JP3683529B2 - 静電粉体塗装方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばモータの回転子のような被塗装物に、静電粉体塗装槽によって粉体を付着させ、加熱溶着させて塗膜を形成する静電粉体塗装方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電粉体塗装方法は、静電粉体塗装槽内において、樹脂粉体を電極によって帯電させると共に流動用エアーによって流動化させ、それによって生じる浮遊粉体中に被塗装物を浸漬させて樹脂粉体を静電気的に付着させ、被塗装物の塗装を必要とされない部分に付着した不要粉体を除去した後、加熱溶着させて硬化させることにより、被塗装物表面に塗膜を形成する方法である。
【0003】
このような静電粉体塗装方法は、例えばモータの回転子のスロット内周及び両端面に絶縁塗装を施す用途などにも利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、モータの回転子のスロット内周及び両端面などに絶縁塗装を施す場合、信頼性を高めるためには、所定箇所における絶縁塗膜を厚く形成する必要がある。特に導線を巻き付けてコイルを形成する際に、導線が強く当たる回転子の両端面は、導線の絶縁被膜が損傷しないようにするため、絶縁塗膜を厚く形成する必要がある。
【0005】
しかしながら、静電粉体塗装によって塗膜を形成する場合、塗膜の厚さに限界があり、それ以上厚くなるように樹脂粉体を付着させても、樹脂粉体どうしが静電反発して剥離してしまうため、塗膜を形成できないという問題点があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来方法よりも厚く塗膜を形成できるようにした静電粉体塗装方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の静電粉体塗装方法は、被塗装物を静電粉体塗装槽に導入し、帯電された樹脂粉体を付着させる第1粉体付着工程と、被塗装物の塗装が必要ない部分に付着した樹脂粉体を除去する不要粉体除去工程と、被塗装物を加熱して、付着した樹脂粉体を溶着させる第1加熱溶着工程と、この溶着した樹脂が硬化する前に、該溶着部分に再度樹脂粉体を付着させる第2粉体付着工程と、被塗装物を再び加熱して付着した樹脂粉体を完全に溶着させる第2加熱溶着工程とを含み、前記第2粉体付着工程は、前記不要粉体除去工程において除去できなかった不要粉体を、前記溶着部分に向けてガスノズル(例えばエアーノズル)で吹き飛ばすことにより、該粉体を前記溶着部分に付着させる工程からなることを特徴とする。
【0008】
本発明の静電粉体塗装方法においては、前記被塗装物に、塗膜が不要な部分を露出しないようにさせる治具を被せ、前記第2粉体付着工程は、前記治具に付着した不要粉体を、前記溶着部分に向けてガスノズルで吹き飛ばす工程からなることが好ましい。
【0009】
また、被塗装物に直接又は間接的に取付けられた支軸の両端部を、所定間隔で平行に配設された一対のガイドレールで受け、このガイドレールの外側に同じく平行に一対のスクリュー軸を配設し、前記支軸の両端を前記スクリュー軸の螺旋溝に嵌入させ、前記スクリュー軸を同期して回転させることにより、前記被塗装物を回転させながら搬送し、前記各工程に移動させることが好ましい。
【0010】
一方、本発明の静電粉体塗装装置は、被塗装物に樹脂粉体を帯電させて付着させるための静電粉体塗装槽と、被塗装物の塗装が必要ない部分に付着した樹脂粉体を除去する不要粉体除去装置と、被塗装物を加熱して、付着した樹脂粉体を溶着させる第1加熱装置と、溶着した樹脂が硬化する前に、該溶着部分に再度樹脂粉体を付着させる第2粉体付着装置と、被塗装物を再び加熱して付着した樹脂粉体を完全に溶着させる第2加熱装置と、前記各装置に被塗装物を順次移動させる搬送手段とを備え、前記第2粉体付着装置は、前記不要粉体除去装置によって除去できなかった不要粉体を、前記溶着部分に向けて吹き飛ばすガスノズル(例えばエアーノズル)を有していることを特徴とする。
【0011】
