JP3696184B2 - 再充填可能なスプレー容器 - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、噴霧液体および加圧ガスを安全かつ簡単に再充填することができて、経済性に優れた再充填可能なスプレー容器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、クリーニング用スプレーや防虫スプレーやペイント用スプレー等、各種の用途にスプレー容器が広く利用されている。しかしながら、従来のスプレー容器はいずれも使い捨て形式のものであり、省資源化および廃棄物の削減化等に逆行するものであった。また、加圧ガスとしてＬＰＧガスを用いるため、大気中にＬＰＧガスが放出されて環境にダメージを与えるという懸念もあった。
【０００３】
そこで、噴霧液体や加圧ガスを使い切った場合に再充填してスプレー容器を再利用する形式のものも提案されている。しかしながら、このタイプの場合は特殊な構造の容器構造となり、またガス等の供給器も大掛りな構造となるため、汎用性に乏しい上に高価なものになるという問題点があった。従って、従来から大量かつ安価に製造されている缶式の容器を用いて、加圧ガス等を安全かつ簡単に再充填することができる新たな形式の再充填可能なスプレー容器の開発が望まれていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、噴霧液体および加圧ガスを安全かつ簡単に再充填することができて、容器本体およびキャップのいずれも捨てることなく再利用を図ることができ、十分に省資源化および廃棄物の削減化等を図り経済性に優れた再充填可能なスプレー容器を提供することを目的として完成されたものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の再充填可能なスプレー容器は、容器本体とノズル付きのキャップとからなり、容器本体の口部に係合用突起を設けた筒状の口金を取り付けるとともに、該口金には前記係合用突起とバヨネット式に係合する案内溝を設けたキャップを着脱自在に装着したことを特徴とするものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図１は本発明に係るスプレー容器の一部切欠正面図、図２は要部の断面図であり、図中１は容器本体、２はノズル２ａ付きのキャップ、３は蓋体である。なお、４はナット、５はディップチューブであり、ノズル２ａを押すと噴霧液体が加圧ガスにより吐出口２ｂより噴霧される点は、従来のスプレー容器と基本的に同じ構造である。
【０００７】
そして本発明では、前記容器本体１の口部に、係合用突起６ａを設けた筒状の口金６がパッキン６ｂを介して取り付けられている。図示のものでは、この係合用突起６ａは、図３に示されるように、対角線上に２個設けたものとなっている。また、口金６には前記係合用突起６ａとバヨネット式に係合する案内溝２３を設けたキャップ２が着脱自在に装着されたものとなっている。なお、この容器本体１としては、従来から大量かつ安価に製造されているスプレー缶をそっくり利用することができるものである。
このように本発明では、口金６に設けた係合用突起６ａと、キャップ２に設けた案内溝２３とをバヨネット式に係合することによって、キャップ２を着脱自在な構造とし、噴霧液体および加圧ガスを簡単に再充填可能にして容器本体１およびキャップ２の再利用を図るのである。
【０００８】
更に詳述すると、前記キャップ２は、図４に示されるように、前記口金６の天面部を密封する鍔部２１と、口金６の内部に挿入される円筒部２２とからなり、該円筒部２２の外周に案内溝２３が形成されたものとなっている。
【０００９】
また案内溝２３は、図５に示されるように、前記係合用突起６ａをクランプするためのクランプ用段部２３ａと、該クランプ用段部２３ａよりも低い位置にあるキャップ飛び出し防止用の中間段部２３ｂと、係合用突起６ａを取り外すための開放部２３ｃからなるものとされている。なお２４は、係合用突起６ａが開放部２３ｃへ移動する際の動きに節度感を付与するための突起である。
【００１０】
このように、係合用突起６ａとバヨネット式に係合する案内溝２３にクランプ用段部２３ａよりも低い位置にあるキャップ飛び出し防止用の中間段部２３ｂを設けることにより、キャップ２の開栓時において、内圧によりキャップ２が飛び出すのを確実に防止することができる。
