JP2002069520A - スラグ中クロムの回収方法 - Google Patents

スラグ中クロムの回収方法

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JP2002069520A
JP2002069520A JP2000259284A JP2000259284A JP2002069520A JP 2002069520 A JP2002069520 A JP 2002069520A JP 2000259284 A JP2000259284 A JP 2000259284A JP 2000259284 A JP2000259284 A JP 2000259284A JP 2002069520 A JP2002069520 A JP 2002069520A
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Kenichiro Miyamoto
健一郎 宮本
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    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス溶鋼の脱炭精錬の際に生成するス
ラグ中に含まれるクロム酸化物を効率良く還元してステ
ンレス溶鋼中に回収し、スラグ中に含まれるクロムの低
減を行い、膨張による粉化を改善してスラグの資源化を
図ることができるスラグ中クロムの回収方法を提供す
る。 【解決手段】 精錬炉を用いてステンレス溶鋼を脱炭精
錬する際に生成するスラグ15を、予め脱燐等の予備処
理を施した溶銑16を入れた取鍋11に出滓し、昇熱し
てスラグ15中のクロム酸化物を還元処理して溶銑16
に回収する方法において、還元処理時のスラグ15の温
度を1500〜1700℃にして、還元末期のスラグ1
5の液相率を80%以上、スラグ15に含まれるAl2
3 とMgOの合計した濃度を20〜60重量%にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス溶鋼の
精錬で生成するスラグから有価金属を回収し、スラグの
自然膨張を抑制して資源化を図るスラグ中クロムの回収
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上底吹き転炉、上吹き転炉等の精
錬炉を用いて、吹酸による脱炭精錬を行った際に、溶鉄
中に含まれるクロム(Cr)が同時に酸化され、クロム
酸化物(Cr23 )となる。一般的にこのクロム酸化
物は、生成したスラグ中に10重量%以上含まれてい
る。クロムは、高価であることから、Fe−Si等の合
金鉄を添加して、スラグ中に含まれるクロム酸化物を還
元し、クロムとしてステンレス溶鋼中に回収することが
行われている。しかし、クロム酸化物の還元は、Fe−
Si等の還元剤の使用コストとスラグ中に未還元で残存
するクロム酸化物の量とのコストバランスによって決め
るため、クロム濃度として0.6〜5重量%程度がスラ
グ中に残留し、一部微量の金属クロムが存在する状態と
なる。その結果、クロムの損失量が増し、補充するクロ
ム合金鉄の使用量が増加してステンレス溶鋼の製造コス
トが高くなる。更に、ステンレス溶鋼の脱炭精錬の際に
生成したスラグは、資源として活用することが推進され
ている。しかし、膨張して崩壊(粉化)性が大きい特性
を有するため、土木用の埋め立て材や路盤材として用い
る際に制約を受けたり、場合によっては使用できない等
の問題がある。
【0003】この対策として、特開昭52−14751
2号公報に記載されているように、上吹き転炉や上底吹
き転炉、電気炉等の精錬炉を用いて大気下で炭素濃度が
0.2〜0.3重量%程度になるまで吹酸による脱炭を
行った後、このステンレス溶鋼を真空取鍋精錬装置に移
し、取鍋底部から不活性ガスを吹き込んでステンレス溶
鋼とスラグを混合攪拌し、スラグ中に含まれるクロム酸
化物を炭素により還元することにより、クロム歩留りを
高めて低炭素のステンレス溶鋼を溶製することが行われ
ている。また、スラグを資源として活用する方法とし
て、特開平8−104553号公報に記載されているよ
