JP3775533B2 - 孔版印刷機用エマルションインキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷機用エマルションインキ、特に感熱孔版印刷機用エマルションインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキは、分散媒となるオイル中に、固体である顔料と液体である水とが分散された、極めて複雑で不安定な系である。このインキ内においては、時間の経過と共に分散系特有の「凝集」や「合一」が進行する。
【0003】
このインキの顔料成分として酸化チタン(TiO2)を配合した場合は、上記の凝集や合一が進行したときに、マクロな油分離を引き起こしてしまう。現在一般的に用いられている印刷インキ用の酸化チタン顔料は、吸油量が20(ml/100g)前後程度であり、また一次粒子径が0.2μm程度である。このように吸油量が小さく、一次粒子経が大きい酸化チタンを用いると、酸化チタンが構造的に取り込むオイル量が少ないために、滲みを生じ、また、経時による油分離も引き起こし、油分離が進行したインキは、極端に印刷画像の滲みが大きくなり、劣悪な印刷画像になってしまう。
【0004】
この経時による油分離と滲みの劣化に対し、現在まで有効な技術は発表されておらず、また、酸化チタンを配合した孔版印刷機用エマルションインキとして、経時による油分離に優れるインキは、今まで開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、酸化チタンを配合した油中水滴型孔版印刷機用エマルションインキにおいて、経時による油分離を引き起こさず、滲みの生じないインキを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記従来技術の問題点を解決するために、種々の研究を重ねた結果、吸油量が30(ml/100g)以上の酸化チタン顔料を用いることによって、好ましくは上記の吸油量に加えて一次粒子径が0.05μm以下である酸化チタン顔料を用いることによって、経時による油分離を引き起こさず、滲みの生じないインキが得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】
即ち、本発明によれば、第一に、鉱物油又は植物油中に、少なくとも酸化チタン、界面活性剤及び水を分散させてなり、油相約10〜90重量%と水相約90〜10重量%によって構成される油中水滴型孔版印刷機用エマルションインキであって、前記酸化チタンの吸油量が30(ml/100g)以上であることを特徴とする孔版印刷機用エマルションインキが提供される。
第二に、上記第一において、前記酸化チタンの一次粒子径が0.05μm以下であることを特徴とする孔版印刷機用エマルションインキが提供される。
第三に、上記第一又は第二において、ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合ししてなることを特徴とする孔版印刷機用エマルションインキが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の孔版印刷機用エマルションインキは、前述したように、鉱物油又は植物油中に、少なくとも酸化チタン、界面活性剤及び水を分散させてなる油中水滴型エマルションインキにおいて、上記酸化チタンの吸油量が30(ml/100g)以上であることを特徴とする
【0009】
本発明のエマルションインキは、吸油量が30(ml/100g)以上の酸化チタン顔料を用いたことにより、構造的に取り込むオイル量が多いために滲みを生じず、また、経時による油分離も引き起こさないため、滲みの劣化がなく、ある程度古くなったインキでも、鮮明な画像を得ることが出来る。なお、吸油量が極端に大きい酸化チタン顔料を用いると、インキ流動性が著しく損なわれるので、吸油量30〜70(ml/100g)の酸化チタン顔料を用いることが好ましい。
【0010】
また、本発明のエマルションインキにおいては、上記の吸油量に加えて一次粒子径が0.05μm以下である酸化チタン顔料を用いると、滲みを生じず、かつ経時による油分離を引き起こさない上に、印刷画像に表面平滑性を与えることが出来るものとなる。従来の粒径(0.2μm前後)の酸化チタン顔料を用いて滲みをなくそうとすると、比較的凝集した分散状態にせざるを得ず、表面平滑性の悪い画像となってしまう。なお、一次粒子径が0.01μm未満では、安定な分散が困難になってしまうので、一次粒子径が0.01〜0.05μmの酸化チタン顔料を用いるのが特に好ましい。
【0011】
更に、本発明のエマルションインキにおいては、ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合すると、ポリグリセリン脂肪酸エステルが顔料表面で界面膜としてオイルを取り込むため、滲みや油分離に対して更に大きな効果を得ることが出来る。
【0012】
本発明で用いる鉱物油としては、例えば石油系溶剤、流動パラフィン、スピンドル油、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、モーター油等が、また植物油としては、あまに油、トール油、とうもろこし油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、大豆油、脱水ひまし油等が挙げられる。また、ポリイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペンタエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコーン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエーテル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の合成油も使用可能である。なお、石油系溶剤としては、エクソン社のアイソパーや日本石油社の日石ソルベント等の混合溶剤を使用しても良い。そして、これらの油は単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0013】
また、着色剤としては、前記したように特定の吸油量を有する酸化チタンが用いられるが、酸化チタン単独で使用することもできるし、他の着色剤と併用することも出来る。併用する着色剤としては、従来公知のものが任意に使用でき、例えば、カーボンブラック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料及び天然染料系顔料等の顔料、ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料等が挙げられる。これらの染顔料類は、単独でも2種以上混合して添加しても良い。インキ内への着色剤添加量は1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%とするのが良い。
【0014】
