JPH10202917A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JPH10202917A
JPH10202917A JP26816597A JP26816597A JPH10202917A JP H10202917 A JPH10202917 A JP H10202917A JP 26816597 A JP26816597 A JP 26816597A JP 26816597 A JP26816597 A JP 26816597A JP H10202917 A JPH10202917 A JP H10202917A
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洋司 笹井
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和久 竹田
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和久 川上
Nobutoshi Otsuka
信敏 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動力の切換えに格別の機構を必要とするこ
となく、給排紙系とポンプ系に駆動力を円滑に切り替え
て記録ヘッドの目詰まりを確実に解消すること。 【解決手段】 記録用紙の排出動作とインク吸引動作が
モータの逆回転方向のもとで実行されるよう、回転方向
切換え時に時間遅れを生じさせて結合する中間伝達ホイ
ール38を介して介してポンプユニット15に動力を伝
達し、ポンプユニット15の負圧をキャッピング手段に
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、記録用紙の幅方
向に移動する記録ヘッドを有し、印刷デ−タに一致して
インク滴を記録用紙に噴射して画像を形成するインクジ
ェット式記録装置、より詳細には記録ヘッドの目詰まり
解消のために記録ヘッドに負圧を作用させるポンプを、
給排紙系を駆動するモータにより駆動するインクジェッ
ト式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式プリンタは、インク貯
蔵手段からのインクの供給を受けるインクジェット式記
録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移
動させる紙送り手段を備え、印字信号に対応して記録ヘ
ッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させて
記録を行う装置である。
【0003】このようにインクという液体を扱う関係
上、記録ヘッドへのインクの充填や、またインク溶媒の
揮散による目詰まりを防止するために記録ヘッドからイ
ンクを強制的に吸引排出させる処理操作が行われてい
る。
【0004】ところでインクジェット式記録装置では、
キャリッジの走行動作以外に、記録用紙の給排紙動作と
記録ヘッドの保守動作を実行させる駆動系が必要となる
が、小型のプリンタにおいては装置の小型化と低価格化
を図るために、これらの給排紙動作と記録ヘッドの保守
動作を単一の駆動モータによって実行させるような機構
が採られている。
【0005】この種の機構は、一般にキャリッジがホー
ムポジションから印字領域へ、印字領域からホームポジ
ションへ移動した各時点において、給紙モータの駆動力
をポンプの駆動系と給排紙の駆動系へ切換える切換え機
構が設けられ、しかもこの切換え機構は、切換え歯車を
給排紙系とポンプ系の各歯車へ選択的に噛合わせる機構
を採っている関係上、噛合いがスムーズにいかなかった
り、噛合わせる歯相互にズレが生じて、給紙のタイミン
グに狂いを生じさせかねないといった不都合をもたらす
ばかりでなく、この切換え機構に多くの部材を必要とす
る問題を抱えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
駆動力の切換えに格別の機構を必要とすることなく、給
排紙系とポンプ系に駆動力を円滑に切り替えて記録ヘッ
ドの目詰まりを確実に解消することができるインクジェ
ット式記録装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、印刷データに対応してイン
ク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、選択的
に大気に連通して前記記録ヘッドを封止するキャッピン
グ手段と、回転方向が正逆切換え可能な紙送りモータ
に、記録用紙の排出方向紙送り動作とインク吸引動作が
前記モータの逆回転方向のもとで実行されるよう、回転
方向切換え時に時間遅れを生じさせて結合する手段を介
して接続し、前記キャッピング手段に負圧を供給する吸
引ポンプと、前記吸引ポンプにより前記記録ヘッドから
インクを吸引させるクリーニング制御手段とを備え、前
記時間遅れ範囲で前記記録用紙を紙送りする紙送り制御
手段を設けるようにした。
【0008】
【作用】吸引ポンプへの駆動力伝達遅れの時間を利用し
て、インクの吸引に伴う負荷変動の影響を受けることな
く給排紙動作を精度よく行わせ、また目詰まり解消時に
はインク吸引量をキャップの容積により規定して無用な
インクの消費を抑える。
【0009】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例を示