うに、脱炭精錬を行って生成したスラグのクロム酸化物
を還元処理して後、このスラグにFeSあるいはCaS
等の2価の硫化物を添加してクロムの溶出のない安定し
たスラグにしている。更に、特開平9−165238号
公報、特開平11−61219号公報に記載されている
ように、ステンレス溶鋼の製造過程で発生するスラグに
ほう酸(B2 O5 )を添加して、ダイカルシウムシリケ
ート(2CaO・SiO2 )内にほう酸を拡散して固溶
させ、α’2Ca0・SiO2 (C2 S)からγ2Ca
O・SiO2 (C2 S)への相転移を抑制し、膨張に起
因する粉化を防止したり、あるいは特開平8−1888
13号公報に記載されているように、ほう酸とリン酸
(P 25 )含有物を添加して固溶させることにより、
スラグのα’C2 SからγC 2 Sへの相転移を抑制する
ことが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
52−147512号公報に記載された方法では、スラ
グ中のクロム酸化物を還元してステンレス溶鋼中に回収
するのに時間を要し、生産性の低下や取鍋等の耐火物の
損耗等を招く。しかも、クロム酸化物の還元に限界があ
り、精錬を終了した後のスラグ中に残存するクロム酸化
物が多くなり、フェロクロム等の合金鉄の使用が増加し
て製造コストが高くなる。更に、特開平8−10455
3号公報に記載された方法では、クロム酸化物の還元を
行わないので、スラグ中に残存するクロム酸化物が多く
なり、これに加えて硫化物を添加するため、ステンレス
溶鋼の製造コストが高くなる。しかも、特開昭52−1
47512号公報、特開平8−104553号公報に記
載された方法を用いた場合、いずれともスラグの崩壊性
を改善することが出来ないため、土木用の埋め立て材や
路盤材として使用する際に問題がある。また、特開平9
−165238号公報、特開平11−61219号公
報、特開平8−188813号公報に記載された方法で
は、スラグにほう酸、あるいはほう酸とリン酸を添加
し、2CaO・SiO2 の膨張に起因する粉化を防止で
きるが、高価なほう酸を多量に添加するため、処理コス
トが高くなる。しかも、スラグにほう素(B)やリン酸
を加えることになり、スラグ量の増加を招き、スラグの
処理費用等を含めた経済的及び環境上の問題が生じ、好
ましくない。更に、精錬を終了した後のスラグ中に残存
するクロム酸化物を還元してステンレス溶鋼中に回収で
きないため、クロム損失を招き、フェロクロム等の合金
鉄の使用が増加し、ステンレス溶鋼の製造コストが高く
なる等の問題がある。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、ステンレス溶鋼の脱炭精錬の際に生成するスラグ中
に含まれるクロム酸化物を効率良く還元してステンレス
溶鋼中に回収し、スラグ中に含まれるクロムの低減を行
い、膨張による粉化を改善してスラグの資源化を図るこ
とができるスラグ中クロムの回収方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るスラグ中クロムの回収方法は、精錬炉を用いてステ
ンレス溶鋼の脱炭精錬をする際に生成するスラグを、予
め脱燐等の予備処理を施した溶銑を入れた取鍋に出滓
し、昇熱して前記スラグ中のクロム酸化物を還元処理し
て前記溶銑に回収する方法において、前記還元処理時の
スラグの温度を1500〜1700℃にして、還元末期
のスラグの液相率を80%以上、該スラグに含まれるA
23 とMgOの合計した濃度を20〜60重量%に
する。この方法により、スラグの液相率を高めてスラグ
中のクロムの物質移動を促進してクロム酸化物を還元で
きる。しかも、クロム酸化物の含有量を一般の製鋼工程
で発生するスラグと同等にし、スラグ組成中のダイカル
シウムシリケート(2CaO・SiO2 )の生成を防止
して、スラグ自体の膨張による崩壊を無くしているの
で、スラグの資源化が可能になる。還元処理時の温度が
1500℃より低くなると、還元処理の初期のスラグの
液相率を高くすることが困難になり、処理に時間を要
し、生産性が低下する。一方、温度が1700℃より高
くなると、耐火物の溶損が増大する。また、還元末期の
