以下、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
第1の実施形態のステアリングロック装置1はメカニカルキーと携帯機との両方で施解錠が可能なものであり、図1はステアリングロック装置1の長手方向断面を示す。なお、図1(図4も同様)において、便宜上、右側を「前」、左側を「後」という。
図1に示すように、ステアリングロック装置1は、例えば亜鉛等の金属で形成された略L字状の筒部を有するボディ2を備えている。ボディ2の前端には、略円筒状のシリンダアウタ3が収容固定されている。シリンダアウタ3内には、略円筒状のロータ4が回動可能に保持されている。ロータ4内には、略円柱状のシリンダ5が回動可能および前後移動可能に保持されている。そして、シリンダアウタ3、ロータ4及びシリンダ5はボディ2の前端に固定されたキャップ6によって抜け出し不能に収納されている。
シリンダ5の前端面には内部空間7aを有する操作ノブ7が固定され、キャップ6の開口部から前方に突出している。また、シリンダ5は、その軸心部に、前端面から軸方向に延びて穿孔されたキー孔23(図2に図示)を有している。キー孔23には、操作ノブ7の内部空間7aを介してメカニカルキー(以下、キー)を挿入できるようになっている。
さらに、シリンダ5の前端部には大径部24が形成され、この大径部24の外周には、図2に示すように、1つの係合凸部25が形成されている。一方、キャップ6の内周には、シリンダ5の係合凸部25を受け入れ可能な係合凹部6aが形成されている。シリンダ5が図1に示す前方位置にあって係合凸部25がキャップ6の係合凹部6aに係合しているときには、シリンダ5は回動不能な状態にある。一方、シリンダ5が前方位置から後方へ一旦押し込まれた状態では、シリンダ5の係合凸部25とキャップ6の係合凹部6aとの係合が解除されて、シリンダ5は後方位置において回動可能になる。
シリンダ5の内部には、複数の板状のタンブラ27がキー孔23と直交する方向にスライド移動可能にそれぞれ配置されている。各タンブラ27は、キー未挿入時には、その端部がシリンダ5の外周から突出してロータ4の内面に形成された係合溝21に係合し、これによりロータ4内でのシリンダ5の回動が阻止されている。一方、シリンダ5のキー孔23にキーが挿入されると、各タンブラ27はシリンダ5の内側へ移動してその端部がシリンダ5内に没入する。これにより、各タンブラ27とロータ4の係合溝21との係合が解除され、ロータ4内においてシリンダ5が回動可能になる。また、シリンダ5の後端側外周面には、後述するロックリンク31を受け入れる受入凹部28が設けられ、受入凹部28内の前側の壁が前方側に傾斜している。
ロックリンク31は、板状の部材であり、その一端側にはシリンダアウタ3に設けられた軸溝3a内を移動可能な揺動軸32が突設され、他端側には、鉤状に形成された鉤状部33が設けられている。このロックリンク31のおよそ中央には、シリンダ5側に向けて突出してシリンダ5の受入凹部28内に進入し、先端が丸みを帯びた中間軸支部34が形成されている。ロックリンク31とボディ2との間にはロックリンク用スプリング35が設けられ、ロックリンク用スプリング35の付勢力によってロックリンク31の揺動軸32と中間軸支部34の間の部位がシリンダ5側に向けて付勢されている。
ボディ2の前側筒部19の外壁上には、アクチュエータとしての電磁ソレノイド36がカバー部11で覆われて固定されている。電磁ソレノイド36のプランジャ37の先端には、回転アーム38が固定されている。回転アーム38は、一端を軸39によって回転可能に軸支されており、プランジャ37の前後方向の動きに応動して回転するようになっている。この回転アーム38の他端側は、ボディ2外壁の貫通孔を介してロータ4の後端に設けられた溝状部22に係合してロータ4の回動を阻止し、電磁ソレノイド36が作動してプランジャ37が後方側に移動すると、一緒に回転アーム38も回転して、回転アーム38と溝状部22との係合が解除され、ロータ4の回動が許容されるようになっている。
シリンダ5の後端から後方側に突出した連結軸29はカム部材41内に進入し、カム部材41に対して前後移動可能で、かつ、回転力を伝達可能に連結されている。
