JP3838307B2 - インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上にインクジェット式記録ヘッドが搭載されると共に、複数の各記録ヘッドもしくは1つの記録ヘッドに形成された複数のノズル開口群に対し、それぞれインクを供給するための複数の独立したインクカートリッジを前記キャリッジ上に装着して成るインクジェット式記録装置に関し、より詳細にはインクカートリッジの交換に伴って実施する記録ヘッドのノズル開口からのインクの吸引処理の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータの発達によりグラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになったため、ディスプレイに表示される例えばカラー画像のハードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められている。このような要求に応えるためにインクジェット式記録ヘッドを搭載した記録装置が提供されている。このインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
【0003】
このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。そして共通のキャリッジ上に、例えばブラックインクを吐出するブラック用記録ヘッドと、イエロー、シアン、マゼンタの各インクの吐出が可能なカラー用記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】
前記インクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0005】
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズルプレートを清掃するクリーニング装置を備えている。このキャッピング手段は、印刷の休止時に前記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャップ部材によりノズルプレートを封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引してノズル開口のインク固化による目詰まりや、インク流路内への気泡混入によるインク吐出不良を解消する機能をも備えている。
【0006】
記録ヘッドの目詰まりや、インク流路内への気泡混入を解消させるために行うインクの強制的な吸引排出処理は、通常クリーニング操作と呼ばれ、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、またユーザが記録画像の品質が悪化したのを解消するためにクリーニングスイッチを押下した場合に実行され、インク滴を負圧により排出させた後に、ゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材によりヘッド表面のワイピング操作を伴う処理である。
【0007】
一方、この種の記録装置においては、前記ブラック用記録ヘッドと、カラー用記録ヘッドとのそれぞれにインクを供給するためのブラック用インクカートリッジおよびカラー用インクカートリッジが独立して用意されており、民生用のこの種の記録装置においては、前記各カートリッジは各記録ヘッドの上部に直接装着されるように構成されている。
【0008】
また、1つの記録ヘッドのノズルプレートに、ブラック用インクカートリッジからのインクを吐出するブラックインク用ノズル開口列、カラー用インクカートリッジからの各インクをそれぞれ吐出する複数のカラー用ノズル開口列を共に配置した構成の記録装置も提供されている。
【0009】
前記したいずれの構成の記録装置であっても、カートリッジのインクが不足した場合には、記録ヘッドの上部に形成されたカートリッジホルダより当該カートリッジを引き抜き、新しいカートリッジを装着することで、継続して記録ヘッドに対してインクが供給できるように構成されている。
【0010】
これに用いられるインクカートリッジは、一般にそのインク供給口にフィルム部材が貼着されており、またその内部にゴム性のシール部材が嵌め込まれて、保存中におけるインク溶媒の揮散が防止できるようになされている。
【0011】
そして、新しいカートリッジを装着する場合には、記録ヘッドの裏面より上方に向けて樹立されたインク供給針に対し、カートリッジのインク供給口を下向きにして対向せしめ、そのまま押し込むことでカートリッジを装着することができるように構成されている。この操作により、前記インク供給針がインク供給口の前記フィルムおよびゴム性のシール部材を貫通して挿入接合され、これによりカートリッジより記録ヘッドにインクが供給される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したような記録装置においては、インクカートリッジの交換時点において、カートリッジとインク供給針との接合に際して侵入する気泡を排除するために、前記キャッピング手段により記録ヘッドのノズルプレートを封止し、吸引ポンプからの負圧によりノズル開口からインクを吸引する吸引操作が実行される。この吸引操作により、カートリッジの交換に際して内部に侵入した前記気泡をインクの吸引と共に外部に排出させるようにしている。
【0013】
しかしながら、インクカートリッジの装着に際しては、前記したとおりインク供給針によって、カートリッジのインク供給口に貼着されたフィルムを破壊する工程で相当の衝撃が発生する。これはカートリッジを押し込んだ際に、インク供給針によってフィルムが伸張して破壊される瞬間に発生するものであり、この衝撃はキャリッジの全体に伝わる。
【0014】
また、インクカートリッジを装着する場合の前記した作用による衝撃以外に、インクカートリッジの交換等に伴い粗雑な扱いを行った場合においては、これに伴う衝撃が発生し、その衝撃は同様にキャリッジの全体に伝わる。
