JP3778123B2 - ヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えた記録装置 - Google Patents

ヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えた記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に対しインク滴を吐出する記録ヘッドのインク吐出特性を一定な状態に維持するヘッド吐出特性維持装置及びそのヘッド吐出特性維持装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、記録装置の1つであるインクジェット式プリンタは、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載されたプリントへッドと、印刷用紙等の記録媒体を副走査方向に間欠的に設定量ずつ送る記録媒体送り手段を備え、記録媒体を副走査方向に送りつつプリントヘッドを主走査方向に移動させ、プリントへッドから記録媒体にインク滴を吐出するように構成されている。
【0003】
通常、モノカラーのインクジェット式プリンタでは、プリントへッドが1つ搭載されている。また、フルカラーのインクジェット式プリンタでは、ブラックインクを吐出するブラックインク用プリントへッドと、イエロー、シアン、マゼンタ等の各色のインクを吐出する複数のカラーインク用プリントヘッドとが搭載されている。
【0004】
このような構成のインクジェット式プリンタにおけるプリントヘッドには、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口から記録媒体に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。従って、プリントヘッドのノズル開口におけるインク吐出特性が変動すると記録画像の品質に大きく影響するため、インク吐出特性は常に一定に維持される必要がある。
【0005】
このインク吐出特性は、ノズル開口におけるインクの蒸発乾燥による粘度上昇や固化、固形物による目詰まり、更には塵埃の付着や気泡混入等が原因となって変動する。そのため、インクジェット式プリンタには、上記各変動原因を排除してインク吐出特性を一定な状態に維持するためのへッド吐出特性維持装置が備えられている。
【0006】
このへッド吐出特性維持装置は、キャッピング装置、吸引ポンプ、ワイピング装置を備えている。キャッピング装置は、非記録時にプリントヘッドのノズル形成面を封止してノズル開口を外部と隔離するように構成されており、インクの蒸発乾燥を抑制して粘度上昇や固化を抑える機能を有している。また、キャッピング装置でノズル形成面を封止していても、ノズル開口の固形物による目詰まりやインク流路内への気泡の混入等を完全に防止することができないため、それらを完全に防止する目的で吸引ポンプが設けられている。
【0007】
吸引ポンプは、キャッピング装置がノズル形成面を封止している状態でノズル開口に負圧を作用させるように構成されており、インクをノズル開口から強制的に吸引排出させて固形物や気泡を除去する機能を有している。この吸引ポンプによるインクの強制的な吸引排出処理は、インクジェット式プリンタの長時間の休止後に記録動作を再開する場合や、ユーザーが記録画像の品質が低下したことを認識して操作パネルにある専用スイッチを操作した場含に通常は実行されるようになっている。
【0008】
また、吸引ポンプによるインクの強制的な吸引排出処理を行うと、プリンタへッドのノズル形成面にインクが飛び散って付着することがあると共に、各ノズル開口におけるインクのメニスカスが乱れる。さらに、プリントへッドのノズル形成面には経時的に異物が付着しやすいため、必要に応じてノズル形成面を払拭するワイピング装置が設けられている。
【0009】
ワイピング装置は、基端側がホルダーで挟持されたゴム等の弾性板からなるワイピング部材を有し、このワイピング部材の先端側の縁部分をノズル形成面に弾性的に押し付けつつ相対的に往動及び復動させてノズル形成面を清掃するように構成されており、ノズル形成面に付着したインクや異物の払拭の他に、各ノズル開口におけるインクのメニスカスを一様に整える、即ち安定させる機能を有している。
【0010】
