JP3839105B2 - 孔版印刷用インキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は孔版印刷用インキに関し、詳しくは、孔版印刷用W/O型エマルションキインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な孔版印刷用油中水滴型エマルションインキは、分散媒となるオイル中に、固体である顔料と液体である水とが分散された、極めて複雑で不安定な系である。そのインキ内に於いて顔料が凝集すると、二次粒子径が大きくなり、目詰まり、浸透性の悪化、画像光沢の低下等を引き起こしてしまう。また、乳化系が凝集、合一を引き起こすと、インキ粘度の低下や、マクロな相分離(水分離)を引き起こしてしまう。
これらの問題を解消し安定なインキにする為に、界面活性剤として、ポリグリセリンオキシ脂肪酸エステルを用いる方法(特公平3−78433号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを用いると、顔料の分散性は良好なものの、エマルションの粘度が低下し、水相粒子が動きやすくなるため、水相粒子の合一が速まり、水分離を引き起こしやすくなってしまうと考えられる。すると結果的にインキの出過ぎによる裏抜けや滲みを生じてしまう。さらに、流動特性として、見かけ粘度の割に降伏値が低くなるため、印刷機内での尻漏れや脇漏れといった不具合を生じてしまうと考えられる。
これらのことから、孔版印刷用エマルションインキとして、顔料分散系と水相のエマルション系が同時に安定で、かつ印刷機内においても不具合の無いインキは、今まで開発されていない。
【0004】
従って、本発明の目的は顔料分散系及び水相のエマルション系の分散が、良好かつ安定であり、さらに印刷機内においても不具合のない孔版印刷用W/O型エマルションインキを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に鉱物油または植物油中に、少なくとも顔料、顔料分散剤乳化剤及び水を分散させてなり、油相約10〜90重量%と水相約90〜10重量%によって構成される油中水滴型孔版印刷用エマルションインキにおいて、顔料分散剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルと、それ以外で乳化剤としてのHLB値1〜8の界面活性剤とを併用して配合し、ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が0.1〜3重量%、それ以外でHLB値1〜8の界面活性剤の配合量が3〜20重量%であることを特徴とする孔版印刷用インキ提供される。第二に、前記第一において、ポリグリセリン脂肪酸エステル以外でHLB値1〜8の界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステルである孔版印刷用インキが提供される。第三に、前記第一又は第二において、コーンプレート型粘度計(Φ30,コーン角4°)にて測定される剪断速度10−1(1/S)の粘度値が100000cps〜500000cpsである孔版印刷用インキが提供される。
【0006】
本発明者は、前記従来技術の問題点を解決するために、種々の研究・検討を重ねてきた結果、ポリグリセリン脂肪酸エステルとそれ(ポリグリセリン脂肪酸エステル)以外のHLB値1〜8の界面活性剤とを併用すること、及びポリグリセリン脂肪酸エステルの量が0.1〜3重量%、それ以外のものでHLB値1〜8の界面活性剤の量が3〜20重量%の範囲内にすることで、顔料分散系と水相のエマルション系が同時に安定で、かつ印刷機内においても不具合の無い孔版印刷用インキを得るに至った。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、顔料表面に吸着し、良好な分散性、流動性を付与すると共に、立体障害効果による顔料粒子の凝集防止性を優れたものにする。それによって、目詰まり、浸透性の悪化、画像光沢の低下等を防止することが出来る。ところが、これを乳化系に用いると、エマルションの粘度が低下し、水相粒子が動きやすくなるため、水相粒子の合一が速まり、水分離を引き起こしやすくなってしまう。すると結果的にインキの出過ぎによる裏抜けや滲みを生じてしまう。さらに、流動特性として、見かけ粘度の割に降伏値が低くなるため、印刷機内での尻漏れや脇漏れといった不具合を生じてしまう。
【0007】
そこで、上記のポリグリセリン脂肪酸エステルと、それ以外のものでHLB値1〜8好ましくは3〜6の界面活性剤とを併用すること、及びポリグリセリン脂肪酸エステルの量が0.1〜3重量%、それ以外のものでHLB値1〜8の界面活性剤の量が3〜20重量%の範囲内にすることで、顔料分散系、乳化系共に良好な分散状態、安定化状態を作りだすことができ、また、乳化系の降伏値がポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合ほど低下しないので、水相の合一も防止でき、かつ印刷機内での尻漏れや脇漏れも防止することが出来る。HLB値が1より低い界面活性剤では乳化能力が弱く、逆に8より高い界面活性剤ではW/O型エマルションを形成しづらくなる。特にHLB値が3〜6の界面活性剤では最も安定してW/O型エマルションを形成することができる。
【0008】
このHLB値が1〜8の界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルが最も効果的である。ソルビタン脂肪酸エステルは、インキの流動特性において、適度な降伏値を付与する事により、エマルションを安定化させるほかに、尻漏れや脇漏れの防止に関しても最も良好なインキを与えることが出来る。
【0010】
また、本発明の孔版印刷用インキは印刷機での印刷特性上最適な粘度範囲にあることが好ましく、それにはコーンプレート型粘度計(Φ30,コーン角4°)によって測定される剪断速度10 1(1/S)の粘度が100000cps〜500000cpsの範囲にあるのがよい。この粘度範囲であれば最良の画像を得ることができる
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、重合モル数2〜14のもの、例えばジグリセリン、トリグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等がある。
【0012】
