JP3691767B2 - 旋回作業機のボンネット支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックホー等の旋回作業機のボンネット支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、後方小旋回型の旋回作業機においては、旋回台上の中央の若干左寄りに運転席を、運転席の後下方又は後方にエンジンを、運転席の右側に作動油タンク及び制御弁ユニットを、エンジンの一側方にラジエータをそれぞれ配置し、エンジン及びエアークリーナ、マフラ等の車両機器は後部ボンネットで、作動油タンク及び制御弁ユニット等の車両機器は側部ボンネットでそれぞれ覆っており、前記後部ボンネットの側部を側部ボンネットの後部に隣接させている。
【0003】
前記ボンネット、主に後部ボンネットは、旋回台後部に配置した支持枠体によって支持されており、この支持枠体はエンジンを跨ぎながら、その左右側部及び後部の脚部で旋回台に取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、前記ボンネットを支持する支持枠体は、エンジンの上方を横切る上支持部と、エンジンの左右に位置する側脚部と、エンジンの後部に位置する後脚部とを有し、前記上支持部の一側端及びそれに連結されている側脚部の一方は、ラジエータ上方に位置している。
メンテナンス等のためにラジエータを取り外す場合は、前記支持枠体の側脚部が障害となって、ラジエータをエンジンから離れる横方向へ取り出す方法しかなく、後方へ取り出すにはウエイトを外しておかねばならなく、また、ラジエータの横側には取り出すための空間を形成しておかねばならない、等の種々の問題を有している
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした旋回作業機のボンネット支持構造を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、支持枠体のラジエータ側の側脚部をラジエータ上方からエンジン側にずらして配置することによって、ラジエータを上方へ取り出すことができるようにした旋回作業機のボンネット支持構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、旋回台3の後部にエンジン14を配置しかつこのエンジン14の一側方にラジエータ34を配置し、このエンジン14及びラジエータ34を覆うボンネットを旋回台3の後部に設けた支持枠体39で支持しており、前記支持枠体39はエンジン14の上方を横切る上支持部39Aと、エンジン14の左右に位置する側脚部39B、39Cと、エンジン14の後部に位置する後脚部39Dとを有し、ラジエータ34側の側脚部39Bをラジエータ34上方からエンジン14側にずらして配置していることである。
【0007】
これによって、ラジエータ34を旋回台3から取り出す際に、支持枠体39のラジエータ34側の側脚部39Bが障害になることがなく、ラジエータ34を上方へ簡便に取り出すことが可能になる。
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、旋回台3の後部にエンジン14を取り付け、エンジン14の後方にウエイト30を配置し、エンジン14の一側方にラジエータ34を配置し、ラジエータ34の前側近傍にタンクを配置し、前記エンジン14及びラジエータ34をボンネットで覆い、このボンネットを旋回台3の後部に設けた支持枠体39で支持しており、前記支持枠体39はエンジン14の上方を横切りかつボンネットを支持する上支持部39Aと、この上支持部39Aに連結されていて上支持部39Aより前方で旋回台3に取り付けられた左右側脚部39B、39Cと、前記上支持部39Aに連結されていて上支持部39Aより後方で旋回台3に取り付けられた後脚部39Dとを有し、ラジエータ34側の側脚部39Bとそれが連結された上支持部39Aの一側端とをラジエータ34の上方から外れたシュラウド34B上方に位置させ、前記タンクの後部をラジエータ34と前後方向にオーバラップさせていることである。
【0008】
これによって、ラジエータ34を旋回台3から取り出す際に、支持枠体39のラジエータ34側の側脚部39Bが障害になることがなく、ラジエータ34を上方へ簡便に取り出すことが可能になり、しかも、エンジン14側を反対側のラジエータ34側方空間を有効に利用することが可能になる。
