JP2001199355A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JP2001199355A
JP2001199355A JP2000010997A JP2000010997A JP2001199355A JP 2001199355 A JP2001199355 A JP 2001199355A JP 2000010997 A JP2000010997 A JP 2000010997A JP 2000010997 A JP2000010997 A JP 2000010997A JP 2001199355 A JP2001199355 A JP 2001199355A
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和彦 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーシリンダに供給される脈動油圧成分を
平滑化し良好な操舵感を得ることができるとともに騒音
の発生等を防止することができるパワーステアリング装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】 電動モータMによって駆動される油圧ポ
ンプPから供給される圧油により動作し、操舵補助力を
発生するパワーシリンダSを備えるパワーステアリング
装置において、前記電動モータMにより発生する脈動ト
ルク成分の周波数及び前記油圧ポンプPにより発生する
脈動油圧成分の周波数を整合させる周波数整合手段と、
前記電動モータMにより発生する脈動トルク成分の位相
又は前記油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の位
相をシフトする移相手段とを備える構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータによっ
て駆動される油圧ポンプからの圧油を操舵補助用のパワ
ーシリンダへ供給し、操舵を補助するパワーステアリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車には、動力舵取装置または
自動変速装置等、油圧により作動し、運転操作を補助す
るための多くの補機が装備されており、これらの補機の
作動油圧を発生すべく油圧ポンプが搭載されている。こ
の油圧ポンプとしては、小型でありながら高油圧を発生
し得るものとして、ベースポンプまたは、ギアポンプ等
の回転容積型のポンプが用いられている。
【0003】またこの種の油圧ポンプは、一般的にエン
ジンを駆動源として駆動されるが、走行中に広範囲に回
転速度を変えるエンジンは好ましいものではなく、特に
近年においては、米国での燃費規制の強化に対処すべ
く、燃費の向上を図ることが重要な課題となっており、
前記エンジンに代えて車載バッテリーからの給電により
駆動される電動モータを駆動源として利用し、エンジン
の無為な動力の消費を可及的に抑えるようにした電動ポ
ンプが用いられるようになっている。
【0004】また一方、排ガスによる環境悪化を防ぐべ
く、エンジンに代えて電動モータを駆動源とする電気自
動車(EV)の実用化が進められている。この電気自動
車においても油圧により作動する補機が備えられている
ことがあり、このような補機の作動油圧の発生源として
は、電動モータを駆動源とする電動ポンプが必然的に用
いられることとなる。
【0005】さて、以上のごとく車両に搭載して用いら
れる電動ポンプにおいては、その設置スペースに限りが
あることから、本願出願人による特開平10-82377号公報
等に開示されている如く、ポンプ本体の一側に筒型のカ
ップリングを介して電動モータを取り付け、該電動モー
タのモータ軸をポンプ本体の同側に突出するポンプ軸に
連結すると共に、ポンプ本体の他側に有底の筐体を装着
して吸込タンクを構成し、電動モータ及び吸込タンクを
含めてユニット化することにより、車両への搭載性を高
めた電動ポンプが用いられている。
【0006】また、以上の如く構成された電動ポンプの
本体は、ギアポンプまたはベーンポンプ等の回転容積形
のポンプとして構成されており、この種のポンプにおい
てはロータの回転に応じて間欠的な吐出動作が行われる
ために、吐出油に脈動成分が含まれることが避けられな
い。一方、ポンプ本体の一側に筒型のカップリングを介
して取り付けられている電動モータにおいても、リラク
タンス(磁気抵抗)が回転角に対応して変動するためト
ルクに脈動成分が含まれることとなる。かかる油圧ポン
プ及び電動モータによる脈動成分が存在するとパワーシ
リンダに供給される油圧が脈動する結果、操舵感に悪影
