JP3703063B2 - インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録用紙の幅方向に移動する記録ヘッドを備え、印刷データに基づいてインク滴を記録用紙に向かって吐出することで記録用紙上に画像を印刷するインクジェット式記録装置に関し、より詳細には記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引して記録ヘッドの印刷不良を回復させる記録ヘッドのクリーニング処理の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータの発達によりグラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになったため、ディスプレイに表示される例えばカラー画像のハードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められている。このような要求に応えるためにインクジェット式記録ヘッドを搭載した記録装置が提供されている。このインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
【0003】
このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。そして共通のキャリッジ上に、例えばブラックインクを吐出するブラック用記録ヘッドと、イエロー、シアン、マゼンタの各インクの吐出が可能なカラー用記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】
前記インクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0005】
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズルプレートを清掃するクリーニング装置を備えている。このキャッピング手段は、印刷の休止時に前記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャップ部材によりノズルプレートを封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引してノズル開口の目詰まりを解消する機能をも備えている。
【0006】
記録ヘッドの目詰まり解消のために行うインクの強制的な吸引排出処理は、通常クリーニング操作と呼ばれ、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、またユーザが記録ヘッドの目詰まりを解消するためにクリーニングスイッチを操作した場合に実行され、インク滴を負圧により排出させた後に、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材によりヘッドのノズルプレート表面のワイピング操作を伴う処理である。
【0007】
一方、この種の記録装置においては、前記ブラック用記録ヘッドと、カラー用記録ヘッドとが1つのノズルプレート上に配置され、それぞれの記録ヘッドにインクを供給するためのブラック用インクカートリッジおよびカラー用インクカートリッジが用意されたものも提供されている。そして、民生用のこの種の記録装置においては、前記各カートリッジは各記録ヘッドの上部に直接装着されるように構成されている。
【0008】
図11は記録ヘッドの上部にインクカートリッジが装着され、その下部より上昇したキャッピング手段により、記録ヘッドのノズルプレートが封止された状態を断面図によって示したものである。
【0009】
すなわち、図11における符号8はインクカートリッジを示し、このインクカートリッジ8は、一般にそのインク供給口8aにフィルム部材(図示せず)が貼着されて保存中におけるインク溶媒の揮散が防止できるようになされている。
【0010】
そして、新しいカートリッジを装着する場合には、記録ヘッド7の裏面より上方に向けて樹立された中空状のインク供給針31に対し、カートリッジ8のインク供給口8aを下向きにして対向せしめ、そのまま押し込むことでカートリッジ8を装着することができるように構成されている。この操作により、前記インク供給針31がインク供給口8aに貼着された前記フィルムを貫通し、その内部に配置されたゴム性のシール部材8bに密着して接合され、これによりカートリッジ8より記録ヘッド7にインクが供給される。
【0011】
一方、装置の非印刷領域に配置されたキャップ部材10は、前記記録ヘッド7が搭載されたキャリッジの非印刷領域への移動により、その下方から上昇して記録ヘッド7のノズルプレートを封止することができるように構成されている。前記キャップ部材10の下底部には、それぞれ吸引ポンプ(図示せず)に接続されたインク吸引口24、およびエアーバルブ(図示せず)に接続された大気開放口25が配置されている。そして、大気開放口25に接続されたエアーバルブを閉塞した状態で、吸引ポンプを動作させることで、記録ヘッドのノズル開口よりインクを吸引するクリーニング動作が実行され、また、エアーバルブを開放した状態で吸引ポンプを動作させることで、キャッピング手段10内に排出された排インクを排インクタンク(図示せず)に排出させることができるように構成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したような記録装置においては、インクカートリッジの交換時点において、カートリッジとインク供給針との接合に際して侵入する気泡を排除するために、前記キャッピング手段により記録ヘッドのノズルプレートを封止し、吸引ポンプからの負圧によりノズル開口からインクを吸引する吸引操作が実行される(交換クリーニング)。この吸引操作により、カートリッジの交換に際して記録ヘッドの内部に侵入した前記気泡をインクの吸引と共に外部に排出させて、印刷中にいわゆるドット抜けなどの印刷不良が発生しないように配慮されている。
【0013】
しかしながら、特に記録ヘッドの同一のノズルプレート上にブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各インク吐出用のノズル開口を持たせ、また1つのキャッピング手段で前記全てのノズル開口が封止されるように構成された記録装置においては、非交換側のインクカートリッジに対応するノズル開口からもインクの吸引が実行される。
