JP2004291782A - 車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したときステアリングコラムの上下方向移動(チルト作動)を阻止する構成をシンプルとする。
【解決手段】車体側ブラケット31のチルト長孔31b1形成部前壁面には係止歯部31b2が形成され、チルト長孔31b1を貫通する連結体(ボルト33、ナット34)の一部には係止歯部31b2に対して係合離脱可能に対向する係合歯部34a1が設けられている。連結体(ボルト33、ナット34)と車体側ブラケット31間にはステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には係合歯部34a1を係止歯部31b2に対して係合可能とし非変形時には係合歯部34a1を係止歯部31b2から離間させるホルダ35が介装されている。
【選択図】 図3
【解決手段】車体側ブラケット31のチルト長孔31b1形成部前壁面には係止歯部31b2が形成され、チルト長孔31b1を貫通する連結体(ボルト33、ナット34)の一部には係止歯部31b2に対して係合離脱可能に対向する係合歯部34a1が設けられている。連結体(ボルト33、ナット34)と車体側ブラケット31間にはステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には係合歯部34a1を係止歯部31b2に対して係合可能とし非変形時には係合歯部34a1を係止歯部31b2から離間させるホルダ35が介装されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ステアリング装置のチルトロック構造、特に、操作レバーのロック操作により車体側ブラケットとコラム側ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能な車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のチルトロック構造の一つとして、車体の一部に対して前方へ移動可能に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成したチルト長孔と前記コラム側ブラケットに形成した取付孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−117685号公報
【0004】
上記した従来の車両用ステアリング装置では、連結体としての締付ボルトに、変位可能な位置決め部材と、歯部を形成したロックプレートを嵌挿するとともに、該ロックプレートの歯部と係合する歯部を形成した他のロックプレートを、車体側ブラケットとしてのアッパーブラケットに形成したチルト長孔近傍に固定し、かつ、前記ロックプレートを前記他のロックプレートに対面して前記位置決め部材により離間する位置で位置決め部材と共に配設し、衝突時には前記位置決め部材が変位して前記両ロックプレートの歯部が互いに噛合することにより、ステアリングコラムの上下方向移動(チルト作動)が阻止されるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の車両用ステアリング装置においては、車両の衝突時にステアリングコラムの上下方向移動(チルト作動)が阻止されるものの、そのための構成部材として、位置決め部材と二つのロックプレートが少なくとも必要であり、しかも、位置決め部材と一方のロックプレートを連結体としての締付ボルトに嵌挿するとともに、他方のロックプレートを車体側ブラケットとしてのアッパーブラケットに形成したチルト長孔近傍に固定する組付作業が必要であって、改善の余地がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記した課題に対処すべくなされたものであり、車体の一部に対して前方へ移動可能に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成したチルト長孔と前記コラム側ブラケットに形成した取付孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えた車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造において、前記車体側ブラケットのチルト長孔形成部前壁面には係止歯部が形成され、前記チルト長孔を貫通する前記連結体の一部には前記係止歯部に対して係合離脱可能に対向する係合歯部が設けられ、前記連結体と前記車体側ブラケット間には前記ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には前記係合歯部を前記係止歯部に対して係合可能とし非変形時には前記係合歯部を前記係止歯部から離間させるホルダが介装されていることに特徴がある。
【0007】
また、本発明は、車体の一部に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成した取付孔と前記コラム側ブラケットに形成したチルト長孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えた車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造において、前記コラム側ブラケットのチルト長孔形成部後壁面には係止歯部が形成され、前記チルト長孔を貫通する前記連結体の一部には前記係止歯部に対して係合離脱可能に対向する係合歯部が設けられ、前記連結体と前記コラム側ブラケット間には前記ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には前記係合歯部を前記係止歯部に対して係合可能とし非変形時には前記係合歯部を前記係止歯部から離間させるホルダが介装されていることに特徴がある。
【0008】
このようにすれば、車両の衝突に際して、ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき、ホルダが変形して係合歯部が係止歯部に係合する。このため、ステアリングコラムの上下方向移動(チルト作動)が阻止される。また、このようにすれば、部品数の増加および組付工数の増加を従来に比して抑えて実施することが可能であり、容易かつ安価に実施することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明による摩擦式チルトロック構造の一実施形態を示していて、この実施形態においては、ステアリングシャフト10が軸方向にて伸縮可能かつトルク伝達可能なアッパシャフト11とロアシャフト12を備える構成とされ、ステアリングシャフト10を回転自在に支持して軸方向にて伸縮可能なステアリングコラム20がアウターチューブ21とインナーチューブ22を備える構成とされている。
【0010】
アッパシャフト11は、アウターチューブ21に軸受(図示省略)を介して回転自在かつ軸方向移動不能に支持されていて、図1右端の上端部にはエアバッグ装置を装着したステアリングホイール(図示省略)が一体回転可能に組付けられるようになっている。一方、ロアシャフト12は、インナーチューブ22に軸受(図示省略)を介して回転自在に支持されていて、図1左端の下端部にて自在継手を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸(共に図示省略)に連結されるようになっていて、中間軸は自在継手を介してステアリングギヤボックス(共に図示省略)に連結されるようになっている。
【0011】