すものであって、キャリッジ1は、キャリッジモータ2
にタイミングベルト3により接続されて、記録用紙4の
幅方向に往復移動するように構成され、記録用紙4と対
向する面にアクチュエータによりインクを加圧してノズ
ル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録
ヘッド5、6が設けられ、また上面には記録ヘッド5、
6にインクを供給するインクカートリッジ7、8を着脱
可能に搭載している。
【0010】記録用紙4は、紙送りモータ9に後述する
動力伝達機構を介して接続する紙送りローラ10により
一定のピッチで、キャリッジ1の移動方向と直交する方
向に紙送りされる。印刷領域の外側には記録ヘッド5、
6を封止するキャップ11、12を備えたキャッピング
ユニット13と、キャッピングユニット13よりも印刷
領域側にクリーナユニット14が設けられている。
【0011】キャッピングユニット13は、非印刷時に
キャップ11、12により記録ヘッド5、6を封止して
ノズル開口の目詰まりを防止するほかに、ポンプユニッ
ト15からの負圧の供給を受けて、インク充填時やまた
目詰まり解消時に記録ヘッド5、6からインクを強制的
に吐出させる機能を備えている。また紙送り搬送路の上
流側には紙送りモータ9を動力源とするカットシートフ
ィーダ16が配設されている。
【0012】図2、図3は、上述の駆動力伝達機構の一
実施例を示すものであって、紙送りローラ10は、一端
に歯車20を有し、紙送りモータ9の軸上のピニオン2
1からアイドラ22を介して駆動され、また給紙ローラ
駆動軸23は、一端に歯車24を有し、クラッチ機構2
5を介して歯車20と係合してカットシートフィーダ1
6に動力を伝達し、さらにポンプユニット15は、紙送
りモータ9のピニオン21からアイドラ26及び排紙ロ
ーラ歯車27を介して排紙ロー28の他端に設けられた
歯車29により駆動される。クラッチ機構25は、常時
は図示しないバネにより図2に示すように歯車20、2
4から離れた位置を保持し、またキャリッジ1に押され
た場合にはこれら歯車20、24を接続するように構成
されている。
【0013】つぎに各部の構成について説明すると、ポ
ンプユニット15は、キャリッジ1の走行方向と直交す
る向きに固定したポンプフレーム30のホームポジショ
ン側の面に取付けられている。ポンプユニット15の軸
31には、排紙ローラ28の歯車29とアイドラ32を
介して噛合う歯車33が回動可能に設けられている。歯
車33は、その背面にバネ34に押圧されて摩擦回転す
るアーム35を備えたクリーナカム36が遊転自在に取
り付けられていて、アーム35によりクリーナユニット
14を移動させる。
【0014】ポンプユニット15の軸31には、ラチェ
ットホイール37、中間伝達ホイール38、及びポンプ
ホイール39が中間伝達ホイール38を遊転自在とする
ように積層して装入されている。ラッチホイール37
は、中間伝達ホイール38と対向する面に突起37a
を、また中間伝達ホイール38は、両面にそれぞれ突起
38a、38bを、さらにポンプホイール39には中間
伝達ホイール38と対向する面に突起39aが突設され
ている。
【0015】これにより、ラチェットホイール37が回
転して、その突起37aが中間伝達ホイール38の突起
38aに当接するまでは中間伝達ホイール38には伝達
されない。またラチェットホイール37の突起37aが
中間伝達ホイール38の突起38aに当接しても、突起
38bがポンプホイール39の突起39aに当接するま
ではポンプホイール39には動力が伝達されない。すな
わち、紙送りモータ9の回転方向が切り替わると、ラッ
チホイール37とポンプホイール39との間には最大約
2回転分の回転伝達遅れが設けられている。
【0016】ポンプホイール39は、周知のように、一
端が中心方向に、他端が外周方向に向けて延びる2本の
軸孔39b、39bが設けられていて、ポンプホイール
39の回転方向に応じてこれらの軸孔39b、39bに
軸支したローラ40、40を、外周方向に片寄らせる
か、中心方向に片寄らせること、つまり紙送りモータ9
を正転させるか、逆転させるかにより、チューブ41を
ポンプケーシング45との間で扱くポンプ作用と、チュ
ーブ41を加圧しないレリース作用とを切替えるように
構成されている。
【0017】クリーナユニット14は、クリーナホルダ
43の上面に溝43aを形成してここに先端が記録ヘッ
ド5、6のノズルプレートに弾接できる程度の高さのク
リーニングブレード44を装入して構成されている。ク
リーナホルダ43は、その側部に形成された案内突起4
3bをポンプケーシング45の上部の、キャリッジ1の
移動方向に直交する向きに延びる案内溝46に係合さ
れ、また先端の上下方向に延びる長孔43cがクリーナ
カム36の腕35の突起35aに係合されている。
【0018】これにより、クリーナカム36が回動する
と、案内溝46を往復移動し、退避位置からクリーニン
グ位置、つまり図の右端位置からキャリッジ1の走行領
域内に移動すると、クリーニングブレード44が記録ヘ
ッド5、6に弾接してノズル面を払拭する。
【0019】図4はカットシートフィーダ16の一実施
例を、その給紙機構でもって示すもので、ホッパ50、
分離パッド54、及び給紙ローラ60により構成されて
いる。ホッパ50は、下部の背面をフレーム51との間