【0015】
したがって、カートリッジを交換しない隣接した記録ヘッドに対してもこの衝撃が伝わり、当該ヘッドのノズル開口に形成されているメニスカスが破壊されるという問題が発生する。このようにメニスカスが破壊された場合には、ノズル開口からのインクの吐出不良を引き起こし、当然ながら印字品質の低下を招来させることとなる。
【0016】
本発明は前記したような技術的課題に鑑みてなされたものであり、インクカートリッジの交換に際して発生する非交換カートリッジ側に対応するノズル開口による印字不良の発生を効果的に抑制することができる信頼性の高い記録装置を提供することにある。
【0017】
また本発明は、いずれかのインクカートリッジの交換に基づいて、ノズル開口からのインクの適切な吸引処理シーケンスを実現させる記録ヘッドからのインク吸引制御方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置の好ましい実施の形態は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対してそれぞれインクを供給するために前記キャリッジ上に装着された複数の独立したインクカートリッジを備えたインクジェット式記録装置であって、前記記録ヘッドのノズル開口列を封止し、記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引するキャッピング手段と、前記キャッピング手段に対して負圧を印加するための吸引ポンプを駆動するポンプ駆動手段と、前記キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれか1つ、もしくは複数が交換されたことを検出するインクカートリッジ検出手段と、前記インクカートリッジ検出手段によってインクカートリッジが交換されたことを検出した場合に、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止すると共に、前記ポンプ駆動手段を駆動してノズル開口より、各インクカートリッジから供給されるインク滴をそれぞれ吸引するインク吸引制御手段とが具備される。
【0019】
また、前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置の他の好ましい実施の形態は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出する複数のインクジェット式記録ヘッドと、前記各記録ヘッドに対してそれぞれインクを供給するために前記キャリッジ上に装着された複数の独立したインクカートリッジを備えたインクジェット式記録装置であって、前記各記録ヘッドのノズル開口をそれぞれ封止し、各記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引する複数のキャッピング手段と、前記各キャッピング手段に対して負圧を印加するための吸引ポンプを駆動するポンプ駆動手段と、前記キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれか1つ、もしくは複数が交換されたことを検出するインクカートリッジ検出手段と、前記インクカートリッジ検出手段によってインクカートリッジが交換されたことを検出した場合に、前記各キャッピング手段によって各記録ヘッドのノズル開口をそれぞれ封止すると共に、前記ポンプ駆動手段を駆動してノズル開口より、各インクカートリッジから供給されるインク滴をそれぞれ吸引するインク吸引制御手段とが具備される。
【0020】
この場合、好ましくは前記インクカートリッジ検出手段によって、インクカートリッジが交換されたことを検出した場合においては、前記インク吸引制御手段は、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施後に、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施するように構成される。
【0021】
また前記インクカートリッジ検出手段によって、インクカートリッジが交換されたことを検出した場合においては、前記インク吸引制御手段は、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作、および交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を同時に実施するように構成される場合もある。
【0022】
そして、いずれの場合であっても、前記インクカートリッジ検出手段によって、インクカートリッジが交換されたことを検出した場合においては、前記インク吸引制御手段は、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引量に対して、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引量が少量となるように制御するように構成されることが望ましい。
【0023】
また、本発明における好ましい実施の形態においては、前記インクカートリッジには、インク供給口にインク溶媒の揮散を防止するフィルム部材が配置され、インクカートリッジの装着によって、記録ヘッド側に配置されたインク供給針により前記フィルム部材を貫通してノズル開口側にインクを誘導するように構成される。
【0024】
また、本発明にかかるインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法の好ましい態様は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対してそれぞれインクを供給するために前記キャリッジ上に装着された複数の独立したインクカートリッジを備えたインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法であって、前記キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれか1つ、もしくは複数が交換されたことを検出し、前記記録ヘッドのノズル開口をキャッピング手段によって封止するキャッピングステップと、前記キャッピング手段に対して吸引ポンプの駆動による負圧を印加し、記録ヘッドのノズル開口より各インクカートリッジから供給されるインク滴をそれぞれ吸引するインク吸引ステップとを実行するようになされる。
