JP3767980B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用の衣類乾燥機は、湿った衣類を収容したドラム内に乾燥した熱風を送り込み、衣類から蒸発した水分を含む湿った熱風を冷却することにより除湿し、乾燥させた空気をヒータにて再加熱してドラムへ循環する構成となっている。ドラムは水平軸を中心にゆっくりと回転され、これによりドラム内の衣類は攪拌されてむらのない乾燥が実行される。
【0003】
このような乾燥運転が終了した時点で、ドラム内の衣類の温度は高温(通常60℃以上)になっている。このため、例えば、衣類に油や引火性物質が残留している場合、ドラムの回転を停止して高温の衣類をそのままドラム内に放置しておくと自然発火の恐れがある。そこで衣類乾燥機では、衣類の温度を下げた状態で運転を停止するために、乾燥運転に引き続きドラムを回転させつつ加熱していない空気をドラムに循環させるクールダウン運転を実行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記クールダウン運転時間を長くするほど、より確実にドラム内の衣類の温度を下げることができる。反面、乾燥運転全体の所要時間の短縮化のためには、クールダウン運転時間はできる限り短いことが望ましい。そこで、従来の衣類乾燥機では、例えば、比較的長い所定のクールダウン運転時間を予め設定しておき、該運転時間が終了する以前であっても、所定時間連続してドラム内の温度が所定温度以下になったならばクールダウン運転を終了するようにしている。
【0005】
しかしながら、クールダウン運転時にドラム内の温度が降下する速度は、ドラム内に収容された衣類の量やその繊維の種類、更に、外気温度により大きく影響を受ける。このため、条件によっては、所定のクールダウン運転時間を終了した時点でもドラム内の衣類の温度が十分に下がらない恐れがあった。また、このようなことを見越してクールダウン運転時間を設定すると、運転時間が非常に長くなる恐れがあった。
【0006】
本発明は上記問題を解決するために成されたもので、その目的とするところは、クールダウン運転の所要時間をできる限り短縮し、且つ衣類の温度を確実に下げることができる衣類乾燥機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明の第1の衣類乾燥機は、衣類を収容したドラムに加熱空気を送り込み該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に乾燥風を循環させる乾燥運転を実行した後に、ドラムの回転を継続し冷風を該ドラム内に送り込むクールダウン運転を実行する衣類乾燥機において、
a)ドラムから排気される空気の温度を検出する温度検出手段と、
b)クールダウン運転中に前記温度検出手段による検出温度が第1の規定値以下であるか否かを判定する第1の温度判定手段と、
c)クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が前記第1の規定値よりも高い第2の規定値を越えているか否かを判定する第2の温度判定手段と、
d)該第2温度判定手段にて検出温度が第2の規定値を越えていると判定されたときクールダウン運転時間を延長する運転時間延長手段と、
e)前記第1の温度判定手段にて検出温度が第1の規定値以下であると判定されるか又は所定のクールダウン運転時間が経過したときに、クールダウン運転を終了する運転制御手段と、を備え、
前記第2の温度判定手段は、クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が所定時間連続して第2の規定値を越えているか否かを判定することを特徴としている。
【0008】
本発明の第2の衣類乾燥機は、衣類を収容したドラムに加熱空気を送り込み該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に乾燥風を循環させる乾燥運転を実行した後に、ドラムの回転を継続し冷風を該ドラム内に送り込むクールダウン運転を実行する衣類乾燥機において、
a) ドラムから排気される空気の温度を検出する温度検出手段と、
b) クールダウン運転中に前記温度検出手段による検出温度が第1の規定値以下であるか否かを判定する第1の温度判定手段と、
c) クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が前記第1の規定値よりも高い第2の規定値を越えているか否かを判定する第2の温度判定手段と、
d) 該第2温度判定手段にて検出温度が第2の規定値を越えていると判定されたときクールダウン運転時間を延長する運転時間延長手段と、
e) 前記第1の温度判定手段にて検出温度が第1の規定値以下であると判定されるか又は所定のクールダウン運転時間が経過したときに、クールダウン運転を終了する運転制御手段と、を備え、
前記運転時間延長手段は、クールダウン運転時間の延長動作を所定回数に制限することを特徴としている。
【0009】
本発明の第3の衣類乾燥機は、衣類を収容したドラムに加熱空気を送り込み該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に乾燥風を循環させる乾燥運転を実行した後に、ドラムの回転を継続し冷風を該ドラム内に送り込むクールダウン運転を実行する衣類乾燥機において、
a) ドラムから排気される空気の温度を検出する温度検出手段と、
b) クールダウン運転中に前記温度検出手段による検出温度が第1の規定値以下であるか否かを判定する第1の温度判定手段と、
c) クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が前記第1の規定値よりも高い第2の規定値を越えているか否かを判定する第2の温度判定手段と、
d) 該第2温度判定手段にて検出温度が第2の規定値を越えていると判定されたときクールダウン運転時間を延長する運転時間延長手段と、
e) 前記第1の温度判定手段にて検出温度が第1の規定値以下であると判定されるか又は所定のクールダウン運転時間が経過したときに、クールダウン運転を終了する運転制御手段と、を備え、
前記運転時間延長手段にて延長される前のクールダウン運転時間は、クールダウン運転前の乾燥運転の所要時間と、クールダウン運転開始直前又は直後の前記温度検出手段による検出温度とに基づいて決められることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態及び発明の効果】
上記第1から第3の衣類乾燥機では、クールダウン運転期間中に、第1の温度判定手段にて検出温度が第1の規定値以下であると判定されると、運転制御手段はドラム内の衣類の温度が十分に下がったと判断し、所定のクールダウン運転時間が経過する以前であってもドラム回転及び送風を停止させてクールダウン運転を終了する。一方、第2の温度判定手段にて、クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に検出温度が第2の規定値を越えていると判定されると、運転時間延長手段は、ドラム内の衣類の温度の低下が不十分であると判断し、クールダウン運転時間を一定時間だけ延長する。従って、クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に検出温度が第2の規定値を越えていると判定されることなく該運転時間が経過した場合にも、運転制御手段はドラム回転及び送風を停止させてクールダウン運転を終了する。
【0012】
第2の規定値は第1の規定値よりも適宜高い値に設定されるから、クールダウン運転の終了予定の間際になってドラム内の衣類の温度がまだ第2の規定値よりも高い状態にある場合には、クールダウン運転時間が延長されて、衣類の冷却を促進するべくドラム内に加熱されていない空気が送り込まれる。
【0013】
従って、上記第1の衣類乾燥機によれば、例えば、衣類乾燥機の周囲温度が高い等の原因によりドラム内の温度の降下速度が遅い場合には、初期的に定められている運転時間よりも長くクールダウン運転が実行されるので、ドラム内の衣類の温度を確実に下げることができ、高い安全性を確保することができる。また、ドラム内の温度が短時間の間に下がったときには、所定のクールダウン運転時間が経過する以前であっても運転が終了するので、運転時間が無用に長引くこともない。
【0014】
上記温度検出手段にて検出される空気の温度分布は必ずしも安定して均一になっていないから、検出温度の瞬間値はドラム内の衣類の温度を正確に反映しているとは限らない。そこで、上記第1の衣類乾燥機では、検出温度が所定時間連続して第2の規定値を越えているか否かを判定する構成とすることにより、判定がより正確に行なわれるようにしている。このため、運転時間が無用に長引くことを回避することができる。
