JP5455792B2 - X線分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料にX線を照射し、その試料から出たX線を検出するX線分析装置に関する。本発明は、例えばX線回折装置、X線吸収微細構造(XAFS)測定装置、小角散乱測定装置等として適用できるX線分析装置に関する。
X線分析装置においては、必要に応じた特性のX線が試料へ照射される。例えば、白色X線、特性X線、発散するX線、平行X線等が必要に応じて試料へ照射される。そして、試料の結晶構造等に応じたX線がその試料から出る。例えば、回折線、散乱線、蛍光X線等が試料から出る。X線分析装置は、試料から出たX線をX線検出器によって検出し、X線が出た角度(例えばX線回折角度、X線散乱角度)や、X線強度等がデータとして採取される。分析を行う者は、得られたデータに基づいて、試料の結晶構造、分子構造等を分析する。
例えば特許文献1においては、X線が発散ビームとして試料に照射されたり(集中法)、あるいは平行ビームとして試料に照射される。発散ビームを利用すれば、従来より周知のブラッグ・ブレンターノ(Bragg-Brentano)の集中法に基づいたX線回折測定により、例えば粉末試料の結晶構造解析を行うことができる。一方、平行ビームを利用すれば、例えば薄膜試料の定性分析や構造評価を行うことができる。集中法に基づいたX線回折装置においては、X線源、試料及び受光スリットが焦点円上に配置される。そして、X線源から放射されたX線を試料に照射し、試料から発生する回折X線を受光スリットの後方位置に配置したX線検出器によって検出する。
また、特許文献2には、単色化されたX線を試料に収束させるために、X線発生装置と試料との間(すなわち、入射側)に湾曲結晶モノクロメータを配置することが開示されている。入射側に湾曲結晶モノクロメータを配置する場合には、湾曲結晶モノクロメータを配置するための空間を確保するために、集中法の場合に比べてX線発生装置を試料から離れた位置に配置させる必要がある。
また、特許文献3には、入射側に湾曲結晶モノクロメータを配置してX線を単色化し、さらに同じく入射側に放物面多層膜ミラーを配置して平行ビームを形成する、ことが開示されている。このように、入射側に湾曲結晶モノクロメータや放物面多層膜ミラーを配置する場合にも、集中法の場合に比べてX線発生装置を試料から離れた位置に配置させる必要がある。
特許文献2や特許文献3に開示されたように入射側に湾曲結晶モノクロメータ等といった光学要素を配置するためにX線発生装置を試料位置から離れた位置に配置する光学配置と、特許文献1に開示された集中法光学系を実現するためにX線発生装置を試料位置に近い位置に配置する光学配置と、を1つのX線分析装置において実現しようとする場合には、X線発生装置を試料位置に対して近づけ又は遠ざける方向へ移動させるための構造が必要である。
特開2003−194744号公報(第3頁、図2) 特開2000−206059号公報(第4頁、図1) 特開2004−333131号公報(第4〜5頁、図1)
上記の入射側湾曲モノクロメータを用いたX線光学系においては、X線管と湾曲モノクロメータとを入射側に配置し、焦点円上に仮想X線源を配置しなければならない関係上、X線源の位置及び角度を、一般の集中法光学系に比べて変化させなければならない。このため、一般の集中法X線測定と湾曲モノクロメータを用いたX線測定との両方を行う場合、従来は、それぞれの測定のための専用装置を用いて測定を行うか、1つの測定装置において手動によりX線源の位置及びX線源の角度を変化させなければならなかった。
集中法と湾曲モノクロメータを用いた方法とのそれぞれの専用装置を用いる場合には、購入経費が高くなり、装置の管理及び保守のための経費も高くなるという問題がある。また、1つの装置においてX線源の位置及び角度を変化させる場合には、そのような変化のための作業が面倒であり、変化をさせた後のX線光学系の光軸調整がさらに面倒であるという問題がある。
また、X線源であるX線管は、例えば40kg以上に重いものであり、ユーザが手動によってそれらの位置を移動させる作業は事実上困難である。また、X線分析装置に用いられる精密な測角器であるゴニオメータの構成要素であるゴニオアーム上にあるX線管を頻繁に取外したり、取付けたりするときに、ゴニオアームの局所部分に瞬間的に異常な荷重をかけてしまい、その結果、ゴニオメータの測角精度を悪くする可能性もある。測角精度が悪くなった場合には、その精度の調整をユーザが行うのは難しく、メーカによる調整が必要であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、X線分析装置において湾曲モノクロメータ等といったX線光学要素を用いる場合と用いない場合とで、X線管等といったX線光学機器の位置及び角度を簡単な操作だけで、X線分析装置の構成機器を損傷させること無く、適正な状態に正確に設定できるようにすることを目的とする。
本発明に係るX線分析装置は、試料に照射されるX線を発生するX線管と、前記X線管を保持するX線管保持部材と、前記X線管が回転自在に取付けられ前記X線管保持部材上を前記試料が置かれる位置に近づき又は遠ざかる方向へ移動してX線光路を短く又は長くすることが可能である可動部材と、前記可動部材を移動させる可動部材移動手段と、前記試料が置かれる位置に近づく方向へ前記可動部材と共に移動する前記X線管が当接する第1の位置決め部材と、前記試料が置かれる位置から遠ざかる方向へ前記可動部材と共に移動する前記X線管が当接する第2の位置決め部材とを有しており、前記第1及び第2の位置決め部材は前記X線管を前記X線管保持部材に対する互いに異なる角度であって互いに異なる測定に適正な角度で位置決めすることを特徴とする。