アウターチューブ21は、下端部にてインナーチューブ22の上端部に軸方向へ摺動可能に嵌合連結されていて、チルト調整が可能な上方支持機構A1を介して車体の一部(図示省略)に組付けられるようになっている。一方、インナーチューブ22は、下端部に固着したブラケット22aにて回動可能な下方支持機構B1を介して車体の一部(図示省略)に傾動可能に組付けられるようになっている。なお、アウターチューブ21とインナーチューブ22間には、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーをステアリングコラム20の軸方向収縮によって吸収する衝突エネルギー吸収機構(図示省略)が介装されている。
【0012】
上方支持機構A1は、ステアリングコラム20におけるアウターチューブ21の下部を上下方向へ移動調整可能(チルト調整可能)かつ前方へ移動離脱可能に支持するものであり、上下方向に延びる左右一対のアーム31a,31bを有して車体の一部に前方へ移動離脱可能に組付けられる鉄板製の車体側ブラケット31と、車体側ブラケット31における左右一対のアーム31a,31bによって挟持される左右一対の縦壁32a,32bを有してステアリングコラム20のアウターチューブ21に固着された鉄板製のコラム側ブラケット32と、両ブラケット31,32を連結する連結体としてのボルト33およびナット34と、コラム側ブラケット32を車体側ブラケット31の両アーム31a,31bに対して摩擦係合により固定または解除させるロック機構40を備えている。
【0013】
車体側ブラケット31は、図1および図2に示したように、左右一対のアーム31a,31bより上方に一対の取付部31c,31dを有していて、これらの取付部31c,31dにて周知の手段を用いて車体の一部に前方へ移動離脱可能に組付けられるようになっている。また、車体側ブラケット31の各アーム31a,31bには、図1に示した下方支持機構B1の回動中心を中心とする円弧状のチルト長孔31a1,31b1が形成されていて、右方のチルト長孔31b1の形成部前壁面には図3および図4に示したように係止歯部31b2が形成されている。
【0014】
コラム側ブラケット32は、図1および図2にて示したように、左右一対の縦壁32a,32bの下端を一体的に連結する底壁32cを有していて、ステアリングコラム20におけるアウターチューブ21の前方下部に溶接によって一体的に固着されている。また、コラム側ブラケット32の各縦壁32a,32bには、ボルト33が挿通されて支持される取付丸孔32a1,32b1が形成されている。
【0015】
ボルト33は、図2および図3にて示したように、コラム側ブラケット32の両縦壁32a,32bに形成した取付丸孔32a1,32b1および車体側ブラケット31の両アーム31a,31bに形成したチルト長孔31a1,31b1に挿通されて両ブラケット31,32を貫通する軸部33aと、この軸部33aの右端部に形成したねじ部33bと、軸部33aの左端部に形成した頭部33cを有している。
【0016】
ナット34は、図2〜図4にて示したように、両ブラケット31,32を貫通するボルト33のねじ部33bにホルダ35を介在させた状態にて螺着固定されていて、小径部34aと大径部34bを有している。小径部34aは、ホルダ35に形成した上下一対の突起部35b,35cに挟持された状態にて車体側ブラケット31のチルト長孔31b1内に収容されていて、その前後両端面には係合歯部34a1が形成されている。前方の係合歯部34a1は、右方のチルト長孔31b1の形成部前壁面に形成した係止歯部31b2に対して係合離脱可能に対向している。大径部34bは、その左端面にて車体側ブラケット31における右方のアーム31bの右端面に摺動可能に当接していて、その上下両端面には円弧状外歯34b1がそれぞれ形成されている。
【0017】
ホルダ35は、所定の荷重によって変形可能な樹脂によって形成されていて、図3にて示したように、略矩形の基部35aと、この基部35aの前後方向略中央で左方に突出形成された上下一対の突起部35b,35cを有している。基部35aは、上下一対の円弧状内歯35a1を有していて、各円弧状内歯35a1にてナット34の大径部34bに形成した各円弧状外歯34b1に嵌合されている。各突起部35b,35cは、互いに対向する円弧状受承部35b1,35c1を有していて、円弧状受承部35b1,35c1にてナット34の小径部34aに嵌合されている。また、各突起部35b,35cは、車体側ブラケット31のチルト長孔31b1内での移動を円滑とするために、その前後両端面が円弧状に形成されている。
【0018】
ロック機構40は、図1および図2に示したように、車体側ブラケット31の左方のアーム31aとボルト33の頭部33c間にてボルト33の軸部33a上に組付けられた左右一対のカムプレート41,42および操作レバー43によって構成されている。左方のカムプレート41と操作レバー43は、一体的に連結されていて、ボルト33の軸部33a上で回転可能であり、車体側ブラケット31の左方のアーム31aに係合して回転不能な右方のカムプレート42に対して相対回転可能である。なお、左右一対のカムプレート41,42の詳細な構成は、特開2000−62624号公報に記載されているカムプレートの構成と同じであるため、その説明は省略する。
【0019】
このロック機構40においては、操作レバー43が図1の反時計方向へ回動されること、すなわち、ロック操作により、両カムプレート41,42によって操作レバー43の回転がボルト33の軸方向移動に変換されて、両ブラケット31,32の各アーム31a,31bと各縦壁32a,32b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られ、車体側ブラケット31に対してコラム側ブラケット32が固定(ロック)されるように、また操作レバー43が図1の時計方向へ回動されること、すなわち、アンロック操作により、上記した各摩擦係合が解除され、車体側ブラケット31に対してコラム側ブラケット32がチルト可能(相対移動可能)となるようになっている。
【0020】
下方支持機構B1は、ステアリングコラム20におけるインナーチューブ22を常に傾動(回動)可能に支持するものであり、インナーチューブ22の下端部に固着したブラケット22aに形成した取付孔22a1に回転自在に嵌合されるカラー51と、このカラー51を車体の一部(図示省略)に固定するボルトおよびナット(図示省略)等によって構成されている。
【0021】
上記のように構成したこの実施形態においては、上方支持機構A1において操作レバー43を図1の時計方向に回動操作してロック機構40による固定を解除すれば、両ブラケット31,32における各アーム31a,31bと各縦壁32a,32b間の摩擦係合が解除されて、ステアリングコラム20が車体側ブラケット31のチルト長孔31a1,31b1に沿って所定量移動可能(チルト可能)となるため、また下方支持機構B1においてステアリングコラム20におけるインナーチューブ22が常に傾動(回動)可能に支持されているため、ステアリングコラム20をチルト可能範囲にて上下方向に移動してステアリングホイールの位置を適宜にチルト調整することが可能である。
【0022】
また、上方支持機構A1において操作レバー43を図1の反時計方向に回動操作してロック機構40を固定状態とすれば、両ブラケット31,32の各アーム31a,31bと各縦壁32a,32b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られて、車体側ブラケット31に対してコラム側ブラケット32が固定されるため、ステアリングコラム20が、上方支持機構A1と下方支持機構B1によって、所定の傾斜角にて車体の一部に固定されて支持される。
【0023】
また、この実施形態においては、車両の衝突時、その二次衝突の際に乗員からステアリングホイールとステアリングシャフト10を介してステアリングコラム20のアウターチューブ21に前方への入力(二次衝突荷重)が作用し、この入力のコラム軸方向の分力が上記した所定の摩擦係合に打ち勝つことにより、ステアリングコラム20のアウターチューブ21がその軸線方向に沿って前方へ移動する。