響を及ぼすほか騒音の発生等の不都合を招来することと
なる。特に、電動モータにより発生する脈動成分とポン
プにより発生する脈動成分が、同期した場合パワーシリ
ンダに供給される脈動油圧成分が共振する結果、車両の
操舵に悪影響を及ぼすこととなる。
【0007】ポンプ側の脈動トルクを防止する方法とし
て前記特開平10-82377号公報にはポンプ本体の他側に構
成された油タンクの内部に、内容積を有するダンパ室を
構成し、ポンプ本体の吐出側に連通させてアキュムレー
タとしての作用を行わせ、このダンパ室の通過により脈
動を軽減させた圧油を吐出側に送り出す構成とする電動
ポンプが開示されている。
【0008】これに対しモータ側の脈動トルクを防止す
る方法としてスロット(巻線用溝)にスキュー(ねじ
り)をかけて磁極の磁束分布を緩和する方法、モータを
ステータコア形状とする方法、またはマグネットを偏心
する方法が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ダ
ンパ室がポンプ本体の他側(電動モータの取り付け側と
逆側)に吸引タンクと共に配してあり、電動モータ、ポ
ンプ本体、ダンパ室及び吸引タンクが軸長方向に並設さ
れた構成となっていることから、ユニット全体の軸長方
向寸法の削減に制限があり、車載用としての小型化要求
に十分応え得ないという問題があった。
【0010】また、前記スロットスキュー、ステータコ
ア形状及びマグネット偏心によるモータの脈動トルク防
止方法には、モータ出力トルクの低下及び小型化要求に
応えられないという問題があった。
【0011】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、電動モータにより発生する脈動トルク成分の周
波数と油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の周波数
とを整合させ、さらに電動モータにより発生する脈動ト
ルク成分の位相と、油圧ポンプにより発生する脈動油圧
成分の位相とを逆位相に移相し、双方の脈動成分を相殺
することによってパワーシリンダに供給される脈動油圧
成分を平滑化し良好な操舵感を得ることができると共に
静粛性及び小型化等の要求に応えることができるパワー
ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0012】また本発明の他の目的はこれに加えて電動
モータにより発生する脈動トルク成分の振幅と油圧ポン
プにより発生する脈動油圧成分の振幅を略同一となるよ
う調整することにより、逆位相である両脈動成分の振幅
を相殺しパワーシリンダに供給される脈動油圧成分を平
滑化し良好な操舵感を得ることができると共に静粛性及
び小型化等の要求に応えることができるパワーステアリ
ング装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】第1発明
に係るパワーステアリング装置は、電動モータによって
駆動される油圧ポンプから供給される圧油により動作
し、操舵補助力を発生するパワーシリンダを備えるパワ
ーステアリング装置において、前記電動モータにより発
生する脈動トルク成分の周波数及び前記油圧ポンプによ
り発生する脈動油圧成分の周波数を整合させる周波数整
合手段と、前記電動モータにより発生する脈動トルク成
分の位相又は前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成
分の位相をシフトする移相手段とを備えることを特徴と
する。
【0014】第1発明にあっては、電動モータにより発
生する脈動トルク成分の周波数と油圧ポンプにより発生
する脈動油圧成分の周波数との整合を図るべくいずれか
一方又は双方の成分を整合すると共に、電動モータによ
り発生する脈動トルク成分の位相と、油圧ポンプにより
発生する脈動油圧成分の位相とを逆位相にすべくいずれ
か一方又は双方の成分を移相させたので、双方の脈動成
分が相殺されパワーシリンダに供給される脈動油圧成分
が平滑化される結果、第1発明に係るパワーステアリン
グ装置は良好な操舵感を得ることができるとともに静粛
性及び小型化等の要求に応えることができる。
【0015】第2発明に係るパワーステアリング装置
は、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分の振
幅又は前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の振
幅を調整する振幅調整手段を備えることを特徴とする。
【0016】第2発明にあっては第1発明に加えて電動
