JPH0633402A - 道床更換機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は比較的簡単な構造を有し且つ作業能
率の高い道床更換装置を提供することを目的とする。 【構成】 車両の進行方向に直交して同車両の側面に取
付けられた円弧状のガイドレールと、前記ガイドレール
に沿って上方の待機位置と下方の作業位置の間を昇降可
能な取付架台と、前記取付架台に同取付架台に対する取
付角度を調節可能に連結された連結板と、前記連結板の
先端部に装着された掘削装置と、前記連結板の後端部に
装着された吸引装置とを具え、枕木の下側の道床バラス
ト内に前記掘削装置を挿入してバラストを掻き出し、掻
き出されたバラストを前記吸引装置で吸込み車両内に搬
入するように構成した道床更換機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄道軌道補修装置の道
床更換機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の道床更換機を図９から図１１に示
す。図９は交換作業前の側面図であり、図１０はアンダ
ーカッタ５５挿入前後の平面図であり、図１１はアンダ
ーカッタ５５挿入後の正面図である。本発明は、台車５
１の前方に張り出して設置されたフレーム５２上に、受
け皿５４と回転軸５３とベルトコンベア５７とが取り付
けられている。また回転軸５３には腕曲した形状のアン
ダーカッタ５５が取り付けられ、アンダーカッタ５５の
周囲には複数個の刃を持つチェーンカッタ５６が取り付
けられている。さらにアンダーカッタ５５の上部には、
チェーンカッタ５６を駆動するモーター５８が設置され
ている。

【０００３】作業手順は以下の通りである。まずモータ
ー５８を回転させ、アンダーカッタ５５周囲のチェーン
カッタ５６を回転させる。この状態でレール６１と平行
にセットされているアンダーカッタ５５を、枕木６０下
のバラスト５９中に、回転軸５３を中心に１／４円回転
して挿入し、レール６１に直交させる。

【０００４】更換作業時は、台車５１を前進させ、この
時回転しているチェーンカッタによって枕木６０下のバ
ラスト５９を連続的に掘削すると共に、掘削されたバラ
スト５９をフレーム５２上方まで掻き上げる。掻き上げ
られたバラスト５９は受け皿５４内に落下し、ベルトコ
ンベア５７によって後方の台車５１内に搬送される。

【０００５】その後、後続設備により分級や新しいバラ
ストの供給、締め固め等が行われ、更換作業が完了す
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術には次
のような問題点がある。 （１） チェーンカッタによりレール下バラストを全域
掘削掻き上げるため、余分なバラストまで排除すること
となり、作業効率が悪い。 （２） 片持ち構造のチェーンカッタをレールに直交さ
せ、車両の前進時に掘削反力をすべて回転軸５３により
支持するので、構造ががんじょうなものとなる。

【０００７】本発明は比較的簡単な構造を有し且つ作業
能率の高い道床更換装置を提供することを目的とするも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】道床バラスト交換は、バ
ラストの長期間使用によるバラストの細粒化により発生
する道床の弾力性低下の回復が主目的であり、交換の必
要場所は、主に枕木下の部分である。従って１本の枕木
下部のみ掘削可能となる掘削幅を持つチェーンカッタ
を、該当する枕木部のレールに直対した左右方向２ケ所
の車両架台より道床バラスト内へそう入する。このよう
なチェーンカッタを具えた掘削装置に隣接して吸引器を
設置し、同吸引器と車両架台上の回収タンク間を吸引ホ
ース、ポンプで接続し、バラストを吸引回収する。

【０００９】なお、掘削効率を向上させるため、車両の
左右方向より各１台の計２台で、それぞれチェーンカッ
タからなる掘削装置を用いて、掘削を要する枕木下の道
床を同時にあるいは時差を与えて掘削を行う。このよう
な、掘削装置を１両の車両に必要に応じて複数台設置
し、さらにこの車両を必要に応じて複数台連結する。掘
削装置、吸引装置、姿勢制御装置の動力源及び車両の走
行用動力源は別個に設ける。