【0024】
このときには、ステアリングコラム20のアウターチューブ21がその軸線方向に沿って前方へ移動する初期において、図5に示したように、ホルダ35の基部35aが変形してナット34の小径部34aに形成した前方の係合歯部34a1が右方のチルト長孔31b1の形成部前壁面に形成した係止歯部31b2に係合する。このため、その後の作動においてステアリングコラム20の上下方向移動(チルト作動)が阻止される。
【0025】
なお、ナット34の係合歯部34a1がチルト長孔31b1の係止歯部31b2に係合した後の作動では、上方支持機構A1の車体側ブラケット31が車体の一部から前方へ移動離脱するとともに、ステアリングコラム20が軸方向収縮するため、アウターチューブ21とインナーチューブ22間に介装した衝突エネルギー吸収機構(図示省略)が作動して乗員の二次衝突エネルギーを吸収する。
【0026】
図6〜図8は本発明による摩擦式チルトロック構造の他の実施形態を示していて、この実施形態においては、ステアリングシャフト111を回転自在かつ軸方向移動不能に支持するステアリングコラム112が上方支持機構A2と下方支持機構B2によって所定の傾斜角θにて車体の一部であるステアリング取付部材120にチルト可能および前方へ移動離脱可能に支持されている。
【0027】
ステアリングシャフト111は、その下方端(前端)にて自在継手を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸(共に図示省略)に連結されるようになっていて、中間軸は自在継手を介してステアリングギヤボックス(共に図示省略)に連結されるようになっている。また、ステアリングシャフト111の上方端(後端)にはエアバッグ装置を装着したステアリングホイール113が一体回転可能に組付けられるようになっている。
【0028】
上方支持機構A2は、ステアリングコラム112の上方部位を上下方向へ移動調整可能(チルト調整可能)かつ前方へ移動離脱可能に支持するものであり、
図6および図7に示したように、下方に延びる左右一対のアーム131a,131bを有してステアリング取付部材120に左右一対の取付ボルト139を用いて一体的に固定された鉄板製の車体側ブラケット131と、上方に延びる左右一対のアーム132a,132bを有してステアリングコラム112に溶接によって一体的に固着された鉄板製のコラム側ブラケット132と、両ブラケット131,132を連結する連結体としてのボルト133およびナット134と、コラム側ブラケット132の両アーム132a,132bを車体側ブラケット131の両アーム131a,131bに対して摩擦係合により固定または解除させるロック機構140を備えている。
【0029】
ステアリング取付部材120は、上方部位に上方支持機構A2の取付部121を有し下方部位に下方支持機構B2の取付部122を有している。上方支持機構A2の取付部121は、図7に示したように、断面略U字状に形成されていて、下端に略V字状凸面S1を有している。また、この取付部121には、各取付ボルト139が挿通される左右一対のボルト挿通孔(図示省略)が形成されていて、これら各ボルト挿通孔に対応して各取付ボルト139が螺着される左右一対のナット123,124が溶接によって一体的に固着されている。
【0030】
車体側ブラケット131は、断面略M字状に形成されて頂部にステアリング取付部材120の略V字状凸面S1に密に接合される略V字状凹面S2を有する基板131Aと、この基板131Aの下縁部に左右両端部にて溶接によって固着されて基板131Aを補強する補強板131Bによって構成されていて、基板131Aには下方に延びる左右一対のアーム131a,131bが形成されている。また、基板131Aには、各取付ボルト139が挿通される左右一対のボルト挿通孔(図示省略)が設けられている。また、各アーム131a,131bには、前方に向けて開口する一対の支持孔131a1,131b1が形成されている。
【0031】
コラム側ブラケット132は、上方に延びて車体側ブラケット131の各アーム131a,131bに外側から摺動可能に係合する左右一対のアーム132a,132bを有していて、各アーム132a,132bには下方支持機構B2の支持中心O1を中心とする円弧状のチルト長孔132a1,132b1が形成されている。右方のチルト長孔132b1の形成部後壁面には図8に示したように係止歯部132b2が形成されている。
【0032】
ボルト133は、車体側ブラケット131の両アーム131a,131bに形成した取付孔131a1,131b1およびコラム側ブラケット132の両アーム132a,132bに形成したチルト長孔132a1,132b1に挿通されて両ブラケット131,132を貫通する軸部133aと、この軸部133aの左端部に形成したねじ部133bと、軸部133aの右端部に形成した頭部133cを有していて、ねじ部133bにはナット134が螺着固定されている。
【0033】
また、ボルト133は、図7および図8に示したように、頭部133cにホルダ135を予め装着した状態にて回転不能に組付けられていて、頭部133cには小径部133c1と大径部133c2が形成されている。小径部133c1は、ホルダ135に形成した上下一対の突起部135b,135cに挟持された状態にてコラム側ブラケット132のチルト長孔132b1内に収容されていて、その前後両端面には係合歯部133dが形成されている。後方の係合歯部133dは、右方のチルト長孔132b1の形成部後壁面に形成した係止歯部132b2に対して係合離脱可能に対向している。大径部133c2は、その左端面にてコラム側ブラケット132における右方のアーム132bの右端面に摺動可能に当接していて、その上下両端面には円弧状外歯133eがそれぞれ形成されている。
【0034】
ホルダ135は、所定の荷重によって変形可能な樹脂によって形成されていて、略矩形の基部135aと、この基部135aの前後方向略中央で左方に突出形成された上下一対の突起部135b,135cを有している。基部135aは、上下一対の円弧状内歯135a1を有していて、各円弧状内歯135a1にてボルト133における頭部133cの大径部133c2に形成した各円弧状外歯133eに嵌合されている。各突起部135b,135cは、互いに対向する円弧状受承部135b1,135c1を有していて、円弧状受承部135b1,135c1にてボルト133における頭部133cの小径部133c1に嵌合されている。また、各突起部135b,135cは、コラム側ブラケット132のチルト長孔132b1内での移動を円滑とするために、その前後両端面が円弧状に形成されている。
【0035】
ロック機構140は、コラム側ブラケット132の左方のアーム132aとナット134間にてボルト133の軸部133a上に組付けられた左右一対のカムプレート141,142および操作レバー143と、操作レバー143とナット134を一体的に連結するプレート144およびボルト145によって構成されている。
【0036】
左方のカムプレート141と操作レバー143は、一体的に連結されていて、ボルト133の軸部133a上で回転可能であり、コラム側ブラケット132の左方のアーム132aに係合して回転不能な右方のカムプレート142に対して相対回転可能である。なお、左右一対のカムプレート141,142の詳細な構成は、特開2000−62624号公報に記載されているカムプレートの構成と同じであるため、その説明は省略する。
【0037】
