JP3683309B2 - 操作スイッチ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は制御盤などのパネルに取り付けられる操作スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に操作スイッチは操作部に比較して接点部が大きいので、制御盤などのパネルの取付けに便なるように、操作部と接点部とが着脱自在に分割構成され、制御盤などのパネルの孔に操作部をパネルの前方から挿入して取り付けた後に、パネルの後方から接点部を装着するものが多い。
【0003】
図5はこの種操作スイッチの従来例を示し、(a)は一部断面を含む分解平面図、(b)は(a)の接点部側装着部のA−A断面図である。図5において操作スイッチは操作部1および接点部5と、この操作部1と接点部5とを着脱可能に構成する装着部7とから構成される。操作部1は押しボタンなどの操作端11と、この操作端11の後方に引き出された頸部12と、この頸部12の外周に取付けられた取付ねじ13とからなり、この頸部12に装着部7の操作部側装着部14が設けられている。接点部5は操作部1の操作端11の操作によって開閉操作される接点を備え、その前面に装着部7の接点部側装着部15が設けられている。操作部側装着部14は円筒部41からなり、この円筒部41の外周壁に鉤状の切り込み42が設けられ、接点部側装着部15は操作部側装着部14の円筒部41の外周に内接する円筒部51と、操作部側装着部14の円筒部41の鉤状の切り込み42の縦溝に緩く嵌め合う突起52とから構成されている。
【0004】
この操作スイッチの制御盤などのパネル2への取付けは、まずこのパネル2の孔に操作部1の頸部12をパネル2の前方から挿入し、取付けねじ13によって固定する。そしてこのパネル2の後方から接点部側装着部15の円筒部51を操作部側装着部14の円筒部41に、これらの突起52と鉤状の切り込み42の縦溝とを嵌め合わせて押し込み、更に、矢印P方向に回動して突起52を鉤状の切り込み42の先端部に押し込んで接点部5を操作部1に結合する。
【0005】
また、接点部5を操作部1から取り外すときは接点部側装着部15を反矢印P方向に回動して、この突起52を操作部側装着部14の鉤状の切り込み42の先端部から外して接点部5を操作部1から引き抜くようにする。
図6はこの種操作スイッチの異なる従来例を示し、(a)は一部断面を含む分解平面図、(b)は(a)の接点部側装着部のA−A断面図である。図6に示す従来例が図5に示す従来例と異なるところは、操作部側装着部14の鉤状の切り込みの縦溝の巾を広くして、この巾の中に傾斜面42Aを設け、接点部側装着部15の突起52に、この傾斜面42Aに対応した傾斜面52Aを設け、かつこの突起52をリング53に固定した点にある。このリング53は回動自在となっており、このリング53に設けた凸部53Aがばね54によって矢印P方向に押し圧されて円筒部51の段差に当って位置し、このリング53に取り付けられたレバー55で反矢印P方向に回動する。
【0006】
この操作スイッチにおいては、接点部側装着部15の円筒部51を操作部側装着部14の円筒部41に、これらの突起52と鉤状の切り込み42の縦溝とを嵌め合わせて押し込むと、突起52はその傾斜面52Aが切り込み42の傾斜面42Aに当接して、ばね54を押し圧して反矢印P方向に回動し、傾斜面42Aを乗り越えて元に戻るとき、自動的に鉤状の切り込み42の先端部に押し込まれて接点部5が操作部1に結合される。
【0007】
また、接点部5を操作部1から取り外すときは接点部側装着部15のレバー55を反矢印P方向に回動して、突起52を操作部側装着部14の鉤状の切り込み42の先端部から外して接点部5を操作部1から引き抜くようにする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の装着部構造では以下の問題点があった。
(1)操作部と接点部との結合のための部品数が多く、これに伴い、装着部の組立てに時間がかかる。
