JP2000144272A - 含クロム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法 - Google Patents
含クロム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法Info
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 生産能率が低下せず、熱エネルギの損失もほ
とんどなく、しかも、公害の虞がないスラグを得るこ
と。 【解決手段】 含クロム鋼を電気炉１で溶解する際に生
成されるスラグ４を、溶融状態のままで溶鋼３と共に取
鍋５に移す。取鍋５にクロムや鉄の酸化物を還元するた
めのアルミドロス６を添加する。取鍋５中でスラグ４と
溶鋼３を攪拌する。 【効果】 高温のままスラグ中の金属酸化物、特に酸化
クロムが溶鋼中に高い回収率で回収できるので、メタル
回収後のスラグは、金属酸化物、特にクロム酸化物がほ
とんど含有されなくなって、公害面でも問題はなく、二
次利用ができると共に、次工程での熱エネルギを節減す
ることもできる。また、炉外処理であるので、電気炉の
生産能力を低下させることもない。
とんどなく、しかも、公害の虞がないスラグを得るこ
と。 【解決手段】 含クロム鋼を電気炉１で溶解する際に生
成されるスラグ４を、溶融状態のままで溶鋼３と共に取
鍋５に移す。取鍋５にクロムや鉄の酸化物を還元するた
めのアルミドロス６を添加する。取鍋５中でスラグ４と
溶鋼３を攪拌する。 【効果】 高温のままスラグ中の金属酸化物、特に酸化
クロムが溶鋼中に高い回収率で回収できるので、メタル
回収後のスラグは、金属酸化物、特にクロム酸化物がほ
とんど含有されなくなって、公害面でも問題はなく、二
次利用ができると共に、次工程での熱エネルギを節減す
ることもできる。また、炉外処理であるので、電気炉の
生産能力を低下させることもない。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばステンレス
鋼のような含クロム鋼を、溶解或いは精錬する際に発生
するスラグ中から、クロムや鉄を還元回収する方法に関
するものである。
鋼のような含クロム鋼を、溶解或いは精錬する際に発生
するスラグ中から、クロムや鉄を還元回収する方法に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】電気炉や転炉で、含クロム溶鋼を溶解し
たり、精錬したりする際には、クロムや鉄の酸化物（以
下、「スラグ」という）が生成されるが、このスラグ
は、一般に、(1) 電気炉や転炉の炉内で還元したり、
(2) 冷却した後破砕し、この破砕したスラグを電気炉に
リサイクルしたり、(3) 電気炉にリサイクルせずにその
まま廃棄処分したり、土木用材として使用する、という
処置を実施している。
たり、精錬したりする際には、クロムや鉄の酸化物（以
下、「スラグ」という）が生成されるが、このスラグ
は、一般に、(1) 電気炉や転炉の炉内で還元したり、
(2) 冷却した後破砕し、この破砕したスラグを電気炉に
リサイクルしたり、(3) 電気炉にリサイクルせずにその
まま廃棄処分したり、土木用材として使用する、という
処置を実施している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1) の
方法では、炉内で還元するので、還元時間が別途必要に
なって、電気炉や転炉の生産能率が低下する。また、ス
ラグの流動性が著しく向上するので、炉の耐火物の溶損
が大きくなる。
方法では、炉内で還元するので、還元時間が別途必要に
なって、電気炉や転炉の生産能率が低下する。また、ス
ラグの流動性が著しく向上するので、炉の耐火物の溶損
が大きくなる。
【０００４】また、(2) の方法では、破砕等の後処理が
必要であり、また、スラグを一旦冷却した後にリサイク
ルするので、熱エネルギの損失が大きくなる。また、
(3) の方法では、高価なクロム分を廃棄することになる
ので、資源の無駄や製造コストの悪化につながる。加え
て、高クロム濃度のスラグを廃棄するので、６価クロム