このロック機構140においては、操作レバー143が図6の反時計方向へ回動されること、すなわちロック操作により、両カムプレート141,142によって操作レバー143の回転がボルト133の軸方向移動に変換されて、両ブラケット131,132の各アーム131a,131bと各アーム132a,132b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られ、車体側ブラケット131に対してコラム側ブラケット132が固定(ロック)されるように、また操作レバー143が図6の時計方向へ回動されること、すなわちアンロック操作により、上記した各摩擦係合が解除され、車体側ブラケット131に対してコラム側ブラケット132がチルト可能(相対移動可能)となるようになっている。
【0038】
下方支持機構B2は、ステアリングコラム112の下方部位を前方へ所定量移動可能かつ常に傾動(回動)可能に支持するものであり、図6に示したように、下方に延びる左右一対のアーム161aを有してステアリング取付部材120に一体的に固定された鉄板製の車体側ブラケット161と、山形コ字状に形成されてステアリングコラム112の前方上部外周に溶接によって一体的に固着された鉄板製のコラム側ブラケット162と、車体側ブラケット161に対してコラム側ブラケット162を、コラム軸方向へ所定量移動可能かつ下方支持機構B2の支持中心O1回りに傾動可能に連結する連結手段170によって構成されている。
【0039】
連結手段170は、コラム側ブラケット162に形成したコラム軸方向に長くて後方に向けてステアリングコラム112から離れるように延びる左右一対の長孔162aに嵌合によって組付けられ所定の荷重で破損する左右一対の樹脂製ブッシュ(図示省略)と、これら両樹脂製ブッシュに嵌合されて左右両端面にて両アーム161aに係合するカラー(図示省略)と、このカラーを貫通するボルト171と、このボルト171に螺着固定されるナット(図示省略)によって構成されている。
【0040】
また、この実施形態においては、図6にて示したように、コラム側ブラケット162にエネルギー吸収部材180が組付けられている。エネルギー吸収部材180は、ステアリングコラム112が前方へ移動する際にカラーと係合して塑性変形し二次衝突エネルギーを吸収する長板であり、コラム側ブラケット162に一端部180aにて固着されていて、カラーおよびボルト171を包囲した状態で前方に向けて延出している。
【0041】
上記のように構成したこの実施形態においては、上方支持機構A2において操作レバー143を図6の時計方向に回動操作してロック機構140による固定を解除すれば、両ブラケット131,132における各アーム131a,131bと各アーム132a,132b間の摩擦係合が解除されて、ステアリングコラム112がコラム側ブラケット132のチルト長孔132a1,132b1に沿って所定量移動可能(チルト可能)となるため、また下方支持機構B2においてコラム側ブラケット162が車体側ブラケット161に対して常に傾動可能であるため、ステアリングコラム112をチルト可能範囲にて上下方向に移動してステアリングホイール113の位置を適宜にチルト調整することが可能である。
【0042】
また、上方支持機構A2において操作レバー143を図6の反時計方向に回動操作してロック機構140を固定状態とすれば、両ブラケット131,132の各アーム131a,131bと各アーム132a,132b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られて、車体側ブラケット131に対してコラム側ブラケット132が固定されるため、ステアリングコラム112が、上方支持機構A2と下方支持機構B2によって、所定の傾斜角θにて車体の一部であるステアリング取付部材120に固定されて支持される。
【0043】
また、この実施形態においては、車両の衝突時、その二次衝突の際に乗員からステアリングホイール113を介してステアリングシャフト111に前方への入力Fが作用し、この入力Fのコラム軸方向分力F1(=F・cosθ)が上方支持機構A2の上記した所定の摩擦係合と下方支持機構B2の各ブッシュの破損荷重に打ち勝つことにより、ステアリングコラム112がその軸線方向に沿って前方へ移動する。
【0044】
このときには、ステアリングコラム112がその軸線方向に沿って前方へ移動する初期において、ホルダ135の基部135aが変形して、右方のチルト長孔132b1の形成部後壁面に形成した係止歯部132b2がボルト頭部133cの小径部133c1に形成した後方の係合歯部133dに係合する。このため、その後の作動においてステアリングコラム112の上下方向移動(チルト作動)が阻止される。
【0045】
なお、チルト長孔132b1の形成部後壁面に形成した係止歯部132b2がボルト頭部133cの小径部133c1に形成した後方の係合歯部133dに係合した後の作動では、上方支持機構A2のコラム側ブラケット132が車体側ブラケット131から前方へ移動離脱するとともに、下方支持機構B2のコラム側ブラケット162が車体側ブラケット161に固定されている連結手段170によってガイド支持された状態で車体側ブラケット161に対して前方へ移動する。このため、ステアリングコラム112が僅かに起立しながらその軸線方向に沿って前方へ移動する。また、このときには、下方支持機構B2においてカラーがエネルギー吸収部材180を塑性変形させるため、二次衝突エネルギーがエネルギー吸収部材180の塑性変形により吸収される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による摩擦式チルトロック構造の一実施形態を示す左側面図である。
【図2】図1の2−2線に沿った上方支持機構の拡大断面図である。
【図3】図2に示した右方のチルト長孔、ナットおよびホルダの関係を示す拡大右側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った横断底面面である。
【図5】図3に示した部位の作動説明図である。
【図6】本発明による摩擦式チルトロック構造の他の実施形態を示す左側面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った上方支持機構の拡大断面図である。
【図8】図7に示した右方のチルト長孔、ボルトの頭部およびホルダの関係を示す拡大右側面図である。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト、20…ステアリングコラム、A1…上方支持機構、31…車体側ブラケット、31a1,31b1…チルト長孔、31b2…係止歯部、32…コラム側ブラケット、32a1,32b1…取付丸孔、33…ボルト、33a…軸部、34…ナット、34a1…係合歯部、35…ホルダ、40…ロック機構、43…操作レバー、111…ステアリングシャフト、112…ステアリングコラム、A2…上方支持機構、131…車体側ブラケット、131a1,131b1…取付孔、132…コラム側ブラケット、132a1,132b1…チルト長孔、132b2…係止歯部、133…ボルト、133a…ボルトの軸部、133b…ボルトのねじ部、133c…ボルトの頭部、133d…係合歯部、135…ホルダ、140…ロック機構、143…操作レバー、B2…下方支持機構、161…車体側ブラケット、162…コラム側ブラケット、170…連結装置、180…エネルギー吸収部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ステアリング装置のチルトロック構造、特に、操作レバーのロック操作により車体側ブラケットとコラム側ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能な車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のチルトロック構造の一つとして、車体の一部に対して前方へ移動可能に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成したチルト長孔と前記コラム側ブラケットに形成した取付孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−117685号公報
