JP2002148219A - X線回折装置 - Google Patents

X線回折装置

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JP2002148219A
JP2002148219A JP2000340989A JP2000340989A JP2002148219A JP 2002148219 A JP2002148219 A JP 2002148219A JP 2000340989 A JP2000340989 A JP 2000340989A JP 2000340989 A JP2000340989 A JP 2000340989A JP 2002148219 A JP2002148219 A JP 2002148219A
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goniometer
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ray
optical system
wedge plate
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Ukyo Kaminaga
宇享 神長
Tomoo Hagiwara
友郎 萩原
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Mac Science Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入射光学系を交換する場合に、熟練者でなく
ても、簡単に精度のよい調整を行うことができるように
する。 【解決手段】 X線源2と、試料5を回転させるゴニオ
メータ50と、X線検出器95と、入射光学系ユニット
60とを備えたX線回折装置において、入射光学系ユニ
ット60をゴニオメータ本体50A上に設け、ゴニオメ
ータ50を高さ調節台7の上に設置する。高さ調節台7
は、ベース10と、昇降台20と、可動ウェッジ板15
を固定ウェッジ板16に対して水平スライドさせること
で可動ウェッジ板15の水平変位を昇降台20の垂直変
位に変換するウェッジ式の昇降駆動機構8とで構成し、
昇降台20の上にX線Fの進路と平行なガイドレール2
1を設け、このガイドレール21にゴニオメータ50を
スライド可能に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線源で発生した
X線を試料に照射し、この試料から放出される回折X線
を測定することにより、試料に含まれる物質の成分の種
類や量、あるいは成分の結晶面間隔等を分析するX線回
折装置に係り、特に、ゴニオメータにより試料を水平に
近い状態で保持して水平な試料軸の回りに回転させなが
ら測定する縦型のX線回折装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は縦型のX線回折装置の従来例を示
している。図において、1はX線管、2はX線源、Fは
X線、5は試料、110はゴニオメータである。X線源
2から出射されたX線Fは、ゴニオメータ110に保持
された試料5に照射される。
【0003】ゴニオメータ110は、ゴニオメータ本体
110Aの下部に設けられた複数のアジャスタボルト1
11を介してX線管球1と同じ基準面100に設置され
ており、これらのアジャスタボルト111を連携しなが
ら回すことで、試料5に対するX線Fの入射点を微妙に
調節することができるようにしている。
【0004】このゴニオメータ110には、回転板11
5の回転軸線として水平な試料軸Aが設けられており、
試料5はこの試料軸Aの回りに鉛直面内で角速度θで回
転させられ、試料5に対するX線Fの入射角度を変化さ
せられるようになっている。また、ゴニオメータ110
には、試料軸Aを中心として試料5の回転角速度θの2
倍の回転角速度2θで回転させられる検出器アーム12
0が設けられており、この検出器アーム120に、試料
5から放出された回折X線を検出するX線検出器125
が設けられている。また、試料5とX線検出器125と
の間には、散乱スリット121、ソーラスリット12
2、受光スリット123がこの順に設けられ、X線源2
と試料5との間には、入射光学要素として、試料5に照