【0025】
また、本発明にかかるインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法の他の好ましい態様は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出する複数のインクジェット式記録ヘッドと、前記各記録ヘッドに対してそれぞれインクを供給するために前記キャリッジ上に装着された複数の独立したインクカートリッジを備えたインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法であって、前記キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれか1つ、もしくは複数が交換されたことを検出し、前記各記録ヘッドのノズル開口を各キャッピング手段によってそれぞれ封止するキャッピングステップと、前記各キャッピング手段に対して吸引ポンプの駆動による負圧を印加し、各記録ヘッドのノズル開口より各インクカートリッジから供給されるインク滴をそれぞれ吸引するインク吸引ステップとを実行するようになされる。
【0026】
この場合、前記インク吸引ステップにおいては、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施後に、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施するようにインク吸引の動作順序が定められていることが好ましい。
【0027】
また、前記インク吸引ステップにおいては、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作、および交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を同時に実施するように制御される場合もある。
【0028】
そして、前記したいずれの制御方法においても、前記インク吸引ステップにおけるノズル開口からのインクの吸引量は、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量に対して、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量が少量となるように制御されることが望ましい。
【0029】
この場合好ましくは、前記インク吸引ステップにおいては、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量は、記録ヘッド上のカートリッジとの接続部から記録ヘッドのノズル開口までの容積に対応する量となるように制御され、また非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量は、記録ヘッド内のインク供給口からノズル開口までの容積以下となるように制御される。
【0030】
以上のように構成されたインクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法によると、キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれかを交換した場合においては、カートリッジ交換側のノズル開口およびカートリッジ非交換側のノズル開口のそれぞれがキャッピング手段によって封止される。続いてポンプ駆動手段によって吸引ポンプが駆動され、カートリッジ交換側のノズル開口およびカートリッジ非交換側のノズル開口のそれぞれからインクの吸引がなされる。
【0031】
したがって、インクカートリッジの交換によって、カートリッジとインク供給針との接合に際してヘッド内に侵入した気泡を排除できることはもとより、インクカートリッジの交換に際して生じた衝撃により、非交換側カートリッジに対応するノズル開口のメニスカスの破壊をインクの吸引動作によって回復させることができる。
【0032】
この場合、交換した新しいインクカートリッジにおいては、出荷時に内部が脱気されており、したがって、インクの吸引動作による泡立ち等の影響が少ない。たとえインク吸引動作により微小気泡が発生しても、その微小気泡は脱気状態にあるインクへの溶解が促進されるため、微小気泡を自然消滅させるための待機時間は殆ど必要としないという特質を有している。
【0033】
したがって、例えば1つの吸引装置の回転方向で2つの記録ヘッドの吸引動作を交互に行うインクジェット式記録装置の場合においては、先ず吸引装置の一方向の回転により非交換カートリッジ側記録ヘッドの吸引動作を先に行い、またこの後に吸引装置の他方向の回転により、交換したカートリッジ側記録ヘッドの吸引動作を実施するシーケンスを採用することにより、吸引動作の所用時間を短縮させることが可能となる。
【0034】
一方、非交換カートリッジ側のノズル開口が衝撃を受けてインク吐出不良になるのは、ノズル開口のメニスカスを破壊して侵入する気泡であり、この時の気泡のサイズは小さく、移動しやすい。したがって非交換カートリッジ側のノズル開口より吸引するインクの量は、交換カートリッジ側記録ヘッドにおけるインクの吸引量よりも少量の吸引で事足りることとなる。
【0035】
したがって、非交換カートリッジ側のノズル開口からは少量吸引させるように制御することにより、排出されるインクのむだを低減し、また吸引動作の時間をさらに短縮させることが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインク排出制御方法を採用したインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体を斜視図によって示したものであり、図中符号1はキャリッジであり、キャリッジモータ3の駆動により往復動するタイミングベルト2を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0037】
