JP2001098800A - キーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造 - Google Patents

キーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造

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JP2001098800A JP27854799A JP27854799A JP2001098800A JP 2001098800 A JP2001098800 A JP 2001098800A JP 27854799 A JP27854799 A JP 27854799A JP 27854799 A JP27854799 A JP 27854799A JP 2001098800 A JP2001098800 A JP 2001098800A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロックピン取付板のシリンダアウタへのかし
め作業とガタ止め用のゴムブロックを不要とし、コスト
削減を可能とする。 【解決手段】 シリンダアウタ2に設けられたロックピ
ン10をボデー9の係合穴9aに係合させることによっ
てシリンダ錠3をボデー9内に組み付けるようにしたキ
ーシリンダ装置において、ロックピンの挿通用ピン穴
と、シリンダアウタへの取り付け用の係合部と、ばね用
湾曲部とを備えたプラスチック製のロックピン取付板1
1を用いてロックピン10をシリンダアウタ2に取り付
けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用のステ
アリングロック装置などに用いられるキーシリンダ装置
におけるシリンダ錠の組付け構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用のステアリングロック装
置には、シリンダインナとシリンダアウタ等で構成され
るシリンダ錠が用いられており、このシリンダ錠と、シ
リンダインナの回動に応じてロック位置でステアリング
シャフトの回動を阻止するロック用の部材などがボデー
内に収納されている。ボデー内に収納されたシリンダ錠
はかしめなどでボデーに固定されるが、外周方向に突出
するように付勢されたロックピンをシリンダアウタに設
け、このロックピンをボデーの係合部に係合させること
によってシリンダ錠をボデー内に保持するようにしたも
のも知られている(例えば、特開平10−1026号公
報参照)。
【0003】従来は、このロックピンをシリンダアウタ
に取り付けるために金属製のロックピン取付板を使用し
ており、突出方向に付勢されたロックピンを保持した状
態のロックピン取付板をシリンダアウタにかしめ付ける
ことによって、ロックピンの取り付けを行っていた。こ
のため、かしめ機を用いるかしめ作業が必要になり、ま
たボデーとシリンダ錠との間の隙間にゴムブロックを挿
入してガタ止めを行う必要があるなど、コスト高になる
要因をなくすことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこの点に着
目し、ロックピン取付板のかしめ作業を不要として手で
組み込むことを可能にすると共に、ゴムブロックを不要
にするなど、コスト削減を可能とすることを課題として
なされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、この発明では、シリンダアウタに設けられて外周
方向に突出するように付勢されたロックピンをボデーの
係合部に係合させることによってシリンダ錠をボデー内
に保持するようにしたキーシリンダ装置において、ロッ
クピンを挿通するピン穴と、シリンダアウタへの取り付
け用の係合部と、ばね用湾曲部とを備えたプラスチック
製のロックピン取付板を設け、突出方向に付勢されたロ
ックピンをシリンダアウタの保持穴に挿入した状態で上
記ロックピン取付板の係合部をシリンダアウタの取付部
に係止させることにより、ロックピンをシリンダアウタ
に取り付けるようにしている。このような構成により、
ロックピン取付板をそれ自身の材料が持つ弾力を利用し
て手でシリンダアウタに取り付けることができ、ボデー
とシリンダ錠との間の遊びはばね用湾曲部によって吸収
される。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、この発明をステアリングロ
ック装置のシリンダ錠に適用した実施の形態について説
明する。図1はステアリングロック装置の一部破断概略
側面図であって、キー(図示せず)は図の右側、すなわ
