JP3689666B2 - 印刷制御装置及び方法、熱転写記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録紙を往復移動させて複数色の画像記録を行う印刷制御装置、印刷制御方法及びこの印刷制御装置に使用される熱転写記録媒体に関し、更に詳しくは、異なる複数のサイズの印刷物、更には、記録紙の全面に画像が記録される印刷物を小型で安価な熱転写型の印刷制御装置、およびその印刷制御方法、熱転写記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、デジタルビデオカメラやデジタルカメラ等の普及に伴い、それらで得られたカラー画像を記録するカラープリンタの需要が高まっている。プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0003】
カラープリンタの記録方式の一つに、熱昇華性あるいは熱溶融性のインクを塗布したインクシートをサーマルヘッドで選択的に加熱し、記録紙にインク像を転写する方法がある。特に昇華型熱転写記録装置は、高画質なフルカラー画像が得られ、デジタルカメラ用のカラープリンタとして期待が持たれている。
【0004】
熱転写記録装置では、一般に、記録紙を往復移動させて複数色の画像記録を行うことから、印刷時において記録紙を保持する部分が必要であり、この保持部分は記録紙の一部に印刷できない余白部分を作ることになる。このため、銀塩写真の様に記録紙全面に、余白のない状態で画像記録をすることができない。一部の大型の業務用装置では、ロール状の記録紙を用い、切断用カッターを内蔵し、出力記録紙において全面記録を実現している。
【0005】
しかし、このようなロール紙利用及び切断用カッター内蔵の装置は、装置の大型化、且つ、高価化を招く。そこで、小型で安価な装置で、容易に、記録紙全面に対し画像記録された印刷物を得るために、記録紙の搬送方向の両側に切取り容易なミシン目を設けた記録紙を用い、かつ記録する画像をミシン目で切取った最終的な記録紙サイズより一回り大きいサイズの画像を印刷し、印刷後、ミシン目で切り取って、銀塩写真の様に記録紙全面に画像が記録された印刷物(余白のない印刷物)を得る方法が知られている。上記で使われる記録紙の例を図2に示す。
【0006】
この時、用いられる記録紙は決められたサイズである。また、熱転写記録は、一般に、記録紙を往復移動させて複数色の画像記録を行うことによりフルカラーの印刷を行うものであるから、印刷に使うインクシートも記録紙のサイズに対応するように予め定められたサイズであり、所定幅毎に各色インクが塗布されたものである。
【0007】
ここで、インクシートの一例を図13に示す。図13では、帯状の基材130上にイエローインク層Y、マゼンタインク層M及びシアンインク層Cが基材130の長さ方向に繰り返し単位Uで繰り返し並べて配置されている。これら3色のインク層の並べ方の順序は任意に選択できる。また、各色のインク層は相互に密接するように設けてもよく、適宜の間隔をあけて設けてもよく、さらに実用上の支障のない範囲で若干相互に重なり合うように設けてもよい。さらに、繰り返し単位Uにはブラックのインク層を加えてもよい。
【0008】
このように、インクシートのサイズは記録紙のサイズに応じて定められるものであるから、異なるサイズの印刷物を得るためには、そのサイズに応じた記録紙とインクシートを用意する必要があり、異なる複数のサイズの印刷物を得るためにはそのサイズに応じた複数の記録紙とインクシートを準備する必要があった。
【0009】
また、前述のロール状の記録紙と内蔵カッターを持つ業務用装置では記録紙送り方向に任意の長さに記録紙を切断することができるので、記録紙送り方向に、ほぼ任意の長さの異なるサイズの印刷物を得ることができる。
【0010】
しかしながら、前述した図13に示されるように、インクシートは、一般に、予め設定されたサイズのシートに各色インク層が繰り返し単位Uで繰り返し並べられ配置されたものであるから、印刷サイズが異なる場合には、その印刷サイズに対応するように各色インク層が塗布されたインクシートを準備する必要があった。一方、同一のインクシートの異なるサイズの印刷物を得ることも場合によっては可能であるが、この場合、得られる印刷物のサイズは必ずインクシートのサイズ以下となることから、使用しないインクシート部分が発生し、インクの無駄となってしまう。
【0011】
例えば、インクシートの半分のサイズを有する印刷物を得ようとした場合には、インクが半分無駄となり、インクシートの3/4のサイズを有する印刷物を得ようとした場合には、インクが1/4無駄となってしまうのである。
【0012】