に介装されたバネ52により給紙ローラ側に付勢され、
また給紙ローラ60に対向する下方の面にはバネ53に
より給紙ローラ60の法線方向に付勢された分離パッド
54が設けられている。分離パッド54は、給紙ローラ
駆動軸23に設けられた図示しないカムにより給紙ロー
ラ60の1回転中に給紙動作に合わせて上下動するよう
に構成されている。
【0020】給紙ローラ60は、円弧部60aと直線部
60bとを有し、かつ記録用紙との間で高い摩擦力を生
じるように断面D字型のローラとして形成され、ブッシ
ュ61を介して給紙ローラ駆動軸23に取り付けられ、
歯車24を介して紙送りモータ9により給紙動作時に1
回転するように構成されている。
【0021】ブッシュ61は、中心軸を挟んで給紙ロー
ラ60の直線部60bと対向する領域を除くようにして
カム面62が形成され、カム面62でアイドルローラ6
3を移動させるように構成されている。
【0022】アイドルローラ63は、フレーム51上の
長孔64内で移動可能な軸65に回動自在に保持され、
かつ分離パッド54に垂直に移動可能に取り付けられて
いる。
【0023】このような構成により、給紙ローラ60が
反時計方向に所定角度逆転すると、図示ないカム機構に
より分雛パッド54が給紙ローラ60から離れ、また図
示しない用紙戻しレバーにより記録用紙がホッパ50に
押し戻される。記録用紙がホッパ50に戻されると、ほ
ぼ同時に分離パッド54が給紙ローラ60に押し付けら
れる。
【0024】ついで、給紙ローラ60が時計方向への回
転すると、バネ92よりホツパ90が瞬間的に押し上げ
られ、用紙Pも押し上げられて表面の用紙に給紙ローラ
60の円弧部60aが押し付けられる。給紙ローラ60
が回転を継続すると、この用紙が分離パッド54に向け
て送られる。このようにして円弧部60aの回転により
記録用紙を分離パッド54との間に送り込み、分離パッ
ド54において複数枚の記録用紙から1枚を分離し、さ
らに紙送りローラ10へと送り込む。この時点では給紙
ローラ60の円弧部60aが分離パッド54を通過し、
直線部60bが対向しているので、カム面62に係合し
ているアイドルローラ63が記録用紙を分離パッド54
に押し付け、分離されていない複数枚の記録用紙が余分
に紙送りローラ10に排出されるのを防止する。そして
給紙ローラ60がさらに回転すると、元の状態にリセッ
トされて次の給紙に備える。
【0025】図5は、同上記録装置の動作を制御する制
御装置の一実施例を示すものであって、印刷制御手段7
0で、ホストからの印刷データに基づいてビットマップ
データを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段
71により駆動信号を発生させて、記録ヘッド5、6か
らインク滴を吐出させるものである。ヘッド駆動手段7
1は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシン
グ操作のための駆動信号を記録ヘッド5、6に出力する
ように構成されている。
【0026】クリーニング制御手段72は、電源投入時
や、また吸引指令検出手段73からの信号により、吸引
タイマ74により規定された吸引強度、吸引時間、吸引
インターバルに基づいてポンプ駆動手段75を制御し
て、各ポンプユニット15を構成している吸引ポンプ8
0、81を制御するものである。
【0027】フラッシング制御手段76は、印刷動作が
一定時間継続して印刷制御手段70からフラッシング指
令が出力された場合、及びクリーニング制御手段72か
らの吸引終了信号が出力し、かつ後述するフラッシング
保留タイマ77からのタイムアップ信号が出力している
場合に、印刷制御手段70により記録ヘッド5、6をフ
ラッシング位置、通常はキャップ11、12にと一定の
間隙を形成できる位置に移動させて、目詰まりの防止
や、目詰まり解消のために各記録ヘッド5、6の全ての
ノズル開口から所定数のインク滴を吐出させるものであ
る。
【0028】フラッシング保留タイマ77は、クリーニ
ング工程が終了した段階で計時動作を開始し、クリーニ
ング工程で記録ヘッド5、6のノズル開口近傍に生じた
気泡が自然消滅するまでの時間、例えば20秒を計時し
た段階でタイムアップするように構成されている。
【0029】電源SW検出手段78は、パネル面に設け
られた電源ONーOFF指令スイッチPSの操作を検出
し、装置全体に駆動電力を供給したり、また電源OFF
が指令された場合には所定の処理が終了した段階で装置
への駆動電力を遮断するものである。なお、図中符号C
Sは、図示しないケースの制御パネルに設けられたクリ
ーニング指令スイッチを示す。
【0030】次にこのように構成した装置の動作を図6
乃至図9に示したフローチャートに基づいて説明する。 (全体の動作)電源スイッチPSの操作により電源の投
入が指示されると(図6 ステップイ)、印刷制御手段
70は、キャリッジ1をホームポジションと対向する端
部に移動させてクラッチ機構25により歯車20と給紙
ローラ駆動軸23の歯車24とを係合させ、紙送りモー
タ9を若干逆転させてオートシートフィーダ16で紙戻
し動作を行わせる。ラチェットホイール37は、その突
起37aを隣接する中間伝達ホイール38により伝達遅
れが生じるから、ポンプホイール39への駆動力伝達が
断たれており、紙送りモータ9に無用な負荷を与えるこ
となく、カットシートフィーダ16での紙戻し動作が実
