JP3786344B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法及び芳香族ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法及び芳香族ポリカーボネート樹脂 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法及び芳香族ポリカーボネート樹脂に関する。詳しくは本発明は、いわゆるエステル交換法によるポリカーボネート樹脂の製造方法及びそれによって得られる芳香族ポリカーボネート樹脂に関し、より詳しくは不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて少なく、高温下での滞留安定性及び色相に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートは耐衝撃性等の機械的物性や透明性に優れており、種々の用途に広く用いられている。ポリカーボネートの製造方法としてはジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させるいわゆる界面法、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱減圧下においてエステル交換反応(重縮合反応)させるいわゆる溶融法などが知られている。後者は前者(界面法)に比べて工程が比較的単純であり、操作、コスト面で優位性が発揮できるだけでなく、毒性の強いホスゲンを使用しないという点において、環境保護の面からも最近注目されている。
【0003】
一方、エステル交換反応させる溶融法には、生成ポリカーボネート中に不純物として、特に原料成分ならびに反応副生成物または溶剤等の揮発性不純物が残留するという問題がある。かかる不純物の残留するポリカーボネートでは、溶融成形する際にその一部が熱分解して分子量が低下したり、透明性が低下したり、衝撃強度の低下や金型への付着を引き起こすといった問題があった。
【0004】
かかる問題の解決のために、重合して得られたポリカーボネートを減圧下に混練押し出し処理する方法、ポリカーボネートに水を添加しつつ混練した後、減圧処理する方法(特公平5−27647号公報、特公平5−48162号公報)、芳香族炭化水素又は飽和脂肪族炭化水素を添加しつつ混練した後、減圧処理する方法(特開平9−67433号公報、特開平9−157375号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、減圧下に混練する方法では、沸点が高い揮発性不純物の低減効果が不十分であり、水を添加する方法では、ポリカーボネートの加水分解が生じる恐れがある。また、芳香族炭化水素又は飽和脂肪族炭化水素を添加する方法では、多量の溶剤添加を必要とし、ポリカーボネートへの溶剤残留の面から見て未だに満足すべき方法とは言えない。また、いずれの方法においても生成ポリカーボネート中に残存する溶剤の量にまで言及しているものではない。
従って本発明の課題は、不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて少なく、高温下での滞留安定性、色相に優れた芳香族ポリカーボネートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の問題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネートとの相溶性の高い低沸点溶剤を使用することにより、少量の溶剤量で、揮発性不純物を効率よく低減することができ、更にはポリカーボネート中に残留する溶剤量も最少とし得ることを見いだし、これらの知見に基いて本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とを重合触媒の存在下にエステル交換法で溶融重合させて得られた芳香族ポリカーボネートを減圧下に溶融混練して芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する方法において、上記溶融混練部の芳香族ポリカーボネートに対して下記式(1)から計算される25℃における芳香族ポリカーボネートとのフローリー相互作用パラメータχiが1未満であり、かつ、常圧下における沸点が100℃以下である溶剤を添加し、芳香族ポリカーボネートを該溶剤の存在下で混練した後、減圧処理することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法、に存する。
【0008】
【数3】
χi=0.34+vi/RT*(δi−δpoly)2 (1)
vi:溶剤iの25℃における液体モル体積[cm3/mol]
δi:溶剤iの25℃における溶解度パラメータ[(cal/cm31/2
δpoly:ポリカーボネートの25℃における溶解度パラメータ
[(cal/cm31/2
R:気体定数[1.986cal/K/mol]
T:絶対温度[K]
【0009】
また本発明の他の要旨は、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とをエステル交換法で重合して得られた芳香族ポリカーボネートを、下記式(1)から計算される25℃における芳香族ポリカーボネートとのフローリー相互作用パラメータχiが1未満であり、かつ、常圧下における沸点が100℃以下である溶剤の存在下で混練した後、減圧処理して得られた芳香族ポリカーボネート樹脂であって、該ポリカーボネート樹脂中の該溶剤の含有量が30重量ppm以下であり、かつ、芳香族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステル及び芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量の合計が300重量ppm以下であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂、に存する
【0010】
【数4】
χi=0.34+vi/RT*(δi−δpoly)2 (1)
vi:溶剤iの25℃における液体モル体積[cm3/mol]
δi:溶剤iの25℃における溶解度パラメータ[(cal/cm31/2
δpoly:ポリカーボネートの25℃における溶解度パラメータ
