JP3697191B2 - 電動パワーステアリング装置の支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータとコントローラとを、直接、ステアリングコラムに装備した電動パワーステアリング装置において、ロアー側ブラケットの支持剛性を高めることが出来る、電動パワーステアリング装置の支持構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
電動モータとコントローラとを、直接、ステアリングコラムに装備(直付け)した電動パワーステアリング装置にあっては、例えば、電動モータが、ステアリングコラムの軸線に対して直角で車両の幅方向に延びるように配置されている一方、コントローラのハウジングが、ステアリングコラムの下方にその軸線に沿うように配置されたものが知られている。
【0003】
ステアリング装置を車体に装備する際、ステアリング装置と周辺部品との間のクリアランスを確保したり、車両衝突時の衝撃を緩和するコラプスストロークを確保したりする必要があるため、電動モータとコントローラとをステアリングコラムに直付けする場合には、これら電動モータとコントローラとを、ステアリングコラムを車体に装備して固定するためのブラケットのうち、ステアリングホイールから離れたロアー側ブラケットの近傍に配置する必要がある。また、車両衝突時のダッシュボードの後退によるペダル類との干渉も考慮する必要がある。
【0004】
しかし、これらを考慮した場合には、電動モータがステアリングコラムから車体の幅方向に突出するため、電動モータ及びコントローラとロアー側ブラケットとが互いに干渉し合わないように、ロアー側ブラケットを電動モータとコントローラから避けるように設計する必要がある。
【0005】
このため、ロアー側ブラケットの形状が複雑になり、ステアリングコラム、電動モータ、コントローラ等を支持するのに必要とされる十分な剛性を確保するのが難しくなる問題があった。
【0006】
また、重量物である電動モータが、ステアリングコラムから車体の幅方向に突出し、ステアリングコラムのシャフトに対して偏心した状態にあり、ロアー側ブラケットには垂直荷重の外にねじり力が作用する。このため、垂直荷重とねじり力の双方を支えるようにロアー側ブラケットの板厚を厚くしたり、寸法を大きくしたり等して支持剛性を高める必要があるものの、上述したようにロアー側ブラケットが複雑になることから支持剛性を高めることが難しい問題もあった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、形状が複雑にならず、ステアリングコラム、電動モータ、コントローラー等の支持剛性を高めることができる、電動パワーステアリング装置の支持構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の電動パワーステアリング装置の支持構造は、ステアリングコラムに電動モータとコントローラとを装備した電動パワーステアリング装置の支持構造において、前記電動モータと前記コントローラとを、並列状態で且つ前記ステアリングコラムの軸線に対して略直角で車両上方に向くように、ステアリングコラム上に起立させて配置し、これら電動モータとコントローラとを、前記ステアリングコラムを車体側に支持するブラケットで挟み込むことを特徴とする。
【0009】
電動モータとコントローラを、例えば、電動モータの減速機構を収容するステアリングコラムのロアー側コラム上に起立して配置することが出来る。また、ブラケットを、例えば、ステアリングコラムのロアー側コラム上に位置するロアー側ブラケットと、ステアリングホイール側に位置する前記ステアリングコラムのアッパー側コラム上に位置するアッパー側ブラケットとから構成し、電動モータとコントローラを、ロアー側ブラケットの左右側壁間に配置することが出来る。また、ロアー側ブラケットとアッパー側ブラケットを一体に構成することが出来る。この場合、ロアー側ブラケットとアッパー側ブラケットとで電動モータとコントローラを囲むことができ、電動モータとコントローラを支えるための支持剛性を高めることが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の支持構造の一実施例を示すもので、同実施例の支持構造を採用した電動パワーステアリング装置全体の斜視図、図2は同側面図、図3は同平面図、図4は図1の電動パワーステアリングの一部を省略し、ロアー側から見下ろした状態の斜視図、図5は電動パワーステアリングをアッパー側から見上げた状態の斜視図、図6は図1の電動パワーステアリングのダッシュボードへの固定状態を説明する斜視図、図7は二次衝突によりコラプスした状態の図1の電動パワーステアリング装置の斜視図である。
【0011】