【００１０】

【作用】

（１） 車両の両側からチェーンカッタを用いて、交換
を必要とする枕木下部のみのバラストを掘削し、吸引器
でバラストを吸引、回収する。枕木間のバラストは、掘
削回収しなくてよい。レールの左右方向より、２台のチ
ェーンカッタ等より成る掘削装置、及び吸引装置で、掘
削吸引回収するので、作業時間が従来より短縮される。
又、本装置を一両の車両に複数台、さらにこの車両を複
数台連結し、作業することにより、従来のレール下道床
バラスト全域の掘削方式に比べて、作業効率が大きく向
上する。 （２） 道床バラスト掘削は、車両を停止して行い、終
了すれば新たな掘削場所に移動後、車両を停止し再び掘
削、吸引回収を行う。従って、バラスト掘削中の反力は
ガイドレールを介して車両の架台で受ける。従って従来
のように、走行しながら掘削し、掘削反力と走行反力を
同時に受けるための複雑な構造は必要でなく、支持構造
の簡素化が図れる。

【００１１】

【実施例】本発明道床更換機の実施例を図１乃至図８に
ついて説明する。図において、１は掘削装置、１ａはチ
ェーンカッタ本体、１ｂはバケット、１ｃは電動機、１
ｄはチェーン、１ｅはドライブスプロケット、１ｆはア
イドラスプロケット、１ｇはピン、２は吸引装置、２ａ
は吸引口、２ｂは吸引ホース、２ｃは吸引ポンプ、２ｄ
は吐出ホース、３は姿勢制御装置、３ａはシリンダ、３
ｂ，３ｃ，３ｇ，３ｈはピン、３ｄは取付架台、３ｅは
連結板、３ｆはリンク、３ｉ，３′ｉはローラ３ｊは電
動機、３ｋは駆動軸、４は円弧状のガイドレール、４ａ
は内歯、５は車両、６はバラスト回収タンク、７は架
台、８は枕木、９は道床バラスト、１０は床盤、１１は
車輪、１２はレール、１３ａは先頭車両、１３ｂ，１３
ｃは後続車両、１４は動力部、１５は連結器、１６は掘
削後空間である。

【００１２】本実施例において、道床更換機の構成は以
下のように大別して３個に分けられる。 掘削装置１：道床更換において、更換対象物である固く
締った道床バラストを掘削する。 吸引装置２：掘削装置１で、掘削後のバラストを、吸引
１車両５上の回収タンク６へ排出する。 姿勢制御装置３：掘削装置１と吸引装置２を、車両５に
取付けた弧状ガイドレール４より掘削対象の道床バラス
ト内へ、効率掘削できる様そう入するため、姿勢を制御
する。

【００１３】以下にそれぞれの構成を説明する。最初
に、本発明による道床更換機の全体構成を図１，図２に
示す。レール１２上の車両５の架台７に車両５の進行方
向に対し直角方向に取付けられた弧状のガイドレール４
に、駆動用の電動機３ｊおよび駆動軸３ｋ、周動支持用
のローラ３ｉ，３′ｉ、を介して、取付架台３ｄを装架
し、取付架台３ｄにシリンダ３ａ、ピン３ｂ，３ｃ，３
ｇ，３ｈ及びリンク３ｆを介して連結板３ｅを取付け、
姿勢制御装置３を構成する。連結板３ｅの先端部に、チ
ェーンカッタ本体１ａより成りエンドレスに回転可能な
掘削装置１を取付け、さらに連結板３ｅの後端部に、吸
引方式の吸引装置２を取付ける。

【００１４】なお、以上の道床更換機の掘削装置１、吸
引装置２、姿勢制御装置３は、車両５に対し、左右方向
それぞれに一台づつ対称に取付け、車両左右方向２ケ所
より同時、交互あるいは、時差で作業を行うことができ
る。又、左右一対の掘削装置１、吸引装置２、姿勢制御
装置３は、一車両に対し複数台搭載してもよい。図１で
は一車両に対し３台搭載の状態を示している。又、この
車両５を図１に示すように、先頭車両１３ａ、後続車両
１３ｂ、後続車両１３ｃというように、複数台車結すれ
ば、さらに作業効率がアップするのは言うまでもない。

【００１５】つぎに、掘削装置１、吸引装置２、姿勢制
御装置３の詳細な構成について説明する。掘削装置１
は、図３乃至図６に示すように、チェーン、１ｄとバケ
ット１ｂでエンドレスに構成されたチェーンカッタ本体
１ａの両端部を、アイドラスプロケット１ｆとドライブ
スプロケット１ｅで噛合せ緊張させ、連結板３ｅにピン
１ｇで取付け、ドライブスプロケット１ｅに取付け一体
化された電動機１ｃの出力で、図３の矢印で示す方向に
回転し、道床バラスト９を掘削しかき出す構造となって
いる。