射するX線Fの面積を制限する発散スリット130が設
けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のX
線回折装置では、測定内容によって、入射光学系に使用
する光学要素やその組み合わせを交換することがしばし
ばある。例えば、入射光学要素として発散スリット13
0だけを使用し、発散スリット130を通過したX線を
直接試料5に照射して測定する場合と、X線の発散によ
る強度低下を防ぐために入射光学系に多層膜ミラー13
5を設置し、X線を多層膜ミラー135で上向きに回折
させた後、試料5に照射して測定する場合とがある。こ
こで、前者の測定条件から後者の測定条件に変更するよ
うな場合、ミラー135通過後のX線ビームの進路が変
わるので、ゴニオメータ110全体を、ミラー135を
中心にして、ミラー135へのX線入射角度θbの2倍
の2θbだけ、X線ビームを含む面内で回転させなけれ
ばならない。また、これとは別に、X線管球1の出力を
変更するような場合にも、ゴニオメータ110全体の高
さ調整を行わなければならないことがある。しかし、こ
のような調整をアジャスタボルト111で行うのは大き
な困難が伴うため、高度な熟練者でないと、高精度の位
置決めを再現性よく行うことは非常に難しかった。
【0006】本発明は、上記事情を考慮し、入射光学系
の光学要素やその組み合わせを交換する場合やX線管の
出力変更を行う場合に、熟練者でなくても、簡単に精度
のよい調整を行うことができるX線回折装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、試料
に対しX線を照射するX線源と、水平な試料軸を中心に
試料を上下方向に回転させることで試料に対するX線の
入射角度を変化させると共に検出器アームを前記試料軸
を中心として前記試料の回転角速度の2倍の回転角速度
で回転させるゴニオメータと、前記検出器アームに配さ
れて試料から放出される回折X線を検出するX線検出器
と、X線源と試料との間に配される入射光学系とを備え
たX線回折装置において、前記入射光学系をゴニオメー
タ上に設けると共に、該ゴニオメータを高さ調節台の上
に設置し、その高さ調節台を、(a)ベースと、(b)
該ベースの上方に配され上下動ガイドにより案内されな
がら昇降自在とされた昇降台と、(c)前記ベースと昇
降台の間に配されて互いに重なり合うことで昇降台を支
持する固定ウェッジ板と可動ウェッジ板とを有し、且
つ、可動ウェッジ板を水平方向にスライドさせることで
可動ウェッジ板と固定ウェッジ板の傾斜面同士を摺動さ
せて、それにより可動ウェッジ板に加えた水平変位を昇
降台の垂直変位に変換するウェッジ式の昇降駆動機構と
で構成し、前記昇降台の上にゴニオメータを設置したこ
とを特徴としている。
【0008】この請求項1の発明のX線回折装置では、
可動ウェッジ板を水平方向にスライドさせることで、昇
降台を上下に変位させ、その上のゴニオメータの高さ調
整を行うことができる。この場合、可動ウェッジ板と固
定ウェッジ板の傾斜面の角度によって、可動ウェッジ板
の水平変位量に対する昇降台の垂直変位量を決めること
ができるので、傾斜角度を小さくすることによって、小
さな操作力にて、極めて微小なゴニオメータの高さ調節
が可能となる。従って、入射光学系の変更及びX線発生
装置の出力変更によって必要となるゴニオメータ中心高
さの調整を容易且つ高精度に実施できるようになる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1において、前
記昇降台の上に、X線源から出射されるX線の進路に対
して平行なガイドレールを設け、このガイドレール上に
ガイドレールに沿ってスライド自在にゴニオメータを載
置すると共に、ゴニオメータをスライドさせる駆動機構
を設けたことを特徴としている。
【0010】この請求項2の発明のX線回折装置では、
入射光学系の各種組み合わせを選択するに当たり、光学
系に影響することなく、容易かつ自在にゴニオメータ半
径を変更することができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、前記入射光学系を、ゴニオメータに設けたブラケ
ットに対し位置決め手段を介して交換可能に設けたこと
を特徴としている。
【0012】この請求項3の発明のX線回折装置では、
