JP3828754B2 - 孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷用エマルションインキに関わり、版胴内に長期間放置しても版胴外へのインキの垂れ出しが生じない孔版印刷用エマルションインキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱孔版印刷方式は、サーマルプリンティングヘッドをデバイスとして用いる感熱製版方式を採用して以来、画像処理のデジタル化が図られるようになり、高品位の印刷物を、短時間で、しかも簡便に得られるようになってきた為、情報処理端末としてもますますその利便性が認められている。
【0003】
孔版印刷方式は、オフセット・グラビア・凸版というような印刷方式に比べて、専門のオペレーターを必要としない操作性の良さ・簡便性が一つの特徴である。操作に熟練を要しないで済む事と、使用後に特に洗浄のような作業をしなくても良い点が利点である。このため、専任のオペレーターでなくとも扱う事が出来、少部数の印刷を行う場合には極めて適している。
【0004】
さらに、上述のサーマルプリンティングヘッドを用いた感熱製版方式では、以前の赤外線やキセノンフラッシュをエネルギー源とした方式に比べて、原紙の穿孔サイズが規格化され、インキの転移量を制御しやすくなった。このため、インキの転移量が多過ぎて、裏移りや滲み等の不具合が発生する確率が減り、飛躍的に画像品位が向上してきた。
【0005】
上記のように、孔版印刷方式は、オフセット・グラビア・凸版のような印刷方式と同様に、印刷速度が速いという利点と、PPCやインキジェットと同様に、操作が簡便で事務用機器として設置し使用できるという利点を併せ持った結果、用途が急激に広がってきた。
【0006】
孔版印刷用インキとしては、一般に、油中水(W/O)型エマルションインキが用いられる。この油中水(W/O)型エマルションインキは、油相比率に比べて水相比率が非常に高いのが一般的である(特開昭61−255967号公報・特開平4−132777号公報・特開平4−288375号公報・特開平5−93161号公報・特開平6−33007号公報・特開平6−107998号公報・特開平7−150091号公報・特開平10−245516号公報等参照)。そのため、長期間放置すると、組成変化による粘性変化、エマルション粒子の合一による形態変化が発生していた。これらの対策として、油相中に含まれる溶剤成分の沸点を180℃〜270℃にすることによって、変質後のインキ軟化を防ぐ方法(特開昭61−255967号公報)、蒸留初留温度が150℃〜210℃の溶剤成分を用いてインキ軟化を防ぐ方法(特開平5−125320号公報)が提案されている。しかし、これらの方法では、顔料の配合量や種類によってインキ軟化後の粘度変化の程度が異なり、総ての種類の顔料に対応できる方法ではなかった。
【0007】
更に、別の方法として、油相に有機ベントナイトを配合する方法(特公昭54−23601号公報)、オキシカルボン酸系化合物を含有させる方法(特開昭63−27569号公報・特開昭63−161064号公報)、非水系樹脂ラテックスを配合する方法(特開平4−288375号公報)が提案されている。しかし、これらの方法は、総ての種類の顔料に対応するものではなく、特に吸油量が低い顔料に対しては効果が望めなかった。実際に垂れ落ちたインキを調べると、顔料種類毎にインキ粘性が異なり、顔料の種類に応じて異なる対策が必要であった。
【0008】
特定の顔料に対する方法としては、エマルション粒径を10(μm)以下とし、且つ顔料の平均粒径が0.4(μm)以下にする方法(特開平7−179799号公報)、酸化チタンの吸油量を限定する方法(特開平11−1651号公報)が提案されているが、これらの方法では、インキの垂れ落ちに対する効果が小さく、顔料分散性が悪くなったり、発色性が低下するなどの不具合が起きていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
インキ用着色剤としては、一般に、有機顔料、無機顔料、合成染料等が用いられるが、孔版印刷用インキの場合、これらの着色剤の中から、耐候性・価格等の観点を考慮して、多くの場合、顔料を用いており、印刷濃度を上げるためには、その顔料比率を増すのが一般的である。また、最近では、孔版印刷に要求される色の種類が以前よりも多彩になっている為、様々な種類の顔料が用いられるようになっている。顔料がインキの粘性に与える影響は、顔料の種類毎に異なり、特に、吸油量については顔料の種類によって著しく異なり、顔料に対する油の配合量が多すぎると、エマルションインキ中に保持されていた油がエマルションの崩壊とともに余剰となり吐き出され、版胴外へのインキの垂れ出し所謂「インキ垂れ」の原因となることがあった。そのため、一定のインキ性状を確保するためには、各顔料毎に異なる調整をする必要があった。
【0010】