行される。
【0031】ついで、紙送りモータ9を正転させると、
給紙ローラ60が正転して記録用紙を紙送りローラ10
の食い付き領域に搬送する。ついでキャリッジ1をホー
ムポジション側に移動させてクラッチ機構25による歯
車20と給紙ローラ駆動軸23の歯車24とを係合を解
き、紙送りモータ9を逆転させて紙送りローラ10から
記録用紙を排出させて記録用紙のスキューを解消する。
【0032】キャリッジ1をクラッチ機構25が係合可
能な位置まで移動させて、紙送りモータ9を正転させて
記録用紙を紙送りローラ10により搬送し、カットシー
トフィーダ16をリセットする。ついでキャリッジ1を
ホームポジション側に移動させてクラッチ機構25によ
り係合を解き、紙送りモータ9を逆転させてせて紙送り
ローラ10により用紙の先端を所定の位置に位置決め
し、さらに紙送りモータ9を正転させて用紙の位置決め
とバックラッシュ取りを実行する。
【0033】紙送りモータ9のこれら正転、逆転は、そ
の回動量が少なく、また正転、逆転を交互に繰り返すた
め、中間伝達ホイール38の伝達遅れ作用によりポンプ
ユニット15は不作動状態を維持することになり、紙送
りモータ9には用紙を搬送するに必要な負荷だけが作用
する。また、給紙から用紙位置決めまでの動作中の逆転
動作による伝達遅れの紙送りモータ9の回転量よりも、
正転時の回転数を多く設定しているため、印刷開始時に
は伝達遅れが解消されている。これにより印刷中におけ
る紙送りモータ9及び紙送り駆動部への負荷変動がなく
なり、高い精度で安定に紙送りを行うことができる。
【0034】またキャリッジ1をホームシークさせる等
の初期化処理を実行する(図6 ステップ ロ)。
【0035】クリーニング制御手段72は、電源投入当
初の自動クリーニングが必要であるか否かを判断し(図
6 ステップ ハ)、休止時間が規定値を越えている場
合には後述するクリーニング処理を実行し(図6 ステ
ップ ニ)、フラッシング保留フラッグをONにする
(図6 ステップ ホ)。
【0036】このようにして印刷データの受付けが可能
となった状態でホストから印刷信号が入力すると(図6
ステップ ヘ)、フラッシング保留タイマ77がタイ
ムアップしている場合には印刷開始前フラッシング動作
を実行して(図6 ステップト)フラッシング保留フラ
ッグをOFFとし(図6 ステップ チ)、印刷開始前
フラッシングが終了した段階で印刷動作を実行する(図
6 ステップ リ)。
【0037】一方、クリーニング指令スイッチCSがユ
ーザにより操作されて吸引指令検出手段73から信号が
出力すると(図6 ステップ ヌ)、クリーニング制御
手段72はクリーニング動作を実行して(図6 ステッ
プ ル)フラッシング保留フラッグをONにし(図6
ステップ オ)、クリーニング終了後にステップ(ト)
にジャンプする。
【0038】全ての印刷データの印刷が終了すると(図
6ステップ カ)、印刷制御手段70は記録ヘッド5、
6をキャップ11、12等のインク受けに移動させ、フ
ラッシング制御手段76により記録ヘッド5、6から印
字終了フラッシングを実行させ(図6 ステップ
ヨ)、次の印刷データの入力を待つ(図6 ステップ
ヘ)。電源スイッチPSがOFFにされると(図6 ス
テップ ワ)、電源OFFフラッシング処理を実行する
(図6 ステップ タ)。
【0039】(印刷開始前フラッシング処理)フラッシ
ング制御手段76は、フラッシング保留フラッグがON
である場合には(図7 ステップ イ)、フラッシング
保留タイマ77の計時時間をチェックする(図7 ステ
ップ ロ)。フラッシング保留タイマ77がタイムアッ
プしている場合には(図7 ステップ ハ)、クリーニ
ング等により取り込まれた気泡が縮小していたり、また
既に消滅している。
【0040】したがって、フラッシングによる圧力発生
室の加圧による圧力変動によっても気泡が印刷不良を引
き起こすサイズまでには成長しないから、クリーニング
用の強いフラッシングを行って(図7 ステップ ホ)
圧力発生室やノズル開口近傍の増粘したインクをキャッ
プ11、12に排出させて印刷時の目詰まりを未然に防
止する。クリーニング用フラッシングが終了した段階
で、フラッシング保留フラッグをOFFにし(図7 ス
テップ ヘ)、印字動作に入る(図7 ステップト)。
【0041】一方、フラッシング保留タイマ77の計時
時間のチェックにより(図7 ステップ ロ)、フラッ
シング保留タイマ77がタイムアップしていない場合に
は(図7 ステップ ハ)、キャリッジ1やポンプユニ
ット15を作動させて記録ヘッド7、8に振動を与え
る。これにより気泡のインクへの溶解を助けるととも
に、ユーザが誤って電源をOFFにするのを防止する
(図7 ステップ ニ)。特に記録ヘッド7、8をキャ
ッピング位置から待避させてポンプユニット15を作動
させると、フラッシング等によりキャップ11、12に
排出されたインクを廃インクタンクに排出でき、特別の
排出工程を必要とすることがなく、装置全体の動作効率
を上げることができる。
【0042】キャリッジ1やポンプユニット15の一定
時間の作動後には、これによる時間経過によりクリーニ
ング等により取り込まれた気泡が縮小したり、また消滅
するから、前述のクリーニング用の強いフラッシングを
行い(図7 ステップ ホ)、フラッシング動作終了後
にフラッシング保留フラッグをOFFにして(図7ステ