即ち、キャップ２を回動して開栓した場合、図５に示されるように、係合用突起６ａはクランプ用段部２３ａから開放部２３ｃへ直接移動することなく、一旦中間段部２３ｂへ移動することとなる。この中間段部２３ｂは、クランプ用段部２３ａよりも低い位置にあるため、ここでキャップ２が若干浮き上がった状態となり、容器本体内に残存するガスが外部へ放出されることとなる。この時、キャップ２は外方向に飛び出そうとするが、中間段部２３ｂに引っ掛かっているため案内溝２３との係合を解くことができない。この結果、キャップ２の開栓時における内圧によるキャップ２の飛び出しが確実に防止されるのである。
その後、更にキャップ２を回動して係合用突起６ａを開放部２３ｃの位置まで回せば、キャップ２を簡単に取り外すことができるのは勿論である。
【００１１】
また、図６〜図７に示されるように、鍔部２１の下面側には、口金６をシールするＯリング７が装着されており、該Ｏリング７を収納する溝部８には１個または２個以上のガス抜き用縦溝９が形成されている。
これは前述したように、キャップ２の取り外し時において、容器本体内に残存するガスが外部へ放出される際、Ｏリング７を下方向へ押す力が作用して、Ｏリング７を溝部８から脱落させる現象が生じる（図６の矢印参照）。従って、前記ガス抜き用縦溝９を形成することにより、ガス圧をガス抜き用縦溝９を通じて外部へ放出させることとし、Ｏリング７が溝部８から脱落するのを確実に防止するのである。
【００１２】
以上のように本発明では、容器本体１の口部に係合用突起６ａを設けた筒状の口金６を取り付けるとともに、該口金６には前記係合用突起６ａとバヨネット式に係合する案内溝２３を設けたキャップ２を着脱自在に装着したものとしたので、使い終わった場合に、バヨネット式に係合しているキャップ２を回動して簡単に容器本体１から取り外すことができ、噴霧液体を口部から充填後、再びキャップ２を装着し、常法に従ってノズル２ａ側より加圧ガス（圧縮エア）を充填すれば再生スプレーとして再び使用に供することができることとなる。
しかも、係合用突起６ａとバヨネット式に係合する案内溝２３にクランプ用段部２３ａよりも低い位置にあるキャップ飛び出し防止用の中間段部２３ｂを設けてあるので、キャップ２の開栓時において、内圧によりキャップ２が飛び出すのを確実に防止することができることとなる。更には、鍔部２１の下面側には、口金６をシールするＯリング７が装着されているので、Ｏリング７が溝部８から脱落するのも確実に防止することができることとなる。
更に、本発明では加圧ガスとして従来のＬＰＧガスに替えて圧縮エアを用いるようにしたので、容器より放出された場合にも環境にダメージを与えることが全くなく、環境にやさしい商品を提供できることとなる。
【００１３】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は噴霧液体および加圧ガスを安全かつ簡単に再充填することができて、容器本体およびキャップのいずれも捨てることなく再利用を図ることができ、十分に省資源化および廃棄物の削減化等を図り経済性に優れたものである。
よって本発明は従来の問題点を一掃した再充填可能なスプレー容器として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す一部切欠正面図である。
【図２】図１における要部の断面図である。
【図３】容器本体の口部に取り付けた口金を示す斜視図である。
【図４】キャップを示す斜視図である。
【図５】案内溝の展開図である。
【図６】Ｏリングの装着状態を示す断面図である。
【図７】Ｏリングの装着状態を示す平面図である。
【符号の説明】
１ 容器本体
２ キャップ
２ａ ノズル
６ 口金
６ａ 係合用突起
７ Ｏリング
８ 溝部
９ ガス抜き用縦溝
２１ 鍔部
２２ 円筒部
２３ 案内溝
２３ａ クランプ用段部
２３ｂ 中間段部
２３ｃ 開放部

Claims (4)

  1. 容器本体とノズル付きのキャップとからなり、容器本体の口部に係合用突起を設けた筒状の口金を取り付けるとともに、該口金には前記係合用突起とバヨネット式に係合する案内溝を設けたキャップを着脱自在に装着したことを特徴とする再充填可能なスプレー容器。
  2. キャップは、口金の天面部を密封する鍔部と、口金の内部に挿入される円筒部とからなり、該円筒部の外周に案内溝が形成されている請求項１に記載の再充填可能なスプレー容器。
  3. 案内溝は、係合用突起をクランプするためのクランプ用段部と、該クランプ用段部よりも低い位置にあるキャップ飛び出し防止用の中間段部と、係合用突起を取り外すための開放部からなるものである請求項１または２に記載の再充填可能なスプレー容器。
  4. 鍔部の下面側には、口金をシールするＯリングが装着されており、該Ｏリングを収納する溝部には１個または２個以上のガス抜き用縦溝が形成されている請求項２または３に記載の再充填可能なスプレー容器。
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