JP3681315B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータによって駆動される油圧ポンプからの圧油を操舵補助用のパワーシリンダへ供給し、操舵を補助するパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車には、動力舵取装置または自動変速装置等、油圧により作動し、運転操作を補助するための多くの補機が装備されており、これらの補機の作動油圧を発生すべく油圧ポンプが搭載されている。この油圧ポンプとしては、小型でありながら高油圧を発生し得るものとして、ベースポンプまたは、ギアポンプ等の回転容積型のポンプが用いられている。
【0003】
またこの種の油圧ポンプは、一般的にエンジンを駆動源として駆動されるが、走行中に広範囲に回転速度を変えるエンジンは好ましいものではなく、特に近年においては、米国での燃費規制の強化に対処すべく、燃費の向上を図ることが重要な課題となっており、前記エンジンに代えて車載バッテリーからの給電により駆動される電動モータを駆動源として利用し、エンジンの無為な動力の消費を可及的に抑えるようにした電動ポンプが用いられるようになっている。
【0004】
また一方、排ガスによる環境悪化を防ぐべく、エンジンに代えて電動モータを駆動源とする電気自動車(EV)の実用化が進められている。この電気自動車においても油圧により作動する補機が備えられていることがあり、このような補機の作動油圧の発生源としては、電動モータを駆動源とする電動ポンプが必然的に用いられることとなる。
【0005】
さて、以上のごとく車両に搭載して用いられる電動ポンプにおいては、その設置スペースに限りがあることから、本願出願人による特開平10-82377号公報等に開示されている如く、ポンプ本体の一側に筒型のカップリングを介して電動モータを取り付け、該電動モータのモータ軸をポンプ本体の同側に突出するポンプ軸に連結すると共に、ポンプ本体の他側に有底の筐体を装着して吸込タンクを構成し、電動モータ及び吸込タンクを含めてユニット化することにより、車両への搭載性を高めた電動ポンプが用いられている。
【0006】
また、以上の如く構成された電動ポンプの本体は、ギアポンプまたはベーンポンプ等の回転容積形のポンプとして構成されており、この種のポンプにおいてはロータの回転に応じて間欠的な吐出動作が行われるために、吐出油に脈動成分が含まれることが避けられない。一方、ポンプ本体の一側に筒型のカップリングを介して取り付けられている電動モータにおいても、リラクタンス(磁気抵抗)が回転角に対応して変動するためトルクに脈動成分が含まれることとなる。かかる油圧ポンプ及び電動モータによる脈動成分が存在するとパワーシリンダに供給される油圧が脈動する結果、操舵感に悪影響を及ぼすほか騒音の発生等の不都合を招来することとなる。特に、電動モータにより発生する脈動成分とポンプにより発生する脈動成分が、同期した場合パワーシリンダに供給される脈動油圧成分が共振する結果、車両の操舵に悪影響を及ぼすこととなる。
【0007】
ポンプ側の脈動トルクを防止する方法として前記特開平10-82377号公報にはポンプ本体の他側に構成された油タンクの内部に、内容積を有するダンパ室を構成し、ポンプ本体の吐出側に連通させてアキュムレータとしての作用を行わせ、このダンパ室の通過により脈動を軽減させた圧油を吐出側に送り出す構成とする電動ポンプが開示されている。
【0008】
これに対しモータ側の脈動トルクを防止する方法としてスロット(巻線用溝)にスキュー(ねじり)をかけて磁極の磁束分布を緩和する方法、モータをステータコア形状とする方法、またはマグネットを偏心する方法が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ダンパ室がポンプ本体の他側(電動モータの取り付け側と逆側)に吸引タンクと共に配してあり、電動モータ、ポンプ本体、ダンパ室及び吸引タンクが軸長方向に並設された構成となっていることから、ユニット全体の軸長方向寸法の削減に制限があり、車載用としての小型化要求に十分応え得ないという問題があった。
【0010】
また、前記スロットスキュー、ステータコア形状及びマグネット偏心によるモータの脈動トルク防止方法には、モータ出力トルクの低下及び小型化要求に応えられないという問題があった。