JP3703125B2 - X線装置及びx線測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノクロメータを用いたX線装置及びX線測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なX線装置では、図3に示すように、試料Sの表面を通る試料軸線ω1を中心としてその試料Sを一定の角速度で連続的又は間欠的に回転、いわゆるθ回転させ、同時に、X線カウンタ53を試料軸線ω1を中心としてθ回転の2倍の角速度で同じ方向へ回転、いわゆる2θ回転させる。これらのθ回転及び2θ回転は、通常、測角器すなわちゴニオメータを用いて行われる。
【0003】
上記のθ回転及び2θ回転が測角される間、X線焦点Fから放射されたX線R1が発散制限スリット55によって横方向の発散が制限された状態で試料Sに入射する。入射したX線が試料Sで回折すると、その回折X線R2が受光スリット54を通してX線カウンタ53に取り込まれてカウントされる。こうして、試料Sで回折するX線の回折角度2θ及びその角度位置におけるX線強度が測定される。X線焦点F及び受光スリット54は、試料Sを中心とするディフラクトメータ円Cd 上に位置する。
【0004】
なお、試料Sをθ回転させることに代えて、X線焦点F及び発散制限スリット55を試料軸線ω1を中心としてθ回転させることもできる。この場合、X線カウンタ53は、試料軸線ω1を中心としてX線焦点Fのθ回転と等しい角速度でそれと反対方向へ2θ回転する。
【0005】
試料Sで回折するX線R2は円錐状の広がりをもって進行し、ディフラクトメータ円Cd 上においてデバイ環Dr を形成する。つまり、X線カウンタ53は、そのデバイ環Dr のうち受光スリット54を通過する部分を検出することになる。ところで、X線焦点Fから発散するX線R1は発散制限スリット55によって横方向の発散が制限されるが、縦方向に関してはかなりの角度で発散する。このX線の発散のため、受光スリット54の所には図4に示すように、縦方向A−A’に沿って位置ズレする多数のデバイ環Dr が形成される。受光スリット54はこれらのデバイ環Dr を鎖線で示す長方形領域で取り込んでX線をカウントする。
【0006】
図4に示す場合、各デバイ環Dr は受光スリット54よりも右側に位置しているので、X線カウンタによってカウントされるX線強度は曲線Bで示すようにデバイ環Drがある方向、すなわち図の右側方向、例えば回折角度2θの低角側へ裾を引く傾向となる。X線の縦方向の発散に起因してデバイ環が縦方向に多数重ねて形成されることにより回折X線が低角側又は高角側へ裾を引くという上記の現象は、従来から、アンブレラ効果(Umbrella Effect )と呼ばれて知られており、このアンブレラ効果はX線測定の分解能を低下させる1つの原因となっていて、望ましい現象ではない。
【0007】
なお、以上の説明から分かる通り、図3において、X線カウンタ53が回折角度2θ=90°の位置にある符号Cで示す状態にあるときには、X線カウンタ53がデバイ環Dr を垂直に受けるため、アンブレラ効果による回折X線のシフトはない。他方、X線カウンタ53が2θ<90°の低角領域にあるときには回折X線は低角側に裾を引き、2θ>90°の高角領域にあるときには回折X線は高角側に裾を引く。
【0008】
従来、上記のようなアンブレラ効果による分解能の低下を防止するため、図3において、試料SのX線入射側及び/又はX線出射側に、それぞれ、ソーラスリット56a及び56bを配設するという構造が知られている。このソーラスリット(Soller Slit )は、薄い金属板を等間隔に積み重ねたもので、これを通過するX線の垂直方向すなわち縦方向の発散を制限することを主な作用とするものである。
【0009】
上記のソーラスリットを使用すれば、それがX線入射側に配設されれば試料に入射するX線の縦方向の発散を規制でき、それがX線出射側に配設されれば試料で回折したX線の縦方向の発散を規制できるので、上記のアンブレラ効果をある程度抑制することができる。
【0010】
しかしながら、ソーラスリットを使用する場合でも、アンブレラ効果を完全に除去することは困難である。また、ソーラスリットを用いると、X線の強度が低下して正確なX線測定を行うことができなかったり、測定結果のS/N比が低下する等といった問題点が発生する。
【0011】
