JPH1043499A - 衣類乾燥機 - Google Patents

衣類乾燥機

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JPH1043499A
JPH1043499A JP8220386A JP22038696A JPH1043499A JP H1043499 A JPH1043499 A JP H1043499A JP 8220386 A JP8220386 A JP 8220386A JP 22038696 A JP22038696 A JP 22038696A JP H1043499 A JPH1043499 A JP H1043499A
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heater
drying
drum
heaters
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Takashi Fukuda
隆 福田
Koichi Kuroda
晃一 黒田
久典 ▲広▼瀬
Hisanori Hirose
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静止乾燥棚を用いたドライ乾燥において、布
傷みの少ない良好な乾燥を実現する。 【解決手段】 ドライ乾燥コース(a)が選択される
と、ドラムの空気出口付近に設けた出口温度センサによ
り検出された出口温度がハイリミッタ温度に達するまで
は、3個の加熱ヒータの内の2個をONさせて緩やかに
温度を上昇させる(〔I〕期間)。出口温度がハイリミ
ッタ温度に到達したならば、加熱ヒータを1個のみON
して加熱を抑える。これにより出口温度は緩やかに下降
する(〔II〕期間)。出口温度がハイリミッタ温度−4
℃にまで低下したならば、再び2個の加熱ヒータをON
させ温度を上昇に転じさせる(〔III〕期間)。このよ
うに温度下降時にも一部の加熱ヒータをONしておくこ
とにより、温度変動の範囲を小さくし衣類の布傷みを少
なくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類乾燥機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】家庭用の衣類乾燥機は、湿った衣類を収
容したドラム内に乾燥した熱風を供給し、衣類から蒸発
した水分を含む湿った熱風を冷却することにより除湿
し、乾燥させた空気をヒータにて再加熱してドラムへ循
環する構成となっている。ドラムは水平軸を中心にゆっ
くりと回転され、これによりドラム内の衣類は攪拌され
てむらのない乾燥が実行される。
【0003】このような衣類乾燥機では、良好な乾燥を
実現するために、ヒータのON/OFF制御が行なわれ
る。従来知られている衣類乾燥機では、例えば、正特性
サーミスタで構成された2個のヒータが用いられ、ドラ
ムの出口付近に設けられた温度センサによって検出され
るドラム出口温度に基づき2個のヒータのON/OFF
が制御される。
【0004】具体的には、ドラム出口温度が所定温度に
到達するまでは2個のヒータを共にONし、ドラム出口
温度が所定の上限温度に到達したならば、それ以上の温
度上昇を抑えるために2個のヒータを共にOFFする。
そして、ドラム出口温度が下降し所定の下限温度まで下
がったときに再び2個のヒータを共にONし再加熱を行
なう。また、熱に弱い繊維の衣類や特に少量の衣類を乾
燥する際には、低い温度で乾燥を行なうために「ヒータ
弱」を選択できるようにし、「ヒータ弱」が選択された
ときにはヒータ1個を常にOFFさせ、他の1個のヒー
タをON/OFF制御することにより乾燥を実行する。
【0005】ところで、このような衣類乾燥機では、靴
や小物等をドラム内で攪拌せずに静止状態で乾燥するた
めに静止乾燥棚が用いられる。静止乾燥棚は、ドラム手
前側の衣類投入口の下部とドラム内部奥の回転中心との
間に保持される構造を有してとおり、ドラムが回転して
も棚自体は静止状態を保つようになっている。
【0006】上記静止乾燥棚は、家庭で洗濯されたドラ
イクリーニング用衣類を攪拌せずに乾燥するためにも有
用である。ドライクリーニング用衣類は特に布傷みし易
いものが多いため、ドライクリーニング用衣類の静止乾
燥においては、「ヒータ弱」を選択して弱い加熱により
乾燥を行なうことが使用者に推奨されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、静止乾
燥では通常のドラム回転による乾燥と異なった空気の流
れを生じるため、次のような問題があった。すなわち、
ドラム手前側の空気取入口からドラム内に供給された熱
風は静止乾燥棚付近を通過してドラム奥の空気出口から
ドラム外側に抜けるが、静止乾燥時にはドラム内で衣類
が攪拌されているときと比較して熱風の障害が少ない。
このため、ドラム内に吹き込んだ熱風がドラム内で滞留
する時間が短く、スムーズに空気出口へ到達してしま
う。
【0008】この結果、ドラム出口温度が所定の上限温
度に到達したときヒータをOFFすると、ドラム内の温
度は急速に低下する。勿論、この温度低下はドラム出口
温度により検知できるが、温度低下が急激であると検知
が遅れてドラム内の温度は所定の下限温度よりも大きく
下がってしまう。つまり、下限温度と上限温度との間の
範囲にドラム出口温度が収まるようにヒータのON/O
FFを制御すべきところが、この温度範囲よりもドラム
出口温度の変動が大きくなる。このような大きな温度変
動は衣類の布傷みの原因となる。
【0009】更に、上述のようにドラム出口温度が一旦
下がり過ぎると、次にヒータをONしたときに温度上昇
の立ち上がりが鈍く、温度が高くなるまでに時間を要す
る。このため、乾燥性能が劣化することになる。