上記構成において、第1の位置決め部材と第2の位置決め部材が当接するX線管は、X線管と一体である任意の部材も含む意味である。
本発明に係るX線分析装置において、前記可動部材移動手段はネジ軸を有することができ、前記可動部材は前記ネジ軸にネジ嵌合するナットを有することができる。ネジ軸は剛性が高く、損傷し難く、重量の大きいX線管等を搬送するのに好適である。
本発明に係るX線分析装置は、前記可動部材に回転自在に設けられた取付部材を有することができ、前記X線管は前記取付部材に固定でき、前記第1及び第2の位置決め部材はそれぞれ前記取付部材に当接してX線管の位置決めをすることができる。この構成によれば、X線管は可動部材に対して回転自在であるので、位置決め部材の当接面の向きを調整することにより、X線管の位置決め角度を自由に設定できる。また、移動途中のX線管は揺動自在であるので、X線管に不要な負荷が加わることが無く、X線管の損傷を防止できる。
本発明に係るX線分析装置においては、前記X線管が前記第1の位置決め部材に当接した状態から前記第2の位置決め部材に当接する状態まで移動した状態で、前記X線管のX線出射口の前に湾曲モノクロメータを追加して配置可能な空間が形成されるように構成できる。この構成により、1つのX線分析装置において、湾曲モノクロメータを用いたX線光学系と湾曲モノクロメータを用いないX線光学系とを選択的に構築できる。湾曲モノクロメータを用いたX線光学系は、例えばCu−Kα1特性線を用いた高精度の測定を可能にする。湾曲モノクロメータを用いないX線光学系は、例えば周知の集中法光学系や、周知の平行ビーム法光学系である。
本発明に係るX線分析装置において、前記X線管保持部材は前記試料が置かれる位置を中心として回転可能とすることができる。そしてこの場合、X線分析装置は、前記試料が置かれる位置に関して前記X線管保持部材の反対側に延在し該X線管保持部材と一体に回転可能である錘保持部材と、前記錘保持部材に支持されており前記試料が置かれる位置に近づき又は遠ざかる方向へ移動可能である錘と、前記錘を前記錘保持部材上で移動させる錘移動手段とを有することができる。
このX線分析装置によれば、試料を中心としてX線管の反対側に錘を設けたことにより、X線管に関して重量のバランスをとることができ、X線管の動きを滑らかにすることができる。また、試料位置に対してX線管を移動した場合には、それに対応して錘を移動することができ、常に安定したバランスを確保できる。
本発明に係るX線分析装置において、前記可動部材移動手段及び前記錘移動手段は共通のネジ軸を用いて構成することができ、該ネジ軸は前記X線管保持部材に対応する位置と前記錘保持部材に対応する位置とにわたって設けることができ、前記X線管は前記ネジ軸の前記X線管保持部材に対応した部分のネジに螺合し、前記錘は前記ネジ軸の前記錘保持部材に対応した部分のネジに螺合し、前記ネジ軸の前記X線管保持部材に対応した部分のネジと前記錘保持部材に対応した部分のネジは互いに逆方向のネジとすることができる。
このX線分析装置によれば、可動部材移動手段と錘移動手段とでネジ軸が共通であるので、1回のネジ軸操作によって可動部材と錘の両方を同時に移動することができ好都合である。また、X線管保持部材に対応した部分と錘保持部材に対応した部分とでネジ軸のネジ方向が逆であるので、移動するX線管のバランスをとることに関して錘を常に適正な方向へ自動的に移動させることができる。
本発明に係るX線分析装置において、前記ネジ軸の前記X線管保持部材に対応した部分のネジのピッチと、前記錘保持部材に対応した部分のネジのピッチとは、前記X線管の重量及び前記錘の重量に応じて互いに異ならせることができる。この構成によれば、X線管の重量と錘の重量とが互いに異なる場合に、X線管と錘との移動量に変化を持たせることにより、X線管と錘とのバランスを正確にとることができる。
本発明に係るX線分析装置は、試料から出たX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器を保持する検出器保持部材と、前記X線検出器が回転自在に取付けられ前記検出器保持部材上を前記試料が置かれる位置に近づき又は遠ざかる方向へ移動してX線光路を短く又は長くすることが可能である可動部材と、前記可動部材を移動させる可動部材移動手段と、前記試料が置かれる位置へ向かって前記可動部材と共に移動する前記X線検出器が当接する第1の位置決め部材と、前記試料が置かれる位置から遠ざかる方向へ前記可動部材と共に移動する前記X線検出器が当接する第2の位置決め部材とを有しており、前記第1及び第2の位置決め部材は前記X線検出器を前記検出器保持部材に対する互いに異なる角度であって互いに異なる測定に適正な角度で位置決めすることを特徴とする。
本発明に係る第1のX線分析装置によれば、X線管が可動部材によって回転自在に支持され、可動部材がX線管と共に可動部材移動手段によって移動し、第1の位置決め部材と第2の位置決め部材とがX線管を互いに異なる角度で位置決めする。このため、X線分析装置のX線入射側において湾曲モノクロメータ等といったX線光学要素を用いる場合とそれを用いない場合とで、X線管の位置及び角度を簡単な操作だけで適正な状態に正確に設定できる。
本発明に係る第2のX線分析装置によれば、X線検出器が可動部材によって回転自在に支持され、可動部材がX線検出器と共に可動部材移動手段によって移動し、第1の位置決め部材と第2の位置決め部材とがX線検出器を互いに異なる角度で位置決めする。このため、X線分析装置のX線受光側において湾曲モノクロメータ等といったX線光学要素を用いる場合とそれを用いない場合とで、X線検出器の位置及び角度を簡単な操作だけで適正な状態に正確に設定できる。