本発明で用いる鉱物油としては、例えば石油系溶剤、流動パラフィン、スピンドル油、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、モータ油等が、また植物油としては、あまに油、トール油、とうもろこし油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、大豆油、脱水ひまし油等が挙げられる。また、ポリイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペンタエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコーン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエーテル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の合成油も使用可能である。なお、石油系溶剤としてはエクソン社製のアイソパーや日本石油社製の日石ソルベント等の混合溶剤を使用しても良い。そして、これらの油は単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0013】
また、顔料としては、従来公知のものが任意に使用でき、例えば、カーボンブラック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、及び天然染料系顔料等の顔料等が挙げられる。これらの顔料類は、単独でも2種以上混合して添加しても良く、インキ内への顔料添加量は1〜15重量%、好ましくは2〜10重量とするのが良い。
【0014】
ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤を用いるのが好ましく、具体的には、ソルビタン脂肪酸エステルとして、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が例示される。その他、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等が例示される。これらは、効果を損なわない範囲で、単独又は2種以上混合してインキに添加してもよく、添加量はインキ重量の3〜20重量%とすればよい。
【0015】
本発明においては、以上の他、油相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で、樹脂、ゲル化剤、及び酸化防止剤等を添加する事ができる。また、水相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で、水溶性高分子、防腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整剤、電解質等を添加する事ができる。
なお、水に関しては清浄であれば良く、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水等を用いれば良い。
【0016】
油相に添加される樹脂は、顔料と被印刷物との固着、顔料の分散及びインキの経時安定性向上等のために、従来から添加されているバインダー樹脂である。従って、従来から添加されている樹脂を添加すれば良く、具体的にはロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ゴム誘導体、重合ひまし油等を1種または2種以上混合して添加すれば良い。また、添加量はインキ重量の20重量%以下、好ましくは1〜7重量%とすれば良い。
【0017】
1種又は2種以上の顔料を分散させる顔料分散剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルを単独又は、その効果を損なわない範囲で、前記の乳化剤用非イオン性界面活性剤と併用することが出来る。この他、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、等も併用可能である。
【0018】
ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性等を向上させる役割を持ち、本発明のインキに添加されるゲル化剤としては、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物を例示すると、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。これらのゲル化剤は、1種または2種以上を油相に添加すればよく、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、好ましくは5〜10重量%である。
【0019】
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等であり、これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキ粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインキ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0020】
エマルションインキの水相に添加される水溶性高分子は、補湿や増粘の為に添加されるものであり、具体的には下記の天然または合成高分子が添加される。デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル樹脂誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、等の合成高分子。これらの水溶性高分子は、単独でも2種以上混合して添加しても良く、インキに含まれる水の25重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%添加される。
【0021】
水相に添加される防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期間保存する場合は防腐・防かび剤の添加が普通である。その添加量は、インキ中に含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重量%とするのが良い。また防腐・防かび剤としては、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物及びその塩素化合物の他、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使用され、これらは単独でも2種以上混合して使用しても良い。
