JP3736960B2 - 孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷方法は、周知のように孔版印刷用原紙を用い、この原紙の開口部を介して原紙の一方の側より他方の側へインキを移動させることにより、紙等の被印刷物表面に印刷を行うものである。この印刷方法において、印刷直後の印刷物が排紙台上に重ねられて行くため、印刷部の裏面に前印刷物の未乾燥インキが付着する現象、いわゆる「裏移り」は避けられない問題である。
【0003】
上記「裏移り」を改良するため、特開平6−116525号公報では油相中に着色剤と平均粒子径8〜30μmの固体粒子を配合する提案がなされている。しかし、着色剤と固体粒子が同相に存在する場合、固体粒子表面にも着色剤が付着してしまい、「裏移り」に対して十分な効果が得られない。また、特開平8−218025号公報では水相中に体質顔料を、特開平8−302262号公報では油相中に体質顔料を含有するという提案がなされているが、両提案とも使用している体質顔料が1.6μm〜3.5μmと小さいため、「裏移り」に対しては十分な効果が得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、「裏移り」を改良した孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(1)油相中に、乳化剤を用いて水相を相分離分散状態にした孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキにおいて、着色剤を含有する相の逆相に、着色剤の平均粒子径の20倍以上の平均粒子径を有する固体粒子を含有させたことを特徴とする孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ、
(2)上記(1)において、油相に着色剤を、水相に着色剤の平均粒子径の20倍以上の平均粒子径を有する固体粒子を含有させたことを特徴とする孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ。
(3)上記(1)において、固体粒子の平均粒子径が8〜30μmであることを特徴とする孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ、
が提供される。
【0006】
孔版印刷機において、印刷直後には紙表面にインキ塗膜が形成され、紙の内部に浸透する過程で油相と水相に分離してそれぞれ浸透、乾燥していくと言われている。その段階で、未乾燥の着色剤含有相が次に来た印刷紙の裏側に付着することによって、裏移りは生じている。その前記未乾燥の着色剤含有相の膜厚は、着色剤粒子の粒子径に依存しており、その皮膜に次の印刷紙の裏側が接触することを防げれば、裏移りを防止することができる。
【0007】
そこで本発明では、着色剤を含有する相の逆相に、着色剤含有相の紙上膜厚より大きい、着色剤の平均粒子径の20倍以上の平均粒子径を有する固体粒子を含有することによって、前記接触を防いでいる。前述したように、着色剤含有相の膜厚は着色剤粒子の粒子径に依存しているため、その着色剤粒子径の20倍以上、好ましくは8〜30μmの固体粒子を使用することで、効果的に、皮膜に次の印刷紙の裏側が接触することを防ぐことができる。また、着色剤粒子の逆相に固体粒子を含有することで、固体粒子表面への着色剤の付着を防ぐことができるため、固体粒子表面から次の印刷紙の裏側へ着色剤が付着することがないので、裏移りを生じない。もしも、固体粒子と着色剤粒子が同相に存在した場合、固体粒子表面と着色剤表面は分散媒を介して非常に相溶性がよくなるため、固体粒子表面に着色剤が付着してしまい、裏移りの効果的な解決にはならない。
【0008】
また、本発明においては、油相に着色剤、水相に前記着色剤の平均粒子径の20倍以上の平均粒子径を有する固体粒子を含有することで、より効果的に前述の効果を得ることができる。油相と水相が紙の内部に浸透していくメカニズムとして、油相が先に紙の内部に浸透していき、その後水相が浸透するといわれている。その場合、油相に着色剤が含有されている方が、着色剤含有相が先に紙の内部に浸透し、その上に固体粒子が乗る形になるため、前述の効果をより効果的に得ることができる。
【0009】
更に、本発明においては、固体粒子の平均粒子径が8〜30μmであることで、画像上も最適な状態で前述の効果を得ることができる。仮に着色剤の分散粒子径が小さく固体粒子がその20倍以上あっても、固体粒子径自体が小さくなると紙の繊維間に埋没するものも出てくるため、8μm以下では効果がやや小さくなってしまう。また、固体粒子が30μm以上になると、マスター開孔部を通過できないものも出てくるため、裏移りには良好なものの、画像上白抜けを生ずる場合も出てくる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で用いる固体粒子としては、それを分散させる分散媒に不溶でその固体構造を保てるものであれば特に限定はなく、例えばポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリカ、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、その他が使用可能である。上記固体粒子の添加量はインキ自体の系を崩壊させないレベルで任意の量が使用可能であり、好ましくはインキ全体量に対して、0.5〜30重量%である。
【0011】
本発明で用いるオイル成分としては、鉱物油や植物油等があり、鉱物油としては、例えば石油系溶剤、流動パラフィン、スピンドル油、軽油、灯油、マシン油、ギアー油、潤滑油、モーター油等が、また植物油としては、あまに油、トール油、とうもろこし油、オリーブ油、なたね油、ひまし油、大豆油、脱水ひまし油等が挙げられる。また、ポリイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペンタエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコーン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエーテル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の合成油も使用可能である。なお、石油系溶剤としては、エクソン社のアイソパーや日本石油社のAF5号ソルベント等のソルベント類等の混合溶剤を使用しても良い。そして、これらの油は単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0012】
