JP3685937B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換法による芳香族ポリカーボネート製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネートは、各種強度に優れている上、透明性に優れた樹脂であり、幅広い分野で利用されている。このポリカーボネートの工業的製法としては、ビスフェノールAとホスゲンを塩化メチレン溶媒中で反応させる界面重合法が一般的であるが、この方法は工業的に取り扱いの難しいホスゲンや塩化メチレンを用いる必要があることから、近年、これらの化合物を用いず、ビスフェノールA等の芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステルとを原料に、無溶媒下、エステル交換反応により、ポリカーボネートを製造する方法が一部工業化されている(特開平2−153925号、特公平6−99552号、特開昭63−51429号等参照)。
【0003】
一般的には、固体として入手されるビスフェノールAと、同じく常温下で固体であるジフェニルカーボネートとの原料混合は、ジフェニルカーボネートの溶融液にビスフェノールA粉末を加えて行われる。このとき、調整されるジフェニルカーボネートとビスフェノールAの原料モル比が、重合速度や生成するポリマーの末端水酸基濃度を決定するので、安定した運転や品質のバラツキのない製品を得る上で、最も重要な項目の一つである。しかしながら、両化合物をフィードする際に、制御計の誤差により、実際の原料モル比が設定値よりずれることが多々ある。
【0004】
上記問題点を解決するため、特開平10−139876号公報では、生成プレポリマーの粘度平均分子量が10,000に到達する重合槽の反応段階で、該重合槽以前の重合槽における反応で消費された各モノマー及び該重合槽内のポリマーに含有される未反応モノマーそれぞれの合計のモル比を制御することにより、安定した品質のポリカーボネートを得る製造方法が提案されている。しかし、この方法では、副生物排出管からフェノールに随伴して排出されるジフェニルカーボネートとビスフェノールAの排出液量の測定とその組成分析にかなり時間がかかり、安定した品質を有するポリカーボネートが得られるとは言い難かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、色相、耐熱性等に優れた、均一な品質を有する芳香族ポリカーボネートを安定して製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記事情に鑑み鋭意検討を行った結果、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのモル比を、従来行われてきた以上に、極めて精度良く制御すればよいことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、これら両原料を原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物を重合槽に連続的に供給して、エステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、
(1)全製造時間を分画して設けた一以上の単位製造時間ごとに、設定原料モル比を炭酸ジエステル/芳香族ジヒドロキシ化合物=1.001〜1.300の範囲内から選択し、しかも
(2)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、重合槽に供給される混合物中の実際の原料モル比が、各設定原料モル比±0.8%以内の値に維持される
ことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供するものである。
【0008】
さらには、上記実際の原料モル比を、原料混合槽において継続的に測定し、測定される値を上記設定原料モル比と一致させるように、芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料混合槽への供給量を連続的に自動制御することを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の芳香族ポリカーボネートの製造方法について、さらに具体的に説明する。本発明では、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、エステル交換法により、芳香族ポリカーボネートを製造する。
【0010】
芳香族ジヒドロキシ化合物:
本発明方法の原料の一である芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記一般式(1)で示される化合物である。
【0011】
【化1】
Figure 0003685937
【0012】
(式中、Aは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基、又は、−O−、−S−、−CO−若しくは−SO2 −で示される2価の基であり、X及びYは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、p及びqは、0又は1の整数である。なお、XとY及びpとqは、それぞれ、同一でも相互に異なるものでもよい。)
【0013】
代表的な芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェノ−ル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」とも言い、BPAと略記することもある。)が好ましい。
【0014】
炭酸ジエステル:
本発明の原料の他の一である炭酸ジエステルは、下記一般式(2)で示される化合物である。
【0015】
【化2】
Figure 0003685937
【0016】