【0010】本発明は上記問題を解決するために成され
たもので、その目的とするところは、静止乾燥において
衣類の布傷みが少ない良好な乾燥を行なうことができる
衣類乾燥機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明の衣類乾燥機は、衣類を収容した回転
ドラムに加熱ヒータにて加熱した熱風を送り込み、該ド
ラム内を通過した空気を冷却して除湿した後に該乾燥風
を循環させる衣類乾燥機において、 a)ドラムを通過した直後の熱風の温度を検出する温度検
出手段と、 b)該温度検出手段により検出された温度が所定の上限温
度に到達したか否かを判定する判定手段と、 c)ドラムへ送り込む空気を熱するためのn個(nは3以
上)の加熱ヒータと、 d)該加熱ヒータへの通電を制御する加熱制御手段であっ
て、第1の運転モードにおいて、前記判定手段により検
出温度が所定の上限温度に到達していないと判定される
ときには2個以上且つ(n−1)個以下の加熱ヒータを
通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達したと判
定されると少なくとも1個の加熱ヒータを残して他の加
熱ヒータへの通電を停止する加熱制御手段と、を備える
ことを特徴としている。
【0012】なお、第1運転モードによる乾燥運転は、
ドラム内部に該ドラムが回転しても静止状態に保たれる
静止乾燥棚を取り付け、該静止乾燥棚上に衣類を載置し
て乾燥を行なわせる衣類乾燥機において特に有用であ
る。
【0013】また、上記衣類乾燥機において、前記加熱
制御手段は、第2の運転モードにおいて、前記判定手段
により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判
定されるときには最大n個の加熱ヒータを通電させ、該
検出温度が所定の上限温度に到達したと判定されると全
ての加熱ヒータへの通電を停止する構成とすると好まし
い。
【0014】また、上記衣類乾燥機において、前記加熱
制御手段は、第3の運転モードにおいて、前記判定手段
により検出温度が所定の上限温度に到達していないと判
定されるときには2個以上且つ(n−1)個以下の加熱
ヒータを通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達
したと判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止す
る構成とすると一層好ましい。
【0015】更に、上記衣類乾燥機において、前記判定
手段は、前記温度検出手段により検出された温度が所定
の下限温度まで下降したか否かを判定し、前記加熱制御
手段は、検出温度が所定の上限温度に到達したと判定さ
れ加熱ヒータへの通電を停止した後に該検出温度が所定
の下限温度まで下降したと判定されたとき、再び第1乃
至第3の運転モードに応じた加熱ヒータへの通電を行な
うことを特徴としている。
【0016】なお、上記衣類乾燥機において、第1乃至
第3の運転モードにおける所定の上限温度は各運転モー
ド毎に変えると一層効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る衣類乾燥機は、3個
以上の加熱ヒータを備えており、加熱制御手段により各
加熱ヒータへの通電が制御される。例えば、加熱ヒータ
が3個である場合、加熱制御手段は、判定手段により検
出温度が所定の上限温度に到達していないと判定される
ときには2個の加熱ヒータを通電させ、検出温度が所定
の上限温度に到達したと判定されるとその2個の内の1
個の加熱ヒータへの通電を停止する。すなわち、第1の
運転モードでは、3個設けられた加熱ヒータの内、加熱
に使用されるのは最大2個であり、検出温度が所定の上
限温度に到達するまでは2個の加熱ヒータに通電がなさ
れ、上限温度に到達すると1個の加熱ヒータのみに通電
がなされる。
【0018】2個の加熱ヒータに通電される場合には、
3個の加熱ヒータに通電される場合に比べてドラムに供
給される加熱空気の温度は低くなるので、ドラム内の温
度上昇の勾配は緩やかになる。また、検出温度が所定の
上限温度に到達したときにはドラム内の温度上昇を抑え
るために1個の加熱ヒータへの通電が停止されるが、他
の1個の加熱ヒータには通電が継続されるので、全加熱
ヒータへの通電が停止される場合に比べて温度降下の勾
配は緩やかになる。このため、温度の上昇及び下降共に
その勾配が緩やかであるので、温度を狭い範囲内に制御
することが容易になる。
【0019】特に、ドラム内部に静止乾燥棚を取り付け
静止乾燥棚上に衣類を載置して静止乾燥を実行する際に
は、ドラム内を熱風が通り抜け易いため、ドラム内の温
度の上昇及び降下が急激になりがちである。このため、
上記の如き加熱ヒータの制御を行なうようにすれば、温
度の上昇及び降下を緩やかにすることができ、温度制御
が容易になる。
【0020】第1の運転モードでは、ドラム内の温度を
高温にするために時間を要する。また、通常の回転ドラ
ムによる乾燥運転でドラム内に多量の衣類が収容されて
いるときには熱風がドラム内に滞留し易いため、第1の
運転モードのように検出温度が所定の上限温度に到達し
た後も加熱ヒータの一部に通電し続けると、ドラム内の
温度が暫時上昇し続ける可能性もある。
【0021】そこで、通常の乾燥運転においては、第2
の運転モードのように、加熱制御手段は、検出温度が所
定の上限温度に到達していないと判定されるときには最
大3個の加熱ヒータを通電させ、検出温度が所定の上限
温度に到達したと判定されると全ての加熱ヒータへの通
電を停止する。
【0022】また、通常の乾燥運転においても、例え
ば、衣類の量が少ない場合や薄手の衣類等、布傷みを生
じ易い衣類の乾燥を行なう場合、第3の運転モードのよ
うに、加熱制御手段は、検出温度が所定の上限温度に到
