JP4801370B2 - 孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents

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Description

本発明は、酸化チタンを顔料として使用した場合であっても、経時による油分離に対する効果、隠蔽力、乳化安定性、いずれにも優れる孔版印刷用エマルションインキに関する。
孔版印刷方法は、周知のように穿孔部を有する孔版印刷原紙(孔版)を用い、この孔版の穿孔部を介して孔版の一方の側より他方の側にインキを移動させることにより、紙などの被印刷物面に印刷を行う方法である。この孔版印刷方法には、従来より揮発性溶剤、不揮発性溶剤、樹脂、着色剤、界面活性剤、水、凍結防止剤、電解質、及び防腐剤などを含有する油中水型(W/O型)のエマルションインキが用いられている。
しかし、従来の孔版印刷機用油中水型エマルションインキでは、インキ乾燥時にインキ成分が印刷用紙内部に浸透し、この際に着色剤も印刷用紙内部に浸透してしまっていた。このため、用紙表面に残る着色剤量が低下して、印刷濃度が低濃度になるという問題があった。また、印刷用紙の裏面から、印刷内容が透けて見えてしまう、いわゆるインキの裏抜けが発生し易いという問題があった。
この問題を解決すべく、油層中に体質顔料を含有させた孔版印刷用エマルションインキが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、一般的な孔版印刷機用油中水型エマルションインキは、分散媒となるオイル中に、固体である顔料と液体である水とが分散された、極めて複雑で不安定な系であるため、インキ内において、時間の経過と共に分散系特有の凝集や合一が進行するが、このインキの顔料成分として酸化チタンを使用した場合は、上記の凝集や合一が進行した時に、酸化チタン顔料の特性上、経時による油分離を引き起こし易いという問題があった。
この問題を解決すべく、酸化チタンとして、吸油量が100gあたり30ml以上のものを使用した孔版印刷用エマルションインキが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、前記特定の酸化チタンを使用した孔版印刷用エマルションインキにおいても、経時による油分離に対しては効果があるものの、隠蔽力(下地の被印刷体を隠す力、より具体的には、被印刷体である印刷用紙が、色紙であったり、印等がされてある場合に、どの程度その色や印を隠すことができるかを意味する。)が低くなると言う問題があった。これは、前記特定の酸化チタンが、可視光の遮蔽域より紫外線の遮蔽域になってしまう事が原因として考えられる。更に、酸化チタン顔料は比重が大きい事から、経時での顔料沈降の影響からエマルションのバランスが崩れ易く、乳化安定性が、他の有機顔料を使用した場合と比較しても、多少劣る傾向にあるという問題があった。
したがって、酸化チタンを顔料として使用した場合に、経時による油分離に対する効果、隠蔽力、乳化安定性、いずれにも優れる孔版印刷用エマルションインキは未だ提案されていないのが現状である。
特開平8−302262号公報 特開平11−1651号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、酸化チタンを顔料として使用した場合であっても、経時による油分離に対する効果、隠蔽力、乳化安定性、いずれにも優れる孔版印刷用エマルションインキを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンと、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタン及び体質顔料の少なくともいずれかとを含有することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキである。該<1>に記載の本発明の孔版印刷用エマルションインキにおいては、油相中に、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンと、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタン及び体質顔料の少なくともいずれかとを含有する。平均粒子径が大きな酸化チタンは、可視光の遮蔽能には優れるものの、顔料の表面積が小さい事から吸油量が小さく、油分離が悪い。また、平均粒子径の小さな酸化チタンは、一般的に吸油量は大きいものの、逆に遮蔽能が可視光域より紫外線域にシフトしてしまう事から、隠蔽力が弱くなってしまう。これらの問題に対し、本発明のように平均粒子径が大きな酸化チタンと、平均粒子径の小さな酸化チタン及び体質顔料の少なくともいずれかを併用して用いる事で、経時による油分離に優れ、かつ隠蔽力に優れるインキとすることができる。更に、本発明は、乳化安定性に対しても効果がある。これは、比重の大きな酸化チタン顔料は、経時での比重差による沈降の影響を受ける事から乳化安定性も多少劣ると考えられるが、本願発明のように、平均粒子径が大きな酸化チタンと、比重の小さい、平均粒子径の小さな酸化チタン及び体質顔料の少なくともいずれかを併用する事で、顔料沈降の影響を緩和するためと考えられる。
<2> 平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタン(酸化チタンA)と、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタン(酸化チタンB)との混合比率が、比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:5〜1:1である前記<1>に記載の孔版印刷用エマルションインキである。該<2>に記載の孔版印刷用エマルションインキにおいては、形態の違う酸化チタンを、前記比率で混合する事で、吸油量を可視光遮蔽能のバランス、すなわち油分離と隠蔽力のバランスが良いインキにする事ができる。
<3> 体質顔料が炭酸カルシウムである前記<1>から<2>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキである。該<3>に記載の孔版印刷用エマルションインキにおいては、炭酸カルシウムの吸油量、比重、表面性状等の特性から、経時による油分離に対する効果、隠蔽力、乳化安定性の各項目に対して、良好なインキとすることができる。
本発明によれば、従来における諸問題を解決でき、酸化チタンを顔料として使用した場合であっても、経時による油分離に対する効果、隠蔽力、乳化安定性、いずれにも優れる孔版印刷用エマルションインキを提供できる。