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、ブラック用記録ヘッド7、およびカラー用記録ヘッド8が搭載され、またその上部にはそれぞれの記録ヘッドにインクを供給するブラック用インクカートリッジ9、およびカラー用インクカートリッジ10が着脱可能に装填されている。
【0038】
図中符号11は、非印字領域外に配置されたキャッピング手段であって、ブラックヘッド用のキャップユニット37とカラーヘッド用のキャップユニット38が配置されている。そしてキャッピング手段11の下方には、キャッピング手段11に対して負圧を与えるための吸引ポンプ12が配置されている。
【0039】
前記キャップユニット37,38は記録装置の休止期間中のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ12からの負圧を記録ヘッド7、8に作用させて、インクを吸引する手段としての機能も兼ね備えている。
【0040】
図2は記録ヘッド7,8の一流路の構成を断面図によって示したものである。なお、本図で示した流路が複数配置され、実際のマルチノズル記録ヘッドは構成されている。また、前記したカラー用記録ヘッド8については、それぞれのカラーインクを吐出させるために図2と同様の構成よりなるノズル列が並列に隣接されるように配置されている。
【0041】
図中符号15aは第1の蓋板であり、これは例えばジルコニアの薄板から構成され、その表面に後述する圧力発生室15bに対向するように駆動電極15cが形成されている。この駆動電極15cの表面にPZT等からなる圧電振動子15dが形成されている。
【0042】
圧力発生室15bは、圧電振動子15dのたわみ振動を受けて収縮、膨張してノズル開口17aからインク滴を吐出し、またインク供給口17bを介して共通のインク室17cのインクを吸引する。
【0043】
スペーサ15eは、圧力発生室15bを形成するのに適した厚さの、例えばジルコニアなどのセラミックス板に通孔を穿設して構成されていて、後述する第2の蓋体15fと第1の蓋体15aとにより両面を封止されて前記した圧力発生室15bを形成している。
【0044】
第2の蓋体15fは、やはりジルコニア等のセラミックス板にインク供給口17bと圧力発生室15bとを接続する連通孔15gと、圧力発生室15bのインクをノズル開口17aに向けて吐出するインク吐出口15hを穿設して構成され、スペーサ15eの他面に固定されている。
【0045】
これら各部材15a,15e,15fは、粘土状のセラミックス材料を所定の形状に成形し、これを積層して焼成することにより接着剤を使用することなくアクチェータユニット15に纏められている。
【0046】
符号17dはインク供給口形成基板であり、これはアクチェータユニット15の固定基板を兼ねるとともに、インクカートリッジとの接続部材も設けることができるように、耐インク性を備えたステンレス鋼等の金属やセラミックスにより構成されている。
【0047】
このインク供給口形成基板17dには、圧力発生室15b側の一端側に共通のインク室17cと圧力発生室15bとを接続するインク供給口17bが設けられ、また圧力発生室15bの他端側にはノズル開口17aとアクチェータユニット15のインク吐出口15hとを接続する連通孔17eが設けられている。
【0048】
符号17fは、共通のインク室形成基板であり、これは共通のインク室17cを形成するに適した厚みのステンレス鋼などの耐蝕性を備えた板材に、共通のインク室17cの形状に対応する通孔と、ノズルプレート17gのノズル開口17aとインク吐出口15hとを接続する連通孔17hを穿設して構成されている。
【0049】
これらインク供給口形成基板17d、共通のインク室形成基板17f、およびノズルプレート17gは、それぞれの間に熱溶着フィルムや接着剤等からなる接着層S,Sにより流路ユニット17に纏められている。この流路ユニット17のインク供給口形成基板17dの表面に、熱溶着フィルムや着接着剤によりアクチェータユニット15を固定することにより記録ヘッドが構成されている。
【0050】
このような構成により、圧電振動子15dへの充電が行われて、圧電振動子15dがたわむと、圧力発生室15bが収縮する。これにより圧力発生室15bのインクが加圧されてノズル開口17aからインク滴として吐出し、記録用紙にドットを形成できる。
【0051】
所定時間の経過後に圧電振動子15dの電荷が放電されると、圧電振動子15dが元の状態に戻る。これにより、圧力発生室15bが膨張して、共通のインク室17cのインクがインク供給口17bを経由して圧力発生室15bに流れ込み、次の印字のためのインクが圧力発生室15bに補給される。
【0052】
このような圧電振動子15dの繰り返しの運動作用により、インク室17cから圧力発生室15bにインクが補給されつつ、圧力発生室15bより連通孔17hを介してノズル開口17aからインク滴が吐出される。
【0053】
一方、図3(イ)および(ロ)はキャッピング手段11の全体構成を示したものであり、(イ)はキャッピング手段11を一方向から視た斜視図であり、また(ロ)は(イ)の裏面方向から視た斜視図である。図中符号22はスライダであり、自在に回動するアーム23とバネ31によって基台21に連結されており、キャリッジ1が非印字領域側に移動してフラッグ片25に接したときに、キャリッジ1の動きに追従して移動するように構成されている。また、スライダ22にはバルブユニット28が固定され、基台21にはバルブユニット28を開閉するためのバルブ29が圧縮バネ30を介して固定されている。
【0054】