以上述べたように、サイズの異なるインクシートは用いず、同じサイズのインクシートだけを用いて異なるサイズの印刷物を得ようとすると、印刷に使用されないインクが発生し、インクの無駄が生じるのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる複数のサイズの印刷物、更には、記録紙の全面に画像が記録される印刷物を、異なる複数のサイズの記録紙やインクシートを準備することなく、すなわち、同じサイズの記録紙とインクシートを用いて、インクシートに塗布したインクを無駄にすることなく、小型で安価な記録装置で容易に入手できるようにしようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる印刷制御装置及び、方法、その方法をコンピュータで実行するためのプログラムを記憶したコンピュータ可読の記憶媒体、更に、熱転写記録媒体は主として以下の構成からなることを特徴とする。
【0015】
すなわち、熱転写シートにより記録媒体に熱転写印刷をする印刷制御装置は、
一定幅の記録媒体に対して、該記録媒体の幅方向の印刷領域を分割して印刷をするか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断に従い、前記記録媒体を幅方向の印刷領域に分割して印刷する場合は、連続するページ単位の印刷情報を該記録媒体の幅方向に分割した印刷領域に対応させて、前記ページ単位の印刷を制御する印刷制御手段とを備え、
前記印刷制御手段は、印刷するべきページ数を印刷情報に従いカウントし、奇数ページの場合には、前記分割した印刷領域のうち、1ページ単位分が空白になることを報知することを特徴とする。
【0017】
好ましくは、上記の印刷制御装置において、記録媒体の種類を識別するための識別手段を更に備え、該識別手段の識別に従い、前記印刷制御手段は印刷を制御することを特徴とする。
【0018】
また、記録媒体に熱転写印刷をする印刷制御方法は、
一定幅の記録媒体に対して、該記録媒体の幅方向の印刷領域を分割して印刷をするか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の判断に従い、前記記録媒体を幅方向の印刷領域に分割して印刷する場合は、連続するページ単位の印刷情報を該記録媒体の幅方向に分割した印刷領域に対応させて、前記ページ単位の印刷を制御する印刷制御工程とを備え、
前記印刷制御工程は、印刷するべきページ数を印刷情報に従いカウントし、奇数ページの場合には、前記分割した印刷領域のうち、1ページ単位分が空白になることを報知することを特徴とする。
【0020】
好ましくは、上記の印刷制御方法において、記録媒体の種類を識別するための識別工程を更に備え、該識別工程の識別に従い、前記印刷制御工程は印刷を制御することを特徴とする。
【0021】
また、記録媒体に熱転写印刷をする印刷制御プログラムをコンピュータで実行するためのプログラムモジュールを格納した記憶媒体であって、該モジュールが、
一定幅の記録媒体に対して、該記録媒体の幅方向の印刷領域を分割して印刷をするか否かを判断する判断モジュールと、
前記判断モジュールの判断に従い、前記記録媒体を幅方向の印刷領域に分割して印刷する場合は、連続するページ単位の印刷情報を該記録媒体の幅方向に分割した印刷領域に対応させて、前記ページ単位の印刷を制御する印刷制御モジュールとを備え、
前記印刷制御モジュールは、印刷するべきページ数を印刷情報に従いカウントし、奇数ページの場合には、前記分割した印刷領域のうち、1ページ単位分が空白になることを報知することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>
本発明に係る第1の実施形態を図面を参照して具体的に説明する。
【0025】
図1は熱転写記録装置の側面の構成模式図である。記録装置の全体構成について説明すると、装置本体1に対し、記録紙Pは用紙カセット2から給紙ローラ3により一枚ずつ分離給送される。そして、記録紙Pは搬送ローラ対4により挟持搬送されて記録部を往復する。
【0026】
記録部においては、記録紙搬送経路を挟んでプラテンローラ5と記録情報に応じて発熱するサーマルヘッド6が対向しており、インクカセット7にインクシート8が収納される。熱溶融性または熱昇華性インクを塗布したインク層と印刷面を保護するために印刷面上をオーバーコートするオーバーコート層をもつインクシート8をサーマルヘッド6によって記録紙Pに押圧するとともに、選択的に加熱することにより、該記録紙Pに所定の画像を転写記録し、保護層がオーバーコートされる。
【0027】
上記のインクシート8は、記録紙P(以下同様に熱転写記録媒体を意味する。)の印刷領域を覆ってそのサイズと略等しいサイズでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色インク層とオーバーコート(OP)層が並べて設けられたものである。そして、各色インク層を記録紙Pに熱転写しては、記録紙Pを記録開始位置P1に戻し、記録紙上に各色を順次重ねて記録される。
【0028】