【0015】
また、上記衣類乾燥機では、一度クールダウン運転時間を延長した後に、延長されたクールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に検出温度が第2の規定値を越えていると判定されると、再びクールダウン運転時間を延長する。しかしながら、例えば周囲温度が異常に高い場合にはドラム内の温度が一定以下に下がらず、運転時間の延長を制限なく繰り返すと、運転が終了しないことが起こり得る。
【0016】
第2の衣類乾燥機では、クールダウン運転時間の延長の回数を制限する構成としているので、周囲温度が異常に高い等の原因によりドラム内の温度が或る値以下に下がらないときには運転が打ち切られる。このため、いつまでも運転が終了しないという状態を回避することができる。
【0017】
また、通常、乾燥運転に長時間を要するときは、ドラム内に収容された衣類の量が多く熱容量も大きいため、冷却されにくいと推定することができる。従って、第3の衣類乾燥機では、乾燥運転の所要時間と検出温度とにより、第1又は第2の規定値の温度にまで低下するのに時間を要すると予想される場合には初期のクールダウン運転時間を長く設定しておく。これにより、運転時間が無用に長引くことを回避することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明による衣類乾燥機の一実施例を図に基づいて説明する。まず、この衣類乾燥機の全体構成を図1の側面断面図を参照して説明する。衣類乾燥機1の機枠2の前面中央には衣類投入口3が設けられ、その開口はドア4により開閉される。機枠2の背面には後面板5が止着され、後面板5の略中央には外部空気の吸気口6が形成されている。一方、機枠2の下面には空気の排気口7が形成されている。機枠2内において、衣類投入口3を取り囲むように環状の板金製のドラム支持板8が取り付けられ、また後部には後面板5と所定間隔を保って横方向に支持板9が架設されている。この支持板9には一部を切り欠いたファンケーシング10が固定されており、これにより機枠2内はファン室11とドラム収容室12とに区画されている。
【0019】
ドラム収容室12内には水平軸型のドラム13が、前面開口を衣類投入口3に対向させた状態でドラム支持板8にフェルト等を介して支持され、後面側は主軸14により回転自在に軸支されている。ドラム13の背面にはリントフィルタ16に被覆された空気出口15が形成される一方、前面のドラム支持板8の下部には空気取入口17が形成されている。支持板9にはドラム収容室12とファン室11とを連通する連通口18が形成され、空気出口15からの空気流が確実に連通口18に至るようにシール部材19がドラム13と支持板9との間に取り付けられている。
【0020】
ファン室11内においては、主軸14に円板状の合成樹脂製の両面ファン20が固着され、ドラム収容室12側に位置する循環ファン20aと後面板5側に位置する冷却ファン20bとがそれぞれ放射状に表裏一体に形成されている。ファンケーシング10内には両面ファン20を囲むように隔壁21が設けられ、この隔壁21の略中央の円形開口に両面ファン20を収容することにより、この両面ファン20と隔壁21とが相まってファン室11内を乾燥風路22と冷却風路23とに区画している。両面ファン20の周縁には乾燥風路22へ向けて開口する同心状の回転溝が一体形成され、一方、隔壁21の内周縁には冷却風路23へ向けて開口する同心状の固定溝が形成されており、両面ファン20の回転溝と隔壁21の固定溝とは相互に非接触状態で遊嵌されている。すなわち、両面ファン20の回転溝と隔壁21の固定溝とはラビリンス結合を成している。このため、乾燥風路22と冷却風路23との間は空気の交換ができないようになっている。
【0021】
乾燥風路22の下部とドラム支持板8に形成されている空気取入口17とは乾燥ダクト24により連結されており、その内部の空気取入口17付近にはヒータ25が配置されている。このヒータ25は、例えばハニカム形状の正特性サーミスタで構成されている。乾燥ダクト24の最下部には、乾燥ダクト24内に凝縮した除湿水を機外に排出するための排水口26が設けられている。
【0022】
