JP3699902B2 - 2次元切断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2次元切断装置に関し、特に、被印刷シートにおけるオフセット相当分の切断余白をなくすことができる2次元切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
写真画像や文字等を被印刷シートへ印刷する写真印刷装置が数多く利用されている。例えば、ある写真印刷装置では1枚の被印刷シートに複数の写真画像を印刷し、その後、その印刷された写真画像の形状に応じて被印刷シートを利用者自身に切断してもらうものがある。しかし、かかる方式では、利用者自身が直接切断しなければならないので、非常に煩雑である。
【0003】
そこで、写真等が印刷された被印刷シートを、その写真等の形状に応じて切断する2次元切断装置が提案されている。この2次元切断装置は、切断刃を有しX方向に往復移動するカッター部と、そのカッター部と直交するY方向に、写真等が印刷された被印刷シートを往復搬送する搬送部とを備えており、カッター部による切断刃のX方向の動きと、搬送部による被印刷シートのY方向との動きとを組み合わせて、切断刃を被印刷シートに対して2次元方向に移動させ、その被印刷シートに印刷された写真等の形状に応じて、被印刷シートを切断するものである。
【0004】
ここで、搬送部は、被印刷シートを搬送駆動する搬送ローラと、その搬送ローラとの間に被印刷シートを挟持する挟持ローラとを備えており、被印刷シートは、かかる搬送ローラと挟持ローラとにより挟持されてY方向に搬送される。カッター部の切断刃はX方向に往復移動されるので、切断刃のX方向への往復移動を搬送部の搬送ローラと挟持ローラとにより妨げないために、両者(切断刃と搬送ローラ及び挟持ローラ)の間にはY方向に所定の間隔(オフセット)が必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被印刷シートの搬送は、搬送ローラと挟持ローラとの搬送部により行われるので、被印刷シートが搬送部を通過した後は、その被印刷シートを往復搬送させることはできず、2次元カットすることはできない。このため、被印刷シートのY方向終端部には該オフセット相当分の切断余白を設けざるを得ないという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、被印刷シートにおけるオフセット相当分の切断余白をなくすことができる2次元切断装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の2次元切断装置は、文字や写真等が印刷された被印刷シートを、その被印刷シートに印刷された文字や写真等の形状に応じて切断する切断刃を備えており、前記切断刃は、一方向に往復移動されるものであり、前記切断刃に対向して配設されると共に前記切断刃との当接部分を可動可能に構成されたプラテンと、前記切断刃が往復移動される方向と所定の角度で交わる方向に前記被印刷シートを往復搬送する第1搬送手段と、前記切断刃を挟んで前記第1搬送手段の反対側に配設され、前記切断刃を通過した前記被印刷シートを前記第1搬送手段の搬送に同期して往復搬送する第2搬送手段とを備え、前記第1搬送手段と第2搬送手段との配設間隔は前記被印刷シートの搬送方向の長さ以下にされている。
【0008】
この請求項1記載の2次元切断装置によれば、第1搬送手段と第2搬送手段とは、切断刃を挟んで被印刷シートの搬送方向の長さ以下の間隔で配設されると共に、被印刷シートを同期して往復搬送する。よって、被印刷シートが第1搬送手段と第2搬送手段との間にある場合には、被印刷シートは、第1又は第2搬送手段のいずれかによって往復搬送されつつ、切断刃によりその被印刷シートに印刷された文字や写真等の形状に応じて切断される。また、被印刷シートを切断する切断刃は、その切断刃に対向して配設されたプラテンに当接されるが、そのプラテンと切断刃との当接部分は可動可能に構成されている。
【0009】
請求項2記載の2次元カット装置は、請求項1記載の2次元切断装置において、前記第1搬送手段は、前記被印刷シートの搬送方向に回転駆動される第1駆動ローラと、前記被印刷シートをその第1駆動ローラに押圧して挟持する第1挟持ローラとを備え、前記第2搬送手段は、前記第1駆動ローラの回転方向と同方向に同期駆動される第2駆動ローラと、前記被印刷シートをその第2駆動ローラに押圧して挟持する第2挟持ローラとを備えており、前記切断刃は、前記第1及び第2駆動ローラによる前記被印刷シートの搬送方向と直交する方向に往復移動されると共に、その第1及び第2駆動ローラの略中間位置に配設されている。