が溶出するという公害問題の発生が懸念される。
必要であり、また、スラグを一旦冷却した後にリサイク
ルするので、熱エネルギの損失が大きくなる。また、
(3) の方法では、高価なクロム分を廃棄することになる
ので、資源の無駄や製造コストの悪化につながる。加え
て、高クロム濃度のスラグを廃棄するので、６価クロム
が溶出するという公害問題の発生が懸念される。
【０００５】なお、上記した(1) 〜(3) の方法が有する
問題を解決するものとして、特許第２６３２６７６号で
は、転炉で発生した酸化クロム含有スラグだけを別の容
器に移した後、還元剤を投入し、攪拌することによっ
て、クロムを還元回収する方法が提案されているが、こ
の方法では、スラグを回収する際に、溶鋼が一部流出し
てしまい、歩留まりが低下する。加えて、クロムは冷却
された後に回収されるので、熱エネルギの損失も大き
い。
問題を解決するものとして、特許第２６３２６７６号で
は、転炉で発生した酸化クロム含有スラグだけを別の容
器に移した後、還元剤を投入し、攪拌することによっ
て、クロムを還元回収する方法が提案されているが、こ
の方法では、スラグを回収する際に、溶鋼が一部流出し
てしまい、歩留まりが低下する。加えて、クロムは冷却
された後に回収されるので、熱エネルギの損失も大き
い。
【０００６】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、生産能率が低下せず、熱エネルギ
の損失もほとんどなく、しかも、公害の虞がないスラグ
を得ることができる含クロム鋼の溶解、精錬時における
クロム、鉄回収方法を提供することを目的としている。
なされたものであり、生産能率が低下せず、熱エネルギ
の損失もほとんどなく、しかも、公害の虞がないスラグ
を得ることができる含クロム鋼の溶解、精錬時における
クロム、鉄回収方法を提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る含クロム鋼の溶解、精錬時におけ
るクロム、鉄回収方法は、生成されるスラグを溶融状態
のままで溶鋼と共に別の容器に移した後、クロムや鉄の
酸化物を還元するための還元剤を添加するか、或いは、
溶融状態のスラグと溶鋼中にクロムや鉄の酸化物を還元
するための還元剤を添加した後、別の容器に移し、この
別容器中でスラグと溶鋼を、上方から浸漬させたランス
を介して不活性ガスを吹込むことにより攪拌する、或い
は、インペラを挿入して機械的に攪拌することとしてい
る。そして、このようにすることで、電気炉や転炉の生
産能率が低下することなく、また、熱エネルギの損失も
ほとんどなく、公害の虞がないスラグを得ることができ
る。
ために、本発明に係る含クロム鋼の溶解、精錬時におけ
るクロム、鉄回収方法は、生成されるスラグを溶融状態
のままで溶鋼と共に別の容器に移した後、クロムや鉄の
酸化物を還元するための還元剤を添加するか、或いは、
溶融状態のスラグと溶鋼中にクロムや鉄の酸化物を還元
するための還元剤を添加した後、別の容器に移し、この
別容器中でスラグと溶鋼を、上方から浸漬させたランス
を介して不活性ガスを吹込むことにより攪拌する、或い
は、インペラを挿入して機械的に攪拌することとしてい
る。そして、このようにすることで、電気炉や転炉の生
産能率が低下することなく、また、熱エネルギの損失も
ほとんどなく、公害の虞がないスラグを得ることができ
る。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明に係る含クロム鋼の溶解、
精錬時におけるクロム、鉄回収方法は、含クロム鋼を電
気炉又は転炉で溶解或いは精錬する際に生成されるスラ
グを、溶融状態のままで溶鋼と共に別の容器に移した
後、クロムや鉄の酸化物を還元するための還元剤を添加
するか、或いは、溶融状態のスラグと溶鋼中にクロムや
鉄の酸化物を還元するための還元剤を添加した後、別の
容器に移し、この別容器中でスラグと溶鋼を、上方から
浸漬させたランスを介して不活性ガスを吹込むことによ
り攪拌する、或いは、インペラを挿入して機械的に攪拌
することを要旨とするもので、攪拌手段として不活性ガ
スを吹き込む場合には、溶鋼１トン当たり０．５Ｎｍ3