本発明の孔版印刷用エマルションインキは、第1の態様として、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンと、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンとを含有することを特徴とする。
第2の態様として、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンと、体質顔料とを含有することを特徴とする。
前記孔版印刷用エマルジョンインキは、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含み、油相20〜50質量%及び水相50〜80質量%が好ましい。
前記油相の混合割合が10質量%未満であると、W/Oエマルジョンとしての形態をとれなくなることがあり、90質量%を超えると、物性的にW/Oエマルジョンとすることの効果が不足してしまうことがある。
<油相>
前記油相としては、酸化チタンを含有してなり、更に必要に応じて、体質顔料、樹脂、乳化剤、酸化チタン以外の着色剤、着色剤分散剤、酸化防止剤、植物油、鉱物油、ゲル化剤などのその他の成分を含有してなる。
−酸化チタン−
前記酸化チタンは、本発明の孔版印刷用エマルジョンインキに含有される着色剤の一顔料成分として位置づけられる。
前記酸化チタンは、第1の態様の孔版印刷用エマルジョンインキでは、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンと、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンとを含有することが必要である。前記平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンを含有しないと、経時の有無にかかわらず、油分離が発生し易くなり、かつ、経時により粘度が低下して、乳化安定性が悪くなる。また、前記平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンを含有しないと、隠蔽力が低くなる。ここで、隠蔽力とは、「背景技術」の欄でも述べた通り、下地の被印刷体を隠す力、すなわち、被印刷体である印刷用紙が、色紙であったり、印等がされてある場合に、どの程度その色や印を隠すことができるかを意味する。
前記平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタン及び平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンの、それぞれの比表面積(m/g)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、隠蔽力を向上させる観点から、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタン(酸化チタンA)と、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタン(酸化チタンB)との混合比率が、前記比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:5〜1:1であることが好ましい。
前記比表面積は、例えば、JIS R 1626 気体吸着BET法により測定することができる。
前記比表面積換算の混合比率は、酸化チタンAを1として、酸化チタンBの数値を、(酸化チタンBの含有量×酸化チタンBの比表面積)/(酸化チタンAの含有量×酸化チタンAの比表面積)により求める。
また、前記酸化チタンは、第2の態様の孔版印刷用エマルジョンインキでは、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンを含有することが必要である。前記平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンを含有しないと、隠蔽力が低くなる。
前記第2の態様の孔版印刷用エマルジョンインキでも、経時によっても粘度を保ち、乳化安定性をより向上させる観点から、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンを含有することが好ましい。
前記平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタン及び平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタン、いずれにおいても比表面積は特に制限はないが、前記第1の態様と同様の観点から、両者の混合比率は、前記比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:5〜1:1であることが好ましい。
以下、前記酸化チタンに関して、前記第1の態様及び第2の態様のいずれにおいても、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンは、前記平均粒子径が0.2〜0.4μmであることが好ましく、0.2〜0.3μmであることがより好ましい。また、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンは、前記平均粒子径が0.01〜0.05μmであることが好ましく、0.03〜0.05μmであることが好ましい。
前記平均粒子径は、数平均粒子径を意味し、例えば、電子顕微鏡法により測定することができる。
前記平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンの、前記孔版印刷用エマルジョンインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、2〜15質量%が好ましい。
前記平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンの、前記孔版印刷用エマルジョンインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜10質量%が好ましい。
−体質顔料−
前記体質顔料は、インキ中には滲み防止、粘度調整のために油相、水相、又は両相に添加することができ、第2の態様における孔版印刷用エマルションインキでは、含有することが必要である。前記体質顔料を含有しないと、経時の有無にかかわらず、油分離が発生し易くなり、かつ、経時により粘度が低下して、乳化安定性が悪くなる。また、第2の態様における孔版印刷用エマルションインキでも、経時による粘度の低下を少なくして、乳化安定性をより向上させる観点から、含有することが好ましい。