フラッグ片25は下端に凸片26を有していて、基台21に形成された傾斜ガイド面24と当接してこれの表面を摺動するように構成されている。また、印刷領域側の側部にもガイド面32が設けられており、スライダ22に水平方向に突出された突起33がこれの表面を摺動するように構成されている。これら2つのガイド面24,32の働きにより、スライダ22はほぼ水平姿勢を保ったまま、上下動が可能な構成となっている。
【0055】
つまり、キャリッジ1が非印字領域側に移動したとき、スライダ22がキャリッジ1の動きと連動して斜め上方に移動することで、後述するキャップ部材と記録ヘッドのノズルプレート面が密着するキャッピング動作がなされるように構成されている。
【0056】
スライダ22のキャップユニット搭載部36は、バネ34と突起35によってスライダ22に連結されており、突起35を中心として若干の回動が可能である。また、キャップユニット37,38は、それぞれ圧縮バネ39を介してスライダ22に固定されている。従って、キャッピング動作時において、キャップとノズルプレートの密着性は常に良好に保たれる。
【0057】
前記キャップユニット37,38のそれぞれには、その下底部にそれぞれインク吸引口18が形成され、耐インク性に優れた図示せぬチューブを介して図1に示す吸引ポンプ12に接続されている。またキャップユニット37,38のそれぞれには、その下底部に後述する大気開放口19が配置されており、これら大気開放口19に一端が接続されたチューブ27の他端がバルブユニット28にそれぞれ接続されている。
【0058】
以上の構成により、キャリッジ1が非印字領域側に移動したとき、前記したようにキャリッジ1がフラッグ片25に当接し、これによりスライダ22が斜め上方に移動してキャップユニット37,38が記録ヘッドのノズルプレート面を閉塞するキャッピング状態とされる。そして、スライダ22がさらに非印字領域側に位置することによって、前記バルブユニット28がバルブ29と接触し、大気開放口19が閉ざされる。この状態で吸引ポンプ12からキャップ内部に負圧を供給することにより、記録ヘッドのノズル開口からのインクの吸引が可能となる。
【0059】
図4はインクカートリッジ9が装着された状態の記録ヘッド7に、その下方より前記したキャップユニット37が上昇し、記録ヘッド7のノズル開口17aを封止(キャッピング)した状態を断面図で示したものである。なお図4においては、すでに説明した各構成要件に対応する部分は同一の符号で示している。また図4においては、ブラック用の記録ヘッドに対するキャッピング状態を示しているが、カラー用の記録ヘッドに対するキャッピング状態も図4の状態とほぼ同一の構成となる。
【0060】
記録ヘッド7の裏面には上方に向けてインク供給針51が樹立されており、インク供給針51の先端部分に穿設されたインク取入孔52を介してカートリッジ9から、記録ヘッド7に対してインクが供給できるように構成されている。なお符号53は供給針から記録ヘッドに至るインクの通過経路に配置されたフィルタを示している。
【0061】
インクカートリッジ9には前記したとおり、インク供給口9aにフィルム部材9bが貼着(図4においてはインク供給針51により貫通されており、破線で示している。)されており、またその内部にゴム性のシール部材9cが嵌め込まれていて、インク供給針51がこれを貫通した状態でカートリッジ9を装填状態としている。
【0062】
記録ヘッドには、図2に示したような構成のアクチェータユニット15が配備されており、このアクチェータユニット15の駆動により、ノズルプレート17gに配置されたノズル開口17aよりインクを吐出するようになされる。
【0063】
一方、キャップユニット37は、上面が開放された方形状のキャップケース55と、キャップケース55内に収納され、耐インク性を有する可撓性物質、特にゴムなどの弾性部材により形成されたカップ状のキャップ部材56とにより構成されている。そしてキャップ部材56はその上測縁がキャップケース55よりも若干突出し、その端部が先細状に形成されてノズルプレート17gに対する密着性が良好となるように成されている。
【0064】
またキャップ部材56の内底部には、耐インク性およびインク吸収性に優れた多孔質材料からなるベルイータ57が挿入配置されている。また、前記キャップケース55の下底部には、キャップ部材56の内部を大気に開放する大気開放口19がキャップ部材56を貫通して設けられている。そして大気開放口19は、図3で説明したとおり、チューブ27を介してバルブユニット28に接続されている。
【0065】
また、キャップケース55の下底部には、大気開放口19に隣接するようにキャップ部材56を貫通してインク吸引口18が形成されていて、このインク吸引口18には図示せぬチューブを介して前記吸引ポンプ12に接続されている。
【0066】
したがって、大気開放口19に接続されたバルブユニット28を閉塞した状態で吸引ポンプ12を駆動させることで、キャップユニット37内は負圧となり、記録ヘッド7よりインクを吸引することができる。
【0067】
次に図5は、前記した構成の記録装置に搭載された制御回路の例を示したものである。なお図5においては、すでに説明した記録ヘッド7,8、インクカートリッジ9,10、吸引ポンプ12、およびバルブユニット28(ただし図5においては2つの吸引ポンプ12A,12Bとして示し、また2つのバルブユニットを28A,28Bとして示している)については同一符号で示しており、したがってその説明は省略する。
【0068】
図5において、符号60は印刷制御手段であり、記録装置のホストコンピュータからの印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段61により駆動信号を発生させて、記録ヘッド7,8からインクを吐出させるものである。ヘッド駆動手段61は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシング制御手段62からのフラッシング指令信号を受けてフラッシング操作のための駆動信号を記録ヘッド7,8に出力するようにも構成されている。
【0069】