機枠2内の底部にはモータ27が配置されている。モータ27は、ドラム13の外周面に巻掛けられたVベルト32にプーリ31を介して回転力を与える一方、プーリ28、ファンベルト29を介して冷却ファン20bの中央に形成されたプーリ30に回転力を与えている。また、Vベルト32のスリップを防止するために、ドラム回転時にアイドラプーリ33がVベルト32に適当な張力を加える。プーリ28にはモータ27の回転数を検出するための回転センサ34が取り付けられている。
【0023】
而して、乾燥運転時には、モータ27の回転駆動力により、ドラム13が低速で、両面ファン20は高速でそれぞれ回転され、同時にヒータ25に通電されて乾燥風が加熱される。これにより、循環ファン20aの回転で生起した風が、乾燥風路22、乾燥ダクト24、ドラム13を通って循環し、熱風がドラム13内を通過する際に衣類から水分を奪う。一方、冷却ファン20bの回転により、外気が吸気口6から冷却風路23内に導入され排気口7から排出される。このとき両面ファン20自体が冷気により冷却される。ドラム13を通過した後の水分を含む熱気は両面ファン20に接触して冷却され、凝縮した水が乾燥風路22の内壁を流下して排水口26から排出される。
【0024】
ドラム13の空気出口15の近傍には、ドラム13から排気される空気の温度を検出するための出口温度センサ35が配置されている。出口温度センサ35は、例えばサーミスタのような感熱素子で構成されている。また、機枠2の前面下方には、種々の入力キーや表示器を備えた操作パネル36が設けられている。この操作パネル36の後方の機枠2内部には、合成樹脂製の基板ケース37がビスにて取付られており、基板ケース37には周囲温度の急激な変化の影響を受けにくい熱容量の大きな部材で構成された制御基板38が内装されている。制御基板38上には、後述するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)や制御基板38自体の温度を検出するための雰囲気温度センサ39、その他の各種の電気部品が実装されている。
【0025】
図2は、上記衣類乾燥機1の電気系構成を示す図である。制御の中心には、CPU51、ROM52、RAM53、タイマ54、A/D変換器55等から成るマイコン50が備えられており、ROM52に予め記憶されてる運転プログラムに従って後述の各部を制御することにより乾燥運転を実行する。マイコン50には、操作パネル36の入力キー類を含む入力キー回路60、ドア4の開閉を検知するドアスイッチ61、操作パネル36に備えられたLEDを駆動するLED点灯回路62、出口温度センサ35、雰囲気温度センサ39、回転センサ34を含む回転数検出回路63、電子ブザーを駆動するブザー回路64、商用電源に接続された電源回路65、商用電源のゼロクロス点を検出する商用電源ゼロクロス信号検出回路66、モータ27、ヒータ25及び乾燥運転が終了した後に自動的に電力供給を遮断するためのオートパワーオフ回路(APO)67を駆動するための負荷駆動回路68、マスタークロック信号を生成するクロック発振回路69、リセット回路70、並びに、電流検出回路71が接続されている。
【0026】
図3は、本実施例の衣類乾燥機1の乾燥運転全体の処理の流れを、マイコン50の制御動作を中心にして示したフローチャートである。図3に示すように、操作パネル36中の電源キーがONされると(ステップS1)、マイコン50はリセット回路70からのリセット信号を受けて初期設定を実行し(ステップS2)、これにより各種フラグや変数等がリセットされる。使用者により衣類がドラム13内へ収容されスタートキーが押されると(ステップS3)、乾燥運転を開始する。すなわち、まずマイコン50はモータ27をONし、初期目標回転速度を例えば1250rpmに設定してモータ27を始動させる(ステップS4)。これにより、モータ27の回転速度は目標回転速度にまで急速に上昇し、ドラム13及び両面ファン20はそれぞれの減速比により定まった所定の回転速度(例えばドラム13は約41rpm、両面ファン20は約810rpm)にて回転する。
【0027】
次いで、マイコン50は温度条件等によりヒータ25のON/OFF状態を決定し、それに応じてヒータ25に通電を行なうヒータ制御処理を実行する(ステップS5)。更に、マイコン50はモータ27の回転制御処理を行なう(ステップS6)。具体的には、マイコン50は、電流検出回路71により検出されたモータ27及びヒータ25を含む電源電流に比例したアナログ値の信号を受け、これをA/D変換器55にてデジタル値に変換し、これが所定の値となるようにモータ27の目標回転速度を修正する。ヒータ25に正特性サーミスタを用いる場合、両面ファン20の回転速度が大きく送風量が多いとヒータ25に流れる電流が増加し、逆に送風量が少ないとヒータ25に流れる電流は減少する。従って、上述のようにしてモータ27の回転速度を調整することにより、電源電流が過大に流れることを防止している。