前記体質顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、有機微粒子、などが挙げられる。前記無機微粒子としては、例えば、白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム、などが挙げられる。前記有機微粒子としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの共重合体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機粒子及び有機粒子の中では、経時における油分離に対する効果がより顕著であることから、無機粒子が好ましく、この中でも特に、炭酸カルシウムが、前記油分離に対する効果が顕著であるのみならず、経時によっても粘度を保ち、乳化安定性をより向上させる観点から、炭酸カルシウムが好ましい。
前記体質顔料の前記孔版印刷用エマルションインキにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜50質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
−樹脂−
前記樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキド樹脂、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;マレイン酸樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;環化ゴム等のゴム誘導体樹脂;テルペン樹脂;重合ひまし油、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキド樹脂が特に好ましい。
前記樹脂の重量平均分子量は、定着性及び印刷適性から8000〜16万が好ましく、3万〜8万がより好ましい。
前記樹脂の前記油相における添加量は、インキのコスト及び印刷適正の点から5〜20質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
前記樹脂の重量平均分子量が低い場合及び添加量が少ない場合には、定着性への効果が小さいことがあり、一方、重量平均分子量が高すぎたり、樹脂の添加量が多い場合にはインキの粘度が高くなり、ドラム後端からインキが漏れるなどの印刷適性の問題が生じることがある。
前記樹脂としては、市販品を用いることができ、荒川化学工業株式会社製のKG−836、KG−846、KG−1801、KG−1832、KG−1829、KG−1804、KG−1828、KG−1808−1、KG−1834、KG−1831、KG−1833、タマノル353、タマノル403、タマノル371、タマノル394;ハリマ化成株式会社製のハリフェノール(561、564、582、173、T3120、T3040、P637、295などが挙げられる。また、環化ゴムも定着性に対し効果があり、例えばコロンビヤンカーボン日本社製の商品名ALSYNOL RS47、ALSYNOL RS44、SYNTEX 800;ヘキスト社製のALPEX CK 450、ALPEX CK514等が挙げられる。
前記アルキド樹脂は、通常、油脂と多塩基酸と多価アルコールから構成される。前記油脂としては、例えば、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、ひまし油、米糠油、綿実油、大豆油、アマニ油、キリ油などが挙げられ、これらの中でも、大豆油が特に好ましい。前記多塩基酸としては、飽和多塩基酸及び不飽和多塩基酸のいずれかを用いることができる。前記飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。前記不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビットなどが挙げられる。
前記アルキド樹脂は、酸価が15以下であり、10以下がより好ましい。また、ヨウ素価が80以下が好ましく、80〜110がより好ましい。また、前記アルキド樹脂の油長は、前記油脂中の脂肪酸がトリグリセライドで存在したときの樹脂中の質量%で表され、通常60〜90質量%が好ましい。前記アルキド樹脂の重量平均分子量は3万以下が好ましく、1万以下がより好ましい。
ここで、前記アルキド樹脂の酸価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。前記アルキド樹脂のヨウ素価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。
−乳化剤−
前記乳化剤としては、油中水型のエマルションを形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該非イオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化剤の前記孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜8質量%が好ましく、2〜5.5質量%がより好ましい。
−酸化チタン以外の着色剤−
酸化チタン以外の着色剤としては、各種色調の公知の顔料、分散染料などを用いることができ、これらの中でも、顔料が特に好ましい。前記着色剤としては、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料等のフタロシアニン系顔料;アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、イソインドリン系色素、ジオキサンジン系色素、スレン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジゴ系色素、キノフタロン系色素、金属錯体等の縮合多環系顔料;酸性又は塩基性染料のレーキ等の有機顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;蛍光顔料、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記蛍光顔料としては、合成樹脂を塊状重合する際又は重合した後に様々な色相を発色する蛍光染料を溶解又は染着し、得られた着色塊状樹脂を粉砕して微細化した、所謂合成樹脂固溶体タイプのもので、染料を担持する合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、スルホンアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、等が挙げられる。