本発明に係るX線分析装置の一実施形態の第1の使用例を示す正面図である。 図1のX線分析装置の平面図である。 図1の要部を分解して示す図である。 図1のX線分析装置で用いられる主要なX線光学要素を示す斜視図である。 図1のX線分析装置を構成する主要なX線光学要素の光学的な配置を示す図である。 図1のX線分析装置の第2の使用例を示す正面図である。 図6のX線分析装置の平面図である。 図6の要部を分解して示す図である。 図6のX線分析装置を構成する主要なX線光学要素の光学的な配置を示す図である。 本発明に係るX線分析装置の他の実施形態の第1の使用例を示す図である。 図10のX線分析装置の第2の使用例を示す図である。 本発明に係るX線分析装置のさらに他の実施形態の第1の使用例を示す正面図である。 図12のX線分析装置の平面図である。 図12の要部を分解して示す図である。 図12のX線分析装置の第2の使用例を示す正面図である。 図15のX線分析装置の平面図である。 図15の要部を分解して示す図である。 本発明に係るX線分析装置のさらに他の実施形態を示す図である。
以下、本発明に係るX線分析装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を参照するが、その図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
(X線分析装置の第1の実施形態に関する第1の使用例)
図1は本発明に係るX線分析装置の一実施形態の第1の使用例を示す正面図である。図2はそのX線分析装置の使用例の平面図である。この使用例は、多層膜ミラーを用いない集中法光学系と多層膜ミラーを用いた平行ビーム光学系とのいずれか一方を選択的に用いて測定を行うようにした例である。
これらの図において、X線分析装置1はゴニオメータ2と、X線管保持部材としてのX線源アーム3と、検出器保持部材としての検出器アーム4とを有している。X線源アーム3及び検出器アーム4はゴニオメータ2の中心軸X0から半径方向へ延びるアーム部材である。ゴニオメータ2は、基板6を備えた支柱7によって基準面G上に設置されている。基準面Gは例えば、机、テーブル、台の載置面である。ゴニオメータ2は、X線源アーム3及び検出器アーム4の中心軸X0を中心とした角度を測角するための測角器である。
測定対象である試料Sは図示しない試料支持装置によって支持されている。試料Sは平板状の試料ホルダに詰め込まれた粉末試料や、キャピラリチューブに封入された粉末試料等である。試料SのX線照射面はゴニオメータ2の中心軸X0を含むように試料支持装置によって支持される。試料支持装置は、例えばゴニオメータ2の中心部に配置された位置不動の軸部材8に固定されている。これにより、試料Sは位置不動の固定状態でゴニオメータ2の中央部分の前方に置かれている。
図2において、ゴニオメータ2の内部に第1の回転軸11が設けられ、この回転軸11を貫通して第2の回転軸12が設けられている。第1の回転軸11及び第2の回転軸12は共通の軸線であるゴニオメータ2の中心軸X0を中心としてそれぞれ独自に回転可能である。第1の回転軸11及び第2の回転軸12はそれぞれ図示しない回転駆動装置によって駆動されて中心軸X0を中心として回転する。
上記の回転駆動装置は、例えば、パルスモータ、サーボモータ等といった回転速度を制御可能なモータの動力を、ウオームとウオームホイール等といった動力伝達装置を介して伝達する構成の回転駆動装置とすることができる。
X線源アーム3は第1の回転軸11の前端面に固定されている。検出器アーム4は第2の回転軸12の前端面に固定されている。第1の回転軸11の回転により、X線源アーム3は図1の矢印A−A’に示すように回転移動する。また、第2の回転軸12の回転により、検出器アーム4は図1の矢印B−B’に示すように回転移動する。
X線源アーム3の先端部分には、X線源アーム3の延在方向に対して上下方向で若干の傾きをもってガイドレール17が設けられている。X線源アーム3の面上には板状の可動部材18が設けられている。可動部材18はガイドレール17に沿って矢印C−C’方向へ平行移動でき、ガイドレール17から外れ落ちないようになっている。矢印C方向はゴニオメータの中心軸X0から離れる方向、すなわちX線光路的に離れる方向又はX線光路が長くなる方向である。一方、矢印C’方向は中心軸X0に近づく方向、すなわちX線光路的に近づく方向又はX線光路が短くなる方向である。
可動部材18の主面上には、図3に示すように、中央部に円形の貫通穴を備えた板状部材である取付部材25がベアリング26によって回転自在に且つ脱落しないように取り付けられている。そして、図1において、取付部材25の主面上にX線発生装置としてのX線管27が固定されている。取付部材25とX線管27とは一体になっている。X線管27は重量が非常に重いX線光学要素であり、その重量は、例えば40kg以上である。
中心軸X0に関してX線源アーム3と対称の位置(すなわち反対側の位置)に錘保持部材としての板状のバランサベース13が設けられており、そのバランサベース13に移動錘14が設けられている。移動錘14は、バランサベース13の主面上に設けられたガイドレール15に沿って矢印J−J’方向へ平行移動でき、ガイドレール15から外れ落ちないようになっている。矢印J方向はゴニオメータの中心軸X0から離れる方向、すなわちX線光路的に離れる方向又はX線光路が長くなる方向である。また、矢印J’方向は中心軸X0に近づく方向、すなわちX線光路的に近づく方向又はX線光路が短くなる方向である。移動錘14は、重量の重いX線管27を支持したX線源アーム3の回転移動を軽く且つ円滑に行うことができるようにするためのバランスウエイトとして機能する。
