JP2009114447A - 溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造方法、この方法によって得られる静電荷蓄積の小さいポリカーボネートおよびこのポリカーボネートを含有する成形物品または押出品、特に光学データ記憶装置またはディフューザーディスク、に関する。
【解決手段】少なくとも一種類のジヒドロキシアリール化合物と少なくとも一種類のジアリールカーボネートとを少なくとも一種類の触媒の存在下において多段階プロセスで反応させることを包含する溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造プロセスであって、最終反応段階の前に少なくとも一種類の抑制剤を溶融物に添加し、かつ最終反応段階においてまたは最終反応段階後に一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を添加する、ポリカーボネートの製造プロセスによって達成される。
【選択図】なし

Description

本願は、2007年11月7日出願のドイツ国特許出願第102007052968.8の利益を主張する(これは、全体としてあらゆる有用な目的に関して参照することによって本明細書に組み込まれる。)。
本発明は、溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造方法、この方法によって得られる静電荷蓄積の小さいポリカーボネートおよびこのポリカーボネートを含有する成形物品または押出品、特に光学データ記憶装置またはディフューザーディスク、に関する。
光学データ記憶材料は、多量のデータ用の可変性記録および/または保管メディアとしてますます使用されている。このタイプの光学データ記憶装置の例は、CD、スーパーオーディオCD、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、HD−DVDおよびBDである。
透明熱可塑性樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよびそれらの化学変性体、は、典型的に、光学記憶メディアに使用される。支持材料としてのポリカーボネートは、特に非書き換え可能かつ再読可能および更に書き換え可能光学ディスク並びに自動車用グレージング、例えばディフューザーディスクの分野の成形物品の製造に好適である。この熱可塑性樹脂は、優れた機械的安定性を有し、それほど寸法を受けやすくなく、かつ高い透明性および衝撃強さに優れる。
DE−A 2 119 799によると、ポリカーボネートは、相界面法(phase−boundary method)並びに均一層における方法によってフェノール性末端基の関与によって製造され得る。
ポリカーボネートの製造に関する別の工業的に使用されるプロセスは、溶融エステル交換法である。この方法によって製造されるポリカーボネートは、原則として、上記形式の光学データ記憶装置、例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD)、の製造に使用され得る。
しかしながら、この方法は今まで、射出成形体への加工後、射出成形物品の表面に高い電場を蓄積する特性を有するポリカーボネートを与えるという不利益を有していた。従って、例えば、このポリカーボネートを含有する光学データ記憶装置用ディスクは、射出成形プロセスによる製造中に高い電場を蓄積する。基材におけるこの高い場の強さは、光学データ記憶装置の製造中に、例えば、環境からの吸塵および射出成形物品、例えばディスク、同士の付着を招き、このことは完成射出成形物品の品質を低下させ、更に射出成形プロセスを複雑にする。
更に、(光学データメディア用)ディスクにおける高い電場は、特に非極性メディア、例えば非極性染料または溶媒、例えば、ジブチルエーテル、エチルシクロヘキサン、テトラフルオロプロパノール、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンもしくはオクタフルオロプロパノール、を含有する染料コートに対する、低い湿潤性をもたらす。従って、基材表面における高い電場は、例えば、書き込み可能データ記憶装置の場合、染料適用中に染料で不規則かつ不完全なコーティングを引き起こし、従って、情報層における欠陥をもたらす。
書き込み可能な染料がスピンコーティングプロセスにおいて表面に適用される光学データ記憶装置の場合、従って、書き込み可能層のムラのない適用を保証し、円滑な製造プロセスを確かにするために低い絶対電場強度が要求される。
支持材料における静電荷の蓄積は、基材表面から所定の距離における測定によって数値で表され得る電場をもたらす。
上記事実に基づいて、そのような高い電場の更なる不利益は、更に、支持材料に対する収率の損失において見られる。このことは、製造の損失をもたらし、従って、対応する更なるコストを生じさせる。
射出成形プロセスの過程でそれぞれの射出成形部品に生じる電場は、製造プロセス中、不変でなく、時間に応じて一定の変化を示す。従って、それぞれのディスクにおける場の強度が射出成形プロセス(新しいキャビティの使用を想定している。)の開始後に最初に変化し、一定時間後に初めて安定値(プラトー)に到達するかまたはわずかに増加を続けることが分かっている。これは、次の製造工程(例えば染料を基材に適用する。)における射出成形部品のパフォーマンスに関する重要な基準である。溶融エステル交換法によるポリカーボネートから製造される射出成形体の電荷の蓄積は、基本的態様の相界面法によるポリカーボネートから製造される射出成形体の電荷の蓄積と異なる。溶融エステル交換法によるポリカーボネートの場合、射出成形プロセスの開始時における場の強さの開始値は、一般的に、相界面法によって製造されるポリカーボネートと比較して大きく負の範囲にある。一定のランタイム(run time)後、例えば、連続射出成形プロセスの2時間後、に確定されるプラトー値は、相界面法によって製造されるポリカーボネートとは対照的に、一般的に実質的に負の範囲(負の場の強さ)にとどまる。
高い静電場の問題を解決するためにいくつかのアプローチが行われてきた。一般的に、帯電防止剤が、添加剤として支持材料に添加される。帯電防止剤が添加されたそのようなポリカーボネート組成物は、例えば、特開昭62−207358号公報に記述されており、ここでは、ポリエチレンまたはポリプロピレン誘導体が添加剤として使用されている。ここでは、特にリン酸誘導体が帯電防止剤としてポリカーボネートに添加されている。EP−A 922 728は、種々の帯電防止剤、例えばポリアルキレングリコール誘導体、エトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポリシロキサン誘導体、ホスフィンオキシドおよびジステアリルヒドロキシアミン、を記述しており、これらは単独で使用されても混合物として使用されてもよい。日本国出願特開昭62−207358号公報は、帯電防止活性を有する添加剤として亜リン酸エステルを記述している。US 5,668,202は、添加剤としてスルホン酸誘導体を記述している。
US 6,262,218およびUS 6,022,943は、溶融ポリカーボネート(溶融エステル交換プロセスによって製造されたポリカーボネート)における末端基含量を増加させるためのフェニルクロロホルメートの使用を記述している。90%以上の末端基含量が静電特性に好ましい効果を有することが仮定されている。WO−A 00/50 488において、3,3−ジ−tert−ブチルフェノールが相界面法における連鎖停止剤として使用されている。この連鎖停止剤は、常套の連鎖停止剤と比較して対応する支持材料における低い電荷の蓄積をもたらす。EP−A 1 304 358は、短いオリゴマー、例えばビスフェノールAビス(4−tert−ブチルフェニルカーボネート)、の溶融エステル交換法によるポリカーボネートにおける添加剤としての使用を記述している。
しかしながら、記述されている添加剤は、高温において支持材料から出る傾向があり、従って付着物の形成または質の悪い成形品をもたらすので、支持材料の特性に悪影響を有し得る。更に、ポリカーボネート中のオリゴマー含量は、更に、低レベルの機械的特性をもたらし、かつガラス転移温度の低下をもたらし得る。更に、これらの添加剤は、添加剤としての第二反応引き起こし得る。従って、ベース材料の熱安定性が低下し得る。次の、エステル交換プロセスで得られたポリカーボネートの「エンドキャッピング」が複雑である。この目的に必要とされる物質を製造しなければならず、このことが更なるコストおよび次の「エンドキャッピング」に関する更なる処理工程に関連する。
更に、種々の酸または酸誘導体を添加剤としてポリカーボネートに添加してもよいことが知られている。従って、例えば、特開平07−247351は、ポリカーボネートの製造における触媒システムのキレート成分としての脂肪族ヒドロキシカルボン酸の使用を記述している。US−A 2005/0113534において、ポリカーボネート/ポリエステルブレンドの安定化に関して、配合中に、特にヒドロキシカルボン酸が使用される。US−A 2005/0171323は、特別の構造のキノン誘導体を有するコポリカーボネートを記述している。これらのコポリカーボネートの安定化に関して、重縮合中に酸化防止剤として特にヒドロキシカルボン酸が添加される。EP−A 435 124は、塩基性触媒を中和するための、完成ポリカーボネートへの弱酸の添加を記述している。EP−A 460 646は、同様に、そのような安定化の目的のための、完成ポリカーボネートパウダーまたはグラニュール、特に相界面法によって製造されたもの、への脂肪族カルボン酸の添加を記述している。しかしながら、生じる生成物における静電荷の蓄積への効果は、上記添加剤の添加のいずれの場合にも観測されなかった。
DE−A 10 2004 061 754、DE−A 10 2004 061 715、US−A 2006/135736、US−A 2006/135735およびUS−A 2006/134366は、低電荷射出成形体の製造に特に好適な材料を記述している。しかしながら、これらは専ら相界面法によって製造されたポリカーボネートだけである。記述されている手段は溶融エステル交換法の場合に効果がない。
製造プロセスにおける光学データ記憶装置の良好な被覆性を保証するために、イオン化気流をディスクに通す、いわゆるイオン化装置がしばしば使用される。しかしながらイオン化装置の使用は、製造プロセスを費用のかかるものにするので、安価なプロセスのために、使用されるイオン化装置の数を最小に減らす必要がある。
更に、射出成形体の被覆性に関して、電場のレベルのみが関連があるのではなく、射出成形体−例えば光学ディスク−における電荷の均一性もまた重要な役割を果たすことも分かった。従って、例えば、低い平均電場強度が全ディスクにおいて全体に測定され得る。しかしながら、高いポジティブ電場強度がいくつかの表面領域に存在し、非常に低い場の強度が他の領域に存在し得る。これらの電荷の差は、測定平均場が許容できる値であっても質の悪い湿潤性をもたらす。このため、電場強度の絶対平均値だけではなく射出成形体の一定の半径にわたって測定される場の強度の変化の度合い(場の強さの変化)も最適湿潤性に関して相当興味深い。
従って、静電荷の蓄積が小さい成形品または押出品への加工に好適な溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造プロセスへの必要性が継続している。更に、対応する成形物品におけるできるだけ小さな平均電場強度(大きさ)の要求に加えて、基材表面におけるできるだけ小さな場の強さの変化の度合いへの必要性がある。
従って、本発明の目的は、成形品または押出品を生じる加工後に小さい電荷の変化度合いと共に基材表面におけるできるだけ小さい電荷の蓄積の要件を満たし、かつ、上記不利益を防ぐ溶融エステル交換プロセス、およびこのプロセスによって製造されたポリカーボネートを提供することである。
