JPH07156810A - 油圧パワーステアリング装置 - Google Patents

油圧パワーステアリング装置

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Publication number
JPH07156810A
JPH07156810A JP33892593A JP33892593A JPH07156810A JP H07156810 A JPH07156810 A JP H07156810A JP 33892593 A JP33892593 A JP 33892593A JP 33892593 A JP33892593 A JP 33892593A JP H07156810 A JPH07156810 A JP H07156810A
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JP
Japan
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input shaft
output shaft
valve member
steering
shaft
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Application number
JP33892593A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Murakami
哲也 村上
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 油圧コントロールバルブ30の絞り部の開度
は、操舵により回転する入力軸2とこの入力軸2に操舵
抵抗に応じ相対回転可能に連結される出力軸3の一方に
対する筒状弁部材31の相対回転量に応じ変化する。そ
の絞り部の開度変化に応じて操舵補助力を発生させる。
その弁部材31は入力軸2と出力軸3とに対し同軸心回
りに相対回転可能である。その入力軸2と出力軸3の相
対回転量に応じて弁部材31を入力軸2と出力軸3とに
対し相対回転させる手段が設けられている。 【効果】 運転条件に応じ操舵補助力を制御して高速で
の操舵の安定性と低速での旋回性の向上を図ることがで
き、装置を大型化することなく、エネルギーロスや流動
音を発生させることなく、剛性感を大きくして操舵フィ
ーリングを向上し、機械加工工数を低減してコストを削
減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力軸と出力軸との相
対回転量に応じて操舵補助力を制御するコントロールバ
ルブを備えた油圧パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に示すラックピニオン式油圧パワー
ステアリング装置101は、車両のハンドル(図示省
略)に連結される筒状の入力軸102と、この入力軸1
02に軸受112を介し同軸心に配置される出力軸10
3とを備え、その入力軸102と出力軸103とにトー
ションバー106が挿入され、このトーションバー10
6の上端はピン104を介し入力軸102に連結され、
下端はセレーション105を介し出力軸103に連結さ
れる。その入力軸102は、バルブハウジング107に
ベアリング108を介して回転可能に支持され、その出
力軸103は、ラックハウジング109に一対のベアリ
ング110、111を介し回転可能に支持されている。
その出力軸103にピニオン115が形成され、このピ
ニオン115に噛み合うラック116に操舵用車輪(図
示省略)が連結される。これにより、操舵による入力軸
102の回転はトーションバー106を介してピニオン
115に伝達され、このピニオン115の回転によりラ
ック116は車両幅方向に移動し、このラック116の
移動により車両の操舵がなされる。また、操舵抵抗に応
じトーションバー106が捩れ、この捩れにより入力軸
102と出力軸103とは相対回転する。
【0003】操舵補助力を付与する油圧アクチュエータ
として油圧シリンダ120が設けられている。この油圧
シリンダ120は、ラックハウジング109により構成
されるシリンダチューブと、ラック116に一体化され
るピストン121を備えている。そのピストン121に
より仕切られる油室122、123に、操舵方向と操舵
抵抗に応じて圧油を供給する油圧コントロールバルブ1
30が設けられている。そのコントロールバルブ130
は、前記バルブハウジング107の内部に相対回転可能