(式中、A’は、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基であり、2つのA’は、同一でも相互に異なるものでもよい。)
【0017】
代表的な炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネートに代表される置換ジフェニルカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等が挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(DPCと略記することもある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
【0018】
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0019】
これら炭酸ジエステル(上記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸のエステルを含む。以下同じ。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して過剰に用いられる。すなわち、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.001〜1.300、好ましくは1.010〜1.200のモル比で用いられる。同一反応条件下では、この範囲でモル比が小さくなるほど、反応速度が上昇し、ポリカーボネートの粘度平均分子量は大きくなる。また、この範囲でモル比が大きくなると、反応速度が低下し、粘度平均分子量は小さくなる。モル比が1.001より小さくなると、得られるポリカーボネートの末端OH基の量が多くなり、反応性は高くなるものの、熱安定性、耐加水分解性等が低下し、通常の使用には適当ではなくなる。1.300を越えると、所望の分子量を持つ芳香族ポリカーボネートの生産が困難となる。
【0020】
エステル交換触媒:
エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際には、通常、触媒が使用される。本発明のポリカーボネート製造方法においては、触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。これらは、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。触媒の使用量は、通常は芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-9〜1×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モルの範囲で用いられる。
【0021】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物、等の無機アルカリ金属化合物、アルコール類、フェノール類、そして有機カルボン酸類との塩等の有機アルカリ金属化合物等がある。これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、具体的に最も好ましいセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムである。
【0022】
また、アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムの水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物、アルコール類、フェノール類、そして有機カルボン酸類との塩等の有機アルカリ土類金属化合物等がある。
【0023】
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素、等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、又はストロンチウム塩等がある。
【0024】
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又はこれらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等がある。
【0025】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等がある。
【0026】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン,4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等がある。
【0027】
これらの触媒のうち、実用的にはアルカリ金属化合物が望ましい。
【0028】
芳香族ポリカーボネートの製造方法
本発明方法では、上記の両原料を、原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物を重合槽に連続的に供給する。その際、所望の物性のポリマーを安定して生産するためには、
(1)全製造時間を分画して設けた一以上の単位製造時間ごとに、設定原料モル比を炭酸ジエステル/芳香族ジヒドロキシ化合物=1.001〜1.300の範囲内から選択し、しかも
(2)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、重合槽に供給される混合物中の実際の原料モル比が、各設定原料モル比±0.8%以内の値に維持される
ことが必要である。
【0029】
