JP3695149B2 - 転炉の操業方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫化物を主体とする銅精鉱を原料とし、熔錬炉、転炉、及び精製炉で製錬して、銅電解精製に適した精製粗銅とする銅製錬において、特に転炉の操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、硫化物を主体とする銅精鉱を原料とし、銅電解精製に適した精製粗銅とするまでの銅製錬では、まず銅精鉱が熔錬炉で酸化・溶解されて、銅、鉄、硫黄を主体とするカワと、鉄や珪酸を主体とするカラミとに分けられる。熔錬炉で生成したカワは、熔錬炉から抜き取られて転炉に装入される。
【0003】
転炉としては、円筒状で軸を中心に傾転できるPS(ピアゾスミス)型の転炉が一般に使用されている。この転炉では、反応用の空気又は酸素富化空気が羽口から吹き込まれ、更にSiO2を含有する珪酸鉱のようなフラックスが装入されて、カワ中のFeSからFe2SiO4を主体とするカラミとSO2ガスが生成される。この工程を造カン期といい、生成したカラミは炉外へ排出される。
【0004】
引き続き、再び反応用の空気又は酸素富化空気が羽口から転炉に吹き込まれ、更に銅分を多く含む冷材が装入されて、銅品位が98%以上に濃縮した粗銅とSO2ガスが生成される。この工程を造銅期と称し、生成した粗銅は炉外へ排出される。粗銅は次工程である精製炉に装入されて、粗銅中の硫黄や酸素等が除去された精製粗銅とされた後、電解精製用のアノードに鋳造される。
【0005】
この転炉の造銅期では、粗銅と共に造銅期カラミが生成する。即ち、造銅期の転炉には、造カン期で排出するとき転炉に残ったカラミ中の鉄とSiO2、造カン期で生成するCuS主体の白カワ中に1〜2%程度含まれる鉄、及び造銅期に装入される冷材中の鉄がチャージされる。そして、造銅期末期には粗銅中の酸素分圧を上げて硫黄を0.02〜0.5%まで除去するが、このとき転炉中で鉄はFeO・Fe23(マグネタイト)に酸化され、銅の一部はCu2Oに酸化される。これらの酸化物がSiO2と反応して、Cu2O−Fe23−SiO2系の低融点化合物からなる造銅期カラミが生成されるのである。
【0006】
この造銅期カラミは転炉内で粗銅層の上に浮いており、粗銅を排出して炉内の温度が下がった後も、熔体又は極めて流動性の高い半熔体として存在する。この熔体又は半熔体の造銅期カラミが転炉内にあると、次の操業のためにカワを装入したとき、酸化物である造銅期カラミと被酸化物であるカワとが激しく酸化・還元反応を起こし、SO2ガスのみならず、不純物であるPb、Zn、Cd、As等のヒューム(煙)を発生させるため、環境衛生面で好ましくない。
【0007】
カワを装入したとき発生するSO2ガスやヒュームは、除塵工程、洗浄工程、脱硫工程等で処理された後、大気中に放出されている。しかし、大量のガスやヒュームの発生は、これら各ガス処理工程にかかる負荷を大きくするうえ、ガスを吸引するファンのインペラーに付着するスケーリングの原因にもなる。
【0008】
また、上記の酸化・還元反応が急激に起きると、大量に発生したガスやヒュームがガス処理工程の能力を越えてしまうことがあるので、通常数回に分けて行われている転炉へのカワの装入を更に長時間かけて行う必要がある。特に、激しい反応が起こる初回のカワ装入は1時間近くかかることがあるため、カワを装入する天井クレーンの作業を引き延ばすだけでなく、転炉の操業効率そのものを低下させている。
【0009】
尚、上記の酸化・還元反応は、造カン反応を一部削減した形になり、造カン時間を短縮できるメリットのようにも考えられる。しかしながら、近年、生産量拡大のためカワ中の銅品位は高めが指向され、造カン反応の削減は滓化時間の不足や酸化反応熱の不足を助長するといったデメリットの方が大きい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このような造銅期カラミに起因する転炉操業上の問題に対して、以下の方法が取られていた。一つの解決方法は、粗銅を排出する前又は排出した後、造銅期カラミを一旦炉外に排出して、別途処理するか、若しくはカワを装入した後再び転炉に装入する方法がある。しかし、この方法では、転炉から排出した造銅期カラミの処理工程が別に必要になったり、次の操業時に造銅期カラミを転炉に戻すときヒュームの発生が起こるので、何ら根本的解決とならない。
【0011】
また、別の解決方法として、カワの装入時に造銅期カラミと反応して発生するSO2濃度の高いガスを吹錬反応の排ガスを処理する硫酸工場へ送り、吹錬反応の排ガスと混合して硫酸として回収する方法がある。しかしながら、この方法では、処理ガス量が増える分だけ、硫酸工場の処理能力が圧迫される。
【0012】
本発明は、このような従来の事情に鑑み、粗銅排出後の転炉に残った造銅期カラミと次の操業時に装入されるカワとの酸化・還元反応を抑制して、急激で且つ大量のSO2ガスやヒュームの発生を防ぎ、各ガス処理工程の負荷を増加させることなく、効率的な銅製錬を行うことができる転炉の操業方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供する転炉の操業方法は、硫化物を主体とする銅精鉱を原料とし、熔錬炉、転炉、及び精製炉で製錬して、銅電解精製に適した精製粗銅とする銅製錬において、粗銅を排出して造銅期カラミの残った転炉に、次の操業で装入するカワ全量の1トン当たり4〜30kgのフラックスを添加し、転炉内の造銅期カラミと混合してその少なくとも一部を固化させた後、カワを装入して次の操業を開始することを特徴とする。