このように、記録紙Pは搬送ローラ対4により、各色インク層及びオーバーコート層の数だけ往復され、最後に排紙ローラ対9へ案内され筐体外へ排出され記録動作が終了する。
【0029】
このように、通常の熱転写記録装置ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色それぞれをインクシート面毎に順次記録していく為、各色インクシート面の先端と記録紙の先端とを正確に合致させる制御が必要となる。従って、図1に示す搬送ローラ対4で記録紙Pを離さずしっかり挟持し搬送を行う必要がある。従って、記録紙Pの端部には記録不可能な余白部が必要となる。
【0030】
最終的に、余白部のない印刷物を得るために、図2に示すように、記録紙Pには、記録開始時搬送ローラ対4でしっかり挟持される余白部分と、記録できない余白部分を後で容易に手で切取り可能な様にミシン目12が設けられている。他端にも同様に対称な位置にミシン目12が設けられている。これにより、使用者は図1の用紙カセット2に記録紙をいれる際に、方向性を気にせずとも入れ間違うことなくセットできる。
【0031】
本発明は、上記のように説明したミシン目をもつ記録紙Pに対応したサイズのインクシートを用いて実施され、そのインクを無駄にすることなく、図2に示される印刷物と異なる複数のサイズの印刷物を得るものである。
【0032】
図3は、本発明にかかる第1の実施形態において新たに適用するミシン目のある記録媒体(記録紙)を示す図である。図3に示す記録紙は、図2に示す通常の記録紙とサイズは同じであるが、ミシン目12の位置が異なり、記録紙を等分割するミシン目を長手方向の中央に持つ。図4は、1枚の記録媒体において設定される2つの印刷領域を例示する図であり、図3の記録紙に対して印刷した場合を示している。図4の斜線で示す領域が、熱転写記録装置による画像記録領域(印刷領域)である。図5は、図3の記録紙に印刷した場合の印刷物を例示する図であり、図4に示す印刷された記録紙を中央のミシン目で切り取ることにより得られる、最終的な印刷物の例である。図5において、斜線の領域5は画像が印刷されている領域である。
【0033】
<制御構成の説明>
次に、装置の印刷制御を実行するための制御構成について説明する。
【0034】
図12は熱転写記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は印刷制御信号を入力するインターフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記印刷制御信号や加熱素子ヘッド1711に供給される加熱制御データ等)を保存しておくDRAMである。1704は加熱素子ヘッド1711に対する加熱制御データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インターフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1709は記録紙搬送のための搬送モータである。1705は加熱素子ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1706は搬送モータ1709を駆動するためのモータドライバである。
【0035】
上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース1700に印刷制御信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で印刷制御信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706が駆動されると共に、加熱素子ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って加熱素子ヘッドが駆動され、印刷が行われる。
【0036】
ここでは、MPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしたが、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、熱転写記録装置と接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
【0037】
図6は、本発明の実施形態にかかる熱転写記録装置で印刷する際に実行する印刷制御シーケンスの全体を示すフロー図である。本シーケンスを実行する際には、インターフェース部1700からプリント開始の指示、記録紙の設定、プリント枚数を設定して印刷を開始し、ある条件となった場合はメッセージを表示して、印刷を続行するかキャンセルするかの指示を与える。
【0038】