【0010】
この請求項2記載の2次元切断装置によれば、請求項1記載の2次元切断装置と同様に作用する上、被印刷シートは、搬送方向に回転駆動される第1駆動ローラと第1挟持ローラとに挟持されて切断刃へ往復搬送される。同様に、切断刃を通過した被印刷シートは、第1駆動ローラの回転方向と同方向に同期駆動される第2駆動ローラと第2挟持ローラとに挟持されて往復搬送される。ここで、切断刃は、第1及び第2駆動ローラによる被印刷シートの搬送方向と直交する方向に往復移動されると共に、その第1及び第2駆動ローラの略中間位置に配設されている。
【0011】
請求項3記載の2次元切断装置は、請求項1又は2に記載の2次元切断装置において、前記第1及び第2搬送手段の間において前記被印刷シートの一側面を支持する板状の支持プレートと、その支持プレートと所定の間隔を隔てて対向して配設され、前記被印刷シートの他側面側への撓みを除去してその被印刷シートを真っ直ぐな状態に整える板状の規整プレートとを備えている。
【0012】
この請求項3記載の2次元切断装置によれば、請求項1又は2に記載の2次元切断装置と同様に作用する上、第1及び第2搬送手段の間において、被印刷シートの一側面は板状の支持プレートに支持される一方、被印刷シートの他側面側には、板状の規整プレートが支持プレートと所定の間隔を隔てて対向して配設されているので、その規整プレートによって、被印刷シートの他側面側への撓みが除去されて、被印刷シートは真っ直ぐな状態に整えられる。
【0013】
請求項4記載の2次元切断装置は、請求項3記載の2次元切断装置において、前記規整プレートは、前記支持プレートに対し前記切断刃側に配設されると共にその切断刃による前記被印刷シートの切断位置を開放する開口部を有しており、その開口部に隣接する前記規整プレートの端部は、前記支持プレートの反対側へ所定の角度で傾斜している。
【0014】
この請求項4記載の2次元切断装置によれば、請求項3記載の2次元切断装置と同様に作用する上、規整プレートは、支持プレートに対して切断刃側に配設されるが、その切断刃による被印刷シートの切断位置を開放する開口部を有しているので、切断刃による被印刷シートの切断を妨げることがない。また、開口部に隣接する規整プレートの端部は、支持プレートの反対側へ所定の角度で傾斜しているので、被印刷シートは、かかる開口部から円滑に規整プレートと支持プレートとの間に挿入される。
【0015】
請求項5記載の2次元切断装置は、請求項1から4のいずれかに記載の2次元切断装置において、前記プラテンは、本体フレームに回転可能に横架された円柱状のローラ部と、そのローラ部に連結されそのローラ部と共に回転する回転部材と、その回転部材に所定の回転角度を隔てて略等間隔に穿設された複数の回転位置調節孔とを有しており、その回転位置調節孔の1つに嵌合して前記プラテンのローラ部を所定の回転位置に固定する固定部材を備えている。
【0016】
この請求項5記載の2次元カット装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の2次元切断装置と同様に作用する上、本体フレームに回転可能に横架された円柱状のプラテンのローラ部は、そのローラ部に連結された回転部材を回転することにより回転される。ここで、プラテンのローラ部の回転位置は、その回転部材に所定の回転角度を隔てて略等間隔に穿設された回転位置調節孔によって調節される。回転位置が調節されたプラテンのローラ部は、回転位置調節孔の1つに嵌合する固定部材によって所定の回転位置に固定される。
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、2次元切断装置1の内部構成を示した斜視図である。この2次元切断装置1は、写真印刷装置(図示せず)により文字や写真等が印刷された被印刷シートPSを、その文字や写真等の形状に応じて切断するためのものであり、主に、かかる切断を行う切断部2と、その切断部2へ被印刷シートPSを搬送する搬送部3とを備えている。なお、2次元切断装置1は、写真印刷装置とケーブルを介して電気的に接続されている。
【0020】
切断部2は、被印刷シートPSに印刷された文字や写真等の形状に応じてその被印刷シートPSを切断するためのものであり、切断刃40(図2参照)を有するカッターヘッド10と、そのカッターヘッド10を搭載したキャリッジ11と、そのキャリッジ11の矢印X方向及び反矢印X方向への移動を案内する案内レール12と、切断刃40が当接するプラテン13とを備えている。
【0021】
