JP2945803B2 - 操舵装置 - Google Patents

操舵装置

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JP2945803B2
JP2945803B2 JP22724792A JP22724792A JP2945803B2 JP 2945803 B2 JP2945803 B2 JP 2945803B2 JP 22724792 A JP22724792 A JP 22724792A JP 22724792 A JP22724792 A JP 22724792A JP 2945803 B2 JP2945803 B2 JP 2945803B2
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Toyoda Koki KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの車輪を操
向する操舵装置、特にステアリングギア比(ハンドル回
転角/タイヤ切れ角)がハンドル回転角の増大に応じて
減少するようにした動力操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前輪操舵装置にはラックピニオン式、ボ
ールスクリュー式、ウオームピン式などの各種のものが
あるが、通常の前輪操舵装置は、操舵ハンドルに連結さ
れた入力軸の回転角に対するラックバーやピットマンア
ーム等の出力作動部材のストロークの減速比がほぼ一定
であるので、ハンドル中立位置付近以外では操舵ハンド
ルを切り込んだ際の切込み感が不足すると共に所望の最
大前輪操舵角を得るのに必要な最大ハンドル回転角が大
(例えば540度)となる。この問題を解決しようとし
て前記減速比を小さくすれば、ハンドル中立位置付近に
おいて切込み過ぎの感となる。
【0003】これに対して、特開平2−14971号公
報に示すように前輪舵取装置の互いに同心とした入力軸
及び出力軸と平行に中間軸を設け、この中間軸と入力軸
及び出力軸の間にそれぞれ1対の楕円歯車と1対の円形
歯車を設けて、入力軸の操舵中立位置からの回転角の増
大に応じて減速比が次第に減少するようにしたものがあ
る。またこのものは、入力軸に加わるトルクに応じて作
動するサーボ弁によりパワーシリンダを作動させて、出
力作動部材にアシスト力を与える油圧式の前輪動力舵取
装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの技術
は、1対の楕円歯車を用いているため加工が困難であ
り、また組み付けたときの2対の歯車の歯当たり状態に
より、所望のハンドルトルクを得ることが困難である。
さらに、楕円歯車のバックラッシュ調整と円形歯車のバ
ックラッシュ調整を個々に行うことは困難であるなどの
問題がある。これに対し出願人は先に、入力軸と出力軸
を互いに所定量偏心して設け、入力軸の出力軸側端部に
固定した部材の端面にカム溝を直径方向に形成し、この
カム溝内に係合する突起を出力軸の入力軸側端部に偏心
して設けてこれらの問題を解決することを提案した。
【0005】しかし先の特開平2−14971号公報と
同様この技術でも、ハンドル回転角に対するステアリン
グギア比の特性は、図11に示すように、操舵中立位置
で最大、ハンドル回転角180度で最小となる180度
周期の関数となり、二点鎖線に示すように、その最大値
及び最小値を入力軸と出力軸の偏心量及び出力軸に対す
る突起の偏心量を選択することにより調整することはで
きるが、周期は180度のままである。このため、ハン
ドル回転角が180度を越えるようにすると、180度
を境としてステアリングギア比が減少から増大に変化す
るので不自然な操舵特性となり、またこれを避けるため
にハンドルの最大回転角を180度以下に押さえようと
すると、ステアリングギア比が全体として小さくなり操
舵がシャープになり過ぎて運転が困難になるという問題
がある。更に、ステアリングギア比の最大値及び最小値
を与えると、途中の位置におけるステアリングギア比が
決まってしまうので、ステアリングギア比変化特性の設
計の自由度が低くなるという問題もある。
【0006】本発明はこのような各問題を解決して、ハ
ンドルの最大回転角を含む操舵特性の選択範囲が広く、