ところで、従来のX線装置として、図5に示すように、モノクロメータを用いるものが知られている。ここに示す従来のX線装置は、X線焦点Fと、発散制限スリット55と、試料Sを支持すると共に試料軸線ω1を中心として回転するθ回転台58と、散乱線規制スリット57、第1受光スリット54及び検出器アーム59を支持する2θ回転台61とを有する。検出器アーム59の上には、モノクロメータ62を支持するモノクロメータ支持台64、第2受光スリット63及びX線カウンタ53が配設される。
【0012】
2θ回転台61は、試料軸線ω1を中心としてθ回転台58の2倍の角速度でそれと同じ方向へ2θ回転できる。また、モノクロメータ支持台64は、モノクロメータ62の表面を通るモノクロメータ軸線ω2を中心としてθM 回転できる。また、検出器アーム59は、モノクロメータ軸線ω2を中心としてモノクロメータ支持台64のθM 回転の2倍の角速度でそれと同じ方向へ回転できる。
【0013】
なお、θ回転台58をθ回転させることに代えて、X線焦点F及び発散制限スリット55を試料軸線ω1を中心としてθ回転させることもできる。この場合、2θ回転台61は、試料軸線ω1を中心としてX線焦点Fのθ回転と等しい角速度でそれと反対方向へ2θ回転する。
【0014】
符号Cd は試料S等の測角を行うゴニオメータによって描かれるディフラクトメータ円を示し、符号Cf1は試料Sに関する焦点円を示し、そして符号Cf2はモノクロメータ62に関する焦点円を示している。
【0015】
以上の構成より成る従来のX線装置においては、モノクロメータ62の回転角度θM が希望の波長のX線を回折できる角度に設定され、さらに、X線カウンタ53の回転角度2θM がθM の2倍の角度に設定される。試料Sがθ回転し、2θ回転台61が2θ回転する間、X線焦点Fから放射されて発散制限スリット55で発散が制限されたX線が試料Sで回折すると、その回折X線は散乱線規制スリット57及び第1受光スリット54を通過してモノクロメータ62に入射し、そのモノクロメータ62によって単色化された後、第2受光スリット63を通過してX線カウンタ53に取り込まれてカウントされる。
【0016】
ここに示す従来のX線装置に関しても、図3及び図4を用いて説明したアンブレラ効果が発生することは図3に示した従来のX線装置と変わりがない。また、このX線装置では、X線測定のための測角面である2θ面と同じ面内でX線カウンタ53が2θM 回転するので、X線カウンタ53を2θM 回転させるために必要となるスペースを確保する必要上、試料Sのための測角範囲が狭くならざるを得ないという問題も発生する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、図5に示すようなモノクロメータを用いたX線装置に関して分解能を向上させることを目的として種々の検討を行った。そしてその結果、モノクロメータ62の取り付け方に工夫を加えると、アンブレラ効果の影響を抑制して分解能を向上できることを知見した。
【0018】
本発明は、上記の知見に基づいて成されたものであって、試料に対する測角方向である2θ方向に対するモノクロメータの取付け方向を改善することによりアンブレラ効果による影響を抑制して、信頼性の高いX線測定結果を得ることができるようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記の目的を達成するため、本発明に係るX線装置は、X線焦点、試料及びX線検出器を通るX線光軸上に配設されたモノクロメータを有し、前記X線検出器及び前記モノクロメータを試料を中心として2θ回転させながらそのX線検出器によってX線を検出するようにしたX線装置において、前記モノクロメータ及び前記X線検出器は前記2θ回転方向に対して直角方向へ回転移動できることを特徴とする。
【0020】
従来のX線装置では、単色化のためにモノクロメータ及びX線検出器を回転移動させる方向、すなわちモノクロメータに関するθM 方向及びX線検出器に関する2θM 方向は、図5に示すように、試料に対する測角方向である2θ方向と同じ面内に設定されていた。これに対して本発明では、X線検出器の2θM 方向を2θ方向に対して実質的に直角方向に設定した。この結果、X線検出器によって測定されるX線強度値にアンブレラ効果の影響が現れることを抑制できるようになった。
【0021】
また、アンブレラ効果を抑制するためにソーラスリット等といった縦発散制限スリットを設ける必要がなくなり、その結果、X線検出器に強度の強い回折X線を取り込むことができ、また、S/N比も向上する。
【0022】