【0014】
例えばブラックインクのカートリッジが交換された場合においては、ブラックインクを吐出するノズル開口からのインクの吸引はもとより、シアン、マゼンタ、およびイエローの各インク吐出用のノズル開口からもそれぞれインクの吸引が実行され、カラーインクを不必要に消費するという問題を抱えていた。
【0015】
しかも、各ノズル開口から一様にインクを吸引するがために、吸引ポンプによる負圧の立上がりが遅れ、気泡の全てを流し出すために、例えばヘッド内容積の数倍のインク量をそれぞれ吸引排出させる必要が生ずるという状況が生じていた。
【0016】
また、前記した交換クリーニングの動作以外において、特定なインクのドット抜けに際して、クリーニング操作を実行しても、同様に全てのノズル開口から一様にインクを吸引する動作が余儀なくされ、これが各インクカートリッジのインクの消費を不必要に増大させてユーザに対してランニングコストの負担を強いるという結果を招来させている。
【0017】
さらに、クリーニング操作実行時のノズル開口へのメニスカスの形成時に、キャッピング手段内に排出されたインクの泡がヘッドのノズルプレートに付着し、この気泡がノズル開口より吸引されて、ノズル開口に形成されたメニスカスを破壊し、インク滴の飛行曲がりやドット抜けが生じるという問題も抱えている。
【0018】
本発明は前記したような技術的課題に鑑みてなされたものであり、例えばインクカートリッジが交換された後に実施される交換クリーニング時においては、必要なノズル開口のみからインク吸引動作を実施することを可能とし、しかもその時のインク吸引量をより低減させることを可能としたインクジェット式記録装置を提供することにある。
【0019】
また本発明は、前記した交換クリーニング時等において発生した気泡をノズル開口より侵入することを効果的に防止し得る記録ヘッドのクリーニング制御方法を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置の好ましい実施の形態は、インクカートリッジからのインクの供給を受けて、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録装置であって、前記インクカートリッジと記録ヘッドのノズル開口との間に配置され、インクカートリッジとノズル開口との間のインク供給路を開閉するバルブユニットと、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、ノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニング動作に連動して前記バルブユニットの開閉を制御するバルブ開閉制御手段とが具備される。
【0021】
また、本発明にかかるインクジェット式記録装置の他の好ましい実施の形態は、インクカートリッジからのインクの供給を受けて、それぞれのノズル開口から異なった色のインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの各ノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録装置であって、前記インクカートリッジと記録ヘッドの各ノズル開口との間にそれぞれ配置され、インクカートリッジと各ノズル開口との間のインク供給路をそれぞれ開閉する複数のバルブユニットと、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、ノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニング動作に連動して前記各バルブユニットの開閉を制御するバルブ開閉制御手段とが具備される。
【0022】
この場合、前記バルブ開閉制御手段は、各バルブユニットの全てを開弁する全開モード、各バルブユニットの全てを閉弁する全閉モード、各バルブユニットの1つのみを択一的に開弁する択一開弁モードとを選定できるように構成されていることが望ましい。
【0023】
そして、好ましくは前記各バルブユニットは、1つのアクチェータによる回転駆動に連動して、前記全開モード、全閉モード、および択一開弁モードとを選定できるように構成される。
【0024】
さらに、この場合の好ましい実施の形態においては、前記バルブユニットは、ブラックインク供給路、シアンインク供給路、マゼンタインク供給路、およびイエローインク供給路のそれぞれに配置される。
【0025】
また、本発明の好ましい一つの実施の形態においては、前記バルブユニットは、前記インクカートリッジおよび記録ヘッドと共にキャリッジ上に搭載され、ガイド部材に沿って往復移動されるように構成される。
【0026】
そして、前記バルブユニットと記録ヘッドのノズル開口との間におけるインク供給路には、ヘッドフィルタが配置されていることが望ましい。
【0027】
また、本発明の好ましい一つの実施の形態においては、前記バルブユニットは、前記インク供給路を横断するように配置されたシャフトに、該シャフトの軸方向と直交する方向に少なくとも一対のインク導通孔が貫通状態で配置される。
【0028】
これに加え、本発明の好ましい一つの実施の形態においては、前記キャッピング手段は、それぞれ異なった色のインク滴を吐出する各ノズル開口の全てを封止することができる単一のキャップ部材により構成される。
【0029】
また、本発明にかかるインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法の好ましい実施の形態は、インクカートリッジからのインクの供給を受けて、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段と、前記インクカートリッジと記録ヘッドのノズル開口との間に配置され、インクカートリッジとノズル開口との間のインク供給路を開閉するバルブユニットとを搭載したインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法であって、前記バルブユニットを閉弁した状態において、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、キャッピング手段内に負圧を印加させるキャッピングステップと、前記ステップにおいて、キャッピング手段内に負圧を印加させた状態で、前記バルブユニットを開弁し記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引するインク吸引ステップとを実行するように成される。
