JP2005126496A - 芳香族ポリカーボネート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エステル交換法により得られる粘度平均分子量16,000以上の芳香族ポリカーボネートであって、粘度平均分子量(Mv)と分子総末端数から算出される数平均分子量(Mn')との比(Mv/Mn')が1.8以上3.5以下の範囲内であり、フィ
ッシュアイ数が1,500個以下の範囲であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネート組成物およびその製造法
【選択図】 なし
Description
しかしながら、被濾過液の温度、粘度、ポリマーフィルターの保留粒子径、処理量によっては、ポリマーフィルター内で着色、架橋、ゲル発生等の滞留劣化をひきおこし、製品品質に多大な影響を生じさせていた。
更に、ゲルはその形状が変化する特性を持つため、フィルターの保留粒子径以上の大きさのゲルであってもフィルターを通過する場合があり、極めて深刻な問題である。
しかしながら、このような二つ相重なる大きな問題に対して、従来公知の技術では、上記ポリカーボネートを製造しても、製品として満足できるものではなく、早期に根本的な解決方法が求められていた。
改良され、さらに特定のフィルター用支持板を有するフィルターエレメントを使用すれば、異物含量が少なく、色相にも優れるポリカーボネート組成物を、生産効率よく製造しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
.8以上3.5以下の範囲内であり、フィッシュアイ数が1,500個以下の範囲であることを特徴とする芳香族ポリカーボネートに存する。
本発明の別の要旨は、上記芳香族ポリカーボネートに添加剤を添加することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に存する。
また、本発明の別の要旨は、上記芳香族ポリカーボネートが溶融状態にある間に、添加剤を添加し混練した後、ポリマーフィルターで濾過する際、該ポリマーフィルターのフィルターエレメントがフィルター用支持板を有することを特徴とする上記芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法に存する。
、異型押し出しやツインウオールシートまたはマルチウオールシートに好適である成型品を提供することができる。
本発明のポリカーボネートは、ポリエステルカーボネートやポリアリレートを実質的に含まれていても良く、原料として、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート化合物、カーボネート化合物としては、炭酸ジエステルを用い、エステル交換触媒の存在下、エステル交換反応(溶融重縮合反応)により得ることができる。
上記式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノール;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビフェノール;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が例示されるが、特に好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略す)があげられる。これらのジヒドロキシアリール化合物は単独、でも2種以上の混合物でもよい。
上記式(7)で表される炭酸ジエステルは、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートに代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、特に好ましくはジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独、或いは2種以上の混合物でもよい。
このようなジカルボン酸又はそのエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が用いられる。このような場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
エステル交換触媒
本発明で、エステル交換触媒としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用され、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が単独で使用されことが特に好ましい。
ウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、あるいはストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
芳香族ポリカーボネート
本発明の芳香族ポリカーボネートは、粘度平均分子量16,000以上であることが必要であり、好ましくは、20,000以上であり、さらに好ましくは、21,000以上
である。粘度平均分子量が16,000未満のものは、耐衝撃性等の機械的強度が低下するので好ましくない。
ことを特徴の一つとしている。下記式(3)、(4)の構造単位は、式(5)を用いたポリカーボネートのエステル交換法(溶融法)の製造方法において、重合反応系中で転位反応を併発することにより生成することが従来より知られている(例えばEncyclopedia of Polymer Science and Technology,vol.10,p.723(1969)。一方、さらに特定の反応条件で