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電動モータにより発生する脈動トルク成分の周波数と油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の周波数とを整合させ、さらに電動モータにより発生する脈動トルク成分の位相と、油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の位相とを逆位相に移相し、双方の脈動成分を相殺することによってパワーシリンダに供給される脈動油圧成分を平滑化し良好な操舵感を得ることができると共に静粛性及び小型化等の要求に応えることができるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明の他の目的はこれに加えて電動モータにより発生する脈動トルク成分の振幅と油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振幅を略同一となるよう調整することにより、逆位相である両脈動成分の振幅を相殺しパワーシリンダに供給される脈動油圧成分を平滑化し良好な操舵感を得ることができると共に静粛性及び小型化等の要求に応えることができるパワーステアリング装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
第1発明に係るパワーステアリング装置は、電動モータによって駆動される油圧ポンプから供給される圧油により動作し、操舵補助力を発生するパワーシリンダを備えるパワーステアリング装置において、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の周波数及び前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の周波数を整合させる周波数整合手段と、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の位相又は前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の位相をシフトする移相手段とを備え、前記周波数整合手段が、前記電動モータの出力軸が一回転する間に発生するコギングの回数と、前記油圧ポンプ内の圧油を吐出するギアの歯数とが同一となるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
第1発明にあっては、電動モータにより発生する脈動トルク成分の周波数と油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の周波数との整合を図るべくいずれか一方又は双方の成分を整合すると共に、電動モータにより発生する脈動トルク成分の位相と、油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の位相とを逆位相にすべくいずれか一方又は双方の成分を移相させたので、双方の脈動成分が相殺されパワーシリンダに供給される脈動油圧成分が平滑化される結果、第1発明に係るパワーステアリング装置は良好な操舵感を得ることができるとともに静粛性及び小型化等の要求に応えることができる。そして、前記電動モータの出力軸が一回転する間に発生するコギングの回数と、前記油圧ポンプ内の圧油を吐出するギアの歯数とが同一となるよう構成する周波数整合手段を設けたので、双方の成分の周波数が整合する結果、この発明に係るパワーステアリング装置は良好な操舵感を得ることができると共に静粛性及び小型化等の要求に応えることができる。
【0015】
第2発明に係るパワーステアリング装置は、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の振幅又は前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振幅を調整する振幅調整手段を備えることを特徴とする。
【0016】
第2発明にあっては第1発明に加えて電動モータにより発生する脈動トルク成分の振幅と油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振幅を略同一とすべくいずれか一方又は双方の成分を調整する振幅調整手段を設けたので、逆位相である両脈動成分の振幅が相殺されパワーシリンダに供給される脈動油圧成分が平滑化される結果、第2発明に係るパワーステアリング装置は良好な操舵感を得ることができると共に静粛性及び小型化等の要求に応えることができる。
【0019】
発明に係るパワーステアリング装置は、前記振幅調整手段が、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振幅とが略同一となるように出力トルクを制御するモータ制御部を備えることを特徴とする。
【0020】
発明にあっては前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振幅とを略同一とすべくトルクを制御するモータ制御部を設けたので、逆位相である両脈動成分の振幅が相殺されパワーシリンダに供給される脈動油圧成分が平滑化される結果、この発明に係るパワーステアリング装置は良好な操舵感を得ることができると共に静粛性及び小型化等の要求に応えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るパワーステアリング装置の全体構成を示すブロック図である。
【0024】