本発明で用いる着色剤としては、従来公知のものが任意に使用でき、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料及び天然染料系顔料等の顔料等が挙げられる。これらの顔料等は、単独でも2種以上混合して添加しても良く、インキ内への顔料添加量は1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%とするのが良い。
【0013】
本発明で用いる分散剤としては、ジグリセリン、トリグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等のポリグリセリンの脂肪酸エステルが挙げられる。該脂肪酸エステル以外としては、ソルビタン脂肪酸エステルとして、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が例示される。その他、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等が例示される。この他、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、アルコール類等が使用可能である。これらの分散剤は油相又は水相に着色剤や固体粒子を良好に分散させるために、必要に応じて使用すれば良く、単独又は2種以上混合しても使用可能である。その添加量は着色剤重量の40%以下、好ましくは2〜35重量%とすれば良い。
【0014】
乳化剤としては、非イオン性界面活性剤を用いるのが好ましく、具体的には、ソルビタン脂肪酸エステルとして、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が例示される。その他、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等が例示される。これらは、効果を損なわない範囲で、単独又は2種以上混合してインキに添加してもよく、添加量はインキ重量の1〜20重量%とすればよい。
【0015】
本発明においては、以上の他、油相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で、樹脂、ゲル化剤、及び酸化防止剤等を添加することができる。
また、水相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で、水溶性高分子、防腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整剤、電解質等を添加することができる。
なお、水に関しては清浄であればよく、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水等を用いれば良い。
【0016】
油相に添加される樹脂は、顔料と被印刷物との固着、顔料の分散及びインキの経時安定性向上等のために、従来から添加されているバインダー樹脂である。従って、従来から添加されている樹脂を添加すれば良く、具体的にはロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ゴム誘導体、重合ひまし油等を1種又は2種以上混合して添加すれば良い。また、添加量はインキ重量の20重量%以下、好ましくは1〜7重量%以下とすれば良い。
【0017】
ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性等を向上させる役割を持ち、本発明のインキに添加されるゲル化剤としては、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物を例示すると、Li,Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。これらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すればよく、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、好ましくは5〜10重量%である。
【0018】
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等であり、これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキ粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインキ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0019】
エマルションインキの水相に添加される水溶性高分子は、保湿や増粘の為に添加されるものであり、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加される。デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル樹脂誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド及びN−エチルアクリルアミド等のN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、ポリ酢酸ビニル等の合成高分子、及び2種類以上の異なるモノマーから合成された水溶性の合成高分子、その他。これらの水溶性高分子は、単独でも2種以上混合して添加しても良く、インキに含まれる水の25重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%添加される。
【0020】
水相に添加される防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やカビが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期間保存する場合は防腐・防かび剤の添加が普通である。その添加量は、インキ中に含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重量%とするのが良い。また、防腐・防かび剤としては、サリチル酸、フェノール酸、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物及びその塩素化合物の他、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使用され、これらは単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0021】