このワイピング装置によるワイピング方法としては、ワイパーをセットしてプリントヘッドを印刷方向、すなわち主走査方向へ移動させて払拭するいわゆる横拭きと、プリントヘッドを固定させてワイパーを紙送り方向、すなわち副走査方向へ移動させて払拭するいわゆる縦拭きがある。これらのワイピング方法は、インクの種類、すなわち染料、顔料、反応性のインクや、プリントヘッドのノズルの配置、すなわち主走査方向あるいは副走査方向に複数色を振り分け配置したノズルに応じて使い分けられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、1つのプリントヘッドに対して何れか一方のワイピング方法を実施すると、プリントヘッドの両脇にインクが残存して印刷用紙を汚染してしまう場合がある。また、近年、例えばブラックインクのみを吐出する1つのプリントヘッドと、シアン、マゼンタ、イエローのインクをそれぞれ吐出するノズルが副走査方向に配置された1つのプリントヘッドとを備え、それらを主走査方向に並設したインクジェット式プリンタが提案されている。
【0012】
しかしながら、このようなインクジェット式プリンタに、各色が混ざり合うと凝固してしまうようなインクを使用する場合、2つのプリントヘッドが主走査方向に並設されているので横拭きすることができず、一方、シアン、マゼンタ、イエローのノズルが副走査方向に配置されているので縦拭きすることができない。
【0013】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インクを完全に、かつ複数色あっても混ぜることなく払拭することができるワイピング手段を有するヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えた記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明の請求項1に係るヘッド吐出特性維持装置では、記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドのインク吐出特性を維持する装置において、前記記録ヘッドのノズル形成面を、前記記録ヘッドの主走査方向へ払拭する第1のワイパーと、前記記録ヘッドのノズル形成面を、前記記録ヘッドの副走査方向へ払拭する第2のワイパーとを有するワイピング手段を備え、前記記録ヘッドには、異なる色のインク滴を吐き出すノズルを縦列配置した第1のヘッドと、同一色のインク滴を吐き出すノズルを縦列配置した第2のヘッドとが並設されており、前記第1のワイパーにより、前記第1のヘッドのノズル形成面を払拭し、前記第2のワイパーにより、前記第2のヘッドのノズル形成面を払拭することを特徴としている。
【0015】
また、請求項2に係る発明では、前記ワイピング手段は、前記記録ヘッドが主走査方向に移動することによって、前記第1のワイパーにより、前記第1のヘッドのノズル形成面を払拭し、その後、前記ワイピング手段を副走査方向に移動させることによって、前記第2のワイパーにより、前記第2のヘッドのノズル形成面を払拭することを特徴としている。
【0016】
これにより、1つの記録ヘッドのみを有する記録装置に対しては2方向の払拭を行うことができるので、インクを残存させずに完全に払拭することができる。また、2つ以上の記録ヘッドが主走査方向に並設され、一方の記録ヘッドに複数色のノズルが副走査方向に配置されている記録装置に対し、各色が混ざり合うと凝固してしまうようなインクを使用する場合であっても、各記録ヘッドに対して払拭方向を変えて対応することができるので、各色のインクを混合させずに完全に払拭することができる。さらに、各色が混ざり合うと凝固してしまうようなインクを使用する場合であっても、各記録ヘッドに対して各ワイパーが対応することができるので、各色のインクを混合させずに完全に払拭することができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、請求項1または2に記載のヘッド吐出特性維持装置において、前記第1のワイパーと前記第2のワイパーは、同一の駆動源により駆動されることを特徴としている。これにより、部品点数を減少させることができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、請求項1〜3に記載のヘッド吐出特性維持装置において、前記第1のワイパーと前記第2のワイパーは、同じ部材に配置されていることを特徴としている。これにより、部品点数をさらに減少させることができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、請求項1〜4の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置において、前記第1のワイパーと前記第2のワイパーは、約90度の開き角で配置されていることを特徴としている。これにより、1つの記録ヘッドのみを有する記録装置に対して2つのワイパーは相互に干渉せずに、交互に払拭動作を行うことができる。