本発明の一態様は、少なくとも一種類のジヒドロキシアリール化合物と少なくとも一種類のジアリールカーボネートとを少なくとも一種類の触媒の存在下において多段階プロセスで反応させることを包含する溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造プロセスであって、最終反応段階の前に少なくとも一種類の抑制剤を溶融物に添加し、かつ最終反応段階においてまたは最終反応段階後に一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を添加する、ポリカーボネートの製造プロセスである。
本発明の別の態様は、前記一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体が一種類以上の一般式(VI)または(VII)
Figure 2009114447
(式中、
、R、およびR は、互いに独立して、直鎖または分枝C〜C10−アルキレン基であり;
、X、およびX は、互いに独立して、HまたはOHであり、X、X、またはXの少なくとも一つがOHであり;
W は、H、COOH、カルボキシレート、またはアルキルカルボキシルであり;
n は、1〜3の整数であり;
m は、0または1〜3の整数であり;
o は、0または1〜3の整数であり;かつ
およびR は、互いに独立して、直鎖もしくは分枝C〜C10−アルキル基またはアルカリ金属カチオン、好ましくはLi、NaもしくはKである。)
の化合物である、上記プロセスである。
本発明の別の態様は、
、R、およびR が、互いに独立して、直鎖C〜C−アルキレン基であり;
W が、COOHであり;
n が、1であり;
m が、0または1であり;
o が、0または1であり;かつ
およびR が、互いに独立して、直鎖または分枝C〜C−アルキル基である、
上記プロセスである。
本発明の別の態様は、前記一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体が、リンゴ酸、リンゴ酸エステル、リンゴ酸モノエステル、酒石酸、酒石酸エステル、酒石酸モノエステル、ヒドロキシマロン酸、ヒドロキシマロン酸エステル、クエン酸、およびクエン酸エステルからなる群から選択される一種類以上の化合物である、上記プロセスである。
本発明の別の態様は、前記少なくとも一種類の抑制剤が硫黄含有酸、有機硫黄含有酸のエステル、またはそれらの混合物である、上記プロセスである。
本発明の別の態様は、前記少なくとも一種類のジヒドロキシアリール化合物が、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシビフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)アリール、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、1,1’−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、およびそれらの核アルキル化またはハロゲン化誘導体からなる群から選択される、上記プロセスである。
本発明の別の態様は、前記少なくとも一種類のジアリールカーボネートが一般式(II)
Figure 2009114447
(式中、
R、R’、およびR’’ は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリール、またはC〜C34−アリールであり、Rは任意にCOO−R’’’であってもよく、R’’’は、水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリール、またはC〜C34−アリールである。)
を有する、上記プロセスである。
本発明の別の態様は、前記少なくとも一種類の触媒が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびオニウム塩からなる群から選択される化合物である、上記プロセスである。
本発明の別の態様は、前記少なくとも一種類の触媒がオニウム塩である、上記プロセスである。
本発明の更に別の態様は、上記プロセスによって製造されるポリカーボネートであって、一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を5〜500ppm含有し、フェノール性末端OH基含量が150ppm以上であるポリカーボネートである。
本発明の更に別の態様は、上記ポリカーボネートを含有する成形物品または押出品である。
本発明の更に別の態様は、上記ポリカーボネートを含有する光学データ記憶装置またはディフューザーディスクである。
本発明の更に別の態様は、平均電場強度が−20〜+20kV/mであり、かつ場の強さの変化の度合いが15kV/m以下である、一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を5〜500ppm含有し、フェノール性末端OH基含量が150ppm以上であるポリカーボネートを含有する光学データ記憶装置製造用光学ディスクである。
発明の詳細な説明
本発明の目的は、意外なことに、多段階溶融エステル交換プロセスにおいて、最終反応段階の前に少なくとも一種類の抑制剤を溶融物に添加し、一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を最終反応段階においてまたは最終反応段階後に添加する場合に達成される。本発明によるプロセスによって製造されるポリカーボネートは、上記不利益を有さず、小さくかつ均一である静電荷の蓄積を有する成形品または押出品を生じる加工に著しく好適である。
従って、本発明は、少なくとも一種類の触媒を使用して少なくとも一種類のジヒドロキシアリール化合物を少なくとも一種類のジアリールカーボネートと多段階プロセスにおいて反応させる、溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造プロセスであって、最終反応段階の前に少なくとも一種類の抑制剤を溶融物に添加し、最終反応段階においてまたは最終反応段階後に一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を添加することを特徴とする、溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造プロセスに関する。
本発明によるプロセスによって製造されるポリカーボネートで、15kV/m以下の小さな場の強度の変化の度合いを有すると共に平均電場強度の値が−20〜+20kV/mである射出成形体、例えば光学データメディア用ディスク、を製造することが可能である。
本発明によるプロセスは、溶融エステル交換法によって達成される。溶融エステル交換法による芳香族オリゴ−またはポリカーボネートの製造は、文献で知られており、例えば、Encyclopedia of Polymer Science,第10巻(1969年),Chemistry and Physics of Polycarbonates,Polymer Reviews,H.Schnell,第9巻,John Wiley and Sons,Inc.(1964年),44〜51頁およびDE−C 10 31 512、US−A 3,022,272、US−A 5,340,905およびUS−A 5,399,659に記述されている。
このプロセスによると、芳香族ジヒドロキシ化合物は溶融状態において好適な触媒および任意に別の添加剤を用いて炭酸ジエステルとエステル交換される。
このプロセスは、一般に直列につながれた反応容器において、ポリカーボネートの分子量、従って粘度が段階的に増加させられる複数の段階において達成される。
本発明によるプロセスを行うために、例えば、WO−A 02/077 067に示されているようなプラントデザインを使用することが可能である。ポリカーボネート合成は、オリゴカーボネートを段階的に上昇する温度と段階的に減少する圧力とにおける複数の蒸発段階において製造し、このオリゴカーボネートを直列につながれた一つまたは二つのバスケット型リアクター(basket reactor)中、更に上昇した温度および減少した圧力において縮合してポリカーボネートを生じる、第四級オニウム化合物の存在下におけるジアリールカーボネートとジヒドロキシアリール化合物とのエステル交換によって行われる。
本発明によるプロセスに好適なジヒドロキシアリール化合物は、一般式(I)
HO−Z−OH (I)
(式中、Zは、C原子を6〜34個有し、一以上の任意に置換されていてもよい芳香環および脂肪族もしくは脂環式基または架橋メンバーとしてのアルキルアリールもしくはヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族基である。)
の化合物である。
好適なジヒドロキシアリール化合物の例は、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシビフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)アリール、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、1,1’−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼンおよびそれらの核アルキル化または核ハロゲン化化合物である。
これらおよび更に好適な別のジヒドロキシアリール化合物は、例えば、DE−A 3 832 396、FR−A 1 561 518、H.Schnell,Chemistry and Physics of Polycarbonates,Interscience Publishers,ニューヨーク1964年,28頁以降;102頁以降およびD.G.Legrand,J.T.Bendler,Handbook of Polycarbonate Sceince and Technology,Marcel Dekkerニューヨーク2000年,72頁以降に記述されている。
好ましいジヒドロキシアリール化合物は、例えば、レソルシノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(1ナフチル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ナフチル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ジイソプロピルベンゼン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンおよび2,2’,3,3’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インデン]−5,5’−ジオールである。
特に好ましいジヒドロキシアリール化合物は、レソルシノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(1−ナフチル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ナフチル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ジイソプロピルベンゼンおよび1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−ジイソプロピルベンゼンである。
より特に好ましいジヒドロキシアリール化合物は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンである。
ホモポリカーボネートの製造に一種類のジヒドロキシアリール化合物を使用することもコポリカーボネートの製造に異種のジヒドロキシアリール化合物を使用することも可能である。
ジヒドロキシアリール化合物は、それらを製造する残留物含量のモノヒドロキシアリール化合物と共に使用してもよく、低分子量オリゴカーボネートは、オリゴマーの製造中に取り除かれる残留物含量のモノヒドロキシアリール化合物と共に使用してもよい。残留物含量のモノヒドロキシアリール化合物は、20重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、より特に好ましくは2重量%以下であり得る。
ジヒドロキシアリール化合物との反応に好適なジアリールカーボネートは、一般式(II)
Figure 2009114447
