JP4778501B2 - 含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法 - Google Patents

含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法 Download PDF

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Description

本発明は、含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法に関し、より具体的には、ステンレス製鋼工程中、電気炉スラグに含有されたクロムなどの有価金属を回収するとき、その回収率を向上できるように、粉体アルミニウムドロスを吹き込む、含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法に関する。
一般的に、ステンレス鋼の精錬過程を含む製鋼工程は、電気炉−精錬炉−成分の微調整−連続鋳造の工程からなる。また、ステンレス鋼の市場需要に柔軟に対処するため、電気炉をはじめとする生産方式が、より一般的に普及している。
電気炉による溶鋼の製造は、大きく分けて、スクラップ及び合金鉄を溶解する方式と、溶銑及びスクラップを混合して溶解する方式とに分けられる。しかし、ステンレス鋼のような高級鋼の場合、品質の面を考慮して、不純物の含有量がより少ない高級スクラップ及び合金鉄のみを使用して電気炉で溶解する方式が、主流となっている。しかし、この場合は、価格の安い溶銑を使用する場合に比べ、コスト負担が高いことから、クロムのような有価金属を含む副生成物の効率的な還元及び回収が必要であり、このため、様々な方法が提案されている。特に、クロムの場合は、6価クロムの形態で溶出されることから、環境汚染を引き起こす問題があるため、必ずスラグから除去されなければならない。
ステンレス鋼は、成分の特性上、10%以上のクロム成分を含有しており、クロム成分は、鉄(Fe)よりも酸素との親和力が大きいため、1500°C以上の高温で行われる製鋼工程では、クロム成分の酸化が必然的に発生する。
また、電気炉の場合、スクラップの溶解を促進させるため、酸素を必須的に吹き込むため、ステンレス溶鋼の製造の際に多量のクロム成分が酸化してスラグ化される。
電気炉を用いたステンレス鋼の製造過程で、副生成物として発生するスラグ中の酸化クロム含有量は、約5%〜30%の範囲という高い水準である。そこで、製造費用を低減するか、または資源をより効率的に用いるために、合金鉄及びスクラップが溶解された後、この溶鋼の温度を上げる昇熱期内にケイ素鉄(Fe−Si)やアルミニウムなどの還元剤を添加し、スラグ中のクロム酸化物を溶鋼中に還元することが、一般的である。
前記昇熱期に存在するスラグ中の酸化クロムは、溶鋼中の成分であるケイ素(Si)または炭素により一部還元される。しかし、一般的に、電気炉の電力使用量を低減しながら溶鋼の温度を上げるため、昇熱期に多量の酸素を溶鋼内に吹き込むため、溶鋼中のケイ素または炭素によるクロム還元量は、酸素による酸化量に比べて微々の水準である。
また、還元剤として使用されるケイ素鉄やアルミニウムの場合、価格が高いため、使用量が制約的で、逆にコスト上昇の原因になることもある。そのため、酸素の吹き込み中にクロムの酸化を抑制しようとする試みがあった。
韓国公開特許第2005−0109763号公報(特許文献1)には、ステンレス製鋼電気炉スラグ中の有価金属を回収するにあたり、バーナーを用いてスラグの温度を上昇させることにより、有価金属の還元反応に有利な高温の液状状態に維持させる方法が開示されている。しかし、この方法により、クロム酸化は抑制可能であるが、還元剤を必須的に使用するため、その効果は大きくない。このような別途の還元過程を経ていないスラグは、溶鋼と共に出湯されて排滓され、製鋼工程以外の別途の工程を通じてのみクロムを回収することができる。
また、日本特開2001−316712号公報(特許文献2)には、電気炉の電極の少なくとも1つ以上を中空電極とし、アルミニウム、アルミニウムドロス、炭素などの還元剤を、中空電極を介して不活性ガスと共に吹き込んでスラグ中のクロム酸化物を還元させる方法が開示されている。この方法は、中空電極を用いるため、適用には限界がある。
そして、韓国公開特許第2000−0021329号公報(特許文献3)には、電気炉に粉体炭素を吹き込むことにより、有価金属の回収及びスラグフォーミングを誘導する方法が開示されている。しかし、この場合、クロム酸化物と炭素との反応は、低温では発生しにくく、還元速度が遅いという問題がある。