溶融法によりポリカーボネートを製造した場合に式(4)及び/又は式(5)の構造単位が生ずることが見出された。式(6)、(7)の構造単位の生成過程は必ずしも明確ではないが、以下のような経路を経て生成しているものと推定している。
との比(Mv/Mn')が通常のリニア状芳香族ポリカーボネートのそれよりも大きい傾向を示しており、その値が上記特定範囲内であることが必要である。
上記二つの要素の特定の関係を満足すれば、従来技術にはない成形性に優れ、異物含量が少なく、さらに色相の良い芳香族ポリカーボネートを得られることがわかった。芳香族ポリカーボネートの下記式(1)で算出される粘度平均分子量(Mv)と分子総末端数か
ら算出される数平均分子量(Mn')との比(Mv/Mn')の好ましい範囲としては、1
.85以上3.40以下の範囲内であり、更に好ましくは1.90以上3.30以下の範囲内である。また、上記フィッシュアイ数の好ましい範囲としては、1,000個以下であり、更に好ましくは800個以下、特に好ましくは600個以下の範囲内である。芳香族ポリカーボネートの上記式(1)で算出される粘度平均分子量(Mv)と分子総末端数から算出される数平均分子量(Mn')との比(Mv/Mn')が上記範囲より小さいと、
溶融張力が得られず、目標とする成形特性が良好で、さらに色相の良い芳香族ポリカーボネートが製造できず、また、上記範囲より大きいと、溶融張力が大きすぎて、流動性が劣り、目標とする成形特性の優れた芳香族ポリカーボネートが製造できなるばかりでなく、フィッシュアイ数が増え、製品の外観不良となる。
上記のような添加剤は、単独で用いられても、複数で用いられてもよい。添加剤が複数で用いられるときは、これらは別々に添加されてもあるいは同時に添加されてもよく、また添加する順序は限定されない。
、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はその前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が特に好ましい。
ト、トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどのトリアリールホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどのアリールアルキルホスファイトなどが挙げられる。
これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。これらのうち、リン化合物として、上記一般式で表される亜リン酸エステルが好ましく、さらに芳香族亜リン酸エステルが好ましく、特にトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく用いられる。
本発明では、添加剤として、リン化合物が用いるときは、該リン化合物は、ポリカーボネートに対して、通常10〜1000ppm 、好ましくは50〜500ppm の量で用いられる。
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t- ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル(4-ヒドロキシ-3-メチル-5-t-ブチル)ベンジルマロネート、4-ヒドロキシメチル-2,6-ジーt-ブチルフェノール等が挙げられ
る。これらは単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。
また、本発明の芳香族ポリカーボネートは、成形品の着色の目的で、着色剤を添加することが出来る。着色剤としては特に制限はないが、フタロシアニンブルー、アンスラキノン系染料から選ばれた1種以上の染料・顔料系着色剤が、分岐化ポリカーボネート中の残存炭酸ジエステルによる臭気を改善する効果および成形品の加水分解性、初期ヘーズ等が良好であるので好ましい。フタロシアニンブルーのなかでは、Pigment Blue15:3(C.I.Generic Name)が好ましく、アントラキノン系染料のなかでは、ブルーまたはバイオレット染料が好ましく、特に、Solvent Blue 90、Solvent Blue 97、Solvent Violet 36、Solvent Violet 13(それぞれC.I.Generic Name)が好ましい。これらのうちでPigment Blue15:3(C.I.Generic Name)が最も好ましい。着色剤の配合量は、成形品が所望の色相に着色されれば特に制限は無いが、臭気改良の見地からは100重量ppm以下が好ましく、0.1以上40重量ppm以下がさらに好ましく、5以上30重量ppm以下が最も好ましい。着色剤の配合量が100重量ppmを越えても臭気の低減効果は小さい。エステル交換法ポリカーボネートへの着色剤の配合方法及び時期は、添加剤の配合方法及び時期に準ずる。
ノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸
などが挙げられる。
ゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾー
ル、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキ
シ-3',5'-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5'-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]などが挙げられる。
る。
脂肪酸アミド系離型剤としては、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミドなどの脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド類などが挙げられる。アルコール系離型剤としては、ステアリルアルコール、セチルアルコールなどの脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール類などが挙げられる。
量部、好ましくは0.005〜1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量で
用いることができる。
本発明の芳香族ポリカーボネートを冷却することなく重縮合反応後、溶融状態で添加剤を添加して混練する押出機は、単軸でも二軸でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通常は2段から10段の多段ベントが用いられる。
本発明のフィルター用支持板は、円板状平板部材に、径方向に延びる切れ目または長穴を、周方向に多数刻設するとともに、該切れ目または長穴の環状列を、円板状平板部材の径方向に同心状に複数列配設し、各切れ目または長穴間部分を、円板状平板部材の周方向
に互いに位置をオフセットした上下パンチで曲げ加工することにより、円板状平板部材の板面に対し実質的に90度捻じって該板面から上下方向に垂直に立ち上がる立片部に成形したものであることを特徴とする。
上記円板状平板部材の材質としては、樹脂の着色の点からステンレス製であることが好ましい。
上述した本発明のフィルター用支持板は、所定の位置関係に配置された上下パンチを用いて曲げ加工することにより、極めて容易に精度よく所望の立片部が形成される。形成された立片部は、円板状平板部材の板面から上下方向に垂直に立ち上がり、周方向に多数配列されるとともに、該立片部の環状列が径方向に複数同心状に配置されることになる。各立片部は円板状平板部材に対し90度捻られており、この方向は、複数のフィルターエレメントを積層する際の積層方向と同じ方向であるから、立片部は積層フィルターエレメント締め上げ力に対し極めて高い抗力(強度)を発揮し、使用中にもとくにこの方向に極めて高い強度を発揮するとともに、この方向に要求される耐圧性に対しても高い値を示す。また、上記立片部は切れ目または長穴間部分が90度捻じられて形成されたものであるから、立片部形成後には、元の円板状平板部材の切れ目または長穴間部分には面積の大きな貫通穴が形成されることになる。濾過対象流体は、この貫通穴を通して自由に出入りできることになり、極めて圧力損失の低い、かつ、デッドスペースが生じない優れたミキシング効果が得られる状態が実現される。しかも、各立片部は円板状平板部材の径方向に延びているから、とくに径方向流れに対しては大きな抵抗にはならず、この面からも一層の低圧力損失性能が確保される。
以下の実施例及び比較例で、使用されたビスフェノールA及び得られた芳香族ポリカーボネートの分析は、以下の測定法を用いて行った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
ウベローデ粘度計を用いて、芳香族ポリカーボネート(試料)の塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より求めた。
〔η〕=1.23×10-4×(Mv)0.83
(式中、ηspはポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液について20℃で測定した比粘度であり、Cはこの塩化メチレン溶液の濃度である。塩化メチレン溶液としては、ポリカーボネート樹脂の濃度0.6g/dlのものを用いる。)
(2)分子総末端数から算出される数平均分子量(Mn')
サンプル0.02gを0.4mlの重クロロホルムに溶解し、30℃で1H−NMR(日本電子社製JNM−Al400)を用いて末端水酸基量(μeq/g)および末端フェ
ニル基数(μeq/g)を測定した。両者を足し合わせることにより、分子総末端数を求め、さらに、次式のように、数平均分子量(Mn')を算出する。
Mn'=2×106/(分子総末端数)
(3)色相(YI)
130℃で、5時間乾燥した芳香族ポリカーボネート組成物から射出成形機を用い以下の条件で成形品を得た。
YI=(100/Y)×(1.28×X−1.06×Z)
このYI値が大きいほど着色していることを示す。
(4)溶融張力(mN)
キャピラリーレオメーター(東洋精機(株)製)を用いて、130℃で、5時間乾燥した芳香族ポリカーボネート組成物について、250℃で、押出速度=10mm/min、引取速度=20mm/minで測定した。
(5)ブロー成形性
130℃で、5時間乾燥した芳香族ポリカーボネート組成物について、押出機により250℃で溶融した樹脂を金型に供給した後、18Lのボトルをブロー成形し、成形性を確認した。
(6)フィッシュアイ数
芳香族ポリカーボネート組成物を130℃で、5時間乾燥した後、(株)いすず化工製単軸30mm押出機を用いて、厚さ70μmのフィルムを製膜した。
フィッシュアイのサイズを、50〜500μmの範囲として、800mVの光量を用い、吸収された100〜300mVの光量の範囲におけるフィッシュアイ数をA、300mV以上の光量の範囲の数をBとして、次式より算出した。