水の蒸発抑制剤と凍結防止剤は兼用可能であり、これらの目的で添加される薬品は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール、グリセリンやソルビトール等の多価アルコール等である。これらの薬品は1種又は2種以上添加すればよく、その添加量はインキ中の水重量の15重量%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0022】
水に添加されるpH調整剤は、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等であり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されている場合にその効果が損なわれる等の問題がある。
【0023】
水相に添加される電解質は、エマルションの安定性を高めるために添加されるものである。従って、その電解質にはエマルションの安定性向上に有効な離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが良い。離液順列が高い陰イオンは、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンはアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンであるから、ここで添加される電解質としては少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好ましい。従って、ここで添加される電解質としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加量は水相の0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0024】
上記の他、本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上がり防止等のために、油相にワックスを添加することができる。
【0025】
また、水相にはトリエタノールアミンやアンモニア、水酸化ナトリウム等を添加して水溶性高分子添加による高粘度化を更に増進させることができる。更に、水相に防錆剤や消泡剤を添加して、印刷の際に印刷機がインキによって錆びたり、インキが泡立つことを防止することができる。これらの添加量は孔版印刷用インキに添加されている公知品を必要に応じて添加すればよく、その添加量は従来品の場合と同程度で良い。
【0026】
本発明のエマルションインキは、従来のエマルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を調整し、それぞれを撹拌機や三本ロールミル、ボールミル等で撹拌、分散した後、この両者を公知の乳化機内で乳化させてインキとすれば良い。
【0027】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下に示す部は、重量基準である。
【0028】
実施例1
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 20.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
HDPEパウダー(A) 5.0部
水相成分
水 52.5部
エチレングリコール 10.0部
アクリル酸重合物 1.0部
アンモニア 0.5部
エチレンジオール 1.0部
カーボンブラック 5.0部
上記割合の油相成分を混合し、三本ロールミルにて分散し、油相を得た。また、上記割合の水相成分を混合し、ボールミルにて分散し、水相を得た。前記油相を乳化機にて撹拌しながら前記水相成分を徐々に添加していき、乳化させてW/O型エマルションインキを得た。
【0029】
このエマルションインキを使用し、(株)リコー社製孔版印刷機プリポートVT−3820で印刷し、印刷画像を得た。
また、前記油相及び水相の、乳化する前の状態で堀場製作所製レーザー式粒度分布計(LA−700)にて、着色剤及び固体粒子の平均粒子径を測定した。
【0030】
実施例2
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 14.0部
ロジン変性ポリエステル樹脂 5.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
アルミニウムキレート化合物 1.0部
カーボンブラック 5.0部
水相成分
水 55.0部
エチレングリコール 10.0部
シリカパウダー(A) 5.0部
上記配合組成にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0031】
実施例3
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 20.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
HDPEパウダー(B) 5.0部
水相成分
水 52.5部
エチレングリコール 10.0部
アクリル酸重合物 1.0部
アンモニア 0.5部
エチレンジオール 1.0部
カーボンブラック 5.0部
上記配合組成にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0032】
実施例4
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 14.0部
ロジン変性ポリエステル樹脂 5.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
アルミニウムキレート化合物 1.0部
カーボンブラック 5.0部
水相成分
水 55.0部
エチレングリコール 10.0部
シリカパウダー(B) 5.0部
上記配合組成にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0033】
実施例5
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 20.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
HDPEパウダー(C) 5.0部
水相成分
水 52.0部
エチレングリコール 10.0部
アクリル酸重合物 1.0部