加工も容易な操舵装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る操舵装置は、図1〜図10に例示するように、操舵ハ
ンドルに連結されて共に回転する入力軸11と、出力軸
13及び連動機構15を介して前記入力軸11に連結さ
れ操舵リンクを介して車輪を操舵する出力作動部材14
と、この出力作動部材14にアシスト力を与える増力装
置30と、前記入力軸11に設けられこれに加わるトル
クに応じて作動して前記増力装置30が前記出力作動部
材14に与えるアシスト力を変化させる制御装置20を
備えてなる操舵装置において、前記入力軸11及び出力
軸13の間において同出力軸13に対し偏心して支持さ
れた中間回転部材38と、前記入力軸11と中間回転部
材38の間に設けられて前者11の回転を一定の減速比
減速して後者38に伝達する減速機構40と、前記中
間回転部材38と出力軸13に設けた出力フランジ39
の互いに対向する端面の何れか一方に直径方向に形成さ
れたカム溝47と、前記互いに対向する端面の他方にそ
の回転中心より偏心しかつ軸方向に突出して設けられて
前記カム溝47内に係合する突起48よりなり、前記入
力軸11の操舵中立位置からの回転角の増大に応じて減
速比を次第に減少させながら前記中間回転部材38の回
転を前記出力軸13に伝達する操舵特性付与機構45を
備えたことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】操舵ハンドルと共に回転する入力軸11の回転
は減速機構40により一定の減速比で減速されて中間回
転部材38に伝達され、カム溝47及び突起48よりな
る操舵特性付与機構45を介して出力軸13に伝達さ
れ、連動機構15及び出力作動部材14を介して車輪を
操舵する。このとき、中間回転部材38が操舵中立位置
から回転するにつれて突起48がカム溝47に沿って半
径方向に移動し、中間回転部材38と出力軸13の間の
減速比は、中間回転部材38の回転につれて次第に減少
して180度で最小となる。従って、出力軸13の回転
角は中間回転部材38の回転角の増大に応じて加速度的
に増大してその特性曲線の傾斜角度は180度で最大と
なる。この特性曲線の傾斜角度の変化は、操舵特性付与
機構40のカム溝47を入力軸11側に設けた場合に
は、図5に示すように入力軸11の回転角が中立位置付
近で急激となり、操舵特性付与機構40の突起48を入
力軸11側に設けた場合には、図8に示すように入力軸
11の回転角が180度付近の範囲で急激なものとな
る。
【0009】一方、中間回転部材38は操舵ハンドルと
共に回転する入力軸11に対し一定の減速比で減速して
回転されるので、操舵ハンドルの回転角に関していえ
ば、この減速比の分だけ180度より増大した位置でス
テアリングギア比が最小となる特性となる。また制御装
置20は入力軸11に加わるトルクに応じて作動し、増
力装置30を介して出力作動部材14にアシスト力を与
える。
【0010】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、ステア
リングギア比は操舵中立位置からのハンドル回転角の増
大に応じて減少する特性となるので、操舵中立位置付近
において切込み過ぎの感を与えることなしにハンドルを
切った状態では充分な切込み感を与えることができる。
また減速機構の減速比の調整により操舵ハンドルの回転
角が180度を越えた所定の位置でステアリングギア比
が最小となるので、ハンドル回転角が180度を少し越
えてもステアリングギア比が減少から増大に変化するよ
うな不自然な操舵特性となることがない。更に、中間回
転部材と出力軸の間の偏心量に対する突起の偏心量の比
率の選択、減速機構の減速比の選択、及び操舵特性付与
機構のカム溝と突起の何れを入力軸側にするかの選択の
組み合わせにより、ステアリングギア比の最大及び最小
値を変えなくても中間位置におけるステアリングギア比
の変化特性を高い自由度で調整することができる。そし
てこれらにより操舵特性の選択範囲を広げて良い操舵特
性を得ることができる。
【0011】しかも楕円歯車機構を利用したものと比較
して加工が容易であり、またカム溝と突起間の隙間を変
えてガタを調整するだけで、簡単にバックラッシュの調
整ができる。更に、減速機構、操舵特性付与機構及び連