エステル交換法による芳香族ポリカーボネートの製造においては、通常、原料混合槽に供給された両原料は、均一に撹拌された後、触媒が添加される重合槽に供給され、ポリマーが生産される。しかして、本発明では、この重合槽に供給される両原料の均一撹拌混合物中の原料モル比を一定に保つために、まず、その目標となる「設定原料モル比」を設定する。これは、既述の理由から、炭酸ジエステル/芳香族ジヒドロオキシ化合物=1.001〜1.300の範囲内から選択される。この設定原料モル比は、全製造時間を通して必ずしも一定値である必要はなく、全製造時間を分画して設けた一以上の単位製造時間ごとに、設定することができる。なお、本発明で、「全製造時間」又は「単位製造時間」とは、重合槽においてポリマーを安定的に生産する原料供給時間に対応し、立ち上げ時や、グレード切り替え時等の非安定時の原料供給時間は含まない。
【0030】
次に、本発明では、この設定原料モル比と、重合槽に供給される混合物中の実際の原料モル比(以下、単に「実際の原料モル比」という。)との関係を、全製造時間にわたって所定範囲内に制御する。すなわち、全製造時間が単一分画の単位製造時間である場合は、その少なくとも95%の時間は、唯一の設定原料モル比±0.8%以内の値に、また、全製造時間が複数の単位製造時間に分画され、設定原料モル比が変更される場合には、各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、各設定原料モル比±0.8%以内の値に、実際の原料モル比を維持する。さらには、±0.7%以内に維持することが好ましく、±0.5%以内に維持することが特に好ましい。各単位製造時間において、実際の原料モル比が、制御された値に維持される時間の割合は、少なくとも95%であるが、100%に近いほど好ましい。95%より少ない時間になると、所望の分子量、末端ヒドロキシ基量のポリマーが得られなくなる。なお、重合温度、重合時間、減圧度、環流比等の重合反応時の製造条件を変えて分子量、末端ヒドロキシ基量を維持しようとすると、安定的な生産が困難になる。原料モル比を、±0.8%と極めて小さな変動範囲以内に維持して、供給を続けることにより初めて、煩雑な重合操作が避けられ、耐熱性、色調、機械物性等、諸物性に優れたポリマーを安定的に生産できるようになる。
【0031】
本発明において、実際の原料モル比を、設定原料モル比±0.8%以内の値に維持させるためには、混合槽に供給する原料の計量精度を、維持しようとする原料モル比精度以上にする。そうでない場合には、原料モル比を一定に維持することが困難である。原料混合槽への原料の供給方法としては、液体状態の方が計量精度を高く維持し易いため、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルのうち、一方又は両方を、溶融させて液体状態で供給することが好ましい。液体状態で原料を供給する場合には、計量装置としては、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いることができる。一方、固体状態で原料を供給する場合には、スクリュー式フィーダーのような容量を計量するものよりも、重量を計量するものを用いるのが好ましく、べルト式、ロスインウェイト式等の重量フィーダーを用いることができるが、ロスインウェイト方式が特に好ましい。
【0032】
原料を溶融する方法としては、回分式では、原料溶融槽の中に固体状態の原料を仕込んだ後、所定の温度条件で溶融する方法が挙げられる。連続式では、例えば、所定の温度条件に保たれた原料溶融槽に、スクリュー式フィーダーのような装置を用い、固体状態の原料を供給する方法や、押出機のような装置を用い、溶融しながら供給する方法が挙げられる。また、炭酸ジエステルが、炭酸ジエステル製造工程から溶融状態で入手できる場合は、一旦固化させることなく、そのまま原料混合槽への供給原料として使用するのが好適である。原料を混合する前に溶融槽を用いる場合には、溶融槽への原料供給精度は必ずしも高い必要はないが、溶融槽から混合槽への供給は、前述のように精度を高くする必要があるため、オーバル流量計やマイクロモーション式流量計等の計量装置を用いることが望ましい。
【0033】
重合槽に供給される原料混合物中の実際の原料モル比が、全製造時間中の各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、各設定原料モル比±0.8%以内の値に維持されるためには、原料である芳香族ジヒドロキシ化合物及び/又は炭酸ジエステルの原料混合槽への供給量を、何らかの方法で制御する。そのためには、通常、重合槽に供給される混合物中の実際の原料モル比の測定及び該測定結果の原料混合槽に供給される原料の計量・供給装置へのフィードバックを含む任意の方法が用いられる。なかでも、実際の原料モル比を、原料混合槽において継続的に測定し、その測定値を上記設定原料モル比に一致させるように、芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料混合槽への供給量を、連続的に自動制御する方法が好ましい。
【0034】
原料供給を自動制御するには、例えば、コンピュータに、継続的に実際の原料モル比の測定値を入力し、予め記憶させておいた設定原料モル比と比較させる。その際、実際の原料モル比の測定値が、該設定原料モル比より小さい場合、追加すべき炭酸ジエステルの供給量をコンピュータで算出し、この算出結果を原料計量・供給装置に伝え、バルブの開度等を調節して、原料混合槽に補正供給する。また、実際の原料モル比が、該設定原料モル比より大きい場合、同様に、追加すべき芳香族ジヒドロキシ化合物の供給量を算出し、原料混合槽に補正供給する。このようにして、実際の原料モル比の設定原料モル比への一致がはかられる。
【0035】
本発明において「連続的に自動制御する」とは、少なくとも第一重合槽の滞留時間の1/3の時間以内に、測定及び制御が完了していることである。従って、測定間隔の適正化に十分配慮すれば、継続的な間歇測定でも、同様な制御を行うことは可能であるが、安定した品質の製品を得るには、実際の原料モル比の測定は、連続的な自動測定であることが好ましい。すなわち、連続的に原料モル比を自動測定できれば、原料混合槽への芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの供給量を迅速且つ連続的に制御することが可能となり、その結果、一定の設定原料モル比に維持され、ポリカーボネートの粘度平均分子量や末端OH基量等のぶれの小さい、均一な製品が得られる。また、連続的な制御に際しては、適切な制御間隔ごとに制御態様を変更するように操作させることも可能である。