ち前面から挿入される。なお説明の便宜上、図1の配置
における右側を前、左側を後とする。1はシリンダイン
ナ、2はシリンダアウタであり、図の左側すなわち後面
からシリンダインナ1をシリンダアウタ2に挿入するこ
とによって周知のシリンダ錠3が構成されている。4は
図3及び図5に示されている連結部1aを介してシリン
ダインナ1に連結されたカムであり、キーをシリンダイ
ンナ1に挿入して回動させるとカム4が共に回動し、同
軸上に設けられたスイッチ部5のロータが回転して所定
のスイッチ操作が行われる。
【0007】7はステアリングシャフトの回動を阻止す
るロックシャフト、7aはその操作部、8はロックシャ
フト付勢用スプリングであり、ロック位置でキーが抜か
れるとロックシャフト7がスプリング8で押されて上方
に突出し、図示しないステアリングシャフトをロックす
るように構成されている。9は上記の各部材を収容する
ボデー、10はシリンダアウタ2の後端上部に取り付け
られたロックピン、11はこの発明によるロックピン取
付板、12は付勢用のスプリングであり、ロックピン1
0の上端部10aをボデー9に形成された係合部、すな
わち係合穴9aに係合させることによって、ボデー9に
対するシリンダ錠3の固定が行われている。
【0008】以上は従来品と共通した基本的な構造であ
り、シリンダ錠3の構造やロックシャフト7の駆動機構
などこの発明に直接関係のない部分に関する詳細な説明
は省略する。次に従来品と異なる点について説明する。
【0009】ロックピン取付板11は弾力性のあるプラ
スチックの成形品であり、図2のような形状である。す
なわち、全体としては長方形で中央付近後寄りにロック
ピン挿通用のピン穴11aが形成され、後端と両側に下
向きの係合部11b及び11cを、前端にばね用湾曲部
11dをそれぞれ一体に設けてある。係合部11b及び
11cの先端には係止爪11b′及び11c′が図のよ
うに内向きに突設されており、ばね用湾曲部11dはそ
の断面が半円形状で上向きに突出している。これらの係
合部11b、11cに対応して、シリンダアウタ2の後
端上部には図3及び図5に示すように取付部2b、2c
が形成されている。なお、図示されているロックピン取
付板11の形状は一例であり、所定の機能を損なわない
範囲で他の形状を適宜採用することができる。
【0010】ロックピン10は上端部10aの下部にロ
ックピン取付板11のピン穴11aより大径の鍔10b
を有する形状であり、シリンダアウタ2の後端上部に形
成された挿入用の穴2aにスプリング12と共に挿入
し、その上にロックピン取付板11を配置して上端部1
0aがピン穴11aにはまった状態とした後、手で押さ
えてロックピン取付板11の係合部11b、11cをシ
リンダアウタ2の取付部2b、2cにそれぞれ係止させ
る。これによってロックピン10はシリンダアウタ2に
取り付けられ、下端部10cが穴2aの下部の小径部か
ら若干突出した状態となる。
【0011】シリンダインナ1の後面にはこの状態で下
端部10cが係止できる大きさの鍔状部1bが形成され
ており、シリンダインナ1をシリンダアウタ2に挿入し
てロックピン10を取り付けると、シリンダインナ1は
ロックピン10に鍔状部1bが当たって抜け止めされ、
シリンダ錠3などを組み付けたシリンダアセンブリの仮
組み状態が維持される。また、シリンダインナ1の後面
には下端部10cに対応する位置に下端部10cが接触
しない大きさの円弧状の突条1cを設け、且つシリンダ
インナ1を特定の位置、例えばACC位置に回動させた
時にロックピン10と合致する位置に切欠部1dを形成
してある。すなわち、この特定の位置では下端部10c
が切欠部1dに挿入できる状態となるので、ロックピン
10は上端部10aがロックピン取付板11の上面から
突出しない位置まで押し込み可能となる。
【0012】従って、シリンダアウタ2に組み込んだシ
リンダインナ1をこの位置に回動させることにより、ロ
ックピン10を押し込んでシリンダ錠3をボデー9に挿
入できる。挿入後はロックピン10の上端部10aがボ
デー9の係合穴9aに係合して、ボデー9に対してシリ
ンダアウタ2が固定され、またシリンダインナ1も背面
側へは移動ができない状態となり、シリンダ錠3のボデ
ー9への組付けが完了する。従って、かしめ作業が不要
で手作業により簡単にシリンダ錠3の組付けを行うこと
ができる。なお、シリンダ錠3をボデー9から取り出す
操作も、シリンダインナ1を上記の特定位置に合わせて
ロックピン10を押し込むことにより、手作業で行うこ
とができる。
【0013】以上のようにシリンダ錠3をボデー9に組
み付けた場合、ロックピン取付板11のばね用湾曲部1
1dはシリンダアウタ2の外周面とボデー9の内周面の
間に挟まれて押しつぶされた状態になっており、その反