[(cal/cm31/2
R:気体定数[1.986cal/K/mol]
T:絶対温度[K]
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明に係る芳香族ポリカーボネートを製造する原料としては、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とが用いられる。
原料の炭酸ジエステルは、下記の一般式(2)で表される。
【0012】
【化1】
Figure 0003786344
【0013】
(式中、A及びA′は炭素数1〜18の脂肪族基若しくは置換脂肪族基、又は芳香族基若しくは置換芳香族基であり、A及びA′は同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(2)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジフェニルカーボネートおよびジトリルカーボネートなどの置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられるが、好ましくはジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートであり、特にジフェニルカーボネートが好ましい。これらの炭酸ジエステルは単独で、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0014】
また、上記のような炭酸ジエステルと共に、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量でジカルボン酸、あるいはジカルボン酸エステルを使用してもよい。このようなジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどが用いられる。このようなカルボン酸、あるいはカルボン酸エステルを炭酸ジエステルと併用した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
もう一つの原料である芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記の一般式(3)で表される。
【0015】
【化2】
Figure 0003786344
【0016】
(式中、Bは1〜15の炭素数を有する炭化水素基、ハロゲン置換炭化水素基又は、−S−、−SO2−、−SO−、−O−及び−CO−基を示し、Xはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜8のオキシアルキル基又は炭素数6〜18のオキシアリール基を示し、相互に異なっていてもよい。mは0又は1であり、yはそれぞれ0〜4の整数であり、相互に異なっていてもよい。)
【0017】
一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。また、これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができ、必要に応じて共重合体とすることもできる。
【0018】
炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率は、所望する芳香族ポリカーボネートの分子量と末端ヒドロキシル基量とにより決められる。末端ヒドロキシル基量は製品ポリカーボネートの熱安定性と加水分解安定性に大きな影響を及ぼし、実用的な物性を持たせるためには1,000ppm以下にすることが好ましい。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して炭酸ジエステルを1モル以上用いるのが一般的であり、好ましくは1.01〜1.30モル、より好ましくは1.01〜1.20モルの量で用いられる。
【0019】
エステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造する際には、通常、エステル交換触媒(重縮合触媒)が使用される。エステル交換触媒としては、主として、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用され、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物あるいはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用することも可能である。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
触媒の量は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1×10-8〜1×10-5モルの範囲で用いられる。この量より少なければ、所定の分子量及び末端ヒドロキシル基量のポリカーボネートを製造するのに長時間必要な重合活性が得られず、他方、この量より多い場合には、ポリマー色相が悪化し、ゲルの発生による異物量も増大する傾向となる。特にアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、それらの金属量として1×10-8〜2×10-6モルの範囲が好ましく、0.5×10-7〜1×10-6モルの範囲がより好ましい。
【0021】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、リン酸水素塩又はフェニルリン酸塩等の無機アルカリ金属化合物や、ステアリン酸又は安息香酸等の有機酸類、メタノール、エタノール等のアルコール類、石炭酸、ビスフェノールA等のフェノール類との塩などの有機アルカリ金属化合物等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム又はバリウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩又は酢酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物や、有機酸類、アルコール類、フェノール類との塩などの有機アルカリ土類金属化合物などが挙げられる。
【0022】