(式中、
R、R’およびR’’ は、互いに独立して、同一であるかまたは異なっており、水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリールまたはC〜C34−アリールであり、Rは更に−COO−R’’’であってもよく、R’’’は水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリールまたはC〜C34−アリールである。)
のジアリールカーボネートである。
好ましいジアリールカーボネートは、例えば、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(メチルフェニル)カーボネート、4−エチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−エチルフェニル)カーボネート、4−n−プロピルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−n−プロピルフェニル)カーボネート、4−イソプロピルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−イソプロピルフェニル)カーボネート、4−n−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−n−ブチルフェニル)カーボネート、4−イソブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−イソブチルフェニル)カーボネート、4−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)カーボネート、4−n−ペンチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−n−ペンチルフェニル)カーボネート、4−n−ヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−n−ヘキシルフェニル)カーボネート、4−イソオクチルフェニルカーボネート、ジ(4−イソオクチルフェニル)カーボネート、4−n−ノニルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−n−ノニルフェニル)カーボネート、4−シクロヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−シクロヘキシルフェニル)カーボネート、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニルフェニルカーボネート、ジ[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]カーボネート、ビフェニル−4−イルフェニルカーボネート、ジ(ビフェニル−4−イル)カーボネート、4−(1−ナフチル)フェニルフェニルカーボネート、4−(2−ナフチル)フェニルフェニルカーボネート、ジ[4−(1−ナフチル)フェニル]カーボネート、ジ−[4−(2−ナフチル)フェニル]カーボネート、4−フェノキシフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−フェニルオキシフェニル)カーボネート、3−ペンタデシルフェニルフェニルカーボネート、ジ(3−ペンタデシルフェニル)カーボネート、4−トリチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−トリチルフェニル)カーボネート、メチルサリチルフェニルカーボネート、ジ(メチルサリチル)カーボネート、エチルサリチルフェニルカーボネート、ジ(エチルサリチル)カーボネート、n−プロピルサリチルフェニルカーボネート、ジ(n−プロピルサリチル)カーボネート、イソプロピルサリチルフェニルカーボネート、ジ(イソプロピルサリチル)カーボネート、n−ブチルサリチルフェニルカーボネート、ジ(n−ブチルサリチル)カーボネート、イソブチルサリチルフェニルカーボネート、ジ(イソブチルサリチル)カーボネート、tert−ブチルサリチルフェニルカーボネート、ジ(tert−ブチルサリチル)カーボネート、ジ(フェニルサリチル)カーボネートおよびジ(ベンジルサリチル)カーボネートである。
特に好ましいジアリール化合物は、ジフェニルカーボネート、4−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)カーボネート、ビフェニル−4−イルフェニルカーボネート、ジ(ビフェニル−4−イル)カーボネート、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニルフェニルカーボネート、ジ[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]カーボネートおよびジ(メチルサリチル)カーボネートである。
ジフェニルカーボネートがより特に好ましい。
一種類のジアリールカーボネートを使用することも異なるジアリールカーボネートを使用することも可能である。
ジアリールカーボネートは、更に、それらを製造する残留物含量のモノヒドロキシアリール化合物と共に使用されてもよい。残留物含量のモノヒドロキシアリール化合物は、20重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、より特に好ましくは2重量%以下である。
ジヒドロキシアリール化合物に対して、ジヒドロキシアリール化合物1モルあたり、一般的に、ジアリールカーボネートを1.02〜1.30mol、好ましくは1.04〜1.25mol、特に好ましくは1.045〜1.22mol、より特に好ましくは1.05〜1.20mol使用する。上記ジアリールカーボネートの混合物を使用することもまた可能であり、この場合、上で言及されるジヒドロキシアリール化合物1モルあたりのモル量はジアリールカーボネート混合物の総量に基づく。
末端基の制御および変更に関して、使用されるジアリールカーボネートの製造に使用されなかった一種類以上のモノヒドロキシアリール化合物を更に用いてもよい。これらは、一般式(III)
Figure 2009114447
(式中、
は、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリール、C〜C34−アリールまたは−COO−Rであり、Rは、水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリールまたはC〜C34−アリールであり、
、Rは、互いに独立して、同一または異なっており、水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリールまたはC〜C34−アリールである。)
のモノヒドロキシアリール化合物である。
そのようなモノヒドロキシアリール化合物は、例えば、1−、2−または3−メチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール 4−エチルフェノール、4−n−プロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−イソブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−n−ペンチルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、4−イソオクチルフェノール、4−n−ノニルフェノール、3−ペンタデシルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、4−フェニルフェノール、4−フェノキシフェノール、4−(1−ナフチル)フェノール、4−(2−ナフチル)フェノール、4−トリチルフェノール、メチルサリチレート、エチルサリチレート、n−プロピルサリチレート、イソプロピルサリチレート、n−ブチルサリチレート、イソブチルサリチレート、tert−ブチルサリチレート、フェニルサリチレートおよびベンジルサリチレートである。
4−tert−ブチルフェノール、4−イソオクチルフェノールおよび3−ペンタデシルフェノールが好ましい。
このモノヒドロキシアリール化合物は、その融点が使用されるジアリールカーボネートの製造に使用されたモノヒドロキシアリール化合物の融点よりも高くなるように選択されるべきである。モノヒドロキシアリール化合物は、反応の過程においていつ添加されてもよい。好ましくは反応の開始時点において添加される。フリーモノヒドロキシアリール化合物の割合は、ジヒドロキシアリール化合物に対して0.2〜20mol%、好ましくは0.4〜10mol%である。
別のジアリールカーボネートであって、そのベースモノヒドロキシアリール化合物が主に使用されるジアリールカーボネートのベースモノヒドロキシアリール化合物の沸点よりも高い沸点を有する、別のジアリールカーボネート少なくとも一種類の添加によって生じるポリカーボネートの末端基を変化させることも可能である。ここでもまた、別のジアリールカーボネートは、反応の過程においていつ添加されてもよい。これは好ましくは反応の開始時点において添加される。高沸点ベースモノヒドロキシアリール化合物を有するジアリールカーボネートの割合は、使用されるジアリールカーボネートの総量に対して、1〜40mol%、好ましくは1〜20mol%、特に好ましくは1〜10mol%である。
ポリカーボネートの製造に関して溶融エステル交換法において使用され得る触媒は、文献で知られている塩基性触媒、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物および酸化物および/またはオニウム塩、例えば、アンモニウム塩またはホスホニウム塩である。好ましくは、オニウム塩、特に好ましくは、ホスホニウム塩が、このシステムにおいて使用される。そのようなホスホニウム塩は、例えば、一般式(IV)
Figure 2009114447
(式中、
7〜10 は、同一であるかまたは異なっており、任意に置換されていてもよいC〜C10−アルキル−、C〜C14−アリール−、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C−シクロアルキル基、好ましくはメチルまたはC〜C14−アリール、特に好ましくはメチルまたはフェニルであり、
は、ヒドロキシド、スルフェート、ハイドロゲンスルフェート、バイカーボネート、カーボネート、ハライド、好ましくはクロリド、および式−OR11のアルキレートまたはアリーレートからなる群から選択されるアニオンであり、R11は、任意に置換されていてもよいC〜C14−アリール−、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C−シクロアルキル残基(C−C−cycloalkylrest)、C〜C20−アルキル、好ましくはフェニルである。)
のホスホニウム塩である。
特に好ましい触媒は、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシドおよびテトラフェニルホスホニウムフェノレート、より特に好ましくはテトラフェニルホスホニウムフェノレートである。
触媒は、好ましくはジヒドロキシアリール化合物1モルに対して10−8〜10−3molの量、特に好ましくは10−7〜10−4molの量で使用される。
要すれば重縮合速度を増加させるために助触媒を使用することも更に可能である。
これらは、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルカリ塩、例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウムの水酸化物、任意に置換されていてもよいC〜C10−アルコキシドおよびC〜C14−アリールオキシド、好ましくはナトリウムの水酸化物、任意に置換されていてもよいC〜C10−アルコキシドまたはC〜C14−アリールオキシドである。水酸化ナトリウム、ナトリウムフェノレートまたは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの二ナトリウム塩が好ましい。