本実施例の支持構造によれば、ステアリングコラム10のロアー側コラムであるアルミニウムハウジング12上に、電動モータ20とコントローラ30を並列状態で且つステアリングコラム10の軸線に対して直角で車両上方に向くように搭載して、これら電動モータ20とコントローラ30がアルミニウムハウジング12上のロアー側ブラケット41の左右側壁410、411間に挟まれるようにしてある。電動モータ20の軸線と、コントローラ30の長さ方向に延びる軸線は、ステアリングコラム10の軸線を含む平面に対し垂直となる。
【0012】
したがって、電動モータ20,コントローラ30等がステアリングコラム10から車体の幅方向(水平方向)に突出せず、ロアー側ブラケット41と電動モータ20、コントローラ30との間の干渉を留意する必要はなく、このためロアー側ブラケット41の設計が簡単となる。
【0013】
また、ロアー側ブラケット41の左右側壁410、411間のスパンを最少にすることができ、ロアー側ブラケット41の支持剛性を高める上で有利である。さらに、電動モータ20,コントローラ30がステアリングコラム10から車体の幅方向に突出しないことから、周辺部品との間のクリアランスを取る上で有利となり、衝突時の乗員保護性能を向上させることが出来る。
【0014】
さらにまた、電動モータ20とコントローラ30を並列状態で且つステアリングコラム10の軸線に対して略直角で車両上方に向くように、ステアリングコラム10に搭載してあるので、ステアリングコラム10の左右の重量バランスがとれ、ステアリングコラム10の車両への組み付ける工程における仮保持に際し、ステアリングコラム10を組み付け状態に近い姿勢で仮保持することができるため、組み付け作業性が向上する。
【0015】
ステアリングコラム10は、ステアリングホイール(図示せず)側に位置するアッパー側コラムであるアッパーチューブ11と上述したアルミニウムハウジング12からなり、衝突時の衝撃によりアッパーチューブ11がアルミニウムハウジング12側に移動することにより収縮自在となるコラプス構造となっている。
【0016】
ステアリングコラム10内にステアリングシャフト15が挿通自在で且つ回転自在に支持される。このステアリングシャフト15は、アッパーチューブ11から突出したその一端にステアリングホイール(図示せず)が固定され、アルミニウムハウジング12から突出したその他端が自在継手16を介して伝動軸17に連結される。ステアリングシャフト15は、図示しないが、インナーシャフトとアウターシャフトからなり、衝突時の衝撃により両シャフトの結合部を破壊し、ステアリングホイールとアルミニウムハウジング12との間の部分で長さが収縮するコラプス構造を有する。
【0017】
アルミニウムハウジング12は円筒状で、その内部には、図示しないが、軸受機構が内蔵されていて、ステアリングシャフト15を回転可能に支持するが、軸方向の移動を防止している。また、アルミニウムハウジング12内部には、図示しないが、減速機構が内蔵されていて、電動モータ20の回転駆動力を減速してステアリングシャフト15に伝達する。さらに、アルミニウムハウジング12内部には、図示しないが、ステアリングホイールからステアリングシャフト15に加えられるトルクを検出するセンサが装備される。このトルクセンサからの信号と電動パワーステアリング装置のシステム内部信号とに基づいて電動モータ20の出力制御を行う。
【0018】
ステアリングコラム10は、ブラケット40を介して、ステアリングホイールを取り付けた一端側が上方で、伝動軸17に連結される他端側が下方になるように傾斜した状態で車体(ダッシュボード)50(図6参照)に取り付けられる。このブラケット40は、上述したロアー側ブラケット41と、アッパーチューブ11上に位置し、該ロアー側ブラケット41と一体のアッパー側ブラケット42と、二次衝突時の衝撃緩和をスムーズに行わせるための、第1スライド部材43と第2スライド部材44からなるスライド機構45とを有する。
【0019】
ロアー側ブラケット41は、上述した左右側壁410、411を有し、アッパー側ブラケット42と一体に構成され(左右側壁410、411はアッパー側ブラケット42を介して互いに連結された関係に構成され)、また第2スライド部材44と連結されている。また、ロアー側ブラケット41は、第2スライド部材44を介してアルミニウムハウジング12に連結されている。したがって、ロアー側ブラケット41とアッパー側ブラケット42とにより重量物である電動モータ20とコントローラ30を囲むことが出来、支持剛性を高めることが出来る。さらに、ロアー側ブラケット41は、それ自体にフランジ412やビード413等を適宜形成することにより、断面係数が大きくなるようにしてある。したがって、ロアー側ブラケット41自体でも電動モータ20と、コントローラ30を支えるのに十分な支持剛性を有する。
【0020】