スラグの液相率が80%未満になると、スラグ中のクロ
ムの物質移動が低下して還元速度が低下する。スラグ中
に含まれるAl23 とMgOの合計した濃度が20重
量%より低くなると、スラグの液相率が低下したり、遊
離CaOの析出が発生する。一方、Al 23 とMgO
の合計した濃度が60重量%より高くなると、難還元性
のスピネルであるMgO・Cr23 やAl23 ・M
gOが多量に析出し、スラグ中の酸化クロムの還元が阻
害される。
【0007】ここで、前記スラグの未還元時の塩基度を
2.0〜7.5にすると良い。これにより、遊離CaO
の析出を抑制し、生成する2CaO・SiO2 を抑制す
ることができる。塩基度が2.0より低くなると、スラ
グ中飽和MgO濃度の上昇により耐火物の溶損を招く。
塩基度が7.5より高くなると、遊離CaOが析出し、
還元処理を行った後の資源化を図る際に問題となる。な
お、スラグの塩基度は、スラグ中に含まれるSiO2
対するCaOの比(CaO/SiO2 )である。
【0008】更に、前記スラグにアルミドロスを添加す
ることが好ましい。アルミを製造する際に発生するアル
ミドロスを用いることにより、安価なAl23 を添加
してスラグの液相率を高め、しかも、2CaO・SiO
2 の生成を抑制でき、処理コストを低減することができ
る。
【0009】また、前記取鍋内のスラグを600kg/
溶銑トン以下とし、前記溶銑とスラグを攪拌する攪拌ガ
ス量を5〜25NL/分・溶銑トンにすることができ
る。スラグと溶銑やアルミドロスに含まれる金属Alを
積極的に接触させ、還元反応を促進することができる。
取鍋内のスラグが600kg/溶銑トンを超えると、ス
ラグ量が過大になり、スラグ内の物質移動の低下に起因
した還元速度の低下や耐火物の損耗が生じる。攪拌ガス
量が5NL/分・溶銑トンより少ないと、有効反応界面
積の低下による還元反応速度が低下する。攪拌ガス量が
25NL/分・溶銑トンより多いと、攪拌が激しくな
り、耐火物の損耗が生じる。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
スラグ中クロムの回収方法に適用されるLF(アーク加
熱式取鍋精錬)装置の全体図である。図1に示すよう
に、本発明の一実施の形態に係るスラグ中クロムの回収
方法に用いられる精錬炉の一例であるLF装置10は、
底部に攪拌ガスを吹き込むためのポラスプラグ12を設
けた取鍋11を有し、取鍋11の上部を覆う炉蓋13に
昇熱手段の一例である電極14を設けている。炉蓋13
は、図示しない昇降装置によりその全体が昇降し、更
に、電極14を取鍋11内に単独で昇降できるようにし
ている。なお、図1は取鍋11中に溶銑16とスラグ1
5を入れた状態を示している。
【0011】次に、本発明の一実施の形態に係るスラグ
中クロムの回収方法においてLF装置10を用いた場合
について説明する。予め脱硫、脱燐等の処理を施した1
50トンの溶銑16をLF装置10の取鍋11に装入す
る。次に、精錬炉で溶鋼の一例であるステンレス溶鋼を
脱炭精錬し、その際に生成され、塩基度(CaO/Si
O)を2.0〜7.5に調整した未還元のスラグ15を
600kg/溶銑トン以下取鍋11内に排滓する。ポラ
スプラグ12から攪拌ガスの一例であるアルゴンガスを
5〜25NL/分・溶銑トン吹き込みながら、スラグ1
5にアルミドロスとドロマイト、MgO煉瓦屑等のMg
O含有物を添加して、還元末期のスラグ15中のAl2
3 とMgOの合計濃度が20〜60重量%になるよう
にする。アルミドロスやMgO含有物の添加量は、取鍋
11に排滓したスラグ量を把握しておき、Al23
MgOの合計濃度が所定の濃度になるように行う。そし
て、炉蓋13及び電極14を下降して、スラグ15と溶
銑16が混合した表面に300〜1000kwの出力の
アークを飛ばして1500〜1700℃に加熱しスラグ
15を溶融して、スラグ15の液相率(全スラグ量に対
する溶解スラグの比率)が還元末期に80%以上となる
ようにする。スラグ15の液相率が高められるので、ス
ラグ15中クロムの物質移動が促進され、添加したアル
ミドロス中の金属Alにより、スラグ15中のクロム酸
化物(Cr23 )が迅速に還元され、生成したクロム