カム部材41は、略円柱状に形成されてボディ2の保持突部12の先端によって軸支されてボディ2内に回動可能に配置されている。また、カム部材41の外周には後述するスライダ46を前方側に引き込むカム部42が形成されている。また、カム部材41の後方側外周縁にはギヤ部43が形成されている。
カム部材41の後方には、図示しないステアリングシャフトの凹部に係合してステアリングシャフトの回動を阻止するロックボルト45と、ロックボルト45に連結され、ロックボルト45と一緒にスライド移動するスライダ46とによってロック部材が構成されている。
ロックボルト45は、ボディ2内において図示しないステアリングシャフトの凹部に係合してステアリングシャフトの回動を阻止する突出位置と、ステアリングシャフトの凹部との係合が解除される退避位置との間でシリンダ5の軸方向と平行な方向にスライド移動可能に設けられている。
スライダ46は、縦断面略S字状に形成され、一端側がロックボルト45に係合して連結し、中央にはカム部材41のカム部42と係合するカム受部48が設けられ、他端側にはロックリンク31の鉤状部33に係合する係合孔49が設けられている。このスライダ46はロック用スプリング47によって後方側に付勢されている。
一方、ボディ2の上側筒部13内には、一端側が後述するリッド71の軸受孔72に、他端側がボディ2に形成された軸支穴14にそれぞれ軸支され、カム部材41の回転軸方向と直交する方向を回転軸として回転可能に収納された連結シャフト51が設けられている。この連結シャフト51の下部には、カム部材41のギヤ部43と噛合するギヤ部52が設けられ、カム部材41が回転すると連結シャフト51も回転するようになっている。また、連結シャフト51の上部には、連結シャフト51の回転軸に対して直行する方向に突出する鍔状部53が設けられている。この鍔状部53には、図5(a)、(b)に示すように、鍔状部53の一部が切り欠かれて形成された係合部54が設けられている。さらに、鍔状部53の上側には、係止段部55が設けられている。
また、ボディ2の上側筒部13の内壁に上下方向に伸びて設けられた収納溝15には、スプリング58によって上方に付勢され、上下方向にスライド移動可能に収納されたストッパ部材60が設けられている。ストッパ部材60は、図3に示すように、上面より略階段状に所定の間隔で段部61が設けられ、最上面を第1当接面62、2段目の段部の上面を第2当接面63、3段目の段部の上面を第3当接面64としている。また、2段目の段部61の縦面は、後述するリッド71に当接する当接部65となっている。さらに、ストッパ部材60の側面には、連結シャフト51の係合部54に係合して連結シャフト51の回転を阻止する回転阻止部66が突設されている。
リッド71は、図6(a)、(b)に示すように、略円盤状に形成され、その中央部には、連結シャフト51の一端側を軸支する軸受孔72が設けられている。リッド71の外周端には、本体部から外方側に張り出した3つの張出部73a、73b、73cが設けられている。このリッド71を配置するボディ2の上側筒部13の内周部には、図5(a)、(b)に示すように、リッド71を設置するリング状の設置段部16と、設置段部16に設置されたリッド71を反時計周りに回転させることにより、リッド71の張出部73a、73b、73cがそれぞれ嵌まり込む3つの横溝17が設けられている。また、ボディ2の上側筒部13の上端部には、後述するイグニッションスイッチ82を固定するためのスイッチ固定部18が形成されている。
イグニッションスイッチ82は、ボディ2の上側筒部13の開口端部に装着され、図1に示すように、スイッチケースに一体的に形成された2つの弾性腕部83がボディ2のスイッチ固定部18に係合することによりボディ2に固定される。連結シャフト51の一端はイグニッションスイッチ82の内部にある図示しない回転子に連結されており、連結シャフト51の回動に伴って前記回転子が回転することにより所定のスイッチ操作が行われるようになっている。
次に、図1、図4を参照して、ステアリングロック装置1におけるキー100を用いてロック解除操作および再ロック操作を行う場合の動作について説明する。図1のロック状態にあるステアリングロック装置1において、操作ノブ7の内部空間7aを介してシリンダ5のキー孔23にキー100を挿入すると、各タンブラ27がシリンダ5内に没入してロータ4の内面の係合溝21との係合が解除され、ロータ4内でのシリンダ5の回動が許容される。また、ロータ4は、回転アーム38が溝状部22内に進入して係合しているため、シリンダアウタ3内での回動が阻止されている。