【0030】
この場合、前記インク吸引ステップに続いて、バルブユニットを閉弁し、前記インク吸引ステップによってキャッピング手段内に排出された排インクにより生成される気泡が記録ヘッドのノズル開口に引き込まれるのを防止するバルブユニット閉弁ステップをさらに設けることが望ましい。
【0031】
また、本発明にかかるインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法の他の好ましい実施の形態は、インクカートリッジからのインクの供給を受けて、それぞれのノズル開口から異なった色のインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの各ノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段と、前記インクカートリッジと記録ヘッドの各ノズル開口との間にそれぞれ配置され、インクカートリッジと各ノズル開口との間のインク供給路をそれぞれ開閉する複数のバルブユニットとを搭載したインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法であって、前記各バルブユニットを閉弁した状態において、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、キャッピング手段内に負圧を印加させるキャッピングステップと、前記ステップにおいて、キャッピング手段内に負圧を印加させた状態で、前記各バルブユニットの全てまたは一部を開弁し記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引するインク吸引ステップとを実行するように成される。
【0032】
この場合、前記インク吸引ステップに続いて、全てのバルブユニットを閉弁し、前記インク吸引ステップによってキャッピング手段内に排出された排インクにより生成される気泡が記録ヘッドのノズル開口に引き込まれるのを防止するバルブユニット閉弁ステップをさらに設けることが望ましい。
【0033】
以上のように構成されたインクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法によると、インクカートリッジとノズル開口との間のインク供給路に配置されたバルブユニットは、キャッピング手段によってノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニング動作に連動してその開閉が制御される。
【0034】
したがって、例えばカートリッジ交換クリーニング時においては、吸引ポンプを動作させて十分な負圧を印加させた状態で前記バルブユニットを開弁するように制御することで、カートリッジを装填した際に侵入する気泡をインクの吸引とともに即座に排出させることが可能となる。この場合、キャップユニット内にあらかじめ十分な負圧を印加させておくことで、気泡を素早く移動させてこれをノズル開口より排出させることが可能であり、結果としてインクの排出量はむしろ低減させることができる。
【0035】
また、異なった色のインクを吐出する各ノズル開口に対応させて、それぞれバルブユニットを配置した構成とすることにより、例えばドット抜けが発生したノズル開口に対応したバルブユニットを開弁制御することで、必要なノズル開口にのみ、クリーニング操作を実行させることが可能となる。
【0036】
さらに、インクの吸引動作を実施した後に、各バルブユニットを閉弁制御させるシーケンスを採ることにより、ノズル開口へのメニスカスの形成時に、キャッピング手段内に排出されたインクの泡がヘッドのノズルプレートに付着し、この気泡がノズル開口より吸引されてメニスカスを破壊するという問題を排除することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる記録ヘッドのクリーニング制御方法を採用したインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体を斜視図によって示したものである。図中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2の駆動により往復動するタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0038】
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、記録ヘッド7が搭載され、またその上部には記録ヘッド7にインクを供給するブラック用インクカートリッジ8およびカラー用インクカートリッジ9が着脱可能に装填されている。
【0039】
図中符号10は、非印刷領域外に配置されたキャッピング手段であって、前記記録ヘッド7のノズルプレートに形成された後述する各ノズル開口を封止できる大きさに形成されている。そしてキャッピング手段10の下方には、キャッピング手段10に対して負圧を与えるための吸引ポンプ11が配置されている。
【0040】
前記キャップピング手段10は、キャリッジ1の非印刷領域への移動に伴って上下動できるように構成されており、記録装置の休止期間中のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ11からの負圧を記録ヘッド7に作用させて、ヘッド7の各ノズル開口よりインクを吸引するクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。
【0041】
また、前記キャップピング手段10に隣接してゴムなどの弾性板からなるワイピング部材12が配置されており、必要に応じて記録ヘッド7の移動経路に突出してキャッピング手段10によってインクを吸引した後の記録ヘッド7のノズルプレートをワイピングするように作用する。
【0042】
次に図2は前記したキャッピング手段10を上面から視た状態で示している。また図3は、図2におけるA−A線を矢印方向に視た断面状態のキャッピング手段10を示し、このキャッピング手段10によって同じく断面状態で示した記録ヘッド7を封止した状態を示している。
