JP3699303B2 - 摩擦クラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦クラッチに関し、特にクラッチ出力軸からのバックトルクを制限して入力側に伝達するバックトルクリミッタ機構を備えた摩擦クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動二輪車には、シフトダウンの急減速時等に後輪からのバックトルクがクラッチを介してエンジンに伝達されるのを防止するため、エンジン側に伝達するバックトルクを制限するバックトルクリミッタ機構を備えたものが種々提案されている(例えば特開平8−121497号公報,特開平8−128462号公報参照)。
【0003】
前記特開平8−121497号公報のバックトルクリミッタ機構は、クラッチ出力軸に接続されたクラッチハブを主クラッチハブと副クラッチハブに2分してそれぞれ複数枚のクラッチプレートを保持し、クラッチドラムに保持された複数枚のフリクションプレートと摩擦接続させるとともに、前記副クラッチハブを出力軸に接続された第1ハブ体と前記クラッチプレートを保持する第2ハブ体とに2分割し、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に第2ハブ体からの駆動トルクのみを第1ハブ体に伝達するとともに、第1ハブ体から第2ハブ体へのバックトルクの伝達を阻止するワンウェイクラッチを設けている。
【0004】
しかし、上記構成によれば、キック始動時、および押しがけ始動時に、前記バックトルクリミッタ機構が働いてエンジンへ伝達されるトルクが弱められて円滑なエンジン始動ができないのを防止するため、バックトルクリミッタ機構が働くトルクリミット値を高くする必要があり、このため本来のバックトルクリミッタ機構の機能が制限される場合がある。
【0005】
また、前記特開平8−128462号公報の摩擦クラッチは、バックトルクリミッタ機構と、このバックトルクリミッタ機構の作用をキャンセルするリミッタ解除機構を備えている。前記バックトルクリミッタ機構は、出力軸に直結された第1ハブ体とクラッチプレートを保持する第2ハブ体とを有し、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間にリフターピンとカム凹面よりなるカム機構を設け、このカム機構によって前記第1ハブ体の回転速度が第2ハブ体よりも大きくなったときは前記リフターピンがカム凹面に押されて第1ハブ体を軸方向に移動させ、前記クラッチプレートとクラッチドラムに保持されたフリクションプレートとの摩擦接続を断ってバックトルクが入力側(エンジン側)に伝達されるのを阻止する。また、前記リミッタ解除機構は、前記第1ハブ体に軸支されたキックウエイトと前記第2ハブ体に連結されたラチェットプレート等で構成され、クラッチセンターの回転数がアイドリング時の回転数以下のときに、前記キックウエイトが遠心力に抗して前記ラチェットプレートに係合して前記バックトルクリミッタ機構が作動しないように前記第1ハブ体と第2ハブ体とを係止するものである。
【0006】
上記構成によれば、アイドリング回転数以下のときはバックトルクリミッタ機構は動作せず、摩擦クラッチの入力側と出力側は摩擦接続されているのでキック始動および押しがけ始動が容易となるが、リミッタ解除機構の構成が複雑でコスト高となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような課題の解決を目的としてなされたもので、バックトルクリミッタ機構の機能を制限することなく押しがけ始動が容易な低コストのリミッタ解除機構を備えた摩擦クラッチを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一構成に係る摩擦クラッチは、クラッチ入力側に連結されたクラッチドラムと出力側に連結されたクラッチハブとを、前者に保持されたフリクションプレートと後者に保持されたクラッチプレートとを介して、断接自在に摩擦接続する摩擦クラッチであって、前記クラッチハブが、クラッチ出力軸に直結された第1ハブ体と、前記クラッチプレートを保持する第2ハブ体とを有し、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、第1ハブ体の回転速度が第2ハブ体よりも大きくなったときに第1ハブ体を軸方向へ移動させてクラッチプレートとフリクションプレートの摩擦接続を断つバックトルクリミッタ機構が設けられ、さらに、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では両者を相対回転不能に連結し、他の領域では遠心力を受けて前記連結を解除するリミッタ解除機構とが設けられている。