塩基性ホウ素化合物の具体例としては、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素又はブチルトリフェニルホウ素等の水素化物、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩又はストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、あるいは四級ホスホニウム塩などが挙げられる。
【0023】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
【0024】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリンなどが挙げられる。
【0025】
エステル交換反応は、一般には2段階以上の多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応は減圧下に140〜260℃、好ましくは180〜240℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。反応圧力は107kPa以下の条件で行い、減圧度を上げながら副生するモノフェノール化合物をラインから連続的に除去しながら反応を行う。この時、必要に応じて窒素等の不活性ガスを流通させることもできる。また、モノフェノール化合物に同伴する原料を反応槽に戻すために分留塔を反応器に付設することもできる。最終的には0.3kPa以下の減圧下、240〜320℃の温度で重縮合反応を行う。
【0026】
反応の形式は、バッチ式、連続式、或いはバッチ式及び連続式の組合せのいずれの方法でもよい。使用する装置は、槽型、管型或いは塔型のいずれの形式であってもよく、各種の撹拌翼を具備した縦型重合槽、横型1軸または/及び横型2軸タイプの重合槽等を使用することができる。
反応は実質的に無酸素下で行われることが好ましく、例えば、運転開始前に原料調整槽、反応装置及び配管内を窒素ガス等の不活性ガスで置換しておくのがよい。通常、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融混合物を第1反応槽の縦型反応装置に供給する。触媒は、原料とは別のラインで第1反応槽に直接供給してもよいし、第1反応槽に入る手前の配管内でスタティックミキサーなどにより原料と混合した状態で供給してもよい。必要に応じて触媒を溶解あるいは懸濁するための溶媒が用いられる。好ましい溶媒としては水、アセトン、フェノール等が挙げられる。
【0027】
各反応槽の液供給口は反応槽側壁の液相部にあり、抜き出し口は反応槽底部にあるのが好ましい。また、各反応槽から反応液を連続して抜き出す方法としては、落差を利用する方法、圧力差を利用する方法、ギアポンプ等の送液ポンプを用いる方法など、反応液の物性に適応した方法を採用する。
重合反応の終了後、減圧手段を有する撹拌装置を用いて、ポリカーボネートに特定の溶剤を添加し、混練して減圧処理を行ない、揮発性不純物の含有量の少ないポリカーボネート樹脂を製造する。溶剤の添加に先立って安定剤を添加してもよく、あるいは、安定剤を溶剤との混合液として同時に添加してもよい。安定剤を溶剤との混合液として同時に添加する場合は、安定剤を別途添加混練する工程が省略でき、簡略化された工程で不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて少なく、高温下での滞留安定性、色相に優れたポリカーボネート樹脂を製造することができるので好ましい。
【0028】
このような安定剤としては公知の安定剤が有効に使用されるが、中でもスルホン酸のアンモニウム塩、スルホン酸のホスホニウム塩又はスルホン酸のエステルを使用するのが好ましい。
好適な安定剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩又はホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩又はホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩又はホスホニウム塩等が挙げられる。
特に、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩が好ましい。
【0029】
スルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニルなどが好ましく用いられる。
【0030】
溶融重合で得られるポリカーボネートに対する安定剤の添加量は、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物からなる主エステル交換(重縮合)触媒1モル当たり0.5〜50モルの割合で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用する。これは通常、ポリカーボネートに対し0.01〜500重量ppmの割合で使用することに相当する。
【0031】
本発明においては、このようにして得られたポリカーボネートに対して特定の溶剤を添加し、減圧手段を有する撹拌装置内で、ポリカーボネートを溶剤の存在下で混練した後、減圧処理する。
減圧手段を有する撹拌装置としては、パドル型等の攪拌機が設置され、ポリカーボネートの混練が可能で、かつ、真空ポンプ等によって装置内を減圧に維持する機能を有するものであれば、任意の型式のものが適用できる。なかでも、ポリカーボネートと溶剤との混練及び残留不純物の揮発性を高める目的で撹拌動力が高く、かつ、気液の表面更新性に優れたものが好ましく、具体的には縦型反応器、横型反応器、薄膜蒸発器、押出機等が用いられる。
【0032】
上記溶剤は、ポリカーボネート100重量部に対し、通常、0.01〜20重量部の割合で添加される。溶剤の添加量が少な過ぎると不純物の除去効果が不十分であり、一方、多過ぎると溶剤添加量の割には不純物除去効果が上昇しないため、経済的には不利となる。
上記溶剤としては、下記式(1)から計算される25℃における芳香族ポリカーボネートとのフローリー相互作用パラメータχiが1未満であるもの、好ましくは0.5未満のものが用いられる。
【0033】
【数5】
χi=0.34+vi/RT*(δi−δpoly)2 (1)
vi:溶剤iの25℃における液体モル体積[cm3/mol]
