JP3667534B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるエステル交換法ポリカーボネ一トの製造方法に関する。詳しくは、色相に優れたポリカーボネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸ジエステルとジヒドロキシアリール化合物を重縮合させポリカ一ボネ一トを製造する、いわゆるエステル交換法は、ホスゲン法(界面重合法)に比べて、工程が比較的単純であり、操作、コスト面で優位性が発揮できるだけでなく、毒性の強いホスゲンや塩化メチレン等のハロゲン系溶剤を使用しないという点において、環境保全の面からも最近見直されている。しかしながら、現在、エステル交換法の工業プロセスとしての採用は未だ少ない。
【0003】
その原因は、従来のエステル交換法で製造されるポリカーボネートに、品質面で幾つかの欠点があるからであり、色相、熱安定性、加水分解安定性の不良が大きな問題とされている。この問題を解決するために、これまで種々の検討がなされている。例えば、触媒の改良(特開昭55−142025号、特開平2−124934号、特開平2−212518号)、反応器材質及び表面処理の検討(米国特許第4383092号、特開平4一7328号、特開平4−72327号)、重合プロセス及び重合装置の検討(特開昭61−62522号、特開平2−175723号)、末端封止の検討(特関昭63−43924号、特開平2−175723号)、安定剤の検討(特開平4−15223号、特開平4−1226号、特開平4−l227号、特開平4−36344号、特開平4−41525号、特開平5−9286号、特開平04−328124号)等が挙げられる。
【0004】
しかしながら、触媒の改良、反応器材質及び表面処理、重合ブロセス及び重合装置について改良を行い、色相の良好なボリカーボネートが得られたとしても、製品とするために二軸押出機を用いてペレット化する際、その押出条件が適切でなければ、ペレット化して得られるポリカーボネートが、黄変してしまうという間題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、エステル交換法で得られるポリカーボネートの品質上の問題点を解決しようとするものであって、色相の良好なポリカーボネートを製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決すべく、鋭意検討を行った結果、エステル交換法で得られたボリカ−ボネート樹脂を二軸押出機を用いて脱揮後ペレット化する際にその押出条件が特定の関係式を満たすことにより上記問題点を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物及びアミン化合物から選ばれる塩基性化合物の少なくとも1種である塩基性エステル交換触媒の存在下、炭酸ジエステルとジヒドロキシアリール化合物との重縮合により得られたポリカーボネートを、二軸押出機によって酸性化合物を添加して、ペレット化する際に、該酸性化合物の添加量は重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和当量に対して0.5〜30倍の範囲内であり、かつ、該押出機の運転条件が下記(II)を満たすことを特徴とするポリカーボネートの製造方法に関する。
5000<(NLD 2 /Q) 1/2 ×T 2 <15000 (II)
(式中、Nは回転数(rpm)であり、Lは二軸押出機のスクリューの長さ(m)であり、Dは一本のスクリューの外径(m)であり、Qは吐出量(kg/h)であり、Tは押出機内最高樹脂温度(℃)で、250℃≦T≦330℃の範囲内にある。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明方法において、一方の原料モノマーである炭酸ジエステルは、通常、下記式(III)で表される。
【0009】
【化1】
Figure 0003667534
【0010】
(式中、A及びA’は、置換されていてもよい、炭素数1〜18の脂肪族基又は芳香族基であり、AとA’は、同−であっても異なっていてもよい。)
上記式(III)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートに代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、特に好ましくは、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独でも、2種以上の混合物でもよい。
【0011】
また、本発明方法において、上記の炭酸ジエステルの一部を、その50モル%以下、好ましくは30モル%以下の量のジカルボン酸又はそのエステルで置換したものを使用してもよい。このようなジカルボン酸又はそのエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が用いられる。このような場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0012】
他方の原料モノマーであるジヒドロキシアリール化合物は、通常、下記式(IV)で表される。
【0013】
【化2】
Figure 0003667534
【0014】
(式中、Bは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−O−、−S−、−CO−、−SO−及び−SO2 −で示される2価の基からなる群から選ばれるものであり、X及びYは、ハロゲン又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、p及びqは0〜2の整数であり、XとY、pとqは、いづれも、同一であっても異なっていてもよい。)