ユーザがキー100をシリンダ5に挿入してから後方へ押し込むと、シリンダ5が後方位置へ移動し、シリンダ5の係合凸部25とキャップ6の係合凹部6aとの係合が解除され、シリンダ5が回動可能となる。このとき、シリンダ5の受入凹部28内に進入していたロックリンク31の中間軸支部34がロックリンク用スプリング35の付勢力に抗して移動してシリンダ5の外周面に当接し、ロックリンク31の鉤状部33がスライダ46の係合孔49に係合可能な位置に移動する。
この状態で、ユーザがキー100および操作ノブ7を回すことによってシリンダ5をLOCK位置から、図4に示すACC位置に回動させると、カム部材41のカム部42によってスライダ46がロック用スプリング47の付勢力に抗して前方側へスライド移動し、スライダ46に連結されたロックボルト45も一緒に移動してステアリングシャフトとロックボルト45との係合が外れ、ステアリングのロックが解除される。また、スライダ46の前方側への移動によりスライダ46の係合孔49とロックリンク31の鉤状部33とが係合することで、スライダ46およびロックボルト45は退避位置に保持される。
このとき、カム部材41の回転に応じて、ギヤ部43、52によって回転力が伝達され、連結シャフト51も回転する。この連結シャフト51の回転により、連結シャフト51の一端側が連結されたイグニッションスイッチ82内の回転子が回転し、所定のスイッチ動作が行われる。
そして、ユーザがさらにキー100を回してシリンダ5をSTART位置へと回動させると、カム部材41及び連結シャフト51が回転してイグニッションスイッチ82が作動し、図示しないセルモータを作動させることによりエンジンを始動することができる。
一方、ON位置、ACC位置からLOCK位置までキー100の操作によってシリンダ5を戻し回動させた場合には、カム部材41のカム部42とスライダ46のカム受部48との係合が解除されてスライダ46及びロックボルト45の突出位置側へ移動が可能な状態となる。しかし、ロックリンク31の中間軸支部34がシリンダ5の外周面に当接した状態であるため、スライダ46の係合孔49とロックリンク31の鉤状部33との係合が維持され、ロックボルト45はロック用スプリング47の付勢力に抗して退避位置に保持される。
そして、ユーザが操作ノブ7を持ってシリンダ5を前方位置まで引っ張ると、シリンダ5の受入凹部28内にロックリンク31の中間軸支部34がロックリンク用スプリング35の付勢力により進入することで、ロックリンク31の鉤状部33とスライダ46の係合孔49との係合が解除され、スライダ46及びロックボルト45はロック用スプリング47の付勢力によって突出位置に移動する。これにより、ロックボルト45がステアリングシャフトの凹部に係合してステアリングシャフトの回動が阻止される。
最後にシリンダ5からキー100を引き抜くと、タンブラ27がシリンダ5から突出してロータ4の係合溝21に係合して、シリンダ5及び操作ノブ7が回動不能となりステアリングロック装置1がロック状態となる。
一方、メカニカルキーを用いずに携帯機における電子認証でロック解除操作および再ロック操作を行う場合には、携帯機の電子認証の結果に応じて電磁ソレノイド36が作動し、回転アーム38とロータ4との係合が解除されることで、シリンダ5およびロータ4がシリンダアウタ3内で回転可能となり、シリンダ5の回転操作を行うことができるようになるが、以後の動作については、メカニカルキーを用いた場合とほぼ同様であるため詳細な説明は省略する。
次に、上述した構成からなるステアリングロック装置1の組み付け手順、特に、連結シャフト51、リッド71、ストッパ部材60およびイグニッションスイッチ82の組み付けについて詳しく説明する。
まず、ボディ2の前側筒部19内に、ロックボルト45、スライダ46、カム部材41、ロックリンク31、シリンダアウタ3、ロータ4、シリンダ5、キャップ6およびその他の組み付けに必要な部品を組み付けた後、さらに、ボディ2の側面に回転アーム38および電磁ソレノイド36を組み付けて、少なくともキー100が挿入されたシリンダ5の回転操作によってカム部材41が正常に作動する状態とする。