【0009】
上記構成によれば、クラッチ出力軸の回転速度が低速になるとバックトルクリミッタ機構が作動して摩擦クラッチの摩擦接続が断たれる。また、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では前記第1ハブ体と第2ハブ体がリミッタ解除機構により相対回転不能に連結されているので、前記出力軸からのバックトルクは入力側にそのまま伝達される。
【0010】
本発明の他の構成に係る摩擦クラッチは、クラッチ入力側に連結されたクラッチドラムと出力側に連結されたクラッチハブとを、前者に保持されたフリクションプレートと後者に保持されたクラッチプレートとを介して、断接自在に摩擦接続する摩擦クラッチであって、前記クラッチハブはそれぞれがクラッチプレートを保持する第1ハブ体と第2ハブ体とに分割され、前記第1ハブ体は出力軸に直結され、前記第2ハブ体は、前記クラッチプレートを保持したクラッチ側部材と出力軸に直結された出力側部材とを、前者から後者への動力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結してなり、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では両者を相対回転不能に連結し、他の領域では遠心力を受けて前記連結を解除するリミッタ解除機構が設けられている。
【0011】
上記構成によれば、クラッチ出力軸の回転速度が低速になるとバックトルクリミッタ機構が作動して前記第2ハブ体のクラッチプレートを保持したクラッチ側部材と出力軸に直結された出力側部材とを連結するワンウェイクラッチの係合が断たれ、前記第1ハブ体に保持されたクラッチプレートを介して入力側に連結されたクラッチドラムに一部制限されたバックトルクが伝達される。
また、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では前記第1ハブ体と第2ハブ体がリミッタ解除機構により相対回転不能に連結されているので、前記出力軸からのバックトルクは入力側にそのまま伝達される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態においては、前記リミッタ解除機構は、前記第1ハブ体と第2ハブ体にまたがって形成された案内溝と、この案内溝に収納されて、前記低速領域で第1ハブ体と第2ハブ体を連結し、遠心力を受けて案内溝内を移動して連結を解除する移動体とを有している。
上記構成によれば、摩擦クラッチが停止ないし低速回転しているときは移動体が自重で案内溝内を下方に移動して第1ハブ体と第2ハブ体を連結し、高速回転しているときは移動体が遠心力を受けて案内溝内を外方に移動して第1ハブ体と第2ハブ体の連結が解除される。
【0013】
さらに本発明の好ましい実施形態においては、前記リミッタ解除機構はさらに、前記移動体に遠心力に抗する弾性力を付加する弾性体を有している。
上記構成によれば、弾性体の弾性力を適宜選択することで、第1ハブ体と第2ハブ体を一体に連結する摩擦クラッチの回転速度を設定できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る摩擦クラッチを図面に基づいて説明する。この摩擦クラッチは自動二輪車のような車両に搭載される駆動装置に用いられて、エンジンと変速機との間を接続・遮断するものである。
図1は、第1実施形態の摩擦クラッチ1の縦断面図、図2はバックトルクリミッタ機構15とリミッタ解除機構32の配置位置を示す図である。
図1に示す摩擦クラッチ1は、変速機(図示せず)の入力軸となるクラッチ出力軸2にメタル軸受3を介して所定の位置に有底円筒状のクラッチドラム4が回転自在に支持され、クラッチドラム4の底部外面にピン51およびプレート52により、クラッチ入力ギア5が支持され、このクラッチ入力ギア5とクラッチドラム4との間には、回転力の伝達の際の衝撃を緩和するために両者4,5間に周方向の若干のずれを許容するためのスプリング53が装着されている。クラッチドラム4の円筒部には、周方向に間欠的に複数のフィンガー50が形成されており、これらフィンガー50に複数枚のフリクションプレート6が周方向に相対移動不可能で、かつ軸方向移動可能に保持されている。
【0015】