／Ｈｒ以上の流量の不活性ガスを吹き込むことが望まし
い。
精錬時におけるクロム、鉄回収方法は、含クロム鋼を電
気炉又は転炉で溶解或いは精錬する際に生成されるスラ
グを、溶融状態のままで溶鋼と共に別の容器に移した
後、クロムや鉄の酸化物を還元するための還元剤を添加
するか、或いは、溶融状態のスラグと溶鋼中にクロムや
鉄の酸化物を還元するための還元剤を添加した後、別の
容器に移し、この別容器中でスラグと溶鋼を、上方から
浸漬させたランスを介して不活性ガスを吹込むことによ
り攪拌する、或いは、インペラを挿入して機械的に攪拌
することを要旨とするもので、攪拌手段として不活性ガ
スを吹き込む場合には、溶鋼１トン当たり０．５Ｎｍ3
／Ｈｒ以上の流量の不活性ガスを吹き込むことが望まし
い。
【０００９】本発明に係る含クロム鋼の溶解、精錬時に
おけるクロム、鉄回収方法において添加する還元剤は、
スラグ中のクロムや鉄を還元できるものであれば、Ａｌ
やＳｉ等適宜のものが採用される。還元剤として例えば
Ａｌを使用する場合にも、Ａｌ缶の屑やＡｌドロス等、
Ａｌを含むものであればどのようなものでも良い。
おけるクロム、鉄回収方法において添加する還元剤は、
スラグ中のクロムや鉄を還元できるものであれば、Ａｌ
やＳｉ等適宜のものが採用される。還元剤として例えば
Ａｌを使用する場合にも、Ａｌ缶の屑やＡｌドロス等、
Ａｌを含むものであればどのようなものでも良い。
【００１０】例えば還元剤としてＡｌやＳｉを添加した
場合には、スラグ中のクロムや鉄がＡｌやＳｉと反応し
て、下記の化学式１或いは化学式２に示すように反応
し、スラグ中に金属Ｃｒや金属Ｆｅが析出する。
場合には、スラグ中のクロムや鉄がＡｌやＳｉと反応し
て、下記の化学式１或いは化学式２に示すように反応
し、スラグ中に金属Ｃｒや金属Ｆｅが析出する。
【００１１】
【化１】Ｃｒ2Ｏ3＋２Ａｌ＝２Ｃｒ＋Ａｌ2Ｏ3＋１３
０．５ｋｃａｌ／ｍｏｌ ３ＦｅＯ＋２Ａｌ＝３Ｆｅ＋Ａｌ2Ｏ3
０．５ｋｃａｌ／ｍｏｌ ３ＦｅＯ＋２Ａｌ＝３Ｆｅ＋Ａｌ2Ｏ3
【００１２】
【化２】２Ｃｒ2Ｏ3＋３Ｓｉ＝４Ｃｒ＋３ＳｉＯ2＋８
８．９ｋｃａｌ／ｍｏｌ ２ＦｅＯ＋Ｓｉ＝２Ｆｅ＋ＳｉＯ2
８．９ｋｃａｌ／ｍｏｌ ２ＦｅＯ＋Ｓｉ＝２Ｆｅ＋ＳｉＯ2
【００１３】これらの金属Ｃｒや金属Ｆｅはスラグより
も比重が大きいので沈降し、溶鋼中に吸収、回収され
る。そして、金属Ｃｒや金属Ｆｅが析出する還元反応
は、前記化学式１或いは化学式２で示したように、発熱
反応であるため、熱エネルギの損失はほとんどない。
も比重が大きいので沈降し、溶鋼中に吸収、回収され
る。そして、金属Ｃｒや金属Ｆｅが析出する還元反応
は、前記化学式１或いは化学式２で示したように、発熱
反応であるため、熱エネルギの損失はほとんどない。
【００１４】また、本発明に係る含クロム鋼の溶解、精
錬時におけるクロム、鉄回収方法において、スラグと溶
鋼を攪拌する手段は、スラグ中の酸化物を還元剤で還元
できる程度に攪拌できるものであれば、例えば窒素やア
ルゴンガス等の不活性ガスを吹き込んでも、また、イン
ペラを挿入して回転させても良い。不活性ガスを吹き込
む場合には、溶鋼の上方から浸漬させたランスを介して
供給すれば良い。
錬時におけるクロム、鉄回収方法において、スラグと溶
鋼を攪拌する手段は、スラグ中の酸化物を還元剤で還元
できる程度に攪拌できるものであれば、例えば窒素やア
ルゴンガス等の不活性ガスを吹き込んでも、また、イン
ペラを挿入して回転させても良い。不活性ガスを吹き込
む場合には、溶鋼の上方から浸漬させたランスを介して
供給すれば良い。
【００１５】この攪拌時、不活性ガスを吹き込んで攪拌
する場合には、３〜１０分の時間を必要とするが、この
攪拌は電気炉や転炉中で行うのではなく、別の容器で行
うので、電気炉や転炉の生産能率は低下しない。
する場合には、３〜１０分の時間を必要とするが、この
攪拌は電気炉や転炉中で行うのではなく、別の容器で行
うので、電気炉や転炉の生産能率は低下しない。
【００１６】また、攪拌手段として不活性ガスを吹き込
む場合には、本発明者の実験によれば、溶鋼１トン当た
り０．５Ｎｍ3／Ｈｒ以上の流量を吹き込むことが望ま