(2)結合後、操作部側装着部と接点部側装着部との間にがたが存在するので、
(a)接点部側への外部配線の結線時に結線がしづらく、振動や衝撃のあるパ
ネルでは操作スイッチが使用できない場合が生じる。
【0009】
(b)結線した外部配線に荷重がかかると操作部と接点部とが外れてしまう場
合がある。
本発明の目的は、操作部と接点部との結合を少ない部品数で行うことができ、かつ結合後に操作部と接点部とががたなく一体化される着脱構造を有した操作スイッチを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、本発明が対象とする操作スイッチ、すなわち、操作部と接点部とからなり、これら操作部と接点部とが、それぞれに設けられた操作部側装着部と接点部側装着部とにより着脱可能に分割構成される操作スイッチにおいて、請求項1に記載のごとく、操作部側装着部は外周壁に凹所が設けられた円筒部からなり、前記接点部側装着部は前記操作部側装着部の円筒の凹所に嵌め合う突起をアームの先端部に備えた係合アームを一体成形により備えたフレームと,このフレームの前記係合アームの近傍に回動中心軸により回動可能に取付けられ、該回動中心軸から垂直2方向に延びる一方および他方のアームを有し、該一方および他方のアームと回動中心軸は一体成形されており、
他方のアームの回動操作により一方のアームの先端部が前記係合アームの反突起側を押して該係合アームの突起を前記円筒部の凹所に係合させるウイングアームとを備えるとともに、ウイングアームの一方のアーム先端部で押される係合アームの反突起側に凸部が形成され、係合アームの反突起側を押したウイングアームの一方のアーム先端部が該凸部を乗り越えて該凸部に係止されるようにする。
【0011】
そして、請求項2に記載のごとく、操作部側装着部の円筒部外周壁の凹所を円筒の軸を含む平面の両側に設け、接点部側装着部のウイングアームを前記平面の一方の側の凹所と対向する係合アームのみを押すように設けるとともに、前記平面の他方の側の凹所と対向する係合アームを、先端部の突起がアームの弾性により凹所に嵌め合うように設けるようにしてもよい。
【0013】
【作用】
このように,操作部と接点部との結合を、操作部側装着部の円筒部外周壁の凹所に接点部側装着部の突起を嵌め合わせて行う際に、この突起をアームの先端部に備えた係合アームを接点部側装着部のフレームに設け、この係合アームの背面側をウイングアームの一方のアームの先端部で押して突起を前記円筒部外周壁の凹所に押圧し、係合アームを押したウイングアームの一方のアームあるいは係合アームのアーム本体にわずかの曲げ変形が生じた状態でこの一方のアームの先端部を係合アーム背面上の押圧終点に係止するようにすると、円筒部外周壁の凹所に突起を押圧する押圧力は、ウイングアームのもう一方のアームに人力で加えられる押圧力により得られる押圧力であるから、十分強い押圧力が得られ、操作部と接点部とは強固に一体化される。
【0014】
これにより、接点部への外部配線の結線が容易となり、またパネルが振動したり衝撃を受けたりすることがあっても配線接続部の接触不良が生じたり、配線に荷重がかかったときに操作部と接点部とが外れたりすることがなくなる。また、接点部側装着部の構成部材は係合アームを有したフレームとウイングアームとの2種類のみとなり、接点部側装着部の組立てを短時間に行うことができる。
【0015】
さらに、係合アームの反突起側に凸部を形成し、係合アームを押したウイングアームの一方の先端部がこの凸部を乗り越えてこの凸部に係止されるようにすると、接点部に結線した外部配線に荷重がかかったときに操作部と接点部とがさらに外れにくくなる。
また、操作部側装着部の円筒部外周壁の凹所を円筒の軸を含む平面の両側に形成し、この平面の一方の側の凹所に係合アームの突起をウイングアームにより押圧し、この平面の他方の側の凹所への突起の嵌め合わせは、係合アームのアーム本体の弾性で行うようにすると、ウイングアームの個数が減るので、結合に必要な部品数がさらに少なくてすむ。
