JPH11350049A - 転炉の操業方法 - Google Patents

転炉の操業方法

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JPH11350049A
JPH11350049A JP16451798A JP16451798A JPH11350049A JP H11350049 A JPH11350049 A JP H11350049A JP 16451798 A JP16451798 A JP 16451798A JP 16451798 A JP16451798 A JP 16451798A JP H11350049 A JPH11350049 A JP H11350049A
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Harumasa Kurokawa
晴正 黒川
Masaru Takebayashi
優 竹林
Osamu Nakano
修 中野
Masatoshi Murakami
真佐逸 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転炉に残った造銅期カラミと次に装入される
カワとの酸化・還元反応を抑制し、SO2ガスやヒュー
ムの発生を抑えて、各ガス処理工程の負荷を低減すると
共に、効率的な銅製錬を実施できる転炉の操業方法を提
供する。 【解決手段】 硫化物を主体とする銅精鉱を原料とし、
熔錬炉、転炉、及び精製炉で製錬して、銅電解精製に適
した精製粗銅とする銅製錬において、粗銅を排出して造
銅期カラミの残った転炉に、次の操業で装入するカワ全
量の1トン当たり4〜30kgのフラックスを添加し、
造銅期カラミと混合して固化させた後、この転炉に初回
のカワを装入して次の操業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫化物を主体とす
る銅精鉱を原料とし、熔錬炉、転炉、及び精製炉で製錬
して、銅電解精製に適した精製粗銅とする銅製錬におい
て、特に転炉の操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、硫化物を主体とする銅精鉱を原料
とし、銅電解精製に適した精製粗銅とするまでの銅製錬
では、まず銅精鉱が熔錬炉で酸化・溶解されて、銅、
鉄、硫黄を主体とするカワと、鉄や珪酸を主体とするカ
ラミとに分けられる。熔錬炉で生成したカワは、熔錬炉
から抜き取られて転炉に装入される。
【0003】転炉としては、円筒状で軸を中心に傾転で
きるPS(ピアゾスミス)型の転炉が一般に使用されて
いる。この転炉では、反応用の空気又は酸素富化空気が
羽口から吹き込まれ、更にSiO2を含有する珪酸鉱の
ようなフラックスが装入されて、カワ中のFeSからF
2SiO4を主体とするカラミとSO2ガスが生成され
る。この工程を造カン期といい、生成したカラミは炉外
へ排出される。
【0004】引き続き、再び反応用の空気又は酸素富化
空気が羽口から転炉に吹き込まれ、更に銅分を多く含む
冷材が装入されて、銅品位が98%以上に濃縮した粗銅
とSO2ガスが生成される。この工程を造銅期と称し、
生成した粗銅は炉外へ排出される。粗銅は次工程である
精製炉に装入されて、粗銅中の硫黄や酸素等が除去され
た精製粗銅とされた後、電解精製用のアノードに鋳造さ
れる。
【0005】この転炉の造銅期では、粗銅と共に造銅期
カラミが生成する。即ち、造銅期の転炉には、造カン期
で排出するとき転炉に残ったカラミ中の鉄とSiO2
造カン期で生成するCuS主体の白カワ中に1〜2%程
度含まれる鉄、及び造銅期に装入される冷材中の鉄がチ
ャージされる。そして、造銅期末期には粗銅中の酸素分
圧を上げて硫黄を0.02〜0.5%まで除去するが、こ
のとき転炉中で鉄はFeO・Fe23(マグネタイト)
に酸化され、銅の一部はCu2Oに酸化される。これら
の酸化物がSiO2と反応して、Cu2O−Fe23−S
iO2系の低融点化合物からなる造銅期カラミが生成さ
れるのである。
【0006】この造銅期カラミは転炉内で粗銅層の上に
浮いており、粗銅を排出して炉内の温度が下がった後
も、熔体又は極めて流動性の高い半熔体として存在す
る。この熔体又は半熔体の造銅期カラミが転炉内にある
と、次の操業のためにカワを装入したとき、酸化物であ
る造銅期カラミと被酸化物であるカワとが激しく酸化・