ップ ヘ)、印字動作に入る(図7 ステップ ト)。
【0043】他方、フラッシング保留フラッグがOFF
の場合には(図7 ステップ イ)、クリーニング等に
より取り込まれた気泡は既に消滅しているから、通常の
フラッシングを実行して(図7 ステップ チ)ノズル
開口近傍の増粘したインクを排出して印刷動作に入る
(図7 ステップ ト)。
【0044】(クリーニング処理)クリーニング指令ス
イッチCSの操作等により吸引指令検出手段73から信
号が出力すると、クリーニング制御手段72は、紙送り
動作、キャリッジの移動を禁止させ(図8 ステップ
イ)、記録ヘッド5、6をクリーナユニット14の位置
に移動させて記録ヘッド5、6のノズルプレートをワイ
ピングする(図8ステップ ロ)。これによりノズルプ
レートに付着している塵埃や紙粉などが除去される。
【0045】次いでキャリッジ1をキャッピング位置に
移動させて記録ヘッド5、6からインクの大吸引動作を
開始する(図8 ステップ ハ)。
【0046】すなわち、記録ヘッド5、6をキャップ1
1、12により封止する(図10(イ))。ついで紙送
りモータ9を逆転させると、中間伝達ホイール38によ
る伝達遅れ分だけ余分に回転した後、ポンプユニット1
5に動力が伝達され、キャップ11、12に強い圧力が
作用する。
【0047】大気連通弁V1、V2を閉弁した状態で吸
引ポンプ80、81を所定時間だけ、高速駆動させてキ
ャップ11、12に強い負圧を蓄圧する(図10
(ロ))。強い負圧を蓄圧した状態で放置すると、記録
ヘッド5、6からさらに大量のインクがキャップ11、
12に排出される(図10(ハ))。このようにして所
定時間が経過して記録ヘッド5、6から排出されたイン
クによりキャップ11、12の負圧が大気圧程度に弱ま
ると、記録ヘッド5、6からのインクの排出が停止する
(図10(ニ))。
【0048】大吸引終了後、キャップ11、12が大気
圧まで復帰した段階で、キャップ11、12に連通する
大気開放バルブV1、V2を開弁し(図11(イ))、
吸引ポンプ80、81を再び高速駆動作動させる(図8
ステップ ニ)。
【0049】大吸引終了直後にはキャップ11、12に
インクが大量に停滞しているから、大気開放弁V1、V
2の開放によりキャップ11、12内のインクは気泡を
発生しながら吸引ポンプ80、81に吸引されて廃イン
クタンクに排出される(図11(ロ))。
【0050】クリーニング制御手段72は、必要に応じ
て記録ヘッド5、6をクリーニングブレード44の作動
位置に移動させて、記録ヘッド5、6のノズルプレート
をワイピングする(図8 ステップ ホ)。これにより
インク吸引時に気泡等の発生により生じたインク飛沫に
よりノズルプレートに付着したインクが払拭される。特
にワイピング動作として低速モードと、低速モードの
2.5倍程度の高速モードとを用意し、最初に高速モー
ドによりインク滴を払拭し、次いで低速モードによりメ
ニスカスの破壊を可及的に防止しながら表面に付着して
いるインク層を除去すると、ワイピングの能率を上げる
ことができる。
【0051】また、図14に示すようにノズル開口Nを
取り囲むように凹部Dが形成されている場合には、高速
モードのワイピングによりインクカスK等の比較的大き
な異物を凹部Dの壁Wに掃き寄せてノズル開口Nに影響
を与えない位置に排除してから、低速モードのワイピン
グによりノズル開口Nの周辺をクリーニングすることが
できる。
【0052】ワイピング終了後、クリーニング制御手段
72は、記録ヘッド5、6をキャップ11、12の封止
から開放し、再び大気開放弁V1、V2を閉弁し(図1
1(ハ))、ついで紙送りモータ9を高速度で逆転させ
ると、中間伝達ホイール38による伝達遅れ分だけ余分
に回転した後、ポンプユニット15に動力が伝達され、
吸引ポンプ80、81の吸引力によりキャップ11、1
2に残留しているインクを廃インクタンクに排出させる
(図8 ステップ ヘ)。
【0053】ついでクリーニング制御手段72は、記録
ヘッド5、6をキャッピング位置に再び移動させて大吸
引によるメニスカス等の破壊を修復するために、記録ヘ
ッド5、6に対して第1回目の小吸引の動作を実行する
(図8 ステップ ト)。
【0054】すなわち記録ヘッド5、6をキャップ1
1、12により封止し(図12(イ))、大気開放弁V
1、V2を閉弁した状態で、紙送りモータ9を低速度で
逆転させると、中間伝達ホイール38を介してポンプユ
ニット15に動力が伝達される。この状態で紙送りモー
タ9を所定時間逆転させてキャップ11、12に弱い負
圧を蓄圧させる(図12(ロ))。
【0055】キャップ11、12内に蓄圧された弱い負
圧を記録ヘッド5、6に作用させた状態で放置すると
(図12(ハ))、記録ヘッド5、6からインクが排出
され、キャップ11、12の負圧が大気圧程度に弱まっ
た段階で記録ヘッド5、6からのインクの排出が停止す
る(図12(ニ))。このときのインク排出量は、図1
0(ハ)の場合より作用する負圧が弱くなった分だけ減
少する。
【0056】小吸引直後には小量のインクがキャップ1
1、12に停滞しているだけであるから、大気開放弁V
1、V2を開放しても気泡を発生することが無い(図1
3(イ))。この状態で紙送りモータ9を低速度で逆転
させて、記録ヘッド5、6を封止した状態でキャップ1
1、12に停滞しているインクを泡立てること無く吸引
して廃インクタンクに排出する(図13(ロ))(図8
