JP3693208B2 - 孔版印刷用w/o型エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用w/o型エマルションインキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷用W/O型エマルションインキに関し、詳しくは印刷時のインキ検知を良好に維持し、且つ高画像濃度、インキ安定性向上を可能にした孔版印刷用W/O型エマルションインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷方法は、周知のように孔版印刷原紙を用い、この原紙の穿孔部を介して原紙の一方の側より他方の側ヘインキを移動させることにより、紙などの被印刷物面に印刷を行なうものである。
【0003】
輪転孔版印刷機には、例えばドラムユニット内にインキ練りローラーを配置し、その間にインキ供給されたインキが貯留され、このインキに接するように電極が備えられている。そして、この電極とインキローラー間に存在するインキの静電容量によって、インキの存在有無を検知する方法が採られている。この為、貯留されるインキの静電容量の大小によって、インキ貯留部に供給されるインキ量が左右される。
【0004】
また、実験によりW/O型エマルションインキの静電容量は、インキの油相量及び水相処方に依存していることが分かっており、インキに対する油相量が多いほど、水相に電解質を添加するとW/O型エマルションインキのインキ検知に不利となり、貯留インキは増える。この貯留インキが多いとインキ貯留部から外へ漏れだし、印刷機内を汚す。また、印刷機の非使用時に貯留部のインキの水相成分は蒸発し、インキ油相に近づいていく。その結果、粘度は低く、顔料濃度は高くなり、貯留インキが多いと放置後画像の濃度ムラ、裏移りの原因となる。よって、インキローラー上の貯留インキ量は、インキ検知によって調整された最少量になることが望ましい。
【0005】
しかし、画像濃度を向上するには着色剤量upが必要であり、その為には着色剤量upに見合う油相量up、及びインキ安定性の向上には水相への電解質の添加が必須であることが分かっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記従来技術の欠点を除去し、輪転孔版印刷機において、印刷時のインキ検知を良好に維持し、且つ高画像濃度、インキ安定性向上を可能にした、孔版印刷用W/O型エマルションインキを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決し得るW/O型エマルションインキ処方を提供すべく、鋭意研究を重ねた結果、油相中に特定のヨウ素価及び凝固点を有する植物油の特定量を添加することにより、輪転孔版印刷機のインキ貯留部のインキ量を低減できることを見い出し、本発明に到達した。
【0008】
即ち、本発明によれば、第一に、油相30〜50重量%と水相70〜50重量%によって構成されるW/O型エマルションにおいて、ヨウ素価が100以下で且つ凝固点が0℃以下である植物油の少なくとも1種を油相中に該油相の5重量%以上含有してなることを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキが提供される。
第二に、前記水相中に該水相の0.1〜2.0重量%の電解質を含有してなることを特徴とする上記第一に記載した孔版印刷用W/O型エマルションインキが提供される。
【0009】
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、ヨウ素価が100以下で且つ凝固点が0℃以下である植物油の少なくとも1種を油相中に該油相の5重量%以上含有してなるものとしたことから、油相量30〜50重量%の油相量の多い系においても、インキ貯留部のインキ量を低減することが出来るものとなり、その結果、印刷時のインキ検知を良好に保持し、且つ高画像濃度を得ることが可能となる。また、水相への電解質添加は、W/O型エマルションインキの安定性のために必須であるが、電解質添加によりインキ貯留部のインキ量は増大するという欠点がある。しかし、本エマルションインキにおいては、油相への植物油の添加により、インキ貯留部のインキ量増大化を抑制できるようになり、その結果、印刷時のインキ検知を良好に保持し、且つインキ安定性に優れたものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、前述したように、油相30〜50重量%と水相70〜50重量%によって構成されるW/O型エマルションにおいて、ヨウ素価が100以下で且つ凝固点が0℃以下である植物油の少なくとも1種を油相中に該油相の5重量%以上含有してなることを特徴とする。
【0011】
前記した輪転孔版印刷機におけるインキ貯蔵部のインキ量低減の効果は、植物油がパラフィン系鉱油等と比較してその極性が高く、且つ誘電率も比較的高いため、植物油を添加することでW/O型エマルションインキの静電容量が上がるからであると考えられる。但し、使用する植物油のヨウ素価が100を超える場合には、不飽和酸の酸化によりインキが固化し、印刷機のスクリーン、版胴の目詰まり、あるいはインキの保存による粘度up等の不具合が発生する。従って、本発明においてはヨウ素価100以下、好ましくは65〜100の植物油が用いられる。また、凝固点が0℃より高い植物油を使用すると、低温での粘性が増し、低温における画像の立ち上がりが遅くなるので、本発明においては凝固点0℃以下、好ましくは−15〜0℃のものが用いられる。
【0012】
本発明のW/O型エマルションインキに用いられる上記植物油としては、例えばヒマシ油、茶種油、ツバキ油等が挙げられる。
なお、上記植物油は油相中の濃度が5重量%以上、好ましくは5〜85重量%、となるように添加される。5重量%未満では、インキ貯蔵部のインキ量低減効果が不充分である。
更に、植物油を添加することにより、インキ製造業者や印刷オペレーターがインキを扱う際の安全性を向上させるという効果も加わる。
【0013】
また、本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、水相中に該水相の0.1〜2.0重量%の電解質を含有してなることが好ましい。前述したように、水相への電解質添加はW/O型エマルションインキの安定性のために必須であるが、電解質添加によりインキ貯留部のインキ量は増える。これは、水相への電解質添加によるW/O型エマルションインキの静電容量の低下によるものと思われるが、本発明においては植物油が存在しているため、インキの貯蔵部のインキ量増大が抑制され、印刷時のインキ検知を良好に保持すると共にインキの安定性を高く保持することができる。電解質は水相中の濃度が0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%、となるように添加される。0.1重量%未満ではインキの安定性が不充分となるし、逆に2.0重量%を超えるとインキ安定性への更なる効果はない上にインキ貯留部のインキ量は増え、コストも上がり好ましくない。
