JP4080113B2 - 孔版印刷用w/o型エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用w/o型エマルションインキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷用W/O型エマルションインキに関し、更に詳しくは高温において安定で、且つ印刷物における画像濃度が高い孔版印刷用W/O型エマルションインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷方法は、周知のように孔版原紙を用い、この原紙の穿孔部を介して原紙の一方の側より他方の側ヘインキを移動させることにより、紙などの被印刷物面に印刷を行なうものである。そうして、シアン、マゼンタ、エローのいわゆるプロセスカラーの顔料、染料を混合して用いることにより、ほとんどの色調のインキを網羅できる。
【0003】
ただ、印刷機におけるインキの紙への付着量は、印刷用の紙質や印刷環境に左右され、低温時の印刷等には紙へのインキ付着量は低くなり、その結果、印刷物の画像濃度は低くなり画像品質がさがってしまう。
【0004】
画像濃度を改善する方法にはインキ中の顔料濃度を上げることが考えられるが、顔料濃度はW/O型エマルションインキの粘度にも影響し、インキ中の顔料濃度を過剰に上げるとインキ粘度は上昇し、印刷機上の適性粘度を超えてしまう。また、インキコストを大幅に上げることにもなる。
【0005】
また、紙へのインキ付着量を上げ、画像濃度を改善する方法も考えられる。しかし、孔版印刷機は他の印刷方法と比較し紙へのインキ付着量が多く、またインキ乾燥はインキの紙への浸透にのみ依存しており、紙へのインキ付着量が多いと、画像上のインキが印刷機より排紙された次の画像裏面を汚してしまう、いわゆる裏移りが発生する場合がある。よって、インキ付着量を上げ、画像濃度を改善する方法は裏移りを誘発する可能性が高いため好ましくない。
【0006】
また、孔版印刷用インキとしては、W/O型エマルションの形態が多く、インキが劣化してくるとインキ粘度は低下する。このインキ粘度低下は高温により促進され、インキを輸送や保存した場合には粘度低下をきたし、キャップを外したとき、あるいは印刷機上にてパック口から垂れ、床や絨毯を汚濁する場合がある。特にこの現象は、染料を金属でレーキ化した顔料を使用した孔版印刷用W/O型エマルションインキにおいて顕著である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、高温において安定で、且つ印刷物における画像濃度が高い孔版印刷用W/O型エマルションインキを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決し得るW/O型エマルションインキ処方を提供すべく、鋭意研究を重ねた結果、油相あるいは水相中に主着色剤として、塩基性染料をりんタングステン酸、りんモリブデン酸又は/及びりんタングステン・モリブデン酸でレーキ化された顔料を含有させることにより、孔版印刷用インキ中の顔料濃度や紙へのインキ付着量を増やすことなく、印刷機へのマッチングや裏移り等の品質を損なうことなく、印刷濃度を改善できることを見い出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明によれば、第一に、油相10〜90重量%と水相90〜10重量%によって構成されるW/O型エマルションにおいて、主着色剤として塩基性染料をりんタングステン酸、りんモリブデン酸又は/及びりんタングステン・モリブデン酸でレーキ化された顔料を油相あるいは水相中に含有してなることを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキが提供される。
【0010】
第二に、前記水相に水可溶性マグネシウム塩を水相重量に対して0.1〜2重量%含有してなることを特徴とする上記第一に記載した孔版印刷用W/O型エマルションインキが提供される。
【0011】
アミノ基又はその誘導体を有するクリスタルバイオレット等の塩基性染料をりんタングステン酸、りんモリブデン酸又は/及びりんタングステン・モリブデン酸のいわゆるコンプレックスアシッドでレーキ化した顔料は、塩基性染料の非常に強い着色力を保持するため、該レーキ化顔料を主着色剤として油相あるいは水相に含有する本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、インキ中の顔料濃度や紙へのインキ付着量を増やすことなしに、且つ印刷機へのマッチングや裏移り等の品質を損なうことなしに、印刷濃度を改善することができるものとなる。
【0012】
更に、本発明のW/O型エマルションインキにおいては、インキ水相中へ電解質として水可溶性マグネシウム塩を添加することで、インキ自体の保存安定性を更に良好に保つことができる。この理由としては、水相への水可溶性マグネシウム塩の添加により、油相中の水相エマルション同志の電気斥力が高まったことなどが考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、前述したように、油相10〜90重量%と水相90〜10重量%によって構成されるW/O型エマルションにおいて、主着色剤として塩基性染料をりんタングステン酸、りんモリブデン酸又は/及びりんタングステン・モリブデン酸でレーキ化された顔料を油相あるいは水相中に含有してなることを特徴とする。
【0014】
本発明で用いられる主着色剤(色剤)は、前述したように、アミノ基又はその誘導体を有するクリスタルバイオレット等の塩基性染料をりんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステン・モリブデン酸のいわゆるコンプレックスアシッドでレーキ化された顔料であり、例えばROSE TA(大同化成社製)、ULTRA ROSE 3B,ULTRA ROSE F,ULTRA ROSE RN,ULTRA BLUE B(東洋インキ社製)、Seikalight Rose R40,Seikalight Magenta 2R,Seikalight Blue C718(大日精化社製)が挙げられる。その添加量は必要量に応じて添加することが可能であるが、インキ重量に対して通常2〜8重量%である。
【0015】
本発明で用いられる主着色剤の代表例を構造式で表1に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0004080113