に挿入されると共に、入力軸102の外周に同軸心回り
に相対回転可能に嵌合される筒状の弁部材131を備え
ている。また、その弁部材131は出力軸103の外周
にピン132を介して同行回転するよう嵌合されてい
る。そのバルブハウジング107に、ポンプ133に接
続される入口ポート134と、タンク135に接続され
る出口ポート136と、前記油圧シリンダ120の一方
の油室122に接続される第一ポート137と、他方の
油室123に接続される第二ポート138とが配置され
ている。各ポート134、136、137、138は、
入力軸102と弁部材131との間の油路を介し連通
し、その油路に形成された絞り部が、トーションバー1
06のねじれに伴う入力軸102と弁部材131との相
対回転により開度が調節される。その絞り部の開度変化
に応じて油圧シリンダ120にの一対の油室122、1
23の一方に圧油が供給され他方から油がタンク135
に還流し、操舵補助力がピストン121からラック11
6に作用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の油圧パワー
ステアリング装置により付与される操舵補助力の大きさ
は、操舵抵抗にのみ応じ制御される。しかし、高速での
操舵の安定性と低速での旋回性の向上を図るため、車速
や操舵角度といった運転条件に応じても操舵補助力を制
御することが望まれている。
【0005】また、上記従来の油圧パワーステアリング
装置にあっては、トーションバー106のバネ定数を大
きくすることで剛性感を大きくして操舵フィーリングを
向上することが望まれ、また、入力軸102と弁部材1
31との間の油路に形成される絞り部の数を少なくする
ことで機械加工工数を低減してコストを削減することが
要望されている。しかし、トーションバー106のバネ
定数を大きくし、油路に形成される絞り部の数を少なく
すると、操舵抵抗に対する入力軸102と出力軸103
との相対回転量が減少する。その出力軸103と弁部材
131とは同行回転するため、入力軸102と弁部材1
31との相対回転量も少なくなる。そのため、入力軸1
02と弁部材131との相対回転量が少なくても充分な
油圧を油圧シリンダ120に作用させて操舵補助力を発
生させるため、操舵を行っていない中立時における絞り
部の開口面積を小さくする必要があり、中立時における
絞り部の背圧が高くなってエネルギーロスが大きくな
る。また、入力軸102と弁部材131との相対回転量
が少なくても操舵抵抗に応じ正確に油圧を制御するため
に、絞り部の開度変化を急峻かつ精度良く行なう必要が
あり、操舵時における絞り部での油の流速の急激な変化
により流動音が増大し、また、機械加工精度の向上が要
求されるためコストを充分に削減することができない。
そこで、入力軸と弁部材の径を大きくすることで、操舵
を行っていない中立時における絞り部の開口面積を大き
くすることが考えられるが、そうすると装置が大型化し
て重量が増大する。
【0006】本発明は、上記課題を解決することのでき
る油圧パワーステアリング装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、操舵により回
転する入力軸と、この入力軸に操舵抵抗に応じ相対回転
可能に連結される出力軸と、その入力軸と出力軸の一方
に対する筒状弁部材の相対回転量に応じ開度が変化する
絞り部を有する油圧コントロールバルブとを備え、その
絞り部の開度変化に応じて操舵補助力を発生させる油圧
パワーステアリング装置において、その弁部材は入力軸
と出力軸とに対し同軸心回りに相対回転可能とされ、そ
の入力軸と出力軸の相対回転量に応じて弁部材を入力軸
と出力軸とに対し相対回転させる手段が設けられている
ことを特徴とする。その弁部材の入力軸と出力軸とに対
する相対回転量を運転条件に応じ変化させる手段が設け
られているのが好ましい。その入力軸と出力軸の一方の
他方に対する回転方向と逆方向に弁部材を回転させる手
段が設けられているのが好ましい。
【0008】
【作用】本発明の構成によれば、操舵抵抗に応じ入力軸
と出力軸とが相対回転すると、その相対回転量に応じて
弁部材が入力軸と出力軸とに対し相対回転する。その入
力軸と出力軸の一方に対する弁部材の相対回転量に応じ
て油圧コントロールバルブの絞り部の開度が変化し、そ
の絞り部の開度変化に応じて操舵補助力が発生する。こ
れにより、その弁部材の入力軸と出力軸とに対する相対
回転量を運転条件に応じ変化させることで、操舵補助力
を運転条件に応じ変化させることができる。また、その
