JP3684315B2 - キーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造 - Google Patents
キーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用のステアリングロック装置などに用いられるキーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車用のステアリングロック装置には、シリンダインナとシリンダアウタ等で構成されるシリンダ錠が用いられており、このシリンダ錠と、シリンダインナの回動に応じてロック位置でステアリングシャフトの回動を阻止するロック用の部材などがボデー内に収納されている。ボデー内に収納されたシリンダ錠はかしめなどでボデーに固定されるが、外周方向に突出するように付勢されたロックピンをシリンダアウタに設け、このロックピンをボデーの係合部に係合させることによってシリンダ錠をボデー内に保持するようにしたものも知られている(例えば、特開平10−1026号公報参照)。
【0003】
従来は、このロックピンをシリンダアウタに取り付けるために金属製のロックピン取付板を使用しており、突出方向に付勢されたロックピンを保持した状態のロックピン取付板をシリンダアウタにかしめ付けることによって、ロックピンの取り付けを行っていた。このため、かしめ機を用いるかしめ作業が必要になり、またボデーとシリンダ錠との間の隙間にゴムブロックを挿入してガタ止めを行う必要があるなど、コスト高になる要因をなくすことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明はこの点に着目し、ロックピン取付板のかしめ作業を不要として手で組み込むことを可能にすると共に、ゴムブロックを不要にするなど、コスト削減を可能とすることを課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、この発明では、シリンダアウタに設けられて外周方向に突出するように付勢されたロックピンをボデーの係合部に係合させることによってシリンダ錠をボデー内に保持するようにしたキーシリンダ装置において、ロックピンを挿通するピン穴と、シリンダアウタへの取り付け用の係合部と、ばね用湾曲部とを備えたプラスチック製のロックピン取付板を設け、突出方向に付勢されたロックピンをシリンダアウタの保持穴に挿入した状態で上記ロックピン取付板の係合部をシリンダアウタの取付部に係止させることにより、ロックピンをシリンダアウタに取り付けるようにしている。このような構成により、ロックピン取付板をそれ自身の材料が持つ弾力を利用して手でシリンダアウタに取り付けることができ、ボデーとシリンダ錠との間の遊びはばね用湾曲部によって吸収される。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、この発明をステアリングロック装置のシリンダ錠に適用した実施の形態について説明する。図1はステアリングロック装置の一部破断概略側面図であって、キー(図示せず)は図の右側、すなわち前面から挿入される。なお説明の便宜上、図1の配置における右側を前、左側を後とする。1はシリンダインナ、2はシリンダアウタであり、図の左側すなわち後面からシリンダインナ1をシリンダアウタ2に挿入することによって周知のシリンダ錠3が構成されている。4は図3及び図5に示されている連結部1aを介してシリンダインナ1に連結されたカムであり、キーをシリンダインナ1に挿入して回動させるとカム4が共に回動し、同軸上に設けられたスイッチ部5のロータが回転して所定のスイッチ操作が行われる。
【0007】
7はステアリングシャフトの回動を阻止するロックシャフト、7aはその操作部、8はロックシャフト付勢用スプリングであり、ロック位置でキーが抜かれるとロックシャフト7がスプリング8で押されて上方に突出し、図示しないステアリングシャフトをロックするように構成されている。9は上記の各部材を収容するボデー、10はシリンダアウタ2の後端上部に取り付けられたロックピン、11はこの発明によるロックピン取付板、12は付勢用のスプリングであり、ロックピン10の上端部10aをボデー9に形成された係合部、すなわち係合穴9aに係合させることによって、ボデー9に対するシリンダ錠3の固定が行われている。
【0008】
以上は従来品と共通した基本的な構造であり、シリンダ錠3の構造やロックシャフト7の駆動機構などこの発明に直接関係のない部分に関する詳細な説明は省略する。次に従来品と異なる点について説明する。
【0009】
ロックピン取付板11は弾力性のあるプラスチックの成形品であり、図2のような形状である。すなわち、全体としては長方形で中央付近後寄りにロックピン挿通用のピン穴11aが形成され、後端と両側に下向きの係合部11b及び11cを、前端にばね用湾曲部11dをそれぞれ一体に設けてある。係合部11b及び11cの先端には係止爪11b′及び11c′が図のように内向きに突設されており、ばね用湾曲部11dはその断面が半円形状で上向きに突出している。これらの係合部11b、11cに対応して、シリンダアウタ2の後端上部には図3及び図5に示すように取付部2b、2cが形成されている。なお、図示されているロックピン取付板11の形状は一例であり、所定の機能を損なわない範囲で他の形状を適宜採用することができる。
【0010】
ロックピン10は上端部10aの下部にロックピン取付板11のピン穴11aより大径の鍔10bを有する形状であり、シリンダアウタ2の後端上部に形成された挿入用の穴2aにスプリング12と共に挿入し、その上にロックピン取付板11を配置して上端部10aがピン穴11aにはまった状態とした後、手で押さえてロックピン取付板11の係合部11b、11cをシリンダアウタ2の取付部2b、2cにそれぞれ係止させる。これによってロックピン10はシリンダアウタ2に取り付けられ、下端部10cが穴2aの下部の小径部から若干突出した状態となる。