【0017】
本発明においては、上記の顔料の他に各種色調の公知の顔料、分散染料等をインキ調色等のために、油相あるいは水相に適宜添加することができ、例えばアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類、アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉、弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料などのアゾ系顔料、無金属フタロシアニン顔料や銅フタロシアニン顔料などのフタロシアニン系顔料、アントラキノン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサンジン系、スレン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、金属錯体などの縮合多環系顔料、酸性又は塩基性染料のレーキ等の有機顔料、ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料等が挙げられる。これらの染顔料類は、単独でも2種以上混合して添加しても良い。
【0018】
油相及び水相に分散された不溶性着色剤の平均粒径は10〜0.1μm、好ましくは1〜0.1μmであることが望ましい。
【0019】
また、水相に添加される電解質としては、特に好ましいものとして、硫酸マグネシウム等の水可溶性マグネシウム塩が挙げられる。その添加量は水相重量の0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。0.1重量%未満ではインキ安定性への効果はなく、2重量%を越えて添加してもそれ以上の効果はない。
【0020】
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、油相10〜90重量%と水相90〜10重量%によって構成されるエマルションインキであり、前記油相は顔料の他に油成分、乳化剤、顔料分散剤、樹脂、ゲル化剤、酸化防止剤、体質顔料等から構成され、前記水相は電解質の他に水、防腐・防かび剤、水蒸発防止剤、水溶性高分子、水中油型樹脂エマルション、キレート試薬、消泡剤、顔料等から構成される。
【0021】
油相中の油には、主に石油系溶剤、スピンドル油、流動パラフィン等の公知の鉱物油の他、公知の植物油、炭化水素系合成油を適宜、添加できる。植物油には、例えば、ひまし油、パーム油、ヤシ油、大豆油等の公知のものが挙げられる。これらの構成成分には、エマルションの形成を阻害しない公知のものが使用される。
【0022】
W/O型エマルションを構成するための乳化剤には、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらは、顔料分散剤としても使用出来、また単独、あるいは複数での使用も可能であるが、インキ安定性の面からソルビタン系のものが好ましい。その添加量は、インキ重量の1〜8重量%、好ましくは、2.2〜5.5重量%である。
【0023】
着色剤分散剤としては、エマルションの形成を阻害しないものが使用でき、前記の乳化剤用ノニオン系界面活性剤を使用することができる。このほか、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン−無水マレイン酸系共重合高分子化合物、ポリカルボン酸エステル型高分子化合物、脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン塩類、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩類、長鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩類、α−オレフインスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸塩類、アルキド樹脂などの顔料分散能を有する樹脂などが挙げられる。これらの分散剤は単独又は2種類以上混合して添加すればよく、その添加量は着色剤重量と同量以下、好ましくは着色剤重量の2〜70重量%とすればよい。
【0024】
ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性、流動性を向上させる役割をもち、本発明のインキに添加されるゲル化剤としては、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物を例示すると、Li,Na,K,Al,Ca,Co,Fe,Mn,Mg,Pb,Zn,Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。これらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すればよく、その添加量は油相中の樹脂の15%以下、好ましくは5〜10重量%である。
【0025】
また、インキ中には滲み防止、あるいは粘度調整のために体質顔料も添加できる。インキ中に添加される体質顔料としては、白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム等の無機微粒子及びポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の有機微粒子又はこれらの共重合体からなる微粒子が挙げられる。具体的な例としては、アエロジル200、アエロジルR972等(日本アエロジル社製)、NEW D ORBEN(白石工業社製)、BEN−GEL、S−BEN、ORGANITEなど(豊順洋行社製)、TIXOGELシリーズ(VP、DS、GB、VG、EZ−100など)、OPTIGEL(日産ガードラー触媒社製)などが挙げられる。これらは油相、水相あるいは両相に添加しても良く、その添加量はインキに対して0.1〜50重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。
【0026】
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等であり、これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキの粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインキ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種類以上を混合して使ってもよい。