図2において、検出器アーム4の面上にX線検出器37が設けられている。本実施形態では、X線検出器37は線状(すなわち1次元)又は面状(すなわち2次元)のCCD(Charge Coupled Device/電荷結合素子)センサを含んで構成されている。X線検出器37はX線管27ほどではないが、重量の大きいX線光学要素である。第2の回転軸12の後端面(図2の上端面)に錘16が設けられている。この錘16はX線検出器37を支持した検出器アーム4の回転移動を軽く円滑に行うことができるようにするためのバランスウエイトとして機能する。本実施形態では、錘16は第2の回転軸12の後端面に位置不動に固定されている。
図1において、X線源アーム3の上端に支柱19aが設けられている。この支柱19aによって可動部材移動手段としての送りネジ軸(以下単にネジ軸という)21aが、自身の中心軸を中心として回転可能に、しかし軸方向へは移動しないように、支持されている。また、バランサベース13の上端に支柱19bが設けられている。この支柱19bによって錘移動手段としてのネジ軸21bが、自身の中心軸を中心として回転可能に、しかし軸方向へは移動しないように、支持されている。
ネジ軸21a及び21bは、雄ネジと雌ネジとを滑り移動させる構成の滑りネジ軸であっても良いし、雄ネジと雌ネジとの間にボールを介在させた構成のボールネジ軸であっても良い。
可動部材18の上端にはナット22aが設けられており、このナット22aがネジ軸21aに螺合、すなわちネジ嵌合している。ネジ軸21aのゴニオ中心側の先端にはハンドル23aが取付けられており、このハンドル23aを回してネジ軸21aを軸回転させることにより、可動部材18をガイドレール17に沿って矢印C−C’のように平行移動させることができる。
錘14の上端にはナット22bが設けられており、このナット22bがネジ軸21bに螺合、すなわちネジ嵌合している。ネジ軸21bのゴニオ中心側の先端にはハンドル23bが取付けられており、このハンドル23bを回してネジ軸21bを軸回転させることにより、錘14をガイドレール15に沿って矢印J−J’のように平行移動させることができる。本実施形態では、ネジ軸21aとネジ軸21bとのネジピッチは互いに同じであり、それ故、ネジ軸21a,21bを回したときのX線管27の移動距離と錘14の移動距離は同じである。
図3において、可動部材18の主面(すなわち前面)に設けられた取付部材25は概ね四辺形状に形成されている。取付部材25の平面形状は、X線管27を何度の角度に置きたいかに応じて適宜の形状に設定される。取付部材25は、可動部材18の主面から外れ落ちないようになっており、且つリング状のベアリング26によって可動部材18に対して回転自在となっている。
取付部材25の主面には図1に示すようにX線管27が固定されており、取付部材25とX線管27の両者は一体になっている。図3では、構造を分かり易く示すために、X線管27を取付部材25から取り外した状態で仮想的に示している。但し、X線管27の図示の傾き状態は取付部材25に固定された状態と同じ角度で示している。
X線源アーム3の中央部よりもやや右側の位置に、第1の位置決めブロック28aが位置不動に固定されている。また、X線源アーム3の先端部に第2の位置決めブロック28bが位置不動に固定されている。これらの位置決めブロック28a及び28bは、図3においてX線源アーム3の前方(図の手前方向)に所定の高さで突出しており、可動部材18の側面には当接しないが、取付部材25の側面に当接できるようになっている。取付部材25はX線管27と一体であるので、位置決めブロック28a,28bはX線管27に当接できるということである。
取付部材25と位置決めブロック28a,28bとは両者の平面部分同士が面接触状態で当接するようになっている。このため、取付部材25の側面が位置決めブロック28a,28bに当接すると、取付部材25のX線源アーム3に対する角度が決められるようになっている。取付部材25の両側面には、それぞれ、固定用ブロック29a,29bが取付けられている。
図3においては、第1の位置決めブロック28aが取付部材25の側面に平面的に当接することにより、可動部材18の縦方向及び横方向の位置が決まり、且つ取付部材25のX線源アーム3に対する角度が決まっている。そして、固定用ブロック29aをネジによってX線源アーム3の主面に固定することにより、可動部材18の縦横の位置及び取付部材25のX線源アーム3に対する角度が固定されている。
図3ではX線管27を便宜的に取付部材25から取り外した状態を仮想的に示しているが、実際には、X線管27は、ボルトその他の締結手段によって図1に示すように取付部材25に固定されて取付部材25と一体になっている。通常は、取付部材25が可動部材18に対して回転自在であるため、取付部材25と一体であるX線管球27も可動部材18に対して回転自在である。しかし、取付部材25が第1の位置決めブロック28aに当接して可動部材18のX線源アーム3に対する縦横の位置及び取付部材25のX線源アーム3に対する角度が決められたとき、X線管27のX線源アーム3に対する縦横の位置及び角度も同時に一義的に決められる。
X線管27は本実施形態の場合、回転ターゲットを用いた高出力の管球が用いられている。必要に応じて固定ターゲットを用いたX線管を用いても良い。いずれにしてもX線管27は重量が非常に大きいX線光学要素である。通常用いられている回転ターゲット型のX線管は、例えば40kg以上である。X線管27の内部にはX線を発生するX線源としてのX線焦点Fが形成される。例えば、回転ターゲットの表面に電子を衝突させることによりX線焦点Fを形成することができ、このX線焦点FからX線が放出される。本実施形態では回転ターゲットの表面がCu(銅)を含む金属によって形成されており、放出されるX線にはCuのKα1特性線(λ=1.54Å)が含まれている。X線焦点Fは図3の紙面垂直方向に長い焦点となっている。矢印DはX線の出射方向を示しており、X線焦点Fからこの出射方向へラインフォーカスのX線が取り出される。