【0028】
マイコン50は、このようなヒータ25及びモータ27の制御を行なった後に乾燥運転が終了したか否かを判定し(ステップS7)、終了していない場合にはステップS4へと戻りステップS4〜S7の処理を繰り返し実行する。
【0029】
図5(a)は、本実施例の衣類乾燥機における出口温度センサ35にて検出される出口温度T1、及び、雰囲気温度センサ39にて検出される基板温度T2の、乾燥運転時間に対する変化を示す図である。上記のように乾燥運転が実行されると、出口温度T1は曲線L1のように変化する。すなわち、予熱期間〔i〕では、与えられた熱量が乾燥機本体や水分を多く含んだ衣類そのものの温度を高めるために費やされるため、出口温度T1は緩やかに上昇する。続く恒率乾燥期間〔ii〕では、与えられた熱量の殆どが衣類の中の水分を蒸発させるために費やされるため、出口温度T1はほぼ一定に推移する。減率乾燥期間〔iii〕では、与えられた熱量が、水分の蒸発のみならず水分が減った衣類そのもの或いは乾燥機本体の温度上昇にも費やされるため、出口温度T1は再び上昇する。
【0030】
一方、基板温度T2は曲線L2のように変化する。すなわち、基板温度T2は、運転開始から暫くの間は緩やかに上昇し、或る程度時間が経過するとほぼ一定に推移する。これは、雰囲気温度センサ39が取り付けられている制御基板38が、周囲温度そのものには影響を受けるがその急激な変化の影響は受けにくい熱容量の大きな部材であるため、基板温度T2の変化は制御基板38に実装されている各電気部品の放熱に殆ど依存しているからである。
【0031】
このため、出口温度T1と基板温度T2との温度差Tは、図5(b)に示す曲線L3のように変化する。すなわち、当初は緩やかに上昇し、予熱期間〔i〕の終端付近で最高となった後に緩やかに減少し、その後、ほぼ一定に推移する。そして、減率乾燥期間〔iii〕において出口温度T1が上昇するに伴い温度差Tも徐々に上昇する。
【0032】
上記ステップS7における乾燥運転の終了は、例えば、温度差Tが予め設定された所定値Tbに到達したとき、所定の乾燥運転時間が経過したときに、或いは、出口温度T1が所定温度Ta(例えば80℃)に到達した後にヒータ25のON/OFF制御により該温度をほぼ一定に維持して所定時間が経過したとき、のいずれかにおいて行なわれる。乾燥運転終了後には、引き続き後述のようなクールダウン運転を実行し(ステップS8)、クールダウン運転が終了したならば(ステップS9)モータ27をOFFして全ての処理を終了する。
【0033】
次に、上記ステップS8のクールダウン運転の制御処理を図4のフローチャートに沿って詳述する。クールダウン運転が開始されると、マイコン50はヒータ25をOFFする一方、モータ27をONした状態に保つ(ステップS10)。そして、マイコン50はクールダウン運転時間を決定する(ステップS11)。すなわち、ドラム出口温度T1と乾燥運転時間t1との二つをパラメータとして、図6に示すようなテーブルからクールダウン運転時間を選択する。このようなテーブルはROM52に予め格納されている。ここで、乾燥運転時間t1は、乾燥運転が開始されてからドラム出口温度T1が所定温度Ta(例えば80℃)に到達する迄の所要時間ta、又は温度差Tが所定値Tbに達する迄の所要時間tbのいずれか短い方の所要時間tに対し、この所要時間tが30分未満の場合にはt1=0分、30分以上60分未満の場合にはt1=30分、60分以上90分未満の場合にはt1=60分、90分以上の場合にはt1=90分とする。
【0034】
上記所要時間tが長いときには、例えばドラム13内の衣類の量が多い等、熱容量が大きいと考えられる。このような場合、衣類を冷却するためにもより長い時間を要すると判断できるので、予めクールダウン運転時間を長く設定する。また、クールダウン運転初期のドラム出口温度T1が高い場合にも、衣類を冷却するためにより長い時間を要すると判断できるので、予めクールダウン運転時間を長く設定する。上記クールダウン運転時間がタイマ54に含まれる運転時間タイマに設定されると、計時が開始される(ステップS12)。
