JP4289861B2 - 孔版印刷用w/o型エマルションインキ - Google Patents
孔版印刷用w/o型エマルションインキ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4289861B2 JP4289861B2 JP2002291931A JP2002291931A JP4289861B2 JP 4289861 B2 JP4289861 B2 JP 4289861B2 JP 2002291931 A JP2002291931 A JP 2002291931A JP 2002291931 A JP2002291931 A JP 2002291931A JP 4289861 B2 JP4289861 B2 JP 4289861B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- oil
- parts
- water
- oil phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷インキに関するものである。更に詳しくは、低粘度インキにおいてもインキの垂れが大幅に改善され、更には保存安定性に優れたW/O型エマルションインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷方法は、孔版印刷用原紙を用い、この原紙の穿孔部を介して原紙の一方の側より他方の側へインキを移動させることにより紙等の被印刷物に印刷を行なうものである。
【0003】
孔版印刷においては、従来からある裏移りの問題を考慮し、インキ側の対策として極力低粘度にして、紙へのインキ浸透を早くする処方を模索してきた。
このインキ低粘度化にして発生する課題は、経時でのインキの垂れとインキ安定性の低下がある。
インキの垂れは、インキを低粘度にするとインキの降伏値も低くなって、その結果インキローラ上やパック口等で発生し、画像上やあるいはマシン下にある絨毯やフロアを汚濁してしまうという問題が出てくる。
特に、インキが開放状態で放置され、水相成分が蒸発し、油相に近い状態になる場合において顕著である。
【0004】
一方、インキの安定性の低下は、インキを低粘度化するためには油相粘度を低くせざるを得ず、油相粘度の低いW/Oエマルションにすると、水相の合一や凝集が進み易くなって、W/Oエマルションインキ劣化が早くなって発生する。
【0005】
このような問題をを解決するために、油相中に固体粒子を添加し、油相あるいはインキの降伏値を高くすることが考えられる。
孔版印刷用W/Oエマルションインキに固体粒子を添加する技術は既に知られている(例えば特許文献1、2参照)。
しかしながら、これらの公知の技術は、添加する固体粒子の選択に対して、孔版印刷用W/Oエマルションインキの安定性については、十分検討されていないものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−116525号公報
【特許文献2】
特開平10−120961号公報
【0007】
一般に添加する固体粒子の比重が高いと、顔料の沈降スピードが速くなり、油分離等のインキ劣化も早くなる傾向がある。
この油分離等のインキ劣化は、高温になるに従って促進され、インキを輸送や保存した場合には粘度低下をきたし、キャップを外したとき、あるいはインキ上でバック口から垂れ、床や絨毯を汚濁する場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、孔版印刷インキの中でも、低粘度インキにおいてインキの垂れが大幅に改善され、更には保存安定性の良好なW/O型エマルションインキを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「油相中にフィラーとしてポリメチルシルセスキオキサン微粒子をインキ重量に対して0.05wt%〜10wt%含有し、かつ油相10〜90重量%で水相10〜90重量%であることを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキ」、(2)「前記油相に蒸留初留点温度150℃〜210℃の揮発性溶剤比率を1.0〜2.5重量%含み、さらに少なくとも着色剤、不揮発性溶剤あるいはオイル、界面活性剤を含むことを特徴とする前記第(1)項に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ」、(3)「前記水相に少なくとも硫酸マグネシウムを含むことを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ」により達成される。
【0011】
本発明者は、インキが低粘度になっても、インキの垂れの不具合がなく、且つ保存安定性に優れた、W/O型エマルションインキを提供すべく、鋭意研究の結果、下記式のような三官能性単位からなるポリメチルシルセスキオキサン微粒子を該油相中に含有させることによって達成できることを見出した。
このシリコーン樹脂微粒子は、例えばトスパールシリーズ(東芝シリコーン株式会社)として市販されているもの等がある。
【0012】
【化3】
【0013】
油相中の固体粒子の比重が高いと油相中での粒子の沈降が早く、インキ劣化も早くなる。
このシリコーン樹脂微粒子の真比重は、約1.3(25℃)であり、無機微粒子の比重としては低いために、油相中での沈降が比較的遅く、油分離には有利になっているものと考えられる。参考までに、例えば酸化チタンの真比重は、約3.6(25℃)である。
また、このシリコーン樹脂粒子がW/Oエマルションの安定性向上に寄与する理由として、アニオンに帯電していることにもあるもので考えられる。
更に、油相中に蒸留初留点温度150℃〜210℃の揮発性溶剤をインキ重量に対し、1.0〜2.5重量%含有させることによって、インキが開放状態にあるとき、油相成分からも該溶剤が揮発し、シリコーン樹脂微粒子を含む固体粒子濃度が高くなって、開放状態での降伏値低下を防いでいるものと考えられる。
さらに、上記シリコーン樹脂微粒子を混合した孔版印刷用W/Oエマルションインキの該水相に硫酸マグネシウムを添加すると、インキ安定性を一層向上させるのに有効である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる前記シリコーン樹脂微粒子は、インキに対して0.05wt%〜10wt%の割合で添加する必要がある。