しい。溶鋼１トン当たり０．５Ｎｍ3／Ｈｒ未満の流量
であれば、スラグと溶鋼を攪拌する力が弱く、スラグ中
の酸化物を還元剤で還元する化学反応が弱くなるからで
ある。
む場合には、本発明者の実験によれば、溶鋼１トン当た
り０．５Ｎｍ3／Ｈｒ以上の流量を吹き込むことが望ま
しい。溶鋼１トン当たり０．５Ｎｍ3／Ｈｒ未満の流量
であれば、スラグと溶鋼を攪拌する力が弱く、スラグ中
の酸化物を還元剤で還元する化学反応が弱くなるからで
ある。
【００１７】
【実施例】以下、本発明に係る含クロム鋼の溶解、精錬
時におけるクロム、鉄回収方法を図１及び図２に示す一
実施例に基づいて説明する。図１は本発明に係る含クロ
ム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法の第一
実施例を順を追って示す図、図２は本発明に係る含クロ
ム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法の第二
実施例を順を追って示す図である。
時におけるクロム、鉄回収方法を図１及び図２に示す一
実施例に基づいて説明する。図１は本発明に係る含クロ
ム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法の第一
実施例を順を追って示す図、図２は本発明に係る含クロ
ム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法の第二
実施例を順を追って示す図である。
【００１８】図１において、１は例えば電気炉であり、
クロムを含有する屑や合金鉄を装入し、この屑や合金鉄
と電極２の間にアークを発生させて屑や合金鉄を溶解す
る。以下、溶解した屑や合金鉄を溶鋼３というが、この
溶解時、クロムや鉄の酸化物であるスラグ４が生成され
る（図１（ａ）参照）。
クロムを含有する屑や合金鉄を装入し、この屑や合金鉄
と電極２の間にアークを発生させて屑や合金鉄を溶解す
る。以下、溶解した屑や合金鉄を溶鋼３というが、この
溶解時、クロムや鉄の酸化物であるスラグ４が生成され
る（図１（ａ）参照）。
【００１９】従って、本発明では、前記生成されたスラ
グ４を、図１（ｂ）に示すように、溶融状態のままで溶
鋼３と共に別の容器例えば溶鋼用取鍋５に移した後、こ
の取鍋５に例えば金属Ａｌ含有のアルミドロス６を添加
し、その後、例えば図１（ｃ）に示すように、ランス７
を介して溶鋼３中に浸漬させ、溶鋼１トン当たり０．５
Ｎｍ3／Ｈｒ以上の流量のアルゴンガス８を吹き込む
か、或いは、図１（ｄ）に示すように、インペラ９を溶
鋼３中に挿入してインペラ９を回転させたりして、取鍋
５中のスラグ４と溶鋼３を攪拌するのである。
グ４を、図１（ｂ）に示すように、溶融状態のままで溶
鋼３と共に別の容器例えば溶鋼用取鍋５に移した後、こ
の取鍋５に例えば金属Ａｌ含有のアルミドロス６を添加
し、その後、例えば図１（ｃ）に示すように、ランス７
を介して溶鋼３中に浸漬させ、溶鋼１トン当たり０．５
Ｎｍ3／Ｈｒ以上の流量のアルゴンガス８を吹き込む
か、或いは、図１（ｄ）に示すように、インペラ９を溶
鋼３中に挿入してインペラ９を回転させたりして、取鍋
５中のスラグ４と溶鋼３を攪拌するのである。
【００２０】また、アルミドロス６の添加時期は、図１
で説明した時期に限らず、図２（ｂ）に示すように、電
気炉１内の溶融状態のスラグ４と溶鋼３中に添加しても
良い。なお、アルミドロス６の添加量は、スラグ４中の
クロムや鉄の酸化物のうち、還元させる量によって適宜
決定する。
で説明した時期に限らず、図２（ｂ）に示すように、電
気炉１内の溶融状態のスラグ４と溶鋼３中に添加しても
良い。なお、アルミドロス６の添加量は、スラグ４中の
クロムや鉄の酸化物のうち、還元させる量によって適宜
決定する。
【００２１】以下、本発明方法の効果を確認するために
行った実験結果について説明する。電気炉によって、
屑、合金鉄等を溶解して、１８％Ｃｒ−８％Ｎｉステン
レス鋼を溶製する際に、電気炉で８０トンの溶鋼を溶解
した後、スラグと溶鋼を取鍋に排出した。排出終了後、
取鍋内のスラグ及び溶鋼を採取し、その組成を分析し
た。