本発明の静電粉体塗装装置においては、前記被塗装物に、塗膜が不要な部分を露出しないようにさせる治具が被せられ、前記第2粉体付着装置は、前記治具に付着した不要粉体を、前記溶着部分に向けて吹き飛ばすガスノズルを有していることが好ましい。
【0012】
また、前記搬送手段は、被塗装物に直接又は間接的に取付けられた支軸の両端部を受ける、所定間隔で平行に配設された一対のガイドレールと、このガイドレールの外側に同じく平行に配設された一対のスクリュー軸とを有し、前記支軸の両端を前記スクリュー軸の螺旋溝に嵌入させ、前記スクリュー軸を同期して回転させることにより、前記被塗装物を回転させながら搬送するものであることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、静電粉体塗装槽によって被塗装物に樹脂粉体を付着させ、塗装が必要ない部分に付着した不要粉体を除去し、加熱して樹脂粉体を被塗装物に溶着させる。そして、溶着した樹脂が硬化する前に、該溶着部分に再度樹脂粉体を付着させると、溶着してまだ未硬化の樹脂膜に樹脂粉体が効果的に付着し、その状態で再度加熱することによって、樹脂粉体の剥離を生じることなく、塗膜を厚く形成することができる。したがって、高い絶縁性が要求される回転子の絶縁塗装などにも好適に使用することができる。
【0014】
た、樹脂粉体を先に溶着された樹脂に付着させるとき、樹脂粉体のうち塗装が必要ない部分に付着して、除去されずに残っている樹脂粉体を、ガスノズルで前記溶着部分に向けて吹き付けることにより、溶着部への樹脂粉体の付着と、塗装が必要ない部分における樹脂粉体の除去とを同時に行うことができる。
【0015】
更に、本発明の好ましい態様において、被塗装物に直接又は間接的に取付けられた支軸の両端部を、所定間隔で平行に配設された一対のガイドレールで受け、このガイドレールの外側に同じく平行に一対のスクリュー軸を配設し、前記支軸の両端を前記スクリュー軸の螺旋溝に嵌入させ、前記スクリュー軸を同期して回転させることにより、前記被塗装物を回転させながら搬送するようにすれば、スクリュー軸に大きな荷重がかからず、スクリュー軸の磨耗を防ぐことができる。
【0016】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1〜8には本発明による静電粉体塗装装置の一実施形態が示されている。図1は同装置の全体を示す概略正面図、図2は同装置の全体を示す概略平面図、図3は同装置に適用される被塗装物の一例である回転子を示す斜視図、図4は同回転子の支軸に治具を装着した状態を示す側面図、図5は同装置の静電粉体塗装槽による第1粉体付着工程を示す説明図、図6は同装置における不要粉体除去装置を示す概略構成図、図7は同装置の第1加熱装置を示す概略構成図、図8は同装置による第2粉体付着工程を示す説明図である。
【0017】
この静電粉体塗装装置に適用される被塗装物としては、例えば図3に示されるようなモータの回転子が挙げられる。すなわち、この回転子10は、コア11と、その軸孔に挿入された回転軸12とを有している。コア11は、その外周に放射状に突出する複数の歯13と、これらの歯13の間に形成されたスロット14とを有している。
【0018】
この回転子10には、スロット14の内周及び両端面15に絶縁塗装が施される。この絶縁塗膜は、導線が巻き付けられたときに導線に被覆された絶縁膜を損傷することなく、導線とコアとの接触によるショートが発生しないようにするため、比較的厚い塗膜とする必要がある。一方、回転子10の歯13の外周は、磁力線が通りやすくするため、塗膜が形成されないようにしなければならない。
【0019】
図4、5に示すように、回転子10の回転軸12の両端部には、治具20が被せられる。治具20は、回転軸12を受け入れる孔21と、後端に伸びる支軸22とを有している。また、治具20の上記孔21の周縁部は、先細のテーパ面23をなしている。
【0020】
この静電粉体塗装装置の搬送手段についてまず説明すると、搬送手段は、上記治具20の支軸22を受ける一対の平行なガイドレール31、31を有している。また、ガイドレール31、31の外側には、ガイドレール31、31と平行な一対のスクリュー軸32、32が配設されている。