位置決め手段を介して入射光学系をゴニオメータのブラ
ケットに取り付けているので、ほとんど無調整で任意の
入射光学系を取り付けて使用することができ、容易に高
精度・高再現性を維持しながらの測定を行うことができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は実施形態のX線回折装置の側
面図、図2は同斜視図である。このX線回折装置は、X
線発生装置としてのX線管1と、試料5を保持して回転
させるゴニオメータ50と、ゴニオメータ50を載せて
ゴニオメータ50の高さ方向の位置調整を可能とする高
さ調節台7とを備えている。
【0014】X線管1のターゲット上に設定されたX線
源2からは、ゴニオメータ50によって略水平に保持さ
れた試料5の表面(上面)に向けてX線Fが出射され
る。出射されたX線Fは、ゴニオメータ50の中心部に
設定された水平な試料軸A上の試料表面に入射し、試料
5からは回折X線が放射される。ゴニオメータ50で試
料5を回転させることにより、試料5に対するX線Fの
入射角度が変化し、試料5から放出される回折X線の進
路はその2倍の角度変化する。
【0015】ゴニオメータ50は、試料軸Aを中心軸線
として鉛直面内で回転するθ回転板51を有しており、
この回転板51に試料テーブル52が突き出した形で設
けられ、この試料テーブル52の上に試料5が保持され
ている。また、ゴニオメータ50は、θ回転板51と同
軸に、つまり、試料軸Aを中心軸線として鉛直面内で回
転する2θ回転板55を有している。θ回転板51と2
θ回転板55は、θ回転板51が角速度θで回転すると
き、2θ回転板55がその2倍の角速度2θで回転する
ように構成されている。ゴニオメータ本体50Aの内部
には、そのように回転駆動制御する図示略の機構が含ま
れている。
【0016】2θ回転板55には、X線管1のある側と
反対側に突出する検出器アーム56が一体に設けられて
おり、この検出器アーム56の上に、受光側光学系ユニ
ット90とX線検出器95とが搭載されている。受光側
光学系ユニット90は、試料5からの回折X線の進路に
沿って順番に散乱スリット、ソーラスリット、受光スリ
ット等のユニットを並べたものであり、この受光側光学
系ユニット90を通過した回折X線がX線検出器95に
入射するようになっている。
【0017】ゴニオメータ本体50AのX線管1側に
は、入射光学系アーム57が一体に設けられている。入
射光学系アーム57の上端部にはブラケット71が設け
られており、そのブラケット71に、ブロック72を介
して入射光学系ユニット60が取り付けられている。
【0018】図3は入射光学系ユニット60の取付部分
の分解斜視図である。入射光学アーム57にはブラケッ
ト71が取付ボルト58で固定され、ブラケット71の
上面には、入射光学系ユニット60に取り付けたブロッ
ク72を位置決め固定するための位置決め溝(位置決め
手段)74が設けられている。位置決め溝74の片方の
側壁は側板75によって構成されている。位置決め溝7
4の底面及び側面とブロック72の底面及び側面は、ブ
ロック72を位置決めするために互いに当接する面であ
り、これらの当接面は、精密研磨により精度よく平面化
されている。そして、この位置決め溝74にブロック7
2を嵌め込んで幾つかのボルトを締めることで、入射光
学系ユニット60がゴニオメータ本体50Aの入射光学
アーム57に精度よく位置決めされた状態で取り付けら
れている。
【0019】ブロック72の側面にはV溝72aが設け
られており、このV溝72aが側板75に通した位置決
めボルト77の先端と嵌まり合うことで、X線ビームと
平行な方向における入射光学系ユニット60の位置が規
定されている。ブロック72の底面にはネジ孔(図示せ
ず)が設けられており、このネジ孔にブラケット71の
底面から通したボルト73をねじ込んで、ブロック72
を位置決め溝74の底面に引きつけることで、X線ビー
ムに対する入射光学系ユニット60の高さが規定されて
いる。また、側板75にねじ込んだクランピングボルト
76で、ブロック72を位置決め溝74の側面に押し付
けることで、X線ビームと直角方向の入射光学系ユニッ
ト60の位置が規定されている。
【0020】受光側光学系である受光側光学系ユニット
90やX線検出器95も、同様の位置決め手段を用いて