入力軸と出力軸の一方の他方に対する回転方向と逆方向
に弁部材を回転させることで、入力軸と出力軸との相対
回転量よりも、入力軸と出力軸の一方に対する弁部材の
相対回転量を多くできる。
【0009】
【実施例】以下、図1〜図6を参照して本発明の第1実
施例を説明する。
【0010】図2に示すラックピニオン式油圧パワース
テアリング装置1は、車両のハンドル(図示省略)に連
結される筒状の入力軸2と、この入力軸2に軸受12を
介し同軸心に配置される出力軸3とを備える。その入力
軸2と出力軸3とにトーションバー6が挿入され、この
トーションバー6の上端はピン4を介し入力軸2に連結
され、下端はセレーション5を介し出力軸3に連結され
る。その入力軸2は、バルブハウジング7にベアリング
8を介して回転可能に支持される。その出力軸3は、ラ
ックハウジング9に一対のベアリング10、11を介し
回転可能に支持されている。その出力軸3にピニオン1
5が形成され、このピニオン15に噛み合うラック16
に操舵用車輪(図示省略)が連結される。これにより、
操舵による入力軸2の回転はトーションバー6を介して
ピニオン15に伝達され、このピニオン15の回転によ
りラック16は車両幅方向に移動し、このラック16の
移動により車両の操舵がなされる。また、操舵抵抗に応
じトーションバー6が捩れ、この捩れにより入力軸2と
出力軸3とは同軸心回りに相対回転する。なお、そのラ
ック16は図において左右に移動可能なサポートヨーク
40を介しバネ41によりピニオン15に押し付けら
れ、そのサポートヨーク40の移動によりラック16の
曲がりや歯の加工誤差を吸収することで、ピニオン15
とラック16との円滑な噛み合いが図られている。
【0011】図1に示すように、操舵補助力を付与する
油圧アクチュエータとして油圧シリンダ20が設けられ
ている。この油圧シリンダ20は、ラックハウジング9
により構成されるシリンダチューブと、ラック16に一
体化されるピストン21を備えている。そのピストン2
1により仕切られる油室22、23に、操舵抵抗の大き
さと方向に応じて圧油を供給する油圧コントロールバル
ブ30が設けられている。
【0012】そのコントロールバルブ30は、前記バル
ブハウジング7の内部に上下複数のシールリング25を
介し相対回転可能に挿入されると共に、入力軸2の外周
に同軸心回りに相対回転可能に嵌合される筒状の弁部材
31を備えている。その弁部材31の下方に、バルブハ
ウジング7の内部にシールリング62を介し相対回転可
能かつ軸方向に移動可能に挿入されると共に、出力軸3
の外周に同軸心回りに相対回転可能に嵌合されるスリー
ブ61が配置されている。このスリーブ61の上端から
上方に突出する突部61aが弁部材31の下端に形成さ
れた切欠31aに挿入されることで、弁部材31とスリ
ーブ61とは同行回転する。そのスリーブ61の下端と
出力軸3の外周に形成されたフランジ3aとの間に、ス
リーブ61を上方に付勢する弾性力を作用させるバネ6
5が介在する。その弁部材31の下面とスリーブ61の
上面との間の空間は油室70とされ、この油室70にタ
ンク35から圧油を供給するポンプ71が設けられ、そ
のポンプ71と油室70とを接続する配管72は可変絞
り弁73を介しタンク35に連通する。その可変絞り弁
73の開度は、車速センサーを有する制御装置74によ
り制御されるソレノイド75の電磁力により変化する。
すなわち、低速になると可変絞り弁73の開度は小さく
なって油室70の油圧は大きくなり、スリーブ61は下
方に変位し、高速になると可変絞り弁73の開度は大き
くなって油室70の油圧は小さくなり、スリーブ61は
上方に変位する。
【0013】そのスリーブ61の内周に対向する出力軸
3の外周に、出力軸3の回転軸に直交する軸中心に回転
可能に第1ベベルギヤ63が取り付けられている。この
第1ベベルギヤ63に噛み合う第2ベベルギヤ64が、
入力軸2の外周に同軸心回りに同行回転するよう設けら
れている。これにより、操舵抵抗に応じ入力軸2と出力
軸3とが同軸心回りに相対回転すると、その第1ベベル
ギヤ63は軸中心に回転する。その第1ベベルギヤ63
の端面に図4の(1)に示すようにギヤ側凹部66が形
成され、このギヤ側凹部66に対向するようにスリーブ
61の内周面にスリーブ側凹部67が形成され、そのギ
ヤ側凹部66とスリーブ側凹部67とにより球体68が
保持されている。
【0014】図4の(2)、図5の(1)は操舵抵抗が
作用していない状態を示し、この状態において高速の場
合は、その球体68の中心Oaは、出力軸3の回転軸に