図2において屈曲した支柱31がX線源アーム3の主面上に設けられ、その支柱31の先端に第1スリットボックス32が固定されている。第1スリットボックス32において試料Sが置かれる位置と反対側の壁面に第2スリットボックス33が連結されている。他方、X線管27のX線出射口に第3スリットボックス34が連結されている。そして、第2スリットボックス33と第3スリットボックス34とが連結されている。他方、検出器アーム4の面上には、第4スリットボックス36及びX線検出器37が設けられている。
入射側の第3スリットボックス34の中には図4に示すようなアパーチャスリット板38及び反射部材39が設けられている。反射部材39は、例えば多数の薄膜を積層して成る多層膜ミラーによって形成されている。第2スリットボックス33の中には選択スリット41が設けられている。第1スリットボックス32の中には発散スリット42が設けられている。受光側の第4スリットボックス36の中には受光スリット43が設けられている。X線検出器37は、例えば、上下方向(図2の紙面垂直方向)に線状であるX線検出領域を有する1次元X線検出器が用いられる。
以上のX線光学要素は、例えば図5に示すような光学配置にセットされる。すなわち、試料Sが置かれる位置に対して遠い側から順にX線源アーム3上に、X線管27内のX線焦点F、アパーチャスリット板38、反射部材39、選択スリット41、発散スリット42が順次に配置される。また、検出器アーム4上に、受光スリット43及びX線検出器37が設けられる。これらのX線光学要素を用いたX線回折測定は例えば特開2003−194744号公報に詳しく説明されているが、簡単に説明すれば、反射部材39を用いた平行ビーム法に基づいた測定と、反射部材39を用いない集中法に基づいた測定とを、選択スリット41におけるスリットの切換えによって選択的に実行するものである。
図5におけるX線管27のX線源アーム3に対する位置、及びX線源アーム3に対するX線管27の角度は、図3のように取付部材25がゴニオメータの中心に近い方の第1の位置決めブロック28aに当接して位置決め及び角度決めされたものである。
(X線分析装置の第1の実施形態に関する第2の使用例)
図6は本実施形態のX線分析装置の第2の使用例を示す正面図である。図7はそのX線分析装置の平面図である。この使用例は、入射側に湾曲モノクロメータを配置することにより高強度であるCuのKα1特性線のみを用いて高精度のX線回折測定を行うことを可能とする測定例である。
この使用例を実施するにあたっては、まず、図3に示す第1の位置決めブロック28aを用いたX線管27の位置決め及び角度決めが行われている状態から、固定用ブロック29aのネジ固定を解除する。そして、ネジ軸21aのハンドル23aを適宜の方向に回して可動部材18をゴニオメータ2の中心軸X0から離れる方向であるC方向へ移動させる。このとき、図1のバランス用移動錘14側のネジ軸21bのハンドル23bも同様に回して、移動錘14を図1に示す内側位置から図6に示す外側位置へ開き移動させる。これにより、外側へ移動したX線管27に対するバランスが適正に設定される。
可動部材18がC方向へ搬送される間、取付部材25は可動部材18に対して回転自在、すなわち自由に回転できる状態にあるので、X線管27は自由に揺動する状態で可動部材18に吊り下がって移動する。ネジ軸21aによって駆動されて移動する取付部材25が図8に示すようにゴニオメータ2の中心軸X0から遠い方、すなわち試料Sが置かれる位置から遠い方の位置決めブロックである第2の位置決めブロック28bに当接すると、可動部材18のX線源アーム3に対する縦方向及び横方向の位置が決められ、さらに取付部材25のX線源アーム3に対する角度が決められ、結果的にX線管27の位置及び角度が決められる。このときのX線管27の位置及び角度は、図3において第1の位置決めブロック28aによって決められたX線管27の位置及び角度とは異なっている。
図8に示すように取付部材25が第2の位置決めブロック28bによって位置決め及び角度決めされる状態になったとき、取付部材25に固定されたX線管27は第2スリットボックス33から離れ、X線管27と第2スリットボックス33との間に空間が生じる。図6に示すように、この空間内に分光器ボックス45を挿入してX線管27のX線出射口に連結し、さらにその分光器ボックス45のX線出射側に第5スリットボックス46を接続する。第5スリットボックス46のX線出射側は第3スリットボックス34を介して第2スリット33のX線入射側に連結される。
図9は本使用例における各X線光学要素の光学的な配置を示している。本使用例において、図6の入射側の分光器ボックス45の中に図9の分光器47が設けられる。第5スリットボックス46の中に図9の選択スリット48が設けられる。第3スリットボックス34の中には図9の反射部材49が設けられる。第2スリットボックス33の中には選択スリット41が設けられる。第1スリットボックス32の中は空である。図6の検出器アーム4に取付けられた第4スリットボックス36の中は空であり、X線検出器37は図6の縦方向に線状のX線検出領域を有する1次元X線検出器である。
図9におけるX線管27のX線源アーム3に対する位置、及びX線源アーム3に対するX線管27の角度は、図8のように取付部材25がゴニオメータ2の中心軸X0から遠い方の第2の位置決めブロック28bに当接して位置決め及び角度決めされたものである。この位置及び角度は図3において第1の位置決めブロック28aによって決められたX線管27の位置及び角度と異なっている。
図9において、X線焦点F、分光器47及び選択スリット48は1つの円軌跡E1上に配置されている。また、選択スリット48及びX線検出器37は焦点円E2上に配置されている。分光器47は、例えばヨハンソン型又はヨハン型の湾曲結晶によって形成されている。反射部材49は例えば、多数の薄膜を積層して成る多層膜ミラーによって形成されている。反射部材49は集光ビームを形成したいときには楕円ミラーが採用され、平行ビームを形成したいときには放物面ミラーが採用される。