検出器アーム56に取り付けられている。即ち、図1に
示すように、検出器アーム56の上にはブラケット81
が設けられ、ブラケット81に形成された位置決め溝
(図示略)を用いて、受光側光学系ユニット90やX線
検出器95を支持するブロック82、83が支持固定さ
れている。従って、例えば受光側光学系ユニット90や
X線検出器95を交換する場合であっても、精度よく、
また、再現性よく取り付けることができる。
【0021】入射光学系ユニット60や受光側光学系ユ
ニット90の各ユニット間の位置関係に特に高い精度が
要求される場合には、同一のブロック上に全ての光学ユ
ニットを取り付けて一体化したまま交換できるようにす
るのが望ましいが、そこまでの精度が必要とされない場
合には、受光側光学系の場合のように、個々のユニット
をそれぞれのブロックに取り付け、これを組み合わせて
ブラケット81上に取り付けることができる。
【0022】次に、高さ調節台7によってゴニオメータ
50を支持している構造について詳しく述べる。高さ調
節台7は、X線管1と同じ基準面100の上にアジャス
タボルト11を介して支持されたベース10と、該ベー
ス10の上方に配され上下動ガイド13によって案内さ
れながら昇降自在とされたプレート状の昇降台20と、
ウェッジ式の昇降駆動機構8とによって構成されてい
る。
【0023】上下動ガイド13は、ベース10の上面
の、昇降台20を安定ガイドできる複数個所に配されて
おり、ベース10の上面に軸線を鉛直方向を向けて固定
されたガイド筒13Aと、昇降台20の下面に固定され
ガイド筒13Aに対して上下スライド可能に嵌入された
ロッド13Bとからなる。このように上下動ガイド13
を介して昇降台20が支持されていることにより、昇降
台20は上下方向にしか移動できないように拘束されて
いる。
【0024】ウェッジ式の昇降駆動機構8は、前記ベー
ス10と昇降台20の間に配されて互いに重なり合うこ
とで昇降台20を支持する固定ウェッジ板16と可動ウ
ェッジ板15とを有している。固定ウェッジ板16は昇
降台20の下面に固定され、自身の下面が傾斜面16a
とされたものである。可動ウェッジ板15は、ベース1
0の上面に沿ってスライド自在に設けられ、上面に、固
定ウェッジ板16の傾斜面16aと摺接する傾斜面15
aを有するものである。
【0025】可動ウェッジ板15の側部には、ベース1
0に軸受18で支持された送りネジ17の先端がナット
14を介して連結されており、ハンドル19を回して送
りネジ18により可動ウェッジ板15を水平方向にスラ
イドさせることで、可動ウェッジ板15と固定ウェッジ
板16の傾斜面15a、16a同士を摺動させて、それ
により、可動ウェッジ板15に加えた水平変位を昇降台
20の垂直変位に変換できるようになっている。
【0026】また、昇降台20の上には、X線源2から
出射されるX線Fの進路に対して平行なガイドレール2
1が複数本設けられており、ゴニオメータ本体50A
は、リニアガイド22を介して、これらガイドレール2
1に滑動自在に取り付けられている。ゴニオメータ本体
50Aの下面にはナット23が設けられており、昇降台
20に軸受25で支持された送りネジ24がそのナット
23に螺合している。従って、ハンドル26を操作して
送りネジ24を回すことにより、ゴニオメータ50をX
線ビームと平行に移動させることができるようになって
いる。
【0027】次に作用を説明する。入射光学系ユニット
60における光学要素の組み合わせとしては、例えば、
図4(a)〜(d)に示すような場合が考えられる。 (a)は発散スリット61のみを使用する場合 (b)は多層膜ミラー62のみを使用する場合 (c)は多層膜ミラー62と4結晶モノクロメータ63
を使用する場合 (d)は多層膜ミラー62と2結晶モノクロメータ64
を使用する場合 である。各場合では試料5に対するX線Fの入射高さが
変わる。
【0028】(a)は入射光学系に発散スリット61だ
けを設置した場合であり、X線FはX線源2より試料5
に向かって直進する。これに対し、(b)は入射光学系
として下向きに回折する多層膜ミラー62だけを設置し
た場合であり、多層膜ミラー62と試料5(5’)はい
ずれも、X線Fの直進経路よりL1だけ高い位置にあ
る。また、(c)は入射光学系として多層膜ミラー62
と4結晶モノクロメータ63を設置した場合であり、X