【0043】
図2および図3において、キャッピング手段10は上面が解放された方形状のキャップケース21と、このキャップケース21内に一体に形成され、耐インク性を有する弾性部材によりカップ状に成形されたキャップ部材22とにより構成されている。そして、前記キャップ部材22はその上側縁がキャップケース21よりも若干突出した状態に成形されている。
【0044】
また、キャップ部材22の内底部には耐インク性およびインク吸収性に優れた多孔質材料からなるインク吸収材23が収納されている。なお、このインク吸収材23は、キャップ部材22と一体に水平方向に突出成形された複数の保持体22aによりキャップ部材22内に保持されている。
【0045】
さらに、前記キャップケース21およびキャップ部材22の下底部には、キャップケース21およびキャップ部材22を貫通するようにインク吸引口24および大気解放口25が配置されている。前記インク吸引口24および大気解放口25は、キャッピング手段10を上面から視た場合に、キャッピング手段の長手方向のほぼ中央に沿って、互いに所定間隔をもって位置するように配置されている。そして、インク吸引口24は図示せぬチューブを介して前記吸引ポンプ11に接続されており、また、大気解放口25は図示せぬチューブを介してエアーバルブに接続されている。
【0046】
一方、前記キャッピング手段10はキャリッジの非印刷領域への移動に連動して上昇作用が与えられるように構成されており、これによって図3に示すように記録ヘッド7のノズルプレート7aを封止したキャッピング状態とされる。
【0047】
なお、記録ヘッド7には、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各インクが各別に吐出されるノズル開口7bがそれぞれ配置されており、各ノズル開口7bに対応して配置された圧電振動子7cの作用によって各インクが吐出されるように構成されている。
【0048】
したがって、キャッピング手段10における大気解放口25に接続されたエアーバルブを閉弁状態とし、インク吸引口24に接続された吸引ポンプ11を動作させることによって、キャッピング手段10のキャップ部材22内に負圧を印加させることができる。これにより、記録ヘッド7における各ノズル開口7bよりインクを吸引するクリーニング作用が実行される。
【0049】
また、大気解放口25に接続されたエアーバルブを開放して吸引ポンプ11を動作させることによって、キャップ部材22内に排出されたインクを吸引ポンプ11側に吸引し、吸引されたインクを図示せぬ排インクタンクに排出させることができるように構成されている。
【0050】
次に図4は、記録ヘッド7とインクカートリッジ(図においてはブラックインクカートリッジ8を示している)との間に配置されたバルブユニットの構成を示したものである。そして図4(a)と図4(b)とは互いに直交する方向から視た断面図で示している。
【0051】
なお図4(a)は、すでに説明した図11に示す従来の構成と同一の方向から視た状態で示しており、互いに相当する部分は同一符号で示しており、したがって当該部分の説明は適宜省略する。
【0052】
図4に示すように記録ヘッド7の上部には、インクカートリッジ8と記録ヘッド7のノズル開口との間のインク供給路35を開閉するバルブユニット36が配置されている。このバルブユニット36は、インク供給路35を横断するように挿入配置されたシャフト37が回転可能となるように構成されており、且つ一対のOリング36aにより機密状態を保持するように成されている。そしてシャフト37のインク供給路35を横断する部分には、シャフトの軸方向と直交する方向にインク導通孔36bが形成されている。
【0053】
したがってシャフト36を回転させて、その導通孔36bと前記インク供給路35とを直線上で一致させることで、バルブユニット36は開弁状態となり、導通孔36bとインク供給路35とが直線上で不一致状態とさせることで、バルブユニット36は閉弁状態となるように制御される。
【0054】
したがって、前記バルブユニット36は、インクカートリッジ8および記録ヘッド7と共にキャリッジ1上に搭載され、ガイド部材4に沿って往復移動されるように構成されている。
【0055】
また、前記記録ヘッド7における前記バルブユニット36とノズル開口との間におけるインク供給路35には、ヘッドフィルタ7dが配置されている。このヘッドフィルタ7dは、図に示すようにバルブユニット36の直下に配置されており、バルブユニット36の回転等により異物が発生した場合に、これらが記録ヘッド7内へ侵入するのを防止し、記録ヘッド7の印字障害の発生を防止できるように構成されている。
【0056】
次に図5は、図4に示すバルブユニット36の配置構成を若干変更した他の実施の形態を示したものである。なお図5(a)と図5(b)とは互いに直交する方向から視た断面図で示している。そして、図4に相当する部分は同一符号で示しており、したがって当該部分の説明は適宜省略する。
【0057】
図5に示す例は、バルブユニット36が記録ヘッド7と別体に形成されたものであり、記録ヘッド7の上部にはバルブユニット36に接続される中空状のインク供給針41が一体に形成されている。そしてバルブユニット36の下底部には筒体部42が形成され、前記インク供給針41をその周囲から囲撓するOリング状のシール部材43がこの筒体部42内に配置されている。したがって、記録ヘッド7の上部に形成されたインク供給針41は、前記シール部材43に密着して接合され、これによりバルブユニット36より記録ヘッド7に対してインクが供給されるように構成されている。
【0058】
なお、図4および図5に示したバルブユニット36は、例えばブラックインクカートリッジ8と、記録ヘッド7におけるブラックインクのノズル開口との間のインク供給路35を開閉するようにされているが、このバルブユニットは、カラーインクカートリッジ9から供給されるシアン、マゼンタ、およびイエローの各インクの供給路にもそれぞれ同様に配置されている。
【0059】