【0022】
水の蒸発抑制剤と凍結防止剤は兼用可能であり、これらの目的で添加される薬品は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール、グリセリンやソルビトール等の多価アルコール、等である。これらの薬品は1種または2種以上添加すれば良く、その添加量はインキ中の水重量の15重量%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0023】
水に添加されるpH調整剤は、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等であり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つ事ができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されている場合にその効果が損なわれる等の問題がある。
【0024】
水相に添加される電解質は、エマルションの安定性を高めるために添加されるものである。従って、その電解質にはエマルションの安定性向上に有効な離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが良い。離液順列が高い陰イオンは、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンはアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンであるから、ここで添加される電解質としては少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好ましい、従って、ここで添加される電解質としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加量は水相の0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0025】
上記の他、本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上がり防止等のために油相にワックスを添加する事ができる。また水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナトリウム等を添加して水溶性高分子添加による高粘度化を更に増進させる事ができる。更に、水相に防錆剤や消泡剤を添加して、印刷の際に印刷機がインキによって錆びたり、インキが泡立つのを防止する事ができる。これらの添加剤は孔版印刷用インキに添加されている公知のものを必要に応じて添加すれば良く、その添加量は従来品の場合と同程度で良い。
【0026】
本発明のエマルションインキは、従来のエマルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を調整し、この両者を公知の乳化機内で乳化させてインキとすれば良い。すなわち、着色剤、乳化剤及び必要に応じて添加される樹脂等の添加物を良く分散させた油を常法にて調整し、これに防腐・防かび剤や水溶性高分子等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添加して乳化させれば良い。
【0027】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
カーボンブラック(着色剤) 0.5重量部
酸化チタン(着色剤) 5.5重量部
ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.5重量部
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5重量部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.0重量部
アルキド樹脂 3.0重量部
ソルビタンセスキオレート 5.0重量部
水 70.0重量部
上記割合にて、カーボンブラック、酸化チタン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、日石A油、日石B油、アルキド樹脂、ソルビタンセスキオレートを混合し、三本ロールにて分散処理を行い、油相を得た。油相に関しては、ポリグリセリン脂肪酸エステルと顔料とオイルにてミルベースを作成し、それに各添加物を混合し、油相を作成することも出来る。この油相を撹絆機で撹絆しながら、水を徐々に添加していき、乳化させW/O型エマルションインキを得た。このエマルションインキを使用し、リコー社製孔版印刷機(VT−3820)で印刷して、印刷画像を得た。
また、このインキ及び印刷画像に関し、粘度、浸透性、滲み、尻漏れ等を評価した。インキ粘度はHAAKE社製CV−20にて、せん断速度10-1(1/S)の値で測定した。浸透性は印刷画像の定着率(消しゴム10往復後の画像濃度/初期の画像濃度)にて測定した。滲みは、60℃で1ヶ月間、経時変化を加速させた後、印刷画像を目視により評価した。尻漏れは、印刷後のマスター後端部のインキ量により評価した。なお、HLB値は乳化に用いた界面活性剤の値である。
【0030】
比較例4
カーボンブラック(着色剤) 0.5重量部
酸化チタン(着色剤) 5.5重量部
ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.05重量部
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5重量部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.45重量部
アルキド樹脂 3.0重量部
ソルビタンセスキオレート 5.0重量部
水 70.0重量部
上記配合物にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0031】
比較例5
カーボンブラック(着色剤) 0.5重量部
酸化チタン(着色剤) 5.5重量部
ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.5重量部
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5重量部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 12.5重量部
アルキド樹脂 3.0重量部
ソルビタンセスキオレート 2.5重量部