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、前記一方の側脚部39Bを、上支持部39Aの一側端から前方に延びてシュラウド34Bの前側でかつタンクの側方で旋回台3に取り付けていることである。
【0009】
これによって、タンクに妨害されることなく、また、タンクの取り付けを妨害することなく、ラジエータ34側の側脚部39Bを旋回台3に取り付け可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図4、5において、1は旋回作業機として例示する後方小旋回型のバックホーであり、このバックホー1はクローラ走行装置2と、旋回台3を有する上部体5と、掘削装置4とから主構成されている。
クローラ走行装置2は、トラックフレーム6の左右サイドフレーム7の前後部に駆動輪8、従動輪9及び複数個の転輪10を回転自在に支持し、これらにゴム製又は鉄製のクローラ11を巻き付け、前記駆動輪8を油圧モータ等の走行駆動源で駆動するように構成されている。
【0011】
前記トラックフレーム6はその上部に旋回ベアリング12を介して旋回台3を旋回軸Xを中心に旋回自在に搭載しており、前部にはドーザ13を昇降自在に装着している。
旋回台3は、基本となるベースプレート3A上にフレーム、縦壁、支持台等を溶着して形成されており、エンジン14、主ボンネット15、側部ボンネット16、運転席17、操縦装置18等が搭載され、これらによって上部体5が形成されている。操縦装置18は、運転席17の左右に配置された右手操縦手段18R及び左手操縦手段18Lを備えている。
【0012】
旋回台3の運転席17の前側はステップ28となっており、ベースプレート3Aの前部には、前方突出状のブラケット19及びスイングシリンダを介して掘削装置4が左右揺動自在に装着されている。
この旋回台3は、左右側部が前後方向と略平行に形成され、前部が前後方向と略直角に形成され、後部及び左右側部と前部との間のコーナ部が略円弧に形成され、それらは旋回軸Xを曲率中心とする略円弧であって、その旋回範囲内に左右側部及び前部の外面が位置する形状である。
【0013】
掘削装置4は、前記ブラケット19に縦軸を介して支持された揺動ブラケット20にブーム21とブームシリンダ22の各基端部を枢支し、ブーム21の先端にアーム23を枢支してアームシリンダ24で揺動可能にし、アーム23の先端にバケット25を枢支してバケットシリンダ26で掬い及びダンプ動作可能にしている。
図1〜5において、前記旋回台3の後部にウエイト(カウンタウェイト)30を設け、このウエイト30の前側にエンジン14を搭載し、このエンジン14を配置したエンジンルーム31を包囲するように主ボンネット15を設け、この主ボンネット15の前側に運転席17を取り付け台及びサスペンション装置32を介して設けている。
【0014】
前記エンジンルーム31において、掘削装置4を前側として、エンジン14は横向き(クランク軸が左右方向)に配置され、その左側に多連式の油圧ポンプ33が装備され、右側にラジエータ34が配置されている。
前記エンジン14及び油圧ポンプ33を跨ぐように支持枠体39が設けられ、この支持枠体39にマフラ29、エアーフィルタ及びその他の車両機器が装着されている。
前記支持枠体39は、エンジン14の上方を横切りかつ主ボンネット15を支持する上支持部39Aと、この上支持部39Aに連結されていて上支持部39Aより前方で旋回台3に取り付けられた左右側脚部39B、39Cと、上支持部39Aの左右中途部に連結されていて上支持部39Aより後方で旋回台3に取り付けられた後脚部39Dとを有し、前記各部39A,39B、39C、39Dは帯板、平板等で形成されている。
【0015】
エンジン14の前側には仕切り板35が設けられている。また、運転席17の後側に支持枠体39の上支持部39Aを介して日除け装置36(又はロプス)が立設されている。
ラジエータ34のラジエータファン34Aはシュラウド34Bで包囲されていて、吸い込み式であり、主ボンネット15の右側部及び主ボンネット15の右前部と内部が連通した側部ボンネット16の空気孔16Aから空気を吸引して、主ボンネット15の左側から外方へ熱風を吐出するようになっている。なお、ラジエータ34は吐き出し式にすることもできる。
【0016】