【００１６】吸引装置２は、図３，図５で示すように、
掘削装置１のドライブスプロケット、１ｅに隣接して連
結板３ｅ上に取付け、チェーンカッタ本体１ａが回転し
反転する時バケット１ｂ内部のバラストが放出される方
向に対向して吸引口２ａを取付ける。この吸引口２ａよ
り吸引ホース２ｂを引出し、図２で示すように、床盤１
０上の障害物や車両５各部に接触損傷しない様に架台７
より支持されながら、架台７上に取付けられた吸引ポン
プ２ｂに接続し、さらに吸引ポンプ２ｂの吐出側より架
台７上のバラスト回収タンク６へ接続される。

【００１７】姿勢制御装置３は、図３で示すように、架
台７に取付けられた弧状のガイドレール４に対し外周
面、両側面はローラ３ｉ，３′ｉで支持され、内周面の
内歯４ａに対しては、電動機３ｊの駆動軸３ｋとの噛合
いで、ガイドレール４上を、周動可能に取付けされた取
付架台３ｄと、掘削装置１および吸引装置２取付用の連
結板３ｅとの間をリンク３ｆとピン３ｇ，３ｈで連結
し、さらに、シリンダ３ａをピン３ｂ，３ｃで連結し、
シリンダ３ａの伸縮動作で、ガイドレール４側の取付架
台３ｄに対し、掘削装置１、吸引装置２、吸引装置３取
付側の連結板３ｅを回動させる構造となっている。

【００１８】次に道床更換機の作用を説明する。掘削装
置１は、図３で示すように、連結板３ｅに取付けた電動
機１ｃを駆動することにより、直結したドライブスプロ
ケット１ｅが回転し、それに噛合ったチェーン１ｄが作
動し、チェーン１ｄに直結されたバケット１ｂで道床バ
ラスト９を掘削しかき出す。

【００１９】吸引装置２は図２で示すように、架台７上
の吸引ポンプ２ｃを運転することにより、掘削装置１で
掘削しかき集められた道床バラスト９を吸引口２ａより
吸引し、吸引ホース２ｂを経て、吸引ポンプ２ｃに導入
し、さらに吐出側より、吐出ホース２ｄを経て、バラス
ト回収タンク６へ排出する。姿勢制御装置３は、掘削装
置１、吸引装置２が道床バラスト９に対し、最適の掘削
およびバラストの吸引が行えるよう姿勢を調整するた
め、以下の要領で操作を行う。

【００２０】図示しない油圧ポンプ等より発生した油圧
を、シリンダ３ａの伸び側に送油すると、シリンダ３ａ
は伸長し、ピン３ｇを中心として連結板３ｅは反時計方
向へ回動する。又、シリンダ３ａを、縮み操作すると、
逆の時計方向へ回動する。以上のようにして、掘削装置
１の先端部を道床バラスト９内の最適部へ操作する。次
に掘削装置１、吸引装置２の荒調整は、ガイドレール４
に対し、前述の連結板３ｅを取付けている取付架台３ｄ
を車両５に対し上下方向へ周動させる操作を行う。すな
わち、図３、図４，図６で示すように、ガイドレール４
の外周面、両側面をローラ３ｉ，３′ｉで周動支持し、
ガイドレール４の内周面に取付けた内歯４ａに噛合うよ
う取付けた電動機３ｊの出力軸３ｋを作動させることに
より、内歯４ａに噛合った駆動軸３ｋが噛合い自転しな
がらガイドレール４の彎曲中心点を中心に公転する。従
って取付架台３ｄも同様に車両５に対し上下方向に公転
作動する。

【００２１】図３では、駆動軸３ｋが時間方向に回転し
た場合、取付架台３ｄが車両５に対し、上方へ周動する
状態を矢印で示す。次に姿勢制御機３の作動によって車
両５に対し道床更換機の姿勢を各作業に応じ変更させた
場合を以下に３種類示す。 （１） 図７は、車両回送時の姿勢を示す。

【００２２】ガイドレール４に対し、取付架台３ｄを上
方へ周動させ、シリンダ３ａを伸長させることによって
道床バラスト９面より掘削装置１を引上げ、車両５の走
行を可能とする。 （２） 図８は、掘削開始状態を示す。ガイドレール４
に対し、取付架台３ｄを中位置に設定し、シリンダ３ａ
を上記（１）の状態から短縮することにより、レール１
２下の道床バラスト９内へ掘削装置１先端部がそう入さ
れ、掘削装置１、吸引装置２の作動で掘削回収が始ま
る。 （３） 図２は、掘削作業中の状態を示す。