前記着色剤としてのカーボンブラックを油相に添加する場合には、pH5未満の酸性のカーボンブラックとしては、市販品を用いることができ、例えば、MA−100、MA−7、MA−77、MA−11、#40、#44(いずれも三菱化学株式会社製)、Raven1100、Raven1080、Raven1255、Raven760、Raven410(いずれもコロンビヤンカーボン社製)、などが挙げられる。
前記不溶性着色剤の平均粒子径は、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
前記酸化チタン以外の着色剤の、孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常2〜15質量%が好ましい。
−着色剤分散剤−
前記着色剤分散剤としては、エマルションの形成を阻害しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する乳化剤用非イオン界面活性剤、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート化合物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、ポリエチレンイミン、アルキロールアミン塩、インキの保存安定性を阻害しない範囲であればイオン性界面活性剤、両性界面活性剤なども使用可能であり、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、経時によっても粘度を保ち、優れた乳化安定性を付与する観点から、アルミニウムキレート化合物及びポリグリセリン脂肪酸エステル化合物から選択される少なくともいずれかが好ましい。
前記着色剤分散剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、着色剤の総質量の40質量%以下が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤は、樹脂等の酸化を防ぎ、ドラム内での長期間放置でのインキの変質を防止でき、油相及び水相の少なくともいずれかに添加することができる。該酸化防止剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、グアヤク脂、クエン酸エステル、抽出トコフェロール、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、亜硫酸塩類、チオ硫酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、インキ総量に対し2質量%以下が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
−植物油−
前記植物油としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、なたね油、サフラワー油、ごま油、ひまし油、脱水ひまし油、つばき油、オリーブ油、やし油、米油、綿実油、パーム油、あまに油、パーム核油、桐油、カメリアオイル、グレープシード油、スイートアルモンド油、ピスタチオナッツ油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、メドウホーム油、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エステル化植物油としては、前記植物油をエステル化したものが挙げられ、前記エステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等が挙げられる。該エステル化植物油としては、例えば、エステル化大豆油が特に好ましい。
前記アルキド樹脂として、油脂が大豆油である大豆油脂肪酸アルキド樹脂を用い、エステル化大豆油を使用することにより、大豆油由来成分の合計が6%を超えることで、アメリカ大豆協会のSOYマークの認定を受けることができ、安全性の点でも有利となる。
前記植物油の孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、1〜35質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
−鉱物油−
前記鉱物油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、石油系溶剤、スピンドル油、流動パラフィン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、モーター油、等が挙げられ、これらの中でも、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、石油系溶剤が特に好ましい。
前記パラフィン系オイルとしては、市販品を用いることができ、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックシリーズ、新日本石油株式会社製の日石スーパーオイルシリーズ、出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ等が挙げられる。
前記ナフテン系オイルとしては、環分析によるナフテン成分の炭素含有量(CN)が30質量%以上であり、芳香族成分の炭素の含有量(CA)が20質量%以下であり、かつパラフィン成分の炭素含有量(CP)が55質量%以下であるものが好適であり、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックオイル155及び300ID、ガーゴオイルアークティックオイルライト、ガーゴオイルアークティックオイルCヘビー;出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ;日本サン石油株式会社製のサンセンオイルシリーズなどが挙げられる。
前記石油系溶剤としては、市販品を用いることができ、例えば、エクソン化学社製のアイソパーシリーズ及びエクソール;新日本石油株式会社製のAFソルベントシリーズなどが挙げられる。
これらの鉱物油は、インキの安定性等を考慮した場合、3環以上の縮合芳香族環を含む芳香族炭化水素である多環芳香族成分が3質量%未満のものを使用することが好ましい。また、変異原性指数(MI)が1.0未満、アロマ分(%C)が20〜55%、アニリン点が100℃以下であって、かつオイル全質量基準でベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ジベンゾ[a,j]アクリジン等の多環芳香族の含有量がそれぞれ10ppm以下であり、かつ合計含有量が50ppm以下であることが好ましい。
