   たバラストの供給を受けてバラスト盛土内の空間へバラ
   ストを補給するバラスト供給装置を具備するバラスト供
   給車両とからなる道床更換機。