モータにより発生する脈動トルク成分の振幅と油圧ポン
プにより発生する脈動油圧成分の振幅を略同一とすべく
いずれか一方又は双方の成分を調整する振幅調整手段を
設けたので、逆位相である両脈動成分の振幅が相殺され
パワーシリンダに供給される脈動油圧成分が平滑化され
る結果、第2発明に係るパワーステアリング装置は良好
な操舵感を得ることができると共に静粛性及び小型化等
の要求に応えることができる。
【0017】第3発明に係るパワーステアリング装置
は、前記周波数整合手段が、前記電動モータの出力軸が
一回転する間に発生するコギングの回数と、前記油圧ポ
ンプ内の圧油を吐出するギアの歯数とが同一となるよう
に構成されていることを特徴とする。
【0018】第3発明にあっては前記電動モータの出力
軸が一回転する間に発生するコギングの回数と、前記油
圧ポンプ内の圧油を吐出するギアの歯数とが同一となる
よう構成する周波数整合手段を設けたので、双方の成分
の周波数が整合する結果、第3発明に係るパワーステア
リング装置は良好な操舵感を得ることができると共に静
粛性及び小型化等の要求に応えることができる。
【0019】第4発明に係るパワーステアリング装置
は、前記振幅調整手段が、前記電動モータにより発生す
る脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプにより発生す
る脈動油圧成分の振幅とが略同一となるように出力トル
クを制御するモータ制御部を備えることを特徴とする。
【0020】第4発明にあっては前記電動モータにより
発生する脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプにより
発生する脈動油圧成分の振幅とを略同一とすべくトルク
を制御するモータ制御部を設けたので、逆位相である両
脈動成分の振幅が相殺されパワーシリンダに供給される
脈動油圧成分が平滑化される結果、第4発明に係るパワ
ーステアリング装置は良好な操舵感を得ることができる
と共に静粛性及び小型化等の要求に応えることができ
る。
【0021】第5発明に係るパワーステアリング装置
は、前記移相手段が、結合されている前記出力軸及び前
記ポンプ軸の一側に設けられた突起部と、他側において
該突起部を空転させる非噛合部及び前記突起部と噛み合
う噛合部を有する前記突起部よりも大きい容積を有する
空洞部とを備えることを特徴とする。
【0022】第5発明にあっては、突起部が空洞部の非
噛合部から噛合部に達するまでの間は出力軸を空転さ
せ、突起部が噛合部に達した後は出力軸とポンプ軸を一
体的に回転させるようにしたので、油圧ポンプの脈動油
圧成分の位相が電動モータの脈動トルク成分の位相に対
して逆位相となる結果、双方の脈動成分が相殺され第5
発明に係るパワーステアリング装置は良好な操舵感を得
ることができると共に静粛性及び小型化等の要求に応え
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るパワ
ーステアリング装置の全体構成を示すブロック図であ
る。
【0024】図示のパワーステアリング装置は、舵輪1
の操作に応じたピニオン7の回動を車体前部に左右方向
に延設されたラック軸8に伝え、該ラック軸の軸長方向
の移動により左右の車輪W、Wを操舵する構成としたラ
ックピニオン式の舵取機構を備える車両への適用例であ
り、前記ラック軸8の中途に構成された操舵補助用のパ
ワーシリンダSと、モータ制御部6と、該モータ制御部
6に制御されるブラシレスモータ等の電動モータMによ
って駆動される油圧ポンプPとを備え、該油圧ポンプP
の吐出油を前記パワーシリンダSに送給し、この送給に
より前記パワーシリンダSが発生する油圧力をラック軸
8に加えて操舵補助を行う構成としてある。
【0025】油圧ポンプPの吐出油は、舵輪1からピニ
オン7への伝動系の中途に構成された油圧制御弁4の動
作により、前記パワーシリンダSと、排油先となる油タ
ンクTとに分配されるようになしてある。この油圧制御
弁4は、舵輪1に舵輪軸1aを介して連結された操舵入
力軸2と、前記ピニオン7を下端に備える操舵出力軸3
と、トーションバー5とを同軸上に連結する構成として
いる。かかる油圧制御弁4は、操舵のために舵輪1に加
えられる入力トルクにより、前記トーションバー5の捻
れを伴って操舵入力軸2と操舵出力軸3との間に発生す
る相対角変位を利用して油圧の給排動作をおこなう。
【0026】図2は電動モータMの要部を破断して示し
た縦断面図である。電動モータMは出力軸10、該出力
軸10と一体的に回転するロータ9及びロータ9の外周
上に配置されているマグネット11とから構成されてい