塩の形態のアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンが導入される場合、例えば、原子吸光分析法によって決定される、アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンの量は、生成されるポリカーボネートに対して1〜500ppb、好ましくは5〜300ppb、最も好ましくは5〜200ppbである。しかしながら、本発明によるプロセスの好ましい態様において、アルカリ金属塩は使用されない。
本発明の明細書において、ppbおよびppmは、特に明記しない限り重量部を意味すると理解される。
望ましくない副反応を抑えるために、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルカリ塩をオリゴカーボネートそれ自体の製造中に、すなわち合成の開始時点、または次の処理工程において混合してもよい。触媒の全量は、更にこのプロセスに複数の工程で添加されてもよい。
既に言及した触媒および触媒の量に加えて、更に、重縮合前に補助量のオニウム触媒を添加することも可能である。上記触媒がそれ自体オニウム触媒である場合、重縮合前に補助量添加されるオニウム触媒は、上記オニウム触媒と同一であってもそれらと異なるオニウム触媒であってもよい。
触媒の添加は、好ましくは、計量添加中の有害な過剰濃度を避けるために溶液においてなされる。溶媒は、好ましくは、システムおよびプロセスに内在する化合物、例えば使用されるジヒドロキシアリール化合物、ジアリールカーボネートまたは要すればモノヒドロキシアリール化合物、である。モノヒドロキシアリール化合物が特に好適である。なぜなら、当業者は、ジヒドロキシアリール化合物およびジアリールカーボネートが、特に触媒の作用のもとで、容易に変化し始め、わずかに高温であっても分解するという事実をよく知っているからである。結果としてポリカーボネートの品質が低下する。本発明によるプロセスの特に好ましい態様において、触媒用溶媒は、フェノールである。本発明によるプロセスのこの態様において、フェノールは特に好適である。なぜなら、この態様において好ましく使用される触媒テトラフェニルホスホニウムフェノレートがその製造中にフェノールで固溶体として分離されるからである。
このプロセスによって得られるポリカーボネートは、式(III)のフェノールでキャップされた鎖末端に加えて、一定の割合の非キャップフェノール末端基も含むことで構造的に区別される。この構造要素は、以下の式(V)
Figure 2009114447
(式中、Zは一般式(I)に関して記述された意味を有する。)
によって例示的に記述され得る。
フェノール性末端OH基の含量は、好ましくは150ppm以上、特に好ましくは250ppm以上、より特に好ましくは350ppm以上である(ポリカーボネートの重量に対する。)。
ポリカーボネートは、好適な分枝剤の反応混合物への添加によって意図的に分枝され得る。ポリカーボネートの製造に関する好適な分枝剤は、当業者に既知である。これらは、三以上の官能基を有する化合物、好ましくは三以上のヒドロキシル基を有する化合物である。
三以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する好適な化合物は、例えば、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプト−2−エン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノールおよびテトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタンである。
三以上の官能基を有する別の好適な化合物は、例えば、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌルおよび3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。
好ましい分枝剤は、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールおよび1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンである。
分枝剤は、一般的に、例えばジヒドロキシアリール化合物に対して0.02〜3.6mol%の量で使用される。
使用されるジヒドロキシアリール化合物、ジアリールカーボネートおよびモノヒドロキシアリール化合物および更にこのシステムに添加される他の原料、化学物質および助剤全てがそれ自体の合成、処理および貯蔵によって生じる不純物で汚染されていてもよく、更なる精製なしに使用される。しかしながら、本質的ではないが、できるだけ純粋な原材料、化学物質および助剤で作業することが望ましい。
少なくとも一種類の抑制剤の添加は、最終反応段階の前に行われる。本発明との関連で、このことは、添加が最終反応段階の前の少なくとも一つの反応段階においてまたは二つの反応段階の間において行われることを意味する。この添加は、好ましくは、最終反応段階の直前の反応段階においてまたは終わりから二番目と最終反応段階との間において行われる。
溶融エステル交換法によって製造されるポリカーボネートは、製造後に触媒活性塩基性不純物を含み得る。これらは、最初に、分離されなかった出発物質、分離されなかった熱分解性触媒の塩基性残留物または分離されなかった安定な塩基性触媒塩のわずかな混入である。熱分解性触媒は、例えば上記オニウム塩を意味すると理解されるべきである。熱安定性触媒は、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルカリ塩を意味すると理解されるべきである。これらの触媒活性塩基性不純物の抑制に関して、原則としてそれぞれのプロセスのさまざまな時間に所定の抑制剤をポリカーボネートに添加し得る。
好適な抑制剤は、酸成分、例えばルイスもしくはブレンステッド酸または強酸のエステル、である。抑制剤のpKa値は、5以上であってはならず、好ましくは3以下である。上記塩基性不純物を不活性化するために、所望の分子量に到達すると酸成分またはそれらのエステルを添加し、従って理想的には反応を停止する。そのような抑制剤は、例えば、EP−A 1 612 231、EP−A 435 124またはDE−A 44 38 545に記述されている。
好適な酸成分の例は、オルトリン酸、亜リン酸、ピロリン酸、次リン酸、ポリリン酸、ベンゼンホスホン酸、リン酸二水素ナトリウム、ホウ酸、アリールホウ酸、塩化水素酸(塩化水素)、硫酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸および別の全てのフェニル置換ベンゼンスルホン酸、硝酸、酸塩化物、例えばフェニルクロロホルメート、アセトキシ−BP−A、ベンゾイル塩化物およびエステル、上記酸のモノエステルおよび架橋エステル、例えばトルエンスルホン酸エステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル、硫酸ジメチル、ホウ酸エステル、アリールホウ酸エステルおよび水の影響下で酸を生じる別の成分、例えばトリイソオクチルホスフィン、Ultranox 640およびBDP(ビスフェノールジホスフェートオリゴマー)である。
好ましく使用される抑制剤は、有機硫黄含有酸、エステルまたは有機硫黄含有酸またはそれらの混合物である。有機硫黄含有酸は、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸またはスルホン化ポリスチレンである。有機硫黄含有酸のエステルは、例えばジメチルスルホネート、ジエチルスルホネート、p−トルエンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチルまたはフェニルエステルである。更に、それらは多価アルコールの完全エステルまたは部分エステル、例えば、グリセリルトリベンゼンスルホネート、グリセリルジベンゼンスルホネート、グリセリルモノベンゼンスルホネート、グリセリルトリ−p−トルエンスルホネート、グリセリルジ−p−トルエンスルホネート、グリセリルモノ−p−トルエンスルホネート、エチレングリコールジベンゼンスルホネート、エチレングリコールモノベンゼンスルホネート、エチレングリコールジ−p−トルエンスルホネート、エチレングリコールモノ−p−トルエンスルホネート、ペンタエリスリチルテトラベンゼンスルホネート、ペンタエリスリチルトリベンゼンスルホネート、ペンタエリスリチルジベンゼンスルホネート、ペンタエリスリチルモノベンゼンスルホネート、ペンタエリスリチルテトラ−p−トルエンスルホネート、ペンタエリスリチルトリ−p−トルエンスルホネート、ペンタエリスリチルジ−p−トルエンスルホネート、ペンタエリスリチルモノ−p−トルエンスルホネート、トリメチロールプロパントリベンゼンスルホネート、トリメチロールプロパンジベンゼンスルホネート、トリメチロールプロパンモノベンゼンスルホネート、トリメチロールプロパントリ−p−トルエンスルホネート、トリメチロールプロパンジ−p−トルエンスルホネート、トリメチロールプロパンモノ−p−トルエンスルホネート、ネオペンチルグリコールジベンゼンスルホネート、ネオペンチルグリコールモノベンゼンスルホネート、ネオペンチルグリコールジ−p−トルエンスルホネート、ネオペンチルグリコールモノ−p−トルエンスルホネートおよびそれらの混合物であってもよい。加えて、これらの混合物は、更に、出発化合物の残留物(酸成分および/またはアルコール成分)を含み得る。EP−A−1 609 818は、更に、そのような抑制剤の例示的非限定的記述を示している。
記述される抑制剤は、ポリマー溶融物に単独で添加されても互いの所望の混合物として添加されても複数の異なる混合物として添加されてもよい。
抑制剤は、ポリカーボネートに対して100ppm以下の量で、好ましくはポリカーボネートに対して0.1〜50ppmの量で、特に好ましくは0.5〜10ppm、より特に好ましくは1〜5ppmの量で使用され得る。
抑制剤の添加の形態について、限定がない。抑制剤は固体として、例えばパウダーとして、溶液でまたは溶融物としてポリマー溶融物に添加され得る。別の計量添加法は、マスターバッチ、すなわち抑制剤とポリマー、好ましくはポリカーボネート、との混合物であって配合によって均一化された混合物、であって更に別の添加剤、例えば別の安定剤または離型剤を含んでいてもよいマスターバッチの使用である。
有機硫黄含有酸のエステルは、好ましくは液体の形態で添加される。計量添加される量が非常に少ないので、好ましくはエステルの溶液またはマスターバッチを使用する。
溶媒として選択される化合物は、好ましくはそれぞれのプロセスにおいて別の成分として既に使用された化合物である。製造される製品に関する要件に依存して、残る全ての残留物は所望の品質を低下させない。
それぞれのプロセスにおいて既に使用された好適な化合物は、好ましくは化学的に不活性かつ迅速に気化する化合物である。例えば、フェノールおよびジフェニルカーボネートがそれ自体好ましい態様において好適である。
大気圧における沸点が30〜300℃、好ましくは30〜250℃、特に好ましくは30〜200℃の全ての有機溶媒および更に水−結晶水を含む−が別の溶媒として好適である。
好適な溶媒は、例えば水または任意に置換されていてもよいアルカン、シクロアルカンまたは芳香族である。置換基は、さまざまな組み合わせの脂肪族、脂環式または芳香族基およびハロゲンまたはヒドロキシル基である。ヘテロ原子、例えば酸素、が更に脂肪族、脂環式または芳香族基の間の架橋メンバーであってもよく、これらの基は同一であっても異なっていてもよい。別の溶媒は、更にケトンおよび有機酸のエステルおよび環状カーボネートであってもよい。更に、抑制剤を、更にグリセリルモノステアレートに溶解し、計量添加してもよい。更に上記混合物を溶媒として使用してもよい。