また、韓国公開特許第1998−047211号公報(特許文献4)には、電気炉出湯後、取鍋でガスの攪伴によりクロムを回収する方法を開示している。しかし、この方法は、出湯中に排滓されるスラグ中のクロムの損失が大きいという短所がある。排滓されたスラグの有価金属の回収のための後処理は、破砕−水選−磁選−浮遊選鉱などといった、費用及び時間を要する工程を経るようになるため、ステンレス製鋼工程の費用を上昇させる要因のひとつになる。したがって、できるだけ多量のクロムを排滓前の溶融スラグから回収することが、経済面で非常に有利である。
一般に、電気炉で作られた溶鋼を出湯する前、溶鋼1トンあたり2kg〜3kgの範囲のケイ素鉄(Fe−Si)合金を投入し、次の反応により、クロムを含む有価金属の一部を回収している。
(反応式1)
(Cr23)+[Si]=(SiO2)+[Cr]
(反応式2)
(MnO)+[Si]=(SiO2)+[Mn]
(反応式3)
(FeO)+[Si]=(SiO2)+[Fe]
電気炉の溶鋼に投入されたケイ素鉄合金は、溶鋼に溶解することでシリコン含有量を高めるが、これは、溶鋼及びスラグの界面反応により、スラグ中のクロムを還元する。しかし、ケイ素鉄を還元剤として使用する場合、溶鋼中に吹き込む酸素により、ほとんどのケイ素が酸化する。したがって、クロムの還元に使用されるケイ素は、投入量の50%にも達しない。また、スラグ中のクロムの回収率を高めるため、ケイ素を多量添加する場合、酸化ケイ素(SiO2)が多量発生することから、スラグの塩基度(CaO/SiO2)を低下させ、スラグの流動性を悪化させる。したがって、作業効率が低下し、スラグ中のクロム酸化物の還元時に不利な条件となる。
ステンレス鋼の製造コスト節減の面で、高価なクロムを含む有価金属の回収率を高めるためには、従来のケイ素鉄よりも高効率の還元剤の使用が求められるのが、実情である。
韓国公開特許第2005−0109763号公報 日本特開2001−316712号公報 韓国公開特許第2000−0021329号公報 韓国公開特許第1998−047211号公報
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされた発明であり、その目的は、ステンレス電気炉スラグ中に含有されたクロムを低濃度まで効率的に還元及び回収することができる、含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法は、ステンレス製鋼工程中、電気炉スラグに含有されたクロムを還元させる工程において、スラグを液状に維持しつつ、粉体アルミニウムドロスの投入量を、溶鋼1トンあたり10kg〜20kgの範囲、または
Figure 0004778501
式を満すように、電気炉スラグ中に吹き込む。
好ましくは、前記粉体アルミニウムドロスを吹き込むとき、その粒度は、1mm〜5mmの範囲であり、窒素(N)またはアルゴン(Ar)ガスのうちの少なくとも1つの不活性ガスと共に、軟鋼管を介して吹き込む。また、その吹き込み量は、スラグ中のクロムを還元する化学当量以上の量を吹き込む。また、前記粉体アルミニウムドロスの吹き込みは、電気炉操業中、酸素の吹き込みが終わった時点、または電気炉の積算電力300kW/〜400kW/tonの範囲の時点で行われ、さらに、前記電気炉スラグの塩基度を、1.1〜1.7の範囲に調整し、スラグ中のアルミナ含有量を、10%以上に維持する。
また、本発明に係る含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法は、前記電気炉のスラグ中のクロムを、粉体アルミニウムドロスを吹き込んでアルミニウム成分に還元させるステップと、前記粉体アルミニウムドロス中のアルミナ(Al23)成分及びスラグ塩基度を調整し、前記電気炉のスラグ流動性を増加させるステップとを含む。
ここで、前記電気炉のスラグ中の有価金属を粉体アルミニウムドロス中のアルミニウム成分に還元させるステップは、前記粉体アルミニウムドロスの粒度を、1mm〜5mmの範囲とし、吹き込み量を、スラグ中のクロムを還元する化学当量以上とし、前記粉体アルミニウムドロスの吹き込み時期を、酸素の吹き込みが終わった時点、または電気炉の積算電力300kW/ton〜400kW/tonの範囲とする。前記粉体アルミニウムドロスの吹き込みは、軟鋼管をスラグ中に挿入し、キャリアとして、窒素(N)またはアルゴン(Ar)のうちの少なくとも1つの不活性ガスを用いる。また、前記スラグ流動性を増加させるステップは、前記電気炉スラグの塩基度を、1.1〜1.7の範囲に調整し、前記スラグ中のアルミナ濃度を、10%以上とすることを特徴とする。