左右側壁410、411の下端寄り位置には、チルト回転軸60がそれぞれ設けられ、これらチルト回転軸60を介してステアリングコラム10が車体(ダッシュボード)50に対しチルト角(ハンドル角)が調整可能に取り付けられる。なお、図2及び図5に示すように、アッパー側ブラケット42のステアリングホイール(図示せず)側の前端下方位置には、チルト回転軸60を中心としたステアリングコラム10の自由な揺動を阻止するロック機構65が設けられている。このロック機構65のロックレバー65aを一方向(図2の一点鎖線参照)に操作してロック機構65を解除すると、ステアリングコラム10がチルト回転軸60を支点として揺動可能な状態となり、所定のチルト角に設定した後、ロックレバー65aを元の位置(図2の実線位置)に戻るように他方向に操作してロック機構65を働かせると、ステアリングコラム10のチルト回転軸60を支点とする揺動をロックすることが出来る。
【0021】
左右側壁410、411の上端には、外側にほぼ水平に延びる取付片414、415が設けられ、これら取付片414、415には、一端で開口したU字状の溝414a、415aが設けられている。これら溝414a、415aには、図6に示すように、車体50のクロス部材51に固定した2つのスタッドボルト52を貫通させ、溝414a、415aを貫通したスタッドボルト52の端部にナット53を螺合することにより、取付片414、415(ロアー側ブラケット41)がクロス部材51(車体50)に取り付けられる。
【0022】
アッパー側ブラケット42の前端(ステアリングホイール側)には、2つの起立片421が、その幅方向に適宜間隔をあけて設けられている。また、アッパー側ブラケット42の前端側には、2つの貫通孔422が、その幅方向に適宜間隔をあけて設けられている。また、これら貫通孔422が設けられた位置のアッパー側ブラケット42の裏面には、取付溝423aを有する2つの取付片423(図3及び図6参照)が設けられている。起立片421に設けた孔421aに、図6に示すように、車体50のクロス部材51に固定した2つのスタッドボルト54の基台先端54aをそれぞれ係合し、また貫通孔422及び取付溝423aにスタッドボルト54を貫通させ、取付溝423aを貫通したスタッドボルト54の端部にナット55を螺合することにより、起立片421、取付片423(アッパー側ブラケット42)がクロス部材51(車体50)に取り付けられる。
【0023】
ステアリングコラム10には、上側コラムカバーと下側コラムカバーからなる樹脂製コラムカバー(図示せず)が装着されるが、この樹脂製コラムカバーを装着する際、該コラムカバーを仮保持状態にするため、図5、図6に示すように、第1スライド部材43にコラムカバー仮保持機構が設けられている。すなわち、第1スライド部材43に平坦部431と、該平坦部431に一対の仮保持孔431aが設けられていて、平坦部431に、コラムカバー仮保持台70(図6参照)に設けた当て片72が当接し、また一対の仮保持孔431aに、コラムカバー仮保持台70(図6参照)に設けた一対の仮保持フック71が係脱自在に係合するようにしてある。
【0024】
なお、ブラケット40を介してステアリングコラム10を車体に組み付ける際に、上述した如く、左右側壁410、411が、アッパー側ブラケット42を介して互いに連結された関係になっていると、チルト回転軸60を中心として左右側壁410、411が相対移動(相対回転)することがなく、また左右側壁410、411のチルト回転軸60を中心とした回転を一時的に阻止する回転止めを取り付ける必要がなく、組み付け作業がスムーズに行われる。
【0025】
二次衝突時の衝撃緩和をスムーズに行わせる、上述したスライド機構45は、アッパー側チューブ11とロアー側ブラケット41(ロアー側コラムであるアルミニウムハウジング12)との間に設けられる。このスライド機構45を構成する一方の部材である、第1スライド部材43は、アッパー側チューブ11側において、該アッパーチューブ11及びステアリングシャフト15の左右両側部を囲むように(アッパー側チューブ11及びステアリングシャフト15を跨ぐように)その一端部がアッパー側チューブ11に例えば溶接によって固定され、その他端左右両側部にスライドピン432が取り付けられている。
【0026】
また、スライド機構45を構成する他方の部材である、第2スライド部材44は、アルミニウムハウジング12を囲むようにしてロアー側ブラケット41の左右両側壁410、411に固定され、その左右両側面の一端部から他端部にかけてスリット441がステアリングコラム10の軸線方向に延びるように形成されている。このスリット441にスライドピン432がスライド可能に係合するようにしてある。スリット441の長さは、ステアリングコラム10(ステアリングシャフト15)のコラプスストロークと同じ長さに設定される。
【0027】