発力でシリンダアウタ2とボデー9の間の遊びが吸収さ
れる。従って、ガタ止め用のゴムブロックは不要であ
り、部品点数と組付け作業の工数が削減される。
【0014】上述の説明では、シリンダインナ1をシリ
ンダアウタ2に組み込んでからロックピン10を取り付
けているが、この例ではロックピン10を取り付けてか
らシリンダインナ1を組み込むこともできる。すなわ
ち、図5に示すようにシリンダインナ1の鍔状部1bに
は、シリンダインナ1を特定位置、例えばオン位置に回
動した時にロックピン10の下端部10cが接する部分
の周縁を下端部10cの先端よりやや上でカットしてカ
ット部1eを形成し、その前面側にテーパ部1fを設け
てある。
【0015】従って、ロックピン10を取り付けた後で
も、シリンダインナ1を上記の特定位置の姿勢にしてシ
リンダアウタ2に挿入すると、ロックピン10の下端部
10cがテーパ部1fに乗り上げてロックピン取付板1
1が上方に変形し、下端部10cがテーパ部1fを乗り
越えてシリンダインナ1を組み込むことができるのであ
る。なお、これらの組み込み手順のいずれを採用するか
は、工程の都合その他の状況に応じて適宜選択すればよ
い。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明のキーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造
は、ロックピンの挿通用ピン穴と、シリンダアウタへの
取り付け用の係合部と、ばね用湾曲部とを備えたプラス
チック製のロックピン取付板を用いてロックピンをシリ
ンダアウタに取り付けるようにしたものである。
【0017】従って、ロックピン取付板の弾力を利用し
て手でシリンダアウタに取り付けることができ、かしめ
作業が不要となるのでそのための設備や部品、工数を削
減でき、またばね用湾曲部がボデーとシリンダ錠との間
の遊びを吸収するので、ガタ止め用のゴムブロックが不
要となり、この点で部品点数や組み込みの工数を削減で
き、総合的にコストを低減することが可能となる。また
ロックピン取付板が変形可能なためシリンダインナを後
から組み込むことも可能であり、工程の自由度が増すの
で工程や部品の管理面からも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシリンダ錠を使用しているステ
アリングロック装置の一部破断概略側面図である。
【図2】ロックピン取付板の外観図及び断面図であり、
(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は一
部破断正面図、(e)は側断面図である。
【図3】ロックピンを取り付けたシリンダ錠の要部破断
背面図及び側断面図である。
【図4】ロックピンを取り付ける前のシリンダ錠の一部
分解側断面図である。
【図5】ロックピンを取り付けたシリンダ錠の異なる回
動位置における要部破断背面図及び側断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダインナ 1b 鍔状部 1d 切欠部 1f テーパ部 2 シリンダアウタ 2a 挿入用の穴 2b、2c 取付部 3 シリンダ錠 9 ボデー 9a 係合穴 10 ロックピン 10a 上端部 10c 下端部 11 ロックピン取付板 11a ピン穴 11b、11c 係合部 11d ばね用湾曲部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダインナとシリンダアウタ等で構
    成されるシリンダ錠をボデー内に収納し、シリンダアウ
    タに設けられて外周方向に突出するように付勢されたロ
    ックピンをボデーの係合部に係合させることによってシ
    リンダ錠をボデー内に保持するようにしたキーシリンダ
    装置において、 ロックピンを挿通するピン穴と、シリンダアウタへの取
    り付け用の係合部と、ばね用湾曲部とを備えたプラスチ
    ック製のロックピン取付板を設け、突出方向に付勢され
    たロックピンをシリンダアウタの保持穴に挿入した状態
    で上記ロックピン取付板の係合部をシリンダアウタの取
    付部に係止させることにより、ロックピンをシリンダア
    ウタに取り付けるようにしたことを特徴とするキーシリ
    ンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020091550A (ko) * 2001-05-31 2002-12-06 현대자동차주식회사 차량 도난 방지장치
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