なお、必要に応じて安全性の高いアロマ系オイル(例えば、特開平11−80640号公報)を使用することもできる。
前記鉱物油の前記孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜35質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
−ゲル化剤−
前記ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性、及び流動性等を向上させる役割を有し、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。該ゲル化剤としては、例えば、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等が挙げられる。具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゲル化剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、油相中の樹脂の総量に対し15質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
<水相>
前記水相は、水、水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤、電解質、水溶性高分子化合物、O/W樹脂エマルション、防腐・防かび剤、pH調整剤などのその他の成分を含有してなる。
−水−
前記水としては、清浄であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水等を使用することができる。
−水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤−
前記水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、低級飽和一価アルコール、グリコール、多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、水の蒸発防止剤と凍結防止剤は、兼用することができる。
前記低級飽和一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。前記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。
これらの中でも、水相の揮発等によるインキの経時劣化を抑える効果及びエマルションの安定化の作用により、アルキド樹脂のコロ跡汚れに対する効果を維持したまま、ドラム内での長期間放置でのインキの変質を小さくさせることが可能となる点でグリセリンが特に好ましい。
前記水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、インキ中の水の総質量に対し15質量%以下が好ましく、4〜12質量%がより好ましい。
−電解質−
前記電解質は、エマルションの安定性を高めるために添加され、エマルションの安定度向上に有効な離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが好ましい。離液順列が高い陰イオンとしては、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンである。ここで添加される電解質としては少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好ましく、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、等が挙げられる。これらの中でも、2価の陰イオン含有化合物が好ましく、硫酸マグネシウムが特に好適である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水相の0.1〜2質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。
−水溶性高分子化合物−
前記水溶性高分子化合物としては、孔版印刷用エマルジョンインキに保湿性や粘性を付与することができれば、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物、などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等が挙げられる。
前記半合成高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
前記合成高分子化合物としては、例えば、アクリル酸樹脂、ポリアクリル酸ナトリウム等の中和物;ポリビニルイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリN−アクリロイルピロリジン、ポリN−イソプロピルアクリルアミド等のポリN−アルキル置換アクリルアミド;ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、これらをアルキル基で部分的に疎水した高分子;アクリルアミド系ポリマー又はアクリル系のポリマーの置換基を部分的にアルキル基で疎水化した共重合タイプのポリマー;ポリエチレンと、ポリプロピレン又はポリブチレンのブロックコポリマーなどが挙げられる。
前記水溶性高分子化合物の前記水相における添加量は、25質量%以下が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
−水中油型樹脂エマルション−
前記水中油型樹脂エマルションとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、合成高分子化合物でも天然高分子化合物でもよい。前記合成高分子化合物としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。前記天然高分子化合物としては、孔版印刷用エマルションインキに普通に用いられる油相に添加できる高分子化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記水中油型樹脂エマルションの分散方法についても特に制限はなく、分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。前記水中油型樹脂エマルションの最低造膜温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、40℃以下が好ましい。
−防腐・防かび剤−