【0035】
次いで、マイコン50はドラム出口温度T1が40℃未満であるか否かを判定する(ステップS13)。出口温度T1が40℃未満に下がっていないと判定されると、タイマ54に含まれる10秒タイマ(10秒間をカウントするタイマ)をリセットし(ステップS17)、運転時間タイマの残り時間が1分以内であるか否かを判定する(ステップS18)。残り時間が1分を越えていると判定されるとステップS13へと戻り、ドラム出口温度T1が40℃未満であるか否かを再び判定する。上記ステップS18にて残り時間が1分以内であると判定されると、次いでドラム出口温度T1が50℃を越えているか否かを判定する(ステップS19)。出口温度T1が50℃を越えていると判定されると、10秒タイマの計時を開始し(ステップS20)、該10秒タイマの計時が終了したか否かを判定する(ステップS21)。計時が終了していない場合には、運転時間タイマの計時が終了したか否かを判定する(ステップS26)。
【0036】
上記ステップS26にて運転時間タイマの計時が終了していないと判定されるとステップ19へと戻る。一方、上記ステップS19にて出口温度T1が50℃以下であると判定されると、10秒タイマをリセットした後に(ステップS25)、運転時間タイマの計時が終了したか否かを判定する(ステップS26)。従って、ステップS21にて10秒タイマの計時が終了したと判定されたときは、ドラム出口温度T1が50℃を越えた状態が10秒継続したことを意味する。この場合には、運転時間タイマの残り時間に3分を加算することにより、クールダウン運転時間を3分間延長する(ステップS22)。そして、延長回数カウンタ値Cを1だけカウントアップし(ステップS23)、該カウンタ値Cが8以下であるか否かを判定する(ステップS24)。なお、該カウンタ値Cは上記ステップS2の初期設定時又はその後の適当な時点で零にリセットされている。上記ステップS24にて計数値Cが8以下であると判定されたときにはステップS13へと戻る。従って、上記のような運転時間の延長は8回まで行なわれ、計数値Cが9であったときにはステップS24からS16へ進み、モータ27をOFFして運転を終了する。
【0037】
上記ステップS13にてドラム出口温度T1が40℃未満であると判定されると、10秒タイマの計時を開始し(ステップS14)、該10秒タイマの計時が終了したか否かを判定する(ステップS15)。計時が終了していない場合には、ステップS13へ戻る。従って、上記ステップS15にて計時が終了したと判定されるのは、出口温度T1が40℃未満の状態が10秒継続したときである。このときには、ドラム13内の衣類の温度が十分に下がったと判断できるので、ステップS16に進み、モータ27をOFFして運転を終了する。
【0038】
以上のように、本実施例の衣類乾燥機では、(1)ドラム出口温度T1が10秒連続して40℃未満であったとき(つまり、図4にてステップS13→S14→S15→S16と処理が進んだとき)、或いは、(2)クールダウン運転時間が終了する時点の1分以内にドラム出口温度T1が10秒連続して50℃を越えることなく該運転時間が終了したとき(つまり、図4にてステップS19→S25→S26→S16と処理が進んだとき)、のいずれかの場合にドラム13内の衣類の温度が十分に下がったと判断してクールダウン運転が終了される。
【0039】
また、(3)クールダウン運転時間が終了する時点の1分以内にドラム出口温度T1が10秒連続して50℃を越えたために該運転時間を3分間延長し、これを8回繰り返したとき(つまり、図4にてステップS22→S23→S24→S16と処理が進んだとき)には、周囲温度等の条件により、これ以上クールダウン運転を継続しても温度が下がらないと判断してクールダウン運転を終了する。
【0040】
なお、上記実施例中の数値は一例であって、これに限定されるものではない。また、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正を行なえることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である衣類乾燥機の側面縦断面図。
【図2】 上記衣類乾燥機の電気系構成図。
【図3】 この衣類乾燥機における乾燥運転全体の処理のフローチャート。
【図4】 この衣類乾燥機におけるクールダウン運転処理のフローチャート。