被印刷シートPSの幅より長尺の案内レール12は、2次元切断装置1の本体のフレーム1aの間に掛け渡されるように固定されている。キャリッジ11は、案内レール12にスライド可能に支持されるとともに、ベルト14に固着されている。ベルト14は、案内レール12の両端部近傍に配置されている一対のプーリ15に巻回されていおり、一方のプーリ15はキャリッジモータ(以下「CRモータ」と称す)(図示せず)の駆動軸に接続されている。そして、このベルト14がCRモータにより駆動されることにより、キャリッジ11が案内レール12に沿って一方向に往復移動される。
【0022】
キャリッジ11には、カッターヘッド10が搭載されている。カッターヘッド10は、切断刃40を備えた切断刃ホルダー10aと、その側方に切断刃ホルダー10aを矢印Z方向及び反矢印Z方向へ上下させるソレノイド10bとを備えている。ソレノイド10bは本体制御回路と電気的に接続されており、本体制御回路(図示せず)からの電気信号により切断刃ホルダー10aをバネ(図示せず)を介して往復移動させる。
【0023】
プラテン13は、切断刃40に対向して配置され、プラテン13に当接する切断刃40を保護するためのものでる。プラテン13は、本体フレーム1aの間に回転可能に横架されたローラ(ローラ部)13a(図2参照)と、そのローラ13aの端部に連結されそのローラ13aと共に回転する回転プレート(回転部材)13bとを備えている。
【0024】
ローラ13aは円柱状に形成されており、その周囲には、フェルト13c(図2参照)が巻かれている。切断刃40はフェルト13cに当接し保護される。ローラ13aの端部に連結された回転プレート13bは、ローラ13aを回転させ、切断刃40の当接部分を替えるためのものである。回転プレート13bには、略20度の等間隔で複数の回転位置調節孔13dが穿設されている。回転位置調節孔13dは、ローラ13aの回転角度を決めるためのものである。回転プレート13b側の本体フレーム1aには、その回転位置調節孔13dと嵌合する固定孔16が設けれられており、その固定孔16と回転位置調節孔13dとにネジ17(固定部材)を嵌合させることにより、プラテン13は固定される。なお、回転プレート13bの全周において回転位置調節孔13dが穿設されていないのは、ローラ13aに巻かれるフェルト13cの繋ぎ目に切断刃40が当接するのを避けるためである。
【0025】
搬送部3は、投入口30から投入された被印刷シートPSを往復搬送するためのものであり、切断部2へ被印刷シートPSを往復搬送するための第1搬送部4(第1搬送手段)と、切断部2を通過した被印刷シートPSを往復搬送するための第2搬送部5(第2搬送手段)とを備えている。
【0026】
投入口30側の第1搬送部4には、ベースプレート6(支持プレート)の裏面側において、本体フレーム1aに軸支され被印刷シートの搬送方向(矢印Y方向)に回転駆動される回転軸18に、第1駆動ローラ19,19が所定間隔あけて2つ固着されている。また、ブラケットプレート7(規整プレート)の表面側において、本体フレーム1aに軸支され自由回転可能に配置される回転軸20に、第1挟持ローラ21,21が所定間隔をあけて2つ固着されている。第1駆動ローラ19と第1挟持ローラ21とは、ブラケットプレート7に設けれた窓穴7aを介してそれぞれ当接されている。
【0027】
回転軸18は、サーボモータで構成されたY軸モータ(図示せず)と連結されており、このY軸モータの回転に伴って回転軸18に固着された第1駆動ローラ19が回転する。この第1駆動ローラ19の回転に伴って第1駆動ローラ19に当接した第1挟持ローラ21は、第1駆動ローラ19と同期して回転するので、Y軸モータを駆動することにより、両ローラ19,21の間に挟持された被印刷シートPSを矢印Y方向及び反矢印Y方向へ搬送することができる。なお、サーボモータはステッピングモータを用いてもよい。
【0028】
一方、第2搬送部5は、切断部2を挟んで第1搬送部4の反対側に配設される。第2搬送部5は、第1搬送部4と同様に、ベースプレート6の裏面側において、本体フレーム1aに軸支され被印刷シートの搬送方向(矢印Y方向)に回転駆動される回転軸22に、第2駆動ローラ23,23が所定間隔あけて2つ固着されている。また、ブラケットプレート7の表面側において、本体フレーム1aに軸支され回転可能に配置される回転軸24に、第2挟持ローラ25,25が所定間隔をあけて2つ固着されている。第2駆動ローラ23と第2挟持ローラ25とは、ブラケットプレート7に設けられた窓穴7bを介してそれぞれ当接されている。
【0029】