動機構よりも操舵ハンドル側の入力軸に増力装置の制御
装置を設けたので、これらの機構によるトルク変動の操
舵ハンドル側への逆入力を減少することができる。
【0012】
【実施例】以下に添付図面に示す実施例により、本発明
の説明をする。図1に示すように、本実施例の操舵装置
のハウジング10は、互いにねじ止め固定された弁ハウ
ジング10a及びラックハウジング10bにより構成さ
れている。互いに同軸的に配置された入力軸11及びそ
の後半部11aは、軸受17a,17bを介して弁ハウ
ジング10a内に支持され、トーションバー16により
弾性的に相対回動可能に連結されている。入力軸11の
後側にはこれと平行に偏心して中間回転部材38が軸受
19を介してラックハウジング10bにより支持され、
この両者11,38の回転軸線O1,O2の間の偏心量
はeである。中間回転部材38の前半部に同軸的に形成
された内歯ギア42と、入力軸11の後半部11a後端
に形成された入力ピニオン41は互いに噛合して、入力
軸11の回転を一定の減速比で減速して中間回転部材3
8に伝達する減速機構40を構成している。
【0013】後述する操舵特性付与機構45の出力フラ
ンジ39がキー39aを介して同軸的に前端に固定され
た出力軸13は、軸受18a,18bを介して入力軸1
1後方のラックハウジング10bに支持されている。本
実施例では出力軸13の回転軸線O3は入力軸11の回
転軸線O1と一致させたが、この両回転軸線O1,O2
は必ずしも一致させる必要はない。ラックハウジング1
0bには出力軸13と立体的に交差して軸動可能にラッ
クバー(出力作動部材)14が支持され、この両者1
3,14は連動機構15により連動されている。本実施
例においては、連動機構15は、出力軸13に形成され
たピニオン15aと、ラックバー14の一部に形成され
てピニオン15aと噛合するラック15bにより構成さ
れている。ラックバー14の両端はそれぞれ操舵リンク
(図示省略)を介して左右の前輪(図示省略)に連結さ
れている。
【0014】次に図1及び図2により本実施例の操舵特
性付与機構45の説明をする。出力軸13の前端に固定
された出力フランジ39と対向する中間回転部材38の
後端面には、直径方向に延びるカム溝47が形成されて
いる。また中間回転部材38と対向する出力フランジ3
9の前端面には、カム溝47と係合する突起48が出力
軸13の回転軸線O3から距離Rだけ偏心して軸方向に
突出して設けられている。この距離Rは両部材40,1
3の回転軸線O2,O3の間の偏心量eよりも大であ
る。突起48は、回転軸線O3と平行に出力フランジ3
9に植設固定されたピン48aと、ニードルローラ48
cを介してピン48aに回転自在に支持されたローラ4
8bにより構成され、ローラ48bの外周面はカム溝4
7内に隙間なく転動可能に係合されている。図2に示す
中立位置では、各軸線O2,O3,O4は一直線上に並
んでおり、カム溝47を形成した中間回転部材38の回
転軸線O2に対し、突起48の中心線O4とこれを設け
た出力フランジ39の回転軸線O3は互いに反対側に位
置している。
【0015】次に図4及び図5により、第1実施例の操
舵特性の説明をする。図4に示すように、カム溝47を
形成した中間回転部材38の回転軸線O2と突起48を
設けた出力フランジ39の回転軸線O3を結ぶ線をy軸
とし、回転軸線O3を通ってy軸と直交する線をx軸と
し、実線で示す中立位置から中間回転部材38が角度α
回転したときの出力軸13の回転角をθとすれば、突起
48の中心線O4の座標(x,y)は次の通りである。
【0016】
【数1】x=Rsinθ y=Rcosθ 回転角αとθの関係は、図4より次の通りとなる。
【0017】
【数2】 tanα=Rsinθ/(Rcosθ−e) =sinθ/(cosθ−r) 但し r=e/R 従って次の通りとなる。
【0018】
【数3】α=tan-1(sinθ/(cosθ−r)) この両回転角αとθの関係は、図5(a) に示すように、
出力軸回転角θは中間回転部材回転角αが中立位置から
増大するにつれて加速度的に増大する。すなわち、その
特性の傾斜角度は中立位置付近では小であり、中間回転
部材回転角αが180度付近に近付くにつれて増大す
る。従って中間回転部材38と出力軸13の間の減速比
は、図5(b) に示すように中間回転部材回転角αが中立