一方、非鉄分野において、アルミニウムの精錬中、精錬スラグとして相当量発生しているアルミニウムドロスを工業的に使用することは、廃棄物の活用及び環境配慮の面で好ましい。
以上のように本発明の含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法によると、アルミニウムドロスの吹き込みを行うことにより、ステンレス電気炉スラグ中に含有された酸化クロムの還元及びクロムの回収率を増大させることができる。そして、従来の還元剤よりも割安な粉体アルミニウムドロスを使用することにより、ステンレス製鋼工程のコストを節減することができる。
以下では、本発明の実施例を示す図面を参照して、本発明に係る含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法を具体的に説明する。
図1は、一般的なステンレス電気炉(EAF:Electric Arc Furnace)工程を示す模式図であり、図2は、ステンレス電気炉工程中におけるスラグ中のクロムの損失率を示すグラフである。
図1に示すように、電気炉操業には、一般的に、2回〜3回の原料装入のステップがある。これは、屑鉄状態の鉄が、溶解された状態の鉄に比べて数十倍の体積を有するからである。1次装入時、出湯量の約50%に該当する屑鉄及び合金鉄を電気炉に投入後、通電させ、1次溶解を行う。その後、通電を中止し、電気炉ループを開けて残りの屑鉄及び合金鉄の2次装入を行う。引き続き、再通電させ、屑鉄及び合金鉄が完全に溶解されると、通電量を減少させる。その後、酸素を吹き込み、溶解された鉄の温度を目標値まで上昇させる昇熱期を経て出湯する。
前述の電気炉操業中に、溶湯は常に大気と接触しているため、クロムが酸化して溶鋼成分の損失をもたらす。そのため、これらの還元剤としてケイ素鉄(FeSi)を使用するが、それにもかかわらず、図2のように、スラグ、スカル、ダストなどの形態でクロムの損失が発生する。このうち、酸化したクロムがスラグに流入して損失する部分の占める比率が絶対的に多く、これを還元させることで有価金属を回収することが、切実に求められる。
スラグ中の有価金属の回収を極大化するためには、還元剤の性能及び形状のみならず、流動性に優れたスラグ組成及び溶鋼の温度を併せて考慮しなければならない。
まず、スラグ中に含有されているクロム酸化物は、アルミニウムドロス中のアルミニウム成分により、熱力学的に還元可能である。
(反応式4)
(Cr23)+2Al(l)=2Cr(s)+(Al23
(反応式5)
3(MnO)+2Al(l)=3Mn(l)+(Al23
(反応式6)
3(FeO)+2Al(l)=3Fe(l)+(Al23
これにより、ステンレス電気炉のスラグに含有されている有価金属の酸化物は、溶鋼及びスラグが形成される温度(約1600°C)でアルミニウムと接触したとき、上記のような反応を起こして還元され得る。しかし、ステンレス電気炉操業では、生産性を考慮して、溶解時間を最大限短縮しているため、上記反応の速度が遅い場合、実際の適用は困難となる。
このようなスラグ中の元素の還元反応速度は、スラグ中の有価金属酸化物の物質移動速度と還元物質との接触面積に比例する。したがって、スラグの攪伴による物質移動速度の増加、またはアルミニウムドロスの表面積の増加による反応面積の増加が、有価金属の還元速度の増加に重要な要素として作用する。
反応面積の増加のためには、吹き込まれる炭素の表面積を拡大することが、よい手段となり、このためには、粒度の小さな粉体を使用しなければならない。
したがって、反応速度の面をみると、アルミニウムドロスの粒度が5mm以上になると、それより小さな粒度のアルミニウムドロスより不利である。また、アルミニウムドロス中に存在するアルミニウム以外のその他の成分は、その含有量に応じてスラグと反応し、スラグの物性を変化させることにより、酸化クロムの還元を妨げる可能性がある。したがって、還元剤の役割を果たすアルミニウム成分の含有量が小さくなるほど、それだけ還元反応には不利である。そこで、本発明の実施例では、アルミニウムドロス中のアルミニウム成分の含有量を30%以上に、粒度を1mm〜5mmの範囲に制限した。
図3は、スラグ組成に応じたスラグの粘度変化を示す図である。