図6はその構成を示したものである。すなわち、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各インク供給路に配置された各バルブユニットの開閉を制御する回転可能な各シャフト37には、それぞれ同一歯数の平歯車38a,38b,38c,38dが結合されており、これらの間には前記平歯車38a,38b,38c,38dをそれぞれ連結する連結歯車45a,45b,45cが配置されていて、これらの各歯車の組み合わせにより、各バルブユニットのシャフト37が同期して回転できるように構成されている。
【0060】
そして、イエローのインク供給路に配置されたバルブユニットを駆動する平歯車38dには、一対の間欠部46a,46bが施された間欠歯車46が噛み合わされている。
【0061】
一方、アクチェータとしてのパルスモータの駆動により往復回転される駆動歯車47には、図に示すように2つの従動歯車48,49が常時噛み合っており、この2つの従動歯車48,49は、図示されていないが前記駆動歯車47の回転軸芯を基準として図に示すように互いに所定の角度を保持しつつ、駆動歯車47の回転方向に移動されるように構成されている。
【0062】
したがって、駆動歯車47の回転方向に応じて、前記従動歯車48または49のいずれか一方が前記間欠歯車46に噛み合うように成されている。これにより、駆動歯車47の往復方向の回転力が各バルブユニットを駆動する各平歯車38a,38b,38c,38dを同期して往復方向に回転駆動させるように構成されている。
【0063】
ここで、図6に示す状態は初期状態を示しており、駆動歯車47の矢印方向への回転により、従動歯車48が間欠歯車46を回転駆動し、各バルブユニットを駆動する平歯車38a,38b,38c,38dは、図6に示すように右方向に回転される。この回転が継続されて従動歯車48が、間欠歯車46に施された間欠部46bの位置に達すると、従動歯車48と間欠歯車46との噛み合いが解かれ、これが終期状態となる。
【0064】
図7はこの終期状態から、図6に示した初期状態に向かって折り返す状況を示している。すなわち、アクチェータとしてのパルスモータの反転駆動により、駆動歯車47は図7の矢印方向に回転され、これに基づいて従動歯車49が間欠歯車46を回転駆動する。したがって、各バルブユニットを駆動する平歯車38a,38b,38c,38dは、図7に示すように左方向に回転される。この回転が継続されて従動歯車49が、間欠歯車46に施された間欠部46bの位置に達すると、従動歯車48と間欠歯車46との噛み合いが解かれ、これが初期状態となる。
【0065】
図8は、図6および図7で示した駆動作用によって成される各バルブユニットの開閉作用を順に示したものである。すなわち、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの各インクの供給路に配置された各バルブユニットを、BK,C,Y,Mとして示している。そして各バルブユニットにおける各インク導通孔36bの姿を円内に実線で示している。
【0066】
なお図8に示すように、各バルブユニットはインク供給路を横断するように配置されたシャフトに、このシャフトの軸方向と直交する方向に一対のインク導通孔が貫通状態で配置されている。すなわち一対のインク導通孔がX状に交差するように構成されており、各交差角度を図8に示すように適宜選定した形態とすることで、後述する各バルブユニットの開閉の組み合わせモードを効率的になし得るようにされている。
【0067】
まず図8における(a)は、図6に示す初期状態を示しており、これは全てのバルブユニットが開弁された全開モードを示している。続いて各バルブユニットの回動によりなされる(b)の状態は、ブラックのバルブユニットのみが開弁された択一開弁モードを示し、続いて各バルブユニットの回動によりなされる(c)の状態は、マゼンタのバルブユニットのみが開弁された択一開弁モードを示している。そして、さらに各バルブユニットの回動によりなされる(d)の状態は、シアンのバルブユニットのみが開弁された択一開弁モードを示し、続いて各バルブユニットの回動によりなされる(e)の状態は、イエローのバルブユニットのみが開弁された択一開弁モードを示している。そして最後に図7で示した終期状態においては、(f)に示すように全てのバルブユニットが閉弁された全閉モードに成される。
【0068】
この様に、図6および図7に示す駆動歯車47を、アクチェータとしてのパルスモータにより正逆方向にそれぞれ回転駆動することにより、図8に示したバルブユニットの全ての開閉モードを選択することができる。
【0069】
そして、バルブユニットの開閉を制御するパルスモータに与える駆動パルス数を管理することにより、図8に(a)乃至(f)に示す各モードを選択することができる。
【0070】
図9は、前記した構成の記録装置に搭載された制御回路の例を示したものである。なお図9においては、すでに説明した記録ヘッド7、インクカートリッジ8,9、吸引ポンプ11については同一符号で示しており、したがってその説明は省略する。
【0071】
図9において、符号60は印刷制御手段であり、記録装置のホストコンピュータからの印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段61により駆動信号を発生させて、記録ヘッド7からインクを吐出させるものである。ヘッド駆動手段61は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシング制御手段62からのフラッシング指令信号を受けてフラッシング操作のための駆動信号を記録ヘッド7に出力するようにも構成されている。
【0072】
符号63はクリーニング制御手段であり、このクリーニング制御手段63からの指令によりポンプ駆動手段64が動作して、吸引ポンプ11を駆動制御するものである。またクリーニング制御手段63には印刷制御手段60、クリーニング指令検知手段65、バルブ開閉制御手段66よりクリーニング指令信号が供給されるように構成されている。
【0073】
なお、クリーニング指令検知手段65には指令スイッチ67が接続されており、このスイッチ67をユーザがプッシュオンすることにより、前記指令検知手段65を動作させてマニュアルによるクリーニング操作が実行されるように構成されている。
【0074】
前記バルブ開閉制御手段66は、ホストコンピュータよりステータス信号を受けて前記クリーニング制御手段63、バルブモータ駆動手段68、およびキャリッジモータ制御手段69に対して制御信号を送出されるように構成されている。