本発明は、上記のような問題点に鑑みて為されたものであり、特に、低吸油量の顔料を用いた孔版印刷用エマルションインキにおいて、版胴内に長期間放置した後も油の吐き出しが少なく、版胴外への「インキ垂れ」が生じないものを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、油相及び水相よりなる油中水(W/O)型エマルションインキに於いて、前記油相は溶剤を構成成分として含有し、さらに、前記油相中に常温における吸油量が50ml/100g以下の着色顔料を含有するとともに、さらに、該油相中に常温における吸油量が60ml/100g以上の体質顔料を含有し、前記着色顔料および前記体質顔料が包接しうる溶剤の体積に対するインキ中に含有される溶剤の体積の比Pの値が1.4≦P≦2.4 { ここにおいて、P=100w/(d(am+bn))であり、該式中、aおよびbはそれぞれ着色顔料および体質顔料の常温における吸油量(ml/100g)を示し、mおよびnはそれぞれ着色顔料および体質顔料のインキ全量に対する添加量(重量%)を示し、dは溶剤の15℃における比重を示し、wはインキ全量に対する溶剤の添加量(重量%)を示す } を充足することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキによって達成される。
【0012】
孔版印刷に用いられる油中水(W/O)型エマルションインキは、水相の添加比率が高く、更に油相中には揮発性溶剤が含有されるのが一般的である。その理由としては、水相は、インキの温度変化に対する粘度変化を小さくし、インキの浸透速度を速め、構造粘性を高め、印刷機内でのダレを防止し、版から被印刷体を剥がす時の曳糸性を防止する等の諸性能を付与する効果があり、揮発性溶剤は、長期間静置後の印刷画像の立ち上がりを良くし、インキ垂れ落ちを防止する効果があることが挙げられる。
【0013】
しかし、この高含水率で且つ揮発性成分を含む油中水(W/O)型エマルションでは、長期間放置後に、揮発性成分の蒸発、エマルションの合一が発生し、エマルションが崩壊しやすい。このエマルションの崩壊が起こると、吸油量の小さい顔料は、エマルション全体で保持されていた油を保持しきれずに、余剰の油を吐き出し、スキージーローラから流れ落ち、版胴の内周壁に集まり、孔版印刷用原紙との隙間からしみ出てきたり、版胴とこの版胴を支えるフランジ部の隙間から流れ出たりする。この現象は、顔料の性質に依存し、具体的には、吸油量が50ml/100gよりも大きい場合は、前述の油成分の吐き出しは少ないが、吸油量50ml/100g以下の顔料では顕著になることがわかった。
【0014】
本発明によれば、この吸油量50ml/100g以下の着色顔料に、体質顔料を配合させることで、油成分の吐き出しを抑えることができる。着色顔料も吸油性を持つため、配合量を増すことによって油成分の吐き出しを抑えることは可能であるが、所要量よりも多く配合すると、目標の印刷濃度が得られない、コスト高になるなどの不具合を生じる。体質顔料は、一般の塗料で用いられるダレ防止剤とは異なり、油相に含まれる液状成分を包接する性質のものが用いられる。ここにおいて、「包接」とは、粉体が液状成分と親和性をもち、自体に取り込むことを意味する。ここで、油成分の配合量が顔料の吸油量より多い場合、特に吸油量が低い着色顔料の場合は、着色顔料が油を包接できる量が少ないために、この体質顔料にその機能が求められる。
【0015】
具体的には、吸油量60ml/100g以上の体質顔料である有機ベントナイト、タルク及びその他の粘土が挙げられる。これらの粘土は、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。また、油相中に含まれる体質顔料全体として吸油量60ml/100g以上の性質を満たす限り、これらの粘土と他の体質顔料とを混合して使用することもできる。吸油量60ml/100g未満の体質顔料を用いる場合、吸油性が不十分であることから、インキ垂れ防止効果が不十分であり、また、配合し過ぎると、インキ垂れ防止効果は得られるものの、インキが硬くなり十分な印刷濃度が得られない。体質顔料の添加量は、インキ全量に対して0.5重量%以上であることが好ましく、0.5〜3.0重量%であることが更に好ましい。体質顔料の添加量が0.5重量%よりも少ないとインキ垂れ防止効果が不十分であり、3.0重量%よりも多いとインキが硬くなり十分な印刷濃度が得られない。更に、着色顔料の添加量は、インキ全量に対して3〜7重量%であることが好ましい。着色顔料の添加量が3重量%よりも少ないと印刷濃度が薄くなり、7重量%よりも多いと印刷濃度が濃すぎ、コスト高になるなどの不具合を生じる。油相を構成する溶剤に対する着色顔料および体質顔料の配合比率は、着色顔料および体質顔料が包接しうる溶剤の体積に対するインキ中に含有される溶剤の体積の比Pの値で規定でき、1.4≦P≦2.4{ここにおいて、P=100w/(d(am+bn))であり、該式中、aおよびbはそれぞれ着色顔料および体質顔料の常温における吸油量(ml/100g)を示し、mおよびnはそれぞれ着色顔料および体質顔料のインキ全量に対する添加量(重量%)を示し、dは溶剤の15℃における比重を示し、wはインキ全量に対する溶剤の添加量(重量%)を示す}を充足する必要がある。P値が1.4よりも小さいとインキが硬くなり、印刷濃度も低くなる。P値が2.4よりも大きいと溶剤が余剰となりインキが変質した後に溶剤が吐き出され、インキ垂れを起こすという不具合を生じる。
【0016】
本発明のエマルションインキは、油相約10〜50重量%と水相約90〜50重量%から構成することができ、油相を攪拌しながらこれに水相を滴下することによって乳化して製造することができる。