【0017】
【実施例】
図1に本発明による着脱構造の第1の実施例を示す。同図(a)は操作部と接点部との結合前の状態を示し、(b)は結合後の状態を示す。結合のための操作部側装着部は円筒部1Aで構成され、円筒部1Aの外周壁に凹所1aが形成されている。2は操作部1を取り付けるパネルである。また、結合のための接点部側装着部は、接点部5に固定されるフレーム3とウイングアーム4とで構成される。フレーム3は材質を合成樹脂としてフレーム本体との一体成形による係合アーム3Aを備えている。係合アーム3Aには先端部に突起3aが形成されている。係合アーム3Aは反突起側を2段の段差面に形成され、両段差面が斜面3cで接続されている。ウイングアーム4は回動中心軸4cと,回動中心軸4cから軸に垂直に延びたアーム4a,4bとからなり、フレーム3中の回動中心位置に回動自在に取り付けられる。
【0018】
操作部1と接点部5との結合には、図のように、接点部側装着部を矢印方向に円筒部1Aに嵌める。しかる後、ウイングアーム4の長い方のアーム4bを手で押して短い方のアーム4aの先端部で係合アーム3Aの背面側の斜面を押しながら斜面を乗り越えさせ、同図(b)の状態にアーム4aの先端部を係止させる。この状態ではアーム4aあるいは係合アーム3Aのアーム本体はわずかに湾曲しており、その復元力が突起3aを凹所1aに押圧する。このとき、アーム4aの先端部と係合アーム3Aの背面との接触点では、アーム4aと係合アーム背面とがほぼ垂直となっており、かつ係合アーム3Aの材質が合成樹脂であるために極く僅かの変形が生じ、アーム4aの先端部が滑ることなく係合アーム3Aの背面に係止される。
【0019】
図2は上記第1の実施例の変形例を示す。図1における係合アーム3A背面の斜面位置に凸部3eが形成され、ウイングアーム4の短い方のアーム4a先端部はこの凸部3eを乗り越えて係止される。凸部3eの高さは、この変形例では、図1におけるアーム4a先端部の係止面の高さと等しくしているので、凸部3eを乗り越えたアーム4aは乗り越えの際の湾曲度を減じた状態で、あるいは係合アーム3Aのアーム本体も湾曲度を減じた状態で、しかし突起3aは凹所1aに押圧された状態で凸部3eに係止される。ウイングアーム4のアーム4aが凸部3eに係止されているので、パネルに振動や衝撃があっても、あるいは配線に荷重がかかっても係止が外れにくい。
【0020】
図3および図4は本発明による着脱構造の第2の実施例を示す。円筒部1Aの軸を含む平面の両側に形成された複数の凹所1aのうち、平面の一方の側の凹所1aに対向する係合アーム3Aのみに対向してウイングアーム4が設けられ、平面の他方の側の凹所に対向する係合アーム3Aは、その突起3aがアーム本体の弾性により凹所1aに押圧されるように形成されている。なお、図3(c)中の3fはフレーム3の内側に形成された軸方向の突条であり、この突条3fと嵌め合うキー溝1bが図4に示すように円筒部1Aの外周壁に形成されており、操作部と接点部との結合時にウイングアーム4で押されない方の係合アーム3Aを押し広げながら円筒部1Aをフレーム3に挿入する際の挿入を容易にしている。
【0021】
なお、図4は本実施例の着脱構造を示す分解斜視図であるが、ウイングアーム4の回動中心軸4cはウイングアーム4の本体と合成樹脂により一体に形成され、部品数とコストの低減に寄与している。
【0022】
【発明の効果】
本発明では,操作部と接点部とが着脱可能に分割構成される操作スイッチにおける着脱構造として以上の構造をとることとしたので、以下に記載する効果が得られる。