前記支持枠体39は、ラジエータ34側の側脚部39Bとそれが連結された上支持部39Aの一側端とが、ラジエータ34の上方から外れたシュラウド34Bの上方に位置しており、ラジエータ34とは左右方向にオーバラップしない配置構造になっている。前記上支持部39Aはラジエータ34と略平行に配置されている。
従って、ラジエータ34とシュラウド34Bとの連結を解除すると、支持枠体39を取り外さなくとも、ラジエータ34を旋回台3から上方へ取り出すことができる。ラジエータ34は後方側に支持枠体39が存在しないので、後上方にも取り出すことができる。
【0017】
前記旋回台3の左前側にはバッテリ37が配置され、旋回台3の右側にはラジエータ34の前方に作動油タンク41及び燃料タンク38等が配置され、これらは側部ボンネット16によって覆われている。
前記作動油タンク41は、左側がラジエータ34の直前に位置し、右側がラジエータ34の側方まで延設されており、後面がラジエータ34と緩衝しないように傾斜面41を有して切り欠かれており、従って作動油タンク41の後部はラジエータ34と前後方向にオーバラップしており、作動油タンク41の右側方の空間を、外気導入を許容しながら、作動油タンク41で有効利用している。
【0018】
前記支持枠体39の右側の側脚部39Bは、上支持部39Aの一側端から前方に延びてシュラウド34Bの前側でかつ作動油タンク41の側方で、旋回台3に固定の支持台52に着脱自在に取り付けてられている。
この右側の側脚部39Bは、作動油タンク41に妨害されることなく、また、作動油タンク41の取り付けを妨害することなく、旋回台3に取り付けておくことができる。
制御弁ユニットはバッテリ37又は作動油タンク41の近傍に配置され、燃料タンク38はバッテリ37の後方の旋回台3内に配置してもよいが、作動油タンク41の前側に配置されている。
【0019】
前記主ボンネット15は、エンジンルーム31の前側に位置する前部ボンネット15Aと、エンジンルーム31内点検のために後側に位置する開閉自在な後部ボンネット15Bとを有し、前記前部ボンネット15Aと後部ボンネット15Bとの右側で隣接して側部ボンネット16が配置され、それぞれは合成樹脂(又は板金)で形成されている。
前部ボンネット15Aは旋回台3及び支持枠体39に固定され、仕切り板35の前側で立ち上がってエンジン14の前上方を覆い、左側部は運転席17の左側方に突出している。この前部ボンネット15Aの右端は右側の側脚部39Bの右端と略一致している。
【0020】
後部ボンネット15Bは前上部が支持枠体39の上支持部39Aに蝶番を介して開閉自在に枢支されており、エンジン14、油圧ポンプ33及びラジエータ34の後半分を覆い、開放することにより、これらのメンテナンスができるようになっている。
側部ボンネット16は、旋回台3又は作動油タンク41の左側面(運転席17側の面)に取り付けられた側板カバー43と、作動油タンク41等を開閉自在に包囲する側部ボンネットカバー44とを有している。前記側板カバー43はラジエータ34の前方に位置している。
【0021】
前記側部ボンネットカバー44は、作動油タンク41、燃料タンク38(及び制御弁ユニット)を覆っており、前下部を蝶番を介して枢支してもよいが、左側上部で側板カバー43の上部に蝶番を介して開閉自在に枢支していて、前記蝶番は軸芯方向に移動することにより着脱自在になっており、側部ボンネットカバー44を開放することにより又は離脱することにより、旋回台3の右側部を露出して、内部機器を一度にメンテナンスできるようにしている。
この側部ボンネットカバー44は、その前部に空気取り入れ口を形成しておいて、前側から吸引した空気を、燃料タンク38、作動油タンク41及び制御弁ユニットを経てラジエータ34に流すようにしてもよい。
【0022】
図6、7は燃料供給系のカートリッジ式の燃料タンク38を例示しており、この燃料タンク38は石油ヒータと同様に、タンク本体60とカートリッジ容器61とに分割された構造となっている。
前記タンク本体60は、下部の受け部60Aと、受け部60Aから立ち上がった縦部60Bとを有する側面視L字形状で、主に縦部60Bに、フィルタ62を経てフューエルポンプ64に接続する供給パイプ63、フューエルポンプ64に接続する戻りパイプ65及び水抜きパイプ等が接続され、また残量表示メータが取り付けられている。
【0023】
タンク本体60の下部にはカートリッジ容器61を載置する受け部60Aが形成され、この受け部60Aにはカセット栓式注入口66が設けられ、縦部60Bにはガイド突起60Cが形成されている。