本使用例によれば、分光器47がX線焦点FからのX線を分光してKα1の特性線を生成し、その特性線を円軌跡E1上の選択スリット48のスリット位置に集光する。このため、狭いエネルギ幅のKα1の仮想線源がスリット48のスリット位置に形成される。さらに、スリット48を通過したX線が反射部材49によって反射されるので、試料Sに高強度の特性X線を照射できる。これにより、高分解能のX線回折測定を行うことができる。
(まとめ)
以上のように、本実施形態のX線分析装置1においては、湾曲モノクロメータ等といったX線光学要素を用いる場合(図6の使用例)と、それを用いない場合(図1の使用例)とで、入射側のネジ軸21aのハンドル23aの操作を行うだけという非常に簡単な操作だけでX線管27の垂直面内の縦横の位置及び角度を所定の位置に正確に設定できる。このように、X線管27をX線源アーム3から取外したり、取付けたりする必要が無いので、ゴニオメータ2及びX線管27を損傷する心配が無い。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、入射側X線光学系に湾曲モノクロメータを使用する場合と使用しない場合とで入射光学系の構成機器であるX線管の位置及び角度を調整する場合を考えた。これに対し、第2の実施形態では、試料から出たX線を処理する受光側X線光学系に湾曲モノクロメータを使用する場合と使用しない場合とで、受光側X線光学系の構成機器であるX線検出器の位置及び角度を変化させる。以下、この第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係るX線分析装置は、図10に示すように、集中法に基づいた装置である。X線入射側(すなわちX線焦点Fから試料Sが置かれる位置までの間)には発散スリット60が設けられている。X線焦点F及び発散スリット60はX線管保持部材としてのX線源アーム63上に支持されている。
X線受光側(すなわち試料Sが置かれる位置からX線検出器67までの間)には、散乱スリット66及び受光スリット61が設けられている。散乱スリット66、受光スリット61及びX線検出器67は検出器保持部材としての検出器アーム64上に支持されている。
図示しないゴニオメータは、X線焦点F及び発散スリット60を試料Sが置かれる位置を中心として回転させながら測角し、同時に散乱スリット66、受光スリット61及びX線検出器67を試料Sが置かれる位置を中心として回転させながら測角する。
ゴニオメータによる上記の測角動作により、X線焦点F及び受光スリット61は第1次焦点円E3及びディフラクトメータ円Hの各円軌跡に沿って移動する。第1次焦点円E3はX線焦点F、試料S及び受光スリット61の3点を通る円であり、X線焦点F及び受光スリット61の動きに応じて径が変化する円である。ディフラクトメータ円Hは、試料Sが置かれる位置を中心としてX線焦点Fまでの距離及び受光スリット61までの距離を半径とする円である。ディフラクトメータ円Hは常に径が一定の円である。
受光側の適所、本実施形態では平面視で受光スリット61とX線検出器67との間に送りネジ軸71が設けられている。ネジ軸71の一端にはハンドル73が設けられている。X線検出器67は可動部材78の主面上に回転自在に設けられている。可動部材78はネジ軸71に螺合している。受光スリット61に近い側のネジ軸71の端部の近傍に立方体又は直方体形状の第1の位置決めブロック88aが設けられている。受光スリット61から遠い側のネジ軸71の端部の近傍に立方体又は直方体形状の第2位置決めブロック88bが設けられている。
ハンドル73を回してネジ軸71を正反いずれかの方向へ軸回転させることにより、これに螺合する可動部材78を矢印C−C’方向へ平行移動させることができる。矢印C方向はゴニオメータの中心軸X0から離れる方向、すなわちX線光路的に離れる方向又はX線光路が長くなる方向である。一方、矢印C’方向は中心軸X0に近づく方向、すなわちX線光路的に近づく方向又はX線光路が短くなる方向である。
図10は矢印C’方向へ移動した可動部材78上のX線検出器67が第1の位置決めブロック88aに当接している状態である。この状態でX線検出器67の縦方向及び横方向の位置並びに検出器アーム64に対する角度位置が決められている。この状態で、X線検出器67は試料Sから出て受光スリット61を通過したX線を受光する。
図11は、ハンドル73を回してネジ軸71を軸回転させることにより、これに螺合する可動部材78を矢印C方向へ移動させて、可動部材78上のX線検出器67を第2の位置決めブロック88bに当接させた状態を示している。この状態で、X線検出器67は、追加的に挿入されるべき湾曲モノクロメータ62に対して所望の角度に設定され、さらに可動部材78と受光スリット61との間に大きな空間、すなわち長いX線光路が確保される。そして、その空間内に湾曲モノクロメータ62が追加的に配置される。
この構成により、試料Sから出たX線、例えば回折線が湾曲モノクロメータ62で分光されてX線検出器67によって検出される。モノクロメータ62によって特定波長のX線だけを取り出し、それをX線検出器67によって計数することにより、高精度の測定を行うことができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、それほど高い精度を必要としない場合には、図10に示すように湾曲モノクロメータを用いること無く、X線検出器67を受光スリット61に近づけることにより、強度の強いX線をX線検出器67に取り込むことができる。他方、高精度の測定を希望する場合には、図11に示すように、X線検出器67を移動させた上で湾曲モノクロメータ62を追加的に配置する。この場合、第1位置決めブロック88a及び第2位置決めブロック88bの働きにより、可動部材78を移動させるためのハンドル73についての1回の操作により、X線検出器67の位置と角度の両方を同時に位置決めできる。