クラッチドラム4の中心部内に突出した前記クラッチ出力軸2には、第1ハブ体7と第2ハブ体11を有するクラッチハブ8が連結されている。第1ハブ体7は、これを形成する円板状ハブ体7Aと円筒状ハブ体7Bがそれぞれ、クラッチ出力軸2に、スプライン結合によりクラッチ出力軸2と相対回転不能に連結され、さらに、ナット9により締結され、軸方向移動不能に締結されてクラッチ出力軸2と一体的に回転する。また、円筒状ハブ体7Bには、前記複数枚のフリクションプレート6に挟まれるように配置された複数枚のクラッチプレート10を軸方向に移動可能に支持している第2ハブ体11が、相対回転可能に支持されており、この第2ハブ体11の円板部に形成されたカム部12と、前記円板状ハブ体7Aに結合ピン13で固着されているカム部材14のカム面14aとがバックトルクリミッタ機構15を構成している。このバックトルクリミッタ機構15は、図2に示すように、第1および第2ハブ体7,11と同心状で周方向に等間隔に複数設けられており、図3(a),(b)に示す非作動状態および作動状態を保つように構成されている。
【0016】
また、図1に示すプレッシャープレート20は、複数枚のフリクションプレート6とクラッチプレート10とを円板状ハブ体7Aとの間に挟んで、クラッチスプリング21の弾性力で押圧力を加え、フリクションプレート6とクラッチプレート10の摩擦力でもって、クラッチ入力ギア5とクラッチ出力軸2間のトルクを伝達する。プレッシャープレート20の中心部にはレリーズホルダ22が取り付けられており、このレリーズホルダ22を、図示していないクラッチレバーを操作したときに作動するプッシュロッド23で押すことにより、クラッチスプリング21の弾性力に抗してプレッシャープレート20を軸方向に移動させ、前記フリクションプレート6とクラッチプレート10の間の摩擦力を小さくすることで、クラッチ入力ギア5とクラッチ出力軸2の間のトルク伝達が遮断される。
【0017】
図1中に示した部分拡大図はリミッタ解除機構32を示す図で、円筒状ハブ体7Bと第2ハブ体11の接触面には、それぞれ前記バックトルクリミッタ機構15が作動していない状態において連通する径方向の孔(案内溝)7Ba,11aが形成されている。この孔7Ba,11a内にはスチールボール(移動体)30とコイルばね31が挿入されており、スチールボール30はコイルばね31によって軸中心に向かう弾性力が付与され、摩擦クラッチ1の回転速度に応じた遠心力によって、スチールボール30が孔7Ba,11a内を移動するように構成されている。
【0018】
次に、第1実施形態のリミッタ解除機構32の動作を説明する。接続状態にある摩擦クラッチ1がアイドリング回転数以上のときは、図2に示すスチールボール30は、遠心力がコイルばね31の弾性力より大きくなって破線の位置にあり、第2ハブ体11は円筒状ハブ体7Bに結合されておらず、また、カム部12はカム面14aに係合しない図3(a)に示す位置にある。
【0019】
次に、この状態で変速機のギアシフトダウンがなされると、車輪は走行慣性のために未ださほど減速していないから、図1のクラッチ出力軸2の回転速度が急激に増大し、円板状ハブ体7Aおよびこれに連結されている円筒状ハブ体7Bの回転速度も急激に増大する。他方、クラッチドラム4の回転速度は、クラッチ入力ギア5に連結された図示していないエンジンの回転速度に規制されて変わらないので、フリクションプレート6とクラッチプレート10の接触面が滑り、第2ハブ体11が図3(a)の位置から図3(b)の位置に矢印A方向に相対回転して、カム面14aがカム部12を矢印B方向に押し、第2ハブ体11を図1において右方向(軸方向の右側)に移動させ、この第2ハブ体11の端部がプレッシャープレート20を右方向に押す。このため、円板状ハブ体7Aとプレッシャープレート20の間の押圧力が小さくなる結果、フリクションプレート6とクラッチプレート10の間の摩擦力が小さくなって滑りが大きくなり、クラッチドラム4を介してクラッチ入力ギア5に加わるバックトルクが軽減される。
【0020】
次に、本第1実施形態のリミッタ解除機構の動作を説明する。前述のように、摩擦クラッチ1が停止ないしアイドリング回転数以下の低速回転しているときは、スチールボール30に加わる遠心力が小さくなってコイルばね31の弾性力によって図2に示した実線の位置に移動し、円筒状ハブ体7Bと第2ハブ体11とを一体に係止する。このため、前記バックトルクリミッタ機構が作動する回転速度がどのように設定されていても、このリミッタ解除機構32を備えていれば、クラッチ1を接続状態にして車体を押してエンジンを始動させるエンジンの押しがけ始動、および摩擦クラッチ1を介したキック始動が可能となる。さらに、コイルばね31の強さを調節することで、リミッタ解除機構32の作動回転速度を調整することができる。