本実施形態における熱転写記録装置はユーザインターフェイス1700として複数のボタン、プリントボタン、実行ボタン、プレビューボタン、クリアボタン、メニューボタン、4方向のカーソルボタン等、を備える。また、本発明の熱転写記録装置はプリント条件設定等のユーザインターフェイスの為に、OSD(On Screen Display)を有し、画像の選択やプリント枚数等の設定ができる。このようなユーザインターフェイス機能を用いて、本実施形態にかかる印刷処理を実施する。
【0039】
まず、プリントボタンを押して、プリントが開始する。印刷処理が中断した場合に印刷続行を指示する場合、その印刷続行の指示は実行ボタンを押すことにより与えられ、印刷キャンセルの指示はクリアボタンを押すことにより与える。記録紙の設定及びプリント枚数の設定はOSDに設けた用紙設定画面、プリント枚数設定画面で設定する。また、印刷により、記録紙の半分(ハーフ1画面)が無駄になることを示すメッセージは、OSD上のメッセージ画面に表示する。
【0040】
以上のユーザインターフェイス機能を持つ熱転写記録装置で、プリントボタンを押すことにより、本印刷シーケンスは開始する(図6、ステップS601)。
【0041】
本シーケンスが開始すると、まず、図3や図4に示すミシン目が設けられているハーフプリント紙が記録紙として選択されているか否かを判断する(ステップS602)。ここで、ハーフプリント紙が記録紙として選択されていない時(ステップS602−No)は、通常の全一画面印刷が実行され、本シーケンスは終了する。
【0042】
ハーフプリント紙が記録紙として選択されている時(ステップS602−YES)は、本シーケンスは、処理をステップS603に進め、プリント枚数が偶数枚か、奇数枚かを判断する。プリント枚数が偶数枚である時は(ステップS603−YES)、処理をステップS604に進め、図4、5に示したような2分割画面印刷が実行され(ステップS604)、本シーケンスは終了する。
【0043】
ここで、プリント枚数が偶数でないときは(ステップS603−No)、処理をステップS605に進め、現在のページ数の設定で2分割画面印刷を行なうと、そのハーフ1画面が無駄になることをメッセージとして出力する。そして、ユーザからの印刷を続行するか、キャンセルするかの判断入力を待つ(ステップS606)。印刷を続行する指示が入力された(実行ボタンが押された)時は(ステップS606−YES)、本シーケンスは、2分割画面印刷を実行し(ステップS604)、終了する。
【0044】
ステップS606で印刷をキャンセルする指示が入力された(クリアボタンが押された)時は(S606−No)、本シーケンスは、印刷せずに終了する。
【0045】
以上により、本発明にかかる熱転写記録装置は、同じサイズの記録紙と同じインクシートを用いて、図2及び図5に示すように異なる複数のサイズの印刷物を容易に得ることができる。
【0046】
すなわち、図3に示されている、1枚の記録紙の幅方向における中央にミシン目が設けられたハーフプリント紙が選択されている場合は、1枚の記録紙に対してハーフプリントが可能であるため、図5のようなハーフサイズの印刷物を得ることができ、一方、図2に示されている通常の記録紙が選択されている場合は、1枚の記録紙の全面に対して記録されるので、通常サイズの印刷物を得ることができるのである。
【0047】
上記において、記録紙の設定は、ユーザインターフェイスを介して、ユーザが設定する構成としたが、記録紙の構成の違いに応じた識別マークを各記録紙に付け、そして、熱転写記録装置本体側に記録紙の識別マークを検出するユニットを設け、この検出ユニットにより、記録紙の設定をするようにしてもよい。
【0048】
<第2の実施形態>
上記の実施形態においては、図3に示すように、記録紙長手方向の中央にミシン目を設け、ここで折り取る様にすることにより、図2に示す印刷物とは異なるサイズの印刷物(図5に示すハーフサイズの印刷物)を得るものであるが、全面に画像が記録されている印刷物を得ることはできない。
【0049】
図7は、本発明にかかる第2の実施形態において適用するミシン目のある記録媒体を示す図である。この図7に示す記録紙は、図2に示す通常用いる記録紙とサイズは同じであるがミシン目の位置が異なるものであり、記録紙の長手方向における中央を挟んで対称な位置に4本のミシン目を有するものである。このような記録紙を用い、記録紙における画像記録領域の構成を変えることにより、全面に画像が記録される印刷物(余白部分のない印刷物)を得ることができる。図8は、1枚の記録媒体において設定される2つの印刷領域を例示する図である。図8において、斜線で示す領域が熱転写記録装置による画像記録領域(印刷領域)である。
【0050】
図9は、本発明にかかる第2の実施形態において、図7の記録媒体に印刷した場合の印刷物を例示する図である。すなわち、図8に示す印刷記録紙の4本のミシン目12で折り取って得られる、最終的な印刷物の例である。図中、斜線の領域は画像が印刷されている領域である。
【0051】
以下、具体的に、第2の実施形態の処理をフローチャートにより説明する。