直交する第1ベベルギヤ63の回転軸上に配置される。
この状態から車速が小さくなるにつれてスリーブ61は
下方に移動し、このスリーブ61の移動に同行して図4
の(2)において仮想線で示すように球体68が下方に
移動するように、そのスリーブ側凹部67は球体68の
外周面に沿い、そのギヤ側凹部66の図4の状態での上
下寸法は球体68の径よりも大きくされている。また、
そのギヤ側凹部66の底面66aは第1ベベルギヤ63
の回転軸と出力軸3の回転軸との交点Obを中心する円
弧Eに沿い、また、そのギヤ側凹部66の図5の(1)
の状態での左右寸法は球体68の外周面に沿うものとさ
れている。
【0015】これにより、操舵抵抗に応じ入力軸2と出
力軸3とが相対回転して第1ベベルギヤ63が軸中心に
回転すると、高速の場合は球体68の中心Oaは第1ベ
ベルギヤ63の回転軸上に位置するので、出力軸3とス
リーブ61とは第1ベベルギヤ63および球体68を介
し同行回転する。よって、入力軸2と出力軸3とが相対
回転すると、その相対回転量に等しい量だけ入力軸2と
弁部材31とは相対回転する。
【0016】また、停車あるいは低速状態になってスリ
ーブ61および球体68が下方に移動した状態で、操舵
抵抗に応じ入力軸2と出力軸3とが相対回転して第1ベ
ベルギヤ63が軸中心に回転すると、球体68は中心O
aが第1ベベルギヤ63の回転軸から偏心しているの
で、周方向に移動する。この球体68の周方向移動によ
り、図5の(2)に示すように、スリーブ61は、入力
軸2の出力軸3に対する回転方向(図において矢印A方
向)と逆方向(図において矢印B方向)に回転する。よ
って、入力軸2と出力軸3とが相対回転すると入力軸2
と弁部材31とは相対回転し、この入力軸2と弁部材3
1との相対回転量は車速が小さい程多く車速が大きい程
少なくなる。なお、ギヤ側凹部66の底面66aは第1
ベベルギヤ63の回転軸と出力軸3の回転軸との交点O
bを中心とする円弧Eに沿うので、その球体68の中心
Oaもその交点Obを中心とする円弧F上を移動可能で
あり、その周方向への移動が阻害されることはない。ま
た、その球体68の周方向への移動によりスリーブ61
は上方に変位するが、操舵抵抗が解除されて第1ベベル
ギヤ63が元の位置に復帰するとスリーブ61も元の位
置に復帰する。
【0017】図1に示すように、前記バルブハウジング
7に、前記ポンプ71と異なるポンプ33に接続される
入口ポート34と、タンク35に接続される出口ポート
36と、前記油圧シリンダ20の一方の油室22に接続
される第一ポート37と、他方の油室23に接続される
第二ポート38とが配置されている。各ポート34、3
6、37、38は、入力軸2と弁部材31との間の油路
を介し連通し、その油路に形成された絞り部が、入力軸
2と弁部材31との相対回転により開度が調節される。
【0018】すなわち、図3に示すように、弁部材31
の内周に軸方向に沿う第1凹部50が周方向等間隔に8
ケ所形成されている。その第1凹部50の周方向間に対
向するように入力軸2の外周に第2凹部51が周方向等
間隔に8ケ所形成されている。その第1凹部50は、弁
部材31に形成された流路53を介し前記第1ポート3
7に連通するものと、弁部材31に形成された流路54
を介し第2ポート38に連通するものとが、周方向に交
互に並列する。その第2凹部51は、弁部材31に形成
された流路55を介し前記入口ポート34に通じるもの
と、入力軸2の下方に形成された流路52aからトーシ
ョンバー6と入力軸2との内外周間の流路52cを介し
入力軸2の上方に形成された流路52bから出口ポート
36に通じるものとが、周方向に交互に並列する。その
第1凹部50の軸方向に沿う縁と第2凹部51の軸方向
に沿う縁との周方向間が絞り部A、B、C、Dとされて
いる。
【0019】図3は操舵が行なわれておらず操舵抵抗が
作用していない中立状態を示し、各絞り部A、B、C、
Dの周方向間隔は互いに等しくされている。この中立状
態で入口ポート34と出口ポート36とは連通し、ポン
プ33からコントロールバルブ30に流入する油はタン
ク35に還流し、操舵補助力は発生しない。左右一方へ
操舵することによって生じる操舵抵抗によりトーション
バー6がねじれ、弁部材31と入力軸2とが相対回転す
ると、第1凹部50と第2凹部51との周方向相対位置
が変化し、入口ポート34と第1ポート37との間の絞
り部Aの開度が大きくなり、第1ポート37と出口ポー
ト36との間の絞り部Bの開度が小さくなり、入口ポー
ト34と第2ポート38との間の絞り部Cの開度が小さ