達していないと判定されるときには最大2個の加熱ヒー
タを通電させ、検出温度が所定の上限温度に到達したと
判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止する。
【0023】第1乃至第3の運転モードにおいて、検出
温度が所定の上限温度に到達したと判定され一部又は全
ての加熱ヒータへの通電を停止した後に温度が下降し、
検出温度が所定の下限温度まで下降したと判定される
と、それ以下の温度を下げないようにするため、再び加
熱が開始される。このような加熱ヒータの通電制御によ
り、上限温度と下限温度とにより定まる範囲に検出温度
がほぼ収まる。
【0024】第1乃至第3の運転モードにおいて乾燥対
象とする衣類の種類(繊維の種類等)は異なるから、適
正な乾燥を行なうためには所定の上限温度を適宜に定め
て、その上限温度に達したときに加熱ヒータの一部又は
全部への通電を停止するようにすると良い。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る衣類乾燥機によれば、ドラ
ムを通過した熱風の温度が所定の上限温度に到達したと
きに、少なくとも1個の加熱ヒータには通電が継続され
る。これにより、ドラム内の温度は緩やかに低下するか
ら、ドラム内の温度を狭い温度範囲内に収めように制御
することが容易になる。この結果、ドラム内の衣類の温
度変動が小さくなるので衣類の布傷みを少なくすること
ができ、特に静止乾燥棚を用いてドライクリーニング専
用の衣類を乾燥する場合にも衣類の布傷みの少ない良好
な乾燥が行なえる。
【0026】また、静止乾燥でなく通常のドラム回転に
よる乾燥運転においては、それに合った適切な加熱制御
が行なわれるので、良好な乾燥を達成することができ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明による衣類乾燥機の一実施例を
図1〜図12に基づいて説明する。まず、この衣類乾燥
機の全体構成を図1の側面縦断面図を参照して説明す
る。衣類乾燥機1の機枠2の前面中央には衣類投入口3
が設けられ、その開口はドア4により開閉される。機枠
2の背面には後面板5が止着され、後面板5の略中央に
は外部空気の吸気口6が形成されている。一方、機枠2
の下面には空気の排気口7が形成されている。機枠2内
において、衣類投入口3を取り囲むように環状の板金製
のドラム支持板8が取り付けられ、また後部には後面板
5と所定間隔を保って横方向に支持板9が架設されてい
る。この支持板9には一部を切り欠いたファンケーシン
グ10が固定されており、これにより機枠2内はファン
室11と乾燥室12とに区画されている。
【0028】乾燥室12内には水平軸型のドラム13
が、前面開口を衣類投入口3に対向させた状態でドラム
支持板8にフェルト等を介して支持され、後面側は主軸
14により回転自在に軸支されている。ドラム13の背
面にはリントフィルタ16に被覆された空気出口15が
形成される一方、前面のドラム支持板8の下部には空気
取入口17が形成されている。支持板9には乾燥室12
とファン室11とを連通する連通口18が形成され、空
気出口15からの空気流が確実に連通口18に至るよう
にシール部材19がドラム13と支持板9との間に取り
付けられている。
【0029】ファン室11内においては、主軸14に円
板状の合成樹脂製の両面ファン20が固着され、乾燥室
12側に位置する循環ファン20aと後面板5側に位置
する冷却ファン20bとがそれぞれ放射状に表裏一体に
形成されている。ファンケーシング10内には両面ファ
ン20を囲むように隔壁21が設けられ、この隔壁21
の略中央の円形開口に両面ファン20を収容することに
より、この両面ファン20と隔壁21とが相まってファ
ン室11内を乾燥風路22と冷却風路23とに区画して
いる。両面ファン20の周縁には乾燥風路22へ向けて
開口する同心状の回転溝が一体形成され、一方、隔壁2
1の内周縁には冷却風路23へ向けて開口する同心状の
固定溝が形成されており、両面ファン20の回転溝と隔
壁21の固定溝とは相互に非接触状態で遊嵌されてい
る。すなわち、両面ファン20の回転溝と隔壁21の固
定溝とはラビリンス結合を成している。このため、乾燥
風路22と冷却風路23との間は空気の交換ができない
ようになっている。
【0030】乾燥風路22の下部とドラム支持板8に形
成されている空気取入口17とは乾燥ダクト24により
連結されており、その内部の空気取入口17付近には加
熱ヒータ25が配置されている。この加熱ヒータ25
は、例えばハニカム形状の正特性サーミスタで構成され
ている。乾燥ダクト24の最下部には、乾燥ダクト24
内に凝縮した除湿水を機外に排出するための排水口26
が設けられている。
【0031】機枠2内の底部にはモータ27が配置され
ている。モータ27は、ドラム13の外周面に巻掛けら
れたVベルト32にプーリ31を介して回転力を与える
一方、プーリ28、ファンベルト29を介して冷却ファ
ン20bの中央に形成されたプーリ30に回転力を与え
ている。また、Vベルト32のスリップを防止するため
に、ドラム回転時にアイドラプーリ33がVベルト32
に適当な張力を加える。プーリ28にはモータ27の回
転数を検出するための回転センサ34が取り付けられて
いる。
【0032】而して、乾燥運転時には、モータ27の回
転駆動力により、ドラム13が低速で、両面ファン20
は高速でそれぞれ回転され、同時に加熱ヒータ25に通
電されて乾燥風が加熱される。これにより、循環ファン
20aの回転で生起した風が、乾燥風路22、乾燥ダク
ト24、ドラム13を通って循環し、熱風がドラム13
内を通過する際に衣類から水分を奪う。一方、冷却ファ
ン20bの回転により、外気が吸気口6から冷却風路2
3内に導入され排気口7から排出される。このとき両面