そして、シリンダ5をLOCK位置に回転させた状態で、連結シャフト51をボディ2の軸支穴14に挿入し、連結シャフト51のギヤ部52とカム部材41のギヤ部43とを所定の噛み合い位置で噛み合わせる。なお、シリンダ5がLOCK位置の状態で連結シャフト51を組み付けるようにするのは、シリンダ5の係合凸部25をキャップ6の係合凹部6a内に進入させるなどの操作により、シリンダ5およびカム部材41をLOCK位置に確実に位置決めすることが可能なためである。
次に、シリンダ5を所定の組付回転位置であるACC位置に回動操作した後、ボディ2の収納溝15内にスプリング58とストッパ部材60とを順次挿入して、図5(a)、(b)の状態とする。
そして、図6(a)、(b)に示すように、リッド71を所定の回転位置でボディ2の設置段部16に配置すると、リッド71の張出部73aとストッパ部材60の第2当接面63とが対応した位置にあるため、リッド71の張出部73aの下面がストッパ部材60の第2当接面63に当接して、ストッパ部材60はスプリング58の付勢力に抗して下方に移動する。この状態で、リッド71を反時計周りに回動させると、図7(a)、(b)に示すように、3つの張出部73a、73b、73cがボディ2の横溝17にそれぞれ進入して係合し、リッド71の上方側への抜け出しが不能となる。また、リッド71の反時計周り方向への回動により張出部73aとストッパ部材60の第2当接面63との係合が解除され、ストッパ部材60がスプリング58の付勢力によって第3当接面64がリッド71の下面に当接する位置まで上方に移動する。
この状態では、ストッパ部材60の当接部65がリッド71の張出部73aの時計回り側の側方に突出してきており、この当接部65がリッド71の張出部73aの側面に係合するため、リッド71の時計周り方向への回動が阻止される。これにより、リッド71の張出部73a、73b、73cとボディ2の横溝17との係合を解除することが不能となり、リッド71がボディ2に固定された状態が保持される。また、連結シャフト51は、係止段部55がリッド71の軸受孔72周辺の下面に当接しているためボディ2からの抜け出しが阻止されるとともに、ストッパ部材60の回転阻止部66が連結シャフト51の係合部54に係合しているため、連結シャフト51はACC位置に保持される。
このように、連結シャフト51はストッパ部材60によって所定の組付回転位置に保持されるため、搬送または組付け作業中にロータ4が組付回転位置以外の位置に回転してしまうことがない。その結果、連結シャフト51の回転位置がずれてイグニッションスイッチ82の組み付けができない等の不具合が生じることなく、短時間で確実にイグニッションスイッチ82の組み付けを行うことが可能となる。また、連結シャフト51とストッパ部材60とは、ボディ2に固定されたリッド71によってボディ2からの脱落が阻止されるため、連結シャフト51の保持が解除されることがない。さらに、リッド71は、ストッパ部材60によってボディ2との係合状態が維持されるため、ボディ2からの脱落することがない。
最後に、例えば納入先(搬送先)等でボディ2の上側筒部13の開口端部にイグニッションスイッチ82を組み付けると、図4に示すように、ストッパ部材60がイグニッションスイッチ82の下面82aに押圧されスプリング58の付勢力に抗して下方に移動する。すると、ストッパ部材60の回転阻止部66と連結シャフト51の係合部54との係合が解除され、連結シャフト51が回転可能な状態となる。そして、イグニッションスイッチ82をさらに押し込むと、イグニッションスイッチ82の2つの弾性腕部83がボディ2のスイッチ固定部18に係合してイグニッションスイッチ82がボディ2に固定され、イグニッションスイッチ82の下面82aに当接しているストッパ部材60も回転阻止部66と連結シャフト51の係合部54との係合が解除された状態に保持される。
このように、ストッパ部材60による連結シャフト51の回転規制は、イグニッションスイッチ82を取り付けるだけで解除することが可能であり、連結シャフト51の規制を解除する操作を別途行う必要がなく、簡単に行うことができる。また、ストッパ部材60は、イグニッションスイッチ82によって連結シャフト51との係合が解除された状態に保持されるため、ステアリングロック装置1の通常の使用に何ら支障をきたすことがない。