くなり、第2ポート38と出口ポート36との間の絞り
部Dの開度が大きくなる。その弁部材31と入力軸2と
の相対回転量は前述のように車速が小さい程多く車速が
大きい程少なくなるので、その絞り部Aおよび絞り部D
の開度は、操舵抵抗の大きさが一定であれば低速である
程大きく高速である程小さく、その絞り部Bおよび絞り
部Cの開度は、操舵抵抗の大きさが一定であれば低速で
ある程小さく高速である程大きい。これにより、油圧シ
リンダ20の一方の油室22に操舵抵抗の大きさと方向
と並びに車速に応じた圧力の圧油が供給され、また、他
方の油室23からタンク35に油が還流し、車両の左右
一方への操舵補助力がピストン21からラック16に作
用する。左右他方へ操舵すると、弁部材31と入力軸2
とが左右一方へ操舵した場合と逆方向に相対回転し、絞
り部Aの開度が小さくなり、絞り部Bの開度が大きくな
り、絞り部Cの開度が大きくなり、絞り部Dの開度が小
さくなり、車両の左右他方への操舵補助力がピストン2
1からラック16に作用する。
【0020】上記構成によれば、高速での操舵の安定性
と低速での旋回性の向上を図ることができる。すなわ
ち、図6は、操舵抵抗に応じて入力軸2に作用する入力
トルクと、操舵補助力を発生させる油圧シリンダ20に
作用する高圧油の油圧との関係を示し、操舵抵抗が大き
くなると操舵補助力が大きくなり、また、低速になると
入力トルクに対する操舵補助力の増加割合が大きくなっ
て旋回性が向上し、高速になると入力トルクに対する操
舵補助力の増加割合が小さくなって走行安定性が向上す
る。
【0021】また、入力軸2と弁部材31の径を大きく
することなく、入力軸2と出力軸3との相対回転量より
も入力軸2に対する弁部材31の相対回転量を多くでき
るので、トーションバー6のバネ定数を大きくすること
で操舵抵抗に対する入力軸2と出力軸3との相対回転量
が減少し、入力軸2と弁部材31との間の油路に形成さ
れる絞り部の数を少なくしても、入力軸2と弁部材31
との相対回転量が少なくなることはなく、圧油の流路面
積が減少することはない。これにより、操舵を行ってい
ない中立時における絞り部の開口面積を小さくすること
なく油圧シリンダ20に充分な操舵補助力を発生させる
ための油圧を作用させることができ、絞り部の開度変化
をそれ程急峻かつ精度良く行なわなくても操舵抵抗に応
じ正確に油圧を制御することができる。よって、装置を
大型化することなく、操舵の際の剛性感を大きくして操
舵フィーリングを向上でき、入力軸2と弁部材31との
間の油路に形成される絞り部の数を少なくすることで機
械加工工数を低減してコストを削減でき、中立時におけ
る絞り部の背圧上昇によるエネルギーロスが大きくなる
ことはなく、絞り部での油の流速の急激な変化を防止で
きるので流動音が増大することはなく、機械加工精度の
向上が要求されないことからも機械加工工数を低減して
コストを削減できる。
【0022】図7、図8は本発明の第2実施例を示す。
上記第1実施例との相違は、弁部材31の入力軸2と出
力軸とに対する相対回転量を運転条件に応じ変化させる
手段が設けられておらず、また、入力軸2と出力軸3の
相対回転量に応じて弁部材31を入力軸2と出力軸3と
に対し相対回転させる手段が異なるものとされている。
すなわち、中央部90aと両端部90b、90cとが球
形とされたレバー90が、出力軸3の上端部に形成され
た通孔3dに挿入され、その通孔3dの内面によりレバ
ー90の中央部90aは出力軸3の軸心に平行な軸中心
に揺動可能に支持されている。そのレバー90の一端9
0bは入力軸2の外周部に形成された凹部2dに挿入さ
れ、その凹部2dの内面により入力軸2の軸心に平行な
軸中心に揺動可能に支持されている。そのレバー90の
他端90cは弁部材31の下端に形成された切欠31d
に挿入され、その切欠31dの内面により弁部材31の
軸心に平行な軸中心に揺動可能に支持されている。これ
により、入力軸2と出力軸3の相対回転量に応じてレバ
ー90が揺動することで弁部材31は入力軸2と出力軸
3とに対し相対回転し、その入力軸2の出力軸3に対す
る回転方向と逆方向に弁部材31は回転する。他は第1
実施例と同様で同一部分は同一符号で示す。この第2実
施例によれば、運転条件に応じた操舵特性を得られる以
外は第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0023】なお、本発明は上記実施例に限定されな
い、例えば、上記第1実施例では車速に応じ弁部材31
の入力軸2と出力軸3とに対する相対回転量を変化させ