【0021】
図1、2に示すように、スクリュー軸32、32は、その外周に螺旋溝33を有し、前記治具20の支軸22の端部が、この螺旋溝33に嵌入している。一方のスクリュー軸32の一端には、スプロケット34が装着されている。また、他方のスクリュー軸32の一端には、ギヤ35が装着されており、このギヤ35は、隣接して配置されたアイドル軸36のギヤ37に歯合している。更に、アイドル軸36には、スプロケット38が装着されている。また、装置本体40には、モータ41が装着され、このモータ41の駆動軸42には、スプロケット43が装着されている。そして、スプロケット34、38、43にチェーン39が張設されている。
【0022】
したがって、モータ41が回転すると、スプロケット43からチェーン39を介してスプロケット34、38が回転し、スプロケット34と一体の一方のスクリュー軸32が回転する。また、スプロケット38と一緒にアイドル軸36を介してギヤ37が回転し、このギヤ37に歯合するギヤ35が回転して、ギヤ35と一体の他方のスクリュー軸32が前記一方のスクリュー軸32とは反対方向に回転する。
【0023】
そして、2つのスクリュー軸32は、その螺旋溝33の巻き方向が逆になっており、上記のようにそれぞれ反対方向に回転することによって、治具20の支軸22がガイドレール31に接して回転しながら、スクリュー軸32の螺旋溝33によって前方に送られ、図1、2の矢印方向に移動するようになっている。この場合、図4に示すように、被塗装物である回転子10と治具20の重量は、ガイドレール31で受け、スクリュー軸32は、前方に送る作用をなすだけなので、スクリュー軸32の螺旋溝33の磨耗を防いで耐久性を高めることができる。また、回転子10及び治具20は、スクリュー軸32のどの位置でも挿入、取り外しができる。
【0024】
上記搬送手段の始端部には、治具20を装着された回転子10を搬送手段に移動させるためのシュート44が配設されている。なお、図2における45は、この静電粉体塗装装置を操作するための制御盤である。
【0025】
シュート44から上記搬送手段上に移動した回転子10の搬送経路の最初の位置には、静電粉体塗装槽50が設置されている。静電粉体塗装槽50は、外槽51を有し、この外槽51の内側下方にには多孔板52が設置され、外槽51の底壁には多孔板52の下方空間53に加圧エアーを導入する第1エアー導入管54が取付けられている。
【0026】
また、外槽51内の上記多孔板52の上方には内槽55が設置されている。この内槽55の内側下方には多孔板56が設置され、内槽55の底壁には多孔板56の下方空間に加圧エアーを導入する第2エアー導入管57が取付けられている。多孔板56には、複数の電極58が取付けられ、この電極58に、静電発生器59がリード線60を介して接続され、更に静電発生器59は、静電コントローラ61にリード線62を介して接続されている。
【0027】
すなわち、第1エアー導入管54から導入された加圧エアーが外槽51内の樹脂粉体を流動させ、第2エアー導入管57から導入された加圧エアーが内槽55内の樹脂粉体を流動させる。また、内槽55内の樹脂粉体は、電極58によって帯電され、内槽55の上縁部から溢れた樹脂粉体は、外槽51内に回収される。上記外槽51及び内槽55が、静電粉体塗装槽50の粉体流動槽を構成している。
【0028】
図5に示すように、内槽55内には、上方に向けて幅が狭められたフード63が設置されている。このフード63は、回転子10に向けて効果的に樹脂粉体が付着するように、粉体流動槽の開口部を狭めて、噴出する樹脂粉体の流出方向を特定する作用をなしている。なお、図示を省略したが、この静電粉体塗装槽50には、本出願人による特開平10−249247号に示される振動装置が取付けられており、流動する樹脂粉体のレベル面が一定化されるようになっている。
【0029】