線Fの入射光学系への入射位置と試料5(5’)側への
放射位置の関係は(b)と同一である。従って、(b)
と(c)の場合には、(a)の場合に比べ、ゴニオメー
タ全体をL1だけ高める必要がある。
【0029】(d)は入射光学系に多層膜ミラー62と
2結晶モノクロメータ63を設置した場合であり、初期
状態のままではX線Fが試料5’よりL2だけ下に進
む。よって、入射光学系ユニット60の下にL2の厚さ
のスペーサ65を挟み、ゴニオメータ全体をL2だけ低
くすれば、X線Fと入射光学系並びに試料との関係を満
足することができる。
【0030】このように入射光学系ユニット60の光学
要素をどういう構成にするかによって、ゴニオメータ5
0の高さ調整の必要が生じてくる。そこで、そのような
高さ調整を、このX線回折装置では、ハンドル19を操
作し、可動ウェッジ板15を図1の左右方向へスライド
させることで行う。即ち、可動ウェッジ板15を水平変
位させると、昇降台20を上下に変位させることができ
るので、それによって昇降台20の上のゴニオメータ5
0の高さ調整を行う。
【0031】この場合、可動ウェッジ板15と固定ウェ
ッジ板16の傾斜面15a、16aの角度によって、可
動ウェッジ板15の水平変位量に対する昇降台20の垂
直変位量を決めることができるので、傾斜角度を非常に
小さくすることによって、小さな操作力にて、極めて微
小なゴニオメータ50の高さ調節を行うことが可能とな
る。例えば、昇降台20の変動量を、送りネジ17のピ
ッチの数分の一とすることができるため、精密な高さ調
節を容易に行うことができる。
【0032】なお、図4(b)〜(d)の例では、図5
に示した従来例と違って、入射するX線Fを多層膜ミラ
ー62により下向きに回折させている。従って、従来の
上向きに回折させる場合には、高さ調節するに当たり入
射光学系群の高さを減じる方向の調整を行わなければな
らず、調整するのに複雑な機構が必要で、しかも精度維
持が困難であったが、上記の例では、入射光学系群の高
さを増す方向の調整を行えばよいため、入射光学系ユニ
ット60の下側にスペーサ65を挟むだけですむように
なり、機構的に簡略化する上、精度維持が簡単になる。
【0033】また、X線管1の出力変更の際にも発生熱
量の変化により、X線管とゴニオメータとの間で熱膨張
の差が生じ、X線発生源の高さが変化するため、ゴニオ
メータ50の高さ調整が必要になるが、その場合にも、
上記と同様の操作により、簡単且つ精密に入射X線と入
射光学系と試料との関係の調整をすることができる。
【0034】また、このX線回折装置では、ハンドル2
6を回すことで、X線ビームの進路に沿って、光学系を
すべて搭載したゴニオメータ50全体を移動することが
できるので、X線ビームとの関係を維持しながら、光学
系に影響を及ぼすことなく、ゴニオメータ半径を容易且
つ自在に変更することができる。また、位置決め溝74
を介して入射光学系ユニット60を自由に交換できるよ
うにしているので、ほとんど無調整で、任意の入射光学
系ユニットを取り付けて使用することができ、容易に高
精度・高再現性を維持しながら測定を行うことができ
る。
【0035】因みに具体的な実施例を提示すると、ゴニ
オメータ半径が310mmの縦型ゴニオメータを使用し
た場合において、ブロック72とブラケット71をニッ
ケル鋼で作り、熱処理後、精密研磨して当接面を平均粗
さ0.1μm以下に仕上げたところ、入射光学系を着脱
した場合の高さ変動は±0.2μmであった。その際、
取り付けた多層膜ミラーの焦点距離は100mmであっ
たため、ミラーと試料間の距離は210mmとなり、±
0.2μmの高さ変動は、試料へのX線入射角として±
0.5/10000度、多層膜ミラーへのX線入射角と
して±1/10000度の変動となった。
【0036】また、上記X線回折装置にピッチ2mmの
送りネジ24を使用してゴニオメータ全体をX線ビーム
の進路に沿って傾斜移動させたところ、X線光学系に影
響を与えることなく、±10μmの再現性でゴニオメー
タ半径を185mmから360mmまで容易に変化させ
ることができた。
【0037】また、上記X線回折装置における可動ウェ
ッジ板15及び固定ウェッジ板16の傾斜を1/10と
し、ピッチ1mmの送りネジ17で昇降台20を上下さ
せたところ、±0.5μmの精度でゴニオメータ全体の