水に加えて、そのような溶媒の例は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンおよびそれらの異性体、クロロベンゼン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびそれらの異性体、フェノール、o−、m−およびp−クレゾール、アセトン、ジエチルエーテル、ジメチルケトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチルアセテート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびこれらの混合物である。
水、フェノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、トルエンおよびこれらの混合物が好ましく好適である。
水、フェノール、プロピレンカーボネートおよびこれらの混合物が特に好ましく好適である。
例えば、均一混合をもたらすスタティックミキサーまたは別のダイナミックミキサー、例えば押出機、が抑制剤を有効に混合するのに好適である。
一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの混合物を本発明によるプロセスの最終反応段階中または最終反応段階後に反応混合物(反応混合物溶融物)に添加する。従って、添加は、好ましくは、いわゆるフィニッシュリアクター(finish reactor)中またはフィニッシュリアクター後に、特に好ましくはフィニッシュリアクター後に行われる。
本発明によると、脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸は、二個を越えるカルボキシル基を有する脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸を意味すると理解されるべきである。本発明との関連で、脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸は、好ましくは、三、四または五個のカルボキシル基を有する脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸である。特に好ましい脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸は、脂肪族ヒドロキシトリカルボン酸である。
好ましい態様において、一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシトリカルボン酸またはそれらの誘導多を反応混合物に添加する。
脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸の誘導体は、例えば対応する酸の塩、エステル、アミド、ハロゲン化物または無水物、好ましくは対応する酸のエステル、すなわちヒドロキシル基誘導体化カルボン酸、例えばアルコキシカルボン酸を意味すると理解されるべきである。
好ましい脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体は、例えば、それぞれ一般式(VI)および(VII)
Figure 2009114447
(式中、
、R、R は、互いに独立して、直鎖または分枝、好ましくは直鎖、C〜C10−アルキレン基、特に好ましくは直鎖または分枝、好ましくは直鎖、C〜C−アルキレン基であり、
、X、X は、互いに独立して、HまたはOHであり、少なくとも一種類の基X、X、XはOHであり、
W は、H、COOH、カルボキシレートまたはアルキルカルボキシル、好ましくはCOOHであり、
n は、1〜3の整数、好ましくは1であり、
m は、0または1〜3の整数、好ましくは0または1であり、
o は、0または1〜3の整数、好ましくは0または1であり、
、R は、互いに独立して、直鎖もしくは分枝C〜C10−アルキル基、好ましくは直鎖もしくは分枝C〜C−アルキル基、またはアルカリ金属カチオン、好ましくはLi、NaもしくはK、特に好ましくは直鎖もしくは分枝C〜C−アルキルである。)
の化合物である。
特に好ましい脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体は、例えば、リンゴ酸、リンゴ酸エステル、リンゴ酸モノエステル、酒石酸、酒石酸エステル、酒石酸モノエステル、ヒドロキシマロン酸またはそれらの誘導体、クエン酸またはそれらのエステルである。全ての立体異性体、立体異性体混合物またはラセミ混合物および更に上記酸またはエステルの混合物が好適であり、本発明の範囲内にある。酒石酸またはリンゴ酸またはそれらの誘導体またはこれらの混合物が特に好ましい。
脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体は、本発明によるプロセスの最終反応段階中または最終反応段階後に、例えばポリカーボネートに対して5〜500ppm、好ましくは10〜300ppm、特に好ましくは20〜200ppmの量で使用される。
最終反応段階前の反応段階における少なくとも一種類の抑制剤の添加と最終反応段階における少なくとも一種類の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体の添加の組み合わせによって、溶融エステル交換法を用いて、(例えば射出成形による)更なる加工中の表面における静電荷の蓄積が低い成形物品をもたらすポリカーボネートを得ることが可能である。抑制剤と別の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体との、このプロセスにおけるこの特定の時系列における組み合わせは今まで文献に記述されていなかった。生じる成形物品または押出品の表面におけるほとんど局所変化がない静電荷の低い蓄積の効果は、例えば最終反応段階における少なくとも一種類の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体の更なる添加なしのフィニッシュリアクターの前の上記タイプの抑制剤の添加は既知である(例えばEP−A 1 612 231およびDE−A 103 57 161参照。)が、生じる成形物品または押出品の静電特性に全く好ましい効果を有さないので一層意外である。
本発明によるプロセスは、回分式にも連続的にも行われ得る。
ジヒドロキシアリール化合物およびジアリールカーボネートが、要すれば別の化合物、例えば高沸点モノヒドロキシアリール化合物、と共に、溶融体として存在する後に、反応を少なくとも一種類の好適な触媒の存在下において開始する。好適な装置およびデバイスにおいて温度を上昇し、圧力を低下させながら所望の最終段階、すなわち所望の転化または所望の分子量、に届くまで取り除かれるモノヒドロキシアリール化合物を除去することによって、転化または分子量を増加させる。ジヒドロキシアリール化合物対ジアリールカーボネートの比の選択、ポリカーボネートの製造に関する手順やプラントの選択に由来するジアリールカーボネートの蒸気による損失率の選択、および要すれば添加される別の化合物、例えば高沸点モノヒドロキシアリール化合物、の選択によって末端基のタイプおよび濃度が特徴付けられる。
本発明との関連で、C〜C−アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルであり;C〜C−アルキルは、更に、例えば、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピルまたは1−エチル−2−メチルプロピルであり;C〜C10−アルキルは、更に、例えば、n−ヘプチルおよびn−オクチル、ピナシル(pinacyl)、アダマンチル 異性体メンチル、n−ノニルまたはn−デシルであり、C〜C34−アルキルは、更に、例えば、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルである。同じことが対応するアルキル基、例えば、アラルキルまたはアルキルアリール、アルキルフェニルまたはアルキルカルボニル基に当てはまる。対応するヒドロキシアルキルまたはアラルキルまたはアルキルアリール基におけるアルキレン基は、例えば、上記アルキル基に対応するアルキレン基である。
アリールは、骨格炭素原子を6〜34個有する炭素環式芳香族基である。同じことがアリールアルキル基(更にアラルキル基とも云われる。)の芳香族部分および、より複雑な基、例えばアリールカルボニル基、のアリール部分に当てはまる。
〜C34−アリールの例は、フェニル、o−、p−およびm−トリル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニルまたはフルオレニルである。
アリールアルキルまたはアラルキルは、いずれの場合も独立して、上記定義による直鎖、環状、分枝または非分枝アルキル基であって、上記定義によるアリール基で一置換、多置換または完全置換されていてもよいものである。
上記リストは、一例であり限定するものではないと理解されるべきである。
原則として、このプロセスを行う様式(manner)およびプラント並びにこのプロセスが行われる手順に関して限定および制約はない。このプロセスは、好ましくは以下に記述されるように行われ得る。
更に、本発明によるプロセスに関して温度および圧力に関する特別の限定および制約はない。選択温度、圧力および触媒が溶融エステル交換を取り除かれるモノヒドロキシアリール化合物の適度に速い除去と共に可能にする限り、いずれの条件も可能である。
全プロセスにわたる温度は、一般的に180〜330℃であり、圧力は15bar(絶対圧力)〜0.01mbar(絶対圧力)である。
品質に有利であるので、好ましくは連続手順が選択される。
本発明によるそのような連続法は、好ましくは、一種類以上のジヒドロキシアリール化合物を一種類以上のジアリールカーボネートおよび要すれば別の反応物と、少なくとも一種類の触媒を使用して予備縮合し、この予備縮合後に温度を段階的に増加させ圧力を段階的に低下させる次の複数の反応−蒸発段階で生じるモノヒドロキシアリール化合物を分離せずに最終生成物の分子量が所望のレベルに増加するような方法で行われる。
それぞれの反応−蒸発段階に好適なデバイス、装置およびリアクターは、プロセスの経過に対応して、熱交換器、フラッシュ装置(flash apparatuses)、セパレーター、カラム、蒸発器、撹拌容器およびリアクターおよび別の市販装置であって選択温度および圧力において必要とされる滞留時間を提供するものである。選択されるデバイスは、熱の必要な導入を可能にし、連続的に溶融粘度を増加させるのに好適であるようにデザインされていなければならない。
ポンプ、パイプラインおよびバルブを介して全てのデバイスを互いに接続する。不要な長い滞留時間を防止するために、全ての設備間のパイプラインは、もちろんできるだけ短いべきであり、パイプのベンド数はできるだけ小さく保たれるべきである。化学プラントのアセンブリに関する外部、すなわち技術境界条件(technical boundary condition)および要件も考慮に入れられるべきである。
好ましい連続手順によるプロセスを行うために、反応物同士を共に溶融してもジアリールカーボネート溶融物中の固体ジヒドロキシアリール化合物もしくはジヒドロキシアリール化合物の溶融物中の固体ジアリールカーボネートを溶解しても両方の原材料を、好ましくは製造から直接、溶融物として組み合わせてもよい。原材料の個々の溶融物の滞留時間、特にジヒドロキシアリール化合物の溶融物の滞留時間、を、できるだけ短くセットする。一方、溶融混合物は、相当する低い温度における個々の原材料と比較して原材料混合物のより低い融点のために、品質を損失せずにより長い滞留時間を有し得る。
次に、触媒、好ましくは好適な溶媒(例えばフェノール)に溶解された触媒、を混合し、この溶融物を反応温度に加熱する。