本発明で用いる顔料分散剤としては、前述したポリグリセリン脂肪酸エステルが最も好ましい。この場合、構成するポリグリセリンは、重合モル数2〜14のもの、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等がある。ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の顔料分散剤としては、以下のもの等を単独又はその効果を損なわない範囲で、併用することが出来る。ソルビタン脂肪酸エステルとして、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が例示される。その他、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等が例示される。この他、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩等も、併用可能である。これらの分散剤は単独又は2種以上混合して添加すれば良く、その添加量は着色剤重量の40%以下、好ましくは2〜35重量%とすれば良い。
【0015】
乳化剤としては、非イオン性界面活性剤を用いるのが好ましく、具体的には、ソルビタン脂肪酸エステルとして、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が例示される。その他、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等が例示される。これらは単独又は2種以上混合しインキに添加すれば良く、添加量はインキ重量の1〜20重量%とすれば良い。
【0016】
本発明においては、以上の他、油相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で、樹脂、ゲル化剤及び酸化防止剤等を添加することができる。
また、水相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で、水溶性高分子、防腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整剤、電解質等を添加することができる。
なお、水に関しては清浄であれば良く、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水等を用いれば良い。
【0017】
油相に添加される樹脂は、着色剤と被印刷物との固着、着色剤の分散及びインキの経時安定性向上等のために、従来から添加されているバインダー樹脂である。従って、従来から添加されている樹脂を添加すれば良く、具体的には、ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ゴム誘導体、重合ひまし油等を1種又は2種以上混合して添加すれば良い。また、添加量はインキ重量の20重量%以下、好ましくは1〜7重量%とすれば良い。
【0018】
ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性等を向上させる役割を持ち、本発明のインキに添加されるゲル化剤としては、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物を例示すると、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。これらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すればよく、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、好ましくは5〜10重量%である。
【0019】
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等であり、これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキ粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインキ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0020】
エマルションインキの水相に添加される水溶性高分子は、保湿や増粘のために添加されるものであり、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加される。デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、テキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル樹脂誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子、その他。これらの水溶性高分子は、単独でも2種以上混合しても良く、インキに含まれる水の25重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%添加される。
【0021】
水相に添加される防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期間保存する場合は防腐・防かび剤の添加が普通である。その添加量は、インキ中に含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重量%とするのが良い。また、防腐・防かび剤としては、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物及びその塩素化合物の他、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使用され、これらは単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0022】
水の蒸発抑制剤と凍結防止剤は兼用可能であり、これらの目的で添加される薬品は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール、グリセリンやソルビトール等の多価アルコール、等である。これらの薬品は1種又は2種以上添加すれば良く、その添加量はインキ中の水重量の15重量%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0023】
水に添加されるpH調整剤は、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等であり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されている場合にその効果が損なわれる等の問題がある。
【0024】
水相に添加される電解質は、エマルションの安定性を高めるために添加されるものである。従って、その電解質にはエマルションの安定性向上に有効な離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが良い。離液順列が高い陰イオンは、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンは、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンであるから、ここで添加される電解質としては、少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好ましい。従って、ここで添加される電解質としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加量は水相の0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0025】