行った実験結果について説明する。電気炉によって、
屑、合金鉄等を溶解して、１８％Ｃｒ−８％Ｎｉステン
レス鋼を溶製する際に、電気炉で８０トンの溶鋼を溶解
した後、スラグと溶鋼を取鍋に排出した。排出終了後、
取鍋内のスラグ及び溶鋼を採取し、その組成を分析し
た。
【００２２】その後、上部から還元剤として、Ａｌ又は
Ａｌ含有物、ＦｅＳｉ合金を投入した後、上方からラン
スを溶鋼中に浸漬させ、不活性ガスを吹き込んで溶鋼と
スラグを攪拌した。攪拌後、再度取鍋内のスラグと溶鋼
を採取し、その組成を分析した。不活性ガスの種類、吹
込み量、吹込み時間、還元剤の種類と量、不活性ガス吹
込み前後のスラグ、溶鋼の組成の分析値を下記表１に示
す。
Ａｌ含有物、ＦｅＳｉ合金を投入した後、上方からラン
スを溶鋼中に浸漬させ、不活性ガスを吹き込んで溶鋼と
スラグを攪拌した。攪拌後、再度取鍋内のスラグと溶鋼
を採取し、その組成を分析した。不活性ガスの種類、吹
込み量、吹込み時間、還元剤の種類と量、不活性ガス吹
込み前後のスラグ、溶鋼の組成の分析値を下記表１に示
す。
【００２３】
【表１】
【００２４】上記表１より、本発明方法によれば、スラ
グ中の金属酸化物、特に酸化クロムが溶鋼中に高い回収
率で回収できるのが判る。これは、特に不活性ガスの吹
込み流量が溶鋼１トン当たり０．５Ｎｍ3／Ｈｒ以上の
場合（Ｎｏ．１、Ｎｏ．２、Ｎｏ．４、Ｎｏ．５）に
は、より顕著であった。また、本発明方法によって得た
メタル回収後のスラグは、金属酸化物、特にクロム酸化
物が数％まで低下されるので、公害面でも問題はなく、
二次利用ができる。なお、Ｎｏ．３の場合は、Ｎｏ．
１，Ｎｏ．２，Ｎｏ．４，Ｎｏ．５の場合と比べて攪拌
ガス流量が少ないため、酸化クロムの還元がＮｏ．１、
Ｎｏ．２、Ｎｏ．４、Ｎｏ．５の場合よりも若干悪かっ
た。
グ中の金属酸化物、特に酸化クロムが溶鋼中に高い回収
率で回収できるのが判る。これは、特に不活性ガスの吹
込み流量が溶鋼１トン当たり０．５Ｎｍ3／Ｈｒ以上の
場合（Ｎｏ．１、Ｎｏ．２、Ｎｏ．４、Ｎｏ．５）に
は、より顕著であった。また、本発明方法によって得た
メタル回収後のスラグは、金属酸化物、特にクロム酸化
物が数％まで低下されるので、公害面でも問題はなく、
二次利用ができる。なお、Ｎｏ．３の場合は、Ｎｏ．
１，Ｎｏ．２，Ｎｏ．４，Ｎｏ．５の場合と比べて攪拌
ガス流量が少ないため、酸化クロムの還元がＮｏ．１、
Ｎｏ．２、Ｎｏ．４、Ｎｏ．５の場合よりも若干悪かっ
た。
【００２５】従って、スラグを廃棄していた従来法と比
較すると、ステンレス鋼の製造原価を低減させることが
できる。また、酸化クロム含有スラグを別容器に移して
メタル分を回収する方法や、冷却した後破砕して電気炉
原料に再利用していた従来法と比較すると、本発明法で
は、高温のまま処理、回収できるので、次工程での熱エ
ネルギも節減できる。さらに、炉外処理であるので、電
気炉の生産能力を低下させることもない。
較すると、ステンレス鋼の製造原価を低減させることが
できる。また、酸化クロム含有スラグを別容器に移して
メタル分を回収する方法や、冷却した後破砕して電気炉
原料に再利用していた従来法と比較すると、本発明法で
は、高温のまま処理、回収できるので、次工程での熱エ
ネルギも節減できる。さらに、炉外処理であるので、電
気炉の生産能力を低下させることもない。
【００２６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温のままスラグ中の金属酸化物、特に酸化クロムが溶
鋼中に高い回収率で回収できるので、メタル回収後のス
ラグは、金属酸化物、特にクロム酸化物がほとんど含有
されなくなって、公害面でも問題はなく、二次利用がで
きると共に、次工程での熱エネルギを節減することもで
きる。また、炉外処理であるので、電気炉の生産能力を
低下させることもない。
高温のままスラグ中の金属酸化物、特に酸化クロムが溶
鋼中に高い回収率で回収できるので、メタル回収後のス
ラグは、金属酸化物、特にクロム酸化物がほとんど含有
されなくなって、公害面でも問題はなく、二次利用がで
きると共に、次工程での熱エネルギを節減することもで
きる。また、炉外処理であるので、電気炉の生産能力を