【0052】
図10は、本発明にかかる第2の実施形態で用いる熱転写記録装置の印刷制御シーケンスを示す図である。具体的には、図7のような記録媒体に対して、図8のような印刷を熱転写記録装置で印刷制御する際に実行する印刷シーケンスの全体を示すフローチャートである。
【0053】
第1の実施形態のシーケンス(図6に示すフローチャート)と異なる点は、記録紙の設定の判断(第2のハーフプリント紙)が異なること(ステップS1002)及び2分割画面印刷の画像印刷領域が、図8に示す斜線部のように、図4に示す範囲とは異なり、通常記録時と同じように印刷領域が記録紙の短手方向に長めに印刷(第2の2分割画面印刷)することである(ステップS1004)。
【0054】
すなわち、この「第2の2分割画面印刷」とは、ハーフサイズの余白部分なしの印刷物を得るための印刷法であり、ミシン目より外側の範囲までを印刷領域として設定し、印刷を行なうものである。
【0055】
ステップS1002で、図7のような第2のハーフプリント紙の使用が設定された場合に、熱転写記録装置は印刷範囲を変更する制御を行なう。具体的には、図4の場合、記録紙P内に印刷領域の範囲(斜線部)が設定されるのに対して、図8では、記録紙Pの短手方向における記録紙の外側の印刷領域の範囲(斜線部)が設定される。
【0056】
図10のシーケンスは図6で示したシーケンスと前述の2ステップだけが異なる。
【0057】
以上により、本実施形態にかかる熱転写記録装置は、同じサイズの記録紙と同じインクシートを使って、図2及び図9に示す異なる複数のサイズの印刷物を容易に得ることができる。
【0058】
本実施形態において、記録紙の設定はユーザインターフェイスを介して、ユーザが設定する構成としたが、記録紙の構成の違いに応じた識別マークを各記録紙に付け、そして、熱転写記録装置本体側に識別マークを検出する検出ユニットを設け、このユニットにより、記録紙の設定をするようにしてもよい。
【0059】
<第3の実施形態>
上記においては、第1の実施形態と第2の実施形態は別々の実施系として記述したが、記録紙として3種類の記録紙、すなわち通常記録紙(図2)、ハーフプリント紙(第1の実施形態、図3)及び第2のハーフプリント紙(第2の実施形態、図7)をそれぞれ個別に設定するためのユニットを用い、その設定ユニットから、熱転写記録装置に対して記録紙を供給して、それぞれに適合した印刷領域範囲を設定した印刷を行なうことも可能である。
【0060】
この場合の処理の流れを図11のフローチャートに示す。図11は第3の実施形態で用いる熱転写記録装置の印刷制御シーケンスを示す図である。
【0061】
ステップS1102でハーフプリントが選択されない場合(S1102−No)は処理をステップS1109に進め、通常の全画面印刷を実行する。
【0062】
ハーフプリントが選択された場合(S1102−YES)、ステップS1104で、ハーフプリント紙の種類の設定が確認され、第2のハーフプリント紙(図7)が選択された場合(S1104−YES)、処理をステップS1105に進め、第2のハーフプリント紙が選択されない場合(S1104−No)は、処理をステップS1106に進め、それぞれ選択された記録媒体に対して印刷範囲を設定制御して、シーケンスが実行される。
【0063】
以上のような実施形態においても、熱転写記録装置は、同じサイズの記録紙と同じインクシートを使って、異なる複数のサイズの印刷物を容易に得ることができる。
【0064】
【他の実施形態】
上記第1の実施形態〜第3の実施形態では、1枚の記録紙を2分割できるハーフプリント紙を用いる場合について説明したが、本発明は2分割には限られるものではなく、分割数は任意でよい。例えば、4分割できるようにミシン目が設けられた4分割用記録紙や16分割できるようにミシン目が設けられた16分割用記録紙などを用いることも可能である。
【0065】
4分割用記録紙や16分割用記録紙を用いる場合、ハーフプリント紙を用いる場合の印刷領域範囲とは異なることから、印刷範囲を変更する必要がある。つまり、4分割、16分割に対応した印刷領域範囲を設定する必要がある。このように、本発明では、N(Nは2以上の整数)分割用記録紙を用いることができ、上記Nに対応させて印刷領域の範囲を適宜変更することで、任意のサイズの印刷物を得ることが可能となる。
【0066】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0067】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0068】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0069】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図6、図10および図11に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、異なる複数のサイズの記録媒体やインクシートを準備することなく、また、インクシートに塗布したインクを無駄にすることなく、一定幅の記録媒体から異なるサイズの印刷物を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における熱転写記録装置の概要を示す側面図である。