位置から離れて180度付近に近付くにつれて次第に減
少する。また比r(=e/R)の増大に応じて、図5
(a) の特性の傾斜角度の変化は大となり、減速比の減少
の程度も大となる。
【0019】出力軸13の回転角に対する前輪の操舵角
の減速比は、操舵角が大きい場合はほゞ一定値であるの
で、操舵ハンドル回転角に対するステアリングギア比の
特性は、減速機構40の減速比gに応じて図3に示すよ
うになる。すなわち、操舵中立位置ではステアリングギ
ア比は大きく、操舵ハンドル回転角の増大に応じて次第
に減少し、減速比gに応じた所定の操舵ハンドル回転角
位置で最小値となり、それ以上の操舵ハンドル回転角で
は増大傾向、すなわち逆の特性となる。このステアリン
グギア比が最小となる位置は、図示のように、減速機構
40の減速比gが1の場合は180度であり、減速比g
の増大に応じて増大する。図3は r=0.4の場合に減
速比gを変化させた一例を示すが、比rが変化すればこ
れらの特性は 図5(b)に示す特性と同様に上下方向に変
化する。本実施例では減速機構40の減速比gは1.4
であり、そのときの特性を実線で示す。なお、操舵ハン
ドルはストッパにより、ある所定の角度(例えば240
度)以上は操舵されない。
【0020】図1に示すように、本実施例の前輪操舵装
置は、サーボ弁(制御装置)20とパワーシリンダ(増
力装置)30よりなる動力舵取装置を備えている。サー
ボ弁20のロータ弁部材21は入力軸11の入力側部分
の後部に一体的に形成され、スリーブ弁部材22は内外
周面がそれぞれロータ弁部材21の外周面と弁ハウジン
グ10aの内周面にそれぞれ回転可能に嵌合され、係合
ピン23により入力軸11の後半部11aに連結されて
いる。弁ハウジング10aにはサーボ弁20の4つのポ
ート、すなわち入力ポート25、排出ポート26及び1
対の分配ポート27a,27bが形成されている。
【0021】一方パワーシリンダ30はラックバー14
の途中に設けられており、ラックハウジング10bと一
体的に形成されてラックバー14を同軸的かつ液密に貫
通させるシリンダ31と、ラックバー14に固定されシ
リンダ31の内周に液密に嵌合してその内部を左右の作
動室に分離するピストン32により構成されている。こ
の左右の作動室はそれぞれ連通路によりサーボ弁20の
各分配ポート27a,27bに連通され、また入力ポー
ト25及び排出ポート26はそれぞれ連通路により供給
ポンプ35及びリザーバ36に連通されている。
【0022】このサーボ弁20は入力軸11とその後半
部11aの間に作用するトルクによるトーションバー1
6の僅かの捩れに応じて作動し、エンジンまたはモータ
により作動される供給ポンプ35からパワーシリンダ3
0の各作動室に対する作動流体の供給及び各作動室から
リザーバ36への作動流体の排出を、各ポート25,2
6,27a,27bを介して制御するものである。これ
により前記トルクに応じた操舵アシスト力がラックバー
14を介して前輪に与えられる。なお、入力軸11とそ
の後半部11aの間には、この両者11,11aの間の
捩りばね特性を変化させて操舵特性を変化させる反力機
構29が設けられているが、詳細な構造は省略する。こ
の反力機構29と減速機構40の間をシールするオイル
シール49が、ボス部11bの外周と弁ハウジング10
aに液密に固定した軸受押えの間に設けられている。
【0023】次に上記実施例の作動の説明をする。入力
軸11がハンドル軸を介して操舵ハンドル(何れも図示
省略)と共に回転すれば、トーションバー16を介して
後半部11aも共に回転され、中間回転部材38は内歯
歯車機構41,42よりなる減速機構40により減速し
て回転される。図2及び図4の実線に示す前輪操舵中立
位置から中間回転部材38が左右何れかに回転するにつ
れて、突起48のローラ48bはカム溝47内に沿って
半径方向外向きに転動して出力軸13は回転され、この
回転は連動機構15を介してラックバー14の軸動に変
換され、図略のリンクを介して前輪を操舵する。
【0024】動力舵取装置のステアリングギア比は、前
述の図3に示すように操舵ハンドルの回転角が操舵中立
位置から増大するにつれて次第に減少し、操舵ハンドル
回転角が180度より大きい所定の角度αで最小値とな
り、それ以上の操舵ハンドル回転角では増大傾向、すな
