JP3390585B2 - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の製造方法

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JP3390585B2
JP3390585B2 JP22507795A JP22507795A JP3390585B2 JP 3390585 B2 JP3390585 B2 JP 3390585B2 JP 22507795 A JP22507795 A JP 22507795A JP 22507795 A JP22507795 A JP 22507795A JP 3390585 B2 JP3390585 B2 JP 3390585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂の製造方法に関し、詳しくは不純物、特に揮発性不
純物の含有量が極めて少なく、熱安定性、色相安定性、
耐加水分解性に優れたポリカーボネート樹脂の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは耐衝撃性等の機械的
物性や透明性に優れており、種々の用途に広く用いられ
ている。ポリカーボネートの製造方法としてはジヒドロ
キシ化合物とホスゲンを直接反応させる界面法、あるい
はジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱減圧下
においてエステル交換反応させる溶融法などが知られて
いる。
【0003】ポリカーボネート樹脂の製造は、通常、重
合されたポリカーボネートを混練押出処理することによ
り行われているが、ポリカーボネート最終生成物中に不
純物、特に原料成分ならびに反応副生成物または溶剤等
の揮発性不純物が残留するという問題がある。かかる不
純物の残留するポリカーボネートでは、溶融成形する際
にその一部が熱分解して分子量が低下したり、透明性が
低下したり、着色したりなどの問題がある。
【0004】かかる問題の解決のために、重合して得ら
れたポリカーボネートを減圧下に混練押出する方法や、
水を添加しつつ混練押出する方法、およびこれらを組み
合わせた方法が提案されている。しかしながら減圧下に
混練押出する方法では沸点が高い揮発性不純物の低減効
果が不十分であり、水を添加する方法ではポリカーボネ
ートの加水分解が生じる恐れがあり、未だに満足できる
解決策は得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
カーボネート樹脂の製造方法に関し、不純物、特に揮発
性不純物の含有量が極めて少なく、熱安定性、色相安定
性、耐加水分解性に優れたポリカーボネート樹脂の製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リカーボネートを減圧ベント口を有する押出機を用いて
溶融混練しポリカーボネート樹脂を製造する方法におい
て、押出機の混練部に、ポリカーボネート100重量部
に対し飽和脂肪族炭化水素を0.1〜20重量部添加
し、ポリカーボネートを飽和脂肪族炭化水素の存在下で
混練せしめた後、減圧処理することを特徴とするポリカ
ーボネート樹脂の製造方法である。
【0007】本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法
によれば、不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて
少ないポリカーボネート樹脂を製造することができ、成
型時の熱安定性、色相安定性、耐加水分解性に優れたポ
リカーボネート樹脂を製造することができる。
【0008】本発明において、減圧ベント口を有する押
出機に供給されるポリカーボネートとしては様々な方法
により得られたものを用いることができ、例えば、塩化
メチレン等の溶剤中で、公知の酸受容体、分子量調製剤
の存在下、2価フェノールとホスゲンのようなカーボネ
ート前駆体との反応によって製造されるもの、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルを重合触媒の
存在下、溶融状態でエステル交換(溶融重合)させて製
造されるものがあり、特に後者において従来の方法と比
較して大きな効果が得られるため好ましい。
【0009】溶融重合に使用される芳香族ジヒドロキシ
化合物としては特に制限はないが、例えば2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパンなど
のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1
−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビ
ス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのジヒドロキシ
アリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィド
類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドな
どのジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジヒドロキシア
リールスルホン類等が用いられる。特に2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0010】溶融重合で使用される芳香族炭酸ジエステ
ルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のア
リール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具
体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネー
ト、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフ
ェニル)カーボネート等が挙げられる。
【0011】上記のような芳香族炭酸ジエステルは芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1.00〜1.
30モル、好ましくは1.005〜1.10モルの量で
用いられる。
【0012】溶融重合では、上記のような芳香族ジヒド
ロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとのエステル交換
反応によりポリカーボネートを製造するに際し、重合速
度を速めるために重合触媒を用いることができる。
【0013】このような重合触媒は、アルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物を主成分として、必要に応
じ含窒素塩基性化合物を従成分として構成される。
【0014】アルカリ金属化合物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウ
ム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リ
チウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安
息香酸リチウムなどが挙げられる。
【0015】アルカリ土類金属化合物としては、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水
酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バ
リウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げら
れる。
【0016】含窒素塩基性化合物としては、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、トリフェニルアミン等が挙げられる。
【0017】上記の重合触媒は単独で使用しても良い
し、組み合わせて使用しても良い。
【0018】これらの重合触媒の使用量はアルカリ金属
化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の場合は
芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し1×10-7〜1
×10-4 当量、好ましくは1×10-6〜5×10-5
量の範囲で選ばれる。
【0019】また、含窒素塩基性化合物を従成分として
使用する場合は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対
し1×10-5〜1×10-3 当量、好ましくは1×10
-5〜5×10-4 当量の範囲で選ばれる。
【0020】アルカリ金属化合物および/またはアルカ
リ土類金属化合物と、含窒素塩基性化合物を組み合わせ
て使用する場合は、好ましい使用量は上記範囲の和に相
当し、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し1×10
-7〜1×10-3 当量、好ましくは1×10-6〜5×1
-4 当量が選ばれる。
【0021】溶融重合では必要に応じその他の化合物を
補助触媒として用いることもできる。このような化合物
としては、ホウ素やアルミニウムの水酸化物のアルカリ
金属やアルカリ土類金属塩、第4級アンモニウム塩類、
アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、ア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合
物類、ホウ素化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化
合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスニウム化
合物類、アンチモン化合物類、ジルコニウム化合物類な
どの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用され
る触媒を用いることができるがこれらに限定されるもの
ではない。補助触媒を用いる場合1種だけを用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】溶融重合は、従来知られているように不活
性ガス雰囲気下で加熱しながら撹拌して生成する芳香族
モノヒドロキシ化合物を留出させることで行われる。反
応温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後期
には系の減圧度を10〜0.1Torrに高めて生成す
る芳香族モノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせて反
応を完結させる。
【0023】本発明において、減圧ベント口を有する押
出機に供給されるポリカーボネートはいかなる形態でも
良く、例えば、粉末状態、ペレット状態、溶融状態を挙
げることができ、界面重合で得られたポリカーボネート
の場合は粉末状で、溶融重合で得られたポリカーボネー
トの場合は溶融状態で供給されるのが一般的である。ポ
リカーボネートの固有粘度は0.3以上が好ましい。
【0024】上記の如きポリカーボネートを混練押出処
理して揮発性不純物の含有量の少ないポリカーボネート
樹脂を製造するわけであるが、事前に安定剤を添加して
おいても良い。特に重合触媒が含まれる溶融重合で得ら
れるポリカーボネートの場合は安定剤を添加して耐熱性
を向上させておくことが好ましい。
【0025】このような安定剤としては公知の安定剤が
有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニ
ウム塩、スルホン酸のホスホニウム塩、スルホン酸のエ
ステルが好ましい。
【0026】ドデシルベンゼンスルホン酸のエステル、
アンモニウム塩、ホスホニウム塩、パラトルエンスルホ
ン酸のエステル、アンモニウム塩、ホスホニウム塩やベ
ンゼンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩、ホスホ
ニウム塩を使用することもできる。
【0027】特に、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸テトラ
ブチルアンモニウム塩が好ましい。
【0028】スルホン酸のエステルとして、ベンゼンス
ルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼン
スルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベン
ゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチ
ル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスル
ホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラ
トルエンスルホン酸フェニルなどが好ましく用いられ
る。
【0029】溶融重合で得られるポリカーボネートに対
する安定剤の添加量は、アルカリ金属化合物、アルカリ
土類金属化合物より選ばれた前記主重縮合触媒1モルあ
たり0.5〜50モルの割合で、好ましくは0.5〜1
0モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合
で使用する。これは通常、ポリカーボネートに対し0.
01〜500ppmの割合で使用することに相当する。
【0030】本発明においては、このようにして得られ
たポリカーボネートを減圧ベント口を有する押出機に供
給し、押出機の混練部に、ポリカーボネート100重量
部に対し飽和脂肪族炭化水素を0.1〜20重量部添加
し、ポリカーボネートを飽和脂肪族炭化水素の存在下で
混練せしめた後、減圧処理することを特徴とする。
【0031】押出機は、混練部、シール部および減圧部
からなる単位処理ゾーンを有する。単位処理ゾーンの数
は、1つでもよいが複数個有することが好ましい。
【0032】混練部には、パドル型等の撹拌翼が設置さ
れ、ポリカーボネートの混練を行う。飽和脂肪族炭化水
素の添加口は混練部において、ポリカーボネートの進行
方向の上流側に設置することが好ましい。
【0033】シール部は、混練部と減圧部の中間に位置
し、減圧部の減圧状態を維持する機能を有する。
【0034】減圧部には、ベント口が設置され真空ポン
プ等によって減圧部内は減圧に維持される。
【0035】ここで飽和脂肪族炭化水素はポリカーボネ
ート樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部の割合
で添加される。飽和脂肪族炭化水素の添加量が0.1重
量部未満であると、揮発性不純物の除去が不十分であ
り、一方20重量部を越えると飽和脂肪族炭化水素添加
量の割には不純物除去効果が上昇しないため、経済的に
不利となる。
【0036】複数の単位処理ゾーンを有する場合は、各
々のゾーンにおける飽和脂肪族炭化水素の添加量を上記
範囲にすることが好ましい。
【0037】飽和脂肪族炭化水素は、常温、常圧におけ
る沸点が30〜270℃、好ましくは50〜200℃、
さらに好ましくは50〜150℃のものが用いられる。
【0038】このような飽和脂肪族炭化水素としては、
2−メチルブタン、ペンタン、2,2−ジメチルブタ
ン、2,3−ジメチルブタン、ヘキサン、2−メチルペ
ンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルペンタ
ン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペン
タン、3,3−ジメチルペンタン、へプタン、2−メチ
ルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2,3−トリメ
チルブタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,5−ジメ
チルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、ヘキサメチ
ルエタン、2−メチルへプタン、4−メチルへプタン、
オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,
4−トリメチルペンタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、1−ペンタ
デカンなどが挙げられる。
【0039】本発明において、ポリカーボネートを飽和
脂肪族炭化水素の存在下で混練させる時間は、混練部で
のポリカーボネートの平均滞留時間で規定される。複数
の単位処理ゾーンを有する押出機の場合はその総和とし
て表されるものであるが、0.1〜100秒が好まし
い。飽和脂肪族炭化水素の存在下で混練させる時間がこ
れより短い場合は、不純物除去効果が低下するため好ま
しくない。またこれより長い場合は、品質的には特に問
題は生じないものの生産量が低下する。
【0040】ポリカーボネートの混練時の温度条件は2
00℃〜350℃、好ましくは220℃〜300℃の温
度で行われる。ポリカーボネート樹脂温度が200℃未
満であると、飽和脂肪族炭化水素とポリカーボネート樹
脂との混練が困難であり、一方350℃を越えるとポリ
カーボネート樹脂が熱分解を起こすため好ましくない。
【0041】減圧部では、混練部で添加された飽和脂肪
族炭化水素とポリカーボネート中に存在していた揮発性
不純物を真空ポンプ等により減圧処理し、除去する。減
圧処理条件としては、0.1〜700mmHg、好まし
くは1〜500mmHgが使用される。
【0042】単位処理ゾーンの減圧部でのポリカーボネ
ートの滞留時間は、0.1〜10秒程度である。
【0043】かかる減圧処理により、従来問題であった
ポリカーボネート樹脂の加水分解を防止しつつ、ポリカ
ーボネート最終生成物中に残留していた不純物、特に原
料成分ならびに反応副生成物または溶剤等の揮発性不純
物が効果的に除去できる。
【0044】また添加された上記安定剤が揮発性の化合
物を含有していたり、あるいは熱分解により熱分解生成
物を生成しても、減圧処理によって同時に除去できる。
【0045】本発明においては、不純物、特に揮発性不
純物の含有量が極めて少ないポリカーボネート樹脂を製
造することができ、成型時の熱安定性、色相安定性、耐
加水分解性に優れたポリカーボネート樹脂を製造するこ
とができる。またかくして製造されたポリカーボネート
成型品の品質も著しく向上する。
【0046】押出機に供給するポリカーボネートの形状
としては特に限定されるものではない。例えば上記に示
した安定剤を添加した後、ポリカーボネートが溶融状態
にある間にこれらを押出機に供給して、連続的に減圧処
理してもよい。また上記に示した安定剤を添加したポリ
カーボネートを一旦ペレタイズした後、再溶融して供給
してもよい。後者においては上記に示した安定剤がすで
に含有されているため、溶融時の熱安定性、色相安定
性、耐加水分解性等が向上しており、再溶融しても特に
ポリカーボネートの熱分解が抑制され、分子量が低下し
にくい。また該ポリカーボネートは透明性が低下した
り、着色したりなどの問題が起こりにくい。
【0047】本発明では、上記に示した安定剤を添加し
た後のポリカーボネートを押出機に供給し、該混練部に
飽和脂肪族炭化水素を添加した後、減圧処理しながらペ
レット化する。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、反応生成物であるポリ
カーボネートを減圧ベント口を有する押出機に供給し、
混練部にポリカーボネート100重量部に対し飽和脂肪
族炭化水素を0.1〜20重量部添加し、飽和脂肪族炭
化水素の存在下で混練せしめた後、減圧処理すること
で、不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて少ない
ポリカーボネート樹脂を製造することができ、成型時の
熱安定性、色相安定性、耐加水分解性に優れたポリカー
ボネート樹脂を製造することができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。な
お実施例中のppmは特に断らないかぎり重量ppmで
ある。また以下の実施例においてポリカーボネートの物
性等は以下のようにして測定した。固有粘度は、0.7
g/dlの塩化メチレン溶液をウベローデ粘度計を用い
て測定した。ペレットカラーは、日本電色工業製の色差
計で測定した。ポリカーボネート樹脂中の残存不純物、
フェノール量、ビスフェノールA量、ジフェニルカーボ
ネート量は、東ソー製高速液体クロマトグラフィーで測
定した。
【0050】[実施例1〜8]2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン1モルに対し、1.05モル
の割合でジフェニルカーボネートを撹拌機を備えた溶融
槽に仕込み、窒素置換後150℃で溶解した。
【0051】次いで、該溶融混合物を精留塔を備えた竪
型撹拌槽に移送し、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン1モルに対し、2×10-6 当量のビス
フェノールAジナトリウム塩と1×10-4 当量のテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシドを加え、反応温度1
80℃、反応圧力100mmHgに維持しつつ生成した
フェノールを精留塔より除去して反応を行い、次いで反
応温度を200℃、反応圧力を30mmHgとして初期
重合を行った。
【0052】次いで、270℃、1mmHgに保った精
留塔を有しない竪型撹拌槽に前記初期重合後のポリマー
を供給し、固有粘度0.35を目標としてポリカーボネ
ートを製造した。
【0053】次いで溶融状態にある該樹脂に安定剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩を、ポリカーボネートに対し20ppm添加し、減
圧のまま0.5時間混合した後に全量ペレット化した。
【0054】得られたペレットの固有粘度は0.34
8、色相b値は0.1であり、フェノール含有量は18
0ppm、ビスフェノールA含有量は100ppm、ジ
フェニルカーボネート含有量は220ppmであった。
【0055】得られたポリカーボネートを、30mmの
3段ベント付3段添加口付2軸押出機(単位処理ゾーン
数=3)を用いて、飽和脂肪族炭化水素としてへプタン
を使用して、表1〜3に示す混練押出条件で減圧処理し
ペレット化した。得られたポリカーボネート樹脂中の残
存フェノール量、ビスフェノールA量、ジフェニルカー
ボネート量、および固有粘度、色相b値の測定結果を表
1〜3に示す。
【0056】[実施例9]安定剤として、表4に示す量
のパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩
を用い、表4に示す混練条件で混練を実施した以外は実
施例1〜8と同様にポリカーボネート樹脂を製造した。
得られたポリカーボネート樹脂中の残存フェノール量、
ビスフェノールA量、ジフェニルカーボネート量、およ
び固有粘度、色相b値の測定結果を表4に示す。
【0057】[実施例10]安定剤として、表5に示す
量のパラトルエンスルホン酸ブチルを用い、表5に示す
混練条件で混練を実施した以外は実施例1〜8と同様に
ポリカーボネート樹脂を製造した。得られたポリカーボ
ネート樹脂中の残存フェノール量、ビスフェノールA
量、ジフェニルカーボネート量、および固有粘度、色相
b値の測定結果を表5に示す。
【0058】[比較例1〜4]実施例1〜8で重合を行
い、安定剤を添加したポリカーボネートを、同じ30m
mの3段ベント付3段添加口付2軸押出機(単位処理ゾ
ーン数=3)を用いて、飽和脂肪族炭化水素としてへプ
タンを使用して、表6および7に示す混練押出条件で減
圧処理しペレット化した。得られたポリカーボネート樹
脂中の残存フェノール量、ビスフェノールA量、ジフェ
ニルカーボネート量、および固有粘度、色相b値の測定
結果を表6および7に示す。
【0059】[比較例5]実施例1〜8で重合を行い、
安定剤を添加したポリカーボネートを、同じ30mmの
3段ベント付3段添加口付2軸押出機(単位処理ゾーン
数=3)を用いて、飽和脂肪族炭化水素の代わりに水を
使用して、表8に示す混練押出条件で減圧処理しペレッ
ト化した。得られたポリカーボネート樹脂中の残存フェ
ノール量、ビスフェノールA量、ジフェニルカーボネー
ト量、および固有粘度、色相b値の測定結果を表8に示
す。
【0060】[比較例6]実施例1〜8で重合を行い、
安定剤を添加したポリカーボネートを、同じ30mmの
3段ベント付3段添加口付2軸押出機(単位処理ゾーン
数=3)を用いて、飽和脂肪族炭化水素を添加せずに表
9に示す混練押出条件で減圧処理しペレット化した。得
られたポリカーボネート樹脂中の残存フェノール量、ビ
スフェノールA量、ジフェニルカーボネート量、および
固有粘度、色相b値の測定結果を表9に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−239333(JP,A) 特開 平5−9285(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネートを減圧ベント口を有す
    る押出機を用いて溶融混練しポリカーボネート樹脂を製
    造する方法において、押出機の混練部に、ポリカーボネ
    ート100重量部に対し飽和脂肪族炭化水素を0.1〜
    20重量部添加し、ポリカーボネートを飽和脂肪族炭化
    水素の存在下で混練せしめた後、減圧処理することを特
    徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 飽和脂肪族炭化水素の常温、常圧におけ
    る沸点が30〜270℃であることを特徴とする請求項
    1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネートが、芳香族ジヒドロキ
    シ化合物と芳香族炭酸ジエステルとを溶融重合せしめて
    得られたポリカーボネートであることを特徴とする請求
    項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネートが、芳香族ジヒドロキ
    シ化合物1モルに対して1×10-7〜1×10-3 当量
    の割合の、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ
    土類金属化合物と含窒素塩基性化合物とからなる重合触
    媒の存在下で溶融重合せしめて得られたポリカーボネー
    トに対し、安定剤を0.01〜500ppmの割合で加
    えたポリカーボネートであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 安定剤として、スルホン酸のアンモニウ
    ム塩、スルホン酸のホスホニウム塩およびスルホン酸の
    エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用
    することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 安定剤として、ドデシルベンゼンスルホ
    ン酸のエステル、アンモニウム塩、ホスホニウム塩から
    なる群より選ばれる少なくとも1種を使用することを特
    徴とする請求項4に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 安定剤として、パラトルエンスルホン酸
    のエステル、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ベンゼ
    ンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩、ホスホニウ
    ム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用する
    ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリカーボネートの混練を、温度200
    〜350℃で0.1〜100秒間、飽和脂肪族炭化水素
    の存在下で混練せしめた後、0.1〜700mmHgの
    減圧下で処理することを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載の製造方法。
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