上記反応のように、アルミニウムにより有価金属酸化物が還元される場合に発生するアルミナ(Al23)成分は、同図に示すように、スラグの粘度を下げて流動性を増加させる役割を果たす。これにより、酸化物の物質移動速度を増加させ、還元反応速度をより一層増加させることができる。
一方、粉体アルミニウムドロスをスラグ層に吹き込んで酸化物と接触させるためには、発火性のない不活性気体(窒素またはアルゴン)を使用しなければならず、さらに、スラグの深さに応じた圧力を耐えるためには、一定水準以上の気体圧力を必要とする。本発明では、作業開口から電極の設けられた炉中心を向けて粉体アルミニウムドロス吹き込み用軟鋼管を挿入し、3bar〜4barの範囲の窒素ガスを用いて、粉体を2インチの軟鋼管を介してスラグ内に吹き込んだ。
図4は、本発明に係る電気炉の粉体アルミニウムドロス吹き込み用軟鋼管を示す平面図である。
同図に示すように、電気炉1においてアルミニウムドロスを吹き込む位置は、酸素吹き込み管3ではなく、粉体アルミニウムドロス吹き込み用軟鋼管4である。そして、粉体アルミニウムドロスと共に、アルゴンまたは窒素ガスを吹き込んでスラグの攪伴を助長することにより、還元反応速度を増加させる。電気炉1の設備は、電極2を備えるが、3本の上部電極棒で構成され、電気炉1内に屑鉄を装入させた後、電流を通電させ、このとき発生するアーク熱などの高熱で屑鉄の溶解作業を行う。
一般的に、電気炉でスクラップを溶解し、一定温度の溶鋼を得るためには、ステンレス鋼の場合、約420kW/tonの投入電力が必要である。例えば、容量が90トンの電気炉でスクラップ及び合金鉄の溶解を行う場合、300kW/tonの投入電力は、スクラップ及び合金鉄の溶解に用いられ、その後、120kW/tonの電力は、溶鋼及びスラグの温度を1600°Cまで上昇させるのに用いられる。
前者の時期を溶解期、後者の時期を昇熱期という。スラグ中のクロムを還元させるためには、昇熱期に還元剤を投入しなければならないが、昇熱期には、投入電力を低減し、スラグ及び溶鋼の攪拌を助長するために酸素を吹き込むことから、還元剤の投入時期をできるだけ遅らせることが好ましい。他の還元剤の場合、スラグと還元剤とが接触して有価金属の還元反応が起きるまでには、十分な反応時間が必要となる。しかし、アルミニウムによるクロムの還元反応は、速度の面で非常に速く起きることから、投入時期を、酸素の吹き込みが終わった時点に遅らせても、十分な還元反応を期待することができる。
アルミニウムドロスの投入量は、スラグ中のクロムを還元する化学当量以上にするため、溶鋼1トンあたり10kg〜20kgの範囲、または(数3)を満すようにすることが好ましい。
Figure 0004778501
一方、スラグとアルミニウムドロスとの反応速度をより速くするためには、スラグが液状状態を維持しつつ、スラグの流動性(粘度)が十分に確保されなければならない。図3に示すように、スラグの流動性は、塩基度(CaO/SiO2)が1.1〜1.7の範囲であり、スラグのアルミナ含有量が10%以上のときに最も高い。このようなスラグの流動性は、反応速度を増加させるばかりでなく、還元された有価金属が溶鋼内に吸収されることを助けることにより、スラグに捕集して排滓されることを防止する。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例
ステンレス製鋼電気炉で一般的に使用しているケイ素鉄の使用によるスラグ中の酸化クロムの還元と、本発明で提示している粉体アルミニウムドロスによる還元とを、実際の操業で相互比較した。
一般的に、ステンレス製鋼電気炉では、スクラップ及び合金鉄の溶解後、還元前のスラグ中のクロム含有量が20%〜25%の範囲に達する。これは、上述したように、操業中の溶鋼との大気接触または酸素の吹き込みにより、溶鋼中のクロム成分が酸化したものである。本発明の実施例では、このようなクロム成分を、従来の方法であるケイ素鉄に還元する場合と、粉体アルミニウムドロスに還元する場合とを比較することにより、本発明の効果を検証した。
下記の(表1)は、本発明及び従来技術のスラグ中のCr23含有量を比較して示したものである。
Figure 0004778501
(表1)を参照すると、粉体アルミニウムドロスを吹き込んだ結果、電気炉ステンレス溶鋼の出湯後のスラグ中に残留する酸化クロム含有量は2%〜5%の範囲となり、従来のケイ素鉄を使用した還元方法に比べて、2%〜8%の範囲の酸化クロムがさらに還元されることが分かる。
図5は、本発明の方法により、クロムの還元時、スラグ中に残留する酸化クロム含有量を、従来のそれと比較して示すグラフである。
