JP4851705B2 - 孔版印刷用エマルジョンインキ - Google Patents
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前記印刷プロセスで用いられる孔版原紙としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等が使用されているが、インキ転移量が多いため、ベタ画像の均一性、用紙巻き上がり、裏移り等の問題がある。そこで、近年、孔版原紙に多孔性の樹脂層を設けて、インキ転移量の少ない領域にコントロールすることにより、前記課題を解決している。
一般的に分散のプロセスは着色剤の比表面積を増大するプロセスであることから、熱力学的には系のエネルギーを増大させる不安定なプロセスである。したがって、ただ単に分散性を向上させただけではインキ作製直後の分散性は良くなるものの、経時での分散安定性という点においては問題がある。
<1> 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に着色剤と、アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物及びポリエステルアミン化合物の少なくともいずれかの分散剤とを含有することを特徴とする孔版印刷用エマルジョンインキである。該<1>に記載の孔版印刷用エマルジョンインキにおいては、分散剤としてアンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物を使用すると、該アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物が着色剤としての顔料表面に吸着し、高分子系の分散剤であるポリエステルアミン化合物と顔料との結合剤的な働きをすることによって、ポリエステルアミン化合物の顔料との結合力を強化することが可能となり、従来よりも経時での分散安定性が向上し、顔料凝集の防止を効果的に図ることができる。
<5> 着色剤のインキ中における含有量が1質量%以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。該<5>に記載の孔版印刷用エマルジョンインキにおいては、インキ中に使用されている着色剤(有彩色顔料又は無彩色顔料)の使用量をインキ中において1質量%以上とすることによって、前記分散剤の効果を十分に発揮することが可能となる。
前記油相の混合割合が10質量%未満であると、W/Oエマルジョンとしての形態をとれなくなることがあり、90質量%を超えると、物性的にW/Oエマルジョンとすることの効果が不足してしまうことがある。
前記油相は、着色剤、及びアンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物及びポリエステルアミン化合物の少なくともいずれかの分散剤を含有してなり、油成分、乳化剤、樹脂、ゲル化剤、酸化防止剤、体質顔料、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記分散剤としては、アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物及びポリエステルアミン化合物の少なくともいずれかが用いられる。
前記アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウムフタロシアニンスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物は、着色剤としての種々の有機顔料表面の極性を上げることができ、高分子系の分散剤としてのポリエステルアミン化合物を用いた際に、アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物が顔料との結合剤的な働きをすることにより、通常の場合よりも分散剤の結合力は強くなり、特に経時での分散安定性が従来に比べて大幅に向上する。
前記アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物は青色の粉体であり、その使用量によっては色調を変化させてしまう可能性もあることから、色調の変化に敏感な場合には極力使用量を抑える、又は使用しない等の検討も必要になる。前記アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、ソルスパーズシリーズの5000(Lubrizol社製)、などが挙げられる。
前記ポリエステルアミン化合物は、フリーのカルボン酸基を持つ(それらは少なくとも2つのポリエステル鎖を持っており、これらは互いにポリ低級アルキレンイミン鎖を有している)ポリエステルと、ポリ低級アルキレンイミンとの反応生成物であり、少なくとも二つのポリエステル鎖を有し、該ポリエステル鎖にそれぞれポリ(低アルキレン)イミン鎖が結合している化合物である。
前記ポリエステルアミン化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、Lubrizol社製のソルスパーズ13940、16000、17000、20000、28000、54000、などが挙げられる。
また、アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物(A)と、ポリエステルアミン化合物(B)とを併用する場合には、使用する顔料に応じて異なり一概に規定できないが、混合質量比(A:B)は1:2〜1:9が好ましい。更に詳しくは、黒色顔料では混合質量比(A:B)=1:2程度、青/緑系顔料では混合質量比(A:B)=1:4程度、紅/黄系顔料では混合質量比(A:B)=1:9程度が好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、モノアゾレーキ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料等のフタロシアニン系顔料;アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、イソインドリン系色素、ジオキサンジン系色素、スレン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジゴ系色素、キノフタロン系色素、金属錯体等の縮合多環系顔料;酸性又は塩基性染料のレーキ等の有機顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;蛍光顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、モノアゾレーキ系顔料及びジスアゾ系顔料の少なくともいずれかが分散剤の添加による効果が高い点で特に好ましい。前記モノアゾレーキ系顔料としては、例えば、ウォッチングレッド、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、などが挙げられる。