【0015】
上記式(IV)で表されるジヒドロキシアリール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェノール;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が例示されるが、特に好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略す)が挙げられる。これらのジビドロキシアリール化合物は、単独でも2種以上の混合物でもよい。
【0016】
エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際に使用される触媒種には、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物及びアミン化合物から選ばれる塩基性化合物が使用される。これらの塩基性エステル交換触媒は、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。触媒の使用量は、ジヒドロキシアリール化合物1モルに対して、通常、1×10-9〜1×10-3モル、好ましくは1×10- 〜1×10- モルの範囲内にある。
【0017】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物;アルコ一ル類、フェノール類、有機カルボン酸類等との塩のような有機アルカリ金属化合物が例示されるが、中でも、セシウム化合物が好ましく、具体的には、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウム等が挙げられる。
【0018】
また、アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類化合物;アルコール類、フェノール類、有機カルボン酸類等との塩のような有機アルカリ土類金属化合物が例示される。
【0019】
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩及びストロンチウム塩等が例示される。
【0020】
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフイン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の3価のリン化合物、又はこれらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が例示される。
【0021】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が例示される。
【0022】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が例示される。
【0023】
これら各種のエステル交換触媒のうち、実用的にはアルカリ金属化合物が望ましい。
【0024】
エステル交換反応は、一般的には2段階以上の多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応は、常圧又は減圧下で140〜260℃、好ましくはl80〜240℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。ついで、反応系の減圧度を上げながら反応温度を高め、最終的には1mmHg以下の減圧下、240〜320℃の温度で重縮合反応を行う。反応の形式は、バッチ式、連続式、又はバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよく、使用する装置は、槽型、管型又は塔型のいずれの形式であってもよい。
【0025】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂としては、粘度平均分子量(Mv)が10000〜100000のものが好ましく、特に、12000〜40000のものが好ましい。
【0026】
本発明において、添加する酸性化合物には特に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交換触媒を中和する効果のあるものであればいずれも使用できる。例えば、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフイン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフイン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が例示されるが、特に好ましくは、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、具体的には、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が拳げられる。これらの酸性化合物は、単独でも、2種以上の混合物でもよい。
【0027】
これらの酸性化合物の添加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和当量に対して0.1〜50倍、好ましくは0.5〜30倍の範囲内である。また、これら酸性化合物を添加する時期としては、重縮合反応後であれば、いつでもよい。添加方法にも特別な制限はなく、酸性化合物の性状や所望の条件に応じて、塩基性エステル交換触媒を含む重縮合物に、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチとして添加する方法等、いずれでもよい。