まず、一般的な有価金属の還元方法であるケイ素鉄(溶鋼1トンあたり3kg)を使用する場合、出湯後、スラグ中に残留するクロム酸化物の含有量を分析してみると、同図に示すように、7%〜10%の範囲に達する。この場合、ケイ素鉄の投入時期は、酸素の吹き込み末期であって、ケイ素鉄による還元効果を最大化する投入時期といえるが、残留する酸化クロム含有量は、非常に高い水準である。
しかし、本発明で提示している粉体アルミニウムドロスの吹き込みを行った場合の粉体アルミニウムドロスの吹き込み量は、溶鋼1トンあたり10kgであり、吹き込みにかかる時間は、窒素の圧力に応じて異なるが、窒素圧3bar〜4barの範囲では、約10分かかる。そして、吹き込みの開始時期は、酸素の吹き込み末期である。これは、還元効果を最大化し、酸素によるアルミニウムの酸化を防止するためである。
したがって、本発明に係る粉体アルミニウムドロスの吹き込みを行う場合、従来のケイ素鉄を使用してクロムを還元することに比べて、酸化クロムの還元及びクロムの回収率を向上させることができる。
本発明の技術思想は、上記のような好ましい実施例により具体的に記述されたが、上記実施例は、その説明のためのものであって、それを制限するためのものではないことを周知しなければならない。また、本発明の技術分野における当業者は、本発明の技術思想の範囲内で様々な実施例が可能であることを理解することができるであろう。
一般的なステンレス電気炉工程を示す模式図である。 ステンレス電気炉工程中におけるスラグ中のクロムの損失率を示すグラフである。 スラグ組成に応じたスラグの粘度変化を示す図である。 本発明に係る電気炉の粉体アルミニウムドロス吹き込み用軟鋼管を示す平面図である。 本発明の方法により、クロムの還元時、スラグ中に残留する酸化クロム含有量を、従来のそれと比較して示すグラフである。
符号の説明
1;電気炉
2;電極
3;酸素吹き込み管
4;粉体アルミニウムドロス吹き込み用軟鋼管

Claims (8)

  1. ステンレス製鋼工程中、電気炉スラグに含有されたクロムを還元させる工程において、
    スラグを液状に維持しつつ、粉体アルミニウムドロスの投入量を、下記式を満すように、電気炉スラグ中に吹き込むとともに、
    前記粉体アルミニウムドロスの粒度は、1mm〜5mmの範囲であることを特徴とする、含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
    Figure 0004778501
  2. ステンレス製鋼工程中、電気炉スラグに含有されたクロムを還元させる工程において、
    スラグを液状に維持しつつ、粉体アルミニウムドロスの投入量を、溶鋼1トンあたり10kg〜20kgの範囲として電気炉スラグ中に吹き込むとともに、
    前記粉体アルミニウムドロスの粒度は、1mm〜5mmの範囲であることを特徴とする、含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
  3. 前記粉体アルミニウムドロスは、窒素(N)またはアルゴン(Ar)ガスのうちの少なくとも1つの不活性ガスと共に、軟鋼管を介して吹き込むことを特徴とする請求項1または2に記載の含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
  4. 前記粉体アルミニウムドロスは、スラグ中のクロムを還元する化学当量以上の量を吹き込むことを特徴とする請求項に記載の含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
  5. 前記粉体アルミニウムドロスの吹き込みは、電気炉操業中、酸素の吹き込みが終わった時点で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
  6. 前記粉体アルミニウムドロスの吹き込みは、電気炉操業中、電気炉の積算電力300kW/ton〜400kW/tonの範囲の時点で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
  7. 前記電気炉スラグの塩基度は、1.1〜1.7の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
  8. 前記電気炉スラグ中のアルミナ含有量を、10%以上に維持することを特徴とする請求項に記載の含酸化クロムスラグからのクロム金属還元方法。
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