たが、他の運転条件に応じ変化させてもよく、例えば操
舵角が大きくなる程に相対回転量を大きくすると共に操
舵角が小さくなる程に相対回転量を小さくしてもよい。
また、上記第1実施例ではスリーブ61を油圧により上
下させたが、スリーブにラックを設け、そのラックに噛
み合うピニオンをステッピングモータにより運転条件に
応じ駆動することでスリーブを上下させてもよい。ま
た、油圧コントロールバルブの絞り部を出力軸と弁部材
との間に設け、その開度を出力軸と弁部材との相対回転
量に応じ変化させるようにしてもよい。また、ラックピ
ニオン式以外のボールスクリュー式油圧パワーステアリ
ング装置にも本発明は適用できる。
【0024】
【発明の効果】本発明の油圧パワーステアリング装置に
よれば、運転条件に応じ操舵補助力を制御して高速での
操舵の安定性と低速での旋回性の向上を図ることがで
き、装置を大型化することなく、エネルギーロスや流動
音を発生させることなく、剛性感を大きくして操舵フィ
ーリングを向上し、機械加工工数を低減してコストを削
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の油圧パワーステアリング
装置の部分断面図
【図2】本発明の第1実施例の油圧パワーステアリング
装置の断面図
【図3】本発明の第1実施例の油圧コントロールバルブ
の横断面図
【図4】本発明の第1実施例の(1)は第1ベベルギヤ
の正面図、(2)は油圧パワーステアリング装置の要部
の拡大断面図
【図5】本発明の第1実施例の油圧パワーステアリング
装置の要部の拡大平断面図
【図6】本発明の第1実施例の油圧パワーステアリング
装置の入力トルクと操舵補助力を発生させる油圧との関
係を示す図
【図7】本発明の第2実施例の油圧パワーステアリング
装置の断面図
【図8】本発明の第2実施例の油圧パワーステアリング
装置の要部の平断面図
【図9】従来の油圧パワーステアリング装置の断面図
【符号の説明】
2 入力軸 3 出力軸 30 コントロールバルブ 31 弁部材 A、B、C、D 絞り部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵により回転する入力軸と、この入力
    軸に操舵抵抗に応じ相対回転可能に連結される出力軸
    と、その入力軸と出力軸の一方に対する筒状弁部材の相
    対回転量に応じ開度が変化する絞り部を有する油圧コン
    トロールバルブとを備え、その絞り部の開度変化に応じ
    て操舵補助力を発生させる油圧パワーステアリング装置
    において、その弁部材は入力軸と出力軸とに対し同軸心
    回りに相対回転可能とされ、その入力軸と出力軸の相対
    回転量に応じて弁部材を入力軸と出力軸とに対し相対回
    転させる手段が設けられている油圧パワーステアリング
    装置。
  2. 【請求項2】 その弁部材の入力軸と出力軸とに対する
    相対回転量を運転条件に応じ変化させる手段が設けられ
    ている請求項1に記載の油圧パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 その入力軸と出力軸の一方の他方に対す
    る回転方向と逆方向に弁部材を回転させる手段が設けら
    れている請求項1または2に記載の油圧パワーステアリ
    ング装置。
JP33892593A 1993-12-01 1993-12-01 油圧パワーステアリング装置 Pending JPH07156810A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003024766A1 (de) * 2001-09-17 2003-03-27 Zf Lenksysteme Gmbh Drehschieberventil für hilfskraftlenkungen
KR100448807B1 (ko) * 2002-05-21 2004-09-16 현대자동차주식회사 조타력 가변 기능을 갖춘 자동차의 동력 조향 장치

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WO2003024766A1 (de) * 2001-09-17 2003-03-27 Zf Lenksysteme Gmbh Drehschieberventil für hilfskraftlenkungen
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