【0036】
実際の原料モル比の測定は、本来、原料混合物が十分均一に撹拌混合された後であれば、原料混合槽から第1重合槽への原料連続供給配管中において行っても差し支えないが、信頼性の高いオンライン測定の観点からは、原料混合槽において、例えば原料混合槽に設けた溶融混合物の循環配管中等において、行うのが好ましい。また、原料混合槽といっても、直接重合槽への原料の連続供給を行っている槽又は部位、例えば複数段の混合槽であれば、通常最終段の混合槽が、また、単一の混合槽であれば、槽底の原料混合物取り出し口近傍の部位が、測定手段を設ける場所として適当である。すなわち、そのような槽又は部位であれば、既に十分均一に撹拌混合されており、且つ、重合槽に連続的に供給される原料モル比と同一であるからである。なお、上記複数段の原料混合槽においては、前段の混合槽までにほぼ均一混合が達成されていれば、最終段の混合槽は、格別長い滞留時間を必要とはしないので、前段に比べて容量の小さな槽で十分である。
【0037】
本発明において、実際の原料モル比を測定する手段としては、特に制限はないが、密度計、赤外線スペクトル、近赤外線スペクトル、紫外線スペクトル、ラマンスペクトルのいづれかのオンライン型測定器を用いることが好ましい。これらの測定器であれば、連続的な自動測定が可能であり、迅速な制御を可能にする。
【0038】
上記測定手段の中で、例えば、密度計を用いる場合は、あらかじめ芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合溶液について原料モル比と密度の関係式を求め、コンピュータに入力しておき、実際に測定した密度より原料モル比を算出して、さらに、この算出された原料モル比を実際の原料モル比とし、これと設定原料モル比とのずれから、原料混合槽への芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの供給量を直ちに計算し、その結果に従って原料計量・供給装置を動作させ、実際の原料モル比の値が設定原料モル比に一致するよう修正するものである。密度計以外のオンライン型測定器の場合も、同様に、連続的に自動測定した特性値より算出される実際の原料モル比と設定原料モル比のずれから、原料混合槽への芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの供給量を直ちに算出し、設定原料モル比に一致するよう修正する。
【0039】
ある設定原料モル比の単位製造時間中に、実際の原料モル比が、設定原料モル比±0.8%以内の値に、どれほどの時間存在したかは、上記測定手段による測定結果から容易に判定することができる。連続的測定の場合、実際の原料モル比と測定時間の関係を示す曲線より、予め設定した原料モル比±0.8%以内にある累積時間と、±0.8%よりはずれた累積時間とを求めることにより、該設定原料モル比での単位製造時間の少なくとも95%の時間は、±0.8%以内の値に維持されていたかどうかが判定される。連続的測定ではない場合でも、継続的な測定、例えば適時サンプリング測定の結果であれば、これを統計処理する方法等により判定することができる。
【0040】
エステル交換反応は、一般的には2段階以上、通常3〜7段の多段工程で連続的に実施される。具体的な反応条件としては、温度:150〜320℃、圧力:常圧〜0.01Torr、平均滞留時間:5〜150分の範囲とし、各重合槽においては、反応の進行とともに副生するフェノールの排出をより効果的なものとするために、上記反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。なお、得られるポリカーボネートの色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、低滞留時間の設定が好ましい。
【0041】
芳香族ジヒドロキシ化合物としてはビスフェノールA(融点156℃)を、炭酸ジエステルとしてはジフェニルカーボネート(融点80℃)を選択し、これらを融液としてから混合する場合、混合前の溶融温度はそれぞれ160〜170℃、90〜150℃の範囲に設定する。この温度範囲の下限温度未満では、溶融に時間がかゝり効率が悪く、上限温度を超えた場合、熱分解速度が著大となり好ましくない。また、原料の溶融時、混合時及び溶融貯蔵時においては、できるだけ酸素の存在しない条件にあることが望ましく、具体的には、窒素等の不活性ガス雰囲気下で溶融、混合、貯蔵する方法が挙げられる。均一に混合された原料液を貯蔵する場合には、結晶が析出しないできるだけ低い温度で貯蔵するのが好ましく、140〜160℃の範囲が好適である。
【0042】
本発明で使用する装置は、竪型、管型又は塔型、横型のいずれの形式であってもよい。通常、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立製作所製)等を具備した1以上の竪型重合槽に引き続き、円盤型、かご型等の横型一軸タイプの重合槽やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、メガネ翼、格子翼((株)日立製作所製)、又はメガネ翼とポリマーの送り機能を持たせた、例えばねじりやひねり等の入った翼及び/又は傾斜がついている翼等を組み合わせたもの等を具備した、横型二軸タイプの重合槽を用いることができる。
【0043】
本発明方法で製造した芳香族ポリカーボネート中には、通常、原料モノマー、触媒、エステル交換反応で副生する芳香族ヒドロキシ化合物、芳香族ポリカーボネートオリゴマー等の低分子量化合物が残存している。なかでも、原料モノマーと芳香族ヒドロキシ化合物は、残留量が多く、耐熱老化性、耐加水分解性等の物性に悪影響を与えるので、製品化に際して除去される。