わち逆の特性となる。このステアリングギア比が最小と
なる角度γ(例えば152度)は、減速機構40の減速
比gを変えることにより調整することができる。また、
操舵ハンドルにはある角度δ(角度γ以下、例えば24
0度)以上操舵されなくなるようにするストッパ(図示
省略)が設けられている。なお図3の各二点鎖線はステ
アリングギア比の最大及び最小値が変わらない状態で示
したが、この最大及び最小値は各値e,Rを調整するこ
とにより変えることができる。
【0025】上述のように、本実施例によれば、ステア
リングギア比は操舵中立位置からのハンドル回転角の増
大に応じて減少する特性となるので、操舵中立位置付近
において切込み過ぎの感を与えることなしに、大きく操
舵した状態では充分な切込み感を与えることができる。
また入力ピニオン41と内歯ギア42による減速機構4
0の減速比gを調整することにより、ストッパに当たっ
て操舵ハンドルの回転が停止する角度δを180度以上
としてその間ステアリングギア比が常に減少を続けるよ
うにすることができるので、操舵ハンドルの回転角が1
80度を少し越えてもステアリングギア比が減少から増
大に変化するような不自然な操舵特性となることをさけ
ることができる。また減速機構40の減速比g及び操舵
特性付与機構45の比rの調整により、図5(a)(b)の特
性曲線上の任意の中間点をストッパに当たる位置とする
ことができ、これによりステアリングギア比の最大及び
最小値を変えることなく中間位置におけるステアリング
ギア比を調整することも可能である。
【0026】また本実施例では入力ピニオン41と内歯
ギア42は、それぞれ入力軸11の後半部11aと中間
回転部材38に一体形成したので、減速機構40のため
に部品点数を増加する必要はないのみならず、この減速
機構40は中間回転部材38内部のスペースを有効に利
用しているので、前輪操舵装置の容積増大はわずかで足
りる。
【0027】更に、サーボ弁20は減速機構40、操舵
特性付与機構45及び連動機構15よりも操舵ハンドル
側にある入力軸11に加わるトルクに応じて作動するの
で、これらの機構の減速比の変化や歯車の歯当たりの等
によるトルク変動の影響を受けることなく、ハンドルト
ルクの増大に応じて比例的に作動し、パワーシリンダ3
0を介してラックバー14にハンドルトルクの増大にほ
ゞ比例して増大するアシスト力を与える。従ってこれら
の機構によるトルク変動の操舵ハンドル側への逆入力を
減少することができるので、ハンドルトルクは操舵中立
位置からのハンドル回転角の増大に応じてほゞ比例的に
なだらかに増大する特性となる。
【0028】次に図6〜図8に示す第2実施例の説明を
する。この第2実施例は、中間回転部材38に操舵特性
付与機構45の突起48を設け、これと係合するカム溝
47を出力フランジ39に設けた点が第1実施例と実質
的に異なっているのみである。第1実施例と同様、中間
回転部材38は入力軸11の後半部11aに固定された
ボス部11bに設けた入力ピニオン41と内歯ギア42
よりなる減速機構40を介して入力軸11により減速回
転され、出力フランジ39はキー39aを介して出力軸
13の前端に固定され、中間回転部材38と出力フラン
ジ39は距離eだけ互いに偏心している。
【0029】図6及び図7に示すように、この第2実施
例では、中間回転部材38と対向する出力フランジ39
の前端面に直径方向に延びるカム溝47が形成されてい
る。また出力フランジ39と対向する中間回転部材38
に、その後端面から軸方向に突出する突起48が距離R
だけ中間回転部材38の回転軸線O2から偏心して設け
られている。操舵中立位置においては、第1実施例と同
様、突起48の中心線O4は中間回転部材38及び出力
軸13の回転軸線O2,O3と一直線上に並び、距離R
は偏心量eよりも大であるが、カム溝47を形成した出
力フランジ39の回転軸線O3に対し、突起48の中心
線O4とこれを設けた中間回転部材38の回転軸線O2
は互いに同じ側に位置している。
【0030】次に図7及び図8により、第2実施例の操
舵特性の説明をする。図7に示すように、カム溝47を
形成した出力フランジ39の回転軸線O3と突起48を
設けた中間回転部材38の回転軸線O2を結ぶ線をy軸
とし、回転軸線O2を通ってy軸と直交する線をx軸と
し、実線で示す中立位置から中間回転部材38が角度α