請求項1の構造では、操作部側装着部が外周壁に凹所を設けた円筒部で構成され、接点部側装着部が前記円筒部の凹所と嵌め合う突起をアームの先端部に備えた係合アームを備えたフレームと,このフレームの前記係合アームの近傍に回動可能に取付けられ、該回動中心軸から垂直2方向に延びる一方および他方のアームを有し、他方のアームの回動操作により一方のアームの先端部が前記係合アームの反突起側を押して該係合アームの突起を前記円筒部の凹所に係合させるウイングアームとを備えたものとしたので、操作部と接点部との結合時に操作部の円筒部凹所への接点部突起の押圧がウイングアームを介して人力により行われ、かつ押圧後のウイングアームの前記一方のアームの押圧終点位置への係止が人力による該一方のアームあるいは係合アームにおけるアーム本体の湾曲度を保持した状態で行われるので、操作部と接点部との結合ががたを生じることなく強固に行われ、接点部への結線作業が容易となり、また、パネルが振動したり衝撃を受けたりしても、あるいは結線した外部配線に引張り荷重がかかっても結合が外れることがなくなり、スイッチの使用信頼性が向上した。
【0023】
また、係合アームを押したウイングアームの一方のアーム先端部が係合アーム背面の凸部に係止されるので、係止状態の保持がより確実となり、使用信頼性がさらに向上した。請求項2の構造では、操作部の円筒部外周壁の凹所を、円筒軸を含む平面の両側に形成し、ウイングアームはこの平面の一方の側の凹所と対向する係合アームのみを押すようにして、この平面の他方の側の凹所と対向する係合アームはアーム本体の弾性で先端部の突起を凹所に押圧するようにしたので、ウイングアームの個数を減らすことができ、着脱部の部品数が少なくなり、スイッチのコストを低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による着脱構造の第1の実施例を示す図であって、(a)は操作部と接点部との結合前の状態を示す断面図、(b)は結合後の状態を示す断面図
【図2】図1に示した着脱構造実施例の変形例を示す断面図
【図3】本発明による着脱構造の第2の実施例を示す図であって、(a)は操作部と接点部との結合前の状態を示す断面図、(b)は結合後の状態を示す断面図、(c)接点部側装着部の上面図
【図4】図3に示した着脱構造を示す分解斜視図
【図5】従来の着脱構造の一例を示す図であって、(a)は操作部と接点部との結合前の状態を示す断面図、(b)は接点部側装着部の上面図
【図6】従来の着脱構造の図5と異なる一例を示す図であって、(a)は操作部と接点部との結合前の状態を示す断面図、(b)は接点部側装着部の構造を示す平面断面図
【符号の説明】
1 操作部
1A 円筒部
1a 凹所
2 パネル
3 フレーム
3A 係合アーム
3a 突起
3e 凸部
4 ウイングアーム
4a アーム
4b アーム
5 接点部
Claims (2)
- 操作部と接点部とからなり、これら操作部と接点部とが、それぞれに設けられた操作部側装着部と接点部側装着部とにより着脱可能に分割構成される操作スイッチにおいて、前記操作部側装着部は外周壁に凹所が設けられた円筒部からなり、前記接点部側装着部は前記操作部側装着部の円筒の凹所に嵌め合う突起をアームの先端部に備えた係合アームを一体成形により備えたフレームと,このフレームの前記係合アームの近傍に回動中心軸により回動可能に取付けられ、該回動中心軸から垂直2方向に延びる一方および他方のアームを有し、該一方および他方のアームと回動中心軸は一体成形されており、他方のアームの回動操作により一方のアームの先端部が前記係合アームの反突起側を押して該係合アームの突起を前記円筒部の凹所に係合させるウイングアームとを備えるとともに、ウイングアームの一方のアーム先端部で押される係合アームの反突起側に凸部が形成され、係合アームの反突起側を押したウイングアームの一方のアーム先端部が該凸部を乗り越えて該凸部に係止されることを特徴とする操作スイッチ。
- 請求項1に記載の操作スイッチにおいて、操作部側装着部の円筒部外周壁の凹所は円筒の軸を含む平面の両側に設けられ、接点部側装着部のウイングアームは前記平面の一方の側の凹所と対向する係合アームのみを押すように設けられるとともに前記平面の他方の側の凹所と対向する係合アームは先端部の突起がアーム本体の弾性により凹所に嵌め合うように設けられることを特徴とする操作スイッチ。
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