ファン20自体が冷気により冷却される。ドラム13を
通過した後の水分を含む熱気は両面ファン20に接触し
て冷却され、凝縮した水が乾燥風路22の内壁を流下し
て排水口26から排出される。
【0033】ドライクリーニング専用衣類、靴、小物類
等を攪拌せずに乾燥するための静止乾燥棚80は、金属
網製の水平な棚板を有し、ドラム13奥の中央とドラム
13手前下のドラム支持板8の上部との間に取り付けら
れるようになっている。このように静止乾燥棚80が設
置されると、ドラム13が回転しても静止乾燥棚80は
静止状態を保つ。ドライクリーニング専用衣類等の乾燥
に際しては、使用者によって静止乾燥棚80が所定の位
置に取り付けられ、棚板の上部に衣類81が載置され、
後述のようなドライ乾燥コースが選択されて乾燥運転が
実行される。
【0034】ドラム13の空気出口15の近傍には、ド
ラム13から排気される空気の温度を検出するための出
口温度センサ35が配置されている。出口温度センサ3
5は、例えばサーミスタのような感熱素子で構成されて
いる。また、機枠2の前面下方には、種々の入力キーや
表示器を備えた操作パネル36が設けられている。この
操作パネル36の後方の機枠2内部には、合成樹脂製の
基板ケース37がビスにて取付られており、基板ケース
37には周囲温度の急激な変化の影響を受けにくい熱容
量の大きな部材で構成された制御基板38が内装されて
いる。制御基板38上には、後述するマイクロコンピュ
ータ(以下「マイコン」という)や制御基板38自体の
温度を検出するための雰囲気温度センサ39、その他の
各種の電気部品が実装されている。
【0035】図2は、上記操作パネル36の外観を示す
正面図である。この操作パネル36には、電源を投入す
るための電源キー40、乾燥運転のスタートや一時停止
を指示するためのスタートキー41、「標準乾燥コー
ス」「ちょっと乾燥コース」「ドライ乾燥コース」等の
乾燥コースを選択するためのコース切換キー42、及
び、加熱の強さを選択するためのヒータ切換キー43と
いった入力キー類と、選択されたコース、加熱の強さ、
及び、乾燥運転の進行状況を知らせるためのLED群4
4、入力キーの操作確認や異常報知を行なうための電子
ブザー45、並びに、リントフィルタ16の目詰まりを
警告するためのが表示器46が設けられている。
【0036】次に、この衣類乾燥機1の電気系構成を図
3を参照して説明する。制御の中心には、CPU51、
ROM52、RAM53、タイマ54、A/D変換器5
5等から成るマイコン50が備えられており、ROM5
2に予め記憶されてる運転プログラムに従って後述の各
部を制御することにより乾燥運転を実行する。マイコン
50には、操作パネル36の入力キー類を含む入力キー
回路60、ドア4の開閉を検知するドアスイッチ61、
操作パネル36のLED群44を駆動するLED点灯回
路62、出口温度センサ35、雰囲気温度センサ39、
回転センサ34を含む回転数検出回路63、電子ブザー
45を駆動するブザー回路64、商用電源に接続された
電源回路65、商用電源のゼロクロス点を検出する商用
電源ゼロクロス信号検出回路66、モータ27、2つの
加熱ヒータ25a、25b及び乾燥運転が終了した後に
自動的に電力供給を遮断するためのオートパワーオフ回
路(APO)67を駆動するための負荷駆動回路68、
マスタークロック信号を生成するクロック発振回路6
9、リセット回路70、並びに、電流検出回路71が接
続されている。
【0037】図4は、本実施例の衣類乾燥機における出
口温度センサ35にて検出される出口温度T1、及び、
雰囲気温度センサ39にて検出される基板温度T2の、
乾燥運転時間に対する変化を示す図である。出口温度T
1は曲線L1のように変化する。すなわち、予熱期間
〔i〕では、与えられた熱量が乾燥機本体や水分を多く
含んだ衣類そのものの温度を高めるために費やされるた
め、出口温度T1は緩やかに上昇する。続く恒率乾燥期
間〔ii〕では、与えられた熱量の殆どが衣類の中の水分
を蒸発させるために費やされるため、出口温度T1はほ
ぼ一定に推移する。減率乾燥期間〔iii〕では、与えら
れた熱量が、水分の蒸発のみならず水分が減った衣類そ
のもの或いは乾燥機本体の温度上昇にも費やされるた
め、出口温度T1は再び上昇する。
【0038】上記減率乾燥期間〔iii〕においては、出
口温度T1が所定の上限温度であるハイリミッタ温度TH
に達した後に下降し、出口温度T1がハイリミッタ温度
THとの所定の温度差αによって決まる下限温度にまで
低下すると再びに上昇する、というように、出口温度T
1が所定の温度範囲αの間で往復する。これは、後述の
ような加熱ヒータ25のON/OFF制御が行なわれる
ためである。
【0039】一方、基板温度T2は曲線L2のように変化
する。すなわち、基板温度T2は、運転開始から暫くの
間は緩やかに上昇し、ある程度時間が経過するとほぼ一
定に推移する。これは、雰囲気温度センサ39が取り付
けられている制御基板38が、周囲温度そのものには影
響を受けるがその急激な変化の影響は受けにくい熱容量
の大きな部材であるため、基板温度T2の変化は制御基
板38に実装されている各電気部品の放熱に殆ど依存し
ているからである。
【0040】以下、上記構成の衣類乾燥機において、そ
の特徴である加熱ヒータのON/OFF制御を中心に、
マイコン50の処理動作を図5〜図8のフローチャート
に沿って説明する。
【0041】図5は、乾燥運転の処理全体を示すフロー
チャートである。まず、電源キー40がONされると
(ステップS1)、マイコン50はリセット回路70か
らのリセット信号を受けて初期設定を実行し(ステップ
S2)、これにより各種フラグや変数等がリセットされ
る。使用者により衣類がドラム13内へ収容されスター
トキー41が押されると(ステップS3)、マイコン5