(第3の実施形態)
図12〜図17は本発明に係るX線分析装置の第3の実施形態を示している。図12〜図14はその実施形態の第1の使用例を示しており、図1〜図3の使用例と同じ使用例を示している。すなわち、図12〜図14に示す第1の使用例は、図5に示す光学系によって集中法に基づく測定と平行ビーム法に基づく測定とのいずれかを選択的に行うものである。
また、図15〜図17は本実施形態の第2の使用例を示しており、図6〜図8の使用例と同じ使用例を示している。すなわち、図15〜図17に示す第2の使用例は、図9に示す光学系によってCu−Kα1特性線を用いて高精度の測定を行うものである。なお、本実施形態において、図1〜図3及び図6〜図8に示した第1実施形態と同じ部材は同じ符号を用いて示すことにして、それらの部材の説明は省略する。
本実施形態が図1〜図3及び図6〜図8に示した第1実施形態と異なるのは、X線管27を移動させるための手段と、錘14を移動させるための手段とに改変を加えたことである。以下、この点について詳細に説明する。
図1〜図3及び図6〜図8に示した第1実施形態においては、X線管27を移動させるための手段として専用のネジ軸21aを用い、錘14を移動させるための手段として他の専用のネジ軸21bを用いた。これに対し、本実施形態では、図12に示すように、X線管保持部材としてのX線源アーム3の上面に設けた支柱19aと、錘保持部材としてのバランサベース13の上面に設けた支柱19bとによって、長い共通のネジ軸21を軸回転可能に、しかし軸方向移動不能に支持していることである。
ネジ軸21のうちX線源アーム3に対応する位置にはネジ20aが設けられ、バランサベース13に対応する位置にはネジ20bが設けられている。そして、ネジ20aとネジ20bとは互いに逆ネジとなっている。すなわち、ネジ20aが右ネジであればネジ20bは左ネジであり、ネジ20aが左ネジであればネジ20bは右ネジである。可動部材18の上面に設けられたナット22aはネジ20aに螺合し、錘14の上面に設けられたナット22bはネジ20bに螺合している。
ネジ軸21のX線源アーム3側の端部にはハンドル23が取付けられている。このハンドル23を回すことにより、ネジ軸21を軸回転させることができる。ネジ軸21の軸回転により、可動部材18及びそれに支持されたX線管27を矢印C−C’方向へ移動させることができ、同時に錘14を矢印J−J’方向へ移動させることができる。つまり、ネジ軸21の1回の操作により、X線管27及び錘14の両方を同時に移動させることができる。
この場合、入射側のネジ20aと受光側のネジ20bは互いに逆ネジであるので、X線管27と錘14の移動方向は逆方向となる。従って、X線管27がゴニオ中心軸X0へ近づく方向へ移動する場合には、錘14は同じくゴニオ中心軸X0へ近づく方向へ移動し、逆に、X線管27がゴニオ中心軸X0から離れる方向へ移動する場合には、錘14は同じくゴニオ中心軸X0から離れる方向へ移動する。この結果、錘14はX線管27の移動に応じて自動的に重量的なバランスをとるように移動する。つまり、本実施形態では、ネジ軸21を軸回転させて測定の種類に応じてX線管27を移動させたときには、錘14が重量的なバランスをとるように自動的に移動する。
本実施形態では、入射側ネジ20aのピッチ(すなわち、互いに隣接するねじ山間距離)と受光側ネジ20bのピッチとを同じに設定した。従って、ネジ軸21を軸回転させたときのX線管27の移動距離と錘14の移動距離とは同じである。この構成は、X線管27の重量と錘14の重量とが互いに略等しい場合に有利である。仮に、X線管27の重量と錘14の重量とが異なっている場合には、重量的なバランスをとるためにX線管27の移動距離と錘14の移動距離とに変化を持たせた方が良いので、入射側ネジ20aのピッチと受光側ネジ20bのピッチとを異ならせることが望ましい。
(第4の実施形態)
図18は本発明に係るX線分析装置の第4の実施形態を示している。図12に示した実施形態ではネジ軸21を1本の直線的なネジ軸によって構成した。これに対し、本実施形態では、入射側のX線源アーム3に対応して支柱19aによってネジ軸21aを支持して設け、さらに、受光側の検出器アーム13に対応して支柱19bによってネジ軸21bを支持して設け、ネジ軸21aとネジ軸21bとを回転伝達機構、例えばタイミングベルト90を用いた機構によって連結している。
タイミングベルト90は、連続する凹凸形状を内周面に備えた無端のベルトであり、ネジ軸21aとネジ軸21bとの回転角度すなわち回転速度を1対1で正確に伝達する回転伝達機構である。本実施形態では、ハンドル23を回すことによりネジ軸21a及び21bを同じ方向へ同じ回転速度で軸回転させることができ、それ故、X線管27と錘14とをゴニオ中心軸X0に関して開閉移動させることができる。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、図3に示した実施形態では2個の位置決めブロック28a及び28bを用いたが、中間に配置すべき位置決めブロックをX線源アーム3に対して着脱可能としておけば、2個以上の複数の位置においてX線管27の位置及び角度の位置決めを行うことができる。
以上に説明した実施形態では、例えば図1のX線源アーム3と検出器アーム4との両方をゴニオ中心軸X0を中心として角度走査のために回転させるものとしたが、本発明はX線源アーム3を回転させない構造のゴニオメータにも適用可能である。