【0004】
上記した従来の車両用ステアリング装置では、連結体としての締付ボルトに、変位可能な位置決め部材と、歯部を形成したロックプレートを嵌挿するとともに、該ロックプレートの歯部と係合する歯部を形成した他のロックプレートを、車体側ブラケットとしてのアッパーブラケットに形成したチルト長孔近傍に固定し、かつ、前記ロックプレートを前記他のロックプレートに対面して前記位置決め部材により離間する位置で位置決め部材と共に配設し、衝突時には前記位置決め部材が変位して前記両ロックプレートの歯部が互いに噛合することにより、ステアリングコラムの上下方向移動(チルト作動)が阻止されるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の車両用ステアリング装置においては、車両の衝突時にステアリングコラムの上下方向移動(チルト作動)が阻止されるものの、そのための構成部材として、位置決め部材と二つのロックプレートが少なくとも必要であり、しかも、位置決め部材と一方のロックプレートを連結体としての締付ボルトに嵌挿するとともに、他方のロックプレートを車体側ブラケットとしてのアッパーブラケットに形成したチルト長孔近傍に固定する組付作業が必要であって、改善の余地がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記した課題に対処すべくなされたものであり、車体の一部に対して前方へ移動可能に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成したチルト長孔と前記コラム側ブラケットに形成した取付孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えた車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造において、前記車体側ブラケットのチルト長孔形成部前壁面には係止歯部が形成され、前記チルト長孔を貫通する前記連結体の一部には前記係止歯部に対して係合離脱可能に対向する係合歯部が設けられ、前記連結体と前記車体側ブラケット間には前記ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には前記係合歯部を前記係止歯部に対して係合可能とし非変形時には前記係合歯部を前記係止歯部から離間させるホルダが介装されていることに特徴がある。
【0007】
また、本発明は、車体の一部に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成した取付孔と前記コラム側ブラケットに形成したチルト長孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えた車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造において、前記コラム側ブラケットのチルト長孔形成部後壁面には係止歯部が形成され、前記チルト長孔を貫通する前記連結体の一部には前記係止歯部に対して係合離脱可能に対向する係合歯部が設けられ、前記連結体と前記コラム側ブラケット間には前記ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には前記係合歯部を前記係止歯部に対して係合可能とし非変形時には前記係合歯部を前記係止歯部から離間させるホルダが介装されていることに特徴がある。
【0008】
このようにすれば、車両の衝突に際して、ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき、ホルダが変形して係合歯部が係止歯部に係合する。このため、ステアリングコラムの上下方向移動(チルト作動)が阻止される。また、このようにすれば、部品数の増加および組付工数の増加を従来に比して抑えて実施することが可能であり、容易かつ安価に実施することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明による摩擦式チルトロック構造の一実施形態を示していて、この実施形態においては、ステアリングシャフト10が軸方向にて伸縮可能かつトルク伝達可能なアッパシャフト11とロアシャフト12を備える構成とされ、ステアリングシャフト10を回転自在に支持して軸方向にて伸縮可能なステアリングコラム20がアウターチューブ21とインナーチューブ22を備える構成とされている。
【0010】
アッパシャフト11は、アウターチューブ21に軸受(図示省略)を介して回転自在かつ軸方向移動不能に支持されていて、図1右端の上端部にはエアバッグ装置を装着したステアリングホイール(図示省略)が一体回転可能に組付けられるようになっている。一方、ロアシャフト12は、インナーチューブ22に軸受(図示省略)を介して回転自在に支持されていて、図1左端の下端部にて自在継手を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸(共に図示省略)に連結されるようになっていて、中間軸は自在継手を介してステアリングギヤボックス(共に図示省略)に連結されるようになっている。
【0011】
アウターチューブ21は、下端部にてインナーチューブ22の上端部に軸方向へ摺動可能に嵌合連結されていて、チルト調整が可能な上方支持機構A1を介して車体の一部(図示省略)に組付けられるようになっている。一方、インナーチューブ22は、下端部に固着したブラケット22aにて回動可能な下方支持機構B1を介して車体の一部(図示省略)に傾動可能に組付けられるようになっている。なお、アウターチューブ21とインナーチューブ22間には、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーをステアリングコラム20の軸方向収縮によって吸収する衝突エネルギー吸収機構(図示省略)が介装されている。
【0012】
上方支持機構A1は、ステアリングコラム20におけるアウターチューブ21の下部を上下方向へ移動調整可能(チルト調整可能)かつ前方へ移動離脱可能に支持するものであり、上下方向に延びる左右一対のアーム31a,31bを有して車体の一部に前方へ移動離脱可能に組付けられる鉄板製の車体側ブラケット31と、車体側ブラケット31における左右一対のアーム31a,31bによって挟持される左右一対の縦壁32a,32bを有してステアリングコラム20のアウターチューブ21に固着された鉄板製のコラム側ブラケット32と、両ブラケット31,32を連結する連結体としてのボルト33およびナット34と、コラム側ブラケット32を車体側ブラケット31の両アーム31a,31bに対して摩擦係合により固定または解除させるロック機構40を備えている。
【0013】
車体側ブラケット31は、図1および図2に示したように、左右一対のアーム31a,31bより上方に一対の取付部31c,31dを有していて、これらの取付部31c,31dにて周知の手段を用いて車体の一部に前方へ移動離脱可能に組付けられるようになっている。また、車体側ブラケット31の各アーム31a,31bには、図1に示した下方支持機構B1の回動中心を中心とする円弧状のチルト長孔31a1,31b1が形成されていて、右方のチルト長孔31b1の形成部前壁面には図3および図4に示したように係止歯部31b2が形成されている。
【0014】
コラム側ブラケット32は、図1および図2にて示したように、左右一対の縦壁32a,32bの下端を一体的に連結する底壁32cを有していて、ステアリングコラム20におけるアウターチューブ21の前方下部に溶接によって一体的に固着されている。また、コラム側ブラケット32の各縦壁32a,32bには、ボルト33が挿通されて支持される取付丸孔32a1,32b1が形成されている。