なお、外槽51及び内槽55からなる粉体流動槽の上方には、被塗装物である回転子10の搬送経路を挟んで、吸入ホッパー64が配設されており、回転子10に付着せずに浮遊する樹脂粉体を吸引して回収し、前記内槽55に戻すようになっている。吸入ホッパー64から吸引された樹脂粉体は、図示しないサイクロン装置に導入され、再利用できない不要粉体と、再利用可能な粉体とに選別されて、再利用可能な粉体は、静電粉体塗装槽50に戻されるようになっている。静電粉体塗装槽50に戻す導入管の先端には、本出願人による特開平11−333331号に示されるエゼクターノズルが使用されている。
【0030】
搬送経路に沿って、静電塗槽50の更に前方には、被塗装物の塗装が必要ない部分に付着した樹脂粉体を除去する不要粉体除去装置70が配置されている。図6を併せて参照すると、この不要粉体除去装置70は、回転子10の移動経路の下方に配置された回転ベルト71と、この回転ベルト71のベルト面から上方に突出し、回転子10の外周面(歯13の外周面)に摺接するスクレーパ72とを有している。この実施形態では、スクレーパ72は、可撓性を有する弾性板からなり、回転子10の進行方向に湾曲して、回転子10の上記外周面に弾性的に当接するようになっている。
【0031】
なお、回転ベルト71のベルトは、図示を省略したが、搬送経路に沿って両側に2列で配置されており、回転子10を支持する治具20の外周に摺接して、治具20及び回転子10を強制的に回転させる役割をなす。また、上記スクレーパ72は、2列のベルトの間隙から上方に突出している。回転ベルト71は、装置本体40に取付けられたモータ73の駆動プーリ74と、回転ベルト71の一方のプーリ75に同軸的に取付けられた従動プーリ76とに張設されたベルト77を介して回転するようになっている。
【0032】
搬送経路に沿って、不要粉体除去装置70の更に前方には、第1加熱装置80が設置されている。図7を併せて参照すると、第1加熱装置80は、高周波発振器81と、この高周波発振器81に接続された加熱コイル82とを有する高周波誘導加熱装置からなっている。加熱コイル82は、被塗装物である回転子10の特に絶縁塗装を施すべき箇所を効果的に加熱すると共に、治具20等に付着した不要な樹脂粉体は熱溶着させないように、回転子10の被塗装面に特に近接するように配置されている。
【0033】
搬送経路に沿って、第1加熱装置80の更に前方には、第2粉体付着装置90が設置されている。この第2粉体付着装置90は、不要部に付着した樹脂粉体を吹き飛ばして除去する役割もなす。すなわち、第2粉体付着装置90は、治具20に向けて加圧エアーを吹き付ける複数のエアーブローノズル91、92を有している。各エアーブローノズル91、92は、回転子10の回転軸12を被覆する左右1対の治具20、20のそれぞれに対して設けられ、一方のノズル91は治具20に対して斜めの方向から回転子10方向に向けて加圧エアーを噴出し、他方のノズル92は治具20の軸心に対してほぼ直角に、かつ、治具20のテーパ面23に加圧エアーを噴出できるように配置されている。また、搬送される回転子10の下方には、吹き飛ばされた樹脂粉体を回収するための吸入ホッパー94が配設されている。
【0034】
搬送経路に沿って、第2粉体付着装置90の更に前方には、第2加熱装置100が設置されている。第2加熱装置100は、第1加熱装置80と同様な構造の高周波誘導加熱装置からなり、この実施形態の場合は、第1加熱装置80と同じ高周波発振器81に接続された加熱コイルを有している。
【0035】
次に、この静電粉体塗装装置を用いた、本発明による静電粉体塗装方法の一実施形態を説明する。
【0036】
被塗装物の一例である回転子10は、前記のようにその回転軸12に治具20が被せられ、塗膜が不要な部分はできるだけ露出しないようにされる。こうして治具20を装着された回転子10は、シュート44から連続して、搬送手段であるガイドレール31及びスクリュー軸32上に供給される。すると、回転子10は、治具20の支軸22を介してガイドレール31上に支持され、支軸22の端部をスクリュー軸32の螺旋溝33に嵌入される。そして、モータ41の作動によって、前述した機構でスクリュー軸32が回転すると、治具20の支軸22がスクリュー軸32の螺旋溝33に押されて、回転子10は、治具20を介してガイドレール31上を転動しながら搬送経路に沿って移動する。
【0037】