スライドピン432は、スリット441の終端、すなわちスライド限界位置までスライドしたとき、チルト回転軸60のほぼ真下をスライドして通過し、チルト回転軸60とは干渉しない。
【0028】
第1スライド部材43と第2スライド部材44は、第1スライド部材43が外側に、第2スライド部材44が内側に位置するように配置され、通常の状態にあるときには第1スライド部材43の他端部が第2スライド部材44の一端部に重なっている。
【0029】
なお、第2スライド部材44には、図4、図5等に示すように、アルミニウムハウジング12を保持し、固定するための環状部分442が一体に設けられ、この環状部分442内にアルミニウムハウジング12を挿入し、ボルト、ナット等の固定手段を介して固定している。ロアー側ブラケット41の左右側壁410、411は、直接ではなく、環状部分442を介してアルミニウムハウジング12に固定される。
【0030】
二次衝突時の衝撃がステアリングホイールからステアリングシャフト15に加わると、該衝撃がステアリングシャフト15からステアリングコラム10に伝わり、ステアリングシャフト15が縮み、またステアリングコラム10のアッパー側チューブ11がアルミニウムハウジング12側に接近するように移動してステアリングコラム10が縮み、衝撃がステアリングコラム10からスライド機構45に伝わる。これにより、第1スライド部材43がスライドピン432とスリット441に案内されながら第2スライド部材44上をスライドする。すなわち、二次衝突時の衝撃は、ステアリングシャフト15、ステアリングコラム10及びスライド機構45によって吸収されて緩和される。
【0031】
ステアリングホイールを介して伝えられる二次衝突時の衝撃によって、ステアリングシャフト15、ステアリングコラム10には軸方向荷重のみでなく、曲げモーメントも作用する。しかし、第1スライド部材43が第2スライド部材44上をスライドする過程でスライドピン432がチルト回転軸60側に移動して接近するので、ステアリングシャフト15、ステアリングコラム10に作用する曲げモーメントはチルト回転軸60を支点としたチルト角を大きくする(上げる)方向に逃がすことができ、このため曲げモーメントによるステアリングシャフト15、ステアリングコラム10の変形を防止することが出来る。
【0032】
図7は、スライドピン432がスリット441のスライド限界位置まで移動したコラプス状態を示している。同図によれば、ステアリングシャフト15、ステアリングコラム10が縮み、第1スライド部材43が第2スライド部材44上に重なっているが、ロアー側ブラケット41、アッパー側ブラケット42は変形がなく、またステアリングシャフト15、ステアリングコラム10は縮むだけで、曲げ等の変形はない。スライドピン432はチルト回転軸60の真下位置を通過して、スリット441のスライド限界位置まで移動する。
【0033】
なお、第1スライド部材43にスリット441を設け、第2スライド部材44にスライドピン432を設けるようにしてもよい。また、スライドピン432をチルト回転軸60の近傍又はチルト回転軸60と干渉しないようにチルト回転軸60の略真上位置或いは略真下位置に設けるようにしてもよい。
【0034】
上記実施例では、電動モータ20とコントローラ30がロアー側41の左右側壁410、411間に挟まれているが、両者の間に直接的な固定関係はなく、また、左右側壁410、411とアルミニウムハウジング12との間にも両者の間の直接的な固定関係がない場合を示したが、これに限定されるものではなく、左右側壁410、411を電動モータ20やコントローラ30のハウジングやアルミニウムハウジング12に直接固定するようにしてもよく、これにより左右側壁410、411(ロアー側ブラケット41)の支持剛性を高めることが出来る。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の支持構造によれば、電動モータとコントローラとを、並列状態で且つステアリングコラムの軸線に対して略直角で車両上方に向くように、ステアリングコラム上に起立させて配置しているので、電動モータ等がステアリングコラムから車体の幅方向に殆ど突出せず、ロアー側ブラケットと電動モータ等との間の干渉に留意する必要はなく、このためロアー側ブラケットの設計が簡単となる。
【0036】
また、ロアー側ブラケットによって電動モータとコントローラとを挟み込むことが出来るため、ロアー側ブラケットの左右側壁間の取付けスパンを最小にしてステアリングコラム、電動モータ、コントローラー等の支持剛性を高めることが可能となる。
【0037】
また、取付けスパンを最小にすることが可能となることから、周辺部品との間のクリアランスを確保する上で有利となり、このため衝突時の乗員保護性能を向上させることが出来る。
【0038】