本発明によるプロセスの好ましい態様において、少なくとも一種類の抑制剤が計量添加される部分ストリーム(part−stream)を、ギアポンプを用いて最後から二番目のリアクターとフィニッシュリアクターとの間の溶融物ストリームから取る。その直後に混合物をスタティックミキサーによる完全混合のためにメインストリーム(main stream)に送り返す。流れの方向でエントリーポイント(entry point)の次にメイン溶融ストリームへの均一分配を可能にする別のスタティックミキサーがあり、次にメイン溶融ストリームは最終リアクターに入る。次に、残留モノマーを減らすのに使用される最終リアクターにおいて、残留モノマーを温度260〜310℃、好ましくは265〜300℃、特に好ましくは270〜290℃かつ圧力0.01〜3mbar、好ましくは0.2〜2.5mbar、特に好ましくは0.4〜2mbarにおいて減少させる。最終リアクターにおいてプロセス工学によって認められている程低くなるように充填レベルをセットする。最終リアクター−フィニッシュリアクターとも云う−における滞留時間は、数分〜数時間のオーダー、好ましくは5〜180分、特に好ましくは10〜150分、より特に好ましくは15〜120分である。主に蒸気の形態の残留モノマーの排出が行う、最終リアクターにおいて起こりうる分子量のわずかな増加は、蒸気の状態の残留モノマーの排出後に所望の最終分子量が正確に達成されるまで入る分子量を減らすことによって補正され得る。ポンプデバイスを用いて完成ポリカーボネートを最終リアクターから出し、要すれば特性を改良する添加剤を既知の方法によって提供し、押し出し、冷却し、グラニュール化する。使用されるポンプデバイスは、通常、ギアポンプである。代わりに、更に、非常に幅広いデザインのスクリューまたは特別デザインの容積式ポンプを使用してもよい。
本発明によるプロセスの特に好ましい態様であって、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA、BPA)とジフェニルカーボネート(DPC)とを互いに反応させてポリカーボネートを得る態様を、一例として、以下に非限定的に記述する。
この特に好ましい態様の最初の反応温度は、180〜220℃、好ましくは190〜210℃、より特に好ましくは190℃である。15〜90分、好ましくは30〜60分の滞留時間の間に、生じるヒドロキシアリール化合物を除去せずに反応平衡を成立させる。反応は大気圧において行われ得るが、技術的な理由で過剰圧力で行われてもよい。工業プラントにおける好ましい圧力は2〜15bar(絶対圧力)である。
溶融混合物を、圧力が100〜400mbar、好ましくは150〜300mbarに調節された第一真空チャンバーに進め、その直後に好適なデバイスにおいて同じ圧力でエントリー温度に加熱する。フラッシュプロセス中、モノマーを存在させながら、生じるヒドロキシアリール化合物を蒸発させる。ボトムレシーバー(bottom receiver)における5〜30分の滞留時間後、要すれば同じ圧力かつ同じ温度におけるポンプ輸送による循環で、反応混合物を、圧力が50〜200mbar、好ましくは80〜150mbarである第二真空チャンバーに進め、その直後に好適なデバイス中で同じ圧力において190〜250℃、好ましくは210〜240℃、特に好ましくは210〜230℃の温度に加熱する。ここでも、モノマーを存在させながら、生じるヒドロキシアリール化合物を蒸発させる。ボトムレシーバー中で同じ圧力かつ同じ温度のもとで、要すればポンプ輸送によって循環させながら、5〜30分の滞留時間後、反応混合物を圧力30〜150mbar、好ましくは50〜120mbarの第三真空チャンバーに進め、その直後に好適なデバイスにおいて同じ圧力で温度220〜280℃、好ましくは240〜270℃、特に好ましくは240〜260℃に加熱する。ここでも、モノマーが存在する状態のまま、生じるヒドロキシアリール成分を蒸発させる。ボトムレシーバーにおける5〜20分の滞留時間後、要すれば同じ圧力かつ同じ温度においてポンプ輸送によって循環させながら、この反応物を圧力5〜100mbar、好ましくは15〜100mbar、特に好ましくは20〜80mbar別の真空チャンバーに進め、その直後に好適なデバイスにおいて同じ圧力で250〜300℃、好ましくは260〜290℃、特に好ましくは260〜280℃の温度に加熱する。ここでも、モノマーが存在する状態のまま生じるヒドロキシアリール化合物を蒸発させる。
これらの段階の数、ここでは一例として4は、2から6まで幅があり得る。同様の結果を得るために、温度および圧力を段階数の変化に応じて適切に適合させるべきである。これらの段階において達成されるオリゴカーボネートの相対粘度は、1.04〜1.20、好ましくは1.05〜1.15、特に好ましくは1.06〜1.10である。
このように製造されるオリゴカーボネートを、ボトムレシーバーにおける5〜20分の滞留時間後、要すれば最終フラッシュ/蒸発段階と同じ圧力かつ同じ温度におけるポンプ輸送による循環で、ディスクまたはバスケット型リアクターに移動し、250〜310℃、好ましくは250〜290℃、特に好ましくは250〜280℃、1〜15mbar、好ましくは2〜10mbarの圧力において、30〜90分、好ましくは30〜60分の滞留時間の間、更なる縮合を行う。生成物は、1.12〜1.28、好ましくは1.13〜1.126、特に好ましくは1.13〜1.24の相対粘度に達する。
このリアクターを離れる溶融物を、別のディスクまたはバスケット型リアクターにおいて所望の最終粘度または最終分子量にする。60〜180分、好ましくは75〜150分の滞留時間中、温度は270〜330℃、好ましくは280〜320℃、特に好ましくは280〜310℃であり、圧力は0.01〜3mbar、好ましくは0.2〜2mbarである。相対粘度を対象用途に必要されるレベルに調節し、これは1.18〜1.40、好ましくは1.18〜1.36、特に好ましくは1.18〜1.134である。
このように得られるポリカーボネートは、理想的には、ジフェニルカーボネート(DPC)350ppm未満、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)40ppm未満およびフェノール150ppm未満、好ましくはDPC300ppm未満、BPA30ppm未満およびフェノール100ppm未満、特に好ましくはDPC250ppm未満、BPA20ppm未満およびフェノール80ppm未満、より特に好ましくはDPC200ppm未満、BPA15ppm未満およびフェノール70ppm未満を含む。
二つのバスケット型リアクターの機能を更に一つのバスケット型リアクターに一体化してもよい。
全ての処理段階の蒸気を迅速に除去し、回収し、ワークアップ(work up)する。このワークアップは、回収される物質の高純度を達成するために、一般的に蒸留によって行われる。これは、例えば、DE−A 10 100 404に従って行われ得る。取り除かれるモノヒドロキシアリール化合物の非常に純粋な形態での再生および単離は、経済的環境的観点から自明である。このモノヒドロキシアリール化合物は、ジヒドロキシアリール化合物またはジアリールカーボネートの製造に直接使用され得る。
ディスクまたはバスケット型リアクターは、長い滞留時間中、真空において非常に大きい継続的更新表面積(continuously renewing surface area)を提供することで区別される。ディスクまたはバスケット型リアクターは、生成物の溶融粘度に従って幾何学的に形成される。例えば、DE 44 47 422 C2およびEP−A 1 253 163に記述されているリアクターまたはWO−A 99/28 370に記述されている二軸リアクターが好適である。
上記本発明によるプロセスの特に好ましい態様は、更に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA、BPA)以外のジヒドロキシアリール化合物またはジアリールカーボネートとジフェニルカーボネート(DPC)との反応にも使用され得る。適切であれば、個々の処理段階における温度および圧力のセッティングの適応が必要であり得る。
オリゴカーボネート(非常に低い分子量のものを含む)と最終ポリカーボネートとを、一般的に、ギアポンプ、非常に幅広いデザインのスクリューおよび特定のデザインの容積式ポンプを用いて移動させる。
装置、リアクター、パイプライン、ポンプおよび付属品の製造に特に好適な材料は、 タイプCrNi(Mo)18/10、例えば1.4571または1.4541(Steel key 2001,Th−Heuss−Strasse 36,D−71672 MarbachのStahlschluessel Wegst GmbH発行)のステンレス鋼およびNiベースの合金タイプC、例えば2.4605または2.4610(Steel key 2001,Th−Heuss−Strasse 36,D−71672 MarbachのStahlschluessel Wegst GmbH発行)である。ステンレス鋼は約290℃までの処理温度において使用され、Niベースの合金は約290℃以上の処理温度において使用される。
反応溶融物が最終またはフィニッシュリアクターへ入る前に生成物の使用目的に充分な分子量が製造され、一定の末端OH基含量が達成されるように、最終またはフィニッシュリアクターの前の全プラントにおいて、実質的な処理パラメータ、例えばプロセスの開始時点におけるジアリールカーボネート対ジヒドロキシアリール化合物の比、圧力、温度および滞留時間を選択すべきである。最終分子量は、実質的に、リアクターの選択出口温度、圧力および末端OH基濃度に依存する。従って、これらの条件を、最後から2番目のリアクターにおいて、所望の最終生成物を製造できるように選択すべきである。ポリカーボネート中の末端OH基含量は、好ましくは150ppm以上、特に好ましくは250ppm以上、より特に好ましくは350ppm以上である。150〜750ppmの末端OH基含量が特に好ましく、好ましくは250〜650ppm、特に好ましくは350〜600ppmである。
低残留モノマー含量を得るために、フィニッシュリアクターの前、好ましくは反応を停止するために最後から2番目のリアクターと最終リアクターの間にまたは揮発成分除去装置の前に、溶融物を少なくとも一種類の上記好適な抑制剤と完全に混合するべきである。次にモノマーをフィニッシュリアクター(または揮発成分除去装置)において蒸発させ得る。
本発明によるプロセスによって製造されるポリカーボネートは、特に、良好な被覆性および湿潤性を有し、かつほとんど汚れる傾向のない、任意に書き換え可能であってもよい光学データメディアに好適である。加えて、ポリカーボネートの成形物品または押し出し品を生じる加工中に、金型または対応する成形物品もしくは押し出し品上に低レベルの沈着物を生じる。
本発明によるプロセスによって製造されるポリカーボネートは、更に、意外なことに、電場強度に関して低い値を有し、高い電荷均一性を有する射出成形物品の製造にも好適である。イオン化装置を使用せずに既知の射出成形プロセスを用いて製造された射出成形物品に関して、例えば、平均電場強度に関して許容できる範囲内の値−20kV/m〜+20kV/mおよび電場強度の平均変化15kV/m以下が達成され得る。
溶融エステル交換法を用いて製造されたそのようなポリカーボネートは、今まで入手可能でなかったし、文献にも記述されていなかった。
従って、本発明は、更に、本発明のプロセスによって製造されるポリカーボネートにも関する。
これらのポリカーボネートは、好ましくは、150ppm以上、好ましくは200ppm以上、特に好ましくは250ppm以上のフェノール性末端OH基含量を有する。
末端OH基の量は、末端OH基のNMR測定、IR測定またはオンライン(on−line)IR測定によって決定され得る。更に、OH基は、測光によっても決定され得る。IR法および測光法は、Horbach,A.;Veiel,U.;Wunderlich,H.,Makromolekulare Chemie[Macromolecular Chemistry]1965,第88巻,215〜231頁に記述されている。本発明に関連してフェノール性OH基含量に関して定められる値をIR測定を用いて決定した。
溶融エステル交換法によって製造される常套のポリカーボネートを含有する射出成形体は、射出成形物品の表面における高く局所的に不均一な電場の蓄積の特性を有する。従って、例えば、このポリカーボネートを含有する光学データメディア用ディスクは、その射出成形法における製造中に高い電場を蓄積する。基材におけるこの高い場の強度は、例えば、環境からのダストの吸引または射出成形物品、例えばディスク、同士の付着を光学データ記憶装置の製造中に引き起こし、このことは、完成射出成形物品の品質を低下させ、更に、射出成形プロセスをより複雑にする。