【0028】
本発明で用いる二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。押出機内部は、通常、多数のバレルに分割され、最初のバレルに樹脂供給部を設け、最後のバレルに樹脂排出部を設ける。また、樹脂供給部と樹脂排出部の間に酸性化合物添加部及びベント部を設ける。特に、酸性化合物添加部の後に、ベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無く、通常は、2段から10段の多段ベントが用いられる。また、本発明における、押出機内最高樹脂温度とは、押出機の各バレルの中心及び出口部に取り付けられた樹脂温度計が、運転中に示した最も高い温度を意味する。使用される温度計も、特に制限は無く、熱電対式や接触型赤外線式等の温度計が好適に使用される。また、押出機に供給される樹脂は、溶融状態、ペレット状態のいずれでもよい。
【0029】
本発明では、押出機の運転条件として下記式(II)を満たすことが必要である。
5000<(NLD 2 /Q) 1/2 ×T 2 <15000 (II)
(式中、Nは回転数(rpm)であり、Lは二軸押出機のスクリューの長さ(m)であり、Dは一本のスクリューの外径(m)であり、Qは吐出量(kg/h)であり、Tは押出機内最高樹脂温度(℃)で、250℃≦T≦330℃の範囲内にある。
NLD2 /Q)1/2 ×T2 の値が5000以下であると、ポリカーボネートと酸性化合物との混練が不十分となり、分子量が低下したり、成形時に着色したりする傾向がある。
【0030】
押出機内の最高樹脂温度は、低すぎると押出機内で樹脂が固まり運転が不可能になるし、高すぎると樹脂の劣化がおこり着色してしまうので、250〜330℃の範囲内が好ましい。また、吐出量(Q)、回転数(N)及び二軸押出機の1本のスクリュー外径(D)は、相互に相関があるため、式(I)に示した(NLD2 /Q)の値が0.005〜0.025の範囲内であれば、吐出量(Q)、回転数(N)、二軸押出機の1本のスクリュー外径(D)、スクリューの長さ(L)の個々の値における好ましい範囲についての制限は特に無い。しかしながら、(NLD2 /Q)の値が上記範囲外であると、得られるポリマーの色相が悪化するので、上記範囲内であることが必要である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例になんら制限を受けるものではない。
なお、分析は以下の方法で行った。
【0032】
(1)分子量
ウベローデ粘度計を用いて、ポリカーボネート樹脂の、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子量Mvを求めた。
[η]=1.23×10-4×(Mv)0.83
【0033】
(2)色相
ポリカーボネート樹脂を、窒素雰囲気下、120℃で6時間以上乾燥した後、(株)目本製鋼所製J−100射出成形機で3mm厚の射出成型品を280℃で製作し、スガ試験機SC−lによりYI値を測定した。このYI値が小さい方が色相は良好である。
【0034】
実施例1〜6及び比較例1〜2
[重縮合]
窒素ガス雰囲気下で、ビスフェノールA(BPA)とジフェニルカーボネート(DPC)とを、一定のモル比(DPC/BPA=1.040)に混合調製した溶融混合物を88.7kg/hの流量で、原料導入管を介して常圧、窒素雰囲気下、210℃に制御した第1竪型攪拌重合槽に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。また、上記原料混合物の供給を開始すると同時に、触媒として0.02重量%の炭酸セシウム水溶液を、320ml/h(ビスフェノールA1モルに対し、1×10-6モル)の流量で、連続供給した。
【0035】
第1重合槽の槽底より排出された重合液は、引き続き、直列に配した第2、3、4の竪型重合槽並びに第5の横型重合槽に、逐次連続供給された。各槽では、反応の間、平均滞留時間が60分になるように液面レベルを制御し、また同時に副生するフェノールの留去も行った。重合条件は、それぞれ、
第2重合槽(210℃、100Torr、200rpm)、
第3重合槽(240℃、15Torr、100rpm)、
第4重合槽(270℃、0.5Torr、44rpm)、
第5重合槽(280℃、0.5Torr、10rpm)で
反応の進行とともに高温、高真空、低攪拌速度に条件を設定した。ポリカーボネートの製造速度は、50kg/hである。こうして得られたポリカーボネートの分子量は、Mv=22500であった。
【0036】
[混練・ペレット化]
得られたポリカーボネートを、溶融状態のまま、図1に示す押出機に供給し、表−1又は表−2に示す種々の運転条件下で混練後、ペレット化を行った。
使用した押出機(20)は、11個のバレル(1〜11)で構成された、噛み合いスクリュー型、同方向回転、二軸押出機(神戸製鋼所(株)製:1本のスクリー径D=0.046m、L/D=40.2)で、各バレルの中心及び押出機出口(26)に、熱電対式内部温度測定用の温度計を設置し、3段のベント口(23〜25)を具備し、樹脂供給口(21)に最も近いベント口(23)の手前、すなわち樹脂供給口から3番目のバレル(3)に酸性化合物圧入孔(22)を有するものを使用した。
ポリカーボネートがこの押出機を通過する間に、連続的に酸性化合物を、溶液(酸性化合物7gを、アセトン600ml及び水500mlに溶解した)状態で、5ppmとなるように添加し、脱揮しながら、混練を行った。このとき最高樹脂温度は、すべて酸性化合物を混練するためのニーディングゾーンである、樹脂供給口より3番目のバレル位置で観測された。得られたペレットの色相も、表−1及び表−2に示した。