図示のパワーステアリング装置は、舵輪1の操作に応じたピニオン7の回動を車体前部に左右方向に延設されたラック軸8に伝え、該ラック軸の軸長方向の移動により左右の車輪W、Wを操舵する構成としたラックピニオン式の舵取機構を備える車両への適用例であり、前記ラック軸8の中途に構成された操舵補助用のパワーシリンダSと、モータ制御部6と、該モータ制御部6に制御されるブラシレスモータ等の電動モータMによって駆動される油圧ポンプPとを備え、該油圧ポンプPの吐出油を前記パワーシリンダSに送給し、この送給により前記パワーシリンダSが発生する油圧力をラック軸8に加えて操舵補助を行う構成としてある。
【0025】
油圧ポンプPの吐出油は、舵輪1からピニオン7への伝動系の中途に構成された油圧制御弁4の動作により、前記パワーシリンダSと、排油先となる油タンクTとに分配されるようになしてある。この油圧制御弁4は、舵輪1に舵輪軸1aを介して連結された操舵入力軸2と、前記ピニオン7を下端に備える操舵出力軸3と、トーションバー5とを同軸上に連結する構成としている。かかる油圧制御弁4は、操舵のために舵輪1に加えられる入力トルクにより、前記トーションバー5の捻れを伴って操舵入力軸2と操舵出力軸3との間に発生する相対角変位を利用して油圧の給排動作をおこなう。
【0026】
図2は電動モータMの要部を破断して示した縦断面図である。電動モータMは出力軸10、該出力軸10と一体的に回転するロータ9及びロータ9の外周上に配置されているマグネット11とから構成されている。図1におけるモータ制御部6は、図示しないバッテリー電源と接続されており、電動モータMの固定子巻線に供給される電流を制御し、ロータ9及び出力軸10を適宜のトルクで回転させる。モータ制御部6における電流制御はスイッチング素子としてFET等のトランジスタが用いられており、また前記電動モータMにより発生する脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の振幅とを略同一とすべく適宜の電流値が設定されている。
【0027】
図3は図2の III−III 線による縦断面図である。図3において、26はステータを示し、該ステータ26にはコギング(モータのロータとステータに関係するぎくしゃくした動き)を減少させるためのスロット(巻線用溝)26a,26a…が設けられており、ロータ9の外壁にはマグネット11,11,…が設けられている。モータが一回転する間に発生するコギングの回数は前記スロット26aの数及びマグネット11の極数によって決定される。図3ではマグネット11の極数が4であり、スロット26aの数が6となっている。前記コギングの回数は、電動モータMにより発生する脈動トルク成分と油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の周波数が同一となるよう適宜の値に設計する。
【0028】
図4は油圧ポンプPの要部を破断して示した側面図である。油圧ポンプPは、その一面側に油圧ポンプP本体を支持する短寸円筒形の支持ブラケット12の他面側に駆動用の電動モータMを取り付け、油圧ポンプP本体への入力軸としてのポンプ軸13と、電動モータMの出力軸としての出力軸10とを、前記支持ブラケット12の内側にて同軸上につきあわせ、出力軸10をはめ込み式のカップリング14一面側のモータカップリング14aにより連結し、ポンプ軸13をはめ込み式のカップリング14他面側のポンプカップリング14bに連結して、出力軸10に取り出される電動モータMの駆動力を、モータカップリング14a及びポンプカップリング14bを介してポンプ軸13に伝え、油圧ポンプP本体を駆動する構成となっている。
【0029】
図5は図4のV−V線による横断面図である。油圧ポンプP本体はハウジング15に形成された長円形断面の空洞部(ギア室)に駆動ギア16と従動ギア17とを互いに噛合させて配し、これらの噛合部の一側に設けた吸込室18内の作動油を、両ギアの回転によりそれぞれの歯間と前記空洞部の内周面との間に閉じ込めて搬送しつつ昇圧し、噛合部の他側に設けた吐出室25(図6参照)に吐出する公知のギアポンプとして構成されている。ここで前記駆動ギア16及び前記従動ギア17は電動モータMにより発生する脈動トルク成分の周波数と、油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の周波数とが等しくなるように、ギア歯数が決定されている。
【0030】
駆動ギア16と従動ギア17とは、それぞれの両側からハウジング15の空洞部に嵌挿された図4に示す一対のサイドプレート19,19により、前述した噛合状態を保って回転自在に両持ち支持されており、このように構成された油圧ポンプP本体は、ハウジング15の一側端面を支持ブラケット12の支持面に突き当て、他測端面に重ねたエンドプレート20と共に、周方向に複数本(図においては4本)の固定ボルト21,21…により前記支持ブラケット12の端面に共締めして固定されている。
【0031】