る。図1におけるモータ制御部6は、図示しないバッテ
リー電源と接続されており、電動モータMの固定子巻線
に供給される電流を制御し、ロータ9及び出力軸10を
適宜のトルクで回転させる。モータ制御部6における電
流制御はスイッチング素子としてFET等のトランジス
タが用いられており、また前記電動モータMにより発生
する脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプPにより発
生する脈動油圧成分の振幅とを略同一とすべく適宜の電
流値が設定されている。
【0027】図3は図2の III−III 線による縦断面図
である。図3において、26はステータを示し、該ステ
ータ26にはコギング(モータのロータとステータに関
係するぎくしゃくした動き)を減少させるためのスロッ
ト(巻線用溝)26a,26a…が設けられており、ロ
ータ9の外壁にはマグネット11,11,…が設けられ
ている。モータが一回転する間に発生するコギングの回
数は前記スロット26aの数及びマグネット11の極数
によって決定される。図3ではマグネット11の極数が
4であり、スロット26aの数が6となっている。前記
コギングの回数は、電動モータMにより発生する脈動ト
ルク成分と油圧ポンプにより発生する脈動油圧成分の周
波数が同一となるよう適宜の値に設計する。
【0028】図4は油圧ポンプPの要部を破断して示し
た側面図である。油圧ポンプPは、その一面側に油圧ポ
ンプP本体を支持する短寸円筒形の支持ブラケット12
の他面側に駆動用の電動モータMを取り付け、油圧ポン
プP本体への入力軸としてのポンプ軸13と、電動モー
タMの出力軸としての出力軸10とを、前記支持ブラケ
ット12の内側にて同軸上につきあわせ、出力軸10を
はめ込み式のカップリング14一面側のモータカップリ
ング14aにより連結し、ポンプ軸13をはめ込み式の
カップリング14他面側のポンプカップリング14bに
連結して、出力軸10に取り出される電動モータMの駆
動力を、モータカップリング14a及びポンプカップリ
ング14bを介してポンプ軸13に伝え、油圧ポンプP
本体を駆動する構成となっている。
【0029】図5は図4のV−V線による横断面図であ
る。油圧ポンプP本体はハウジング15に形成された長
円形断面の空洞部(ギア室)に駆動ギア16と従動ギア
17とを互いに噛合させて配し、これらの噛合部の一側
に設けた吸込室18内の作動油を、両ギアの回転により
それぞれの歯間と前記空洞部の内周面との間に閉じ込め
て搬送しつつ昇圧し、噛合部の他側に設けた吐出室25
(図6参照)に吐出する公知のギアポンプとして構成さ
れている。ここで前記駆動ギア16及び前記従動ギア1
7は電動モータMにより発生する脈動トルク成分の周波
数と、油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の周波
数とが等しくなるように、ギア歯数が決定されている。
【0030】駆動ギア16と従動ギア17とは、それぞ
れの両側からハウジング15の空洞部に嵌挿された図4
に示す一対のサイドプレート19,19により、前述し
た噛合状態を保って回転自在に両持ち支持されており、
このように構成された油圧ポンプP本体は、ハウジング
15の一側端面を支持ブラケット12の支持面に突き当
て、他測端面に重ねたエンドプレート20と共に、周方
向に複数本(図においては4本)の固定ボルト21,2
1…により前記支持ブラケット12の端面に共締めして
固定されている。
【0031】前記ポンプ軸13は、駆動ギア16の軸心
部に嵌着され、一方のサイドプレート19を貫通して支
持ブラケット12の側に突出せしめられ、電動モータM
の出力軸10に前記モータカップリング14a及びポン
プカップリング14bを介して連結されており、油圧ポ
ンプP本体によるポンプ動作は電動モータMの回転が、
出力軸10,モータカップリング14a、ポンプカップ
リング14b及びポンプ軸13を介して駆動ギア16に
伝達され、該駆動ギア16がこれに噛合する従動ギア1
7と共にハウジング15の内側空洞部内にて回転するこ
とにより生じるようになしてある。
【0032】以上の如き油圧ポンプP本体を支持する支
持ブラケット12には、薄肉の板材により有底の円筒形
をなして構成されたタンク筒22が、その開口側端部を
支持ブラケット12に固定し油圧ポンプP本体の外側を
囲むように取り付けてあり、このタンク筒22の内側に
作動油を貯留するリザーブタンクTが構成されている。
【0033】図6は駆動ギア16及び従動ギア17の動
作図である。電動モータMの駆動によりポンプ軸13を
介して駆動ギア16及び従動ギア17が図6の矢印方向