インキ重量に対して0.05wt%未満ではインキの垂れ防止効果が得られず、10wt%より多量添加してもインキの垂れを防止する効果はほとんど変わらなくなり、コストが高くなるだけである。
さらに、蒸留初留点温度が150℃〜210℃の揮発性溶剤を用いることが好ましい。
揮発性溶剤として、蒸留初留点温度が150℃より低いものを用いると、気化が早く製造時に開封系で加工しにくくなる場合が出てきて、装置が制限されることがある。
一方、蒸留初留点温度が210℃より高いものでは、気化せずに開封状態でのインキの垂れを充分に防止できなくなる傾向がある。
さらに、蒸留初留点温度が150℃〜210℃の揮発性溶剤を用いる場合にも、該油相に1.0〜2.5wt%含有させることが好ましく、含有量が1.0wt%未満であると開封状態でのインキの垂れ防止に効果が低下し、2.5wt%より多ければインキの垂れへの効果はほとんど変わらなくなる。
【0015】
本発明のエマルションインキにおいては、前記のように、揮発性溶剤として蒸発初留点温度が特に150℃〜210℃ものが好ましく用いられるが、そのような揮発性溶剤の例を以下に挙げる。
モービルエクソン社製のアイソパーG(158℃)、アイソパーH(174℃)、アイソパーL(188℃)、アイソパーM(207℃)、EXXSOLD−40(159℃)、EXXSOLD−60(186℃)、EXXSOLD−80(204℃)、出光石油化学社製のIPソルベント1620(166℃)、IPソルベント2028(166℃)等。
【0016】
本発明のエマルションインキに用いられる着色剤としては、各種色調の以下に例示するような、公知の顔料、分散染料等を該油相あるいは水相に適宜添加することができる。
アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類、アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉、弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料などのアゾ系顔料、無金属フタロシアニン顔料や銅フタロシアニン顔料などのフタロシアニン系顔料、アントラキノン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサンジン系、スレン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、金属錯体などの縮合多環系顔料、酸性または塩基性染料のレーキ等の有機顔料、ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料等。
その着色剤の添加量は、必要量に応じて該油相あるいは水相に添加することが可能であり、通常インキ重量に対して1〜15重量%である。
これらの染顔料類は、単独でも2種以上混合して用いてもよい。
油相および水相に分散された不溶性着色剤の平均粒径は、10〜0.1μm、好ましくは1〜0.1μmであることが望ましい。
【0017】
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、油相と水相90〜10wt%によって構成されるエマルションインキであり、前記油相は固体粒子の他に、さらに着色剤、油成分、乳化剤、着色剤、分散剤、樹脂、ゲル化剤、酸化防止剤等から構成され、前記水相は顔料、水、防腐防かび剤、水蒸発防止剤、キレート試薬、消泡剤等が構成される。
【0018】
該油相中の油には、主に石油系溶剤、スピンドル油、流動パラフィン等の公知の鉱物油の他、公知の植物油、炭化水素系合成油を適宜、添加できる。植物油にはひまし油、パーム油、ヤシ油、大豆油等の公知のものが挙げられる。
これらの構成成分にはエマルションの形成を阻害しない公知のものが使用される。
【0019】
次に、本発明のW/O型エマルションインキに含有する乳化剤の例を挙げる。
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物当のノニオン系界面活性剤等。
この乳化剤の添加量は、インキ重量の1〜8wt%が好ましく、特に1.5〜5.5wt%がより好ましく、また単独でも複数を併用することもできる。
これらの乳化剤のうち、ソルビタン系のものがインキ安定性の面で特に好ましくい。なお、乳化剤は、顔料分散剤としての機能を期待して使用できる。
【0020】
着色剤分散剤としては、エマルションの形成を阻害しないものを使用することが好ましく、前記の乳化剤用非イオン性界面活性剤を使用することができる。
この他、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン−無水マレイン酸系共重合高分子化合物、ポリカルボン酸エステル型高分子化合物、脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン塩類、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩類、長鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸塩類、及びアルキド樹脂など顔料分散能を有する樹脂なども挙げられる。
これらの分散剤は、単独または2種類以上混合して添加すればよく、その添加量は着色剤重量と同量以下、好ましくは2〜70重量%とすればよい。
【0021】
ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性を向上させる役割を持ち、本発明のインキに添加されるゲル化剤としては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。
このようなゲル化剤を例示すると、Li,Na,K,Al,Ca,Co,Fe,Mn,Mg,Pb,Zn,Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物が挙げられる。
これらのゲル化剤は、1種または2種以上を油相に添加すればよく、その添加量は油相中の樹脂15%以下、好ましくは5〜10重量%である。
【0022】