アンモニア 0.5部
エチレンジオール 1.5部
カーボンブラック 5.0部
上記配合組成にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0034】
実施例6
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 14.0部
ロジン変性ポリエステル樹脂 5.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
アルミニウムキレート化合物 1.0部
カーボンブラック 5.0部
水相成分
水 55.0部
エチレングリコール 10.0部
シリカパウダー(C) 5.0部
上記配合組成にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0035】
比較例1
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 20.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
水相成分
水 52.5部
エチレングリコール 10.0部
アクリル酸重合物 1.0部
アンモニア 0.5部
エチレンジオール 1.0部
カーボンブラック 5.0部
シリカパウダー(A) 5.0部
上記配合組成にて、油相は撹拌機にて混合し、水相はカーボンブラックとシリカパウダーを別にし、それぞれに水相ビヒクルの半分ずつを添加して、別々にボールミルにて分散した。その後、水相成分を混合し、水相を得た。前記油相を乳化機にて撹拌しながら前記水相成分を徐々に添加していき、乳化させてW/O型エマルションインキを得た。このインキに関し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0036】
比較例2
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 14.0部
ロジン変性ポリエステル樹脂 5.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
アルミニウムキレート化合物 1.0部
カーボンブラック 5.0部
シリカパウダー(A) 5.0部
水相成分
水 55.0部
エチレングリコール 10.0部
上記配合組成にて、水相は撹拌機にて混合し、油相はカーボンブラックとシリカパウダーを別にし、それぞれに油相ビヒクルの半分ずつを添加して、別々に三本ロールミルにて分散した。その後、油相成分を混合し、油相を得た。この油相を乳化機にて撹拌しながら前記水相成分を徐々に添加していき、乳化させてW/O型エマルションインキを得た。このインキに関し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0037】
比較例3
油相成分
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 14.0部
ロジン変性ポリエステル樹脂 5.0部
ソルビタンセスキオレート 5.0部
アルミニウムキレート化合物 1.0部
カーボンブラック 5.0部
水相成分
水 55.0部
エチレングリコール 10.0部
炭酸カルシウム 5.0部
上記配合組成にて、実施例1と同様にインキを作成し、実施例1と同様の印刷及び測定を行った。
【0038】
実施例1〜6及び比較例1〜3の結果を表1に示す。
なお、表1記載の裏移りは、印刷画像を目視で6段階にランク分けしたものであり、裏移り量が少ない程良い。
1:悪い 2:やや悪い 3:普通
4:やや良 5:良好 6:非常に良好
【0039】
【表1】
Figure 0003736960
【0040】
前記表1の結果から、実施例1〜6と比較例1〜2を比較すると、着色剤と固体粒子を逆相に入れることで、明らかに裏移りが向上していることが分かる。また、実施例2、4、6と比較例3と比較すると、着色剤と固体粒子を逆相に入れた場合でも、固体粒子が着色剤の20倍未満の小さなものでは、改善の効果が無いことが分かる。
次に、請求項2記載の条件に関し、実施例1、3、5と実施例2、4、6を比較すると、水相に着色剤で油相に固体粒子を入れるよりも、油相に着色剤で水相に固体粒子を入れた方が、より大きな効果になっていることが分かる。
また、請求項3記載の条件に関し、実施例1、2、5と実施例3、4、6を比較すると、固体粒子の平均粒子径が8μm以上の場合に、より大きな効果が見られることが分かる。但し、実施例6のように、30μmを越えるものに関しては、画像上問題ないレベルではあるものの、僅かな白抜けが見られた。
以上の結果から、本発明の条件を満たすことによって裏移りを改良したインキが得られることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキは、着色剤を含有する相の逆相に、着色剤の平均粒子径の20倍以上の平均粒子径を有する固体粒子を含有させたことから、極めて裏移りの少ない印刷物を得ることができる。
【0042】
請求項2の孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキは、油相に着色剤を、かつ水相に前記平均粒子径を有する固体粒子を含有させたことから、更に裏移りの少ない印刷物を得ることができる。
【0043】
請求項3の孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキは、平均粒子径が8〜30μmの固体粒子を含有させたことから、より更に裏移りの少ない印刷物を得ることができる。

Claims (3)

  1. 油相中に、乳化剤を用いて水相を相分離分散状態にした孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキにおいて、着色剤を含有する相の逆相に、着色剤の平均粒子径の20倍以上の平均粒子径を有する固体粒子を含有させたことを特徴とする孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ。
  2. 請求項1において、油相に着色剤を、水相に着色剤の平均粒子径の20倍以上の平均粒子径を有する固体粒子を含有させたことを特徴とする孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ。
  3. 請求項1において、固体粒子の平均粒子径が8〜30μmであることを特徴とする孔版印刷機用油中水滴型エマルションインキ。
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