回転したときの出力軸13の回転角をθとすれば、突起
48の中心線O4の座標(x,y)は次の通りである。
【0031】
【数4】x=Rsinα y=Rcosα 回転角αとθの関係は、図4より次の通りとなる。
【0032】
【数5】 tanθ=Rsinα/(Rcosα+e) =sinα/(cosα+r) 但し r=e/R 従って次の通りとなる。
【0033】
【数6】θ=tan-1(sinα/(cosα+r)) この両回転角αとθの関係は、基本的には第1実施例と
類似しており、その特性の傾斜角度は、図8(a) に示す
ように、中立位置付近では小であり、中間回転部材回転
角αが180度付近に近付くにつれて増大し、中間回転
部材38と出力軸13の間の減速比は、図8(b) に示す
ように中間回転部材回転角αが中立位置から離れるにつ
れて次第に減少する。また比r(=e/R)の増大に応
じて、図8(a) の特性の傾斜角度の変化は大となり、減
速比の減少の程度も大となる。
【0034】しかしながらこの出力軸回転角θの増大の
具体的特性は、第1実施例においては図5に示すよう
に、特性の傾斜角度の変化が中立位置付近で急激となる
のに対し、第2実施例では図8に示すように、特性の傾
斜角度の変化が中間回転部材回転角αが180度付近で
急激となる。従って第1実施例と第2実施例では、比r
が同じでも中間回転部材38と出力軸13の間の減速比
の特性、従って操舵ハンドル回転角と前輪操舵角の間の
減速比の特性は異なるものとなる。
【0035】上記以外の第2実施例の構造及び作用は第
1実施例と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略
する。このような第2実施例は、第1実施例と同様、比
較的簡単な構造で小ハンドル角位置では切込み過ぎの感
を与えることなしに、大ハンドル角では充分な切込み感
を与えることができ、減速機構40の減速比gの調整に
より、操舵ハンドルの回転角が180度を少し越えても
ステアリングギア比が減少から増大に変化するような不
自然な操舵特性となることをさけることができ、ステア
リングギア比の最大及び最小値を変えることなく中間位
置におけるステアリングギア比を調整することができ、
ハンドル回転角の増大に伴いハンドルが加速度的に重く
なることがないという各効果を得ることができる。しか
も前述のように操舵ハンドル回転角と前輪操舵角の間の
ステアリングギア比の特性は第1実施例とは異なるの
で、操舵特性の選択範囲を広げることができる。
【0036】次に図9及び図10に示す第3実施例の説
明をする。この第3実施例は、減速機構40が遊星歯車
機構により構成されている点が第1実施例と実質的に異
なっているのみである。この実施例では前記実施例と同
様中間回転部材38と出力軸13は距離eだけ互いに偏
心しているが、中間回転部材38と入力軸11は同軸的
に配置されており、この両者38,11の間には遊星歯
車式の減速機構40が設けられている。
【0037】図9及び図10に示すように、ハウジング
10内の中間部には直径方向に延びる支持アーム44が
2本の取付ねじ44cにより弁ハウジング10aの後面
に固定され、この支持アーム44の中央に設けた穴44
aを通って後方に突出した入力軸11の後半部11aの
先端には遊星歯車式減速機構40の太陽ギア41Aがキ
ー41a及びナットにより固定されている。軸受19を
介してラックハウジング10bに支持された中間回転部
材38の前半部には、太陽ギア41Aと対向する内歯ギ
ア43Aが形成されている。支持アーム44にはそれぞ
れ軸受42bを支持する1対の穴が中央の穴44aに対
して対称的に形成され、それぞれの軸部42aに軸受4
2bを介して支持された1対の遊星ギア42Aは太陽ギ
ア41A及び内歯ギア43Aと噛合されている。各軸受
42bはねじキャップ44bにより支持アーム44に取
り付けられ、また軸部42aはリングナットにより軸受
42bに取り付けられる。以上により、入力軸11の回
転を一定の減速比で減速して中間回転部材38に伝達す
る遊星歯車式の減速機構40が構成される。
【0038】上記以外の第3実施例の構造及び作用は、
操舵特性付与機構45を含め第1実施例と実質的に同じ
であるので、詳細な説明は省略する。このような第3実
施例も、第1実施例と同様、比較的簡単な構造で小ハン