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等であり、これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキの粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインキ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種類以上を混合して使ってもよい。
【0023】
エマルションインキの水相には、不活性着色剤、体質顔料の分散および固着のために水溶性高分子やO/W樹脂エマルションを添加してもよい。
水溶性高分子としては、具体的に下記の天然または合成高分子が添加される。例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂およびポリアクリル酸ナトリウムなどの中和物、ポリビニルイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリN−アクリロイルピロリジンやポリN−イソプロピルアクリルアミドなどのポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体及びこれらをアルキル基で部分的に疎水した高分子、またアクリルアミド系ポリマーおよびアクリル系のポリマーに関しては置換基を部分的にアルキル基で疎水化した共重合タイプのポリマーもよい。
また、ポリエチレンとポリプロピレンまたはポリブチレンのブロックコポリマーを用いることができる。これらの高分子を分散剤として使用する場合は、1g/dlの水溶液の表面張力が65mN/m以下を示すような界面活性能を有する水溶性の合成高分子等を用いるのが望ましい。
これらの水溶性高分子は、単独でも2種類以上混合してもよく、インキに含まれる水の25重量%以下、好ましくは0.2〜15重量%が添加される。
【0024】
O/W樹脂エマルションとしては、合成高分子でも天然高分子でもよい。
高分子としては酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン等が挙げられる。
天然ものとしては、油相に添加できる高分子等が挙げられる。これらは油中水型エマルションインキの安定性を阻害しない範囲であれば2種類以上を併用してもよく、また分散方法も分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。
これらのO/Wエマルションの最低造膜温度は、40℃以下であることが望ましく、インキに含まれる水の30重量%以下、好ましくは0.2〜15重量%が添加される。
【0025】
水相に添加される防腐・防かび剤は、エマルション内で殺菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期保存する場合は、防腐防かび剤を添加するのが望ましい。その添加量は、インキ中に含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.05〜1.0重量%とするのがよい。
また、防腐防かび剤としては、サリチル酸、フェノール酸、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物およびその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使用され、これらは単独でも2種類以上混合して使ってもよい。
【0026】
水の蒸発防止剤と凍結防止剤とは兼用可能であり、これらの目的で添加される薬品はエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブイタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール、グリセリンやソルビトール等の多価アルコール等である。
これらの薬品は、1種または2種以上を添加すればよく、その添加量は、インキ中の水重量の30重量%以下、好ましくは5〜20重量%である。
【0027】
水相に添加されるpH調整剤は、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等であり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲から外れると、増粘剤用水溶性高分子が添加されている場合にはその効果が損なわれる等の問題がある。
【0028】
キレート試薬は、EDTA等のポリアミノカルボン酸類、クエン酸等のオキシカルボン酸類等の水相中のカチオンと水溶性キレート化合物を形成するキレート試薬であり、該水相中カチオンイオンの電解質やアクリル酸樹脂等への影響を防止するために添加することができる。
キレート試薬は水相重量に対して、0.005〜1.0wt%であり、好ましくは0.01〜0.50wt%である。
【0029】
消泡剤としては、高級脂肪族アミド、ポリエチレングリコール、脂肪酸低級アルコールエステレル、ポリプロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
添加量は、水相重量に対して、0.1〜1.5wt%であり、好ましくは0.4〜1.0wt%である。消泡剤のキャリアーとして、エチレングリコールや低級アルコール等を適宜使用できる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、この発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、以下に記す部は重量部である。
W/Oエマルションインキは、着色剤、オイル、不活性着色剤分散剤、及びシリコーン微粒子を3本ロールで練肉することによって、不活性着色剤分散体の調整を行ない、この不活性着色剤分散体(以後、不活性着色剤分散体)に乳化用界面活性剤、オイル、揮発性溶剤を加え攪拌し油相とし、これに水、凍結防止剤、抗菌剤、電解質などからなる水相を加え攪拌することによって乳化して、製造される。
このような方法に従い、各実施例および比較例に示される(油相組成)と(水相組成)を用いて、W/Oエマルションインキを作製した。
【0031】
実施例1
(油相組成)
着色剤:ラーベン1100(コロンビアン・カーボン株式会社)4.5部
白色顔料:トスパール120(東芝シリコーン株式会社) 5.0部