【0027】
エマルションインキの水相には保湿や増粘並びに不溶性着色剤、体質顔料の分散及び固着のために、水溶性高分子やO/W樹脂エマルションを添加しても良い。
【0028】
水溶性高分子としては、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加される。例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂及びポリアクリル酸ナトリウムなどの中和物、ポリビニルイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリN−アクリロイルピリジンやポリN−イソプロピルアクリルアミドなどのポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体及びこれらをアルキル基で部分的に疎水した高分子等が用いられる。また、アクリルアミド系ポリマー及びアクリル系のポリマーに関しては、置換基を部分的にアルキル基で疎水化した共重合タイプのポリマーでもよい。また、ポリエチレンとポリプロピレン又はポリブチレンのブロックコポリマーを用いることができる。これらの高分子を分散剤として使用する場合は、1g/dLの水溶液の表面張力が65mN/m以下を示すような界面活性能を有する水溶性の合成高分子等を用いるのが望ましい。
これらの水溶性高分子は単独でも2種類以上混合してもよく、インキに含まれる水の25重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%が添加される。
【0029】
水相に添加される水中油型樹脂エマルションとしては、合成高分子でも天然高分子でもよい。高分子としては、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合体、スチレンーアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等が挙げられる。天然のものとしては、油相に添加できる高分子等が挙げられる。これらは油中水型エマルションインキの安定性を阻害しない範囲であれば2種類以上を併用してもよく、また分散方法も分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。これらのO/W樹脂エマルションの最低造膜温度は40℃以下であることが望ましく、インキに含まれる水の30重量%以下、好ましくは0.2〜15重量%が添加される。
【0030】
水相に添加される防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期保存する場合は防腐・防かび剤を添加するのが望ましい。その添加量は、インキ中に含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.05〜1.0重量%とするのがよい。また、防腐・防かび剤としては、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化含物及びその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使用され、これらは単独でも2種類以上混合して使ってもよい。
【0031】
水の蒸発防止剤と凍結防止剤は兼用可能であり、これらの目的で添加される薬品は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコール;等である。これらの薬品は1種又は2種以上を添加すればよく、その添加量はインキ中の水重量の30重量%以下、好ましくは10〜25重量%である。
【0032】
水相に添加されるpH調整剤は、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等であり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHがこの範囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されている場合には、その効果が損なわれる等の問題がある。
【0033】
水相に添加されるキレート試薬は、EDTA等のポリアミノカルボン酸類、クエン酸等のオキシカルボン酸類等の水相中のカチオンと水溶性キレート化合物を形成するキレート試薬であり、水相中カチオンの電解質やアクリル酸樹脂等への影響を防止するために添加することができる。キレート試薬の添加量は、水相重量に対して0.005〜1.0重量%であり、好ましくは0.01〜0.50重量%である。
【0034】
また、水相に添加される消泡剤としては、高級脂肪酸アミド、ポリエチレングリコール、脂肪酸低級アルコールエステル、ポリプロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。その添加量は水相重量に対して、0.1〜1.5重量%であり、好ましくは0.4〜1.0重量%である。消泡剤のキャリアとして、エチレングリコールや低級アルコール等を適宜使用できる。
【0035】
水相に添加される電解質は、エマルションの保存安定性を高めるために添加されるものである。従って、電解質により影響を受ける材料が水相に存在しない場合に使用するのが望ましい。ここで添加される電解質としては、前述したように、特に硫酸マグネシウム等の水可溶性マグネシウム塩が好ましいが、その他の電解質、例えば、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等を使用することもできる。その添加量は水相の0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0036】
本発明のエマルションインキは、従来のエマルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を調整し、この両方を公知の乳化機内で乳化させてインキとすればよい。すなわち、着色剤、乳化剤、着色剤分散剤を分散し、必要に応じて添加される添加物をよく分散させた油を常温で調整し、これに防腐・防かび剤、水溶性高分子、消泡剤、凍結防止剤、pH調整剤、電解質等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添加して乳化すればよい。なお、着色剤の分散機には主に三本ロール、ビーズミル、ボールミル等公知のものが挙げられるが、着色剤を水相に分散させる際には、水等の揮発を防止するために、密閉系のビーズミル、ボールミル等を使用する。