【0021】
図4は本発明の第2実施形態の断面図、図5はそのバックトルクリミッタ機構15とリミッタ解除機構32の配置位置を示す図で、図1および図2と同一符号はそれぞれ同一または相当部分を示している。
本第2実施形態は、図4に示すクラッチ出力軸2にスプライン結合したクラッチハブ8が第1ハブ体8Aと第2ハブ体8Bに分割されて、それぞれ複数枚のクラッチプレート10を周方向に相対移動不可能で、かつ軸方向移動可能に保持している。第2ハブ体8Bは、クラッチ出力軸2にスプライン結合された出力側部材8B1 とクラッチ側部材8B2 に分割されて両部材8B1 と8B2 の間に、バックトルクリミッタ機構15を構成するワンウエイクラッチ40が、第2ハブ体8Bと同心状で、周方向に等間隔に複数配設されている。
【0022】
前記ワンウエイクラッチ40は、摩擦クラッチ1が接続(ON)状態で、エンジン(図示せず)に連結されたクラッチ入力ギア5からの駆動トルクによってクラッチ出力軸2が駆動されているときは、クラッチ側部材8B2 と出力側部材8B1 を相対回転不能に結合し、逆に、クラッチ出力軸2からのバックトルクがクラッチ入力ギア5からの駆動トルクよりも大きいときは両者8B1 ,8B2 の結合を解除し、前記第1ハブ体8Aに保持されている複数のクラッチプレート10とこれに摩擦接合するフリクションプレート6の間の摩擦力で定まる小さなバックトルクがクラッチ入力ギア5に伝達される。
【0023】
前記バックトルクリミッタ機構15は、第1ハブ体8Aと第2ハブ体8Bの保持するクラッチプレート10の枚数を変えることで、クラッチ入力ギア5に伝達されるバックトルクの大きさを設定できる。
【0024】
本第2実施形態のリミッタ解除機構32は、出力側部材8B1 に形成された径方向の孔8Aaと、この孔8Aaに連通するクラッチ側部材8B2 に形成された径方向の孔8Baの中にスチールボール30を挿入したもので、図1の第1実施形態のリミッタ解除機構32からコイルばね31を省略した構成となっている。
【0025】
このリミッタ解除機構32は、接続状態にある摩擦クラッチ1が停止ないし低速回転しているとき、図5に示すように、スチールボール30は自重によって孔8Aa,8Ba内を径方向に移動し、クラッチ出力軸2の上方に来た少なくとも1つが出力側部材8B1 とクラッチ側部材8B2 を係止する位置にあるので、エンジンの押しがけ始動および摩擦クラッチ1を介したキック始動が可能となる。
【0026】
摩擦クラッチ1がアイドリング回転数以上、つまり低速回転領域を越えた回転数の領域では、スチールボール30が遠心力によって孔8Aa,8Ba内を径方向外方に移動し、第1ハブ体8Aとクラッチ側部材8B2 との周方向の係合を解除する。これにより、ワンウエイクラッチ40からなるバックトルクリミッタ機構15が作動可能になる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の一構成によれば、クラッチハブを形成する前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、第1ハブ体の回転速度が第2ハブ体よりも大きくなったときに第1ハブ体を軸方向へ移動させてクラッチプレートとフリクションプレートの摩擦接続を断つバックトルクリミッタ機構が設けられ、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では両者を相対回転不能に連結し、他の領域では遠心力を受けて前記連結を解除するリミッタ解除機構が設けられているから、クラッチ出力軸の回転速度が低速になるとバックトルクリミッタ機構が作動して摩擦クラッチの摩擦接続が断たれる。また、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では、前記第1ハブ体と第2ハブ体がリミッタ解除機構により相対回転不能に連結され、前記出力軸からのバックトルクは入力側にそのまま伝達されるので、押しがけ始動が可能となる。
【0028】