ステップ チ)。
【0057】次いで、クリーニング制御手段72は、記
録ヘッド5、6をクリーニングユニット14の作動位置
に移動させて、記録ヘッド5、6のノズルプレートを低
速モードでワイピングする(図8 ステップ リ)。こ
れによりインク吸引時に生じたインク飛沫によりノズル
プレートに付着したインクの層が払拭される。記録ヘッ
ド5、6をキャップ11、12から開放し、再び大気開
放弁V1、V2を閉弁し、紙送りモータ9を高速度で逆
転させ、中間伝達ホイール38を介してポンプユニット
15を駆動してキャップ11、12に残留しているイン
クを廃インクタンクに排出させる(図13(ハ))(図
8 ステップ ヌ)。
【0058】ワイピング終了後、クリーニング制御手段
72は、記録ヘッド5、6をキャッピング位置に再び移
動させて記録ヘッド5、6から第2回目の小吸引の動作
を実行する(図8 ステップ ル)。
【0059】すなわち記録ヘッド5、6をキャップ1
1、12により封止し(図12(イ))、大気開放弁V
1、V2を閉弁した状態で、紙送りモータ9を低速度で
所定時間、逆転させてキャップ11、12に弱い負圧を
作動させ(図12(ロ))、キャップ11、12内に蓄
圧された弱い負圧(図12(ハ))により、記録ヘッド
5、6から小量のインクを排出させ大気圧程度に弱まっ
た段階でインクの排出が停止する(図12(ニ))。
【0060】小吸引後に大気開放弁V1、V2を開放し
(図13(イ))、紙送りモータ9を低速で逆転駆動し
てキャップ11、12に停滞しているインクを泡立てる
こと無く吸引して廃インクタンクに排出する(図13
(ロ))。そして記録ヘッド5、6からキャップ11、
12を開放して記録ヘッド5、6のノズルプレートを低
速モードのワイピングにより仕上げワイピングを行う
(図8 ステップ ワ)。
【0061】キャップ11、12の大気開放弁V1、V
2を閉弁し、記録ヘッド5、6からキャップ5、6を開
放した状態で紙送りモータ9を高速駆動で逆転駆動して
キャップ11、12に残留しているインクを廃インクタ
ンクに排出させる(図13(ハ))(図8 ステップ
カ)。
【0062】ついで、必要に応じて、キャリッジ1を微
小量往復移動させたり、また通常のフラッシングよりも
さらに弱い駆動信号を記録ヘッド5、6に印加する等し
て、ノズル開口近傍に停滞している気泡に振動を付与し
て(図8 ステップ ヨ)、クリーニングなどによりノ
ズル開口近傍に取り込まれている比較的大きな気泡B
(図15(イ))が、インクに溶解して縮小した気泡
B’になったり、また消滅するのを促す(図15
(ロ))。なお、このようにして気泡がフラッシングに
よる成長が生じない程度のサイズにの縮小した場合に
は、仕上げのためのフラッシングを実行しても、フラッ
シングによる印刷不良発生の虞が無くなるが、印刷開始
前フラッシングに合わせて実行する方が、インクの節約
とクリーニング時間の短縮とを図ることができる。
【0063】このように大吸引を伴うクリーニングの後
に、比較的弱い吸引を伴うクリーニングを実行すること
により、大吸引によるメニスカスやノズル開口近傍のダ
メージを可及的に回復させることができる。
【0064】クリーニング終了後、フラッシング保留フ
ラッグをONにし(図8 ステップタ)、またフラッシ
ング保留タイマ77をスタートさせる(図8 ステップ
レ)。これにより、フラッシング保留タイマ77がタイ
ムアップするまでフラッシング動作を禁止させて、気泡
の成長による印字不良を防止する。
【0065】そしてキャッピング位置に移動して記録ヘ
ッド5、6をキャップ11、12により封止して(図8
ステップ ソ)、紙送り動作、キャリッジ1の移動禁
止を解除する(図8 ステップ ツ)。
【0066】このようにクリーニングが終了してフラッ
シングを実行することなく待機しても、印刷信号が入力
すれば上述した図6のフローチャートに示すように印刷
開始前フラッシングが実行され、印刷開始前のフラッシ
ングに合わせてクリーニングにより破壊されたメニスカ
スが回復される。
【0067】(電源OFFフラッシング処理)電源ON
ーOFF指令スイッチPSが操作されて電源SW検出手
段78から信号が出力すると、フラッシング制御手段7
6は、フラッシング保留フラッグがONであるか否かを
検出してONである場合には(図9 ステップ イ)、
フラッシング保留タイマ77が所定時間を計時した段階
で(図9 ステップ ロ)、クリーニング用フラッシン
グを実行し(図9 ステップ ハ)、記録ヘッド5、6
をキャップ11、12により封止する(図9 ステップ
ニ)。
【0068】これにより、特にカラー記録ヘッド8にあ
ってはクリーナユニット14によるノズルプレートの擦
過によりインクの混色が生じている可能性があるため、
このまま長時間放置すると、圧力発生室まで混色が進行
してしまうが、フラッシングにより混色分のインクを排
出することができ、次の電源投入時にはノズル開口近傍
のインクを排出させる程度の軽いフラッシングだけで印
刷が可能となる。なお、フラッシング保留フラッグがO
FFである場合には、クリーニングの混色分のインクは
排出されているので、クリーニング用フラッシングを実
行することなくキャッピング動作に入る(図9 ステッ
プ ホ)。
【0069】なお、上述の実施例においてはフラッシン
グ保留タイマ77が所定時間を計時するのを待っている
が、電源ONーOFF指令スイッチPSが操作された時