また、本発明では、測定のための測角方向である2θ方向に対して直角方向にX線検出器を2θM 回転移動するようにしたので、単色化のためのX線検出器の2θM回転移動が2θ方向の測角範囲と重なり合うことが無くなり、よって、試料に関する測角範囲を大きく取ることができる。
【0023】
上記構成において、「直角方向」というのは、装置の組み立て誤差等のために、X線検出器等の取付け角度位置が測定精度に影響を与えない程度に直角方向からずれる場合も含む意味である。
【0024】
(2) 上記構成のX線装置において、(a)前記モノクロメータは、X線光軸を通るモノクロメータ軸線を中心として前記2θ回転方向(すなわち、試料に対する測角方向)に対して直角方向へθM回転移動でき、そして(b)前記X線検出器は、前記モノクロメータ軸線を中心として前記θM回転の2倍の角度で同じ方向へ2θM回転移動できるように構成することが望ましい。
【0025】
このように、モノクロメータの2倍の角度でX線検出器を回転移動させるようにすれば、モノクロメータによって単色化されたX線を確実にX線検出器に取り込むことができる。
【0026】
(3) 上記構成のX線装置において、前記モノクロメータはグラファイトによって形成することができる。モノクロメータの材料としては、シリコン、ゲルマニウム等の単結晶や、グラファイト等を用いることができる。グラファイトは、周知のとおり、炭素が層状に連なる構造を有する鉱物であり、これにX線が入射したときには、広い面内で回折X線を取り出すことができる。
【0027】
シリコン等の単結晶はグラファイトに比べて分解能が高いが、得られる回折X線の強度が低くなるという欠点がある。これに対し、グラファイトは、シリコン単結晶等に比べれば分解能に若干の低下が見られるものの強度の強い回折X線を得ることができるという利点を有する。本発明では、モノクロメータを用いてX線を単色化する際のX線検出器の回転移動方向、すなわち2θM 方向を、試料の測角方向である2θ方向に対して直角方向に設定することにより、アンブレラ効果を抑制して分解能を向上できるので、モノクロメータとしてグラファイトを用いる場合でも実用上全く問題とならない程度の高い分解能を得ることができる。グラファイトを用いれば強い回折X線を得ることができるので、信頼性の高い測定結果を得ることができる。
【0028】
(4) 次に、本発明に係るX線測定方法は、X線焦点、試料及びX線検出器を通るX線光軸上にモノクロメータを配設し、前記X線検出器及び前記モノクロメータを試料を中心として2θ回転させながらX線検出器によってX線を検出するX線測定方法において、前記モノクロメータ及び前記X線検出器のX線光軸に対する角度を調節するとき、そのモノクロメータ及びそのX線検出器を前記X線測定のための2θ回転方向に対して直角方向へ回転移動させることを特徴とする。
【0029】
このX線測定方法においても、単色化のためのX線検出器の回転移動方向である2θM 方向を、試料に関する測角方向である2θ方向に対して実質的に直角方向に設定したので、X線検出器によって測定されるX線強度値にアンブレラ効果の影響が現れることを抑制でき、その結果、分解能の高い測定結果を得られるようになった。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るX線装置の一実施形態を示している。このX線装置は、X線を発生するX線焦点Fを内蔵するX線発生装置1と、そのX線発生装置1に隣接して設置されたゴニオメータ2とによって構成される。X線焦点Fは、例えば、発熱によって熱電子を発生するフィラメントと、その熱電子が衝突するターゲットとを含んで構成できる。
【0031】
ゴニオメータ2は、試料Sを支持するθ回転台3と、そのまわりに配設された2θ回転台4と、θ回転台3及び2θ回転台4を試料軸線ω1を中心として回転駆動する回転駆動装置6とを有する。θ回転台3とX線発生装置1との間には入射側スリットユニット7が設けられ、そのユニット7の内部に発散制限スリット8が格納される。
【0032】
回転駆動装置6は、θ回転台3を試料軸線ω1を中心として所定の角速度で連続的又は間欠的に回転、すなわちθ回転させる。また、回転駆動装置6は、試料軸線ω1を中心としてθ回転の2倍の角速度でそれと同じ方向へ2θ回転台4を回転、すなわち2θ回転させる。
【0033】