【0044】
それらを除去する方法は、特に制限はなく、例えば、ベント式の押出機により連続的に脱揮してもよい。その際、樹脂中に残留している塩基性エステル交換触媒を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておくことにより、脱揮中の副反応を抑え、効率よく原料モノマー及び芳香族ヒドロキシ化合物を除去することができる。
【0045】
添加する酸性化合物又はその前駆体には特に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交換触媒を中和する効果のあるものであれば、いずれも使用できる。具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はその前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が特に好ましい。
【0046】
これらの酸性化合物又はその前駆体の添加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モルの範囲で添加する。酸性化合物又はその前駆体を添加する時期としては、重縮合反応後であれば、いつでもよく、添加方法にも特別な制限はなく、酸性化合物又はその前駆体の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等のいずれの方法でもよい。
【0047】
脱揮に用いられる押出機は、単軸でも二軸でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通常は2段から10段の多段ベントが用いられる。また、該押出機では、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等の添加剤を添加し、樹脂と混練することもできる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、得られた芳香族ポリカーボネートの分析は、下記の測定方法により行った。
【0049】
(1)粘度平均分子量(Mv)
ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し以下の式より粘度平均分子量(Mv)を求めた。
[η]=1.23×10-4×(Mv)0.83
【0050】
(2)末端水酸基濃度
四塩化チタン/酢酸法(Makromol. Chem. 88 215(1965))により、比色定量を行った。
【0051】
(3)色相
射出成型機J100SS−2(日本製鋼所製)を用いて、バレル温度280℃、金型温度90℃の条件下にて、厚み3mm、縦100mm、横100mmの正方形シートを射出成形した。この射出成形シートについて、カラーテスター(スガ試験機株式会社製 SC−1−CH)で、色の絶対値である三刺激値XYZを測定し、次の関係式により黄色度の指標であるYI値を計算した。
YI=(100/Y)×(1.28X−1.06Z)
このYI値が大きいほど、着色していることを示す。
【0052】
(4)耐熱性試験
(3)で得られた射出成形シートに、140℃、100時間の熱処理を施した後、YI値を測定した。
【0053】
実施例1
図1に従って、本発明の芳香族ポリカーボネートの製造方法の実施態様を説明する。図1は、本発明の製造方法の1例を示したフローシート図である。図中、1はDPC貯槽、2は撹拌翼、3はBPAホッパー、4a,bは原料混合槽、5はDPC流量制御弁、6はBPA流量制御弁、7はオンライン型測定器、8はプログラム制御装置、9はポンプである。図中、10は触媒導入管、11は副生物排出管、12a,b,c,dは竪型重合槽、13はマックスブレンド翼、14はダブルヘリカルリボン翼、15は横型重合槽、16は格子翼である。
【0054】
窒素ガス雰囲気下120℃で調製されたジフェニルカーボネート融液、及び、窒素ガス雰囲気下計量されたビスフェノールA粉末を、それぞれ、DPC貯槽(1)から205.0モル/時及びBPAホッパー(3)から197.1モル/時(原料モル比1.040)の送量となるように、マイクロモーション式流量計及びロスインウェイト方式の重量フィーダーで計量し、窒素雰囲気下150℃に調整された原料混合槽(4a)に連続的に供給した。
【0055】
このとき、原料モル比をさらに一定に保つべく、原料混合槽(4b)にオンライン型測定器(7)を設置して、10分毎に制御を行った。実際の制御は、原料混合槽(4b)に設置された東レエンジニアリング(株)製プロセス用密度計DFL−1(7)を用いて、自動的に実際の原料モル比を測定し、測定される値を設定原料モル比と一致させるように、予め組み込まれているプログラム制御装置(8)で、DPC流量制御弁(5)及びBPA流量制御弁(6)の開度をコントロールすることによって遂行された。
【0056】
調製した原料混合液を、ポンプ(9)及び原料導入管を介して、マックスブレンド翼(13)を具備し、常圧、窒素雰囲気下、220℃に制御した容量100Lの第一竪型撹拌重合槽(12a)内に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。また、上記混合物の供給開始と同時に、触媒として2重量%の炭酸セシウム水溶液を、触媒導入管(10)を介して、3.2ml/時(ビスフェノールA1モルに対し、1×10-6モル)の流量で連続供給を開始した。
【0057】
槽底より排出された重合液は、引き続き、第2、第3、第4(第2、第3槽:マックスブレンド翼(13)、第4槽:ダブルヘリカルリボン翼(14))の容量100Lの竪型撹拌重合槽、及び、第5の格子翼(16)を具備した容量150Lの横型重合槽(15)に逐次連続供給された。
【0058】
第2〜第5重合槽での反応条件は、それぞれ、下記のように、反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速度となるように条件設定した。