【0075】
前記バルブモータ駆動手段68は、図6および図7に示した駆動歯車47を正逆方向に駆動するパルスモータを駆動するものであり、またキャリッジモータ制御手段69は、図1に示すキャリッジモータ2を駆動してキャリッジ1を非印刷領域に移動させて、キャッピング手段10により記録ヘッド7をキャッピングさせるように制御するものである。
【0076】
次に、以上のように構成されたインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御のシーケンスについて、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。図10は、例えばインクカートリッジが交換された場合に実施される交換クリーニングの制御シーケンスの例を示したものである。
【0077】
まず、いずれかのインクインクカートリッジ、すなわちブラックインクカートリッジ8またはカラーインクカートリッジ9が交換された場合には、キャリッジ1のカートリッシホルダに配置されたリーフ接点(図示せず)がオン状態と成され、これによりインクカートリッジ8または9の交換があったことが検出できる。これは図9に示すバルブ開閉制御手段66がホストコンピュータのステータスデータを読み取って判定することができる。
【0078】
図10に示すステップS11においては、前記したようにバルブ開閉制御手段66がホストコンピュータからのステータスデータを常時読み取ることにより、いずれかのインクカートリッジが交換されたか否かを監視しており、カートリッジが交換されたことが判明すると、ステップS12に移り、いずれのインクカートリッジが交換されたかを把握する。このステップS12についても、バルブ開閉制御手段66がホストコンピュータのステータスデータを読み取って認識することができる。
【0079】
バルブ開閉制御手段66において交換されたカートリッジを認識すると、ステップS13に移り、バルブ開閉制御手段66はバルブモータ駆動手段68に指令信号を送出し、全てのバルブユニットを閉弁させる。これは各バルブユニットの開閉を制御する前記パルスモータに駆動パルスを送出し、図8(f)に示す状態とすることで、バルブユニットの全てが閉弁される。
【0080】
続いてステップS14に移り、キャリッジモータを駆動して記録ヘッドをキャッピングする。これは図9に示すバルブ開閉制御手段66よりキャリッジモータ駆動手段69に対して制御信号を送出し、これに基づいてキャリッジモータ2が駆動され、キャリッジ1が非印字領域に配置されたキャッピング手段10の直上に移動することによってなされる。
【0081】
そしてステップS15において、ポンプ駆動手段を動作させて負圧を印加する。これは図9において、バルブ開閉制御手段66よりクリーニング制御手段63に指令信号を送り、クリーニング制御手段63によりポンプ駆動手段64を動作させることにより吸引ポンプ11が駆動される。これによりヘッドのノズルプレートをキャッピング状態としているキャッピング手段10内に負圧が印加される。
【0082】
続いてステップS16に移り、交換されたカートリッジに対応するバルブユニットが開弁される。この場合、前記ステップS12においてバルブ開閉制御手段66はいずれのカートリッジが交換されたかを既に把握している。例えばブラックインクカートリッジが交換されたとすると、図8(b)に示す状態、すなわちブラックインクのバルブユニットのみが開弁される択一開弁モードとされる。
【0083】
これにより、ブラックインクカートリッジの交換によって、記録ヘッド内に侵入した気泡は、インクの吸引と共にノズル開口より排出される。この時、キャッピング手段内には、ステップS15においてあらかじめ十分な負圧が印加されており、急速なインクの吸引にしたがって気泡は素早くヘッド内を移動し、ノズル開口より早急に排出される。これにより少容量のインクの吸引により、全ての気泡を排出させることが可能となる。
【0084】
また、例えばカラーインクカートリッジ9が交換されたとすると、図8における(c),(d),(e)に示す状態、すなわちマゼンタインクのバルブユニットのみが開弁される択一開弁モード、シアンインクのバルブユニットのみが開弁される択一開弁モード、およびイエローインクのバルブユニットのみが開弁される択一開弁モードが順に選択され、それぞれ同様にインクの吸引にしたがって気泡もヘッド内から排出される。
【0085】
続いてステップS17においては、全てのバルブユニットが閉弁される。すなわち図8(f)に示す全閉モードとされる。これにより次のステップS18において実行される排インク処理において、各ヘッドのノズル開口に形成されたメニスカスの破壊が防止される。
【0086】
ステップS18においては、キャッピング手段における大気開放口が開放され、インク吸引口より排インクが吸引される。すなわち、キャッピング手段10に配置された大気開放口25に接続された前記エアーバルブが開弁され、インク吸引口24に接続された吸引ポンプ11が駆動されて、ステップS16によってキャッピング手段10内に排出されたインクが排インクタンク内に排出される。
【0087】
この時、前記エアーバルブの開弁によりキャッピング手段10内には、インクが泡状となって生成され、記録ヘッド7のノズルプレートに付着するが、ステップS17において全てのバルブユニットが閉弁されているため、インクの泡がノズル開口に侵入することが防止でき、したがってノズル開口に形成されたメニスカスの破壊が防止できる。
【0088】
なお、以上はいずれかのインクカートリッジを交換した場合の交換クリーニングの動作について説明したが、ユーザが指令スイッチ67を操作した場合のマニュアルクリーニング操作時、および前回のクリーニング操作から所定の時間が経過した後に自動的に印刷制御手段60より指令されるクリーニング操作時においては、クリーニング制御手段63よりバルブ開閉制御手段66に対して指令信号が送出される。
【0089】
この場合においては、バルブ開閉制御手段66は、前記と同様にバルブモータ駆動手段68、およびキャリッジモータ制御手段69に対して制御信号を送出する。この時においては、バルブモータ駆動手段68は、図8(a)に示すように全てのバルブユニットを開弁させる全開モードを選択し、全てのノズル開口よりインクを排出させるように制御する。