【0015】
ボルト33は、図2および図3にて示したように、コラム側ブラケット32の両縦壁32a,32bに形成した取付丸孔32a1,32b1および車体側ブラケット31の両アーム31a,31bに形成したチルト長孔31a1,31b1に挿通されて両ブラケット31,32を貫通する軸部33aと、この軸部33aの右端部に形成したねじ部33bと、軸部33aの左端部に形成した頭部33cを有している。
【0016】
ナット34は、図2〜図4にて示したように、両ブラケット31,32を貫通するボルト33のねじ部33bにホルダ35を介在させた状態にて螺着固定されていて、小径部34aと大径部34bを有している。小径部34aは、ホルダ35に形成した上下一対の突起部35b,35cに挟持された状態にて車体側ブラケット31のチルト長孔31b1内に収容されていて、その前後両端面には係合歯部34a1が形成されている。前方の係合歯部34a1は、右方のチルト長孔31b1の形成部前壁面に形成した係止歯部31b2に対して係合離脱可能に対向している。大径部34bは、その左端面にて車体側ブラケット31における右方のアーム31bの右端面に摺動可能に当接していて、その上下両端面には円弧状外歯34b1がそれぞれ形成されている。
【0017】
ホルダ35は、所定の荷重によって変形可能な樹脂によって形成されていて、図3にて示したように、略矩形の基部35aと、この基部35aの前後方向略中央で左方に突出形成された上下一対の突起部35b,35cを有している。基部35aは、上下一対の円弧状内歯35a1を有していて、各円弧状内歯35a1にてナット34の大径部34bに形成した各円弧状外歯34b1に嵌合されている。各突起部35b,35cは、互いに対向する円弧状受承部35b1,35c1を有していて、円弧状受承部35b1,35c1にてナット34の小径部34aに嵌合されている。また、各突起部35b,35cは、車体側ブラケット31のチルト長孔31b1内での移動を円滑とするために、その前後両端面が円弧状に形成されている。
【0018】
ロック機構40は、図1および図2に示したように、車体側ブラケット31の左方のアーム31aとボルト33の頭部33c間にてボルト33の軸部33a上に組付けられた左右一対のカムプレート41,42および操作レバー43によって構成されている。左方のカムプレート41と操作レバー43は、一体的に連結されていて、ボルト33の軸部33a上で回転可能であり、車体側ブラケット31の左方のアーム31aに係合して回転不能な右方のカムプレート42に対して相対回転可能である。なお、左右一対のカムプレート41,42の詳細な構成は、特開2000−62624号公報に記載されているカムプレートの構成と同じであるため、その説明は省略する。
【0019】
このロック機構40においては、操作レバー43が図1の反時計方向へ回動されること、すなわち、ロック操作により、両カムプレート41,42によって操作レバー43の回転がボルト33の軸方向移動に変換されて、両ブラケット31,32の各アーム31a,31bと各縦壁32a,32b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られ、車体側ブラケット31に対してコラム側ブラケット32が固定(ロック)されるように、また操作レバー43が図1の時計方向へ回動されること、すなわち、アンロック操作により、上記した各摩擦係合が解除され、車体側ブラケット31に対してコラム側ブラケット32がチルト可能(相対移動可能)となるようになっている。
【0020】
下方支持機構B1は、ステアリングコラム20におけるインナーチューブ22を常に傾動(回動)可能に支持するものであり、インナーチューブ22の下端部に固着したブラケット22aに形成した取付孔22a1に回転自在に嵌合されるカラー51と、このカラー51を車体の一部(図示省略)に固定するボルトおよびナット(図示省略)等によって構成されている。
【0021】
上記のように構成したこの実施形態においては、上方支持機構A1において操作レバー43を図1の時計方向に回動操作してロック機構40による固定を解除すれば、両ブラケット31,32における各アーム31a,31bと各縦壁32a,32b間の摩擦係合が解除されて、ステアリングコラム20が車体側ブラケット31のチルト長孔31a1,31b1に沿って所定量移動可能(チルト可能)となるため、また下方支持機構B1においてステアリングコラム20におけるインナーチューブ22が常に傾動(回動)可能に支持されているため、ステアリングコラム20をチルト可能範囲にて上下方向に移動してステアリングホイールの位置を適宜にチルト調整することが可能である。
【0022】
また、上方支持機構A1において操作レバー43を図1の反時計方向に回動操作してロック機構40を固定状態とすれば、両ブラケット31,32の各アーム31a,31bと各縦壁32a,32b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られて、車体側ブラケット31に対してコラム側ブラケット32が固定されるため、ステアリングコラム20が、上方支持機構A1と下方支持機構B1によって、所定の傾斜角にて車体の一部に固定されて支持される。
【0023】
また、この実施形態においては、車両の衝突時、その二次衝突の際に乗員からステアリングホイールとステアリングシャフト10を介してステアリングコラム20のアウターチューブ21に前方への入力(二次衝突荷重)が作用し、この入力のコラム軸方向の分力が上記した所定の摩擦係合に打ち勝つことにより、ステアリングコラム20のアウターチューブ21がその軸線方向に沿って前方へ移動する。
【0024】
このときには、ステアリングコラム20のアウターチューブ21がその軸線方向に沿って前方へ移動する初期において、図5に示したように、ホルダ35の基部35aが変形してナット34の小径部34aに形成した前方の係合歯部34a1が右方のチルト長孔31b1の形成部前壁面に形成した係止歯部31b2に係合する。このため、その後の作動においてステアリングコラム20の上下方向移動(チルト作動)が阻止される。
【0025】
なお、ナット34の係合歯部34a1がチルト長孔31b1の係止歯部31b2に係合した後の作動では、上方支持機構A1の車体側ブラケット31が車体の一部から前方へ移動離脱するとともに、ステアリングコラム20が軸方向収縮するため、アウターチューブ21とインナーチューブ22間に介装した衝突エネルギー吸収機構(図示省略)が作動して乗員の二次衝突エネルギーを吸収する。
【0026】
図6〜図8は本発明による摩擦式チルトロック構造の他の実施形態を示していて、この実施形態においては、ステアリングシャフト111を回転自在かつ軸方向移動不能に支持するステアリングコラム112が上方支持機構A2と下方支持機構B2によって所定の傾斜角θにて車体の一部であるステアリング取付部材120にチルト可能および前方へ移動離脱可能に支持されている。
【0027】
ステアリングシャフト111は、その下方端(前端)にて自在継手を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸(共に図示省略)に連結されるようになっていて、中間軸は自在継手を介してステアリングギヤボックス(共に図示省略)に連結されるようになっている。また、ステアリングシャフト111の上方端(後端)にはエアバッグ装置を装着したステアリングホイール113が一体回転可能に組付けられるようになっている。
【0028】
上方支持機構A2は、ステアリングコラム112の上方部位を上下方向へ移動調整可能(チルト調整可能)かつ前方へ移動離脱可能に支持するものであり、