1.X線分析装置、 2.ゴニオメータ、 3.X線源アーム(X線管保持部材)、 4.検出器アーム(検出器保持部材)、 6.基板、 7.支柱、 8.軸部材、 11.第1の回転軸、 12.第2の回転軸、 13.バランサベース(錘保持部材)、 14.錘、 15.ガイドレール、 16.錘、 17.ガイドレール、 18.可動部材、 19a,19b.支柱、 20a,20b.ネジ、 21,21a,21b.ネジ軸、 22a,22b.ナット、 23,23a,23b.ハンドル、 25.取付部材、 26.ベアリング、 27.X線管、 28a.第1の位置決めブロック、 28b.第2の位置決めブロック、 29a,29b.固定用ブロック、 31.支柱、 32.第1スリットボックス、 33.第2スリットボックス、 34.第3スリットボックス、 36.第4スリットボックス、 37.X線検出器、 38.アパーチャスリット板、 39.反射部材、 41.選択スリット、 42.発散スリット、 43.受光スリット、 45.分光器ボックス、 46.第5スリットボックス、 47.分光器、 48.選択スリット、 49.反射部材、 60.発散スリット、 61.受光スリット、 62.湾曲モノクロメータ、 63.X線源アーム(X線管保持部材)、 64.検出器アーム(検出器保持部材)、 66.X線検出器、 67.X線検出器、 71.ネジ軸、 73.ハンドル、 78.可動部材、 88a,88b.位置決めブロック、 90.タイミングベルト、 E1.円軌跡、 E2,E3.焦点円、 F.X線焦点、 G.基準面、 H.ディフラクトメータ円、 S.試料、 X0.中心軸

Claims (8)

  1. 試料に照射されるX線を発生するX線管と、
    前記X線管を保持するX線管保持部材と、
    前記X線管が回転自在に取付けられ前記X線管保持部材上を前記試料が置かれる位置に近づき又は遠ざかる方向へ移動してX線光路を短く又は長くすることが可能である可動部材と、
    前記可動部材を移動させる可動部材移動手段と、
    前記試料が置かれる位置に近づく方向へ前記可動部材と共に移動する前記X線管が当接する第1の位置決め部材と、
    前記試料が置かれる位置から遠ざかる方向へ前記可動部材と共に移動する前記X線管が当接する第2の位置決め部材と、を有しており、
    前記第1及び第2の位置決め部材は前記X線管を前記X線管保持部材に対する互いに異なる角度であって互いに異なる測定に適正な角度で位置決めする、
    ことを特徴とするX線分析装置。
  2. 前記可動部材移動手段はネジ軸を有しており、前記可動部材は前記ネジ軸にネジ嵌合するナットを有していることを特徴とする請求項1記載のX線分析装置。
  3. 前記可動部材に回転自在に設けられた取付部材を有しており、
    前記X線管は前記取付部材に固定されており、
    前記第1及び第2の位置決め部材はそれぞれ前記取付部材に当接する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のX線分析装置。
  4. 前記X線管が前記第1の位置決め部材に当接した状態から前記第2の位置決め部材に当接する状態まで移動した状態で、前記X線管のX線出射口の前に湾曲モノクロメータを追加して配置可能な空間が形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のX線分析装置。
  5. 前記X線管保持部材は前記試料が置かれる位置を中心として回転可能であり、
    前記試料が置かれる位置に関して前記X線管保持部材の反対側に延在し該X線管保持部材と一体に回転可能である錘保持部材と、
    前記錘保持部材に支持されており前記試料が置かれる位置に近づき又は遠ざかる方向へ移動可能である錘と、
    前記錘を前記錘保持部材上で移動させる錘移動手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のX線分析装置。
  6. 前記可動部材移動手段及び前記錘移動手段は共通のネジ軸を有しており、
    該ネジ軸は前記X線管保持部材に対応する位置と前記錘保持部材に対応する位置とにわたって設けられており、
    前記X線管は前記ネジ軸の前記X線管保持部材に対応した部分のネジに螺合しており、
    前記錘は前記ネジ軸の前記錘保持部材に対応した部分のネジに螺合しており、
    前記ネジ軸の前記X線管保持部材に対応した部分のネジと前記錘保持部材に対応した部分のネジは互いに逆方向のネジである、
    ことを特徴とする請求項5記載のX線分析装置。
  7. 前記ネジ軸の前記X線管保持部材に対応した部分のネジのピッチと、前記錘保持部材に対応した部分のネジのピッチとは、前記X線管の重量及び前記錘の重量に応じて互いに異なっていることを特徴とする請求項6記載のX線分析装置。
  8. 試料から出たX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器を保持する検出器保持部材と、
    前記X線検出器が回転自在に取付けられ前記検出器保持部材上を前記試料が置かれる位置に近づき又は遠ざかる方向へ移動してX線光路を短く又は長くすることが可能である可動部材と、
    前記可動部材を移動させる可動部材移動手段と、
    前記試料が置かれる位置へ向かって前記可動部材と共に移動する前記X線検出器が当接する第1の位置決め部材と、
    前記試料が置かれる位置から遠ざかる方向へ前記可動部材と共に移動する前記X線検出器が当接する第2の位置決め部材と、を有しており、
    前記第1及び第2の位置決め部材は前記X線検出器を前記検出器保持部材に対する互いに異なる角度であって互いに異なる測定に適正な角度で位置決めする、
    ことを特徴とするX線分析装置。
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