低下させることもない。
【図１】本発明に係る含クロム鋼の溶解、精錬時におけ
るクロム、鉄回収方法の第一実施例を順を追って示す図
である。
るクロム、鉄回収方法の第一実施例を順を追って示す図
である。
【図２】、図２は本発明に係る含クロム鋼の溶解、精錬
時におけるクロム、鉄回収方法の第二実施例を順を追っ
て示す図である。
時におけるクロム、鉄回収方法の第二実施例を順を追っ
て示す図である。
１ 電気炉 ３ 溶鋼 ４ スラグ ５ 取鍋 ６ アルミドロス ７ ランス ８ アルゴンガス ９ インペラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ２２Ｂ 9/10 １０１ Ｃ２２Ｂ 9/10 １０１ (72)発明者 綱島 雄二郎 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 Ｆターム(参考） 4K001 AA08 AA10 BA12 CA16 EA03 EA13 GA18 GB03 GB05 HA02 HA03 4K002 AA10 AB10 AC05 AE05 4K013 AA02 CA02 CA12 CC04 CC09 CF02 CF13 EA19 EA28 4K014 AC08 CB03 CD18 CD19
Claims (2)
- 【請求項１】 含クロム鋼を電気炉又は転炉で溶解或い
は精錬する際に生成されるスラグを、溶融状態のままで
溶鋼と共に別の容器に移した後、クロムや鉄の酸化物を
還元するための還元剤を添加するか、或いは、溶融状態
のスラグと溶鋼中にクロムや鉄の酸化物を還元するため
の還元剤を添加した後、別の容器に移し、この別容器中
でスラグと溶鋼を、上方から浸漬させたランスを介して
不活性ガスを吹込むことにより攪拌する、或いは、イン
ペラを挿入して機械的に攪拌することを特徴とする含ク
ロム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法。 - 【請求項２】 上方から浸漬させたランスを介して、溶
鋼１トン当たり０．５Ｎｍ3／Ｈｒ以上の流量の不活性
ガスで別容器中のスラグと溶鋼を攪拌することを特徴と
する請求項１記載の含クロム鋼の溶解、精錬時における
クロム、鉄回収方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31038598A JP2000144272A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 含クロム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31038598A JP2000144272A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 含クロム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000144272A true JP2000144272A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18004628
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31038598A Pending JP2000144272A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 含クロム鋼の溶解、精錬時におけるクロム、鉄回収方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000144272A (ja) |
Cited By (6)
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1998
- 1998-10-30 JP JP31038598A patent/JP2000144272A/ja active Pending
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