点で即座にクリーニング用フラッシングを実行しても、
以後の長時間の休止により気泡が消滅するから、次の電
源投入時には印刷が可能な状態に回復している。
【0070】また、上述の実施例においては、記録ヘッ
ド5、6をキャップ11、12により封止し、キャップ
11、12を大気に連通させてキャップ内のインクを排
出した後、直ちに仕上げワイピングを実行するようにし
ているが、ノズルプレートに付着しているインク滴を排
除するための通常にワイピング動作を実行する(図8ス
テップ オ−1)。
【0071】次いで大気に連通したキャップ11、12
により記録ヘッド5、6を封止して紙送りモータ9を低
速で逆転駆動して吸引ポンプ80、81によりキャップ
11、12をインクを排出させてから(図8 ステップ
オ−2)、仕上げワイピングを実行するようにする
と、ノズルプレートにたとえインク滴が付着していて
も、仕上げワイピングを確実に行うことができて、メニ
スカスを確実に回復することができる。
【0072】(印刷動作)休止中においては、クリーナ
ユニット14のキャリッジをロックしているから、紙送
りモータ9を正転させてクリーナユニット14を記録ヘ
ッド5から退避させ、キャリッジロックを解除する(図
16 ステップ(イ))。
【0073】これによりキャリッジ1が移動可能になる
から、キャリッジ1を始端部方向に若干移動させて記録
ヘッド5、6とキャップ11、12とに間隙ΔGを形成
し(図16 ステップ(ロ))、この状態で記録ヘッド
5、6にフラッシング信号を供給してノズルからインク
滴をキャップ11、12に吐出させる(図16 ステッ
プ(ハ))。
【0074】ついで、キャリッジ1をホームポジション
と対向する端部に移動させてせてクラッチ機構25によ
り歯車20と給紙ローラ駆動軸23の歯車24とを係合
させ(図16 ステップ(ニ))、紙送りモータ9を若
干逆転させてオートシートフィーダ16で紙戻し動作を
行わせる(図16 ステップ(ホ))。ラチェットホイ
ール37は、その突起37aを隣接する中間伝達ホイー
ル38により伝達遅れが生じるから、ポンプホイール3
9への駆動力伝達が断たれており、紙送りモータ9に無
用な負荷を与えることなく、カットシートフィーダ16
での紙戻し動作が実行される。
【0075】ついで、紙送りモータ9を正転させると、
給紙ローラ60が記録用紙を紙送りローラ10の食い付
き領域に搬送する(図16 ステップ(ヘ))。ついで
キャリッジ1をホームポジション側に移動させてクラッ
チ機構25による歯車20と給紙ローラ駆動軸23の歯
車24とを係合を解き(図16 ステップ(ト))、紙
送りモータ9を逆転させて紙送りローラ10から記録用
紙を排出させて記録用紙のスキューを解消する(図16
ステップ(チ))。
【0076】キャリッジ1をクラッチ機構25が係合可
能に位置まで移動させて、歯車20と給紙ローラ駆動軸
23の歯車24とを係合させ(図16 ステップ
(リ))、紙送りモータ9を若干正転させてカットシー
トフィーダ16をリセットする(図16 ステップ
(ヌ))。ついでキャリッジ1をホームポジション側に
移動させてクラッチ機構25による歯車20と給紙ロー
ラ駆動軸23の歯車24とを係合を解き(図16 ステ
ップ(ル))、紙送りモータ9を逆転させてせて紙送り
ローラ10により用紙の先端を所定の位置に位置決めし
(図16 ステップ(ヲ))、さらに紙送りモータ9を
正転させて用紙の位置決めとバックラッシュ取りを実行
してから(図16 ステップ(ワ))、印字動作に入る
(図16 ステップ(カ))。
【0077】これら紙送りモータ9の正転、逆転は、そ
の回動量が少なく、また正転、逆転を交互に繰り返すた
め、中間伝達ホイール38の伝達遅れ作用によりポンプ
ユニット15は不作動状態を維持することになり、紙送
りモータ9には用紙を搬送するに必要な負荷だけが作用
する。
【0078】このようにして用紙がセットされて印刷が
開始されると、記録ヘッド5、6により1行の印刷が終
了する度に、紙送りモータ9は正転して1行分の紙送り
を実行する。紙送りモータ9のこの引き続く正転により
中間伝達ホイール38による伝達遅れは機能しないもの
の、ポンプユニット15は、そのローラ40が中心方向
に引寄られて回転するから、ポンプとして機能せず、し
たがって紙送りモータ9に無用な負荷を与えることはな
い。
【0079】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において
は、印刷データに対応してインク滴を吐出するインクジ
ェット式記録ヘッドと、選択的に大気に連通して記録ヘ
ッドを封止するキャッピング手段と、回転方向が正逆切
換え可能な紙送りモータに、記録用紙の排出方向紙送り
動作とインク吸引動作が前記モータの逆回転方向のもと
で実行されるよう、回転方向切換え時に時間遅れを生じ
させて結合する手段を介して接続し、キャッピング手段
に負圧を供給する吸引ポンプと、吸引ポンプにより記録
ヘッドからインクを吸引させるクリーニング制御手段と
を備え、時間遅れ範囲で記録用紙を紙送りする紙送り制
御手段を設けたので、吸引ポンプへの駆動力伝達遅れの
間を利用して、インクの吸引に伴う負荷変動の影響を受
けることなく給排紙動作を精度よく行わせることができ
るばかりでなく、格別の駆動力切換え機構を不要として
駆動系を大巾に簡素化することができる。また目詰まり
解消時にはインク吸引量をキャップの容積により規定し