【図5】 乾燥運転時の出口温度と基板温度の運転時間に対する変化を示す図。
【図6】 クールダウン運転時間を決定する際に用いるテーブルの一例を示す図。
【符号の説明】
13…ドラム 25…ヒータ
27…モータ 35…出口温度センサ
39…雰囲気温度センサ 50…マイコン
68…負荷駆動回路
Claims (3)
- 衣類を収容したドラムに加熱空気を送り込み該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に乾燥風を循環させる乾燥運転を実行した後に、ドラムの回転を継続し冷風を該ドラム内に送り込むクールダウン運転を実行する衣類乾燥機において、
a)ドラムから排気される空気の温度を検出する温度検出手段と、
b)クールダウン運転中に前記温度検出手段による検出温度が第1の規定値以下であるか否かを判定する第1の温度判定手段と、
c)クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が前記第1の規定値よりも高い第2の規定値を越えているか否かを判定する第2の温度判定手段と、
d)該第2温度判定手段にて検出温度が第2の規定値を越えていると判定されたときクールダウン運転時間を延長する運転時間延長手段と、
e)前記第1の温度判定手段にて検出温度が第1の規定値以下であると判定されるか又は所定のクールダウン運転時間が経過したときに、クールダウン運転を終了する運転制御手段と、を備え、
前記第2の温度判定手段は、クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が所定時間連続して第2の規定値を越えているか否かを判定することを特徴とする衣類乾燥機。 - 衣類を収容したドラムに加熱空気を送り込み該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に乾燥風を循環させる乾燥運転を実行した後に、ドラムの回転を継続し冷風を該ドラム内に送り込むクールダウン運転を実行する衣類乾燥機において、
a) ドラムから排気される空気の温度を検出する温度検出手段と、
b) クールダウン運転中に前記温度検出手段による検出温度が第1の規定値以下であるか否かを判定する第1の温度判定手段と、
c) クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が前記第1の規定値よりも高い第2の規定値を越えているか否かを判定する第2の温度判定手段と、
d) 該第2温度判定手段にて検出温度が第2の規定値を越えていると判定されたときクールダウン運転時間を延長する運転時間延長手段と、
e) 前記第1の温度判定手段にて検出温度が第1の規定値以下であると判定されるか又は所定のクールダウン運転時間が経過したときに、クールダウン運転を終了する運転制御手段と、を備え、
前記運転時間延長手段は、クールダウン運転時間の延長動作を所定回数に制限することを特徴とする衣類乾燥機。 - 衣類を収容したドラムに加熱空気を送り込み該ドラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に乾燥風を循環させる乾燥運転を実行した後に、ドラムの回転を継続し冷風を該ドラム内に送り込むクールダウン運転を実行する衣類乾燥機において、
a) ドラムから排気される空気の温度を検出する温度検出手段と、
b) クールダウン運転中に前記温度検出手段による検出温度が第1の規定値以下であるか否かを判定する第1の温度判定手段と、
c) クールダウン運転時間の終了時点より所定時間遡った期間中に前記温度検出手段による検出温度が前記第1の規定値よりも高い第2の規定値を越えているか否かを判定する第2の温度判定手段と、
d) 該第2温度判定手段にて検出温度が第2の規定値を越えていると判定されたときクールダウン運転時間を延長する運転時間延長手段と、
e) 前記第1の温度判定手段にて検出温度が第1の規定値以下であると判定されるか又は所定のクールダウン運転時間が経過したときに、クールダウン運転を終了する運転制御手段と、を備え、
前記運転時間延長手段にて延長される前のクールダウン運転時間は、クールダウン運転前の乾燥運転の所要時間と、クールダウン運転開始直前又は直後の前記温度検出手段によ る検出温度とに基づいて決められることを特徴とする衣類乾燥機。
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