更に、特に(光学データメディア用)ディスクにおける、静電荷の蓄積は、特に非極性媒体、例えば、非極性染料または溶媒、例えばジブチルエーテル、エチルシクロヘキサン、テトラフルオロプロパノール、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンもしくはオクタフルオロプロパノール、を含有する染料コート、での低い湿潤性をもたらす。従って、基材表面における電荷の高い蓄積は、例えば、書き込み可能なデータ記憶装置の場合、染料適用中、染料での不規則かつ不完全なコーティングを生じ、従って、情報層における欠陥を生じる。
本発明によるポリカーボネートが特に、一定の製造期間後に基材表面から規定距離において規定温度および大気湿度において測定される電場が一定の電場強度を超えない射出成形物品の製造に好適であることがわかった。許容できるコーティング挙動を達成するために、2時間の連続射出成形プロセス後に±20kV/mの電場強度を越えず、ディスク表面における静電場が非常に均一である、すなわち、ほとんど場の強さの変化がない、ことが望ましい。本発明によるポリカーボネートに関して平均電場強度に関して達成される値は、好ましくは−20〜+20kV/mであり、2時間の連続射出成形プロセス後に15kV/m以下の小さい場の変化を有する。電場強度の値は、一般的に、一時間以内に安定し、その後、単位時間あたり、わずかにしか変化しないかまたは全く変化しない。更に、本発明による支持材料に関する上記電場強度の値は、イオン化装置を使用せずに達成され得る。従って、ポリカーボネートの更なる加工においてイオン化装置の使用を実質的に減らし得る。
電場強度に関して上記特性を有するポリカーボネートを含有する射出成形体、例えば光学ディスク、は、染料での良好な被覆性によって区別される。このことは、欠陥のない書き込み可能層の適用、従って不具合のない製造プロセスを可能にするのに重要である。このことは、常套の支持材料と比較して実質的に損傷率の減少をもたらす。
対応する基材における表面電荷のために、電場強度は射出成形体の形状および寸法並びに射出成形プロセスのタイプに依存する。従って、電場強度の測定は、完成射出成形体、例えば光学データメディア用ディスク、に行うべきである。
電場強度に関する低い値は、本発明によるポリカーボネート中のフェノール性OH基の比較的高い含量を考慮すると特に意外である。
ポリカーボネートの重量平均分子量は、一般的にM=10000〜40000g/mol、好ましくは15000〜36000、特に好ましくは18000〜35000g/molである。重量平均分子量は、Mark−Houwink関係式による固有粘度によって決定される(G.V.Schulz,H.Horbach,Makromol.Chem.1959,29,93)。固有粘度は、DIN EN ISO 1628に従ってUbbelohdeキャピラリー粘度計を用いて25℃におけるポリカーボネートの塩化メチレン溶液の粘度を決定すると得られる。ポリカーボネートの重量平均分子量は、[η]=KxM α([η]:固有粘度;K:11.1x10−3ml/g;α:0.82)のMark−Houwink関係式によって得られる。
ポリカーボネートは、更に、好ましくは、塩様不純物含量が極めて低い。原子吸光分光法によって決定される塩様不純物に起因するアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンの量は、60ppm以下、好ましくは40ppm以下、特に好ましくは20ppm以下であるべきである。塩様不純物は、例えば使用される原材料由来の不純物およびホスホニウム塩およびアンモニウム塩に由来する。別のイオン、例えばFe、Ni、Cr、Zn、Sn、MoまたはAlイオン、およびそれらの同族体が原材料中に存在するかまたは使用されるプラントの材料からの除去または浸食に由来し得る。これらのイオン含量は、全部で2ppm以下、好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.5ppm以下である。
存在するアニオンは、当量の無機酸のアニオンおよび有機酸のアニオン(例えば、クロリド、スルフェート、カーボネート、ホスフェート、ホスファイト、オキサレートなど)である。
非常に少量のそのようなカチオンおよびアニオンが達成しようとされており、このためにできるだけ純粋な原材料を使用することが有利である。そのような純粋な原材料は、例えばその使用前の更なる精製操作によって、例えば再結晶、蒸留、再沈と洗浄などによって、ある程度不純な工業原料から得られ得る。
更に、本発明によるポリカーボネートは、別の通常の特性変更添加剤(例えば助剤および強化剤)を用いて提供してもよい。添加剤の添加は、使用期間を長くしたり(例えば加水分解安定剤や分解安定剤)、色彩安定性を改良したり(例えば熱安定剤および紫外線安定剤)、プロセスを平易にしたり(例えば離型剤、流動性改良剤)、性能特性を改良したり、防炎加工性を改良したり、外見に影響を与えたり(例えば有機着色剤、顔料)、ポリマー特性を所定の負荷に適応させたり(耐衝撃性改良剤、微細ミネラル、繊維材料、石英パウダー、グラスファイバー、カーボンファイバー)するのに役立つ。そのような添加剤は、例えば、“Plastics Additives”,R.Gaechter and H.Mueller,Hanser Publishers 1983に記述されている。
防炎加工剤、離型剤、紫外線安定剤および熱安定剤の量は、芳香族ポリカーボネートに関する当業者に既知の方法で選択される。しかしながら、冒頭に記述される理由により、使用される添加剤の量は、できるだけ少なく維持するべきである。そのような添加剤の例は、ステアリン酸および/またはステアリルアルコールベースの離型剤、特に好ましくはペンタエリトリトールステアレート、トリメチロールプロパントリステアレート、ペンタエリトリチルジステアレート、ステアリルステアレートおよびグリセリルモノステアレート、および通常の熱安定剤である。
所望の特性を達成するために、別の添加剤を互いに組み合わせてもよい。これらの添加剤は、ポリマー溶融物に単独で添加されても所望の混合物で添加されても複数の異なる混合物で添加されてもよく、特にポリマーの単離中にまたはグラニュールの溶融後いわゆる配合工程において直接添加される。
添加剤またはそれらの混合物は、固体として、すなわちパウダーとして、または溶融物としてポリマー溶融物に添加され得る。別の計量添加方法は、マスターバッチ、すなわち添加剤とポリマー、好ましくはポリカーボネートとの混合物であって、配合によって均一にされた混合物、または添加剤もしくは添加剤混合物のマスターバッチの混合物、の使用である。
これらの物質は、好ましくは常套のユニットにおいて完成ポリカーボネートに添加される。
好適な添加剤は、例えば、Additives for Plastics Handbook,John Murphy,Elsevier,オックスフォード1999年またはPlastics Additives Handbook Hans Zweifel,Hanser,ミュンヘン2001年に記述されている。
本発明によるポリカーボネートは、透明射出成形部品、特に被覆される射出成形部品、例えば、透明プレート、レンズ、光学記憶メディアまたは光学記憶メディア用基材または自動車用グレージングの分野の物品、例えばディフューザーディスク、用の支持材料として極めて好適である。従って、特に、光学記憶メディアまたは光学記憶メディア用基材、例えば良好な被覆性および湿潤性を有する書き込み可能光学データ記憶装置および、例えば溶液から、特に非極性媒体からの染料の適用に好適な書き込み可能光学データ記憶装置、が、本発明によるポリカーボネートから製造され得る。加えて、これらのポリカーボネートから製造された光学射出成形部品は汚れる傾向が少ない。
従って、本発明は、更に本発明によるポリカーボネートから製造される成形物品または押し出し品、例えば書き込み可能光学データ記憶装置用ディスクまたは自動車用グレージング、例えばディフューザーディスク、の分野の材料、にも関する。
本発明は、更に、光学データ記憶装置の製造に役立つ光学ディスクにも関する。本発明との関連で、光学ディスクは、射出成形ユニットまたは射出成形用金型を用いる射出成形プロセスによって製造される射出成形物品である。光学ディスクは、支持材料から製造され、被覆も後処理もされない。光学ディスクに関する非限定製造プロセスを実施例に記述する。従って、光学ディスクは、コーティングおよび後処理の前の光学データメディアの前駆体である。
以下の実施例は、本発明の具体的な説明に役立つが、限定とみなされない。
固有粘度/分子量:
重量平均分子量を、Mark−Houwink関係式による固有粘度によって決定する(G.V.Schulz,H.Horbach,Makromol.Chem.1959,29,93)。25℃におけるポリカーボネートの塩化メチレン溶液の粘度がDIN EN ISO 1628に従ってUbbelohdeキャピラリー粘度計を用いて決定されると固有粘度が得られる。ポリカーボネートの重量平均分子量は、Mark−Houwink関係式[η]=KxM α([η]:固有粘度;K:11.1x10−3ml/g;α:0.82)によって得られる。
フェノール性末端OH基含量
フェノール性末端OH基の含量を、Horbach等(Die Makromolekulare Chemie 88(1965)215〜231)によるTiCl錯体の光度定量によって決定した。
電場強度の測定
電場強度の測定を、完成射出成形部品(この場合、ディスク)において行った。これらの光学ディスクの製造に関して以下の射出成形パラメータおよび条件をセットした。
マシーン:Netstal Discjet
キャビティ:オーディオスタンパー
サイクル時間:4.4秒
溶融温度:310〜330℃
基材寸法:オーディオCD
キャビティ側の金型温度:60℃
射出成形プロセスの開始前に、新しいオーディオスタンパーをマシーンに挿入した。測定値がゆがめられないように、新しいスタンパーの挿入前に、全射出成形ユニットを洗浄して前の材料を除去した。更に、ディスクを最初にサイクル時間4.4秒で二時間射出成形した。このことは、静電荷の蓄積に関してユニットまたはディスクの安定代表状態が達成されることを可能にする。2時間の予備ランタイム後、次の100枚のディスクを全て以下に示すように測定した。
これらのディスクそれぞれを射出成形プロセスの終了直後にロボットアームを用いて射出成形金型からこのディスクを取り出し、ターンテーブルに置いた。ディスク上に存在する負荷(静電場)が実質的に悪影響を受けないように外側部分の四地点のみを用いてディスクをこのターンテーブルに保持した。ターンテーブルが電場強度の測定用測定プローブ(1160 Maple Ridge Road,Medina,N.Y.14103のTREK Inc.製のプローブ3455E)が存在する位置にディスクを持って行った後、ディスクを内部の穴の領域においてリフター(lifter)を用いてこの位置にグリップし、約2cm持ち上げた。従って、このディスクは、測定領域がディスクから半径35mmに向けられるように偶然載置されていた測定プローブから5mmの距離に存在した。その後、ディスクをプローブの下でモーターによって回転可能なこのリフターを用いて一回転移動させた。静電場を実質的に連続して(一回転あたり200測定地点)記録した。このために、プローブによってもたらされるシグナルを最初にアナログシグナルとして、測定デバイス(11601 Maple Ridge Rd.,Medina,N.Y.14103のTREK Inc.製のModel 341B)に伝達させ、そこでアナログ−デジタル変換器を用いてデジタル測定値(好適なソフトウェアを用いて得られる。)に変換する。従って、それぞれのディスクに関して、一回転あたり200の測定値を記録し、評価した。200の値の平均電場強度(Fmean)を平均値を決定することによって計算し、最大電場強度と最小電場強度と(FminとFmaxと)をそれぞれ決定した。100枚のディスクそれぞれに関して存在するFmean、FminおよびFmaxに関する値を全体で再度平均化した。このようにして平均電場強度、平均最大電場強度および平均最小電場強度を100枚のディスクのセットに関して得た。平均最大電場強度と平均最小電場強度との差を同様に引き算によって決定し、以下に場の強さの変化として示した。