へ回転し、吸込口23からギア室18の吸込室24へ吸
い込まれた作動油は、各ギア16,17の駆動ギア油閉
込み部16a、又は従動ギア油閉じ込み部17aに閉込
まれ、これらの油閉込み部16a,17aの作動油が各
ギア16,17の回転に伴い昇圧して吐出室25に吐出
され、該吐出室25からハウジング15外の吐出先に供
給される。この油閉じ込み部16a,17aのギア溝は
電動モータMにより発生する脈動トルク成分の振幅と、
油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分の振幅とが等
しくなるように、適宜の大きさのギア溝が形成されてい
る。つまり該ギア溝は振幅を大きくする場合はギア溝を
深く、振幅を小さくする場合はギア溝を浅く形成する。
【0034】図7はカップリング14の詳細図である。
出力軸10とモータカップリング14aとは一体的に回
転するよう嵌合せしめられており、同じくポンプ軸13
とポンプカップリング14bとは一体的に回転するよう
嵌合せしめられている。モータカップリング14aとポ
ンプカップリング14bとの結合部には後述する移相手
段が設けられており、その動作は以下のとおりである。
まず電動モータMの駆動力により出力軸10及びこれに
嵌合されているモータカップリング14aが回転し該モ
ータカップリング14aが所定角度回転した後、ポンプ
カップリング14b及び該ポンプカップリング14bに
嵌合されているポンプ軸13が出力軸10及びモータカ
ップリング14aと共に回転する構成となっている。前
記所定角度は、油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成
分の位相と電動モータMにより発生する脈動トルク成分
の位相とが逆位相となるように、適宜の角度とする。
【0035】図8はモータカップリング14a及びポン
プカップリング14bを分離し、その結合部を詳細に表
した構造図である。モータカップリング14aにはポン
プカップリング14bとの結合部に突起部14cが設け
られている。またポンプカップリング14bには、突起
部14cよりも容積の大きい空洞部14dが設けられて
いる。該空洞部14dには、突起部14cを所定角度空
転させる非噛合部14f及び該突起部14cと噛み合う
噛合部14gを有している。さらに空洞部14dには後
述する弾性体14eが装着されている。扇形の空洞部1
4dの弧度は油圧ポンプPにより発生する脈動油圧成分
の位相と電動モータMにより発生する脈動トルク成分の
位相とが逆位相となるように、適当な角度を設定する。
もちろん、モータカップリング14aに位相を逆相とす
るための空洞部14dを設けポンプカップリング14b
に突起部14cを設ける構成としてもよい。要はモータ
カップリング14aが所定角度回転した後、ポンプカッ
プリング14bが回転すればよいのである。なお、図8
では突起部14c及び空洞部14dが一組しか示されて
いないが、トルク伝達を確実にすべく、突起部14c及
び空洞部14dをモータカップリング14a及びポンプ
カップリング14b上にそれぞれ複数組設ける構成とし
てもよい。さらに本実施の形態ではモータカップリング
14a及びポンプカップリング14bをそれぞれ設けて
いるが、これらを特別に設けることなく出力軸10及び
ポンプ軸13の結合部に突起部14c又は空洞部14d
を設ける構成としてもよい。
【0036】図9(a)乃至(d)は図7中IX−IX線に
よる断面図であり、モータカップリング14aが所定角
度回転した後、ポンプカップリング14bが回転する移
相動作を示したものである。図9(a)は電動モータM
が駆動していない状態を示した図である。電動モータM
が駆動していない状態では突起部14cが弾性体14e
により空洞部14dの非噛合部14fの初期位置に押圧
された状態で待機している。そして電動モータMが駆動
しモータカップリング14aが回転すると突起部14c
は弾性体14eの抵抗力に抗して、空洞部14dの噛合
部14gに向けて回転する(図9(b)参照)。突起部
14cが非噛合部14fから噛合部14gに至るまで
は、ポンプカップリング14bは位相を逆相とする必要
性から回転せずに、待機している。突起部14cが噛合
部14gに達した場合は、電動モータMにより発生した
トルクが空洞部14dの溝壁に伝達される結果ポンプカ
ップリング14bがモータカップリング14aと共に回
転する(図9(c)参照)。そして、電動モータMの駆
動が停止した場合は、噛合部14gにあった突起部14
cは弾性体14eの伸圧により非噛合部14fの初期位
置に押し戻される(図9(d))。このように弾性体1
4eを設けることによって、位相を初期化し次回電動モ