オイル:サンパーオイル120(サン石油) 15.5部
分散剤:アルミキレートALM(味の素) 0.5部
活性剤:ソルビタンモノオレエート 4.5部
(水相組成)
消泡剤:ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤:エチレングリコール 10部
水溶性樹脂:ポリアクリル酸樹脂 0.3部
水:水道水 59.2部
【0032】
実施例2
(油相組成)
着色剤:ラーベン1100(コロンビアン・カーボン株式会社)4.5部
白色顔料:トスパール120(東芝シリコーン株式会社) 5.0部
オイル:サンパーオイル120(サン石油) 12.5部
揮発性溶剤:アイソパーM 3.0部
分散剤:アルミキレートALM(味の素) 0.5部
活性剤:ソルビタンモノオレエート 4.5部
(水相組成)
消泡剤:ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤:エチレングリコール 10部
水溶性樹脂:ポリアクリル酸樹脂 0.3部
水:水道水 59.2部
【0033】
実施例3
(油相組成)
着色剤:ラーベン1100(コロンビアン・カーボン株式会社)4.5部
白色顔料:トスパール120(東芝シリコーン株式会社) 5.0部
オイル:サンパーオイル120(サン石油) 12.5部
揮発性溶剤:アイソパーM 3.0部
分散剤:アルミキレートALM(味の素) 0.5部
活性剤:ソルビタンモノオレエート 4.5部
(水相組成)
消泡剤:ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤:エチレングリコール 10部
水溶性樹脂:ポリアクリル酸樹脂 0.3部
水:水道水 58.5部
電解質:硫酸マグネシウム・7水塩 0.7部
【0034】
比較例1
(油相組成)
着色剤:ラーベン1100(コロンビアン・カーボン株式会社)4.5部
酸化チタン:CR50(石原産業株式会社) 5.0部
オイル:サンパーオイル120(サン石油) 15.5部
分散剤:アルミキレートALM(味の素) 0.5部
活性剤:ソルビタンモノオレエート 4.5部
(水相組成)
消泡剤:ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤:エチレングリコール 10部
水溶性樹脂:ポリアクリル酸樹脂 0.3部
水:水道水 59.2部
【0035】
比較例2
(油相組成)
着色剤:ラーベン1100(コロンビアン・カーボン株式会社)4.5部
酸化チタン:CR50(石原産業株式会社) 5.0部
オイル:サンパーオイル120(サン石油) 12.5部
揮発性溶剤:アイソパーM 3.0部
分散剤:アルミキレートALM(味の素) 0.5部
活性剤:ソルビタンモノオレエート 4.5部
(水相組成)
消泡剤:ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤:エチレングリコール 10部
水溶性樹脂:ポリアクリル酸樹脂 0.3部
水:水道水 58.5部
電解質:硫酸マグネシウム・7水塩 0.7部
【0036】
・インキ垂れ
印刷機(リコー製JP5500)によって、無製版で印刷速度5速で10000枚印刷し、その後1週間放置しインキローラー上のインキの状態を観察した。(常温)
◎:インキローラ上のインキが印刷初期と同様な山状形状を保持
○:インキ形状が若干崩れているが、インキの脇への流動はない。
△:インキはローラ上のインキ形状が崩れローラ脇側へインキの流動が見られるが、インキローラ脇外側までは流出してない。
×:インキローラ上のインキ形状は崩れ、インキローラ脇外側までインキが流出している。
・インキ安定性試験
インキをガラス瓶に入れ、60℃恒温槽に一ヶ月保存し、インキの表面状態を観察した。
○:油、水分離なし
△:油が若干浮いているが印刷可能である。
×:油あるいは水分離しており、画像へ影響する。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明のW/O型エマルションインキは、低粘度インキであって、インキの垂れが大幅に改善され、保存安定性の点においても優れたものである。
Claims (3)
- 油相中にフィラーとしてポリメチルシルセスキオキサン微粒子をインキ重量に対して0.05wt%〜10wt%含有し、かつ油相10〜90重量%で水相10〜90重量%であることを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
- 前記油相に蒸留初留点温度150℃〜210℃の揮発性溶剤比率を1.0〜2.5重量%含み、さらに少なくとも着色剤、不揮発性溶剤あるいはオイル、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
- 前記水相に少なくとも硫酸マグネシウムを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002291931A JP4289861B2 (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002291931A JP4289861B2 (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004123960A JP2004123960A (ja) | 2004-04-22 |
JP4289861B2 true JP4289861B2 (ja) | 2009-07-01 |
Family
ID=32283348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002291931A Expired - Fee Related JP4289861B2 (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4289861B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4886176B2 (ja) * | 2004-05-06 | 2012-02-29 | 東北リコー株式会社 | 孔版印刷用エマルジョンインキ |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0633337B2 (ja) * | 1989-04-18 | 1994-05-02 | 信越化学工業株式会社 | 球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子及びその製造方法 |