そして、回転子10が静電粉体塗装槽50に移動すると、外槽51及び内槽55からなる粉体流動槽中で浮遊する帯電した樹脂粉体が、静電気的に回転子10に付着する。このとき、図5に示すように、内槽55の内部にフード63が配置されて、樹脂粉体が回転子10の部分に効果的に付着するようにされているので、治具20等への不要箇所への樹脂粉体の付着量を低減することができる。樹脂粉体は、回転子10のコア11の端面15、スロット14の内周、歯13の外周などに付着し、治具20の回転子10に近接した部分にも付着する。以上が第1粉体付着工程である。
【0038】
こうして樹脂粉体を付着された回転子10は、次に不要粉体除去装置70に至り、ここでコア11の外周にスクレーパ72を押し付けられ、スクレーパ72によってコア11の外周(歯13の外周)に付着した樹脂粉体が掻き落とされる。以上が不要粉体除去工程である。
【0039】
そして、回転子10は、次に第1加熱装置80に至り、ここで加熱コイル82から高周波誘導を受けて加熱され、回転子10の、特にスロット14の内周や端面15に付着した樹脂粉体が溶着される。なお、加熱コイル82は、回転子10に近接した位置に配置されるため、治具20に付着した樹脂粉体は溶着しない。以上が第1加熱溶着工程である。
【0040】
こうして、樹脂粉体が溶着された回転子10は、溶着した樹脂が硬化しないうちに、一般的には加熱溶着されてから25〜30秒以内に、第2粉体付着装置90に移動する。そして、第2粉体付着装置90のエアーブローノズル91、92から特に治具20に向けて加圧エアーが吹き付けられる。この場合、一方のノズル91は、治具20に対して斜めの方向から回転子10方向に向けて加圧エアーを噴出し、他方のノズル92は、治具20の軸心に対してほぼ直角に、かつ、治具20のテーパ面23に加圧エアーを噴出するため、治具20の表面に付着して溶着していない樹脂粉体が吹き飛ばされ、回転子10のまだ硬化していない溶着した樹脂に付着する。以上が第2粉体付着工程である。
【0041】
その結果、回転子10のスロット14の内周や端面15に樹脂粉体が効果的に再付着し、静電粉体塗装槽において付着し得る樹脂粉体量よりも多く樹脂粉体を付着させ、最終的に得られる塗膜を厚く形成することが可能となる。また、治具20に付着した不要な樹脂粉体を除去して、塗装の必要のない治具20に塗膜が形成されることを防止できる。
【0042】
樹脂粉体を再付着された回転子10は、最後に第2加熱装置100に運ばれ、ここで再加熱されて、付着した樹脂粉体を完全に溶着され、回転子10のスロット14の内周や端面15に均一な厚さの塗膜が形成される。以上が第2加熱溶着工程である。その後、回転子10を搬送手段の終端から取出し、放冷又は空冷して塗装済みの製品とされる。
【0043】
こうして得られた回転子10は、スロット14の内周や端面15に比較的厚い絶縁塗膜が形成され、導線を巻き付けてコイルを形成する際に、導線に被覆された絶縁膜が損傷するのを防ぎ、導線の芯線とコア11とが直接接触するのを防いで、モータ等の回転電気機械の信頼性を高めることができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、不要粉体除去工程において、治具20に付着した樹脂粉体は除去されないようにしているが、治具20に付着した樹脂粉体等も完全に除去してしまい、第2粉体付着工程においては、治具20に付着した樹脂粉体を吹き付けるのではなく、別に貯留された樹脂粉体を吹き付け、必要に応じて再度、不要粉体を除去してから第2加熱工程を行ってもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、静電粉体塗装槽によって被塗装物に樹脂粉体を付着させ、塗装が必要ない部分に付着した不要粉体を除去し、加熱して樹脂粉体を被塗装物に溶着させた後、溶着した樹脂が硬化する前に、該溶着部分に再度樹脂粉体を付着させることにより、樹脂粉体の剥離を生じることなく、塗膜を厚く形成することができる。したがって、例えば高い絶縁性が要求される回転子等の絶縁塗装などに好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静電粉体塗装装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】同装置の全体を示す概略平面図である。