ータMを駆動する場合でも電動モータMにより発生する
脈動トルク成分の位相と、油圧ポンプPにより発生する
脈動油圧成分の位相を逆相とすることができる。尚、図
示していないが、噛合部14gの側壁にビス等を突出せ
しめ、これを締め又は緩めることによって前記弧度を微
調整するようにしてもよい。
【0037】図10(a)は電動モータMにより発生す
る脈動トルク成分を、図10(b)は油圧ポンプPによ
り発生する脈動油圧成分を、図10(c)は電動モータ
Mにより発生する脈動トルク成分及び油圧ポンプPによ
り発生する脈動油圧成分を合成した結果パワーシリンダ
Sに供給される油圧成分を示した脈動成分図である。電
動モータMにより発生する脈動トルク成分と油圧ポンプ
Pにより発生する脈動油圧成分との周波数を周波数整合
手段により整合し、振幅を振幅調整手段により調整し、
さらに両成分を移相手段により逆位相とすることで、両
成分の脈動成分が相殺され図10(c)に示す如く、パ
ワーシリンダSに供給される油圧が平滑化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパワーステアリング装置の全体構
成を示すブロック図である。
【図2】電動モータの要部を破断して示した縦断面図で
ある。
【図3】図2の III−III 線による縦断面図である。
【図4】油圧ポンプの要部を破断して示した側面図であ
る。
【図5】図4のV−V線による横断面図である。
【図6】駆動ギア及び従動ギアの動作図である。
【図7】カップリングの詳細図である。
【図8】モータカップリング及びポンプカップリングを
分離して表した構造図である。
【図9】図7のIX−IX線による断面図である。
【図10】脈動成分図である。
【符号の説明】
1 舵輪 P 油圧ポンプ W 車輪 M 電動モータ S パワーシリンダ 6 モータ制御部 9 ロータ 10 出力軸 13 ポンプ軸 14 カップリング 14a モータカップリング 14b ポンプカップリング 14c 突起部 14d 空洞部 14e 弾性体 14f 非噛合部 14g 噛合部 16 駆動ギア 16a 駆動ギア油閉込み部 17 従動ギア 17a 従動ギア油閉込み部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータによって駆動される油圧ポン
    プから供給される圧油により動作し、操舵補助力を発生
    するパワーシリンダを備えるパワーステアリング装置に
    おいて、前記電動モータにより発生する脈動トルク成分
    の周波数及び前記油圧ポンプにより発生する脈動油圧成
    分の周波数を整合させる周波数整合手段と、前記電動モ
    ータにより発生する脈動トルク成分の位相又は前記油圧
    ポンプにより発生する脈動油圧成分の位相をシフトする
    移相手段とを備えることを特徴とするパワーステアリン
    グ装置。
  2. 【請求項2】 前記電動モータにより発生する脈動トル
    ク成分の振幅又は前記油圧ポンプにより発生する脈動油
    圧成分の振幅を調整する振幅調整手段を備えることを特
    徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数整合手段は、前記電動モータ
    の出力軸が一回転する間に発生するコギングの回数と、
    前記油圧ポンプ内の圧油を吐出するギアの歯数とが同一
    となるように構成されていることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載のパワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記振幅調整手段は、前記電動モータに
    より発生する脈動トルク成分の振幅と前記油圧ポンプに
    より発生する脈動油圧成分の振幅とが略同一となるよう
    に出力トルクを制御するモータ制御部を備えることを特
    徴とする請求項2記載のパワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記移相手段は、結合されている前記出
    力軸及び前記ポンプ軸の一側に設けられた突起部と、他
    側において該突起部を空転させる非噛合部及び前記突起
    部と噛み合う噛合部を有する前記突起部よりも大きい容
    積を有する空洞部とを備えることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4記載のパワーステアリング装置。
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