【0011】
シリンダインナ1の後面にはこの状態で下端部10cが係止できる大きさの鍔状部1bが形成されており、シリンダインナ1をシリンダアウタ2に挿入してロックピン10を取り付けると、シリンダインナ1はロックピン10に鍔状部1bが当たって抜け止めされ、シリンダ錠3などを組み付けたシリンダアセンブリの仮組み状態が維持される。また、シリンダインナ1の後面には下端部10cに対応する位置に下端部10cが接触しない大きさの円弧状の突条1cを設け、且つシリンダインナ1を特定の位置、例えばACC位置に回動させた時にロックピン10と合致する位置に切欠部1dを形成してある。すなわち、この特定の位置では下端部10cが切欠部1dに挿入できる状態となるので、ロックピン10は上端部10aがロックピン取付板11の上面から突出しない位置まで押し込み可能となる。
【0012】
従って、シリンダアウタ2に組み込んだシリンダインナ1をこの位置に回動させることにより、ロックピン10を押し込んでシリンダ錠3をボデー9に挿入できる。挿入後はロックピン10の上端部10aがボデー9の係合穴9aに係合して、ボデー9に対してシリンダアウタ2が固定され、またシリンダインナ1も背面側へは移動ができない状態となり、シリンダ錠3のボデー9への組付けが完了する。従って、かしめ作業が不要で手作業により簡単にシリンダ錠3の組付けを行うことができる。なお、シリンダ錠3をボデー9から取り出す操作も、シリンダインナ1を上記の特定位置に合わせてロックピン10を押し込むことにより、手作業で行うことができる。
【0013】
以上のようにシリンダ錠3をボデー9に組み付けた場合、ロックピン取付板11のばね用湾曲部11dはシリンダアウタ2の外周面とボデー9の内周面の間に挟まれて押しつぶされた状態になっており、その反発力でシリンダアウタ2とボデー9の間の遊びが吸収される。従って、ガタ止め用のゴムブロックは不要であり、部品点数と組付け作業の工数が削減される。
【0014】
上述の説明では、シリンダインナ1をシリンダアウタ2に組み込んでからロックピン10を取り付けているが、この例ではロックピン10を取り付けてからシリンダインナ1を組み込むこともできる。すなわち、図5に示すようにシリンダインナ1の鍔状部1bには、シリンダインナ1を特定位置、例えばオン位置に回動した時にロックピン10の下端部10cが接する部分の周縁を下端部10cの先端よりやや上でカットしてカット部1eを形成し、その前面側にテーパ部1fを設けてある。
【0015】
従って、ロックピン10を取り付けた後でも、シリンダインナ1を上記の特定位置の姿勢にしてシリンダアウタ2に挿入すると、ロックピン10の下端部10cがテーパ部1fに乗り上げてロックピン取付板11が上方に変形し、下端部10cがテーパ部1fを乗り越えてシリンダインナ1を組み込むことができるのである。なお、これらの組み込み手順のいずれを採用するかは、工程の都合その他の状況に応じて適宜選択すればよい。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明のキーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造は、ロックピンの挿通用ピン穴と、シリンダアウタへの取り付け用の係合部と、ばね用湾曲部とを備えたプラスチック製のロックピン取付板を用いてロックピンをシリンダアウタに取り付けるようにしたものである。
【0017】
従って、ロックピン取付板の弾力を利用して手でシリンダアウタに取り付けることができ、かしめ作業が不要となるのでそのための設備や部品、工数を削減でき、またばね用湾曲部がボデーとシリンダ錠との間の遊びを吸収するので、ガタ止め用のゴムブロックが不要となり、この点で部品点数や組み込みの工数を削減でき、総合的にコストを低減することが可能となる。またロックピン取付板が変形可能なためシリンダインナを後から組み込むことも可能であり、工程の自由度が増すので工程や部品の管理面からも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシリンダ錠を使用しているステアリングロック装置の一部破断概略側面図である。
【図2】ロックピン取付板の外観図及び断面図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は一部破断正面図、(e)は側断面図である。
【図3】ロックピンを取り付けたシリンダ錠の要部破断背面図及び側断面図である。
【図4】ロックピンを取り付ける前のシリンダ錠の一部分解側断面図である。
【図5】ロックピンを取り付けたシリンダ錠の異なる回動位置における要部破断背面図及び側断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダインナ
1b 鍔状部
1d 切欠部
1f テーパ部
2 シリンダアウタ
2a 挿入用の穴
2b、2c 取付部
3 シリンダ錠
9 ボデー
9a 係合穴
10 ロックピン
10a 上端部
10c 下端部
11 ロックピン取付板
11a ピン穴
11b、11c 係合部
11d ばね用湾曲部
Claims (1)
- シリンダインナをシリンダアウタに挿入して構成されるシリンダ錠をボデー内に収納し、シリンダアウタに設けられて外周方向に突出するように付勢されたロックピンをボデーの係合部に係合させることによってシリンダ錠をボデー内に保持するようにしたキーシリンダ装置において、
ロックピンを挿通するピン穴と、シリンダアウタへの取り付け用の係合部と、ばね用湾曲部とを備えたプラスチック製のロックピン取付板を設け、突出方向に付勢されたロックピンをシリンダアウタの保持穴に挿入した状態で上記ロックピン取付板の係合部をシリンダアウタの取付部に係止させることにより、ロックピンをシリンダアウタに取り付けるようにしたことを特徴とするキーシリンダ装置におけるシリンダ錠の組付け構造。
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