JPH107969A (ja) * | 1996-06-21 | 1998-01-13 | Showa Denko Kk | インク組成物 |
JP4052744B2 (ja) * | 1997-12-13 | 2008-02-27 | 株式会社コーセー | 油中水型乳化化粧料 |
JP2000191970A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-11 | Riso Kagaku Corp | 孔版印刷用エマルションインキ |
FR2791558B1 (fr) * | 1999-03-30 | 2001-08-10 | Oreal | Composition de maquillage ou de soin hypoallergenique contenant un organopolysiloxane reticule a groupement oxyalkylene, ses utilisations |
JP4875234B2 (ja) * | 2000-03-13 | 2012-02-15 | 東北リコー株式会社 | 孔版印刷用w/oエマルションインキ |
JP4777525B2 (ja) * | 2001-03-05 | 2011-09-21 | 東北リコー株式会社 | 孔版印刷用w/oエマルションインキ |
-
2002
- 2002-10-04 JP JP2002291931A patent/JP4289861B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004123960A (ja) | 2004-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5315780B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP3757120B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP4289861B2 (ja) | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ | |
JP4050443B2 (ja) | 孔版印刷用油中水型エマルションインキ | |
JP4870955B2 (ja) | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ | |
JP3725921B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP4860908B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP3930350B2 (ja) | 孔版印刷用w/oエマルションインキ | |
JP3693208B2 (ja) | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ | |
JP4777525B2 (ja) | 孔版印刷用w/oエマルションインキ | |
JP2012012485A (ja) | 孔版印刷機用w/o型エマルションインキ | |
JP4080113B2 (ja) | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ | |
JP3847382B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP3246696B2 (ja) | 孔版印刷用油中水滴型エマルションインク | |
JP3775533B2 (ja) | 孔版印刷機用エマルションインキ | |
JP4880832B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP2008274095A (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP4875234B2 (ja) | 孔版印刷用w/oエマルションインキ | |
JP3739539B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP4878088B2 (ja) | 孔版印刷用w/o型エマルションインキ | |
JP4851701B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP2001072911A (ja) | 孔版印刷紫用w/o型エマルションインキ | |
JP4322391B2 (ja) | 孔版印刷用w/oエマルションインキ | |
JP5315781B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ | |
JP4750440B2 (ja) | 孔版印刷用エマルションインキ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080903 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080911 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081110 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20081111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090326 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090331 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150410 Year of fee payment: 6 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |