JP3685559B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用の衣類乾燥機は、湿った衣類を収容したドラム内に乾燥した熱風を供給し、衣類から蒸発した水分を含む湿った熱風を冷却することにより除湿し、乾燥させた空気をヒータにて再加熱してドラムへ循環する構成となっている。ドラムは水平軸を中心にゆっくりと回転され、これによりドラム内の衣類は攪拌されてむらのない乾燥が実行される。
【0003】
このような衣類乾燥機では、良好な乾燥を実現するために、ヒータのON/OFF制御が行なわれる。従来知られている衣類乾燥機では、例えば、正特性サーミスタで構成された2個のヒータが用いられ、ドラムの出口付近に設けられた温度センサによって検出されるドラム出口温度に基づき2個のヒータのON/OFFが制御される。
【0004】
具体的には、ドラム出口温度が所定温度に到達するまでは2個のヒータを共にONし、ドラム出口温度が所定の上限温度に到達したならば、それ以上の温度上昇を抑えるために2個のヒータを共にOFFする。そして、ドラム出口温度が下降し所定の下限温度まで下がったときに再び2個のヒータを共にONし再加熱を行なう。また、熱に弱い繊維の衣類や特に少量の衣類を乾燥する際には、低い温度で乾燥を行なうために「ヒータ弱」を選択できるようにし、「ヒータ弱」が選択されたときにはヒータ1個を常にOFFさせ、他の1個のヒータをON/OFF制御することにより乾燥を実行する。
【0005】
ところで、このような衣類乾燥機では、靴や小物等をドラム内で攪拌せずに静止状態で乾燥するために静止乾燥棚が用いられる。静止乾燥棚は、ドラム手前側の衣類投入口の下部とドラム内部奥の回転中心との間に保持される構造を有してとおり、ドラムが回転しても棚自体は静止状態を保つようになっている。
【0006】
上記静止乾燥棚は、家庭で洗濯されたドライクリーニング用衣類を攪拌せずに乾燥するためにも有用である。ドライクリーニング用衣類は特に布傷みし易いものが多いため、ドライクリーニング用衣類の静止乾燥においては、「ヒータ弱」を選択して弱い加熱により乾燥を行なうことが使用者に推奨されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、静止乾燥では通常のドラム回転による乾燥と異なった空気の流れを生じるため、次のような問題があった。すなわち、ドラム手前側の空気取入口からドラム内に供給された熱風は静止乾燥棚付近を通過してドラム奥の空気出口からドラム外側に抜けるが、静止乾燥時にはドラム内で衣類が攪拌されているときと比較して熱風の障害が少ない。このため、ドラム内に吹き込んだ熱風がドラム内で滞留する時間が短く、スムーズに空気出口へ到達してしまう。
【0008】
この結果、ドラム出口温度が所定の上限温度に到達したときヒータをOFFすると、ドラム内の温度は急速に低下する。勿論、この温度低下はドラム出口温度により検知できるが、温度低下が急激であると検知が遅れてドラム内の温度は所定の下限温度よりも大きく下がってしまう。つまり、下限温度と上限温度との間の範囲にドラム出口温度が収まるようにヒータのON/OFFを制御すべきところが、この温度範囲よりもドラム出口温度の変動が大きくなる。このような大きな温度変動は衣類の布傷みの原因となる。
【0009】
更に、上述のようにドラム出口温度が一旦下がり過ぎると、次にヒータをONしたときに温度上昇の立ち上がりが鈍く、温度が高くなるまでに時間を要する。このため、乾燥性能が劣化することになる。
【0010】
本発明は上記問題を解決するために成されたもので、その目的とするところは、静止乾燥において衣類の布傷みが少ない良好な乾燥を行なうことができる衣類乾燥機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明の衣類乾燥機は、衣類を収容した回転ドラムに加熱ヒータにて加熱した熱風を送り込み、該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に該乾燥風を循環させる衣類乾燥機において、
a)ドラムを通過した直後の熱風の温度を検出する温度検出手段と、
b)該温度検出手段により検出された温度が所定の上限温度に到達したか否かを判定する判定手段と、
c)ドラムへ送り込む空気を熱するためのn個(nは3以上)の加熱ヒータと、
d)該加熱ヒータへの通電を制御する加熱制御手段であって、第1の運転モードにおいて、前記判定手段により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには2個以上且つ(n−1)個以下の加熱ヒータを通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると少なくとも1個の加熱ヒータを残して他の加熱ヒータへの通電を停止する加熱制御手段と、
を備え、
前記第1運転モードは、ドラム内部に静止状態に保たれる静止乾燥棚を取り付け、該静止乾燥棚上に衣類を載置して乾燥を行なう際に実行し、
更に、前記加熱制御手段は、ドラム回転により衣類が攪拌される通常の乾燥運転における第2の運転モードにおいて、前記判定手段により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには最大n個の加熱ヒータを通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止する
ことを特徴としている。
【0014】
また、上記衣類乾燥機において、前記加熱制御手段は、第3の運転モードにおいて、前記判定手段により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには2個以上且つ(n−1)個以下の加熱ヒータを通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止する構成とすると一層好ましい。
【0015】
更に、上記衣類乾燥機において、前記判定手段は、前記温度検出手段により検出された温度が所定の下限温度まで下降したか否かを判定し、前記加熱制御手段は、検出温度が所定の上限温度に到達したと判定され加熱ヒータへの通電を停止した後に該検出温度が所定の下限温度まで下降したと判定されたとき、再び第1乃至第3の運転モードに応じた加熱ヒータへの通電を行なうことを特徴としている。
【0016】
なお、上記衣類乾燥機において、第1乃至第3の運転モードにおける所定の上限温度は各運転モード毎に変えると一層効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る衣類乾燥機は、3個以上の加熱ヒータを備えており、加熱制御手段により各加熱ヒータへの通電が制御される。例えば、加熱ヒータが3個である場合、加熱制御手段は、判定手段により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには2個の加熱ヒータを通電させ、検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されるとその2個の内の1個の加熱ヒータへの通電を停止する。すなわち、第1の運転モードでは、3個設けられた加熱ヒータの内、加熱に使用されるのは最大2個であり、検出温度が所定の上限温度に到達するまでは2個の加熱ヒータに通電がなされ、上限温度に到達すると1個の加熱ヒータのみに通電がなされる。
【0018】
2個の加熱ヒータに通電される場合には、3個の加熱ヒータに通電される場合に比べてドラムに供給される加熱空気の温度は低くなるので、ドラム内の温度上昇の勾配は緩やかになる。また、検出温度が所定の上限温度に到達したときにはドラム内の温度上昇を抑えるために1個の加熱ヒータへの通電が停止されるが、他の1個の加熱ヒータには通電が継続されるので、全加熱ヒータへの通電が停止される場合に比べて温度降下の勾配は緩やかになる。このため、温度の上昇及び下降共にその勾配が緩やかであるので、温度を狭い範囲内に制御することが容易になる。
【0019】
特に、ドラム内部に静止乾燥棚を取り付け静止乾燥棚上に衣類を載置して静止乾燥を実行する際には、ドラム内を熱風が通り抜け易いため、ドラム内の温度の上昇及び降下が急激になりがちである。このため、上記の如き加熱ヒータの制御を行なうようにすれば、温度の上昇及び降下を緩やかにすることができ、温度制御が容易になる。
【0020】
第1の運転モードでは、ドラム内の温度を高温にするために時間を要する。また、通常の回転ドラムによる乾燥運転でドラム内に多量の衣類が収容されているときには熱風がドラム内に滞留し易いため、第1の運転モードのように検出温度が所定の上限温度に到達した後も加熱ヒータの一部に通電し続けると、ドラム内の温度が暫時上昇し続ける可能性もある。
【0021】
そこで、通常の乾燥運転においては、第2の運転モードのように、加熱制御手段は、検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには最大3個の加熱ヒータを通電させ、検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止する。
【0022】
また、通常の乾燥運転においても、例えば、衣類の量が少ない場合や薄手の衣類等、布傷みを生じ易い衣類の乾燥を行なう場合、第3の運転モードのように、加熱制御手段は、検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには最大2個の加熱ヒータを通電させ、検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止する。
【0023】
第1乃至第3の運転モードにおいて、検出温度が所定の上限温度に到達したと判定され一部又は全ての加熱ヒータへの通電を停止した後に温度が下降し、検出温度が所定の下限温度まで下降したと判定されると、それ以下の温度を下げないようにするため、再び加熱が開始される。このような加熱ヒータの通電制御により、上限温度と下限温度とにより定まる範囲に検出温度がほぼ収まる。
【0024】
第1乃至第3の運転モードにおいて乾燥対象とする衣類の種類(繊維の種類等)は異なるから、適正な乾燥を行なうためには所定の上限温度を適宜に定めて、その上限温度に達したときに加熱ヒータの一部又は全部への通電を停止するようにすると良い。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る衣類乾燥機によれば、ドラムを通過した熱風の温度が所定の上限温度に到達したときに、少なくとも1個の加熱ヒータには通電が継続される。これにより、ドラム内の温度は緩やかに低下するから、ドラム内の温度を狭い温度範囲内に収めように制御することが容易になる。この結果、ドラム内の衣類の温度変動が小さくなるので衣類の布傷みを少なくすることができ、特に静止乾燥棚を用いてドライクリーニング専用の衣類を乾燥する場合にも衣類の布傷みの少ない良好な乾燥が行なえる。
【0026】
また、静止乾燥でなく通常のドラム回転による乾燥運転においては、それに合った適切な加熱制御が行なわれるので、良好な乾燥を達成することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明による衣類乾燥機の一実施例を図1〜図12に基づいて説明する。まず、この衣類乾燥機の全体構成を図1の側面縦断面図を参照して説明する。衣類乾燥機1の機枠2の前面中央には衣類投入口3が設けられ、その開口はドア4により開閉される。機枠2の背面には後面板5が止着され、後面板5の略中央には外部空気の吸気口6が形成されている。一方、機枠2の下面には空気の排気口7が形成されている。機枠2内において、衣類投入口3を取り囲むように環状の板金製のドラム支持板8が取り付けられ、また後部には後面板5と所定間隔を保って横方向に支持板9が架設されている。この支持板9には一部を切り欠いたファンケーシング10が固定されており、これにより機枠2内はファン室11と乾燥室12とに区画されている。
【0028】
乾燥室12内には水平軸型のドラム13が、前面開口を衣類投入口3に対向させた状態でドラム支持板8にフェルト等を介して支持され、後面側は主軸14により回転自在に軸支されている。ドラム13の背面にはリントフィルタ16に被覆された空気出口15が形成される一方、前面のドラム支持板8の下部には空気取入口17が形成されている。支持板9には乾燥室12とファン室11とを連通する連通口18が形成され、空気出口15からの空気流が確実に連通口18に至るようにシール部材19がドラム13と支持板9との間に取り付けられている。
【0029】
ファン室11内においては、主軸14に円板状の合成樹脂製の両面ファン20が固着され、乾燥室12側に位置する循環ファン20aと後面板5側に位置する冷却ファン20bとがそれぞれ放射状に表裏一体に形成されている。ファンケーシング10内には両面ファン20を囲むように隔壁21が設けられ、この隔壁21の略中央の円形開口に両面ファン20を収容することにより、この両面ファン20と隔壁21とが相まってファン室11内を乾燥風路22と冷却風路23とに区画している。両面ファン20の周縁には乾燥風路22へ向けて開口する同心状の回転溝が一体形成され、一方、隔壁21の内周縁には冷却風路23へ向けて開口する同心状の固定溝が形成されており、両面ファン20の回転溝と隔壁21の固定溝とは相互に非接触状態で遊嵌されている。すなわち、両面ファン20の回転溝と隔壁21の固定溝とはラビリンス結合を成している。このため、乾燥風路22と冷却風路23との間は空気の交換ができないようになっている。
【0030】
乾燥風路22の下部とドラム支持板8に形成されている空気取入口17とは乾燥ダクト24により連結されており、その内部の空気取入口17付近には加熱ヒータ25が配置されている。この加熱ヒータ25は、例えばハニカム形状の正特性サーミスタで構成されている。乾燥ダクト24の最下部には、乾燥ダクト24内に凝縮した除湿水を機外に排出するための排水口26が設けられている。
【0031】
機枠2内の底部にはモータ27が配置されている。モータ27は、ドラム13の外周面に巻掛けられたVベルト32にプーリ31を介して回転力を与える一方、プーリ28、ファンベルト29を介して冷却ファン20bの中央に形成されたプーリ30に回転力を与えている。また、Vベルト32のスリップを防止するために、ドラム回転時にアイドラプーリ33がVベルト32に適当な張力を加える。プーリ28にはモータ27の回転数を検出するための回転センサ34が取り付けられている。
【0032】
而して、乾燥運転時には、モータ27の回転駆動力により、ドラム13が低速で、両面ファン20は高速でそれぞれ回転され、同時に加熱ヒータ25に通電されて乾燥風が加熱される。これにより、循環ファン20aの回転で生起した風が、乾燥風路22、乾燥ダクト24、ドラム13を通って循環し、熱風がドラム13内を通過する際に衣類から水分を奪う。一方、冷却ファン20bの回転により、外気が吸気口6から冷却風路23内に導入され排気口7から排出される。このとき両面ファン20自体が冷気により冷却される。ドラム13を通過した後の水分を含む熱気は両面ファン20に接触して冷却され、凝縮した水が乾燥風路22の内壁を流下して排水口26から排出される。
【0033】
ドライクリーニング専用衣類、靴、小物類等を攪拌せずに乾燥するための静止乾燥棚80は、金属網製の水平な棚板を有し、ドラム13奥の中央とドラム13手前下のドラム支持板8の上部との間に取り付けられるようになっている。このように静止乾燥棚80が設置されると、ドラム13が回転しても静止乾燥棚80は静止状態を保つ。ドライクリーニング専用衣類等の乾燥に際しては、使用者によって静止乾燥棚80が所定の位置に取り付けられ、棚板の上部に衣類81が載置され、後述のようなドライ乾燥コースが選択されて乾燥運転が実行される。
【0034】
ドラム13の空気出口15の近傍には、ドラム13から排気される空気の温度を検出するための出口温度センサ35が配置されている。出口温度センサ35は、例えばサーミスタのような感熱素子で構成されている。また、機枠2の前面下方には、種々の入力キーや表示器を備えた操作パネル36が設けられている。この操作パネル36の後方の機枠2内部には、合成樹脂製の基板ケース37がビスにて取付られており、基板ケース37には周囲温度の急激な変化の影響を受けにくい熱容量の大きな部材で構成された制御基板38が内装されている。制御基板38上には、後述するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)や制御基板38自体の温度を検出するための雰囲気温度センサ39、その他の各種の電気部品が実装されている。
【0035】
図2は、上記操作パネル36の外観を示す正面図である。この操作パネル36には、電源を投入するための電源キー40、乾燥運転のスタートや一時停止を指示するためのスタートキー41、「標準乾燥コース」「ちょっと乾燥コース」「ドライ乾燥コース」等の乾燥コースを選択するためのコース切換キー42、及び、加熱の強さを選択するためのヒータ切換キー43といった入力キー類と、選択されたコース、加熱の強さ、及び、乾燥運転の進行状況を知らせるためのLED群44、入力キーの操作確認や異常報知を行なうための電子ブザー45、並びに、リントフィルタ16の目詰まりを警告するためのが表示器46が設けられている。
【0036】
次に、この衣類乾燥機1の電気系構成を図3を参照して説明する。制御の中心には、CPU51、ROM52、RAM53、タイマ54、A/D変換器55等から成るマイコン50が備えられており、ROM52に予め記憶されてる運転プログラムに従って後述の各部を制御することにより乾燥運転を実行する。マイコン50には、操作パネル36の入力キー類を含む入力キー回路60、ドア4の開閉を検知するドアスイッチ61、操作パネル36のLED群44を駆動するLED点灯回路62、出口温度センサ35、雰囲気温度センサ39、回転センサ34を含む回転数検出回路63、電子ブザー45を駆動するブザー回路64、商用電源に接続された電源回路65、商用電源のゼロクロス点を検出する商用電源ゼロクロス信号検出回路66、モータ27、2つの加熱ヒータ25a、25b及び乾燥運転が終了した後に自動的に電力供給を遮断するためのオートパワーオフ回路(APO)67を駆動するための負荷駆動回路68、マスタークロック信号を生成するクロック発振回路69、リセット回路70、並びに、電流検出回路71が接続されている。
【0037】
図4は、本実施例の衣類乾燥機における出口温度センサ35にて検出される出口温度T1、及び、雰囲気温度センサ39にて検出される基板温度T2の、乾燥運転時間に対する変化を示す図である。出口温度T1は曲線L1のように変化する。すなわち、予熱期間〔i〕では、与えられた熱量が乾燥機本体や水分を多く含んだ衣類そのものの温度を高めるために費やされるため、出口温度T1は緩やかに上昇する。続く恒率乾燥期間〔ii〕では、与えられた熱量の殆どが衣類の中の水分を蒸発させるために費やされるため、出口温度T1はほぼ一定に推移する。減率乾燥期間〔iii〕では、与えられた熱量が、水分の蒸発のみならず水分が減った衣類そのもの或いは乾燥機本体の温度上昇にも費やされるため、出口温度T1は再び上昇する。
【0038】
上記減率乾燥期間〔iii〕においては、出口温度T1が所定の上限温度であるハイリミッタ温度THに達した後に下降し、出口温度T1がハイリミッタ温度THとの所定の温度差αによって決まる下限温度にまで低下すると再びに上昇する、というように、出口温度T1が所定の温度範囲αの間で往復する。これは、後述のような加熱ヒータ25のON/OFF制御が行なわれるためである。
【0039】
一方、基板温度T2は曲線L2のように変化する。すなわち、基板温度T2は、運転開始から暫くの間は緩やかに上昇し、ある程度時間が経過するとほぼ一定に推移する。これは、雰囲気温度センサ39が取り付けられている制御基板38が、周囲温度そのものには影響を受けるがその急激な変化の影響は受けにくい熱容量の大きな部材であるため、基板温度T2の変化は制御基板38に実装されている各電気部品の放熱に殆ど依存しているからである。
【0040】
以下、上記構成の衣類乾燥機において、その特徴である加熱ヒータのON/OFF制御を中心に、マイコン50の処理動作を図5〜図8のフローチャートに沿って説明する。
【0041】
図5は、乾燥運転の処理全体を示すフローチャートである。まず、電源キー40がONされると(ステップS1)、マイコン50はリセット回路70からのリセット信号を受けて初期設定を実行し(ステップS2)、これにより各種フラグや変数等がリセットされる。使用者により衣類がドラム13内へ収容されスタートキー41が押されると(ステップS3)、マイコン50はモータ27の初期目標回転速度を例えば1150rpmに設定してモータ27を始動させる(ステップS4)。これにより、モータ27の回転速度は目標回転速度にまで急速に上昇し、ドラム13及び両面ファン20はそれぞれの減速比により定まった所定の回転速度にて回転する。
【0042】
また、温度条件等により加熱ヒータ25への通電状態を決定する加熱ヒータ設定処理を実行し(ステップS5)、これにより決定された加熱ヒータ25に通電を行なう加熱ヒータ駆動処理を実行する(ステップS6)。そして、乾燥運転に必要なその他の処理を実行する(ステップS7)。例えば、マイコン50は、電流検出回路71により検出されたモータ27、加熱ヒータ25を含む電源電流に比例したアナログ値の信号を受け、これをA/D変換器55にてデジタル値に変換し、これが所定の値となるようにモータ27の目標回転速度を修正する。更に、この目標回転速度となるようにモータ27に供給する電源の位相を調整する。
【0043】
このような加熱ヒータ25及びモータ27の制御を行なった後に、乾燥運転が終了したか否かを判定し(ステップS8)、終了していない場合にはステップS5へと戻りステップS5〜S8の処理を繰り返し実行する。乾燥運転は、例えば、乾燥開始より所定の運転時間が経過したとき、或いは、出口温度T1と基板温度T2との温度差が予め設定された所定値に到達したときに終了される。乾燥運転が終了したならば加熱ヒータ25をOFFし(ステップS9)、高温になった衣類を取り出し易い温度にまで冷却するためにクールダウン運転を実行する(ステップS10)。クールダウン運転が終了したならば、モータ27を停止し全ての処理を終了する。
【0044】
次に、上記ステップS5の加熱ヒータ設定処理を、図9〜図12を参照しつつ図6、図7のフローチャートに沿って説明する。図9は「ドライ乾燥コース」における出口温度T1の変化を示す図、図10〜図12は後述のハイリミッタ温度THの決定に使用されるテーブルの一例である。まず、使用者によりコース切換キー42にて「ドライ乾燥コース」が選択された場合について説明する。「ドライ乾燥コース」は、デリケートなドライクリーニング専用衣類を乾燥させることを目的とした乾燥コースであり、通常、前述のように静止乾燥棚80がドラム13内に設置された状態で選択される。この「ドライ乾燥コース」では、ヒータの切換は必ず「ヒータ弱」に設定されるようになっている。
【0045】
加熱ヒータ設定処理では、まず、ハイリミッタフラグHFがセットされているか否かが判定される(ステップS12)。ハイリミッタフラグHFは、上限温度であるハイリミッタ温度THが既に決定されていることを示すフラグであり、初期設定時にはリセットされている。従って、乾燥運転開始直後にはハイリミッタフラグHFは「0」であるので、ハイリミッタ温度THの決定処理(ステップS13)へ移行する。
【0046】
ハイリミッタ温度THは、その時点での運転時間t、基板温度T2及び電流Iに応じて予め定められた値の中から選択される。図10〜図12は、ハイリミッタ温度THを選択するために用意されるテーブルの一例である。このようなテーブルがROM52に予め格納されており、各乾燥運転のコース毎に、運転時間t、基板温度T2及び電流Iを入力すると対応するハイリミッタ温度THの値が出力される。ここで、電流Iは、電流検出回路71により検出された電流値であり、モータ25を駆動するための駆動電流、及び、加熱ヒータ25を加熱するための駆動電流を含む衣類乾燥機に供給される全電源電流を検出した値である。
【0047】
ハイリミッタ温度THが選択された後、温度傾斜フラグDFをリセットする(ステップS14)。温度傾斜フラグDFは、温度が上昇又は下降のいずれの方向に制御されているのかを示すフラグであり、「0」のときに上昇方向であると定義されている。なお、この温度傾斜フラグDFは制御の方向を示すものであって、実際に出口温度T1の上昇・下降と一致しているとは限らない。
【0048】
次いで、この温度傾斜フラグDFが「0」であるか否か、すなわち上昇傾斜であるか否かを判定する(ステップS15)。ここでは、ステップS14にて温度傾斜フラグDFはリセットされているのでステップS16へ進み、出口温度T1がハイリミッタ温度TH以上であるか否かを判定する。当初、出口温度T1はハイリミッタ温度THになっていないからステップS24へと進み、「ヒータ強」であるか否かを判定する。ステップS24にて「ヒータ弱」であると判定されると、次に温度傾斜フラグDFが「0」であるか否かを判定する(ステップS28)。当初、温度傾斜フラグDFは「0」であるので、ステップS34、S35へと進み、ヒータ1フラグを「1」、ヒータ2フラグを「0」にする。ヒータ1フラグ、ヒータ2フラグは、それぞれ第1加熱ヒータ25a、第2加熱ヒータ25bに対するON/OFF制御を示すフラグである。
【0049】
上記ステップS5の加熱ヒータ設定処理にてヒータ1フラグ及びヒータ2フラグがそれぞれ設定された後に実行されるステップS6の加熱ヒータ駆動処理では、図8のフローチャートに示すように、第1、第2なる2つの加熱ヒータ25a、25bへの通電が制御される。すなわち、加熱ヒータ駆動処理では、まずヒータ1フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS41)。そして、ヒータ1フラグがセットされている場合には、2個のサーミスタから構成される第1加熱ヒータ25aに通電を行ない(ステップS42)、ヒータ1フラグがリセットされている場合には、第1加熱ヒータ25aへの通電を停止する(ステップS43)。
【0050】
次に、ヒータ2フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS44)。そして、ヒータ2フラグがセットされている場合には、1個のサーミスタから構成される第2加熱ヒータ25bに通電を行ない(ステップS45)、ヒータ2フラグがリセットされている場合には、第2加熱ヒータ25bへの通電を停止する(ステップS46)。従って、上記ステップS34、S35にてヒータ1フラグが「1」、ヒータ2フラグ「0」に設定されているときには、加熱ヒータ駆動処理において第1加熱ヒータ25aがONされると共に第2加熱ヒータ25bがOFFされ、2個のサーミスタにより加熱が行なわれる。
【0051】
上記の如く加熱が開始されると、空気取入口17からドラム13内へ加熱空気が供給されて出口温度T1が上昇する(図9(a)の〔I〕期間)。上記ステップS5の加熱ヒータ設定処理、及び、ステップS6の加熱ヒータ駆動処理が繰り返し実行されるに際し、出口温度T1がハイリミッタ温度THに到達するまでは上記説明と同じルーチンを通り、第1加熱ヒータ25aのみへ通電される状態が継続される。また、この期間、ハイリミッタフラグHFはリセットされたままになっているので、ステップS13にて、その時点の運転時間t、基板温度T2及び電流Iに応じたハイリミッタ温度THが選択されて更新される。
【0052】
運転が予熱期間及び恒率乾燥期間を経過して減率乾燥期間に至り、出口温度T1が上昇しハイリミッタ温度THに到達すると、加熱ヒータ設定処理においてステップS16からS17へと進む。このとき、ハイリミッタフラグHFがセットされ(ステップS17)、温度傾斜フラグDFもセットされる(ステップS18)。そして、ステップS24からS28へ進み、温度傾斜フラグDFがセットされているためにステップS29へと進み、ドライ乾燥コースであるか否かが判定される。ここではドライ乾燥コースであるのでステップS30、S31へと進み、ヒータ1フラグを「0」、ヒータ2フラグを「1」に設定し直す。これにより、引き続いて実行される加熱ヒータ駆動処理において、第1加熱ヒータ25a、はOFFされ第2加熱ヒータ25bはONするように制御される。すなわち、3個の加熱ヒータの内、1個のみが通電される。
【0053】
なお、出口温度T1が一旦ハイリミッタ温度THに達すると、ステップS17にてハイリミッタフラグHFがセットされるので、それ以降の加熱ヒータ設定処理ではステップS12からS15へと進むこととなり、ハイリミッタ温度THは更新されない。つまり、出口温度T1が始めにハイリミッタ温度THに達した時点でハイリミッタ温度THは固定される。
【0054】
通電される加熱ヒータ25が2個から1個に減らされると、空気取入口17からドラム13に供給される空気の温度は低下し、出口温度T1は下降に転じる(図9(a)の〔II〕期間)。この状態において加熱ヒータ設定処理が行なわれると、温度傾斜フラグは「1」であるからステップS15からS19へと進み、ヒータ弱である否かが判定される。ここではヒータ弱であるから、制御温度範囲αを4℃に設定する(ステップS21)。そして、出口温度T1がハイリミッタ温度TH−α以上であるか否かを判定する(ステップS22)。出口温度T1がハイリミッタ温度TH−α以上である場合には、ステップS24、S28、S29、S30、S31へと進み、ヒータ1フラグが「0」、ヒータ2フラグが「1」である状態が保たれる。
【0055】
更に出口温度T1が下降しハイリミッタ温度TH−α未満になると、ステップS22からステップS23へ進み温度傾斜フラグDFをリセットする。そして、ステップS24、S28と進み、温度傾斜フラグDFが「0」であるから、ステップS34、S35へと進んで、ヒータ1フラグを「1」、ヒータ2フラグを「0」に設定し直す。これにより、引き続く加熱ヒータ駆動処理において第1加熱ヒータ25aがONされ、第2加熱ヒータ25bがOFFされる。すなわち、通電される加熱ヒータ25の個数が再び1個から2個に増加される。この結果、空気取入口17からドラム13へ供給される加熱空気の温度は高まり、出口温度T1も上昇に転じる。
【0056】
以上のように、ドライ乾燥コースでは、サーミスタ2個の第1加熱ヒータ25aがONされて出口温度T1がハイリミッタ温度THまで上昇すると、サーミスタ1個の第2加熱ヒータ25bのみがONするように切り換えられて出口温度T1は下降し始める。出口温度T1がハイリミッタ温度TH−4℃に至るまでその状態が継続し、出口温度T1がハイリミッタ温度TH−4℃に到達すると、再びサーミスタ2個の第1加熱ヒータ25aがONされて出口温度T1は上昇し始める。つまり、ハイリミッタ温度TH及びハイリミッタ温度TH−4℃の温度範囲(4℃)の間に温度変動が収まるように、加熱ヒータ25のON/OFFが制御される。勿論、加熱ヒータ25のON/OFF制御と実際の温度上昇/下降との間には時間的な遅延が生じるため4℃の温度範囲を若干逸脱することもあり得るが、温度勾配が緩やかであるから、定められた温度範囲にほぼ収めることができる。
【0057】
次に、使用者によりドライ乾燥コースでない「ヒータ弱」の乾燥運転が選択された場合の加熱ヒータ設定処理について、先のドライ乾燥コースと相違する点を説明する。通常の「ヒータ弱」では、温度上昇の期間(図9(b)の〔I〕期間)は先のドライ乾燥コースと同様に、ステップS34、S35にてヒータ1フラグが「1」、ヒータ2フラグが「0」に設定される。従って、第1加熱ヒータ25aがON、第2加熱ヒータ25bがOFFされる。出口温度T1がハイリミッタ温度THに到達すると、ドライ乾燥コースの場合と同様にステップS16、S17、S18、S24、S28と進むが、ステップS29にてドライ乾燥コースではないと判定されるからステップS32、S33へと進み、ヒータ1フラグ、ヒータ2フラグを共に「0」に設定する。これにより、第1、第2加熱ヒータ25a、25bが共にOFFされる。従って、ドライ乾燥コースの場合と比較して温度下降時の勾配が大きくなる(図9(b)の〔II〕期間)。
【0058】
次に、使用者により「ヒータ強」の乾燥運転が選択された場合の加熱ヒータ設定処理について、先のドライ乾燥コースと相違する点を説明する。「ヒータ強」では、温度上昇の期間、ステップS24にて「ヒータ強」であると判定されるためステップS25、S26、S27へと進み、ヒータ1フラグ、ヒータ2フラグを共に「1」に設定する。これにより、第1、第2加熱ヒータ25a、25bが共にONされる。出口温度T1がハイリミッタ温度THに到達すると、ステップS16、S17、S18、S24、S25と進み、温度傾斜フラグDFが「1」であるためステップS32、S33と進んで、ヒータ1フラグ、ヒータ2フラグを共に「0」に設定し直す。これにより、第1、第2加熱ヒータ25a、25bは共にOFFされる。
【0059】
全ての加熱ヒータ25がOFFされて出口温度T1の下降が始まると、ドライ乾燥コースの場合と同様にステップS15からS19へと進むが、ステップS19にて「ヒータ強」であると判定されるためステップS20へ進み、制御温度範囲αを1℃に設定する。そして、出口温度T1がハイリミッタ温度TH−α未満になると、ステップS22からS23、S24、S25、S26、S27と進み、再びヒータ1フラグ、ヒータ2フラグを共に「1」に設定する。すなわち、通常の「ヒータ強」の乾燥運転では3個の加熱ヒータが使用されるため、温度上昇勾配が急である。このため、出口温度T1が上昇から下降へ、又その逆に下降から上昇へ反転するときのいわゆるオーバーシュートが大きくなるので、制御温度範囲αを「ヒータ弱」の場合と比べて狭くしても実際の温度変動範囲は「ヒータ弱」の場合に近くなる。
【0060】
ところで、販売店舗において上記の如き衣類乾燥機の運転を顧客に対しデモンストレーションする場合、或いは、修理担当者が衣類乾燥機の運転動作を調査・確認する場合に、通常、1時間以上要する乾燥運転動作を短時間に圧縮して実行させるデモンストレーション運転が有用である。このようなデモンストレーション運転では、外部からはその相違が認識できないような内部動作、例えばモータ27の回転速度の違い等を使用者(顧客や修理担当者)に知らせるために、通常の運転時とは表示方法を変更することが行なわれている。
【0061】
従来の表示方法の一例としては、モータ27の回転速度の違いに応じて表示器の点滅速度を変えるものがある。例えば、モータ回転速度が1150rpm以上では0.3秒点灯→0.2秒消灯のサイクルを繰り返し、モータ回転速度が1150rpm未満では0.5秒点灯→0.5秒消灯のサイクルを繰り返すことにより所定のLEDを点滅させる。
【0062】
しかしながら、上記のような点滅速度の相違の認識は人の感覚に依存しているため、使用者によっては点滅速度の相違を識別することが困難で、判断を誤ることもあった。そこで、本発明の衣類乾燥機では、この問題点を解決するために、内部動作の相違に応じてLEDの点滅速度を時間的に変化させるパターンを変更する、という表示方法を用いている。
【0063】
以下、図13のフローチャートに沿って、デモンストレーション運転時の表示処理におけるマイコン50の制御動作を説明する。なお、この表示処理は電源キー40が操作され電源が投入された後に繰り返し実行される。
【0064】
まず、運転中であるか否かが判定される(ステップS51)。スタートキー41が押されているときには運転中である。ステップS51にて運転中でないと判定された場合には、表示処理を行なう必要がないためそのままリターンへと進む。ステップS51にて運転中であると判定されると、次にデモンストレーション運転であるか否かを判定する(ステップS52)。デモンストレーション運転は、操作パネル36の各種入力キーを予め定められた特殊な手順で操作したときのみに実行される。ステップS52にてデモンストレーション運転であると判定されると、次にドライ乾燥コースであるか否かを判定する(ステップS53)。ここでは、デモンストレーション運転においてコース切換キー42により「ドライ乾燥コース」が選択されたときに、加熱ヒータ25をONせずにモータ27の回転速度をモニタできる特殊な運転を行なえるようにしている。
【0065】
ステップS53にてドライ乾燥コースであると判定されると、その時点でのモータ27の回転速度VRを検出しその回転速度VRが1150rpm以上であるか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54にて回転速度VRが1150rpm以上であると判定されたときには、次にその回転速度VRが1300rpm以上であるか否かを判定する(ステップS55)。そして、ステップS55にて回転速度VRが1300rpm以上であると判定されたときには、ステップS56のLED点滅処理を実行する。すなわち、選択されたドライ乾燥コースのLEDを、0.2秒点灯→0.1秒消灯→0.1秒点灯→0.3秒消灯のサイクルにて点滅させる。
【0066】
ステップS55にて回転速度が1300rpm未満であると判定されたときには、回転速度は1150rpm以上1300rpm未満の範囲にあると判断できる。このときにはステップS57のLED点滅処理を実行する。すなわち、選択されたドライ乾燥コースのLEDを、0.3秒点灯→0.2秒消灯→0.2秒点灯→0.2秒消灯のサイクルにて点滅させる。
【0067】
ステップS52にてデモンストレーション運転でないと判定されたときには、通常の乾燥運転であると判断できる。また、ステップS53にてドライ乾燥コースでないと判定されたときには、デモンストレーション運転であって他の処理を行なうものでると判断できる。これらの場合にはいずれもステップS58のLED点滅処理を実行する。すなわち、選択されたいずれかの乾燥コースのLEDを、0.5秒点灯→0.5秒消灯のサイクルにて点滅させる。
【0068】
更に、ステップS54にてモータ27の回転速度が1150rpm未満であると判定されたときにもステップS58のLED点滅処理を実行する。この場合は、ドライ乾燥コースが選択されているので、ドライ乾燥コースのLEDを、0.5秒点灯→0.5秒消灯のサイクルにて点滅させる。
【0069】
以上のような表示処理によれば、デモンストレーション運転において、モータ27の回転速度の違いがドライ乾燥コースのLEDの点滅速度の変化のパターンの相違により示される。このため、いずれの使用者に対しても表示の違いの認識が容易になり、判断の誤りを防ぐことができる。
【0070】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正を行なえることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である衣類乾燥機の側面縦断面図。
【図2】 この衣類乾燥機の操作パネルの配置図。
【図3】 この衣類乾燥機の電気系構成図。
【図4】 乾燥運転時の出口温度と基板温度の運転時間に対する変化を示す図。
【図5】 この衣類乾燥機における乾燥運転全体の処理のフローチャート。
【図6】 この衣類乾燥機における加熱ヒータ設定処理のフローチャート。
【図7】 この衣類乾燥機における加熱ヒータ設定処理のフローチャート。
【図8】 この衣類乾燥機における加熱ヒータ駆動処理のフローチャート。
【図9】 ドライ乾燥コース及び標準の「ヒータ弱」コースにおける出口温度の変化を示す図。
【図10】 ハイリミッタ温度の決定処理に用いるテーブルの一例を示す図。
【図11】 ハイリミッタ温度の決定処理に用いるテーブルの一例を示す図。
【図12】 ハイリミッタ温度の決定処理に用いるテーブルの一例を示す図。
【図13】 この衣類乾燥機におけるデモンストレーション運転時の表示処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
13…ドラム
25a…第1加熱ヒータ
25b…第2加熱ヒータ
35…出口温度センサ
36…操作パネル
39…雰囲気温度センサ
42…コース切換キー
50…マイコン
60…入力キー回路
68…負荷駆動回路
80…静止乾燥棚
Claims (1)
- 衣類を収容した回転ドラムに加熱ヒータにて加熱した熱風を送り込み、該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に該乾燥風を循環させる衣類乾燥機において、
a)ドラムを通過した直後の熱風の温度を検出する温度検出手段と、
b)該温度検出手段により検出された温度が所定の上限温度に到達したか否かを判定する判定手段と、
c)ドラムへ送り込む空気を熱するためのn個(nは3以上)の加熱ヒータと、
d)該加熱ヒータへの通電を制御する加熱制御手段であって、第1の運転モードにおいて、前記判定手段により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには2個以上且つ(n−1)個以下の加熱ヒータを通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると少なくとも1個の加熱ヒータを残して他の加熱ヒータへの通電を停止する加熱制御手段と、
を備え、
前記第1運転モードは、ドラム内部に静止状態に保たれる静止乾燥棚を取り付け、該静止乾燥棚上に衣類を載置して乾燥を行なう際に実行し、
更に、前記加熱制御手段は、ドラム回転により衣類が攪拌される通常の乾燥運転における第2の運転モードにおいて、前記判定手段により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判定されるときには最大n個の加熱ヒータを通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止する
ことを特徴とする衣類乾燥機。
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