【0037】
比較例3
実施例1において、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとの溶融混合物の流量を17.7kg/hに、また、炭酸セシウム水溶液の流量を64ml/hに変更した以外は、実施例1と全く同様にして、10kg/hの製造速度で、分子量Mv=22900のポリカーボネートを得た。
このポリカーボネートを混練・ペレット化した際の、二軸押出機の運転条件及び得られたペレットの色相は、表−2に示した。
【0038】
実施例7及び比較例4
実施例1において、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとの溶融混合物の流量を53.2kg/hに、また、炭酸セシウム水溶液の流量を192ml/hに変更した以外は、実施例1と全く同様にして、30kg/hの製造速度で、分子量Mv=22500のポリカーボネートを得た。
このポリカーボネートを、条件を変えて混練・ペレット化した際の、二軸押出機の運転条件及び得られたペレットの色相は、表−1及び表−2に示した。
【0039】
実施例8〜10及び比較例5〜6
[重縮合]
実施例1において、第5重合槽よりギヤーポンプを用いてポリマーを取り出し、ペレタイザーによりペレット化を行った以外は、実施例1と全く同様に重縮合を行った。この連続重合を約48時間実施して、合計約2400kgのポリカーボネート樹脂を製造した。得られたポリマーの分子量Mvは、最低22200、最大23200であった。これらのボリマーを十分にブレンドし、再ペレット化材料とした。この材料の分子量Mvは22700で、色相は1.54であった。
【0040】
[混練・ペレット化]
こうして、得られたポリカーボネート樹脂材料を、実施例1と同様に、噛み合いスクリュー型、同方向回転、二軸押出機を用いて、表−1及び表−2に示す各種運転条件下で、酸性化合物を5ppm添加し、脱揮しながら混練後、再ペレット化した。
【0041】
ただし、実施例1の押出機に代えて、実施例8及び比較例5では、10個のバレルで構成された、2ベント式二軸押出機(東芝機械(株)製、1本のスクリュー径(D)0.048m、L/D=42)を使用し、実施例9〜10及び比較例6では、12個のバレルで構成された、3ベント式二軸押出機(日本製鋼所製、1本のスクリュー径(D)0.069m、L/D=42)を使用した。
また、同時に、酸性化合物の添加位置は、樹脂供給口より2番目のバレルに変更し、かつ、添加形態も、実施例8及び比較例5では、PCの粉末と混合してサイドフィードコンパクターによるマスターバッチ粉末添加に変更した。
【0042】
このような押出機運転に際し、機内の最高樹脂温度は、実施例8及び比較例5では、押出機出口部、実施例9〜10及び比較例6では、添加剤を混練するためのニーディングゾーンである樹脂供給口より7番目のバレル位置で観測された。
得られたペレットの色相を表−1及び表−2に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0003667534
【0044】
【表2】
Figure 0003667534
【0045】
【発明の効果】
本発明方法に従って、芳香族ボリカーボネートを製造すれば、色相に優れた芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用する二軸押出機の概略図。
【符号の説明】
1〜11 バレル
20 二軸押出機
21 樹脂供給口
22 酸性化合物注入孔
23〜25 ベント
26 押出機出口

Claims (4)

  1. アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物及びアミン化合物から選ばれる塩基性化合物の少なくとも1種である塩基性エステル交換触媒の存在下、炭酸ジエステルとジヒドロキシアリール化合物との重縮合により得られたポリカーボネートを、二軸押出機によって酸性化合物を添加して、ペレット化する際に、該酸性化合物の添加量は重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和当量に対して0.5〜30倍の範囲内であり、かつ、該押出機の運転条件が下記(II)を満たすことを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
    5000<(NLD 2 /Q) 1/2 ×T 2 <15000 (II)
    (式中、Nは回転数(rpm)であり、Lは二軸押出機のスクリューの長さ(m)であり、Dは一本のスクリューの外径(m)であり、Qは吐出量(kg/h)であり、Tは押出機内最高樹脂温度(℃)で、250℃≦T≦330℃の範囲内にある。)
  2. エステル交換触媒の使用量が、ジヒドロキシアリール化合物1モルに対して、1×10 -9 〜1×10 -3 モルの範囲内にある請求項1記載のポリカーボネートの製造方法。
  3. エステル交換触媒が、アルカリ金属化合物である請求項1又は2記載のポリカーボネートの製造方法。
  4. 酸性化合物が、無機酸、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸及びそれらのエステルから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネートの製造方法。
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