前記ポンプ軸13は、駆動ギア16の軸心部に嵌着され、一方のサイドプレート19を貫通して支持ブラケット12の側に突出せしめられ、電動モータMの出力軸10に前記モータカップリング14a及びポンプカップリング14bを介して連結されており、油圧ポンプP本体によるポンプ動作は電動モータMの回転が、出力軸10,モータカップリング14a、ポンプカップリング14b及びポンプ軸13を介して駆動ギア16に伝達され、該駆動ギア16がこれに噛合する従動ギア17と共にハウジング15の内側空洞部内にて回転することにより生じるようになしてある。
【0032】
以上の如き油圧ポンプP本体を支持する支持ブラケット12には、薄肉の板材により有底の円筒形をなして構成されたタンク筒22が、その開口側端部を支持ブラケット12に固定し油圧ポンプP本体の外側を囲むように取り付けてあり、このタンク筒22の内側に作動油を貯留するリザーブタンクTが構成されている。
【0033】
図6は駆動ギア16及び従動ギア17の動作図である。電動モータMの駆動によりポンプ軸13を介して駆動ギア16及び従動ギア17が図6の矢印方向へ回転し、吸込口23からギア室18の吸込室24へ吸い込まれた作動油は、各ギア16,17の駆動ギア油閉込み部16a、又は従動ギア油閉じ込み部17aに閉込まれ、これらの油閉込み部16a,17aの作動油が各ギア16,17の回転に伴い昇圧して吐出室25に吐出され、該吐出室25からハウジング15外の吐出先に供給される。この油閉じ込み部16a,17aのギア溝は電動モータMにより発生する脈動トルク成分の振幅と、油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の振幅とが等しくなるように、適宜の大きさのギア溝が形成されている。つまり該ギア溝は振幅を大きくする場合はギア溝を深く、振幅を小さくする場合はギア溝を浅く形成する。
【0034】
図7はカップリング14の詳細図である。出力軸10とモータカップリング14aとは一体的に回転するよう嵌合せしめられており、同じくポンプ軸13とポンプカップリング14bとは一体的に回転するよう嵌合せしめられている。モータカップリング14aとポンプカップリング14bとの結合部には後述する移相手段が設けられており、その動作は以下のとおりである。まず電動モータMの駆動力により出力軸10及びこれに嵌合されているモータカップリング14aが回転し該モータカップリング14aが所定角度回転した後、ポンプカップリング14b及び該ポンプカップリング14bに嵌合されているポンプ軸13が出力軸10及びモータカップリング14aと共に回転する構成となっている。前記所定角度は、油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の位相と電動モータMにより発生する脈動トルク成分の位相とが逆位相となるように、適宜の角度とする。
【0035】
図8はモータカップリング14a及びポンプカップリング14bを分離し、その結合部を詳細に表した構造図である。モータカップリング14aにはポンプカップリング14bとの結合部に突起部14cが設けられている。またポンプカップリング14bには、突起部14cよりも容積の大きい空洞部14dが設けられている。該空洞部14dには、突起部14cを所定角度空転させる非噛合部14f及び該突起部14cと噛み合う噛合部14gを有している。さらに空洞部14dには後述する弾性体14eが装着されている。扇形の空洞部14dの弧度は油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の位相と電動モータMにより発生する脈動トルク成分の位相とが逆位相となるように、適当な角度を設定する。もちろん、モータカップリング14aに位相を逆相とするための空洞部14dを設けポンプカップリング14bに突起部14cを設ける構成としてもよい。要はモータカップリング14aが所定角度回転した後、ポンプカップリング14bが回転すればよいのである。なお、図8では突起部14c及び空洞部14dが一組しか示されていないが、トルク伝達を確実にすべく、突起部14c及び空洞部14dをモータカップリング14a及びポンプカップリング14b上にそれぞれ複数組設ける構成としてもよい。さらに本実施の形態ではモータカップリング14a及びポンプカップリング14bをそれぞれ設けているが、これらを特別に設けることなく出力軸10及びポンプ軸13の結合部に突起部14c又は空洞部14dを設ける構成としてもよい。
【0036】