て無用なインクの消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット式記録装置
の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例をなす装置の駆動系を示した
図である。
【図3】同上装置におけるポンプユニットの分解斜視図
である。
【図4】カットシートフィーダに一実施例を示す図であ
る。
【図5】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図6】同上装置の全体の動作を示すフローチャートで
ある。
【図7】同上装置の動作の内、印字開始前フラッシング
処理のための動作を示すフローチャートである。
【図8】同上装置の動作の内、クリーニング処理のため
の動作を示すフローチャートである。
【図9】同上装置の動作の内、電源OFFフラッシング
処理のための動作を示すフローチャートである。
【図10】図(イ)〜(ニ)は、ぞれぞれ大吸引工程の
前半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図11】図(イ)〜(ハ)は、それぞれ大吸引工程の
後半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図12】図(イ)〜(ニ)は、ぞれぞれ小吸引工程の
前半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図13】図(イ)〜(ハ)は、それぞれ小吸引工程の
後半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図14】ノズル開口近傍にクレータ部が形成されてい
るノズルプレートの一実施例を示す図である。
【図15】図(イ)、(ロ)は、ぞれぞれノズル開口近
傍におけるクリーニング処理直後、及びフラッシング保
留タイマのタイムアップ時における気泡の様子を示す説
明図である。
【図16】 同上装置の印刷動作を示すフローチャート
である。
【符号の説明】 1 キャリッジ 2 キャリッジモータ 5、6 インクジェット式記録ヘッド 7、8 インクカートリッジ 9 紙送りモータ 10 紙送りローラ 11、12 キャップ 13 キャッピングユニット 14 クリーナユニット 15 ポンプユニット 16 カットシートフィーダ 23 給紙ローラ駆動軸 25 クラッチ機構 28 排紙ローラ 37 ラチェットホイール 38 中間伝達ホイール 39 ポンプホイール 44 クリーニングブレード 80、81 吸引ポンプ V1、V2 大気開放弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 信敏 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷データに対応してインク滴を吐出す
    るインクジェット式記録ヘッドと、選択的に大気に連通
    して前記記録ヘッドを封止するキャッピング手段と、回
    転方向が正逆切換え可能な紙送りモータに、記録用紙の
    排出方向紙送り動作とインク吸引動作が前記モータの逆
    回転方向のもとで実行されるよう、回転方向切換え時に
    時間遅れを生じさせて結合する手段を介して接続し、前
    記キャッピング手段に負圧を供給する吸引ポンプと、前
    記吸引ポンプにより前記記録ヘッドからインクを吸引さ
    せるクリーニング制御手段とを備え、前記時間遅れ範囲
    で前記記録用紙を紙送りする紙送り制御手段を設けたイ
    ンクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 回転方向切換え時に時間遅れを生じさせ
    て結合する前記手段が、回転駆動体と回転被駆動体との
    間に遊転自在に配設され、かつ前記回転駆動体と前記回
    転被駆動体に設けた各突部と当接する突部を表裏両面に
    設けた中間伝達回転体により構成されている請求項1記
    載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記クリーニング制御手段は、前記記録
    ヘッドを前記キャッピング手段により封止して大気との
    連通を断った状態で前記吸引ポンプの負圧を作用させて
    前記記録ヘッドからインクを吸引させ、ついで前記記録
    ヘッドを前記キャッピング手段により封止した状態で大
    気に連通させて前記吸引ポンプの負圧を作用させて前記
    キャッピング手段内のインクを排出させる請求項1に記
    載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記時間遅れの範囲での紙送り量が前記
    紙送り制御における記録用紙の反排出方向への紙送り量
    よりも多く設定されている請求項1に記載のインクジェ
    ット式記録装置。
  5. 【請求項5】 給紙動作中の記録用紙の反排出方向への
    紙送り量よりも、給紙動作最終段階での印刷部の先端に
    記録用紙を位置合わせするため排出方向への紙送り量が
    多くなるように設定されている請求項1に記載のインク
    ジェット式記録装置。
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