【0037】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、以下に記す部は重量部である。
【0038】
(実施例1)
不溶性着色剤、オイル、不溶性着色剤分散剤を3本ロールで練肉することで不溶性着色剤分散体の調整を行い、この不溶性着色剤分散体(以後、不溶性着色剤分散体と記す)に乳化用界面活性剤、オイルを加え攪拌し下記組成の油相とし、これに水、消泡剤、凍結防止剤、電解質などからなる下記組成の水相を加え攪拌することによって乳化し、油相に不溶性着色剤を含有する孔版印刷用のW/O型エマルションインキを得た。
【0039】
<油相組成>
着色剤 ROSE TA(大同化成社製) 4.5部
オイル サンパーオイル120(サン石油社製) 20部
分散剤 アルミキレートALM(味の素社製) 0.5部
活性剤 ソルビタンモノオレエート 4.5部
【0040】
<水相組成>
消泡剤 ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤 エチレングリコール 10部
電解質 硫酸マグネシウム 0.7部
水 水道水 59.3部
【0041】
(実施例2)
下記組成の油相及び水相を調整し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0042】
<油相組成>
着色剤 Seikalight Magenta 2R(大日精化社製) 4.5部
オイル サンパーオイル120(サン石油社製) 20部
分散剤 アルミキレートALM(味の素社製) 0.5部
活性剤 ソルビタンモノオレエート 4.5部
【0043】
<水相組成>
消泡剤 ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤 エチレングリコール 10部
電解質 硫酸マグネシウム 0.7部
水 水道水 59.3部
【0044】
(比較例1)
下記組成の油相及び水相を調整し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0045】
<油相組成>
Figure 0004080113
【0046】
<水相組成>
消泡剤 ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤 エチレングリコール 10部
電解質 硫酸マグネシウム 0.7部
水 水道水 59.3部
【0047】
(比較例2)
下記組成の油相及び水相を調整し、実施例1と同様にして孔版印刷用W/O型エマルションインキを得た。
【0048】
<油相組成>
着色剤 Seikalight Magenta 2R(大日精化社製) 4.5部
オイル サンパーオイル120(サン石油社製) 20部
分散剤 アルミキレートALM(味の素社製) 0.5部
活性剤 ソルビタンモノオレエート 4.5部
【0049】
<水相組成>
消泡剤 ポリプロピレングリコール 0.5部
凍結防止剤 エチレングリコール 10部
水 水道水 60部
【0050】
<評価>
以上の実施例及び比較例で得られた孔版印刷用W/O型エマルションインキについて、その印刷物のID及びインキ消費量を測定し、インキの垂れを評価した。それらの結果を表2に示す。
【0051】
(イ)Image Density
上記のインキを使用し、市販のリコー社製孔版印刷機プリポートVT3920で十分印刷を行ってインキを印刷機内にいきわたらせたあと、常温にて印刷した。得られた印刷物のベタ部の濃度ID(Image Density)を反射式光学濃度計(マクベス社製RD914)によって測定した。
【0052】
(ロ)インキ消費量
上記評価直後に上記インキを使用し、100cm2のベタ部をプリポートVT3920にて100部印刷(紙;リコー社製PPC6200A3)し、各インキの紙へのインキ消費量が同等であることを確認した。
【0053】
(ハ)30℃垂れ
上記インキを充填したインキパックを30℃恒温槽に入れ、インキ温度を同一にするため1日放置したのちに、インキパックのキャップを外し、垂れるまでの時間を計測した。更に、インキを60℃恒温槽に1ヶ月保存し、その後、再度上記方法にて30℃におけるインキの垂れを評価した。
【0054】
30℃垂れの評価はインキパックをマシンにセット後、キャップを外した後にインキパックからインキが垂れる不具合を見るための評価である。また、高温(60℃)保存前後の30℃垂れは、エマルションの安定性を示す。
【0055】
【表2】
Figure 0004080113
【0056】
表3から、本発明のインキは、比較例のインキに比べ、高温において安定で、且つ印刷物における画像濃度が高いことが分かる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、主着色剤として前記した顔料を油相あるいは水相に含有するものとしたことから、高温において安定で、しかも印刷物における画像濃度が高いものである。
【0058】
請求項2の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、更に水相中に水可溶性マグネシウム塩を水相重量に対し0.1〜2重量%含有するものとしたことから、保存安定性が更に向上するという効果が加わる。

Claims (2)

  1. 油相10〜90重量%と水相90〜10重量%によって構成されるW/O型エマルションにおいて、主着色剤として、下記構造式で表され、塩基性染料をりんモリブデン酸又は/及びりんタングステン・モリブデン酸でレーキ化された顔料を油相あるいは水相中に含有してなることを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
    Figure 0004080113
  2. 前記水相に水可溶性マグネシウム塩を水相重量に対して0.1〜2重量%含有してなることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
JP25509099A 1999-09-09 1999-09-09 孔版印刷用w/o型エマルションインキ Expired - Fee Related JP4080113B2 (ja)

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