前記ジスアゾ系顔料としては、例えば、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、などが挙げられる。
前記油成分としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、植物油、鉱物油、などが挙げられる。
前記植物油としては、例えば、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、なたね油、サフラワー油、ごま油、ひまし油、脱水ひまし油、つばき油、オリーブ油、やし油、米油、綿実油、パーム油、あまに油、パーム核油、桐油、カメリアオイル、グレープシード油、スイートアルモンド油、ピスタチオナッツ油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、メドウホーム油、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エステル化植物油としては、前記植物油をエステル化したものが挙げられ、前記エステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等が挙げられる。該エステル化植物油としては、例えば、エステル化大豆油が特に好ましい。
前記アルキド樹脂として、油脂が大豆油である大豆油脂肪酸アルキド樹脂を用い、エステル化大豆油を使用することにより、大豆油由来成分の合計が6%を超えることで、アメリカ大豆協会のSOYマークの認定を受けることができ、安全性の点でも有利となる。
前記パラフィン系オイルとしては、市販品を用いることができ、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックシリーズ、新日本石油株式会社製の日石スーパーオイルシリーズ、出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ等が挙げられる。
前記ナフテン系オイルとしては、環分析によるナフテン成分の炭素含有量(CN)が30%以上であり、芳香族成分の炭素の含有量(CA)が20%以下であり、かつパラフィン成分の炭素含有量(CP)が55%以下であるものが好適であり、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックオイル155及び300ID、ガーゴオイルアークティックオイルライト、ガーゴオイルアークティックオイルCヘビー;出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ;日本サン石油株式会社製のサンセンオイルシリーズなどが挙げられる。
前記石油系溶剤としては、市販品を用いることができ、例えば、エクソン化学社製のアイソパーシリーズ(C、E、G、H、L、M等)及びエクソール(D30、D40、D80、D110、D130等);新日本石油株式会社製のAFソルベントシリーズ(4号、5号、6号、7号等)、などが挙げられる。
なお、必要に応じて安全性の高いアロマ系オイル(例えば、特開平11−80640号公報)を使用することもできる。
前記乳化剤としては、油中水型のエマルジョンを形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、非イオン系界面活性剤が好ましい。該非イオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化剤の前記孔版印刷用エマルジョンインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜15質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキド樹脂、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;マレイン酸樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;環化ゴム等のゴム誘導体樹脂;テルペン樹脂;重合ひまし油、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキド樹脂が特に好ましい。
前記樹脂の前記油相における添加量は、インキのコスト及び印刷適正の点から2〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
前記樹脂の重量平均分子量が低い場合及び添加量が少ない場合には、定着性への効果が小さいことがあり、一方、重量平均分子量が高すぎたり、樹脂の添加量が多い場合にはインキの粘度が高くなり、ドラム後端からインキが漏れるなどの印刷適性の問題が生じることがある。
前記樹脂としては、市販品を用いることができ、荒川化学工業株式会社製のKG−836、KG−846、KG−1801、KG−1832、KG−1829、KG−1804、KG−1828、KG−1808−1、KG−1834、KG−1831、KG−1833、タマノル353、タマノル403、タマノル371、タマノル394;ハリマ化成株式会社製のハリフェノール(561、564、582、173、T3120、T3040、P637、295などが挙げられる。また、環化ゴムも定着性に対し効果があり、例えばコロンビヤンカーボン日本社製の商品名ALSYNOL RS47、ALSYNOL RS44、SYNTEX 800;ヘキスト社製のALPEX CK 450、ALPEX CK514等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビットなどが挙げられる。
ここで、前記アルキド樹脂の酸価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。前記アルキド樹脂のヨウ素価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。
前記ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性、及び流動性等を向上させる役割を有し、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。該ゲル化剤としては、例えば、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等が挙げられる。具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゲル化剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、油相中の樹脂の総量に対し15質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
前記酸化防止剤は、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、クエン酸エステル、抽出トコフェロール、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、亜硫酸塩類、チオ硫酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の前記油相における添加量は、例えば2質量%以下が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