前記防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期間保存する場合に有効である。該防腐・防かび剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物又はその塩素化合物、ソルビン酸、デヒドロ酢酸等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記防腐・防かび剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、インキ中に含まれる水の総質量に対し3質量%以下が好ましく、0.1〜1.2質量%がより好ましい。
−pH調整剤−
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等が好適に挙げられる。必要に応じてこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、水溶性高分子化合物が添加されている場合にその効果が損なわれてしまうことがある。
なお、本発明の孔版印刷用エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラムとの分離をよくするため、或いは印刷用紙の巻き上がり防止等のために油相にワックスを添加することができる。また、水相には、トリエタノールアミンや水酸化ナトリウム等を添加して、水溶性高分子化合物を添加することにより高粘度化を更に増進させることができる。さらに、水相に防錆剤や消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインキによって錆びたり、インキが泡立つことを防止することができる。これらの添加剤は、孔版印刷用エマルションインキに添加されている公知品を必要に応じて添加すればよく、その添加量は従来品の場合と同程度でよい。
−製造方法−
本発明の孔版印刷用エマルションインキの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができるが、例えば、常法により油相及び水相液を予め別々に調製し、前記油相中に水相を添加して、ディスパーミキサー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の公知の乳化機内で乳化させることにより製造することができる。具体的には、酸化チタン、体質顔料、着色剤、乳化剤、鉱物油、及び必要に応じて添加されるその他の成分等の添加物を三本ロールミルでよく分散させて油相を常法で調製し、これに、水、水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤、電解質等のその他の成分が必要に応じて添加されている水相液を徐々に添加して乳化させればよい。
本発明の孔版印刷用エマルションインキは、ずり速度20sec−1の時の粘度が3〜40Pa・sが好ましく、10〜30Pa・sがより好ましい。
以上説明したように、本発明の孔版印刷用エマルションインキは、経時による油分離に対する効果、隠蔽力、乳化安定性に優れ、例えば、輪転孔版印刷機による孔版印刷に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
参考例1)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
平均粒子径が0.25μmの酸化チタン(CR−50、石原産業社製 比表面積=13.9m/g)(酸化チタンA)3質量%、平均粒子径が0.03μmの酸化チタン(TTO−51(A)、石原産業社製 比表面積=80m/g)(酸化チタンB)6質量%、酸化チタン以外の着色剤としてのカーボンブラック(R1100、コロンビアカーボン社製)0.5質量%、鉱物油としてのスピンドル油(コスモ石油株式会社製)6質量%、鉱物油としての日石AFソルベント4号(新日本石油株式会社製)10.5質量%、及びソルビタン脂肪酸エステル(S0−15、日光ケミカル社製)4質量%を加え混合して、ビーズミルで分散し、油相を調製した。
一方、水道水64質量%、グリセリン5質量%、及び電解質としての硫酸マグネシウム1質量%を、混合し攪拌して、水相を調製した。
次に、前記油相に前記水相を徐々に添加し、ディスパーミキサーで乳化させて、参考例1の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
前記参考例1の孔版印刷用エマルションインキでは、酸化チタンAと酸化チタンBとの混合比率は、比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:11.5であった。
なお、本参考例において、前記酸化チタンA及Bの平均粒子径は、数平均粒子径を、電子顕微鏡法により測定した。また、前記酸化チタンA及Bの比表面積は、JIS R 1626 気体吸着BET法により測定した。
参考例2)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例1において、酸化チタンAを6質量%、酸化チタンBを3質量%とした以外は、参考例1と同様にして、参考例2の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
前記参考例2の孔版印刷用エマルションインキでは、酸化チタンAと酸化チタンBとの混合比率は、比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:2.9であった。
参考例3)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例1において、酸化チタンAを4質量%、体質顔料としてのシリカを4質量%、鉱物油としての日石AFソルベント4号を11.5質量%とし、かつ、酸化チタンBを含有させなかった以外は、参考例1と同様にして、参考例3の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
参考例4)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例3において、体質顔料として、シリカの代わりに炭酸カルシウムを含有させた以外は、参考例3と同様にして、参考例4の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
(実施例5)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例4において、酸化チタンAを4質量%、体質顔料としての炭酸カルシウムを2質量%とし、更に酸化チタンBを2質量%含有させた以外は、参考例4と同様にして、実施例5の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