【0014】
本発明のエマルションの油相は、着色剤(顔料)、油成分、樹脂、顔料分散剤、乳化剤等から構成される。また、水相は、水、電解質、防黴剤、水蒸発防止剤、水溶性高分子、水中油型樹脂エマルション(疎水性高分子)等から構成される。これらの構成成分は、エマルションの形成を阻害しない公知のものが使用される。
【0015】
本発明で用いられる着色剤は、カーボンブラック、酸化チタン;アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料及び天然染料系顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;等が挙げられる。これらの染顔料類は、単独でも2種以上混合して添加してもよい。その使用量は通常インキ重量に対し3.0〜12重量%である。通常油相に分散あるいは添加されるが、水相に分散あるいは添加して使用してもよい。
【0016】
本発明では、油成分として前述したようにヨウ素価100以下、凝固点0℃以下の植物油が使用される。上記植物油以外で併用される油としては、公知の鉱物油、炭化水素系合成油を単独あるいは複数で使用できる。鉱物油には、例えば、石油系溶剤、流動パラフイン、スピンドル油等の公知のものが挙げられる。
【0017】
本発明で油相に添加される樹脂としては、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;環化ゴム;アルキド樹脂;重合ひまし油;等が挙げられる。これらの樹脂は単独でも又は2種以上を混合して添加してもよい。添加量はインキ重量の10重量%以下、好ましくは1〜7重量%とすればよい。
【0018】
W/O型エマルションを構成するための乳化剤には、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらは、顔料分散剤としても使用出来、また単独、あるいは複数での使用も可能であり、添加量は、インキ重量の1〜8重量%、好ましくは、2.2〜5.5重量%である。
【0019】
以上のほか、油相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で樹脂、着色剤の分散剤、ゲル化剤及び酸化防止剤を添加することができる。なお、前記の着色剤や乳化剤も油相に含まれる。
【0020】
着色剤分散剤としては、エマルションの形成を阻害しないものが使用でき、前記の乳化剤用非イオン性界面活性剤を使用することができる。このほか、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレンー無水マレイン酸系共重合高分子化合物、ポリカルボン酸エステル型高分子化合物、脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン塩類、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩類、長鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩類、α−オレフインスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸塩類、アルキド樹脂、及び重量平均分子量2.5万未満の樹脂などの顔料分散能を有する樹脂などが挙げられる。
これらの分散剤は単独又は2種類以上混合して添加すればよく、樹脂以外の着色剤分散剤の添加量は着色剤重量の40重量%以下、好ましくは2〜35重量%とすればよい。
【0021】
ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性、流動性を向上させる役割をもち、本発明のインキに添加されるゲル化剤としては、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物を例示すると、Li,Na,K,Al,Ca,Co,Fe,Mn,Mg,Pb,Zn,Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。
これらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すればよく、その添加量は油相中の樹脂の15%以下、好ましくは5〜10重量%である。
【0022】
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等であり、これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキの粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインキ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種類以上を混合して使ってもよい。
【0023】
また、水相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で水溶性高分子、防腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整剤、電解質等を添加することができる。
【0024】
エマルションインキの水相に添加される水溶性高分子は、保湿や増粘のために添加されるものであり、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加される。例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂及びポリアクリル酸ナトリウムなどの中和物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテルなどの合成高分子等が用いられる。
また、アクリルアミド系ポリマー及びアクリル系のポリマーに関しては、置換基を部分的にアルキル基で疎水化した共重合タイプのポリマーでもよい。また、ポリエチレンとポリプロピレン又はポリブチレンのブロックコポリマーを用いることができる。
これらの水溶性高分子は単独でも2種類以上混合してもよく、インキに含まれる水の25重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%が添加される。