2θ回転台4の外周部分の適所には2θアーム9が固定され、その2θアーム9の上に出射側スリットユニット11及びモノクロメータユニット12が設けられる。2θアーム9は、2θ回転台4が2θ回転するときにそれと一体になって2θ回転する。これらのユニットは、2θアーム9上に設けたガイドレール13によって位置決めされた状態で、ボルトその他の締結具によって2θアーム9に固定される。
【0034】
出射側スリットユニット11の内部には、θ回転台3に近い側から順に散乱線規制スリット14及び受光スリット16が格納される。モノクロメータユニット12は、モノクロメータ17を支持するモノクロメータ支持台18と、検出器アーム19と、それらを駆動する駆動装置22とを有する。モノクロメータ17は、例えばグラファイトによって形成される。
【0035】
モノクロメータ支持台18は、モノクロメータ17の表面を通ると共にX線光軸Lに直交するモノクロメータ軸線ω2を中心として回転移動できる。この回転移動方向は、2θアーム9の2θ回転方向に対して直角方向となる。検出器アーム19は、X線カウンタ21を支持すると共に、モノクロメータ支持台18から独立してモノクロメータ軸線ω2を中心として回転移動できる。この検出器アーム19の回転従ってX線カウンタ21の回転移動方向も、2θアーム9の2θ回転方向に対して直角方向となる。
【0036】
図2は、図1の矢印Dに従ってモノクロメータ17の近傍を見た状態を示している。駆動装置22は、モノクロメータ支持台18従ってモノクロメータ17を、図2に示すように、モノクロメータ軸線ω2を中心として希望する任意の角度で回転移動、すなわちθM 回転移動させる。また、駆動装置22は、そのθM 回転移動に連動して検出器アーム19従ってX線カウンタ21をモノクロメータ軸線ω2を中心としてθM 回転移動の2倍の角度でそれと同じ方向へ回転移動、すなわち2θM 回転移動させる。これらのθM 回転移動及び2θM 回転移動は、X線光軸Lに対するモノクロメータ17の角度を、希望する波長の回折X線を取り出すことができる適宜の回折角度に設定するために行われるものである。
【0037】
以下、上記構成から成るX線装置について、その動作を説明する。
試料Sに対してX線測定、本実施形態ではX線回折測定を行うのに先立って、図1においてX線光軸Lの調節を行う。具体的には、X線焦点F、発散制限スリット8、試料S、散乱線規制スリット14、受光スリット16、モノクロメータ17及びX線カウンタ21の各X線光学要素をX線光軸Lの上に載るように位置調節する。
【0038】
次いで、図2において、駆動装置22を作動してモノクロメータ17のX線入射角度θM を希望する所定の特性X線、例えばKα線を取り出せる角度に一致するように調節する。このとき、X線カウンタ21はそれに連動して回転移動して、θM の2倍の角度である2θM に角度設定される。
【0039】
その後、回転駆動装置6を作動してθ回転台3従って試料Sをθ回転させ、同時に、2θ回転台4従って検出器アーム9をθ回転の2倍の角速度で2θ回転させる。検出器アーム9の2θ回転により、X線カウンタ21及びモノクロメータ17が試料軸線ω1を中心として2θ回転する。
【0040】
試料Sがθ回転し、X線カウンタ21が2θ回転する間、X線焦点Fから放射されたX線が発散制限スリット8によって横方向の発散を制限された状態で試料Sに照射される。このX線と試料Sの結晶格子面との間でブラッグの回折条件が満足されると、その試料SでX線が回折し、その回折X線は散乱線規制スリット14及び受光スリット16を通過してモノクロメータ17へ到達する。
【0041】
モノクロメータ17は所定波長のX線だけを回折するようにX線入射角度θMが決められているので、回折X線はモノクロメータ17によって単色化された後にX線カウンタ21に取り込まれてカウントされる。このときにカウントされるX線はモノクロメータ17によって単色化されたX線であるので、得られる測定値は分解能が高くて信頼性の高いものである。以上により、個々の回折角度2θにおける回折X線の強度が測定され、周知の回折X線図形が得られる。
【0042】
本実施形態のX線装置では、図1においてモノクロメータ軸線ω2を水平面内でX線光軸Lに対して直交するように設定し、モノクロメータ17及びX線カウンタ21をそのモノクロメータ軸線ω2を中心として回転移動させるようにした。その結果、図4に関連して説明したアンブレラ効果の影響を抑制することができ、この面からも分解能の高いX線測定結果を得ることできる。
【0043】
また、X線の縦方向の発散を制限するための縦発散制限スリット、例えばソーラスリットをX線光軸L上に設ける必要がなくなるので、X線の減衰を抑えてX線カウンタ21に強度の強いX線を取り込むことができ、また、S/N比を向上することができる。