(フィッシュアイ数)=(A)−(B)
ここで、Aは、全異物数、Bは、黒異物を表す。上記式は、全ての異物からヤケ等の黒異物を除いたものを示している。
測定は2回行い、その平均値とした。
(7)ボトル外観評価
(5)で成形した18Lのボトルの全面にわたって、外観を評価した。
[実施例1]
ジフェニルカーボネートとビスフェノールAとを、窒素ガス雰囲気下、一定のモル比(DPC/BPA=1.040)に混合調製した溶融液を、201.7kg/時の流量で、原料導入管を介して、220℃、1.33×104 Paに制御した容量200Lの第1竪型撹拌重合槽内に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。また、上記混合物の供給を開始すると同時に、触媒として、炭酸セシウム水溶液をビスフェノールA1モルに対し、0.6μモル(金属量として、ビスフェノールA1モルに対し、1.2μモル)の割合で連続供給した。
ー排出口から抜き出された。次に、溶融状態のままで、このポリマーを2軸押出機に送入し、p−トルエンスルホン酸ブチル(触媒として使用した炭酸セシウムに対して4倍モル量)および着色剤としてフタロシアニンブルー(芳香族ポリカーボネートに対して、10ppm)を連続して混練し、ポリマーフィルターおよびダイを通してストランド状として、カッターで切断してペレットを得た。第2〜第4重合槽での反応条件は、それぞれ第2重合槽(240℃、2.00×103 Pa、75rpm)、第3重合槽(270℃、66.7Pa、75rpm)、第4重合槽(282℃、67Pa、5rpm)で、反応の進行とともに高温、高真空、低攪拌速度に条件設定した。また、反応の間は、第2〜第4重合槽の平均滞留時間が60分となるように液面レベルの制御を行い、また、同時に副生するフェノールの留去も行った。
[実施例2〜4、比較例5]
実施例1において、表−1に記載の条件で製造した以外は実施例1と同様の方法で重合を行い、芳香族ポリカーボネートを製造した。結果を表−1に示した。
[比較例1〜4]
実施例1において、上記ポリマーフィルターのフィルターエレメントが実施例1記載のフィルター用支持板を有しないものを使用し、表−1に記載の条件で製造した以外は実施例1と同様の方法で重合を行い、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。結果を表−1に示した。
Claims (11)
- 請求項1記載の芳香族ポリカーボネートに添加剤を添加することを特徴とする芳香族ポリカーボネート組成物。
- 請求項1記載の芳香族ポリカーボネートが溶融状態にある間に、添加剤を添加し混練した後、ポリマーフィルターで濾過する際、該ポリマーフィルターのフィルターエレメントがフィルター用支持板を有することを特徴とする請求項2記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
- フィルター用支持板が、円板状平板部材に、径方向に延びる切れ目または長穴を、周方向に多数刻設されるとともに、該切れ目または長穴の環状列を、円板状平板部材の径方向に同心状に複数列配設し、各切れ目または長穴間部分を、円板状平板部材の周方向に互いに位置をオフセットした上下パンチで曲げ加工され、円板状平板部材の板面に対し実質的に90度捻じって該板面から上下方向に垂直に立ち上がる立片部に成形されていることを特徴とする請求項3記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
- フィルター用支持板が、上下パンチによる曲げ加工に際し、円板状平板部材の板面を上下押さえ部材で保持されていることを特徴とする請求項3乃至4記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
- フィルター用支持板が、上下パンチと押さえ部材を互いに相対変位可能に支持されていることを特徴とする請求項3乃至5記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
- フィルター用支持板が、切れ目または長穴の長手方向両端部に、長手方向中央部における切れ目または長穴の幅よりも大径の孔を形成されていることを特徴とする請求項3乃至6記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
- フィルター用支持板が、切れ目または長穴の長手方向両端部に、長手方向中央部における切れ目または長穴の幅よりも大径の孔を形成されていることを特徴とする請求項3乃至7記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
- フィルター用支持板が、円板状平板部材がステンレスからなることを特徴とする請求項3乃至8記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
- 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを触媒の存在下に、エステル交換反応させ
た後、得られること特徴とする請求項3乃至9に記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。 - エステル交換反応を連続的に行うことを特徴とする請求項3乃至10に記載の芳香族ポリカーボネート組成物の製造方法。
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