【0017】
本発明における油相は、上記着色顔料及び体質顔料の他、樹脂成分、溶剤成分、活性剤成分、上記着色顔料以外の着色剤成分などから構成される。
【0018】
樹脂成分は、溶剤成分と顔料との濡れ性を改善し、顔料に対する樹脂及び溶剤の吸着状態を良好にして、エマルションインキの保存安定性を向上させ、長期間放置後の系バランスの崩れを少なくするために配合され、また、インキ中の着色剤成分の紙への固着性や印刷物の仕上がりを良好とする等の目的で添加される。かかる樹脂成分としては、例えばアルキド樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、石油樹脂等が用いられる。これらの内、顔料への濡れ性改善の効果が高いアルキド樹脂が特に好ましい。
【0019】
溶剤成分としては、例えば、オレフィン系炭化水素、流動パラフィン、芳香族炭化水素等の石油系溶剤、ヤシ油、パーム油等の植物油脂、オリーブ油、ヒマシ油、アマニ油等の植物油、合成油等が使用される。これらの溶剤成分は単独でも二種類以上混合して使用してもよい。溶剤成分の添加量は、油相の粘度を所望の値に調整するように適宜選択することができる。かかる溶剤は、昨今では、安全性確保の観点から、芳香族成分の含有量や揮発成分の含有量を考慮して選択することが望ましい。さらには、使用する樹脂成分との溶解性を十分考慮して選択する事で、粘度の温度依存性が小さく、印刷機の中で放置した際にも溶剤成分の離脱が起きにくく、安定なエマルション系が得られる。また、樹脂成分の溶解性を高めるために、溶解助剤を添加してもよい。
【0020】
活性剤としては、金属石鹸、高級アルコール硫酸エステル化塩、ポリオキシエチレン付加物の硫酸エステル化塩等の陰イオン界面活性剤や、1〜3級アミン塩、4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、または、多価アルコールと脂肪酸とのエステル系の非イオン性界面活性剤、脂肪酸のポリオキシエチレン・エーテル、高級アルコールのポリオキシエチレン・エーテル、アルキル・フェノール・ポリオキシエチレン・エーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルのポリオキシエチレン・エーテル、ひまし油のポリオキシエチレン・エーテル、ポリオキシ・プロピレンのポリオキシエチレン・エーテル、脂肪酸のアルキロールアマイド等の非イオン性界面活性剤等があげられ、これらを単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。添加量は、各々の活性剤のモル濃度、水相と油相の界面の面積、及び、一部は油相と顔料等の固体との界面の面積を考慮して決めることができる。
【0021】
着色顔料は、例えば、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染料レーキ、イソインドリノン、キナクリドン、ジオキサジンバイオレット、ベリノン・ベリレンのような有機顔料、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機顔料等の内、単体または混合顔料で吸油量50ml/100g以下のものが使用できる。
【0022】
その他、本発明の油相にはエマルションの形成及び安定性を阻害しない範囲で、顔料分散剤、酸化防止剤、流動性を調整する補助剤として、ワックス等を主成分としたコンパウンド等を添加する事が出来る。
【0023】
本発明における水相成分は、水、O/W型樹脂エマルション、水溶性樹脂、湿潤剤、電解質、酸化防止剤などから構成される。
【0024】
O/W型樹脂エマルションとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン等の樹脂エマルションが用いられる。
【0025】
また水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、アラビアゴム、澱粉、水溶性ウレタン等が用いられる。これらの樹脂の添加量は、エマルションインキの総量に対して固形分換算で、1〜20重量%が好ましく、2〜10重量%の範囲がより好ましい。1重量%未満では、水相中の着色剤成分が被印刷体に完全に固着されず、また20重量%を越えると版作製後に長期放置した場合、版上の穿孔部分でインキが皮膜を作り、インキの通過を阻害することがあり、好ましくない。
【0026】
湿潤剤としては、エチレングリコール、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコールや、ポリエチレングリコール等が用いられる。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、以下に記す部は重量部を示す。
【0028】
実施例1
アルキド樹脂10.5部、着色顔料(銅フタロシアニンブルー)7.0部、溶剤としてAF−ソルベント5(日石三菱社製)3.0部を混合し、3本ロールにて練肉した。さらに、有機ベントナイト(S−BEN74、豊順洋行社製)0.5部、アルキド樹脂1.0部、AF−ソルベント5 4.0部を加え、混練した。この練肉物に界面活性剤としてソルビタンモノオレエート2.0部を加えて混合し、油相を得た。