なお、本実施形態において、ストッパ部材60には、リッド71の組み付け時にリッド71の下面に当接する第2当接面63を設けて、ストッパ部材60を下側に移動させるようにしているが、これに限定されるものではなく、第1当接面62にリッド71の下面を当接させるようにしてもよい。ただ、第1当接面62にリッド71の下面を当接させてストッパ部材60を下側に移動させるようにした場合には、ストッパ部材60の移動量が大きくなり、ボディ2のストッパ部材60を収納する収納溝15が長くなって、ボディ2が大型化してしまう。本実施形態では、第1当接面62の下側にリッド71が当接する第2当接面63を設けることで、ストッパ部材60の移動量を小さくして、ボディ2の収納溝15を短くしてボディ2を小型化している。
また、本実施形態においては、連結シャフト51がシリンダ5およびカム部材41の回転軸と直行する方向に回転軸を持つように配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、連結シャフトがシリンダおよびカム部材の回転軸と同じ方向に回転軸を持つように配置された別形態のステアリングロック装置であっても本発明の構造を採用することが可能である。この、別形態のステアリングロック装置では、連結シャフトとカム部材とを一体的に形成してもよい。また、連結シャフト51は、特に棒状のものに限られるものではなく、シリンダ5の回転をイグニッションスイッチ82に伝達する部材であればどのような形状でもよく、種々の形状が選択可能である。
さらに、本実施形態のステアリングロック装置は、メカニカルキーと携帯機との両方で施解錠が可能なものであるが、これに限定されることはなく、本発明は、例えば、メカニカルキーのみで解錠可能なステアリングロック装置、或いは、携帯機のみで解錠可能なステアリングロック装置にも採用可能である。
ところで、本実施形態においては、ストッパ部材60をスプリング58の付勢力を利用して保持するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、図8、図9には本発明の第2実施形態を示し、この第2実施形態においては、ストッパ部材60を弾性変形可能な樹脂材料にて形成し、側面に第1凹部91、第2凹部92とを設け、ボディ2側に設けた突部93と係合させることにより、ストッパ部材60の保持を行うようにしている。また、ストッパ部材60を、およそ第1実施形態のストッパ部材60の第3当接面64を縦方向に切り取った形状として小型化し、リッド71にはストッパ部材60が挿通可能な切欠き94を設け、リッド71をボディ2に取り付けた後にストッパ部材60を装着できるように構成している。なお、第1実施形態と同様の構成については、対応する部位に同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
組み付けに関しては、ストッパ部材60を組み付ける前に、上述した第1実施形態の手順と同様に、連結シャフト51およびリッド71をボディ2に組み付け、リッド71を回転させてボディ2にリッド71を固定した状態とする。そして、ストッパ部材60をリッド71の切欠き94を通してボディ2の収納溝15内に押し込むと第1凹部91の側壁がボディ2の突部93と当接して弾性変形し、ボディ2の突部93がストッパ部材60の第1凹部91に嵌まり込むことで、ストッパ部材60が、ストッパ部材60の回転阻止部66が連結シャフト51の係合部54に係合する保持位置に保持される。この状態では、上述した第1実施形態の場合と同様にストッパ部材60の当接部65によってリッド71の回動が阻止され、ボディ2からの脱落が阻止される。そして、イグニッションスイッチ82をボディ2に装着すると、イグニッションスイッチ82の下面82aがストッパ部材60の第1当接面62に当接してストッパ部材60が下方に移動し、ボディ2の突部93とストッパ部材60の第1凹部91との係合が解除された後、今度は、ストッパ部材60の第2凹部92とボディ2の突部93とが係合する。これにより、ストッパ部材60は連結シャフト51の回転を阻止しない保持解除位置に保持されるため、ステアリングロック装置の通常の使用に何ら支障をきたすことがない。
2…ボディ、5…シリンダ、7…操作ノブ、51…連結シャフト、54…係合部、58…スプリング、60…ストッパ部材、82…イグニッションスイッチ、100…キー。