本発明の他の構成によれば、クラッチハブが第1ハブ体と第2ハブ体とに分割され、前記第1ハブ体は出力軸に直結され、前記第2ハブ体は、前記クラッチプレートを保持したクラッチ側部材と出力軸に直結された出力側部材とを、前者から後者への動力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結してなり、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では両者を相対回転不能に連結し、他の領域では遠心力を受けて前記連結を解除するリミッタ解除機構が設けられているから、クラッチ出力軸の回転速度が低速になるとバックトルクリミッタ機構が作動して前記ワンウェイクラッチの係合が断たれ、前記第1ハブ体に保持されたクラッチプレートを介して、入力側に連結されたクラッチドラムに一部制限されたバックトルクが伝達される。また、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では前記第1ハブ体と第2ハブ体がリミッタ解除機構により相対回転不能に連結され、前記出力軸からのバックトルクは入力側にそのまま伝達されるので、押しがけ始動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る摩擦クラッチの縦断面図である。
【図2】同第1実施形態のバックトルクリミッタ機構とリミッタ解除機構の配置位置を示す横断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図であり、(a)は同第1実施形態のバックトルクリミッタ機構の非動作状態を、(b)は作動状態をそれぞれ示す。
【図4】本発明の第2実施形態に係る摩擦クラッチの縦断面図である。
【図5】同第2実施形態のバックトルクリミッタ機構とリミッタ解除機構の配置位置を示す横断面図である。
【符号の説明】
1…摩擦クラッチ、2…クラッチ出力軸、3…メタル軸受、4…クラッチドラム、5…クラッチ入力ギア、6…フリクションプレート、7…第1ハブ体、7A…円板状ハブ体、7B…円筒状ハブ体、7Ba,11a…孔、8…クラッチハブ、8A…第1ハブ体、8B…第2ハブ体、8B1 …出力側部材、8B2 …クラッチ側部材、9…ナット、10…クラッチプレート、11…第2ハブ体、12…カム部、13…結合ピン、14…カム部材、14a…カム面、15…バックトルクリミッタ機構、20…プレッシャープレート、21…クラッチスプリング、22…レリーズホルダ、23…プッシュロッド、30…スチールボール、31…コイルばね、32…リミッタ解除機構、40…ワンウエイクラッチ。

Claims (4)

  1. クラッチ入力側に連結されたクラッチドラムと出力側に連結されたクラッチハブとを、前者に保持されたフリクションプレートと後者に保持されたクラッチプレートとを介して、断接自在に摩擦接続する摩擦クラッチであって、
    前記クラッチハブが、クラッチ出力軸に直結された第1ハブ体と、前記クラッチプレートを保持する第2ハブ体とを有し、
    前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、第1ハブ体の回転速度が第2ハブ体よりも大きくなったときに第1ハブ体を軸方向へ移動させてクラッチプレートとフリクションプレートの摩擦接続を断つバックトルクリミッタ機構が設けられ、
    さらに、前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では両者を相対回転不能に連結し、他の領域では遠心力を受けて前記連結を解除するリミッタ解除機構が設けられた摩擦クラッチ。
  2. クラッチ入力側に連結されたクラッチドラムと出力側に連結されたクラッチハブとを、前者に保持されたフリクションプレートと後者に保持されたクラッチプレートとを介して、断接自在に摩擦接続する摩擦クラッチであって、
    前記クラッチハブはそれぞれがクラッチプレートを保持する第1ハブ体と第2ハブ体とに分割され、
    前記第1ハブ体は出力軸に直結され、
    前記第2ハブ体は、前記クラッチプレートを保持したクラッチ側部材と出力軸に直結された出力側部材とを、前者から後者への動力伝達のみを許容するワンウェイクラッチを介して連結してなり、
    前記第1ハブ体と第2ハブ体との間に、前記出力軸が停止ないし低速回転している低速領域では両者を相対回転不能に連結し、他の領域では遠心力を受けて前記連結を解除するリミッタ解除機構が設けられた摩擦クラッチ。
  3. 請求項1または2において、前記リミッタ解除機構は、前記第1ハブ体と第2ハブ体にまたがって形成された案内溝と、この案内溝に収納されて、前記低速領域で第1ハブ体と第2ハブ体を連結し、遠心力を受けて案内溝内を移動して連結を解除する移動体とを有している摩擦クラッチ。
  4. 請求項3において、前記リミッタ解除機構はさらに、前記移動体に遠心力に抗する弾性力を付加する弾性体を有している摩擦クラッチ。
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