回転軸18と回転軸22との端部には、それぞれプーリー18a,22aが連結されており、そのプーリ18a,22aは、プーリ18a,22とほぼ三角形状になるように配置されたプーリ26とベルト28を介して連結され同期駆動されている。よって、回転軸18と回転軸22とは同期駆動されるので、第1搬送部4と第2搬送部5とは同期駆動される。
【0030】
第1搬送部4と第2搬送部5とは、案内レール12と平行に配置される。即ち、キャリッジ11の移動方向と平行に配置される。よって、被印刷シートPSは、キャリッジ11と直交して搬送されることになる。また、第1搬送部4の第1駆動ローラ19及び第1挟持ローラ21と第2搬送部5の第2駆動ローラ23及び第2挟持ローラ25との間隔は、被印刷シートPSの長さ以下に配置されているので、被印刷シートPSがその間にある場合には、第1駆動ローラ19及び第1挟持ローラ21或いは第2駆動ローラ23及び第2挟持ローラ25のいずれかに必ず挟持されて往復搬送される。
【0031】
第1搬送部4及び第2搬送部5の間には、被印刷シートの一側面を支持するベースプレート6と、そのベースプレート6に対して略1mmの隙間を有して対向して配設されたブラケットプレート7とが設けられている。ブラケットプレート7は、ベースプレート6に支持される被印刷シートPSのブラケットプレート7側への浮き上がり(撓み)を除去して、被印刷シートPSを真っ直ぐな状態に整えるためのものである。ブラケットプレート7は、被印刷シートPSの切断位置を開放する開口部7cを有し、その開口部7cに隣接する端部は、ベースプレート6の反対側(上方)へ所定角度で傾斜されている。同様に、ブラケットプレート7の開口部7cに対向するベースプレート6の端部は、ブラケットプレート7の反対側(下方)へ所定角度で傾斜されている。このように両プレート6,7は、端部の間隔が広げられているので、被印刷シートPSを両プレート6,7間に容易に挿入することができ、被印刷シートPSの円滑な搬送を維持することができる。
【0032】
次に、図2を参照して被印刷シートPSが搬送される過程を説明する。図2は、図1における矢印A方向からの2次元切断装置1の側面図を模式的に示した図である。尚、図面の理解の容易のため、回転プレート13b及び回転位置調節孔13dは想像線で示す。図2右側の投入口30から投入された被印刷シートPSは、第1駆動ローラ19と第1挟持ローラ21とに挟持され、ベースプレート6とブラケットプレート7との間を通って、切断部2へ搬送される。切断部2に搬送された被印刷シートPSは、切断部2と第1搬送部4との往復運動により、その被印刷シートPSに印刷された写真等の形状に応じて切断される。切断された被印刷PSは引き続き第1搬送部4により搬送され、ベースプレート6とブラケットプレート7との間を通って第2搬送部5に搬送される。
【0033】
第2搬送部5に搬送された被印刷シートPSは、第2駆動ローラ23と第2挟持ローラ25とにより挟持される。第2搬送部5と第1搬送部4との間隔は、被印刷シートPSの搬送方向の長さ以下に設定されおり、また、第1搬送部4と第2搬送部5とは同期駆動されているため、被印刷シートPSの全部が第1搬送部4を通過した後であっても、被印刷シートPSは第2搬送部5に挟持され、第2搬送部5により往復搬送されるので、被印刷シートPSの第1搬送部側の端部まで切断することができる。
【0034】
従来では、第1搬送部4のみにより被印刷シートPSを往復搬送していたため、被印刷シートの全部が第1搬送部4を通過した後は、被印刷シートを往復搬送することができず、被印刷シートPSの搬送方向上流側の端部において、切断刃40と第1搬送部4との間隔分(オフセット相当分)の切断余白が生じていた。このため、予め被印刷シートPSにおいて、切断刃40と第1搬送部4とのオフセット相当分を、文字や写真等を印刷しない余白にしておかなけばならなかったが、本実施例においては、そのオフセット相当分の余白を考慮する必要はない。
【0035】
また、第2搬送部5を設けたことにより、被印刷シートPSが第1搬送部4及び第2搬送部5により挟持されて搬送される場合がある。かかる場合に両搬送部4,5の間において被印刷シートPSに撓みが生じた場合には、被印刷シートPSの両側は両搬送部4,5によって挟持されているためその撓みを逃がすことができず、その撓みが切断時の切断不良や切断位置のずれの原因となる場合があった。しかし、被印刷シートPSは略1ミリの間隔で対向して配置されているベースプレート6とブラケットプレート7との間を通過して搬送されるので、下側への撓みはベースプレート6で規整され、上側への撓みはブラケットプレート7により規整されるので、被印刷シートPSを真っ直ぐな状態で搬送することができる。また、ブラケットプレート7の開口部7cに隣接するブラケットプレート7の端部は、ベースプレート6の反対側へ傾斜しているので、被印刷シートPSの端部において上向き(ベースプレート6の反対側)に反りが生じていても円滑にベースプレート6とブラケットプレート7との間に搬送(挿入)できる。