還元反応を起こし、SO2ガスのみならず、不純物であ
るPb、Zn、Cd、As等のヒューム(煙)を発生さ
せるため、環境衛生面で好ましくない。
【0007】カワを装入したとき発生するSO2ガスや
ヒュームは、除塵工程、洗浄工程、脱硫工程等で処理さ
れた後、大気中に放出されている。しかし、大量のガス
やヒュームの発生は、これら各ガス処理工程にかかる負
荷を大きくするうえ、ガスを吸引するファンのインペラ
ーに付着するスケーリングの原因にもなる。
【0008】また、上記の酸化・還元反応が急激に起き
ると、大量に発生したガスやヒュームがガス処理工程の
能力を越えてしまうことがあるので、通常数回に分けて
行われている転炉へのカワの装入を更に長時間かけて行
う必要がある。特に、激しい反応が起こる初回のカワ装
入は1時間近くかかることがあるため、カワを装入する
天井クレーンの作業を引き延ばすだけでなく、転炉の操
業効率そのものを低下させている。
【0009】尚、上記の酸化・還元反応は、造カン反応
を一部削減した形になり、造カン時間を短縮できるメリ
ットのようにも考えられる。しかしながら、近年、生産
量拡大のためカワ中の銅品位は高めが指向され、造カン
反応の削減は滓化時間の不足や酸化反応熱の不足を助長
するといったデメリットの方が大きい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような造銅
期カラミに起因する転炉操業上の問題に対して、以下の
方法が取られていた。一つの解決方法は、粗銅を排出す
る前又は排出した後、造銅期カラミを一旦炉外に排出し
て、別途処理するか、若しくはカワを装入した後再び転
炉に装入する方法がある。しかし、この方法では、転炉
から排出した造銅期カラミの処理工程が別に必要になっ
たり、次の操業時に造銅期カラミを転炉に戻すときヒュ
ームの発生が起こるので、何ら根本的解決とならない。
【0011】また、別の解決方法として、カワの装入時
に造銅期カラミと反応して発生するSO2濃度の高いガ
スを吹錬反応の排ガスを処理する硫酸工場へ送り、吹錬
反応の排ガスと混合して硫酸として回収する方法があ
る。しかしながら、この方法では、処理ガス量が増える
分だけ、硫酸工場の処理能力が圧迫される。
【0012】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
粗銅排出後の転炉に残った造銅期カラミと次の操業時に
装入されるカワとの酸化・還元反応を抑制して、急激で
且つ大量のSO2ガスやヒュームの発生を防ぎ、各ガス
処理工程の負荷を増加させることなく、効率的な銅製錬
を行うことができる転炉の操業方法を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する転炉の操業方法は、硫化物を主体
とする銅精鉱を原料とし、熔錬炉、転炉、及び精製炉で
製錬して、銅電解精製に適した精製粗銅とする銅製錬に
おいて、粗銅を排出して造銅期カラミの残った転炉に、
次の操業で装入するカワ全量の1トン当たり4〜30k
gのフラックスを添加し、転炉内の造銅期カラミと混合
してその少なくとも一部を固化させた後、カワを装入し
て次の操業を開始することを特徴とする。
【0014】
【発明実施の形態】本発明においては、添加の次の操業
を行う前に、粗銅を排出した後の転炉に残っている造銅
期カラミに常温のフラックスを添加混合することによっ
て、熔体又は半熔体の造銅期カラミの一部又は全部を固
化させる。従って、次の操業のために転炉にカワを装入
しても、造銅期カラミの少なくとも一部は固体となって
いるので、急激な酸化・還元反応が起こることはない。
【0015】その結果、通常複数回に分けて装入される
カワの装入時のうち、最も激しい酸化・還元反応が起こ
る初回のカワ装入時においても、従来に比べてSO2
スの発生量を低減させることができ、且つPb、Zn、
Cd、As等のヒュームの発生を殆どなくすことができ
る。また、転炉に添加するフラックスは、次の操業時に
装入するフラックスの一部を使用すればよい。
【0016】造銅期カラミを固化させるために転炉に添
加するフラックスの量は、次の操業で装入するカワ全量
の1トン当たり4〜30kgの範囲とする。このフラッ
クスの添加量がカワ1トン当たり4kg未満では、造銅
期カラミ量に対して少な過ぎるため、造銅期カラミは殆
ど固化されない。また、添加量がカワ1トン当たり30