図6および図7に示したように、下方に延びる左右一対のアーム131a,131bを有してステアリング取付部材120に左右一対の取付ボルト139を用いて一体的に固定された鉄板製の車体側ブラケット131と、上方に延びる左右一対のアーム132a,132bを有してステアリングコラム112に溶接によって一体的に固着された鉄板製のコラム側ブラケット132と、両ブラケット131,132を連結する連結体としてのボルト133およびナット134と、コラム側ブラケット132の両アーム132a,132bを車体側ブラケット131の両アーム131a,131bに対して摩擦係合により固定または解除させるロック機構140を備えている。
【0029】
ステアリング取付部材120は、上方部位に上方支持機構A2の取付部121を有し下方部位に下方支持機構B2の取付部122を有している。上方支持機構A2の取付部121は、図7に示したように、断面略U字状に形成されていて、下端に略V字状凸面S1を有している。また、この取付部121には、各取付ボルト139が挿通される左右一対のボルト挿通孔(図示省略)が形成されていて、これら各ボルト挿通孔に対応して各取付ボルト139が螺着される左右一対のナット123,124が溶接によって一体的に固着されている。
【0030】
車体側ブラケット131は、断面略M字状に形成されて頂部にステアリング取付部材120の略V字状凸面S1に密に接合される略V字状凹面S2を有する基板131Aと、この基板131Aの下縁部に左右両端部にて溶接によって固着されて基板131Aを補強する補強板131Bによって構成されていて、基板131Aには下方に延びる左右一対のアーム131a,131bが形成されている。また、基板131Aには、各取付ボルト139が挿通される左右一対のボルト挿通孔(図示省略)が設けられている。また、各アーム131a,131bには、前方に向けて開口する一対の支持孔131a1,131b1が形成されている。
【0031】
コラム側ブラケット132は、上方に延びて車体側ブラケット131の各アーム131a,131bに外側から摺動可能に係合する左右一対のアーム132a,132bを有していて、各アーム132a,132bには下方支持機構B2の支持中心O1を中心とする円弧状のチルト長孔132a1,132b1が形成されている。右方のチルト長孔132b1の形成部後壁面には図8に示したように係止歯部132b2が形成されている。
【0032】
ボルト133は、車体側ブラケット131の両アーム131a,131bに形成した取付孔131a1,131b1およびコラム側ブラケット132の両アーム132a,132bに形成したチルト長孔132a1,132b1に挿通されて両ブラケット131,132を貫通する軸部133aと、この軸部133aの左端部に形成したねじ部133bと、軸部133aの右端部に形成した頭部133cを有していて、ねじ部133bにはナット134が螺着固定されている。
【0033】
また、ボルト133は、図7および図8に示したように、頭部133cにホルダ135を予め装着した状態にて回転不能に組付けられていて、頭部133cには小径部133c1と大径部133c2が形成されている。小径部133c1は、ホルダ135に形成した上下一対の突起部135b,135cに挟持された状態にてコラム側ブラケット132のチルト長孔132b1内に収容されていて、その前後両端面には係合歯部133dが形成されている。後方の係合歯部133dは、右方のチルト長孔132b1の形成部後壁面に形成した係止歯部132b2に対して係合離脱可能に対向している。大径部133c2は、その左端面にてコラム側ブラケット132における右方のアーム132bの右端面に摺動可能に当接していて、その上下両端面には円弧状外歯133eがそれぞれ形成されている。
【0034】
ホルダ135は、所定の荷重によって変形可能な樹脂によって形成されていて、略矩形の基部135aと、この基部135aの前後方向略中央で左方に突出形成された上下一対の突起部135b,135cを有している。基部135aは、上下一対の円弧状内歯135a1を有していて、各円弧状内歯135a1にてボルト133における頭部133cの大径部133c2に形成した各円弧状外歯133eに嵌合されている。各突起部135b,135cは、互いに対向する円弧状受承部135b1,135c1を有していて、円弧状受承部135b1,135c1にてボルト133における頭部133cの小径部133c1に嵌合されている。また、各突起部135b,135cは、コラム側ブラケット132のチルト長孔132b1内での移動を円滑とするために、その前後両端面が円弧状に形成されている。
【0035】
ロック機構140は、コラム側ブラケット132の左方のアーム132aとナット134間にてボルト133の軸部133a上に組付けられた左右一対のカムプレート141,142および操作レバー143と、操作レバー143とナット134を一体的に連結するプレート144およびボルト145によって構成されている。
【0036】
左方のカムプレート141と操作レバー143は、一体的に連結されていて、ボルト133の軸部133a上で回転可能であり、コラム側ブラケット132の左方のアーム132aに係合して回転不能な右方のカムプレート142に対して相対回転可能である。なお、左右一対のカムプレート141,142の詳細な構成は、特開2000−62624号公報に記載されているカムプレートの構成と同じであるため、その説明は省略する。
【0037】
このロック機構140においては、操作レバー143が図6の反時計方向へ回動されること、すなわちロック操作により、両カムプレート141,142によって操作レバー143の回転がボルト133の軸方向移動に変換されて、両ブラケット131,132の各アーム131a,131bと各アーム132a,132b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られ、車体側ブラケット131に対してコラム側ブラケット132が固定(ロック)されるように、また操作レバー143が図6の時計方向へ回動されること、すなわちアンロック操作により、上記した各摩擦係合が解除され、車体側ブラケット131に対してコラム側ブラケット132がチルト可能(相対移動可能)となるようになっている。
【0038】
下方支持機構B2は、ステアリングコラム112の下方部位を前方へ所定量移動可能かつ常に傾動(回動)可能に支持するものであり、図6に示したように、下方に延びる左右一対のアーム161aを有してステアリング取付部材120に一体的に固定された鉄板製の車体側ブラケット161と、山形コ字状に形成されてステアリングコラム112の前方上部外周に溶接によって一体的に固着された鉄板製のコラム側ブラケット162と、車体側ブラケット161に対してコラム側ブラケット162を、コラム軸方向へ所定量移動可能かつ下方支持機構B2の支持中心O1回りに傾動可能に連結する連結手段170によって構成されている。
【0039】
連結手段170は、コラム側ブラケット162に形成したコラム軸方向に長くて後方に向けてステアリングコラム112から離れるように延びる左右一対の長孔162aに嵌合によって組付けられ所定の荷重で破損する左右一対の樹脂製ブッシュ(図示省略)と、これら両樹脂製ブッシュに嵌合されて左右両端面にて両アーム161aに係合するカラー(図示省略)と、このカラーを貫通するボルト171と、このボルト171に螺着固定されるナット(図示省略)によって構成されている。
【0040】
また、この実施形態においては、図6にて示したように、コラム側ブラケット162にエネルギー吸収部材180が組付けられている。エネルギー吸収部材180は、ステアリングコラム112が前方へ移動する際にカラーと係合して塑性変形し二次衝突エネルギーを吸収する長板であり、コラム側ブラケット162に一端部180aにて固着されていて、カラーおよびボルト171を包囲した状態で前方に向けて延出している。
【0041】