【図2】従来のミシン目のある記録紙を示す図である。
【図3】本発明にかかる第1の実施形態において適用するミシン目のある記録媒体を示す図である。
【図4】本発明にかかる第1の実施形態において、1枚の記録媒体において設定される2つの印刷領域を例示する図である。
【図5】本発明にかかる第1の実施形態において、図3の記録媒体に印刷した場合の印刷物を例示する図である。
【図6】本発明にかかる第1実施形態で用いる熱転写記録装置の印刷制御シーケンスを示す図である。
【図7】本発明にかかる第2の実施形態において適用するミシン目のある記録媒体を示す図である。
【図8】本発明にかかる第2の実施形態において、1枚の記録媒体において設定される2つの印刷領域を例示する図である。
【図9】本発明にかかる第2の実施形態において、図7の記録媒体に印刷した場合の印刷物を例示する図である。
【図10】本発明にかかる第2実施形態で用いる熱転写記録装置の印刷制御シーケンスを示す図である。
【図11】本発明にかかる他の実施形態で用いる熱転写記録装置の印刷制御シーケンスを示す図である。
【図12】 本発明にかかる実施形態において、印刷制御を実行するための制御ブロック図である。
【図13】インクシートの一例を示す図である。
Claims (7)
- 熱転写シートにより記録媒体に熱転写印刷をする印刷制御装置であって、
一定幅の記録媒体に対して、該記録媒体の幅方向の印刷領域を分割して印刷をするか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断に従い、前記記録媒体を幅方向の印刷領域に分割して印刷する場合は、連続するページ単位の印刷情報を該記録媒体の幅方向に分割した印刷領域に対応させて、前記ページ単位の印刷を制御する印刷制御手段とを備え、
前記印刷制御手段は、印刷するべきページ数を印刷情報に従いカウントし、奇数ページの場合には、前記分割した印刷領域のうち、1ページ単位分が空白になることを報知することを特徴とする印刷制御装置。 - 記録媒体の種類を識別するための識別手段を更に備え、該識別手段の識別に従い、前記印刷制御手段は印刷を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
- 前記記録媒体の幅方向の印刷領域の分割は、少なくとも、該記録媒体の幅方向を2以上の印刷領域に分割することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
- 記録媒体に熱転写印刷をする印刷制御方法であって、
一定幅の記録媒体に対して、該記録媒体の幅方向の印刷領域を分割して印刷をするか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の判断に従い、前記記録媒体を幅方向の印刷領域に分割して印刷する場合は、連続するページ単位の印刷情報を該記録媒体の幅方向に分割した印刷領域に対応させて、前記ページ単位の印刷を制御する印刷制御工程とを備え、
前記印刷制御工程は、印刷するべきページ数を印刷情報に従いカウントし、奇数ページの場合には、前記分割した印刷領域のうち、1ページ単位分が空白になることを報知することを特徴とする印刷制御方法。 - 記録媒体の種類を識別するための識別工程を更に備え、該識別工程の識別に従い、前記印刷制御工程は印刷を制御することを特徴とする請求項4に記載の印刷制御方法。
- 前記記録媒体の幅方向の印刷領域の分割は、少なくとも、該記録媒体の幅方向を2以上の印刷領域に分割することを特徴とする請求項4に記載の印刷制御方法。
- 記録媒体に熱転写印刷をする印刷制御プログラムをコンピュータで実行するためのプログラムモジュールを格納した記憶媒体であって、該モジュールが、
一定幅の記録媒体に対して、該記録媒体の幅方向の印刷領域を分割して印刷をするか否かを判断する判断モジュールと、
前記判断モジュールの判断に従い、前記記録媒体を幅方向の印刷領域に分割して印刷する場合は、連続するページ単位の印刷情報を該記録媒体の幅方向に分割した印刷領域に対応させて、前記ページ単位の印刷を制御する印刷制御モジュールとを備え、
前記印刷制御モジュールは、印刷するべきページ数を印刷情報に従いカウントし、奇数ページの場合には、前記分割した印刷領域のうち、1ページ単位分が空白になることを報知することを特徴とする記憶媒体。
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