【0025】
水相に添加される水中油型樹脂エマルションは、合成高分子でも天然高分子でよい。高分子としては、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合体、スチレンーアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン等が挙げられる。天然のものとしては、油相に添加できる高分子等が挙げられる。これらは油中水型エマルションインキの安定性を阻害しない範囲であれば2種類以上を併用してもよく、また分散方法も分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。
【0026】
水相に添加される防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期保存する場合は防腐・防かび剤の添加が普通である。その添加量は、インキ中に含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重量%とするのがよい。また、防腐・防かび剤としては、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化含物及びその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使用され、これらは単独でも2種類以上混合して使ってもよい。
【0027】
水の蒸発防止剤と凍結防止剤は兼用可能であり、これらの目的で添加される薬品は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコール;等である。これらの薬品は1種又は2種以上を添加すればよく、その添加量はインキ中の水重量の15%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0028】
水相に添加されるpH調整剤は、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等であり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されている場合には、その効果が損なわれる等の問題がある。
【0029】
水相に添加される電解質は、エマルションの安定性を高めるために添加されるものである。従って、該電解質にはエマルションの安定度向上に有効な離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのがよい。離液順列の高い陰イオンは、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンは、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金層イオンであることから、ここで添加される電解質としては、少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好ましい。従ってここで添加される電解質としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加量は水相の0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0030】
上記のほか、本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上がり防止のために、油相にワックスを添加することができる。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナトリウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度化を更に増進させることができる。更に、水相に防錆剤や消泡剤を添加して、印刷の際に印刷機がインキによって錆びたり、インキが泡立つことを防止することができる。これらの添加剤は、孔版印刷用インキに添加されている公知品を必要に応じて添加すればよく、その添加量は従来品の場合と同程度でよい。
【0031】
本発明のエマルションインキは、従来のエマルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を調整し、この両方を公知の乳化機内で乳化させてインキとすればよい。即ち、着色剤、乳化剤、樹脂及び必要に応じて添加される添加物をよく分散させた油を常温で調整し、これに防腐・防かび剤や水溶性高分子等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添加して乳化すればよい。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、以下に記す部は重量部である。
【0033】
実施例1
Figure 0003693208
【0034】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 58.8部
電解質 硫酸マグネシューム 1.2部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0035】
顔料分散体の調製は、ファーネスカーボン、フタロシアニンブルーの顔料、アルミニウムキレート化合物等の分散剤と流動パラフィン等の油を三本ロールで練肉することで行い、この顔料分散体にオイルを加え混合し、油相とする。次に、これに水相を徐々に加え、乳化を行うことによって、孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0036】
実施例2
下記組成の油相及び水相を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0037】
Figure 0003693208
【0038】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 58.8部
電解質 硫酸マグネシューム 1.2部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0039】
比較例1
下記組成の油相及び水相を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0040】
Figure 0003693208
【0041】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 68.8部