ドル角位置では切込み過ぎの感を与えることなしに、大
ハンドル角では充分な切込み感を与えることができ、減
速機構40の減速比gの調整により、操舵ハンドルの回
転角が180度を少し越えてもステアリングギア比が減
少から増大に変化するような不自然な操舵特性となるこ
とをさけることができ、ステアリングギア比の最大及び
最小値を変えることなく中間位置におけるステアリング
ギア比を調整することができ、ハンドル回転角の増大に
伴いハンドルが加速度的に重くなることがないという各
効果を得ることができる。
【0039】なお上記各実施例は、動力舵取装置として
油圧式のものを使用した例を示したが、本発明は他の形
式の動力舵取装置、例えば電気式の動力舵取装置を使用
して実施することもできる。また本発明は、連動機構1
5としてボールスクリュー式、ウオームピン式などラッ
クピニオン式以外のものを使用した前輪操舵装置に実施
することもできる。また、前輪操舵装置に限らず、後輪
操舵装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による操舵装置の第1実施例の全体縦
断面図である。
【図2】 図1の2−2断面図である。
【図3】 第1実施例のステアリングギア比特性の一例
を示す図である。
【図4】 第1実施例の操舵特性付与機構の作動の説明
図である。
【図5】 図4の操舵特性付与機構の特性を示す図であ
る。
【図6】 本発明による操舵装置の第2実施例の要部を
破断した側面図である。
【図7】 第2実施例の操舵特性付与機構の作動の説明
図である。
【図8】 図7の操舵特性付与機構の特性を示す図であ
る。
【図9】 本発明による操舵装置の第3実施例の要部を
破断した側面図である。
【図10】 図9の10−10断面図である。
【図11】 従来技術による前輪操舵装置の一例のステ
アリングギア比特性を示す図である。
【符号の説明】
11…入力軸、13…出力軸、14…出力作動部材(ラ
ックバー)、15…連動機構、20…制御装置(サーボ
弁)、30…増力装置(パワーシリンダ)、38…中間
回転部材、39…出力フランジ、40…減速機構、45
…操舵特性付与機構、47…カム溝、48…突起。
フロントページの続き (72)発明者 久代 育生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 加藤 廉享 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (72)発明者 竹内 志郎 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (72)発明者 夏目 正則 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−227772(JP,A) 特開 平3−153467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵ハンドルに連結されて共に回転する
    入力軸と、 出力軸及び連動機構を介して前記入力軸に連結され操舵
    リンクを介して車輪を操舵する出力作動部材と、 この出力作動部材にアシスト力を与える増力装置と、 前記入力軸に設けられこれに加わるトルクに応じて作動
    して前記増力装置が前記出力作動部材に与えるアシスト
    力を変化させる制御装置を備えてなる操舵装置におい
    て、 前記入力軸及び出力軸の間において同出力軸に対し偏心
    して支持された中間回転部材と、 前記入力軸と中間回転部材の間に設けられて前者の回転
    一定の減速比で減速して後者に伝達する減速機構と、 前記中間回転部材と出力軸に設けた出力フランジの互い
    に対向する端面の何れか一方に直径方向に形成されたカ
    ム溝と、前記互いに対向する端面の他方にその回転中心
    より偏心しかつ軸方向に突出して設けられて前記カム溝
    内に係合する突起よりなり、前記入力軸の操舵中立位置
    からの回転角の増大に応じて減速比を次第に減少させな
    がら前記中間回転部材の回転を前記出力軸に伝達する操
    舵特性付与機構を備えたことを特徴とする操舵装置。
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