また、2つの記録ヘッドが主走査方向に並設され、一方の記録ヘッドに複数色のノズルが副走査方向に配置されている記録装置に対し、第1のワイパーにより一方の記録ヘッドを払拭した後、第1のワイパーを2つの記録ヘッドの中間に位置決めし、第2のワイパーにより他方の記録ヘッドを払拭することができるので、払拭作業効率を向上させることができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、請求項1〜5の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置において、前記ワイピング手段に駆動力を伝達する2つの遊星ギア及び前記各遊星ギアを回転させる1つの回転手段を有し、前記各遊星ギアの噛み合わせを切り替えることにより、前記回転手段の正転・逆転のどちらに対しても前記ワイピング手段を駆動することができる駆動手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
請求項7に係る発明では、請求項6に記載のヘッド吐出特性維持装置において、前記駆動手段は、前記回転手段に連結されていると共に前記各遊星ギアに噛み合わされた太陽ギアと、前記ワイピング手段に連結されていると共に前記各遊星ギアと噛み合わせ可能な欠歯ギアとを有し、前記ワイピング手段を駆動後、その駆動が切れることを特徴としている。
【0022】
これらにより、ワイピング手段のワイパーの移動を回転手段の正・逆の両回転で行うことができるため、ワイパーの位置を容易に初期化することができる。したがって、従来のようにワイパーの初期化位置を検知するためのフラグをワイパーを駆動するためのカムに設けてセンシングする必要は無くなり、装置の組立調整の容易化及び装置のコストの低減化を図ることができる。さらに、欠歯ギアを遊星ギアにより欠歯部分まで所定角度回転させるのみで、ワイパーを所定位置に確実に位置決めすることができる。
【0023】
請求項8に係る発明では、請求項7に記載のヘッド吐出特性維持装置において、前記欠歯ギアは、前記ワイピング手段を駆動するワイパーギア及び前記各遊星ギアにそれぞれ噛み合う4連ギアで構成されていることを特徴としている。これにより、各遊星ギアの回転をワイパーギアに確実に伝達することができるので、ワイパーの位置決め精度を向上させることができる。
【0024】
請求項9に係る発明では、請求項8に記載のヘッド吐出特性維持装置において、前記ワイパーギアには前記ワイピング手段を前記記録ヘッドに対して水平に移動させるレバー及びカム機構が設けられていることを特徴としている。これにより、本発明を従来のレバーやカム機構を有するワイピング手段に適用することができるので、設計変更等の手間を簡略化することができる。
【0025】
請求項10に係る発明では、記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドを有する記録装置において、請求項1〜9の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置を備えたことを特徴としている。これにより、上記各作用を奏する記録装置を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態に係るへッド吐出特性維持装置のワイピング手段及び駆動手段の構成例を示す平面図であり、図3は、そのワイピング手段及び駆動手段の側面図である。図1に示すインクジェット式プリンタは、例えば用紙幅が594mm(JIS規格のA1判)や728mm(JIS規格のB1判)といった比較的大型のサイズの印刷用紙にまで印刷できる大型のプリンタである。
【0028】
このインクジェット式プリンタは、上から斜め下の手前に向かって給紙部11、記録部12及び排紙部13と配置されている。印刷用紙は、給紙部11から記録部12、そして排紙部13に送られる過程で所定の印刷が実行されて外部に排出される。印刷時の用紙搬送路14は、水平面に対して例えば65度の傾斜をもって形成されている。駆動ベルト15によりガイド軸16に沿って主走査方向に往復移動するキャリッジ17に搭載されたプリントへッド18のノズル形成面も、用紙搬送路14に平行となるように例えば65度に傾斜して配設されている。
【0029】
キャリッジ17のホームポジションとなる部分には、プリントへッド18のインク吐出特性を一定な状態に維持するためのヘッド吐出特性維持装置100が配設されている。そして、キャリッジ17がホームポジションに位置している状態のときにへッド吐出特性維持装置100によって、プリントへッド18のインク吐出特性を維持する処理が行われるようになっている。
【0030】
ヘッド吐出特性維持装置100は、図2及び図3に示すように、必要に応じてノズル形成面を払拭するワイピング手段110及びこのワイピング手段110を駆動する駆動手段170を備えている。ワイピング手段110は、図2及び図3に示すように、2つのワイパー111a、111b及びワイパーホルダー112を備えている。第1のワイパー111aは、プリントヘッド18を印刷方向、すなわち主走査方向へ移動させて払拭する横拭き用のワイパーであり、第2のワイパー111bは、プリントヘッド18を固定させ、紙送り方向、すなわち副走査方向へ移動して払拭する縦拭き用のワイパーである。