上記の他、本発明の孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上がり防止等のために、油相にワックスを添加することができる。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナトリウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度化を更に増進させることができる。更に、水相に防錆剤や消泡剤を添加して、印刷の際に印刷機がインキによって錆びたり、インキが泡立つことを防止することができる。これらの添加剤は、孔版印刷機用インキに添加されている公知品を必要に応じて添加すれば良く、その添加量は従来品の場合と同程度で良い。
【0026】
本発明のエマルションインキは、従来のエマルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を調整し、この両者を公知の乳化機内で乳化させてインキとすれば良い。即ち、着色剤、乳化剤及び必要に応じて添加される樹脂等の添加物を良く分散させた油を常法にて調整し、これに防腐・防かび剤や水溶性高分子等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添加して乳化させれば良い。
【0027】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に示す部は、重量基準である。
【0028】
実施例1
カーボンブラック 0.5部
酸化チタン 5.5部
[TTO-55(B):石原産業:吸油量35(ml/100g)]
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.0部
アルキド樹脂 3.0部
ポリオキシエチレンひまし油 5.5部
水 69.0部
MgSO4 1.0部
上記割合にて、カーボンブラック、酸化チタン、日石A油、日石B油、アルキド樹脂、ポリオキシエチレンひまし油を混合し、三本ロールにて分散処理を行い、油相を得た。油相に関しては、ポリオキシエチレンひまし油と顔料とオイルにてミルベースを作成し、それに各添加物を混合し、油相を作成することも出来る。この油相を撹拌機で撹拌しながら、硫酸マグネシウムを溶解させた水を徐々に添加していき、乳化させW/O型エマルションを得た。
【0029】
このエマルションインキを使用し、孔版印刷機リコー社製VT−3820機で印刷し、印刷画像を得た。また、このインキにおいて、製造初期と60℃で1ヶ月間放置後に、インキの遠心油分離量、外観油分離(目視によるランク評価)、印刷画像の滲み(目視によるランク評価)の評価を行った。
【0030】
実施例2
カーボンブラック 0.5部
酸化チタン 5.5部
[TTO-55(B):石原産業:吸油量35(ml/100g)]
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.0部
アルキド樹脂 3.0部
ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.5部
ポリオキシエチレンひまし油 5.0部
水 69.0部
MgSO4 1.0部
上記割合にて、カーボンブラック、酸化チタン、日石A油、日石B油、アルキド樹脂、ポリオキシエチレンひまし油、ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し、三本ロールにて分散処理を行い、油相を得た。油相に関しては、ポリグリセリン脂肪酸エステルと顔料とオイルにてミルベースを作成し、それに各添加物を混合し、油相を作成することも出来る。この油相を撹拌機で撹拌しながら、硫酸マグネシウムを溶解させた水を徐々に添加していき、乳化させW/O型エマルションインキを得た。
【0031】
このエマルションインキを使用し、孔版印刷機リコー社製VT−3820機で印刷し、印刷画像を得た。また、このインキにおいて、製造初期と60℃で1ヶ月間放置後に、インキの遠心油分離量、外観油分離(目視によるランク評価)、印刷画像の滲み(目視によるランク評価)の評価を行った。
【0032】
比較例1
カーボンブラック 0.5部
酸化チタン 5.5部
[CR-50:石原産業:吸油量18(ml/100g)]
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.0部
アルキド樹脂 3.0部
ポリオキシエチレンひまし油 5.0部
水 69.0部
MgSO4 1.0部
上記配合物にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0033】
実施例1、2及び比較例1の結果を表1に示す。
尚、表1記載の遠心油分離量とは、インキに6300Gの遠心力を3時間与え、それによって出てきた油のインキ重量に対する割合を%で示したものである。また、表1記載の外観油分離は、インキパック中の見た目の油量をランクにしたものであり、油分離が少ない程良く、良い順に、(◎:良好 ○:やや良 □:普通 △:やや悪い ×:悪い)とした。また、表1記載の滲みは、印刷画像の見た目の滲み量をランクにしたものであり、滲みが少ない程良く、良い順に、(◎:良好 ○:やや良 □:普通 △:やや悪い ×:悪い)とした。
【0034】
【表1】
【0035】
表1の結果から、本発明の条件を満たすことによって、経時による油分離を引き起こさず、滲みの生じないインキを得ることが出来ることが分る。
【0036】
【発明の効果】
請求項1の孔版印刷機用エマルションインキは、油相中の鉱物油又は植物油中に、少なくとも酸化チタン、界面活性剤及び水を分散させてなり、油相約10〜90重量%と水相約90〜10重量%によって構成される油中水滴型孔版印刷機用エマルションインキにおいて、前記酸化チタンの吸油量が30(ml/100g)以上であることから、経時による油分離を引き起こさず、滲みの生じないものとなる。
【0037】
請求項2の孔版印刷機用エマルションインキは、更に前記酸化チタンの一次粒子径が0.05μm以下であるという要件を付加したことから、印刷画像に表面平滑性を与えることができるという効果が加わる。
【0038】
請求項3の孔版印刷機用エマルションインキは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合したことから、該エステルが顔料表面に吸着し、界面膜として構造的にオイル成分を取り込むことが考えられ、その結果として滲みや油分離の抑制効果が更に向上する。
Claims (3)
- 鉱物油又は植物油中に、少なくとも酸化チタン、界面活性剤及び水を分散させてなり、油相約10〜90重量%と水相約90〜10重量%によって構成される油中水滴型孔版印刷機用エマルションインキであって、前記酸化チタンの吸油量が30(ml/100g)以上であることを特徴とする孔版印刷機用エマルションインキ。
- 請求項1において、前記酸化チタンの一次粒子径が0.05μm以下であることを特徴とする孔版印刷機用エマルションインキ。
- 請求項1又は2において、ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合してなることを特徴とする孔版印刷機用エマルションインキ。
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