電解質 硫酸マグネシューム 1.2部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0042】
比較例2
下記組成の油相及び水相を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0043】
Figure 0003693208
【0044】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 58.8部
電解質 硫酸マグネシューム 1.2部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0045】
比較例3
下記組成の油相及び水相を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0046】
Figure 0003693208
【0047】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 58.8部
電解質 硫酸マグネシューム 1.2部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0048】
比較例4
下記組成の油相及び水相を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0049】
Figure 0003693208
【0050】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 58.8部
電解質 硫酸マグネシューム 1.2部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0051】
比較例5
下記組成の油相及び水相を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0052】
Figure 0003693208
【0053】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 58.8部
電解質 硫酸マグネシューム 1.2部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0054】
実施例3
下記組成の油相及び水相を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0055】
Figure 0003693208
【0056】
〈水相組成〉
水 イオン交換水 60.0部
凍結防止剤 グリセリン 5.0部
【0057】
〈評価〉
実施例1〜3及び比較例1〜5の孔版印刷用W/O型エマルションインキについて、下記評価を行った。それらの結果を表1にまとめて示す。
【0058】
(イ)ID
展色機(谷口インキ社製)を使用し、インキの紙への付着量5g/m2時のIDを反射式光学濃度計(マクベス社製RD914)にて測定した。
【0059】
(ロ)インキ貯留量
23℃、65%において孔版印刷機プリポートVT3820(リコー社製)を使用し、ドラム上のインキローラーを洗浄した後にドラムをマシンにセットしインキを吸引させ、インキ検知した時点でのインキローラー上のインキ量を測定した。プリポートVT3820(リコー社製)ではドラム内のインキローラー上にインキ検知針が位置し、約14gのインキで検知針に達する。
【0060】
(ハ)脇漏れ
30℃、90%においてプリポートVT3820(リコー社製)を使用し、無製版にて5000枚通紙後にドラムのスクリーン及び版胴を外し、版胴及びインキローラー脇を目視した。
インキローラー脇より外側に位置する版胴部やインキローラー脇部までインキが漏れている場合を×とし、漏れていない場合を○とした。
【0061】
(ニ)放置後画像
プリポートVT3820(リコー社製)を使用し、ある画像にて印刷後に常温常湿に1ケ月放置後に同じ版にて印刷を行い、印刷画像に支障の無いときを○、画像が立ち上がらない箇所があるときを×とした。
【0062】
(ホ)印刷立ち上り
5℃、20%においてプリポートVT3820(リコー社製)を使用し、ある原紙で製版後に連続して印刷を行った。完全に立ち上がるまでの枚数をカウントした。
【0063】
(ヘ)高温保存
実施例1〜3及び比較例1〜5のインキを60℃に保存し、2ケ月経過後取り出し、インキの外観を目視した。
○;油及び水分離なし、
△;若干の油分離が観察されるが、実印刷上は支障なし、
×;完全に相分離を起こし、印刷に支障をきたす状態。
【0064】
【表1】
Figure 0003693208
【0065】
【発明の効果】
請求項1の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、ヨウ素価が100以下で且つ凝固点が0℃以下である植物油の少なくとも1種を油相中に該油相の5重量%以上含有してなるものとしたことから、油相量30〜50重量%の油相量の多い系においても、インキ貯留部のインキ量を低減することが出来るものとなり、その結果、印刷時のインキ検知を良好に保持し、且つ高画像濃度を得ることが可能になる。更に、本インクによると、植物油を含有させたことから、インキ製造業者や印刷オペレーターがインキを扱う際の安全性を向上させるという効果も生じる。
【0066】
請求項2の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、更に水相中に該水相の0.1〜2.0重量%の電解質を含有してなるものとしたことから、印刷時のインキ検知を良好に保持しながら、インキ安定性が向上するという効果が加わる。

Claims (2)

  1. 油相30〜50重量%と水相70〜50重量%によって構成されるW/O型エマルションにおいて、ヨウ素価が100以下で且つ凝固点が0℃以下である植物油の少なくとも1種を油相中に該油相の5重量%以上含有してなることを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
  2. 前記水相中に該水相の0.1〜2.0重量%の電解質を含有してなることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
JP6554597A 1997-03-04 1997-03-04 孔版印刷用w/o型エマルションインキ Expired - Fee Related JP3693208B2 (ja)

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