例1(比較例)
ジフェニルカーボネート3741kg/時間(17.45kmol/時間)とビスフェノールA3759kg/時間(16.47kmol/時間)とを含有する溶融混合物7500kg/時間を受け器から、触媒混合物4.19kg/時間を添加してポンプ輸送し、熱交換機を通し、190℃に加熱し、12barかつ190℃においてドエルカラム(dwell column)を通して供給した。平均滞留時間は50分であった。触媒混合物はフェノール4.5kgに溶解されたテトラフェニルホスホニウムフェノレートのフェノール付加物0.52kg(テトラフェニルホスホニウムフェノレート0.786mol 65.5重量%を含む)からなる。
次に200mbarの圧力のもとで膨張弁を介して溶融物をセパレーターに通した。流出する溶融物を流下薄膜型蒸発器(falling−film evaporator)において同様に200mbarのもとで再度200℃に加熱し、受け器に収集した。20分の滞留時間後、この溶融物を次の三つの同様にデザインされた段階にポンプ輸送した。第2/第3/第4段階における圧力、温度および滞留時間の条件は、90/70/40mbar;223/252/279℃および20/10/10分であった。全ての蒸気を圧力調節しながら真空下においてカラムに送り込み、凝縮物(condensate)として除去した。
その後、オリゴマーを次のバスケット型リアクターにおいて280℃かつ4.7mbarで滞留時間45分で縮合して相対粘度1.195の高分子量生成物を生じた。蒸気を凝縮した。
溶融物の部分ストリーム150kg/時間を溶融ストリームからギアポンプを用いて枝分かれさせ、これを別のバスケット型リアクターに通し、1,2,3−プロパントリオールトリス(4−ベンゼンスルホネート)2.0g/時間を添加し、この混合物を、長さ対直径比20のスタティックミキサーによって供給し、メイン溶融ストリームに再循環させた。混合直後に、別のスタティックミキサーを用いて1,2,3−プロパントリオールトリス(4−ベンゼンスルホネート)を全ての溶融物ストリーム中に均一に分散させた。このように処理された溶融物を更に別のバスケット型リアクターにおいて294℃かつ0.7mbarかつ平均滞留時間130分の処理条件にさらし、放出し、グラニュール化した。
光学成形物品(ディスク)の製造および電場強度の測定を以下に記述されるように行った。このために、得られるグラニュールを6時間乾燥し、次にNetstal Discjet射出成形マシーン(上記参照。)を用いてサイクル時間4.4秒で上記パラメータのもと処理してディスクを生じた。使用されるキャビティはオーディオスタンパーであった。このプロセスの安定化のために、ディスクを最初に二時間製造し、次に平均電場強度および場の強さの変化をいずれの場合も次の100枚のディスクに関して決定した。
これらの100枚のディスクの平均電場強度の値および場の強さの変化を表1に示す。
フェノール性OH基含量:470ppm
ポリマーの固有粘度は36.5である。これは、分子量約M=19 450g/molに対応する。
例2〜18(比較例)
手順は、最終バスケット型リアクター、すなわち最終処理工程、後に種々の芳香族および脂肪族カルボン酸を材料に添加したこと以外、例1と同様であった。次に紡糸およびグラニュール化を行った。
ディスクの製造および電場強度の測定を上記のように行った。
それぞれ添加される芳香族および脂肪族カルボン酸、添加量および電場強度測定およびフェノール性OH含量の結果並びに固有粘度を表1に示す。
例19(比較例)
General Electric製の溶融エステル交換法によって製造される市販のポリカーボネート(Lexan(登録商標)OQ1025)を使用した。ディスクの製造および電場強度の測定を上記のように行った。結果を表1に示す。
例20〜25(本発明による)
手順は、最終バスケットリアクター、すなわち最終処理工程、後に種々の脂肪族ヒドロキシカルボン酸またはヒドロキシポリカルボン酸を材料に添加したこと以外、例1と同様であった。次に紡糸およびグラニュール化を行った。
ディスクの製造および電場強度の測定を上記のように行った。
それぞれ添加される脂肪族ヒドロキシジカルボン酸またはヒドロキシポリカルボン酸、添加量、場の強さの測定結果および得られるポリカーボネートのフェノール性OH含量の結果を表2に示す。全ての実施例および比較例に関する固有粘度は35.0〜40.0である。これは、分子量M18 500〜21 750g/molに対応する。上記本発明による実施例は、意外なことに、比較例と比較して実質的に小さい静電荷の蓄積および小さい場の強さの変化を示す。
Figure 2009114447
Figure 2009114447
表3および4において、例2および例21に関する個々の静電場測定を一例として詳細に示す。
それぞれのディスクに関して一回転あたり得られた200個の個々の値から平均電場強度(Fmean)を決定した。更に、ディスク一枚毎に決定されるそれぞれの最小の場の強さの値(Fmin)およびそれぞれの最大の場の強さの値(Fmax)を決定した。次に100枚のディスク全てに関する平均値をFmean、FminおよびFmaxから計算した。
Figure 2009114447

Figure 2009114447
見出された平均値はFmeanに関して−40.7kV/m(−41kV/mに四捨五入される。)、Fminに関して−58.3kV/mおよびFmaxに関して−22.6kV/mだった。従って、平均最大電場強度Fmaxと平均最小電場強度Fminとの差(これは本発明との関連で場の強さの変化と云われる。)は、−22.6−(−58.3)=35.7kV/mである(36kV/mに四捨五入される。)。
Figure 2009114447

Figure 2009114447
見出された平均値はFmeanに関して0.3kV/m(0kV/mに四捨五入される。)、Fminに関して−4.7kV/mおよびFmaxに関して3.4kV/mであった。従って、平均最大電場強度Fmaxと平均最小電場強度Fminとの差(これは本発明との関連で場の強さの変化と云われる。)は3.4−(−4.7)=8.1kV/m(8kV/mに四捨五入される。)である。
上記参考文献は全て有用な目的に関して参照することによって完全に組み込まれる。
本発明を具体的に表現する特定の構造を示し、記述しているが、基礎をなす本発明の概念の精神および範囲から逸脱することなく種々の改良および部品の再配置がなされ得ること並びに本明細書において示され記述された特定の形態に限定されないことが当業者に明らかである。

Claims (13)

  1. 少なくとも一種類のジヒドロキシアリール化合物と少なくとも一種類のジアリールカーボネートを少なくとも一種類の触媒の存在下において多段階法において反応させる工程を包含し、最終反応段階の前に少なくとも一種類の抑制剤を溶融物に添加し、一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を最終反応段階においてまたは最終反応段階後に添加する、溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造方法。
  2. 前記一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体が、一般式(VI)または(VII)
    Figure 2009114447
    (式中、
    、R、およびR は、互いに独立して、直鎖または分枝C〜C10−アルキレン基であり;
    、X、およびX は、互いに独立して、HまたはOHであり、X、X、またはXの少なくとも一つがOHであり;
    W は、H、COOH、カルボキシレート、またはアルキルカルボキシルであり;
    n は、1〜3の整数であり;
    m は、0または1〜3の整数であり;
    o は、0または1〜3の整数であり;かつ
    およびR は、互いに独立して、直鎖または分枝C〜C10−アルキル基またはアルカリ金属カチオン、好ましくはLi、NaまたはKである。)
    の一種類以上の化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 、R、およびR が、互いに独立して、直鎖、C〜C−アルキレン基であり;
    W が、COOHであり;
    n が、1であり;
    m が、0または1であり;
    o が、0または1であり;かつ
    およびR が、互いに独立して、直鎖または分枝C〜C−アルキル基である、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体が、リンゴ酸、リンゴ酸エステル、リンゴ酸モノエステル、酒石酸、酒石酸エステル、酒石酸モノエステル、ヒドロキシマロン酸、ヒドロキシマロン酸エステル、クエン酸、およびクエン酸エステルからなる群から選択される一種類以上の化合物である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも一種類の抑制剤が硫黄含有酸、有機硫黄含有酸のエステル、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも一種類のジヒドロキシアリール化合物が、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシビフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)アリール、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、1,1’−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、およびそれらの核アルキル化またはハロゲン化誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも一種類のジアリールカーボネートが一般式(II)
    Figure 2009114447
    (式中、
    R、R’、R’’ は、互いに独立して、水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリール、またはC〜C34−アリールであり、Rは、任意にCOO−R’’’であってもよく、R’’’は、水素、直鎖もしくは分枝C〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリール、またはC〜C34−アリールである。)
    を有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記少なくとも一種類の触媒が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびオニウム塩からなる群から選択される化合物である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記少なくとも一種類の触媒がオニウム塩である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ポリカーボネートが、一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を5〜500ppm含有し、フェノール性末端OH基含量が150ppm以上である、請求項1に記載の方法によって製造されるポリカーボネート。
  11. 請求項10に記載のポリカーボネートを含有する成形物品または押出品。
  12. 請求項10に記載のポリカーボネートを含有する光学データ記憶装置またはディフューザーディスク。
  13. 平均電場強度が−20〜+20kV/mであり、かつ場の強さの変化が15kV/m以下である、一種類以上の脂肪族ヒドロキシジカルボン酸および/またはヒドロキシポリカルボン酸またはそれらの誘導体を5〜500ppm含有し、フェノール性末端OH基含量が150ppm以上のポリカーボネートを含有する光学データ記憶装置の製造に関する光学ディスク。
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