【0029】
さらに、この油相に、イオン交換水64.0部、エチレングリコール7.0部、硫酸マグネシウム1.0部を混合した水相を徐々に添加し、乳化攪拌を行うことにより、孔版印刷用油中水(W/O)型エマルションインキを得た。尚、着色顔料および体質顔料の常温における吸油量(単位:ml/100g)は、下記の測定方法で測定した。
【0030】
常温 (20 ℃ ) における吸油量の測定方法
試料を1〜5gガラス板上にとり、秤量し、あまに油をビュレットから少量ずつ試料の上に滴下し、その都度全体をへらで練り合わせる。滴下、練り合わせを繰り返し、全体が硬いパテ状の塊になり、へらで螺旋状に巻き起こされる状態に成ったときを終点とする。それまでに使用されたあまに油の量Hを求め吸油量Gを次式から算出する:
G=H/S×100(ここで、Hはあまに油の容量(ml)、Sは試料の重量(g))
【0031】
インキ垂れの評価は、実際の孔版印刷機リソグラフ(登録商標)SR7400(理想科学工業(株)製)の版胴を用いて評価した。版胴内部のスキージーローラ上に上記インキを載せた状態でスキージーローラを1000回転させた後4週間放置し、インキ垂れの観察を行った。その結果、スキージーローラ下部にインキが垂れ落ちなかった場合を○、2〜4週間で垂れ落ちた場合を△、2週間以内で垂れ落ちた場合を×として表1に記載した。
【0032】
印刷濃度の評価は、上記インキを用いて孔版印刷機リソグラフ(登録商標)SR7400(理想科学工業(株)製)にて全ベタ印刷を行い、印刷後の印刷物の状態を目視で観察して行った。なお、表1中、評価は、
○…濃度が十分で、ハッキリとした色味が感じられる
△…濃度が不十分でハッキリした色味が感じられない
×…明らかに目標の印刷濃度から外れている(濃すぎる)
で示した。
【0033】
実施例2〜8、比較例1〜7
表1に示す配合で、実施例1と同様の作り方で孔版印刷用油中水(W/O)型エマルションインキを得た。これらのインキは、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例と比較例2〜4との対比から、吸油量60ml/100g以上の体質顔料の添加により、吸油量50ml/100g以下の着色顔料を用いたインキの垂れを防止できることがわかる。また、実施例と比較例1との対比から、吸油量60ml/100g以上の体質顔料を用いる必要があることが示された。体質顔料の添加量は、実施例2と比較例5の対比から、インキ全量に対して0.5重量%以上であることが好ましく、比較例6および7と実施例との対比からP値が1.4以上である場合に、インキ垂れが生じなく、かつ印刷濃度も良好なインキが得られることが示された。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、吸油量の低い着色顔料に見られるインキの垂れの問題を解決し、印刷機の版胴内に長期放置された場合でも版胴から垂れ出す事が無い、印刷品位に優れた孔版印刷用エマルションインキを提供することができる。
Claims (6)
- 油相及び水相よりなる油中水(W/O)型エマルションインキに於いて、前記油相は溶剤を構成成分として含有し、さらに、前記油相中に常温における吸油量が50ml/100g以下の着色顔料を含有するとともに、さらに、該油相中に常温における吸油量が60ml/100g以上の体質顔料を含有し、前記着色顔料および前記体質顔料が包接しうる溶剤の体積に対するインキ中に含有される溶剤の体積の比Pの値が1.4≦P≦2.4 { ここにおいて、P=100w/(d(am+bn))であり、該式中、aおよびbはそれぞれ着色顔料および体質顔料の常温における吸油量(ml/100g)を示し、mおよびnはそれぞれ着色顔料および体質顔料のインキ全量に対する添加量(重量%)を示し、dは溶剤の15℃における比重を示し、wはインキ全量に対する溶剤の添加量(重量%)を示す } を充足することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。
- 前記油中水(W/O)型エマルションインキは、油相10〜50重量%と水相90〜50重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- 前記体質顔料が有機ベントナイト及びタルクからなる群から選ばれた粘土である請求項1に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- 前記着色顔料は、インキ全量に対して3〜7重量%含有されている請求項1に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- 前記体質顔料は、インキ全量に対して0.5重量%以上含有されている請求項4に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- 前記体質顔料は、インキ全量に対して0.5〜3.0重量%含有されている請求項5に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
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