【0031】
このような構成とすることにより、1つのプリントヘッド18のみを有するインクジェット式プリンタに対しては2方向の払拭を行うことができるので、インクを残存させずに完全に払拭することができる。また、図4に示すように、2つのプリントヘッド18a、18bが主走査方向に並設され、一方のプリントヘッド18aに例えばシアンC、マゼンタM、イエローYの各色のノズル19aが副走査方向に配置され、他方のプリントヘッド18bにブラックKのみの色のノズル19bが配置されているインクジェット式プリンタに対し、各色が混ざり合うと凝固してしまうようなインクを使用する場合であっても、各プリントヘッド18a、18bに対して払拭方向を変えて対応することができるので、各色のインクを混合させずに完全に払拭することができる。3つ以上のプリントヘッドについても同様にノズル配置により払拭方向を変えて対応可能である。
【0032】
各ワイパー111a、111bは、ゴムにより略矩形平板状に形成され、約90度の開き角で各先端部がプリントへッド18のノズル形成面に対してそれぞれ擦れるように配置されている。このように約90度の開き角で各ワイパー111a、111bを配置することにより、1つのプリントヘッド18のみを有するインクジェット式プリンタに対して2つのワイパー111a、111bは相互に干渉せずに、交互に払拭動作を行うことができる。約90度としたのは、ワイピング時にキャリッジの負荷変動を減少させるために、プリントヘッドに対して平行ではなく角度を付ける場合があるためである。
【0033】
また、2つのプリントヘッド18a、18bが主走査方向に並設され、一方のプリントヘッド18aに例えばシアンC、マゼンタM、イエローYの各色のノズル19aが副走査方向に配置され、他方のプリントヘッド18bにブラックKのみの色のノズル19bが配置されているインクジェット式プリンタに対し、第1のワイパー111aにより一方のプリントヘッド18aを払拭した後、第1のワイパー111aを2つのプリントヘッド18a、18bの中間に位置決めし、第2のワイパー111bにより他方のプリントヘッド18bを払拭することができるので、払拭作業効率を向上させることができる。なお、インクの種類によってはワイパー111a、111bをフェルトあるいはプラスチック等により形成してもよい。
【0034】
ワイパーホルダー112は、プラスチックにより略矩形平板状に形成されている。そして、上端部から各ワイパー111a、111bの先端部が突き出る形で各ワイパー111a、111bを保持しながら、後述する駆動手段170を構成するワイパー移動手段180により図2及び図3の矢印aで示す縦方向に移動するようになっている。
【0035】
駆動手段170は、図2及び図3に示すように、正逆転切替手段171及びワイパー移動手段180を備えている。正逆転切替手段171は、図示しない駆動力伝達ギアの軸と同軸に配設された太陽ギア174と、この太陽ギア174に噛み合うように略L字状の遊星レバー175に配設された正転用遊星ギア176及び逆転用遊星ギア177と、各遊星ギア176、177と噛み合わせ可能な欠歯ギア178を備えている。
【0036】
欠歯ギア178は、正転用遊星ギア176、逆転用遊星ギア177、後述するワイパー移動手段180を構成するワイパーギア181とそれぞれ噛み合う4連の第1〜第4欠歯ギア178a、178b、178c、178dで構成されている。そして、図示しない回転手段であるモータの回転を伝達する駆動力伝達ギアの回転方向、すなわちモータの回転方向により遊星レバー175を介して正転用遊星ギア176あるいは逆転用遊星ギア177のどちらかが第1欠歯ギア178aあるいは第2欠歯ギア178bと噛み合い、太陽ギア174を介して回転を伝達するようになっている。
【0037】
ワイパー移動手段180は、ワイパーギア181、レバー182及びカム機構183を備えている。ワイパーギア181は、第3欠歯ギア178cと噛み合うように配置されている。カム機構183は、レバー182の一端側面に一体的に設けられたピン183aと、ワイパーホルダー112に設けられた溝183bで構成されている。そして、レバー182の一端は、ピン183aが溝183b内に差し込まれることにより係止され、他端がワイパーギア181と同軸上に配設されている。
【0038】
このような構成において、モータの駆動力は、駆動力伝達ギアから太陽ギア174を経て、遊星レバー175の回転により噛み合う正転用遊星ギア176または逆転用遊星ギア177から第1欠歯ギア178aまたは第2欠歯ギア178bに伝達され、さらに第3欠歯ギア178c及び第4欠歯ギア178dを介してワイパーギア181に伝達されるようになっている。これにより、ワイピング手段110を縦方向に移動させることができる。