符号63はクリーニング制御手段であり、このクリーニング制御手段63からの指令によりポンプ駆動手段64が動作して、各吸引ポンプ12A,12Bを駆動制御するものである。
【0070】
またクリーニング制御手段63には印刷制御手段60、クリーニング指令検知手段65、および吸引シーケンス制御手段(インク吸引制御手段)66よりクリーニング指令信号が供給されるように構成されている。
【0071】
なお、クリーニング指令検知手段65には指令スイッチ67が接続されており、このスイッチ67をユーザがプッシュオンすることにより、前記指令検知手段65を動作させてマニュアルによるクリーニング操作が実行されるように構成されている。
【0072】
符号69はインクカートリッジ検出手段であり、インクカートリッジが装着されているか否かを検出するスイッチがキャリッジ1のカートリッジホルダに配設され、この信号により検出・判別する。
【0073】
前記吸引シーケンス制御手段66には、ホストコンピュータよりステータス信号を受けるようにされている。すなわち、吸引シーケンス制御手段66はインクカートリッジのいずれかを交換した場合に、前記インクカートリッジ検出手段69により、いずれのカートリッジが交換されたのかを判別し、キャリッジモータ制御手段68に制御信号を送出して、各記録ヘッドに対してキャッピングを成させると共に、後述するように各記録ヘッドからの一連のインク吸引動作を実行させるように構成されている。
【0074】
以上のように構成されたインクジェット式記録装置において、いずれかのインクカートリッジが交換された場合の作用について、図6および図7に基づいて説明する。
【0075】
前記したいずれかのインクカートリッジ9または10が交換された場合には、キャリッジ1のカートリッシホルダに配置されたリーフ接点スイッチ(図示せず)がオン状態と成され、これによりインクカートリッジ9または10の交換があったことが検出できる。これは図5に示す吸引シーケンス制御手段66がホストコンピュータのステータスデータを読み取って判定することができる。
【0076】
図6は、この場合における第1の制御シーケンスを示したものである。図6に示すステップS11においては、吸引シーケンス制御手段66がホストコンピュータからのステータスデータを読み取ることにより、いずれかのインクカートリッジが交換されたか否かを監視しており、カートリッジが交換されたことが判明すると、ステップS12に移り、いずれのインクカートリッジが交換されたかを把握する。このステップS12についても、吸引シーケンス制御手段66がホストコンピュータのステータスデータを読み取って認識することができる。
【0077】
吸引シーケンス制御手段66において交換されたカートリッジを認識すると、ステップS13に移り、キャリッジモータを駆動して各記録ヘッドをキャッピングする。これは図5に示す吸引シーケンス制御手段66よりキャリッジモータ制御手段68に対して制御信号を送出し、これに基づいてキャリッジモータ3が駆動され、キャリッジ1が非印字領域に配置されたキャッピング手段11の直上に移動することによってなされる。
【0078】
続いてステップS14において、非交換カートリッジ側に対応する吸引ポンプが駆動される。ここでは、便宜上、ブラック用インクカートリッジ9が交換されたことを前提として説明する。すなわち、この場合にはカラー用インクカートリッジ10が非交換カートリッジであり、したがってステップS14においては、図5に示すカラー用インクカートリッジ10側に対応する吸引ポンプ12Aが駆動される。
【0079】
なお、図5においてはポンプ駆動手段64からの制御により、吸引ポンプ12A,12Bが格別に電気的に駆動制御されるように描かれているが、例えば吸引ポンプ12A,12Bとしていわゆるチューブポンプが用いられ、これらが同軸上に配置されて、第1方向の回転により一方のポンプ(例えばポンプ12A)が駆動され、また第2方向の回転により他方のポンプ(例えばポンプ12B)が駆動されるタイプにおいては、次のような制御が実施される。
【0080】
すなわち、吸引シーケンス制御手段66はクリーニング制御手段63に制御信号を送り、クリーニング制御手段63よりポンプ駆動手段64に対して共通駆動軸を第1方向に回転させる指令を出力する。
【0081】
これにより、吸引ポンプ12Aが駆動され、カラー用記録ヘッド8よりインクの吸引を行う。この場合におけるインクの吸引量は少量吸引を行うようになされる。すなわち、非交換側カートリッジであるカラーインクカートリッジ10がインク吐出不良を起こす原因は、前述したとおり他のカートリッジの装着時の衝撃を受けてノズルのメニスカスを破壊して気泡が侵入するためであり、この時の気泡のサイズは小さく、移動しやすい。
【0082】
しかもその気泡は、図2に示した記録ヘッドの構成において理解されるように、記録ヘッド内の主に圧力発生室15bにおいて留まり、インク供給口17bを介してさらに侵入することはない。したがってこの時のインクの吸引量は、インク供給口17bからノズル開口17aまでの容積に対応する量で十分である。
【0083】
換言すれば、この時のインクの吸引量は、記録ヘッド内のインク供給口17bからノズル開口17aまでの容積以下となるように制御される。これにより、排出されるインクのむだを低減し、また吸引動作の時間を短縮させることが可能となる。
【0084】
以上のステップS14に続いて、今度はステップS15において、ブラックインクカートリッジ側に対応する吸引ポンプ、すなわちブラック用記録ヘッド7に対応する吸引ポンプ12Bが駆動される。この場合においても、同軸上に配置された一対のチューブポンプの駆動軸を、第2方向に駆動することによりポンプ12Bが駆動され、ブラック用記録ヘッド9からのインクの吸引動作が行われ、カートリッジの交換に伴うインクの吸引処理が終了する。
【0085】
この場合におけるインクの吸引量は、ステップS14の場合に比較してその量を増大させるように制御される(通常吸引)。すなわち、交換側カートリッジにおいては、カートリッジの交換によって、カートリッジとインク供給針51との接合に際して気泡が侵入することになり、したがってこの気泡を排除するためにインク供給針51から記録ヘッドのノズル開口17aまでの容積に対応する量のインクを吸引することが望まれる。