【0044】
さらに、X線カウンタ21を測定のための測角方向である2θ方向に対して直角方向に2θM 回転移動するようにしたので、試料の後方位置にモノクロメータを配設する構造のX線装置であっても2θ方向の測角範囲を大きく取ることができる。
【0045】
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、図1の実施形態では、試料Sのθ回転及びX線カウンタ21の2θ回転が水平面内で行われ、モノクロメータ17のθM 回転及びX線カウンタ21の2θM 回転が水平面に直交する垂直面内で行われた。しかしながらこれに代えて、試料S及びX線カウンタ21のθ−2θ回転を垂直面内で行い、モノクロメータ17及びX線カウンタ21のθM 回転移動及び2θM 回転移動を水平面内で行うことができる。
【0046】
また、モノクロメータ17は、グラファイトに限られず、ゲルマニウム等の単結晶によって形成することもできる。但し、強度の強い回折X線を得るためにはグラファイトを用いることが望ましい。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係るX線装置及びX線測定方法によれば、単色化のためのX線検出器の2θM方向への回転移動を測角方向である2θ方向に対して直角方向に設定したので、X線検出器によって測定されるX線強度値にアンブレラ効果の影響が現れることを抑制でき、よって、分解能の高い測定結果を得られるようになった。
【0048】
また、アンブレラ効果を抑制するためにソーラスリット等といった縦発散制限スリットを設ける必要がなくなるので、X線検出器に強度の強い回折X線を取り込むことができ、また、S/N比も向上する。
【0049】
また、単色化のためにX線検出器を測角方向である2θ方向に対して直角方向へ2θM 回転移動させるようにしたので、X線検出器の2θM 回転移動が2θ方向の測角範囲と重なり合うことが無くなり、よって、試料に関する測角範囲を大きく取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のX線装置の要部を示す図である。
【図3】従来のX線装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図4】アンブレラ効果を説明するための図である。
【図5】従来のX線装置の他の一例を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 X線発生装置
2 ゴニオメータ
3 θ回転台
4 2θ回転台
6 回転駆動装置
8 発散制限スリット
9 2θアーム
12 モノクロメータユニット
16 受光スリット
17 モノクロメータ
19 検出器アーム
21 X線カウンタ(X線検出器)
22 駆動装置
F X線焦点
S 試料
ω1 試料軸線
ω2 モノクロメータ軸線
L X線光軸
Claims (4)
- X線焦点、試料及びX線検出器を通るX線光軸上に配設されたモノクロメータを有し、前記X線検出器及び前記モノクロメータを試料を中心として2θ回転させながらそのX線検出器によってX線を検出するようにしたX線装置において、
前記モノクロメータ及び前記X線検出器は前記2θ回転方向に対して直角方向へ回転移動できることを特徴とするX線装置。 - 請求項1において、前記モノクロメータは、X線光軸を通るモノクロメータ軸線を中心として前記2θ回転方向に対して直角方向へθM回転移動でき、
前記X線検出器は、前記モノクロメータ軸線を中心として前記θM回転の2倍の角度でそれと同じ方向へ2θM回転移動できる
ことを特徴とするX線装置。 - 請求項1又は請求項2において、前記モノクロメータはグラファイトによって形成されることを特徴とするX線装置。
- X線焦点、試料及びX線検出器を通るX線光軸上にモノクロメータを配設し、前記X線検出器及び前記モノクロメータを試料を中心として2θ回転させながらX線検出器によってX線を検出するX線測定方法において、
前記モノクロメータ及び前記X線検出器のX線光軸に対する角度を調節するとき、そのモノクロメータ及びそのX線検出器を前記X線測定のための2θ回転方向に対して直角方向へ回転移動させる
ことを特徴とするX線測定方法。
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