【００２３】ガイドレール４に対し、取付架台３ｄは下
部に設定し、シリンダ３ａを短縮操作し、床盤１０に対
し、掘削装置１を水平に位置し、掘削装置１で掘削し、
吸引装置２で吸引する。以上の操作で、道床バラスト９
の掘削が終了すれば、上記（１），（２），（３）と逆
の操作で掘削装置、１吸引装置２を車両回送時姿勢に移
動させ、一連の作業が終了する。

【００２４】次に、一連の掘削作業が完了すると、図１
で示すように、掘削対象レール１２下の道床バラスト９
は排除され掘削後空間１６が出来る。ここで図示しない
が、後続の道床バラスト補充装置で、新しい道床バラス
ト９を掘削後空間１６に補充し、その後レール、１ピッ
チ分ずれて掘削装置１がセットできる様、車両５を図１
の矢印のように前進移動させ、前記と同様の道床バラス
ト９の掘削、回収作業を実施すれば、連続して道床バラ
スト交換が可能となる。

【００２５】図２において、掘削装置１の幅寸法はレー
ル１２の１ケ分の幅寸法であるが、レール１２の２ケ分
とすれば、更に作業効率が向上する。各車両は、図１に
示すように、各装置の駆動源である動力部１４を搭載し
ている。

【００２６】

【発明の効果】本発明による道床更換機は、車両の進行
方向に直交して同車両の側面に取付けられた円弧状のガ
イドレールと、前記ガイドレールに沿って上方の待機位
置と下方の作業位置の間を昇降可能な取付架台と、前記
取付架台に同取付架台に対する取付角度を調節可能に連
結された連結板と、前記連結板の先端部に装着された掘
削装置と、前記連結板の後端部に装着された吸引装置と
を具え、枕木の下側の道床バラスト内に前記掘削装置を
挿入してバラストを掻き出し、掻き出されたバラストを
前記吸引装置で吸込み車両内に搬入するように構成した
ことにより、次の効果を有する。 （１） 道床バラストの中で交換必要な枕木下のバラス
トのみを掘削、吸引回収するので、従来方式に比べて、
作業効率が大きく向上する。 （２） 車両の走行は、車両の移動時のみで、バラスト
掘削時は車両を停止するので、構造が簡単で所要動力も
少ない。

【００２７】又、掘削装置は車両に対し左右方向にそれ
ぞれ同構造のものを対称に構成し同時に掘削することに
より、掘削時にバランスが取れる。 （３） 外力が車両に対し両横方向から同時に作用する
ように構成でき、この場合は外力が単純一方向となり、
外力に対応する構造が単純になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明道床更換機の実施例の側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】図２の要部拡大図である。

【図４】図３のＢ矢視図である。

【図５】図３のＣ−Ｃ矢視図である。

【図６】図３のＤ−Ｄ矢視図である。

【図７】掘削装置をガイドレール上部の待機位置に保持
した状態における図２に対応する図である。

【図８】道床バラストの掘削を開始した状態における図
７に対応する図である。

【図９】従来の道床更換機の道床更換作業前の状態にお
ける側面図である。

【図１０】道床バラスト内にアンダーカッターを挿入す
る前後の状態を示す図９の平面図である。

【図１１】道床バラスト内にアンダーカッターを挿入し
た状態における図１０の正面図である。

【符号の説明】

１ 掘削装置 ２ 吸引装置 ３ｄ 取付架台 ３ｅ 連結板 ４ ガイドレール ５ 車両 ８ 枕木 ９ 道床バラスト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の進行方向に直交して同車両の側面
   に取付けられた円弧状のガイドレールと、前記ガイドレ
   ールに沿って上方の待機位置と下方の作業位置の間を昇
   降可能な取付架台と、前記取付架台に同取付架台に対す
   る取付角度を調節可能に連結された連結板と、前記連結
   板の先端部に装着された掘削装置と、前記連結板の後端
   部に装着された吸引装置とを具え、枕木の下側の道床バ
   ラスト内に前記掘削装置を挿入してバラストを掻き出
   し、掻き出されたバラストを前記吸引装置で吸込み車両
   内に搬入するように構成したことを特徴とする道床更換
   機。