高さを容易に調節できた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、入射光学系の変更及びX線発生装置の出力変更
によって必要となるゴニオメータ中心高さの調整を、ウ
ェッジ式の昇降駆動機構を含んだ高さ調節台を用いて行
うようにしたので、取り扱いが容易となり、熟練者でな
くても、高精度、高再現性を維持しながら調整できるよ
うになった。また、調節に要する時間が短縮し、装置の
稼働率が向上することに加え、装置の小型軽量化が図れ
ると共に、メンテナンスが容易となった。
【0039】また、請求項2の発明によれば、入射光学
系の各種組み合わせを選択するに当たり、光学系に影響
することなく、容易かつ自在にゴニオメータ半径を変更
できるようになる。また、請求項3の発明によれば、入
射光学系の各種組み合わせを選択して交換するに当た
り、X線ビームに対する各々の位置や角度をあまり調整
せずに容易に交換できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のX線回折装置の側面図であ
る。
【図2】同X線回折装置の斜視図である。
【図3】同X線回折装置の入射光学系の取付部分の分解
斜視図である。
【図4】同X線回折装置において、入射光学系ユニット
の光学要素を変えた場合の高さ調整の必要性を説明する
図で、(a)は発散スリットのみ使用する場合、(b)
は多層膜ミラーのみ使用する場合、(c)は多層膜ミラ
ーと4結晶モノクロメータを使用する場合、(d)は多
層膜ミラーと2結晶モノクロメータを使用する場合の説
明図である。
【図5】従来のX線回折装置の側面図である。
【符号の説明】
F X線 2 X線源 5 試料 7 高さ調節台 8 ウェッジ式の昇降駆動機構 13 上下動ガイド 21 ガイドレール 50 ゴニオメータ 50A ゴニオメータ本体 56 検出器アーム 60 入射光学系ユニット 71 ブラケット 72 ブロック 95 X線検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA18 CA01 EA01 GA01 GA13 JA04 JA08 JA11 KA01 KA08 PA12 PA14 QA10 SA01 SA04 SA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対しX線を照射するX線源と、水
    平な試料軸を中心に試料を回転させることで試料に対す
    るX線の入射角度を変化させると共に検出器アームを前
    記試料軸を中心として前記試料の回転角速度の2倍の回
    転角速度で回転させるゴニオメータと、前記検出器アー
    ムに配されて試料から放出される回折X線を検出するX
    線検出器と、前記X線源と試料との間に配される入射光
    学系とを備えたX線回折装置において、 前記入射光学系をゴニオメータ上に設けると共に、該ゴ
    ニオメータを高さ調節台の上に設置し、該高さ調節台
    を、 ベースと、 該ベースの上方に配され上下動ガイドにより案内されな
    がら昇降自在とされた昇降台と、 前記ベースと昇降台の間に配されて互いに重なり合うこ
    とで昇降台を支持する固定ウェッジ板と可動ウェッジ板
    とを有し、且つ、可動ウェッジ板を水平方向にスライド
    させることで可動ウェッジ板と固定ウェッジ板の傾斜面
    同士を摺動させて、それにより可動ウェッジ板に加えた
    水平変位を昇降台の垂直変位に変換するウェッジ式の昇
    降駆動機構とで構成し、 前記昇降台の上にゴニオメータを設置したことを特徴と
    するX線回折装置。
  2. 【請求項2】 前記昇降台の上に、X線源から出射され
    るX線の進路に対して平行なガイドレールを設け、この
    ガイドレール上にガイドレールに沿ってスライド自在に
    ゴニオメータを載置すると共に、ゴニオメータをスライ
    ドさせる駆動機構を設けたことを特徴とする請求項1記
    載のX線回折装置。
  3. 【請求項3】 前記入射光学系を、ゴニオメータに設け
    たブラケットに対し位置決め手段を介して交換可能に設
    けたことを特徴とする請求項1または2記載のX線回折
    装置。
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