さらに、ステアリングコラムの左右の重量バランスがとれて、ステアリングコラムの車両組み付け工程において仮保持する際、ステアリングコラムを組み付け状態に近い状態で仮保持することができるため、組み付け作業能率が向上する。
【0039】
さらにまた、ステアリングコラムにはねじり力が作用せず、該ステアリングコラムを支持するロアー側ブラケットは垂直荷重を支持するだけでよく支持剛性を高める上で有利である。
【0040】
ロアー側ブラケットとアッパー側ブラケットとを一体に構成した場合にあっては、ブラケット自体の剛性(強度)が高まる上に、ロアー側ブラケットとアッパー側ブラケットとで電動モータとコントローラを囲むことができ、電動モータとコントローラを支えるための支持剛性を高めることが出来る。
【0041】
ロアー側ブラケットの左右側壁を、アッパー側ブラケットを介して互いに連結した場合にあっては、ブラケットを介してステアリングコラムを車体に組み付ける際に、チルト回転軸を中心として左右側壁が相対移動(相対回転)することがなく、また左右側壁のチルト回転軸を中心とした回転を一時的に阻止する回転止めを取り付ける必要がなく、組み付け作業がスムーズに行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の支持構造の一実施例を示すもので、同実施例の支持構造を採用した電動パワーステアリング装置全体の斜視図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】図1の電動パワーステアリングの一部を省略し、ロアー側から見下ろした状態の斜視図である。
【図5】電動パワーステアリングをアッパー側から見上げた状態の斜視図である。
【図6】図1の電動パワーステアリングのダッシュボードへの固定状態を説明する斜視図である。
【図7】二次衝突によりコラプスした状態の図1の電動パワーステアリング装置の斜視図である。
【符号の説明】
10 ステアリングコラム 11 アッパー側チューブ
12 アルミニウムハウジング 20 電動モータ
30 コントローラ 40 ブラケット
41 ロアー側ブラケット 42 アッパー側ブラケット
410,411 左右側壁 43 第1スライド部材
44 第2スライド部材 432 スライドピン
441 スリット

Claims (5)

  1. ステアリングコラムに電動モータとコントローラとを装備した電動パワーステアリング装置の支持構造において、
    前記電動モータと前記コントローラとを、並列状態で且つ前記ステアリングコラムの軸線に対して略直角で車両上方に向くように、ステアリングコラム上に起立させて配置し、
    前記ステアリングコラムを車体側に支持するブラケットを備え、
    前記ブラケットに、前記電動モータと前記コントローラとを前記ステアリングコラムの軸線に対して左右から挟み込む一対の側壁を設け、
    前記一対の側壁は、前記電動モータと前記コントローラに対して壁面を対向させて配置され、前記電動モータと前記コントローラを挟み込んだ状態で、互いに連結されていることを特徴とする、電動パワーステアリング装置の支持構造。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の支持装置にして、
    前記電動モータとコントローラは、並列状態で且つ前記ステアリングコラムの軸線に対して略直角で車両上方に向くように、前記電動モータの減速機構を収容する前記ステアリングコラムのロアー側コラム上に、起立して配置されることを特徴とする、電動パワーステアリング装置の支持構造。
  3. 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の支持装置にして、
    前記ブラケットは、前記ステアリングコラムのロアー側コラム上に位置するロアー側ブラケットと、ステアリングホイール側に位置する前記ステアリングコラムのアッパー側コラム上に位置するアッパー側ブラケットからなり、前記電動モータとコントローラは、前記ロアー側ブラケットの左右側壁間に配置されることを特徴とする、電動パワーステアリング装置の支持構造。
  4. 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の支持装置にして、
    前記ロアー側ブラケットと前記アッパー側ブラケットは一体に構成されることを特徴とする電動パワーステアリング装置の支持構造。
  5. 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の支持装置にして、
    前記ロアー側ブラケットの左右側壁は、前記アッパー側ブラケットを介して互いに連結された関係にあることを特徴とする電動パワーステアリング装置の支持構造。
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