kgを越えると、固化した造銅期カラミとフラックスの
混合物が多くなり、炉底部に強固に付着してしまうの
で、次の操業の造カン期における造銅期カラミの溶解・
滓化に支障を来すためである。
【0017】尚、転炉に残る造銅期カラミ量は測定でき
ないが、前の操業で転炉に装入されたカワ及びフラック
スの量や品位から推定することができる。本発明のフラ
ックスの添加量は、このように推定された造銅期カラミ
量に対して有効なフラックス量を、物量コントロールが
可能な転炉に装入するカワ全量の1トン当たりの量に換
算して定めたものである。
【0018】
【実施例】熔錬炉である自熔炉から産出したカワ230
トンを複数回に分けて転炉に装入し、フラックスや冷材
を加えて吹錬する転炉の造カン工程と造銅期を終了し
て、生成した200トンの粗銅を転炉から排出した。こ
の転炉内には、熔体又は半熔体の造銅期カラミが残って
いた。
【0019】次の転炉操業(カワ全量230トン)を行
う前に、次の操業に装入する粒径10〜50mmでSi
2品位85%のフラックスのうちの3トン(カワ1ト
ン当たり13kg)を転炉に添加し、転炉を約150度
の範囲で正転及び逆転させる傾転を繰り返し、造銅期カ
ラミとフラックスを混合させた。尚、フラックスの添加
方法は、装入シュートから装入口に添加するか、又はボ
ートに荷造りして直接装入口に添加した。
【0020】その後、この転炉に次の操業のためのカワ
を装入する際に、初回のカワ30トンをレードルを介し
て転炉に装入したとき、発生するガスを局所フードを介
してファンで吸引し、フードに直結するダクトでガス中
のSO2濃度を測定した。測定したガス中のSO2濃度の
平均値を、初回のカワ30トンの装入時間と共に下記表
1に示した。
【0021】比較のために、粗銅を排出して造銅期カラ
ミの残っている転炉に、フラックスを添加することな
く、そのまま初回のカワ30トンを装入して操業する従
来の方法も実施した。この場合も、上記と同様にガス中
のSO2濃度を測定し、得られた平均値を表1に併せて
示した。
【0022】
【表1】 フラックスの添加 SO2濃度 カワ装入時間ケース 添加量(t) 添加方法 (PPM) (分/30t) 1* なし − 3000 50 2 3 シュート 1000 15 3 3 ボート 1000 15 (注)表中の*を付したケースは比較例(従来方法)である。
【0023】上記の結果から分かるように、ケース1の
従来の操業方法に比べて、カワ装入前にフラックスを添
加した本発明方法によるケース2及びケース3では、転
炉への初回のカワ装入時の酸化・還元反応が抑制され、
発生するSO2の濃度が大きく低下した。
【0024】また、フラックスを添加した本発明方法の
ケース2及びケース3では、ガスやヒュームの発生その
ものも少なくなり、初回の及びその後のカワの装入時間
を従来よりも短縮することが可能となった。また、吸引
ファンの振動増加発生頻度もケース1に比べて2/3に
減少し、負荷の低下が確認された。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、粗銅排出後の転炉に残
った造銅期カラミを固化させることができるので、次の
操業で装入されるカワとの酸化・還元反応を抑制して、
急激で且つ大量のSO2ガスやヒュームの発生を防ぎ、
各ガス処理工程の負荷を増加させることなく、転炉での
効率的な銅製錬を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 真佐逸 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化物を主体とする銅精鉱を原料とし、
    熔錬炉、転炉、及び精製炉で製錬して、銅電解精製に適
    した精製粗銅とする銅製錬において、粗銅を排出して造
    銅期カラミの残った転炉に、次の操業で装入するカワ全
    量の1トン当たり4〜30kgのフラックスを添加し、
    転炉内の造銅期カラミと混合してその少なくとも一部を
    固化させた後、カワを装入して次の操業を開始すること
    を特徴とする転炉の操業方法。
JP16451798A 1998-06-12 1998-06-12 転炉の操業方法 Expired - Lifetime JP3695149B2 (ja)

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