【0039】
以上のような構成のワイピング手段110及び駆動手段170を備えたヘッド吐出特性維持装置100の動作を図4〜図10を参照して説明する。初期状態では、図4に示すように、プリントヘッド18a、18bが搭載されたキャリッジ17はワイピング手段110の移動経路からはずれて位置しており、ワイピング手段110は図示最左方に位置している。
【0040】
この状態から、モータが正転方向に駆動して遊星レバー175を回転させると、正転用遊星ギア176が第1欠歯ギア178aに噛み合う。そして、太陽ギア174の回転力が正転用遊星ギア176から第1欠歯ギア178a、さらに第3欠歯ギア178cからワイパーギア181に伝達され、レバー182が旋回してカム機構183によりワイパーホルダー112が図示右方へ移動開始する。
【0041】
そして、第3欠歯ギア178cの欠歯部にワイパーギア181が達して噛み合いが外れるとワイパーギア181は空転するので、図5に示すように、ワイパーホルダー112の移動が停止する。このとき、ワイピング手段110は図示最右方に位置しており、ワイパー111aは「セット」の状態、すなわちプリントヘッド18aをワイピング可能な状態にある。
【0042】
この状態から、図6に示すように、プリントヘッド18a、18bが搭載されたキャリッジ17を図示下方に移動させることにより、ワイパー111aはプリントヘッド18aのみのノズル形成面を払拭する。そして、図7に示すように、キャリッジ17の移動を停止させるが、このときワイパー111aはプリントヘッド18a、18bの間に位置しており、ワイパー111aは「リセット」の状態、すなわちプリントヘッド18aのワイピング完了の状態にあり、ワイパー111bは「セット」の状態、すなわちプリントヘッド18bをワイピング可能な状態にある。
【0043】
この状態から、モータが逆転方向に駆動して遊星レバー175を回転させると、図8に示すように、逆転用遊星ギア177が第2欠歯ギア178bに噛み合う。そして、太陽ギア174の回転力が逆転用遊星ギア177から第2欠歯ギア178b、さらに第3欠歯ギア178cからワイパーギア181に伝達され、レバー182が旋回してカム機構183によりワイパーホルダー112が図示左方へ移動開始する。そして、図9に示すように、ワイパー111bがプリントヘッド18bのノズル形成面を払拭する。
【0044】
そして、第3欠歯ギア178cの欠歯部にワイパーギア181が達して噛み合いが外れるとワイパーギア181は空転するので、図10に示すように、ワイパーホルダー112の移動が停止する。このとき、ワイピング手段110は図示最左方に位置しており、ワイパー111bは「リセット」の状態、すなわちプリントヘッド18bのワイピング完了の状態にある。
【0045】
なお、上述した実施形態では、ワイピング手段110を備えたヘッド吐出特性維持装置100について説明したが、キャッピング手段や吸引手段も備えたヘッド吐出特性維持装置であっても同様に構成することができ、同様の効果を得ることができる。また、上述した実施形態では、プリンタを例に説明したが、これに限られるものではなく、例えばファクシミリ装置やコピー装置等にも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えた記録装置によれば、1つの記録ヘッドのみを有する記録装置に対しては2方向の払拭を行うことができるので、インクを残存させずに完全に払拭することができる。また、2つの記録ヘッドが主走査方向に並設され、一方の記録ヘッドに複数色のノズルが副走査方向に配置されている記録装置に対し、各色が混ざり合うと凝固してしまうようなインクを使用する場合であっても、各記録ヘッドに対して払拭方向を変えて対応することができるので、各色のインクを混合させずに完全に払拭することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るへッド吐出特性維持装置のワイピング手段及び駆動手段の構成例を示す平面図である。
【図3】図2のワイピング手段及び駆動手段の側面図である。
【図4】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第1の図である。
【図5】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第2の図である。
【図6】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第3の図である。
【図7】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第4の図である。