前記体質顔料は、インキ中には滲み防止、粘度調整のために油相、水相、又は両相に添加することができ、無機微粒子及び有機微粒子のいずれかが好ましい。前記無機微粒子としては、例えば、白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。前記有機微粒子としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの共重合体、などが挙げられる。
前記体質顔料の前記孔版印刷用エマルジョンインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜50質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
前記水相は、水、水溶性高分子化合物、水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤、電解質、O/W樹脂エマルジョン、防腐剤又は防かび剤、pH調整剤などのその他の成分を含有してなる。
前記水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物、などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等が挙げられる。
前記半合成高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
前記合成高分子化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子化合物等が挙げられる。
前記水溶性高分子化合物の前記水相における添加量は、25質量%以下が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
前記低級飽和一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。前記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。
前記水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤の前記水相における添加量は、1〜15質量%が好ましく、4〜12質量%がより好ましく、5〜9質量%が特に好ましい。
前記電解質の前記水相における添加量は、例えば、0.1〜2質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。
また、前記水中油型樹脂エマルジョンの分散方法についても特に制限はなく、分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。前記水中油型樹脂エマルジョンの最低造膜温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、40℃以下が好ましい。
前記防腐剤又は防かび剤の前記水相における添加量は、3質量%以下が好ましく、0.1〜1.2質量%がより好ましい。
具体的には、着色剤、分散剤、油成分、及び乳化剤を混合し、高速ディゾルバーにて攪拌する。その後、ビーズミルを用いて分散処理を行って油相を調製する。一方、電解質、凍結防止剤、及び抗菌剤を混合し、この混合液を水に良く溶解させて水相を調製する。次いで、乳化機を使用し、前記油相液を仕込んで液を撹拌しながら、徐々に前記水相液を添加して乳化させることにより、孔版印刷用エマルジョンインキを製造することができる。
以上説明したように、本発明の孔版印刷用エマルジョンインキは、水相中に水不溶性着色剤を添加したインキにおける放置後の不溶性着色剤の固着による目詰まりが改善され、機上放置性に優れているので、例えば、輪転孔版印刷機による孔版印刷に好適に用いられる。
−孔版印刷用エマルジョンインキの調製−
まず、表1に記載の処方により着色剤、分散剤、油成分、及び乳化剤を混合し、高速ディゾルバーにて攪拌した。その後、ビーズミル(LMZ2、アシザワ・ファインテック株式会社製)を用いて分散処理を行って油相を調製した。
次に、表1に記載の処方により電解質、凍結防止剤、及び抗菌剤を混合し、この混合液を水に良く溶解させて水相を調製した。
次いで、乳化機(日光ケミカルズ株式会社製、乳化試験機ET−3A型)を使用し、前記油相液を仕込んで液を撹拌しながら、徐々に前記水相液を添加した。以上により、実施例1の孔版印刷用エマルジョンインクを作製した。
−孔版印刷用エマルジョンインキの調製−
実施例1において、表1及び表2に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の孔版印刷用エマルジョンインクを作製した。
−孔版印刷用エマルジョンインキの調製−
実施例1において、表1に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の孔版印刷用エマルジョンインクを作製した。
−孔版印刷用エマルジョンインキの調製−
実施例1において、表2に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の孔版印刷用エマルジョンインクを作製した。
これに対し、アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物及びポリエステルアミン化合物を添加した実施例1〜4では、一部にやや顔料凝集が見られたが、いずれも比較例1及び2に比べて顔料凝集が効果的に防止できることが認められた。
Claims (4)
- 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に着色剤と、分散剤としてアンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物及びポリエステルアミン化合物を含有し、アンモニウムフタロシアニンスルホン酸化合物(A)と、ポリエステルアミン化合物(B)との混合質量比(A:B)が、1:2〜1:9であることを特徴とする孔版印刷用エマルジョンインキ。
- 分散剤の含有量が、着色剤100質量部に対し1〜100質量部である請求項1に記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
- 着色剤が、モノアゾレーキ系顔料及びジスアゾ系顔料の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
- 着色剤のインキ中における含有量が1質量%以上である請求項1から3のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
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