【0090】
また、特に図には示していないが、特定のインクが吐出不良(ドット抜け)となった場合には、そのノズル開口に対応するバルブユニットを開弁させるための操作スイッチを設けることで、特定のノズル開口に対応するクリーニング操作を実行させることもできる。
【0091】
以上説明した実施の形態においては、ブラックインク、および3色のカラーインクを用いたインクジェット式記録装置について示しているが、例えば単色のブラックインクのみを用いた記録装置においても、同様にバルブユニットを配置することで、交換クリーニング時の気泡の排出作用を円滑に行なわせることが可能である。
【0092】
また、各バルブユニットを駆動するためのパルスモータとして、これを単独に備えることなく、例えば記録用紙を搬送するための紙送りモータを共用することもできる。さらに、実施の形態においては各バルブユニットは連動して回転駆動されるように構成されているが、それぞれ単独に開閉制御されるように構成しても同様の作用効果を得ることができる。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法によると、インクカートリッジと記録ヘッドとの間にインク供給路を開閉するバルブユニットを配置し、記録ヘッドのクリーニング動作に連動してバルブユニットの開閉を制御するように成されるので、例えばインクカートリッジの交換等に際して記録ヘッド内に侵入する気泡を、バルブユニットの開閉タイミングを図ることにより、効率的に排出することが可能となる。これにより、記録ヘッドのクリーニングに際してインクの排出量を低減させることが可能となり、ランニングコストの負担を軽減させることができる。
【0094】
また、異なった色のインクを吐出する各ノズル開口に対応させて、それぞれバルブユニットを配置した構成とすることにより、交換したカートリッジに対応したノズル開口のみからインクの吸引を実行することが可能となり、インクの排出量を相乗的に低減させることが可能となる。
【0095】
またこの場合、インクの吸引動作を実施した後に、各バルブユニットを閉弁制御させるシーケンスを採用することにより、ノズル開口に形成されたメニスカスを破壊するという問題を排除することができ、記録ヘッドにおける印字不良の発生を効果的に抑制することができる信頼性の高いインクジェット式記録装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の斜視図である。
【図2】キャッピング手段を上部から視た状態を示す平面図である。
【図3】図2におけるA−A線を矢印方向に視たキャッピング手段の断面図である。
【図4】記録ヘッドとインクカートリッジとの間に配置されたバルブユニットの構成を示した断面図である。
【図5】記録ヘッドとインクカートリッジとの間に配置されたバルブユニットの他の構成を示した断面図である。
【図6】各バルブユニットの開閉を制御する回転駆動機構の例を示す正面図である。
【図7】同じく回転駆動機構を逆方向に駆動した状態を示す正面図である。
【図8】各バルブユニットの開閉状態を示す模式図である。
【図9】本発明の記録装置に装備された制御回路の例を示したブロック図である。
【図10】本発明の記録装置において成されるヘッドクリーニングの制御シーケンスの例を示すフローチャートである。
【図11】従来のインクカートリッジ、記録ヘッド、キャッピング手段の組み合わせ構成を示した断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 キャリッジモータ
3 タイミングベルト
4 ガイド部材
5 プラテン
6 記録用紙
7 記録ヘッド
7a ノズルプレート
7b ノズル開口
7c アクチェータユニット
7d ヘッドフィルタ
8 ブラック用インクカートリッジ
9 カラー用インクカートリッジ
10 キャッピング手段
11 吸引ポンプ
24 インク吸引口
25 大気開放口
31 インク供給針
35 インク供給路
36 バルブユニット
36b 導通孔
37 シャフト
38 平歯車
46 間欠歯車
47 駆動歯車
60 印刷制御手段
61 ヘッド駆動手段
62 フラッシング制御手段
63 クリーニング制御手段
64 ポンプ駆動手段
66 バルブ開閉制御手段
68 バルブモータ駆動手段
69 キャリッジモータ制御手段

Claims (9)

  1. インクカートリッジからのインクの供給を受けて、それぞれのノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録装置であって、
    前記インクカートリッジと記録ヘッドのノズル開口との間にそれぞれ配置され、インクカートリッジとノズル開口との間のインク供給路をそれぞれ開閉する複数のバルブユニットと、
    前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、ノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニング動作に連動して前記バルブユニットの開閉を制御するバルブ開閉制御手段と、を具備し、
    前記バルブ開閉制御手段は、各バルブユニットの全てを開弁する全開モード、各バルブユニットの全てを閉弁する全閉モード、各バルブユニットの1つのみを択一的に開弁する択一開弁モードとを、1つのアクチェータによる回転駆動に連動して選定できるように構成され、
    さらに前記バルブ開閉制御手段は、前記バルブユニットを閉弁した状態において、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、キャッピング手段内に負圧を印加させ、
    キャッピング手段内に負圧を印加させた状態で、前記バルブユニットを開弁し記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引し、
    バルブユニットを閉弁し、前記キャッピング手段内に排出された排インクにより生成される気泡が記録ヘッドのノズル開口に引き込まれるのを防止するように構成されていることを特徴とする、インクジェット式記録装置。
  2. インクカートリッジからのインクの供給を受けて、それぞれのノズル開口から異なった色のインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの各ノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段を搭載したインクジェット式記録装置であって、