【0086】
この場合、記録装置は図4に示したようにインクカートリッジの装着によって、インク供給針を介して記録ヘッドのノズル開口側にインクを誘導するように構成されているが、このようなインク供給針を用いない記録装置におけるノズル開口からのインク吸引量は、記録ヘッド上のカートリッジとの接続部から記録ヘッドのノズル開口までの容積に対応する量となるように制御される。
【0087】
なお、交互の回転によって吸引ポンプの吸引動作が択一的に実行される前記したようなタイプの吸引ポンプを用いた装置においては、交換側カートリッジに対応するインクの吸引をステップS14に示すように後の工程において実行させることで、全体のインク吸引動作の所用時間を短縮させることが可能となる。
【0088】
すなわち前記したように、交換した新しいインクカートリッジにおいては、出荷時に内部が脱気されており、したがって、インクの吸引動作による泡立ち等の影響が少ない。そしてたとえインクの吸引動作により微小気泡が発生しても、その微小気泡は脱気状態にあるインクへの溶解が促進されるため、微小気泡を自然消滅させるための待機時間は殆ど必要としない。
【0089】
よって前記したインク吸引時に生ずる微小気泡の自然消滅を待つ待機時間を設定させる必要はなく、この待機時間に相当する時間の短縮を図ることができる。
【0090】
次に、図7は第2のインク吸引制御シーケンスを示したものである。この図7に示す制御シーケンスは、2つのチューブポンプが同軸状に配置され、一方向の回転によってのみ、2つのポンプが同時に動作されるタイプを用いた場合の例を示している。
【0091】
ここで、ステップS21は、図6において説明したステップS11と同一である。そしてステップS21において、いずれかのカートリッジが交換されたことを認識すると、ステップS22において、キャリッジモータを駆動して各記録ヘッドをキャッピングする。すなわち、このステップS22は、図6において説明したステップS13と同一である。
【0092】
前記ステップS22において、キャッピングがなされると、ステップS23において、交換カートリッジ側および非交換カートリッジ側に対応する吸引ポンプ12A,12Bが駆動される。すなわち、前記したように同軸状に配置された2つの吸引ポンプが同時に駆動され、それぞれの記録ヘッド7,8からインクの吸引動作がなされ、カートリッジの交換に伴うインクの吸引処理が終了する。
【0093】
このように同軸状に配置された2つの吸引ポンプが同時に駆動される構成によると、一度に両者のインクの吸引動作が実施され、図6に示したシーケンスに比較するとカートリッジ交換時のインク吸引処理を短縮させることができる。
【0094】
なお、図5に示すようにそれぞれの吸引ポンプ12A,12Bが独立し、ポンプ駆動手段64によって、それぞれのインク吸引量も制御できるように構成されている場合においては、図7におけるステップS23においては、図6において説明した場合と同様に、交換したインクカートリッジ側の記録ヘッドのインク吸引量に対して、非交換インクカートリッジ側の記録ヘッドのインク吸引量が少量となるように制御することが望ましい。
【0095】
なおまた、以上説明した実施の形態においては、ブラック用記録ヘッドとカラー用記録ヘッドをそれぞれ個別に備えた記録装置を例にしているが、本発明は例えば1つの記録ヘッドのノズルプレートに、ブラック用インクカートリッジからのインクを吐出するブラックインク用ノズル開口列、カラー用インクカートリッジからの各インクをそれぞれ吐出する複数のカラー用ノズル開口列を共に配置した構成の記録装置にも適用することができることは勿論である。
【0096】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法によると、キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれかを交換した場合に、キャッピング手段によって各記録ヘッドのノズル開口がそれぞれ封止されると共に、ポンプ駆動手段を駆動して各記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引するようになされる。したがって、インクカートリッジの交換によって、カートリッジとインク供給針との接合に際して侵入する気泡を記録ヘッド内より排除できることはもとより、インクカートリッジの交換に際して生じた衝撃により、非交換側カートリッジに対応する記録ヘッドのメニスカスの破壊もインクの吸引動作によって回復させることができる。よって、インクカートリッジの交換に際して生ずる各記録ヘッドにおける印字不良の発生を効果的に抑制することができる信頼性の高いインクジェット式記録装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載された記録ヘッドの例を示した断面図である。
【図3】図1に示す記録装置に搭載されたキャッピング装置の一例を示す斜視図である。
【図4】インクカートリッジが装着された記録ヘッドに対してキャッピング装置によってキャッピングした状態を示す断面図である。
【図5】本発明の記録装置に装備される制御回路の例を示したブロック図である。
【図6】本発明の記録装置において成されるインク吸引処理の第1の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】本発明の記録装置において成されるインク吸引処理の第2の制御シーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 タイミングベルト
3 キャリッジモータ
6 記録用紙
7 ブラック用記録ヘッド
8 カラー用記録ヘッド
9 ブラック用インクカートリッジ
9a インク供給口
9b フィルム部材
9c シール部材
10 カラー用インクカートリッジ
11 キャッピング装置
12 吸引ポンプ
15 アクチェータユニット