上記のように構成したこの実施形態においては、上方支持機構A2において操作レバー143を図6の時計方向に回動操作してロック機構140による固定を解除すれば、両ブラケット131,132における各アーム131a,131bと各アーム132a,132b間の摩擦係合が解除されて、ステアリングコラム112がコラム側ブラケット132のチルト長孔132a1,132b1に沿って所定量移動可能(チルト可能)となるため、また下方支持機構B2においてコラム側ブラケット162が車体側ブラケット161に対して常に傾動可能であるため、ステアリングコラム112をチルト可能範囲にて上下方向に移動してステアリングホイール113の位置を適宜にチルト調整することが可能である。
【0042】
また、上方支持機構A2において操作レバー143を図6の反時計方向に回動操作してロック機構140を固定状態とすれば、両ブラケット131,132の各アーム131a,131bと各アーム132a,132b間にそれぞれ所定の摩擦係合が得られて、車体側ブラケット131に対してコラム側ブラケット132が固定されるため、ステアリングコラム112が、上方支持機構A2と下方支持機構B2によって、所定の傾斜角θにて車体の一部であるステアリング取付部材120に固定されて支持される。
【0043】
また、この実施形態においては、車両の衝突時、その二次衝突の際に乗員からステアリングホイール113を介してステアリングシャフト111に前方への入力Fが作用し、この入力Fのコラム軸方向分力F1(=F・cosθ)が上方支持機構A2の上記した所定の摩擦係合と下方支持機構B2の各ブッシュの破損荷重に打ち勝つことにより、ステアリングコラム112がその軸線方向に沿って前方へ移動する。
【0044】
このときには、ステアリングコラム112がその軸線方向に沿って前方へ移動する初期において、ホルダ135の基部135aが変形して、右方のチルト長孔132b1の形成部後壁面に形成した係止歯部132b2がボルト頭部133cの小径部133c1に形成した後方の係合歯部133dに係合する。このため、その後の作動においてステアリングコラム112の上下方向移動(チルト作動)が阻止される。
【0045】
なお、チルト長孔132b1の形成部後壁面に形成した係止歯部132b2がボルト頭部133cの小径部133c1に形成した後方の係合歯部133dに係合した後の作動では、上方支持機構A2のコラム側ブラケット132が車体側ブラケット131から前方へ移動離脱するとともに、下方支持機構B2のコラム側ブラケット162が車体側ブラケット161に固定されている連結手段170によってガイド支持された状態で車体側ブラケット161に対して前方へ移動する。このため、ステアリングコラム112が僅かに起立しながらその軸線方向に沿って前方へ移動する。また、このときには、下方支持機構B2においてカラーがエネルギー吸収部材180を塑性変形させるため、二次衝突エネルギーがエネルギー吸収部材180の塑性変形により吸収される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による摩擦式チルトロック構造の一実施形態を示す左側面図である。
【図2】図1の2−2線に沿った上方支持機構の拡大断面図である。
【図3】図2に示した右方のチルト長孔、ナットおよびホルダの関係を示す拡大右側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った横断底面面である。
【図5】図3に示した部位の作動説明図である。
【図6】本発明による摩擦式チルトロック構造の他の実施形態を示す左側面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った上方支持機構の拡大断面図である。
【図8】図7に示した右方のチルト長孔、ボルトの頭部およびホルダの関係を示す拡大右側面図である。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト、20…ステアリングコラム、A1…上方支持機構、31…車体側ブラケット、31a1,31b1…チルト長孔、31b2…係止歯部、32…コラム側ブラケット、32a1,32b1…取付丸孔、33…ボルト、33a…軸部、34…ナット、34a1…係合歯部、35…ホルダ、40…ロック機構、43…操作レバー、111…ステアリングシャフト、112…ステアリングコラム、A2…上方支持機構、131…車体側ブラケット、131a1,131b1…取付孔、132…コラム側ブラケット、132a1,132b1…チルト長孔、132b2…係止歯部、133…ボルト、133a…ボルトの軸部、133b…ボルトのねじ部、133c…ボルトの頭部、133d…係合歯部、135…ホルダ、140…ロック機構、143…操作レバー、B2…下方支持機構、161…車体側ブラケット、162…コラム側ブラケット、170…連結装置、180…エネルギー吸収部材。
Claims (2)
- 車体の一部に対して前方へ移動可能に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成したチルト長孔と前記コラム側ブラケットに形成した取付孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えた車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造において、
前記車体側ブラケットのチルト長孔形成部前壁面には係止歯部が形成され、前記チルト長孔を貫通する前記連結体の一部には前記係止歯部に対して係合離脱可能に対向する係合歯部が設けられ、前記連結体と前記車体側ブラケット間には前記ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には前記係合歯部を前記係止歯部に対して係合可能とし非変形時には前記係合歯部を前記係止歯部から離間させるホルダが介装されていることを特徴とする車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造。 - 車体の一部に組付けられる車体側ブラケットと、ステアリングコラムに一体的に組付けられて前記車体側ブラケットに対して前方へ移動可能かつ上下方向にてチルト可能に組付けられるコラム側ブラケットと、前記車体側ブラケットに形成した取付孔と前記コラム側ブラケットに形成したチルト長孔に挿通されて前記両ブラケットを貫通する軸部を有して前記両ブラケットを連結する連結体と、この連結体に組付けられる操作レバーを有して同操作レバーのロック操作により前記両ブラケットを互いに摩擦係合させて一体的に連結可能かつ前記操作レバーのアンロック操作により前記両ブラケットを相対移動可能とするロック機構を備えた車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造において、
前記コラム側ブラケットのチルト長孔形成部後壁面には係止歯部が形成され、前記チルト長孔を貫通する前記連結体の一部には前記係止歯部に対して係合離脱可能に対向する係合歯部が設けられ、前記連結体と前記コラム側ブラケット間には前記ステアリングコラムに前方への二次衝突荷重が作用したとき変形可能で変形時には前記係合歯部を前記係止歯部に対して係合可能とし非変形時には前記係合歯部を前記係止歯部から離間させるホルダが介装されていることを特徴とする車両用ステアリング装置の摩擦式チルトロック構造。
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-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003085925A patent/JP2004291782A/ja active Pending
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