【0036】
一方、切断部2における切断刃40は、プラテン13の表面に巻かれたフェルト13cに当接するので、切断刃40によりフェルト13cは切断され、フェルト13cの表面には凹凸が生じる。この凹凸は切断不良等の原因となるものであるが、プラテン13の端部に連結された回転プレート13bを回転させることにより、プラテン13のローラ部13aは回転されプラテン13の切断刃40との当接部分を容易に交換できる。また、回転プレート13bには、略20度の間隔で複数の回転位置調節孔13dが穿設されているので、その回転位置調節孔13dを目印として順次回転プレート13bを回転させれば、新たなフェルト13cの面を効率よく切断刃40に当接させることができる。
【0037】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0038】
上記実施例では、被印刷シートPSの搬送手段は、第1駆動ローラ19及び第1挟持ローラ21と、第2駆動ローラ23及び第2挟持ローラ25とにより構成されている。よって、駆動ローラと挟持ローラとにより被印刷シートPSを挟持して往復搬送することができた。しかしながら、搬送手段は必ずしも、この搬送手段に限られるものではなく、被印刷シートを往復搬送することができるものであれば、クランプローラ等を用いるようにしても良い。
【0039】
また、上記実施例では、プラテン13の回転幅の調節は、回転プレート13bに所定間隔に設けれた複数の回転位置調節孔13dを目印として回転プレート13bを回転させ、その回転位置調節孔13dにネジ17を嵌合させることにより行っていた。しかしながら、かかるプラテン13の回転幅の調節は、必ずしも、この方法に限られず、回転プレート13bの本体フレーム1a側に所定間隔で複数の凸部と、本体フレーム1aにその凸部を挟み込むようなリブとを設け、回転プレート13bの凸部をそのリブに順番に勘合させていくように回転プレート13bを回転させ、プラテン13の回転幅を調節しても良い。
【0040】
また、上記実施例では、プラテン13の表面にフェルト13cを巻いて、切断刃40を保護することとしているが、保護部材としては、必ずしもフェルト13cに限られるものではなく、フェルト13cに代えてゴム状の部材を用いるようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】
請求項1記載の2次元切断装置によれば、第1搬送手段と第2搬送手段とは、切断刃を挟んで被印刷シートの搬送方向の長さ以下の間隔で配設されると共に、被印刷シートを同期して往復搬送するので、被印刷シートが第1搬送手段と第2搬送手段との間にある場合には、被印刷シートは、第1又は第2搬送手段のいずれかによって往復搬送されつつ、切断刃によりその被印刷シートに印刷された文字や写真等の形状に応じて切断される。よって、被印刷シートの端部まで切断することができるので、第1搬送手段と切断刃とのオフセット相当分の切断余白を解消して、被印刷シートを効率よく利用することができるという効果がある。
また、プラテンは、切断刃との当接部分が可動可能に構成されているので、切断動作の繰り返しにより当接部分が消耗しても、その消耗した当接部分を動かして新たな当接部分を切断刃との当接部分とすることができる。消耗した当接部分の表面は凹凸となり切断不良を引き起こすが、当接部分を変更することにより、切断不良の発生を抑制できるという効果がある。また、1のプラテンに切断刃との当接部分を複数設けることができるので、プラテンの部品寿命を長期化できるという効果がある。
【0042】
請求項2記載の2次元切断装置によれば、請求項1記載の2次元切断装置の奏する効果に加え、切断刃は、第1及び第2駆動ローラによる被印刷シートの搬送方向と直交する方向に往復移動されると共に、その第1及び第2駆動ローラの略中間位置に配設されているので、第1及び第2駆動ローラの間隔を短くでき、2次元切断装置を小型化することができるという効果がある。
【0043】
請求項3記載の2次元切断装置によれば、請求項1又は2に記載の2次元切断装置の奏する効果に加え、被印刷シートは、規整プレートにより撓みを除去され、真っ直ぐな状態で切断刃に搬送されるので、被印刷シートの撓みによる切断不良や切断箇所のずれ等を抑制することができ、良好な切断効果を得ることができるという効果がある。
【0044】