δi:溶剤iの25℃における溶解度パラメータ[(cal/cm31/2
δpoly:ポリカーボネートの25℃における溶解度パラメータ
[(cal/cm31/2
R:気体定数[1.986cal/K/mol]
T:絶対温度[K](ここではT=298K)
【0034】
なお、ポリマーの溶解度パラメータを、その定義通りに気化熱のデータから直接的に算出することができないことは知られており、上記ポリカーボネートの溶解度パラメータδpolyも間接的方法によって求める必要がある。この間接的方法の選択は特に限定されないが、代表的方法としては、Polymer Handbook,3rd.edition(1989)の第522〜523頁に記載された溶解性試験(Solvency Testing)があり、これは予め準備された溶解度パラメータ既知の標準溶媒のセットに対して溶解性を評価するものである。
【0035】
芳香族ポリカーボネートのδpolyの値もその組成によって変化するものであるが、上記溶解性試験によって得られた値[(cal/cm31/2]は通常、ほぼ9.3〜10.6の範囲内にあるので、上記式(1)の計算に際し、便法としてδpoly=10(cal/cm31/2の値を用いても、多くの場合、満足すべき評価結果が得られる。
【0036】
フローリー相互作用パラメータは、溶剤とポリカーボネートとの相溶性の尺度となるものであり、この値が低ければ両者間の相溶性が高いことが知られている。(上記Polymer Handbook,3rd.Edition,第521頁参照)相溶性が高いということは、溶剤とポリカーボネートとの混合において組成分布が小さく、より均一に分散していることを意味する。従って、上述したようなフローリー相互作用パラメータが1未満、好ましくは0.5未満の溶剤を使用すると、該溶剤はポリカーボネートの内部にまで均一に、しかも速い速度で移動し、内部に残留する揮発性不純物と効率よく接触し得る。そのため、その後の減圧処理の段階で溶剤が蒸発する際に、万遍なく周辺の揮発性不純物の分圧を低下させることができ、結果的に不純物の脱揮効率を向上させることが可能となると考えられる。
【0037】
さらに、上記溶剤としては、常圧における沸点が100℃以下のもの、好ましくは30〜80℃のものが用いられる。上述したように、フローリー相互作用パラメータの低い溶剤はポリカーボネートとの相溶性が高いため、ポリカーボネート内部からの蒸発速度は反対に遅くなる。従って、低沸点溶剤を使用することが、揮発性不純物の脱揮、及び溶剤の残留抑制に高い効果を得るために必要である。
このような溶剤としては、塩化メチレン、四塩化炭素、アセトンなどが挙げられ、なかでも塩化メチレンが好ましい。
【0038】
本発明において、ポリカーボネートを溶剤の存在下で溶融混練させる時間は、溶融混練部でのポリカーボネートの平均滞留時間で規定される。例えば、複数の単位処理ゾーンを有する押出機の場合はその総和として表されるものであるが、それが0.1〜100秒であるのが好ましい。溶剤の存在下で混練させる時間が短か過ぎる場合は、不純物除去効果が低下する。また長過ぎる場合は、品質的には特に問題は生じないものの生産量が低下することとなる。
【0039】
ポリカーボネートの混練時の温度条件は通常、200℃〜350℃、好ましくは220℃〜300℃である。ポリカーボネート樹脂の温度が200℃未満であると、溶剤とポリカーボネート樹脂との混練が困難であり、一方350℃を越えるとポリカーボネート樹脂が熱分解を起こす傾向がある。
減圧処理においては、溶融混練部又はその前の段階で添加された溶剤とポリカーボネート中に残留している揮発性不純物とを撹拌混合下で真空ポンプ等により減圧処理し、除去する。減圧条件としては、通常、0.01〜90kPa、好ましくは0.1〜70kPaが採用される。
【0040】
かかる減圧処理により、従来問題であったポリカーボネート樹脂の加水分解を防止しつつ、ポリカーボネート最終生成物中に残留していた不純物、特に原料成分及び反応副生成物又は溶剤等の揮発性不純物が効果的に除去できる。
また添加された上記安定剤が揮発性の化合物を含有していたり、あるいは熱分解により熱分解生成物を生成したとしても、減圧処理によって同時に除去される。
【0041】
得られたポリカーボネート樹脂中の揮発性不純物は少なければ少ないほど好ましい。残存する溶剤の含有量は通常、30重量ppm以下であるが、好ましくは20重量ppm以下である。また芳香族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステル及び芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量の合計は通常、300重量ppm以下であるが、好ましくは200重量ppm以下である。
【0042】
本発明においては、不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて少ないポリカーボネート樹脂を製造することができ、高温下での滞留安定性、色相に優れたポリカーボネート樹脂を製造することができる。またかくして製造されたポリカーボネート成型品の品質も著しく向上する。
減圧手段を有する撹拌装置に供給するポリカーボネートの形態は特に限定されるものではない。例えばポリカーボネートが溶融状態にある間にこれらを撹拌装置に供給して、連続的に減圧処理してもよい。またポリカーボネートを一旦ペレタイズした後、再溶融して供給してもよい。
【0043】
【実施例】
次に本発明の具体的態様を実施例により説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これら実施例によって限定されるものではない。なお実施例中のppmは特に断らない限り重量ppmである。また、以下の実施例において、ポリカーボネートについての分析は以下の方法により行った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中、20℃での極限粘度[η]を測定し、以下の式により求めた。
【0044】
【数6】
[η]=1.23×10-4×(Mv)0.83
【0045】
(2)初期色相
ポリカーボネート樹脂を、窒素雰囲気下、120℃で6時間乾燥した後、日本製鋼所製J−100型射出成形機を用いて3mm厚の射出成形片を樹脂温度280℃の条件で製作し、スガ試験機製SC−1によりYI値を測定した。