【図8】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第5の図である。
【図9】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第6の図である。
【図10】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第7の図である。
【符号の説明】
18a、18b プリントヘッド
100 へッド吐出特性維持装置
110 ワイピング手段
111a、111b ワイパー
112 ワイパーホルダー
170 駆動手段
171 正逆転切替手段
174 太陽ギア
175 遊星レバー
176 正転用遊星ギア
177 逆転用遊星ギア
178 欠歯ギア
178a 第1欠歯ギア
178b 第2欠歯ギア
178c 第3欠歯ギア
178d 第4欠歯ギア
180 ワイパー移動手段
181 ワイパーギア
182 レバー
183 カム機構

Claims (10)

  1. 記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドのインク吐出特性を維持する装置において、
    前記記録ヘッドのノズル形成面を、前記記録ヘッドの主走査方向へ払拭する第1のワイパーと、
    前記記録ヘッドのノズル形成面を、前記記録ヘッドの副走査方向へ払拭する第2のワイパーとを有するワイピング手段を備え、
    前記記録ヘッドには、
    異なる色のインク滴を吐き出すノズルを縦列配置した第1のヘッドと、
    同一色のインク滴を吐き出すノズルを縦列配置した第2のヘッドとが並設されており、
    前記第1のワイパーにより、前記第1のヘッドのノズル形成面を払拭し、
    前記第2のワイパーにより、前記第2のヘッドのノズル形成面を払拭することを特徴とするヘッド吐出特性維持装置。
  2. 前記ワイピング手段は、前記記録ヘッドが主走査方向に移動することによって、前記第1のワイパーにより、前記第1のヘッドのノズル形成面を払拭し、
    その後、前記ワイピング手段を副走査方向に移動させることによって、前記第2のワイパーにより、前記第2のヘッドのノズル形成面を払拭することを特徴とする請求項1に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  3. 前記第1のワイパーと前記第2のワイパーは、同一の駆動源により駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  4. 前記第1のワイパーと前記第2のワイパーは、同じ部材に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  5. 前記第1のワイパーと前記第2のワイパーは、約90度の開き角で配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  6. 前記ワイピング手段に駆動力を伝達する2つの遊星ギア及び前記各遊星ギアを回転させる1つの回転手段を有し、前記各遊星ギアの噛み合わせを切り替えることにより、前記回転手段の正転・逆転のどちらに対しても前記ワイピング手段を駆動することができる駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  7. 前記駆動手段は、前記回転手段に連結されていると共に前記各遊星ギアに噛み合わされた太陽ギアと、前記ワイピング手段に連結されていると共に前記各遊星ギアと噛み合わせ可能な欠歯ギアとを有し、前記ワイピング手段を駆動後、その駆動が切れることを特徴とする請求項6に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  8. 前記欠歯ギアは、前記ワイピング手段を駆動するワイパーギア及び前記各遊星ギアにそれぞれ噛み合う4連ギアで構成されていることを特徴とする請求項7に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  9. 前記ワイパーギアには前記ワイピング手段を前記記録ヘッドに対して水平に移動させるレバー及びカム機構が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  10. 記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドを有する記録装置において、請求項1〜9の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置を備えたことを特徴とする記録装置。
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