請求項4記載の2次元切断装置によれば、請求項3記載の2次元切断装置の奏する効果に加え、規整プレートは、支持プレートに対して切断刃側に配設されるが、その切断刃による被印刷シートの切断位置を開放する開口部を有しているので、切断刃による被印刷シートの切断を妨げることがないという効果がある。また、開口部に隣接する規整プレートの端部は、支持プレートの反対側へ所定の角度で傾斜しているので、かかる開口部から規整プレートと支持プレートとの間に被印刷シートを円滑に挿入することができるという効果がある。
【0045】
請求項5記載の2次元切断装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の2次元切断装置の奏する効果に加え、プラテンの回転位置は、所定の回転角度を隔てて略等間隔に穿設された複数の回転位置調節孔によって調節されるので、所定間隔ごとにプラテンを回転させることができ、効率よく且つ簡易に切断刃との当接部分を替えることができるという効果がある。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である2次元切断装置の内部構成を示した斜視図である。
【図2】 図1における2次元切断装置の側面図を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 2次元切断装置
2 切断部
3 搬送部
4 第1搬送部(第1搬送手段)
5 第2搬送部(第2搬送手段)
6 ベースプレート(支持プレート)
7 ブラケットプレート(規整プレート)
7c 開口部
13 プラテン
13a ローラ部(ローラ)
13b 回転プレート(回転部材)
13c フェルト
13d 回転位置調節孔
17 ネジ(固定部材)
19 第1駆動ローラ
21 第1挟持ローラ
23 第2駆動ローラ
25 第2挟持ローラ
40 切断刃
Claims (5)
- 文字や写真等が印刷された被印刷シートを、その被印刷シートに印刷された文字や写真等の形状に応じて切断する切断刃を備えた2次元切断装置において、
前記切断刃は、一方向に往復移動されるものであり、
前記切断刃に対向して配設されると共に前記切断刃との当接部分を可動可能に構成されたプラテンと、
前記切断刃が往復移動される方向と所定の角度で交わる方向に前記被印刷シートを往復搬送する第1搬送手段と、
前記切断刃を挟んで前記第1搬送手段の反対側に配設され、前記切断刃を通過した前記被印刷シートを前記第1搬送手段の搬送に同期して往復搬送する第2搬送手段とを備え、
前記第1搬送手段と第2搬送手段との配設間隔は前記被印刷シートの搬送方向の長さ以下にされていることを特徴とする2次元切断装置。 - 前記第1搬送手段は、前記被印刷シートの搬送方向に回転駆動される第1駆動ローラと、前記被印刷シートをその第1駆動ローラに押圧して挟持する第1挟持ローラとを備え、
前記第2搬送手段は、前記第1駆動ローラの回転方向と同方向に同期駆動される第2駆動ローラと、前記被印刷シートをその第2駆動ローラに押圧して挟持する第2挟持ローラとを備えており、
前記切断刃は、前記第1及び第2駆動ローラによる前記被印刷シートの搬送方向と直交する方向に往復移動されると共に、その第1及び第2駆動ローラの略中間位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載の2次元切断装置。 - 前記第1及び第2搬送手段の間において前記被印刷シートの一側面を支持する板状の支持プレートと、
その支持プレートと所定の間隔を隔てて対向して配設され、前記被印刷シートの他側面側への撓みを除去してその被印刷シートを真っ直ぐな状態に整える板状の規整プレートとを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元切断装置。 - 前記規整プレートは、前記支持プレートに対し前記切断刃側に配設されると共にその切断刃による前記被印刷シートの切断位置を開放する開口部を有しており、
その開口部に隣接する前記規整プレートの端部は、前記支持プレートの反対側へ所定の角度で傾斜していることを特徴とする請求項3記載の2次元切断装置。 - 前記プラテンは、本体フレームに回転可能に横架された円柱状のローラ部と、そのローラ部に連結されそのローラ部と共に回転する回転部材と、その回転部材に所定の回転角度を隔てて略等間隔に穿設された複数の回転位置調節孔とを有しており、
その回転位置調節孔の1つに嵌合して前記プラテンのローラ部を所定の回転位置に固定する固定部材を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の2次元切断装置。
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