Figure 0003685937
反応の間は、第2〜第5重合槽の平均滞留時間が60分となるように、液面レベルの制御を行い、また、各重合槽においては、副生したフェノールを副生物排出管(11)より除去した。以上の条件下で、1000時間連続して運転した。なお、第5重合槽底部のポリマー排出口から抜き出されたポリカーボネートは、溶融状態のまま、混練部に内部温度測定用の温度計を設置し、3段ベント口を具備した2軸押出機((株)神戸製鋼所製、スクリュー径0.046m、L/D=36)に導入され、p−トルエンスルホン酸ブチルを5ppm添加し、水添、脱揮した後、ペレット化した。押出機条件は、吐出量=50kg/hr、回転数=150rpm、最高樹脂温度=278℃であった。
【0059】
プロセス用密度計(7)による原料モル比の連続測定データから、設定原料モル比(1.040)±0.5%及び±0.8%以内の時間を算出したところ、全製造時間の97.2%及び99.6%の時間であった。また、ポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基量の変動は、それぞれ、22,300±300及び390±40ppmであった。また、射出成形シートの色相YIは、1.61〜1.72、耐熱性試験後の色相YIは、2.57〜2.81であった。
【0060】
実施例2
実施例1において、設定原料モル比を1.060、第4、5重合槽の温度を260℃にした以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた結果を表−1に示す。
【0061】
実施例3
実施例1において、設定原料モル比を1.030にした以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた結果を表−1に示す。
【0062】
実施例4
実施例1において、原料モル比の測定手段として、横河電機(株)製近赤外分光計Fourier SPEC FIR-1000Lを使用した(測定領域:12,000〜4,000cm-1)以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた結果を表−1に示す。
【0063】
比較例1
実施例1において、ロスインウェイト方式の重量フィーダーに代えて、容量制御型のスクリュー式フィーダーを用い、原料混合槽(4b)にオンライン型測定器(7)及びプログラム制御装置(8)を設置せず、1時間毎にサンプリングを実施して、取り出された原料混合物の原料モル比を横河電機(株)製近赤外分光計Fourier SPEC FIR-1000Lで測定し、測定結果に基づき、実際の原料モル比の値を実施例1と同じ設定原料モル比に維持すべく、手動で制御した以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた結果を表−1に示す。
【0064】
比較例2
比較例1において、設定原料モル比を1.030にした以外は、比較例1と同様にして実施した。得られた結果を表−1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003685937
【0066】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリカーボネートの製造方法によれば、原料混合槽の原料モル比に対応して、迅速に該原料モル比を制御することができ、生成する芳香族ポリカーボネートの分子量、末端OH基量等のぶれの小さい芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の1例を示したフローシート図である。
【符号の説明】
1.DPC貯槽
2.撹拌翼
3.BPAホッパー
4a,b.原料混合槽
5.DPC流量制御弁
6.BPA流量制御弁
7.オンライン型測定器
8.プログラム制御装置
9.ポンプ
10.触媒導入管
11.副生物排出管
12a,b,c,d.竪型重合槽
13.マックスブレンド翼
14.ダブルヘリカルリボン翼
15.横型重合槽
16.格子翼

Claims (3)

  1. 芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、これら両原料を原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物を重合槽に連続的に供給して、エステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造するに際し、
    (1)全製造時間を分画して設けた一以上の単位製造時間ごとに、設定原料モル比を炭酸ジエステル/芳香族ジヒドロキシ化合物=1.001〜1.300の範囲内から選択し、しかも
    (2)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、重合槽に供給される混合物中の実際の原料モル比が、各設定原料モル比±0.8%以内の値に維持される
    ことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 上記実際の原料モル比を、原料混合槽において継続的に測定し、測定される値を上記設定原料モル比と一致させるように、芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料混合槽への供給量を連続的に自動制御することを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  3. 上記原料モル比の測定手段が、密度計、赤外線スペクトル、近赤外線スペクトル、紫外線スペクトル、ラマンスペクトルのいずれかのオンライン型測定器であることを特徴とする請求項1又は2記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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