0はモータ27の初期目標回転速度を例えば1150r
pmに設定してモータ27を始動させる(ステップS
4)。これにより、モータ27の回転速度は目標回転速
度にまで急速に上昇し、ドラム13及び両面ファン20
はそれぞれの減速比により定まった所定の回転速度にて
回転する。
【0042】また、温度条件等により加熱ヒータ25へ
の通電状態を決定する加熱ヒータ設定処理を実行し(ス
テップS5)、これにより決定された加熱ヒータ25に
通電を行なう加熱ヒータ駆動処理を実行する(ステップ
S6)。そして、乾燥運転に必要なその他の処理を実行
する(ステップS7)。例えば、マイコン50は、電流
検出回路71により検出されたモータ27、加熱ヒータ
25を含む電源電流に比例したアナログ値の信号を受
け、これをA/D変換器55にてデジタル値に変換し、
これが所定の値となるようにモータ27の目標回転速度
を修正する。更に、この目標回転速度となるようにモー
タ27に供給する電源の位相を調整する。
【0043】このような加熱ヒータ25及びモータ27
の制御を行なった後に、乾燥運転が終了したか否かを判
定し(ステップS8)、終了していない場合にはステッ
プS5へと戻りステップS5〜S8の処理を繰り返し実
行する。乾燥運転は、例えば、乾燥開始より所定の運転
時間が経過したとき、或いは、出口温度T1と基板温度
T2との温度差が予め設定された所定値に到達したとき
に終了される。乾燥運転が終了したならば加熱ヒータ2
5をOFFし(ステップS9)、高温になった衣類を取
り出し易い温度にまで冷却するためにクールダウン運転
を実行する(ステップS10)。クールダウン運転が終
了したならば、モータ27を停止し全ての処理を終了す
る。
【0044】次に、上記ステップS5の加熱ヒータ設定
処理を、図9〜図12を参照しつつ図6、図7のフロー
チャートに沿って説明する。図9は「ドライ乾燥コー
ス」における出口温度T1の変化を示す図、図10〜図
12は後述のハイリミッタ温度THの決定に使用される
テーブルの一例である。まず、使用者によりコース切換
キー42にて「ドライ乾燥コース」が選択された場合に
ついて説明する。「ドライ乾燥コース」は、デリケート
なドライクリーニング専用衣類を乾燥させることを目的
とした乾燥コースであり、通常、前述のように静止乾燥
棚80がドラム13内に設置された状態で選択される。
この「ドライ乾燥コース」では、ヒータの切換は必ず
「ヒータ弱」に設定されるようになっている。
【0045】加熱ヒータ設定処理では、まず、ハイリミ
ッタフラグHFがセットされているか否かが判定される
(ステップS12)。ハイリミッタフラグHFは、上限
温度であるハイリミッタ温度THが既に決定されている
ことを示すフラグであり、初期設定時にはリセットされ
ている。従って、乾燥運転開始直後にはハイリミッタフ
ラグHFは「0」であるので、ハイリミッタ温度THの
決定処理(ステップS13)へ移行する。
【0046】ハイリミッタ温度THは、その時点での運
転時間t、基板温度T2及び電流Iに応じて予め定めら
れた値の中から選択される。図10〜図12は、ハイリ
ミッタ温度THを選択するために用意されるテーブルの
一例である。このようなテーブルがROM52に予め格
納されており、各乾燥運転のコース毎に、運転時間t、
基板温度T2及び電流Iを入力すると対応するハイリミ
ッタ温度THの値が出力される。ここで、電流Iは、電
流検出回路71により検出された電流値であり、モータ
25を駆動するための駆動電流、及び、加熱ヒータ25
を加熱するための駆動電流を含む衣類乾燥機に供給され
る全電源電流を検出した値である。
【0047】ハイリミッタ温度THが選択された後、温
度傾斜フラグDFをリセットする(ステップS14)。
温度傾斜フラグDFは、温度が上昇又は下降のいずれの
方向に制御されているのかを示すフラグであり、「0」
のときに上昇方向であると定義されている。なお、この
温度傾斜フラグDFは制御の方向を示すものであって、
実際に出口温度T1の上昇・下降と一致しているとは限
らない。
【0048】次いで、この温度傾斜フラグDFが「0」
であるか否か、すなわち上昇傾斜であるか否かを判定す
る(ステップS15)。ここでは、ステップS14にて
温度傾斜フラグDFはリセットされているのでステップ
S16へ進み、出口温度T1がハイリミッタ温度TH以上
であるか否かを判定する。当初、出口温度T1はハイリ
ミッタ温度THになっていないからステップS24へと
進み、「ヒータ強」であるか否かを判定する。ステップ
S24にて「ヒータ弱」であると判定されると、次に温
度傾斜フラグDFが「0」であるか否かを判定する(ス
テップS28)。当初、温度傾斜フラグDFは「0」で
あるので、ステップS34、S35へと進み、ヒータ1
フラグを「1」、ヒータ2フラグを「0」にする。ヒー
タ1フラグ、ヒータ2フラグは、それぞれ第1加熱ヒー
タ25a、第2加熱ヒータ25bに対するON/OFF
制御を示すフラグである。
【0049】上記ステップS5の加熱ヒータ設定処理に
てヒータ1フラグ及びヒータ2フラグがそれぞれ設定さ
れた後に実行されるステップS6の加熱ヒータ駆動処理
では、図8のフローチャートに示すように、第1、第2
なる2つの加熱ヒータ25a、25bへの通電が制御さ
れる。すなわち、加熱ヒータ駆動処理では、まずヒータ
1フラグがセットされているか否かを判定する(ステッ
プS41)。そして、ヒータ1フラグがセットされてい
る場合には、2個のサーミスタから構成される第1加熱
ヒータ25aに通電を行ない(ステップS42)、ヒー
タ1フラグがリセットされている場合には、第1加熱ヒ
ータ25aへの通電を停止する(ステップS43)。
【0050】次に、ヒータ2フラグがセットされている
か否かを判定する(ステップS44)。そして、ヒータ
2フラグがセットされている場合には、1個のサーミス