前記実施例5の孔版印刷用エマルションインキでは、酸化チタンAと酸化チタンBとの混合比率は、比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:2.9であった。
参考例6)
参考例1において、酸化チタンAを6質量%、酸化チタンBを0.9質量%、鉱物油としての日石AFソルベント4号を12.6質量%とした以外は、参考例1と同様にして、参考例6の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
前記参考の孔版印刷用エマルションインキでは、酸化チタンAと酸化チタンBとの混合比率は、比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:0.86であった。
(比較例1)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例1において、酸化チタンAを9質量%とし、酸化チタンBをさせなかった以外は、参考例1と同様にして、比較例1の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
(比較例2)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例1において、酸化チタンBを9質量%とし、酸化チタンAをさせなかった以外は、参考例1と同様にして、比較例2の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
(比較例3)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例3において、シリカを8質量%とし、酸化チタンAを含有させなかった以外は、参考例3と同様にして、比較例3の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
(比較例4)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例4において、炭酸カルシウムを8質量%とし、酸化チタンAを含有させなかった以外は、参考例4と同様にして、比較例4の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
なお、便宜のため、実施例5、参考例1〜4、6及び比較例1〜4の各孔版印刷用エマルションインキの組成を表1及び表2に示す。
Figure 0004801370
Figure 0004801370
〔評価〕
次に、得られた実施例5、参考例1〜4、6及び比較例1〜4の各孔版印刷用エマルションインキについて、以下のようにして、経時による油分離に対する効果、乳化安定性、隠蔽力の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
<評価1:経時による油分離に対する効果>
インキ製造初期と、経時の加速として60℃1ヶ月保存後の、遠心油分離量(7000G、2時間)を、遠心分離機(クボタ社製)を用いて測定した。
測定した遠心油分離量に基づき、「変化量のランク」として、遠心油分離量変化量が0.02%以下の場合を◎、0.03%〜0.1%の場合を○、0.1%〜1.0%の場合を△、1.0%を超えた場合を×として、経時による油分離に対する効果を評価した。
<評価2:乳化安定性>
乳化安定性の評価としては、以下のようにして粘度を測定し、この粘度の経時による変化量を求めることにより行った。
インキ製造初期と、経時の加速として60℃1ヶ月保存後の、粘度値を、コーンプレート型回転粘度計(HAAKE社製)を用いて測定した。測定は23℃にて行い、せん断速度20s−1の時の見かけ粘度を粘度値とした。
測定した粘度値に基づき、「変化量のランク」として、粘度値の変化量が1Pa・s以下の場合を◎、変化量が1〜3Pa・sの場合を○、変化量が3〜5Pa・sの場合を△、5Pa・s超える場合を×として、乳化安定性を評価した。
<評価3:隠蔽力>
孔版印刷機(東北リコー株式会社製、プリポートN−500)の印刷ドラム内に、各インキを十分にいきわたらせた後、白地に幅15mmの黒ラインが2本入り、白黒のコントラストが形成された紙(被印刷体)に対してベタ印刷を行い、隠蔽力の有無を目視観察により以下の基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
◎:白黒のコントラストが判りにくい。
○:白黒のコントラストが多少判りにくい。
△:白黒のコントラスト上に印刷されている。
×:白黒のコントラストがそのまま見える。
Figure 0004801370
Figure 0004801370
表3及び表4の結果から、実施例5、参考例1〜4、6の孔版印刷用エマルションインキは、比較例1〜4のインキに比べて、経時によっても油分離発生量が増えずに油分離に対する効果に優れ、また、経時によっても粘度が低下せずに乳化安定性に優れ、更に、隠蔽力に優れることが認められる。
特に、2種の酸化チタンの混合比率を規定した参考例2、体質顔料として炭酸カルシウムを使用した参考例4、2種の酸化チタンと炭酸カルシウムを使用した実施例5では、その効果が著しいことが認められる。
本発明の孔版印刷用エマルションインキは、経時による油分離に対する効果、隠蔽力、乳化安定性に優れ、例えば、輪転孔版印刷機による孔版印刷に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に、平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタンと、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタンと、体質顔料として炭酸カルシウムとを含有することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。
  2. 平均粒子径が0.2μm以上の酸化チタン(酸化チタンA)と、平均粒子径が0.05μm以下の酸化チタン(酸化チタンB)との混合比率が、比表面積換算で、酸化チタンA:酸化チタンB=1:2.9〜1:1である請求項1に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
  3. 炭酸カルシウムの孔版印刷用エマルションインキにおける含有量が、1〜5質量%である請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキ。
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