【0014】
【発明実施の形態】
本発明においては、添加の次の操業を行う前に、粗銅を排出した後の転炉に残っている造銅期カラミに常温のフラックスを添加混合することによって、熔体又は半熔体の造銅期カラミの一部又は全部を固化させる。従って、次の操業のために転炉にカワを装入しても、造銅期カラミの少なくとも一部は固体となっているので、急激な酸化・還元反応が起こることはない。
【0015】
その結果、通常複数回に分けて装入されるカワの装入時のうち、最も激しい酸化・還元反応が起こる初回のカワ装入時においても、従来に比べてSO2ガスの発生量を低減させることができ、且つPb、Zn、Cd、As等のヒュームの発生を殆どなくすことができる。また、転炉に添加するフラックスは、次の操業時に装入するフラックスの一部を使用すればよい。
【0016】
造銅期カラミを固化させるために転炉に添加するフラックスの量は、次の操業で装入するカワ全量の1トン当たり4〜30kgの範囲とする。このフラックスの添加量がカワ1トン当たり4kg未満では、造銅期カラミ量に対して少な過ぎるため、造銅期カラミは殆ど固化されない。また、添加量がカワ1トン当たり30kgを越えると、固化した造銅期カラミとフラックスの混合物が多くなり、炉底部に強固に付着してしまうので、次の操業の造カン期における造銅期カラミの溶解・滓化に支障を来すためである。
【0017】
尚、転炉に残る造銅期カラミ量は測定できないが、前の操業で転炉に装入されたカワ及びフラックスの量や品位から推定することができる。本発明のフラックスの添加量は、このように推定された造銅期カラミ量に対して有効なフラックス量を、物量コントロールが可能な転炉に装入するカワ全量の1トン当たりの量に換算して定めたものである。
【0018】
【実施例】
熔錬炉である自熔炉から産出したカワ230トンを複数回に分けて転炉に装入し、フラックスや冷材を加えて吹錬する転炉の造カン工程と造銅期を終了して、生成した200トンの粗銅を転炉から排出した。この転炉内には、熔体又は半熔体の造銅期カラミが残っていた。
【0019】
次の転炉操業(カワ全量230トン)を行う前に、次の操業に装入する粒径10〜50mmでSiO2品位85%のフラックスのうちの3トン(カワ1トン当たり13kg)を転炉に添加し、転炉を約150度の範囲で正転及び逆転させる傾転を繰り返し、造銅期カラミとフラックスを混合させた。尚、フラックスの添加方法は、装入シュートから装入口に添加するか、又はボートに荷造りして直接装入口に添加した。
【0020】
その後、この転炉に次の操業のためのカワを装入する際に、初回のカワ30トンをレードルを介して転炉に装入したとき、発生するガスを局所フードを介してファンで吸引し、フードに直結するダクトでガス中のSO2濃度を測定した。測定したガス中のSO2濃度の平均値を、初回のカワ30トンの装入時間と共に下記表1に示した。
【0021】
比較のために、粗銅を排出して造銅期カラミの残っている転炉に、フラックスを添加することなく、そのまま初回のカワ30トンを装入して操業する従来の方法も実施した。この場合も、上記と同様にガス中のSO2濃度を測定し、得られた平均値を表1に併せて示した。
【0022】
【表1】
Figure 0003695149
【0023】
上記の結果から分かるように、ケース1の従来の操業方法に比べて、カワ装入前にフラックスを添加した本発明方法によるケース2及びケース3では、転炉への初回のカワ装入時の酸化・還元反応が抑制され、発生するSO2の濃度が大きく低下した。
【0024】
また、フラックスを添加した本発明方法のケース2及びケース3では、ガスやヒュームの発生そのものも少なくなり、初回の及びその後のカワの装入時間を従来よりも短縮することが可能となった。また、吸引ファンの振動増加発生頻度もケース1に比べて2/3に減少し、負荷の低下が確認された。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、粗銅排出後の転炉に残った造銅期カラミを固化させることができるので、次の操業で装入されるカワとの酸化・還元反応を抑制して、急激で且つ大量のSO2ガスやヒュームの発生を防ぎ、各ガス処理工程の負荷を増加させることなく、転炉での効率的な銅製錬を行うことができる。

Claims (1)

  1. 硫化物を主体とする銅精鉱を原料とし、熔錬炉、転炉、及び精製炉で製錬して、銅電解精製に適した精製粗銅とする銅製錬において、粗銅を排出して造銅期カラミの残った転炉に、次の操業で装入するカワ全量の1トン当たり4〜30kgのフラックスを添加し、転炉内の造銅期カラミと混合してその少なくとも一部を固化させた後、カワを装入して次の操業を開始することを特徴とする転炉の操業方法。
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