(3)残存フェノール(PHOH)、ジフェニルカーボネート(DPC)及びビスフェノールA(BPA)の含有量
得られたポリカーボネート2.5gを塩化メチレン15mlに溶解し、アセトンにより再沈殿させた。これを濾過した後、濾液を島津製作所製高速液体クロマトグラフィーで測定した。
【0046】
(4)溶剤の含有量
得られたポリカーボネートを330℃で10分間加熱し、発生したガスをトラップして、島津製作所製ガスクロマトグラフィーで測定した。
(5)360℃耐熱試験
ポリカーボネート樹脂を、窒素雰囲気下、120℃で6時間乾燥した後、日本製鋼所製J−100型射出成形機を用いて3mm厚の成形品を、360℃、10分間滞留で5ショット目の条件で製作し、スガ試験機製SC−1により透過法でYI値を測定した。
【0047】
実施例1
窒素雰囲気下、130℃で、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとを一定のモル比(DPC/BPA=1.060)で溶融混合し、130℃に加熱した原料導入管を介して常圧、窒素雰囲気下、210℃に制御した第1反応槽の縦型撹拌重合槽内に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ液面レベルを一定に保った。また、上記原料混合物の供給を開始すると同時に、触媒として水溶液とした炭酸セシウムをビスフェノールA1モルに対し、0.5×10-6モルの流量で連続供給した。槽底より排出された重合液は、引き続き第2、第3及び第4の縦型重合槽並びに第5の横型重合槽に逐次連続供給された。反応の間、各槽の平均滞留時間が60分になるように液面レベルを制御し、また同時に副生するフェノールの留去も行った。
【0048】
各反応槽の重合条件は、第2重合槽(210℃、13kPa、200rpm)、第3重合槽(240℃、2.0kPa、100rpm)、第4重合槽(260℃、0.07kPa、37rpm)、第5重合槽(270℃、0.07kPa、10rpm)であった。また、ポリカーボネートの製造速度は50kg/Hrで、運転を48時間継続した。
【0049】
このポリマーを溶融状態のまま、各バレルの中心及び押出機出口に内部温度測定用の温度計を設置し、3段減圧ベント口値を具備し、樹脂供給口に最も近いベント口(第一ベント口)の手前に酸性化合物圧入孔を有し、11個のバレルで構成された2軸押出機(神戸製鋼所(株)製、スクリュー径0.046m、L/D=40.2)に導入し、ポリカーボネートに対し5ppm相当のp−トルエンスルホン酸ブチルを連続的に添加した。なお、p−トルエンスルホン酸ブチルは、原液をフレーク状のポリカーボネートにミキサーを用いて分散させてマスターバッチを作製し、重量フィーダーを用いて、窒素雰囲気下、上記押出機に供給した。また第1ベント口と第2ベント口との間でポリマーに対して、表−1に示す条件で塩化メチレンを添加し、各ベント口で4.0kPa減圧下で、脱揮しながらペレット化した。こうして得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は15,400であり、ポリマー中の溶剤(塩化メチレン)、PHOH、DPC及びBPAの各含有量は、それぞれ8ppm、30ppm、130ppm及び25ppmであった。
【0050】
実施例2及び比較例1〜5
溶剤の種類及び添加量をそれぞれ表−1に示すように変更したほかは実施例1と同様の操作を行った。操作条件及び結果を表−1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003786344
【0052】
【発明の効果】
本発明により、不純物の含有量が少なく、高温下での滞留安定性及び色相に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂が提供される。

Claims (4)

  1. 炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とを重合触媒の存在下にエステル交換法で溶融重合させて得られた芳香族ポリカーボネートを減圧下に溶融混練して芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する方法において、上記溶融混練部の芳香族ポリカーボネートに対して下記式(1)から計算される25℃における芳香族ポリカーボネートとのフローリー相互作用パラメータχiが1未満であり、かつ、常圧下における沸点が100℃以下である溶剤を添加し、芳香族ポリカーボネートを該溶剤の存在下で混練した後、減圧処理することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
    Figure 0003786344
  2. 温度200〜350℃で混練した後、0.01〜90kPaの減圧下で減圧処理する、請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  3. 溶剤が塩化メチレンである、請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
  4. 炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とをエステル交換法で重合して得られた芳香族ポリカーボネートを、下記式(1)から計算される25℃における芳香族ポリカーボネートとのフローリー相互作用パラメータχiが1未満であり、かつ、常圧下における沸点が100℃以下である溶剤の存在下で混練した後、減圧処理して得られた芳香族ポリカーボネート樹脂であって、該ポリカーボネート樹脂中の該溶剤の含有量が30重量ppm以下であり、かつ、芳香族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステル及び芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量の合計が300重量ppm以下であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂。
    Figure 0003786344
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