15b 圧力発生室
15c 駆動電極
15d 圧電振動子
17 流路ユニット
17a ノズル開口
17b インク供給口
17c インク室
17g ノズルプレート
37 ブラックヘッド用キャップユニット
38 カラーヘッド用キャップユニット
51 インク供給針
52 インク取入孔
55 キャップケース
56 キャップ部材
57 ベルイータ
60 印刷制御手段
61 ヘッド駆動手段
62 フラッシング制御手段
63 クリーニング制御手段
64 ポンプ駆動手段
65 クリーニング指令検知手段
66 吸引シーケンス制御手段(インク吸引制御手段)
68 キャリッジモータ制御手段
69 インクカートリッジ検出手段

Claims (4)

  1. 記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対してそれぞれインクを供給するために前記キャリッジ上に装着された2つの独立したインクカートリッジを備えたインクジェット式記録装置であって、
    前記記録ヘッドのノズル開口列を封止し、記録ヘッドのノズル開口よりインク滴を吸引する2つのキャップユニットを備えたキャッピング手段と、
    前記2つのキャップユニットに対して負圧を交互に印加するための1つの吸引ポンプを駆動するポンプ駆動手段と、
    前記キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれか1つ、もしくは2つが交換されたことを検出するインクカートリッジ検出手段と、
    前記インクカートリッジ検出手段によってインクカートリッジが交換されたことを検出した場合に、前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル開口を封止すると共に、前記ポンプ駆動手段を駆動してノズル開口より各インクカートリッジから供給されるインク滴をそれぞれ吸引するインク吸引制御手段とを具備し
    前記インクカートリッジ検出手段によって、インクカートリッジが交換されたことを検出した場合においては、前記インク吸引制御手段は、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施後に、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施するように構成され、
    さらに前記インクカートリッジ検出手段によって、インクカートリッジが交換されたことを検出した場合においては、前記インク吸引制御手段は、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引量に対して、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引量が少量となるように制御し、
    前記インクカートリッジには、インク供給口にインク溶媒の揮散を防止するフィルム部材が配置され、インクカートリッジの装着によって、記録ヘッド側に配置されたインク供給針により前記フィルム部材を貫通してノズル開口側にインクを誘導するように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対してそれぞれインクを供給するために前記キャリッジ上に装着された2つの独立したインクカートリッジを備えたインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法であって、
    前記キャリッジ上に装着されたインクカートリッジのいずれか1つ、もしくは2つが交換されたことを検出し、前記記録ヘッドのノズル開口を2つのキャップユニットを備えたキャッピング手段によって封止するキャッピングステップと、
    前記2つのキャップユニットに対して1つの吸引ポンプの駆動による負圧を交互に印加し、記録ヘッドのノズル開口より各インクカートリッジから供給されるインク滴をそれぞれ吸引するインク吸引ステップとを実行し、
    前記インク吸引ステップにおいては、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施後に、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口のインク吸引動作を実施するようにインク吸引の動作順序が定められ、
    前記インク吸引ステップにおけるノズル開口からのインクの吸引量は、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量に対して、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量が少量となるように制御され、
    前記インクカートリッジには、インク供給口にインク溶媒の揮散を防止するフィルム部材が配置され、インクカートリッジの装着によって、記録ヘッド側に配置されたインク供給針により前記フィルム部材を貫通してノズル開口側にインクを誘導するように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法。
  3. 前記インク吸引ステップにおいて、交換したインクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量は、記録ヘッド上のカートリッジとの接続部から記録ヘッドのノズル開口までの容積に対応する量となるように制御されることを特徴とする請求項に記載のインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法。
  4. 前記インク吸引ステップにおいて、非交換インクカートリッジ側に対応するノズル開口からのインク吸引量は、記録ヘッド内のインク供給口からノズル開口までの容積以下となるように制御されることを特徴とする請求項に記載のインクジェット式記録装置における記録ヘッドからのインク吸引制御方法。
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