タから構成される第2加熱ヒータ25bに通電を行ない
(ステップS45)、ヒータ2フラグがリセットされて
いる場合には、第2加熱ヒータ25bへの通電を停止す
る(ステップS46)。従って、上記ステップS34、
S35にてヒータ1フラグが「1」、ヒータ2フラグ
「0」に設定されているときには、加熱ヒータ駆動処理
において第1加熱ヒータ25aがONされると共に第2
加熱ヒータ25bがOFFされ、2個のサーミスタによ
り加熱が行なわれる。
【0051】上記の如く加熱が開始されると、空気取入
口17からドラム13内へ加熱空気が供給されて出口温
度T1が上昇する(図9(a)の〔I〕期間)。上記ス
テップS5の加熱ヒータ設定処理、及び、ステップS6
の加熱ヒータ駆動処理が繰り返し実行されるに際し、出
口温度T1がハイリミッタ温度THに到達するまでは上記
説明と同じルーチンを通り、第1加熱ヒータ25aのみ
へ通電される状態が継続される。また、この期間、ハイ
リミッタフラグHFはリセットされたままになっている
ので、ステップS13にて、その時点の運転時間t、基
板温度T2及び電流Iに応じたハイリミッタ温度THが選
択されて更新される。
【0052】運転が予熱期間及び恒率乾燥期間を経過し
て減率乾燥期間に至り、出口温度T1が上昇しハイリミ
ッタ温度THに到達すると、加熱ヒータ設定処理におい
てステップS16からS17へと進む。このとき、ハイ
リミッタフラグHFがセットされ(ステップS17)、
温度傾斜フラグDFもセットされる(ステップS1
8)。そして、ステップS24からS28へ進み、温度
傾斜フラグDFがセットされているためにステップS2
9へと進み、ドライ乾燥コースであるか否かが判定され
る。ここではドライ乾燥コースであるのでステップS3
0、S31へと進み、ヒータ1フラグを「0」、ヒータ
2フラグを「1」に設定し直す。これにより、引き続い
て実行される加熱ヒータ駆動処理において、第1加熱ヒ
ータ25a、はOFFされ第2加熱ヒータ25bはON
するように制御される。すなわち、3個の加熱ヒータの
内、1個のみが通電される。
【0053】なお、出口温度T1が一旦ハイリミッタ温
度THに達すると、ステップS17にてハイリミッタフ
ラグHFがセットされるので、それ以降の加熱ヒータ設
定処理ではステップS12からS15へと進むこととな
り、ハイリミッタ温度THは更新されない。つまり、出
口温度T1が始めにハイリミッタ温度THに達した時点で
ハイリミッタ温度THは固定される。
【0054】通電される加熱ヒータ25が2個から1個
に減らされると、空気取入口17からドラム13に供給
される空気の温度は低下し、出口温度T1は下降に転じ
る(図9(a)の〔II〕期間)。この状態において加熱
ヒータ設定処理が行なわれると、温度傾斜フラグは
「1」であるからステップS15からS19へと進み、
ヒータ弱である否かが判定される。ここではヒータ弱で
あるから、制御温度範囲αを4℃に設定する(ステップ
S21)。そして、出口温度T1がハイリミッタ温度TH
−α以上であるか否かを判定する(ステップS22)。
出口温度T1がハイリミッタ温度TH−α以上である場合
には、ステップS24、S28、S29、S30、S3
1へと進み、ヒータ1フラグが「0」、ヒータ2フラグ
が「1」である状態が保たれる。
【0055】更に出口温度T1が下降しハイリミッタ温
度TH−α未満になると、ステップS22からステップ
S23へ進み温度傾斜フラグDFをリセットする。そし
て、ステップS24、S28と進み、温度傾斜フラグD
Fが「0」であるから、ステップS34、S35へと進
んで、ヒータ1フラグを「1」、ヒータ2フラグを
「0」に設定し直す。これにより、引き続く加熱ヒータ
駆動処理において第1加熱ヒータ25aがONされ、第
2加熱ヒータ25bがOFFされる。すなわち、通電さ
れる加熱ヒータ25の個数が再び1個から2個に増加さ
れる。この結果、空気取入口17からドラム13へ供給
される加熱空気の温度は高まり、出口温度T1も上昇に
転じる。
【0056】以上のように、ドライ乾燥コースでは、サ
ーミスタ2個の第1加熱ヒータ25aがONされて出口
温度T1がハイリミッタ温度THまで上昇すると、サーミ
スタ1個の第2加熱ヒータ25bのみがONするように
切り換えられて出口温度T1は下降し始める。出口温度
T1がハイリミッタ温度TH−4℃に至るまでその状態が
継続し、出口温度T1がハイリミッタ温度TH−4℃に到
達すると、再びサーミスタ2個の第1加熱ヒータ25a
がONされて出口温度T1は上昇し始める。つまり、ハ
イリミッタ温度TH及びハイリミッタ温度TH−4℃の温
度範囲(4℃)の間に温度変動が収まるように、加熱ヒ
ータ25のON/OFFが制御される。勿論、加熱ヒー
タ25のON/OFF制御と実際の温度上昇/下降との
間には時間的な遅延が生じるため4℃の温度範囲を若干
逸脱することもあり得るが、温度勾配が緩やかであるか
ら、定められた温度範囲にほぼ収めることができる。
【0057】次に、使用者によりドライ乾燥コースでな
い「ヒータ弱」の乾燥運転が選択された場合の加熱ヒー
タ設定処理について、先のドライ乾燥コースと相違する
点を説明する。通常の「ヒータ弱」では、温度上昇の期
間(図9(b)の〔I〕期間)は先のドライ乾燥コース
と同様に、ステップS34、S35にてヒータ1フラグ
が「1」、ヒータ2フラグが「0」に設定される。従っ
て、第1加熱ヒータ25aがON、第2加熱ヒータ25
bがOFFされる。出口温度T1がハイリミッタ温度TH
に到達すると、ドライ乾燥コースの場合と同様にステッ
プS16、S17、S18、S24、S28と進むが、
ステップS29にてドライ乾燥コースではないと判定さ
れるからステップS32、S33へと進み、ヒータ1フ
ラグ、ヒータ2フラグを共に「0」に設定する。これに
より、第1、第2加熱ヒータ25a、25bが共にOF