水 70.0重量部
上記配合物にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0034】
比較例1
カーボンブラック(着色剤) 0.5重量部
酸化チタン(着色剤) 5.5重量部
ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.5重量部
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5重量部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.0重量部
アルキド樹脂 3.0重量部
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 5.0重量部
水 70.0重量部
上記配合物にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0035】
比較例2
カーボンブラック(着色剤) 0.5重量部
酸化チタン(着色剤) 5.5重量部
ポリグリセリン脂肪酸エステル 5.5重量部
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5重量部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.0重量部
アルキド樹脂 3.0重量部
水 70.0重量部
上記配合物にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0036】
比較例3
カーボンブラック(着色剤) 0.5重量部
酸化チタン(着色剤) 5.5重量部
日石A油(粘度80mPa・Sの鉱物油 20℃) 5.5重量部
日石B油(粘度240mPa・Sの鉱物油 20℃) 10.0重量部
アルキド樹脂 3.0重量部
ソルビタンセスキオレート 5.5重量部
水 70.0重量部
上記配合物にて、実施例1と同様にしてインキを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0037】
実施例1及び比較例1、2、3,4,5の結果を表1に示す
【0038】
【表1】
Figure 0003839105
※ランク ◎:良好 ○:やや良 □:普通 △:やや悪い ×:悪い
【0039】
表1から明らかなように、実施例1は請求項1の要件を満足しているインキである。浸透性、滲み、尻漏れ共に、良好なインキである
【0040】
比較例4は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの使用量が、請求項の範囲より少ないインキである。ポリグリセリン脂肪酸エステルの使用量が0.1末満であると、浸透性がやや劣ることを示している。これは、顔料の分散性が、実施例1よりやや劣っていることを示している。
【0041】
比較例5は、乳化剤として用いる界面活性剤の使用量が、請求項の範囲より少ないインキである。それによって、水相の粒径がやや大きめとなるので、粘度がやや下がり、結果的に滲みや尻漏れが、やや悪くなっている
【0043】
比較例1は、請求項1に該当しないもので、HLB値が15である。これはW/Oエマルションを形成せず、O/Wエマルションになってしまう。O/Wエマルションで、分散媒相が水であると、外気に触れている水相の蒸発が早く、インキの油相と水相のバランスが崩れやすい。また、機械上の不具合も発生するので、孔版印刷機用インキには向かない。
比較例2は、顔料分散剤も乳化剤も、全てポリグリセリン脂肪酸エステルにしたものである。これはインキの物性的に、降伏値が非常に低く、かつ塑性粘度が大きいインキになるため、滲みと尻漏れが非常に悪い結果になっている。
比較例3は、顔料分散剤も乳化剤も、全てソルビタン脂肪酸エステルにしたものである。これは比較例2とは逆に、降伏値が非常に高く、かつ塑性粘度が小さいインキになるため、浸透性が非常に悪いインキになってしまう。
以上の事から、本発明の条件を満たすことによって、浸透性に優れ、かつ滲みや尻漏れ等の不具合もない、良好なエマルションインキを得ることが出来る。
【0044】
【発明の効果】
本発明の孔版印刷用エマルションインキは、ポリグリセリン脂肪酸エステルと、それ以外でHLB値1〜8の界面活性剤とを併用すること、及びポリグリセリン脂肪酸エステルの量が0.1〜3重量%、それ以外のものでHLB値1〜8の界面活性剤の量が3〜20重量%の範囲内にすることで、顔料分散系と水により、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、顔料表面に吸着し、良好な分散性、流動性と共に、立体障害効果による顔料粒子の疑集防止の作用をする。それによって、目詰まり、浸透性の悪化、画像光沢の低下等を防止することが出来る。また、その他の界面活性剤は、乳化系の粘度、降伏値の低下を防ぎ、それによって水相粒子の合一を防ぎ、水分離を防止することが出来る。従って、結果的にインキの出過ぎによる裏抜けや滲みを防ぐことができ、さらに、降伏値が低くなるために生じる、印刷機内での尻漏れや脇漏れといった不具合を防止することが出来る。

Claims (3)

  1. 鉱物油または植物油中に、少なくとも顔料、顔料分散剤乳化剤及び水を分散させてなり、油相約10〜90重量%と水相約90〜10重量%によって構成される油中水滴型孔版印刷用エマルションインキにおいて、顔料分散剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルと、それ以外で乳化剤としてのHLB値1〜8の界面活性剤とを併用して配合し、ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が0.1〜3重量%、それ以外でHLB値1〜8の界面活性剤の配合量が3〜20重量%であることを特徴とする孔版印刷用インキ。
  2. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外でHLB値1〜8の界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステルである請求項1記載の孔版印刷用インキ。
  3. コーンプレート型粘度計(Φ30,コーン角4°)にて測定される剪断速度10−1(1/S)の粘度値が100000cps〜500000cpsである請求項1,2又は3記載の孔版印刷用インキ。
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