【図3】同装置に適用される被塗装物の一例である回転子を示す斜視図である。
【図4】同回転子の支軸に治具を装着した状態を示す側面図である。
【図5】同装置の静電粉体塗装槽による第1粉体付着工程を示す説明図である。
【図6】同装置における不要粉体除去装置を示す概略構成図である。
【図7】同装置の第1加熱装置を示す概略構成図である。
【図8】同装置による第2粉体付着工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10 回転子
11 コア
12 回転軸
13 歯
14 スロット
15 端面
20 治具
21 孔
22 支軸
31 ガイドレール
32 スクリュー軸
33 螺旋溝
50 静電粉体塗装槽
51 外槽
52 多孔板
55 内槽
56 多孔板
58 電極
64 吸入ホッパー
70 不要粉体除去装置
72 スクレーパ
80 第1加熱装置
81 高周波発振器
82 加熱コイル
90 第2粉体付着装置
91、92 エアーブローノズル
100 第2加熱装置

Claims (6)

  1. 被塗装物を静電粉体塗装槽に導入し、帯電された樹脂粉体を付着させる第1粉体付着工程と、被塗装物の塗装が必要ない部分に付着した樹脂粉体を除去する不要粉体除去工程と、被塗装物を加熱して、付着した樹脂粉体を溶着させる第1加熱溶着工程と、この溶着した樹脂が硬化する前に、該溶着部分に再度樹脂粉体を付着させる第2粉体付着工程と、被塗装物を再び加熱して付着した樹脂粉体を完全に溶着させる第2加熱溶着工程とを含み
    前記第2粉体付着工程は、前記不要粉体除去工程において除去できなかった不要粉体を、前記溶着部分に向けてガスノズルで吹き飛ばすことにより、該粉体を前記溶着部分に付着させる工程からなることを特徴とする静電粉体塗装方法。
  2. 前記被塗装物に、塗膜が不要な部分を露出しないようにさせる治具を被せ、前記第2粉体付着工程は、前記治具に付着した不要粉体を、前記溶着部分に向けてガスノズルで吹き飛ばす工程からなる請求項1記載の静電粉体塗装方法。
  3. 被塗装物に直接又は間接的に取付けられた支軸の両端部を、所定間隔で平行に配設された一対のガイドレールで受け、このガイドレールの外側に同じく平行に一対のスクリュー軸を配設し、前記支軸の両端を前記スクリュー軸の螺旋溝に嵌入させ、前記スクリュー軸を同期して回転させることにより、前記被塗装物を回転させながら搬送し、前記各工程に移動させる請求項1又は2記載の静電粉体塗装方法。
  4. 被塗装物に樹脂粉体を帯電させて付着させるための静電粉体塗装槽と、被塗装物の塗装が必要ない部分に付着した樹脂粉体を除去する不要粉体除去装置と、被塗装物を加熱して、付着した樹脂粉体を溶着させる第1加熱装置と、溶着した樹脂が硬化する前に、該溶着部分に再度樹脂粉体を付着させる第2粉体付着装置と、被塗装物を再び加熱して付着した樹脂粉体を完全に溶着させる第2加熱装置と、前記各装置に被塗装物を順次移動させる搬送手段とを備え
    前記第2粉体付着装置は、前記不要粉体除去装置によって除去できなかった不要粉体を、前記溶着部分に向けて吹き飛ばすガスノズルを有していることを特徴とする静電粉体塗装装置。
  5. 前記被塗装物に、塗膜が不要な部分を露出しないようにさせる治具が被せられ、前記第2粉体付着装置は、前記治具に付着した不要粉体を、前記溶着部分に向けて吹き飛ばすガスノズルを有している請求項4記載の静電粉体塗装装置。
  6. 前記搬送手段は、被塗装物に直接又は間接的に取付けられた支軸の両端部を受ける、所定間隔で平行に配設された一対のガイドレールと、このガイドレールの外側に同じく平行に配設された一対のスクリュー軸とを有し、前記支軸の両端を前記スクリュー軸の螺旋溝に嵌入させ、前記スクリュー軸を同期して回転させることにより、前記被塗装物を回転させながら搬送するものである請求項4又は5記載の静電粉体塗装装置。
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