Fされる。従って、ドライ乾燥コースの場合と比較して
温度下降時の勾配が大きくなる(図9(b)の〔II〕期
間)。
【0058】次に、使用者により「ヒータ強」の乾燥運
転が選択された場合の加熱ヒータ設定処理について、先
のドライ乾燥コースと相違する点を説明する。「ヒータ
強」では、温度上昇の期間、ステップS24にて「ヒー
タ強」であると判定されるためステップS25、S2
6、S27へと進み、ヒータ1フラグ、ヒータ2フラグ
を共に「1」に設定する。これにより、第1、第2加熱
ヒータ25a、25bが共にONされる。出口温度T1
がハイリミッタ温度THに到達すると、ステップS1
6、S17、S18、S24、S25と進み、温度傾斜
フラグDFが「1」であるためステップS32、S33
と進んで、ヒータ1フラグ、ヒータ2フラグを共に
「0」に設定し直す。これにより、第1、第2加熱ヒー
タ25a、25bは共にOFFされる。
【0059】全ての加熱ヒータ25がOFFされて出口
温度T1の下降が始まると、ドライ乾燥コースの場合と
同様にステップS15からS19へと進むが、ステップ
S19にて「ヒータ強」であると判定されるためステッ
プS20へ進み、制御温度範囲αを1℃に設定する。そ
して、出口温度T1がハイリミッタ温度TH−α未満にな
ると、ステップS22からS23、S24、S25、S
26、S27と進み、再びヒータ1フラグ、ヒータ2フ
ラグを共に「1」に設定する。すなわち、通常の「ヒー
タ強」の乾燥運転では3個の加熱ヒータが使用されるた
め、温度上昇勾配が急である。このため、出口温度T1
が上昇から下降へ、又その逆に下降から上昇へ反転する
ときのいわゆるオーバーシュートが大きくなるので、制
御温度範囲αを「ヒータ弱」の場合と比べて狭くしても
実際の温度変動範囲は「ヒータ弱」の場合に近くなる。
【0060】ところで、販売店舗において上記の如き衣
類乾燥機の運転を顧客に対しデモンストレーションする
場合、或いは、修理担当者が衣類乾燥機の運転動作を調
査・確認する場合に、通常、1時間以上要する乾燥運転
動作を短時間に圧縮して実行させるデモンストレーショ
ン運転が有用である。このようなデモンストレーション
運転では、外部からはその相違が認識できないような内
部動作、例えばモータ27の回転速度の違い等を使用者
(顧客や修理担当者)に知らせるために、通常の運転時
とは表示方法を変更することが行なわれている。
【0061】従来の表示方法の一例としては、モータ2
7の回転速度の違いに応じて表示器の点滅速度を変える
ものがある。例えば、モータ回転速度が1150rpm
以上では0.3秒点灯→0.2秒消灯のサイクルを繰り
返し、モータ回転速度が1150rpm未満では0.5
秒点灯→0.5秒消灯のサイクルを繰り返すことにより
所定のLEDを点滅させる。
【0062】しかしながら、上記のような点滅速度の相
違の認識は人の感覚に依存しているため、使用者によっ
ては点滅速度の相違を識別することが困難で、判断を誤
ることもあった。そこで、本発明の衣類乾燥機では、こ
の問題点を解決するために、内部動作の相違に応じてL
EDの点滅速度を時間的に変化させるパターンを変更す
る、という表示方法を用いている。
【0063】以下、図13のフローチャートに沿って、
デモンストレーション運転時の表示処理におけるマイコ
ン50の制御動作を説明する。なお、この表示処理は電
源キー40が操作され電源が投入された後に繰り返し実
行される。
【0064】まず、運転中であるか否かが判定される
(ステップS51)。スタートキー41が押されている
ときには運転中である。ステップS51にて運転中でな
いと判定された場合には、表示処理を行なう必要がない
ためそのままリターンへと進む。ステップS51にて運
転中であると判定されると、次にデモンストレーション
運転であるか否かを判定する(ステップS52)。デモ
ンストレーション運転は、操作パネル36の各種入力キ
ーを予め定められた特殊な手順で操作したときのみに実
行される。ステップS52にてデモンストレーション運
転であると判定されると、次にドライ乾燥コースである
か否かを判定する(ステップS53)。ここでは、デモ
ンストレーション運転においてコース切換キー42によ
り「ドライ乾燥コース」が選択されたときに、加熱ヒー
タ25をONせずにモータ27の回転速度をモニタでき
る特殊な運転を行なえるようにしている。
【0065】ステップS53にてドライ乾燥コースであ
ると判定されると、その時点でのモータ27の回転速度
VRを検出しその回転速度VRが1150rpm以上であ
るか否かを判定する(ステップS54)。ステップS5
4にて回転速度VRが1150rpm以上であると判定
されたときには、次にその回転速度VRが1300rp
m以上であるか否かを判定する(ステップS55)。そ
して、ステップS55にて回転速度VRが1300rp
m以上であると判定されたときには、ステップS56の
LED点滅処理を実行する。すなわち、選択されたドラ
イ乾燥コースのLEDを、0.2秒点灯→0.1秒消灯
→0.1秒点灯→0.3秒消灯のサイクルにて点滅させ
る。
【0066】ステップS55にて回転速度が1300r
pm未満であると判定されたときには、回転速度は11
50rpm以上1300rpm未満の範囲にあると判断
できる。このときにはステップS57のLED点滅処理
を実行する。すなわち、選択されたドライ乾燥コースの
LEDを、0.3秒点灯→0.2秒消灯→0.2秒点灯
→0.2秒消灯のサイクルにて点滅させる。
【0067】ステップS52にてデモンストレーション
運転でないと判定されたときには、通常の乾燥運転であ
ると判断できる。また、ステップS53にてドライ乾燥
コースでないと判定されたときには、デモンストレーシ
ョン運転であって他の処理を行なうものでると判断でき