図9(a)乃至(d)は図7中IX−IX線による断面図であり、モータカップリング14aが所定角度回転した後、ポンプカップリング14bが回転する移相動作を示したものである。図9(a)は電動モータMが駆動していない状態を示した図である。電動モータMが駆動していない状態では突起部14cが弾性体14eにより空洞部14dの非噛合部14fの初期位置に押圧された状態で待機している。そして電動モータMが駆動しモータカップリング14aが回転すると突起部14cは弾性体14eの抵抗力に抗して、空洞部14dの噛合部14gに向けて回転する(図9(b)参照)。突起部14cが非噛合部14fから噛合部14gに至るまでは、ポンプカップリング14bは位相を逆相とする必要性から回転せずに、待機している。突起部14cが噛合部14gに達した場合は、電動モータMにより発生したトルクが空洞部14dの溝壁に伝達される結果ポンプカップリング14bがモータカップリング14aと共に回転する(図9(c)参照)。そして、電動モータMの駆動が停止した場合は、噛合部14gにあった突起部14cは弾性体14eの伸圧により非噛合部14fの初期位置に押し戻される(図9(d))。このように弾性体14eを設けることによって、位相を初期化し次回電動モータMを駆動する場合でも電動モータMにより発生する脈動トルク成分の位相と、油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の位相を逆相とすることができる。尚、図示していないが、噛合部14gの側壁にビス等を突出せしめ、これを締め又は緩めることによって前記弧度を微調整するようにしてもよい。
【0037】
図10(a)は電動モータMにより発生する脈動トルク成分を、図10(b)は油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分を、図10(c)は電動モータMにより発生する脈動トルク成分及び油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分を合成した結果パワーシリンダSに供給される油圧成分を示した脈動成分図である。電動モータMにより発生する脈動トルク成分と油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分との周波数を周波数整合手段により整合し、振幅を振幅調整手段により調整し、さらに両成分を移相手段により逆位相とすることで、両成分の脈動成分が相殺され図10(c)に示す如く、パワーシリンダSに供給される油圧が平滑化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパワーステアリング装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】電動モータの要部を破断して示した縦断面図である。
【図3】図2の III−III 線による縦断面図である。
【図4】油圧ポンプの要部を破断して示した側面図である。
【図5】図4のV−V線による横断面図である。
【図6】駆動ギア及び従動ギアの動作図である。
【図7】カップリングの詳細図である。
【図8】モータカップリング及びポンプカップリングを分離して表した構造図である。
【図9】図7のIX−IX線による断面図である。
【図10】脈動成分図である。
【符号の説明】
1 舵輪
P 油圧ポンプ
W 車輪
M 電動モータ
S パワーシリンダ
6 モータ制御部
9 ロータ
10 出力軸
13 ポンプ軸
14 カップリング
14a モータカップリング
14b ポンプカップリング
14c 突起部
14d 空洞部
14e 弾性体
14f 非噛合部
14g 噛合部
16 駆動ギア
16a 駆動ギア油閉込み部
17 従動ギア
17a 従動ギア油閉込み部

Claims (3)

  1. 電動モータによって駆動される油圧ポンプから供給される圧油により動作し、操舵補助力を発生するパワーシリンダを備えるパワーステアリング装置において、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の周波数及び前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の周波数を整合させる周波数整合手段と、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の位相又は前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の位相をシフトする移相手段とを備え、前記周波数整合手段は、前記電動モータの出力軸が一回転する間に発生するコギングの回数と、前記油圧ポンプ内の圧油を吐出するギアの歯数とが同一となるように構成されていることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の振幅又は前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振幅を調整する振幅調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記振幅調整手段は、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振幅とが略同一となるように出力トルクを制御するモータ制御部を備えることを特徴とする請求項2記載のパワーステアリング装置。
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