(Cr)を溶銑16中に効率良く回収することができ
る。また、スラグ15は、塩基度を所定の範囲にし、し
かも、Al23 を添加しているので、カルシウムアル
ミネート系化合物を生成させることができ、遊離CaO
の析出を抑制して膨張を小さくすることができる。
【0012】還元処理を終了した後、電極14及び炉蓋
13を上昇し、取鍋11をクレーン等で吊り上げて、ク
ロムを回収した溶銑16は別の容器に出銑し、クロム酸
化物(金属クロムを含む)濃度が0.5重量%以下にな
ったスラグ15は容器に排滓する。クロムを回収した溶
銑16は、次のチャージの鉄源として上底吹き転炉や上
吹き転炉、電気炉等の精錬炉での脱炭精錬に使用され
る。スラグ15は、処理場に搬送されてから冷却し、破
砕を行ってから、土木用埋め立て材や路盤材、その他骨
材等に使用する。
【0013】
【実施例】次に、本発明に係るスラグ中クロムの回収方
法方法の実施例について説明する。予め脱硫、脱燐等の
処理を施した150トンのステンレス溶鋼を上底吹き転
炉(転炉)に装入して、生石灰及び鉄鉱石とFe−Cr
合金鉄をシュートから転炉内に添加し、ランスから15
000〜28000Nm3 /hrの速度で吹酸して炭素
濃度が0.3重量%になるまで脱炭精錬を行った。そし
て、脱炭精錬の際に生成したスラグを、予め脱燐等の予
備処理を施した溶銑を入れたLF装置に排滓し、アルミ
ドロス、MgO含有物を添加してアルゴンガスを吹き込
んで溶銑とスラグを攪拌しながら、還元処理温度、塩基
度、スラグ液相率、スラグ中のAl2 3 、MgOの濃
度、取鍋内スラグ量、攪拌用ガス流量を変化させた場合
の到達Cr23 重量%(スラグ中のCr23
度)、耐火物溶損状況、遊離石灰(遊離CaO)、総合
評価について調査した。その結果を表1に示す。実施例
1及び実施例2は、前記条件をすべて本発明の範囲にし
た場合であり、到達Cr23 重量%を0.12重量
%、0.10重量%にでき、耐火物溶損が小さく、遊離
石灰の析出が無く、いずれも総合評価として良い(○)
結果が得られた。実施例3は、還元処理温度を下限15
00℃に、実施例4は、還元処理温度を上限1700℃
にした場合であり、到達Cr23 濃度が低くでき、耐
火物の溶損も小さく、いずれも総合評価として良い
(○)結果が得られた。実施例5は、塩基度を下限2.
0、実施例6は、塩基度を上限7.5にした場合であ
り、耐火物の溶損や遊離CaOの析出も無く、いずれも
総合評価として良い(○)結果が得られた。実施例7
は、スラグの液相率を下限80%にした場合であり、到
達Cr23 濃度を0.09重量%にでき、耐火物溶損
も小さく、総合評価として良い(○)結果が得られた。
実施例8は、スラグ中のAl23 、MgOの濃度を下
限20重量%、実施例9は、スラグ中のAl23 、M
gOの濃度を上限60重量%にした場合であり、耐火物
の溶損や遊離CaOの析出も無く、いずれも総合評価と
して良い(○)結果が得られた。実施例10は、取鍋内
スラグ量を上限600kg/溶銑トンにした場合であ
り、到達Cr23 濃度を0.13重量%にでき、耐火
物溶損も小さく、総合評価として良い(○)結果が得ら
れた。実施例11は、攪拌ガスを下限5NL/分・溶銑
トン、実施例12は、攪拌ガスを上限25NL/分・溶
銑トンにした場合であり、到達Cr23 濃度を低くで
き、耐火物の溶損が無く、いずれも総合評価として良い
(○)結果が得られた。
【0014】
【表1】
【0015】これに対し、比較例1〜8は、還元処理温
度、スラグ液相率、スラグ中のAl23 、MgOの濃
度、取鍋内スラグ量、攪拌用ガス流量のいずれか1又は
2が本発明の範囲を外れた場合であり、到達Cr23
濃度、耐火物溶損、遊離石灰の析出等のいずれかが悪
く、総合評価として悪い(×)結果となった。
【0016】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、アルゴン酸素転炉であるAOD(Argo
n・Oxygen・Decarburization)
や電気炉等の吹酸を伴う脱炭精錬によって生成したスラ
グやステンレス鋼溶融還元炉等の精錬炉、スラグ処理炉
等のスラグを用いることができる。更に、昇熱の方法と