る。これらの場合にはいずれもステップS58のLED
点滅処理を実行する。すなわち、選択されたいずれかの
乾燥コースのLEDを、0.5秒点灯→0.5秒消灯の
サイクルにて点滅させる。
【0068】更に、ステップS54にてモータ27の回
転速度が1150rpm未満であると判定されたときに
もステップS58のLED点滅処理を実行する。この場
合は、ドライ乾燥コースが選択されているので、ドライ
乾燥コースのLEDを、0.5秒点灯→0.5秒消灯の
サイクルにて点滅させる。
【0069】以上のような表示処理によれば、デモンス
トレーション運転において、モータ27の回転速度の違
いがドライ乾燥コースのLEDの点滅速度の変化のパタ
ーンの相違により示される。このため、いずれの使用者
に対しても表示の違いの認識が容易になり、判断の誤り
を防ぐことができる。
【0070】なお、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正を行なえることは
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である衣類乾燥機の側面縦
断面図。
【図2】 この衣類乾燥機の操作パネルの配置図。
【図3】 この衣類乾燥機の電気系構成図。
【図4】 乾燥運転時の出口温度と基板温度の運転時間
に対する変化を示す図。
【図5】 この衣類乾燥機における乾燥運転全体の処理
のフローチャート。
【図6】 この衣類乾燥機における加熱ヒータ設定処理
のフローチャート。
【図7】 この衣類乾燥機における加熱ヒータ設定処理
のフローチャート。
【図8】 この衣類乾燥機における加熱ヒータ駆動処理
のフローチャート。
【図9】 ドライ乾燥コース及び標準の「ヒータ弱」コ
ースにおける出口温度の変化を示す図。
【図10】 ハイリミッタ温度の決定処理に用いるテー
ブルの一例を示す図。
【図11】 ハイリミッタ温度の決定処理に用いるテー
ブルの一例を示す図。
【図12】 ハイリミッタ温度の決定処理に用いるテー
ブルの一例を示す図。
【図13】 この衣類乾燥機におけるデモンストレーシ
ョン運転時の表示処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
13…ドラム 25a…第1加熱ヒータ 25b…第2加熱ヒータ 35…出口温度センサ 36…操作パネル 39…雰囲気温度センサ 42…コース切換キー 50…マイコン 60…入力キー回路 68…負荷駆動回路 80…静止乾燥棚

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衣類を収容した回転ドラムに加熱ヒータ
    にて加熱した熱風を送り込み、該ドラム内を通過した空
    気を冷却して除湿した後に該乾燥風を循環させる衣類乾
    燥機において、 a)ドラムを通過した直後の熱風の温度を検出する温度検
    出手段と、 b)該温度検出手段により検出された温度が所定の上限温
    度に到達したか否かを判定する判定手段と、 c)ドラムへ送り込む空気を熱するためのn個(nは3以
    上)の加熱ヒータと、 d)該加熱ヒータへの通電を制御する加熱制御手段であっ
    て、第1の運転モードにおいて、前記判定手段により検
    出温度が所定の上限温度に到達していないと判定される
    ときには2個以上且つ(n−1)個以下の加熱ヒータを
    通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到達したと判
    定されると少なくとも1個の加熱ヒータを残して他の加
    熱ヒータへの通電を停止する加熱制御手段と、 を備えることを特徴とする衣類乾燥機。
  2. 【請求項2】 第1運転モードは、ドラム内部に該ドラ
    ムが回転しても静止状態に保たれる静止乾燥棚を取り付
    け、該静止乾燥棚上に衣類を載置して乾燥を行なう際に
    実行することを特徴とする請求項1に記載の衣類乾燥
    機。
  3. 【請求項3】 前記加熱制御手段は、第2の運転モード
    において、前記判定手段により検出温度が所定の上限温
    度に到達していないと判定されるときには最大n個の加
    熱ヒータを通電させ、該検出温度が所定の上限温度に到
    達したと判定されると全ての加熱ヒータへの通電を停止
    することを特徴とする請求項2に記載の衣類乾燥機。
  4. 【請求項4】 前記加熱制御手段は、第3の運転モード
    において、前記判定手段により検出温度が所定の上限温
    度に到達していないと判定されるときには2個以上且つ
    (n−1)個以下の加熱ヒータを通電させ、該検出温度
    が所定の上限温度に到達したと判定されると全ての加熱
    ヒータへの通電を停止することを特徴とする請求項3に
    記載の衣類乾燥機。
  5. 【請求項5】 前記判定手段は、前記温度検出手段によ
    り検出された温度が所定の下限温度まで下降したか否か
    を判定し、前記加熱制御手段は、検出温度が所定の上限
    温度に到達したと判定され加熱ヒータへの通電を停止し
    た後に該検出温度が所定の下限温度まで下降したと判定
    されたとき、再び第1乃至第3の運転モードに応じた加
    熱ヒータへの通電を行なうことを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
  6. 【請求項6】 第1乃至第3の運転モードにおける所定
    の上限温度は各運転モード毎に変えることを特徴とする
    請求項3又は4に記載の衣類乾燥機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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