カートリッジ容器61はプラスチック又は板金製の容器で、底部に前記注入口66と嵌合して燃料を供給するカセット栓式注出口71を有し、ガイド突起60Cと係合するガイド凹部61Aを形成し、かつ携帯用ハンドル67を取り付けている。
【0024】
このカートリッジ容器61は、ガイド突起60C及びガイド凹部61Aの案内でカセット栓式注入口66に注出口71を嵌脱自在であり、タンク本体60から離脱して持ち運び、燃料を注入することができる。従って、バックホー1への燃料補給が極めて容易になる。
カートリッジ容器61の上部に供給口68を設けているが、カセット栓式注出口71を供給口としてもよい。また、タンク本体60の上部に装着したカートリッジ容器61の振れ止め及び離脱防止をするために、押さえロック手段70を設けておくことが好ましく、この押さえロック手段70は、例えば、タンク本体60にフック部材69を回動自在に設け、このフック部材69をカートリッジ容器61の上部に係合するように構成する。
【0025】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、支持枠体39の各部をパイプ材で形成したり、後脚部39Dを複数本設けたり、後脚部39Dから左右側脚部39B、39Cまでの距離を略等距離に設定しているが、後脚部39Dを左右一方に片寄り配置させたりしてもよい。
また、作動油タンク41の代わりに燃料タンク38をラジエータ34の前側近傍に配置して、その後部をラジエータ34と前後方向にオーバラップさせてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、ラジエータ34を旋回台3から取り出す際に、支持枠体39のラジエータ34側の側脚部39Bが障害になることがなく、ラジエータ34を上方へ簡便に取り出すことができ、エンジン14側と反対側のラジエータ34側方空間を有効に利用することができ、ラジエータ34の近傍にタンクがあっても妨害されることなく、また、タンクの取り付けを妨害することなく、ラジエータ34側の側脚部39Bを旋回台3に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す平面図である。
【図2】同背面図である。
【図3】同右側面図である。
【図4】旋回台の平面図である。
【図5】バックホー全体の側面図である。
【図6】燃料供給系の説明図である。
【図7】燃料タンクの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 バックホー(旋回作業機)
3 旋回台
5 上部体
14 エンジン
15 主ボンネット
16 側部ボンネット
17 運転席
30 ウエイト
34 ラジエータ
34B シュラウド
39 支持枠体
39A 上支持部
39B 側脚部
39C 側脚部
39D 後脚部

Claims (2)

  1. 旋回台の後部にエンジンを配置しこのエンジンの一側方にラジエータを配置し、ラジエータの前方にタンクを配置し、前記エンジンを覆う主ボンネットとタンクを覆う側部ボンネットとを設け、前記主ボンネットを旋回台の後部に設けた支持枠体で支持しており、
    前記支持枠体はエンジンの上方を横切りかつ主ボンネットを支持する上支持部と、この上支持部に連結されていて上支持部より前方で旋回台に取り付けられた左右側脚部と、前記上支持部に連結されていて上支持部より後方で旋回台に取り付けられた後脚部とを有し、ラジエータ側の側脚部とそれが連結された上支持部の一側端とをラジエータの上方からエンジン側に外れたシュラウド上方に位置させており、
    前記主ボンネットをエンジンの前上方を覆う前部ボンネットとその後方に位置する後部ボンネットとで形成し、前記前部ボンネットの端部をラジエータ側の上支持部の一側端及び側脚部と略一致させており、
    前記側部ボンネットを旋回台上に設けた側板カバーとタンクを開閉自在に包囲する側部ボンネットカバーとで形成し、この側部ボンネットカバーを前記前部ボンネットの端部に隣接していることを特徴とする旋回作業機のボンネット支持構造。
  2. 前記後部ボンネットの端部を側部ボンネットカバーの後端部に隣接していることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機のボンネット支持構造。
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