して、誘導加熱やプラズマ加熱等をを用いることがで
き、これ等を備えた精錬炉を取鍋に代えて用いることが
できる。また、スラグに添加するアルミドロスの他に、
金属Al、Al−Mg等のAl含有合金を使用すること
ができる。
【0017】
【発明の効果】請求項1〜4記載のスラグ中クロムの回
収方法は、精錬炉を用いてステンレス溶鋼を脱炭精錬す
る際に生成するスラグを、予め脱燐等の予備処理を施し
た溶銑を入れた取鍋に出滓し、昇熱してスラグ中のクロ
ム酸化物を還元処理して溶銑に回収する方法において、
還元処理時のスラグの温度を1500〜1700℃にし
て、還元末期のスラグの液相率を80%以上、スラグに
含まれるAl23 とMgOの合計した濃度を20〜6
0重量%にするので、スラグの液相率を高めてスラグ中
のクロムの物質移動を促進することができ、スラグ中に
含まれるクロムの溶鋼中への回収率を高めてFe−Cr
合金鉄等の使用量を節減し、ダイカルシウムシリケート
(2CaO・SiO2 )等の生成を抑制してスラグの崩
壊性を小さくし、路盤材や土木埋め立て材等の資源とし
て活用することができる。
【0018】特に、請求項2記載のスラグ中クロムの回
収方法は、スラグの未還元時の塩基度を2.0〜7.5
にするので、遊離CaOの析出を抑制し、スラグの膨張
による粉化を安定して防止し、資源として広い範囲に活
用することができる。
【0019】請求項3記載のスラグ中クロムの回収方法
は、スラグにアルミドロスを添加するので、安価な金属
Alを利用してスラグ中のクロム酸化物を低減でき、し
かも、2CaO・SiO2 の生成を抑制してスラグの崩
壊をより安定して防止、しかも、処理コストを低減する
ことができる
【0020】請求項4記載のスラグ中クロムの回収方法
は、取鍋内のスラグを600kg/溶銑トン以下とし、
溶銑とスラグを攪拌する攪拌ガス量を5〜25NL/分
・溶銑トンにするので、スラグ中に含まれる酸化クロム
の還元反応を促進し、処理時間を短縮し、耐火物の損耗
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスラグ中クロムの
回収方法に適用されるLF装置の全体図である。
【符号の説明】
10:LF装置、11:取鍋、12:ポーラスプラグ、
13:炉蓋、14:電極15:スラグ、16:溶銑
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21C 7/00 C21C 7/00 F J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬炉を用いてステンレス溶鋼を脱炭精
    錬する際に生成するスラグを、予め脱燐等の予備処理を
    施した溶銑を入れた取鍋に出滓し、昇熱して前記スラグ
    中のクロム酸化物を還元処理して前記溶銑に回収する方
    法において、前記還元処理時のスラグの温度を1500
    〜1700℃にして、還元末期のスラグの液相率を80
    %以上、該スラグに含まれるAl23 とMgOの合計
    した濃度を20〜60重量%にすることを特徴とするス
    ラグ中クロムの回収方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスラグ中クロムの回収方
    法において、前記スラグの未還元時の塩基度を2.0〜
    7.5にすることを特徴とするスラグ中クロムの回収方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のスラグ中クロムの
    回収方法において、前記スラグにアルミドロスを添加す
    ることを特徴とするスラグ中クロムの回収方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のス
    ラグ中クロムの回収方法において、前記取鍋内のスラグ
    を600kg/溶銑トン以下とし、前記溶銑とスラグを
    攪拌する攪拌ガス量を5〜25NL/分・溶銑トンにす
    ることを特徴とするスラグ中クロムの回収方法。
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