    前記インクカートリッジと記録ヘッドの各ノズル開口との間にそれぞれ配置され、インクカートリッジと各ノズル開口との間のインク供給路をそれぞれ開閉する複数のバルブユニットと、
    前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、ノズル開口よりインク滴を吸引するクリーニング動作に連動して前記各バルブユニットの開閉を制御するバルブ開閉制御手段と、を具備し、
    前記バルブ開閉制御手段は、各バルブユニットの全てを開弁する全開モード、各バルブユニットの全てを閉弁する全閉モード、各バルブユニットの1つのみを択一的に開弁する択一開弁モードとを、1つのアクチェータによる回転駆動に連動して選定できるように構成され、
    さらに前記バルブ開閉制御手段は、前記各バルブユニットを閉弁した状態において、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、キャッピング手段内に負圧を印加させ、
    キャッピング手段内に負圧を印加させた状態で、前記各バルブユニットの全てまたは一部を開弁し記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引し、
    全てのバルブユニットを閉弁し、前記キャッピング手段内に排出された排インクにより生成される気泡が記録ヘッドのノズル開口に引き込まれるのを防止するように構成されていることを特徴とする、インクジェット式記録装置。
  3. 前記バルブユニットは、ブラックインク供給路、シアンインク供給路、マゼンタインク供給路、およびイエローインク供給路のそれぞれに配置されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記バルブユニットは、前記インクカートリッジおよび記録ヘッドと共にキャリッジ上に搭載され、ガイド部材に沿って往復移動されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記バルブユニットと記録ヘッドのノズル開口との間におけるインク供給路には、ヘッドフィルタが配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 前記バルブユニットは、前記インク供給路を横断するように配置されたシャフトに、該シャフトの軸方向と直交する方向に少なくとも一対のインク導通孔が貫通状態で配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記キャッピング手段は、それぞれ異なった色のインク滴を吐出する各ノズル開口の全てを封止することができる単一のキャップ部材により構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  8. インクカートリッジからのインクの供給を受けて、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段と、前記インクカートリッジと記録ヘッドのノズル開口との間に配置され、インクカートリッジとノズル開口との間のインク供給路を開閉するバルブユニットとを搭載したインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法であって、
    前記バルブユニットを閉弁した状態において、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、キャッピング手段内に負圧を印加させるキャッピングステップと、
    前記ステップにおいて、キャッピング手段内に負圧を印加させた状態で、前記バルブユニットを開弁し記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引するインク吸引ステップと、
    前記インク吸引ステップに続いて、バルブユニットを閉弁し、前記インク吸引ステップによってキャッピング手段内に排出された排インクにより生成される気泡が記録ヘッドのノズル開口に引き込まれるのを防止するバルブユニット閉弁ステップと、を実行することを特徴とするインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法。
  9. インクカートリッジからのインクの供給を受けて、それぞれのノズル開口から異なった色のインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの各ノズル開口を封止しノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段と、前記インクカートリッジと記録ヘッドの各ノズル開口との間にそれぞれ配置され、インクカートリッジと各ノズル開口との間のインク供給路をそれぞれ開閉する複数のバルブユニットとを搭載したインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法であって、
    前記各バルブユニットを閉弁した状態において、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止し、キャッピング手段内に負圧を印加させるキャッピングステップと、
    前記ステップにおいて、キャッピング手段内に負圧を印加させた状態で、前記各バルブユニットの全てまたは一部を開弁し記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引するインク吸引ステップと、
    前記インク吸引ステップに続いて、全てのバルブユニットを閉弁し、前記インク吸引ステップによってキャッピング手段内に排出された排インクにより生成される気泡が記録ヘッドのノズル開口に引き込まれるのを防止するバルブユニット閉弁ステップと、を順次実行するようにしたことを特徴とするインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法。
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