JP2004262411A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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JP2004262411A JP2003057620A JP2003057620A JP2004262411A JP 2004262411 A JP2004262411 A JP 2004262411A JP 2003057620 A JP2003057620 A JP 2003057620A JP 2003057620 A JP2003057620 A JP 2003057620A JP 2004262411 A JP2004262411 A JP 2004262411A
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Susumu Honaga
進 穂永
Yoshiharu Inaguma
義治 稲熊
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Toyoda Koki KK
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Abstract

【課題】伝達比可変機構を備えた車両用操舵装置において,伝達比可変機構の取り付け構造が簡単であって,かつ,信頼性が高い車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】第1ステアリングシャフト110と,転舵ロッド290及び該転舵ロッド290に連結された第2ステアリングシャフト220をハウジング210に収容したステアリングギアボックス20と,第1ステアリングシャフト110から第2ステアリングシャフト220への回転伝達比を変化させるよう構成された伝達比可変機構10とを有する車両操舵装置である。伝達比可変機構10を一体的に支持するステアリングギアボックス20のハウジングから延設した固定部材42により回り止めしたカバー120の内部には,駆動モータ150と電気的に接続したフラットケーブル121を収容してある。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,操舵ハンドルの操舵により転舵輪を転舵させる車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来技術】
通常の車両用操舵装置は,略一定の伝達比により操舵ハンドルの操舵角を伝達して,転舵輪に所定の転舵角を与える。例えば,一般的なラック・アンド・ピニオン形式の車両用操舵装置では,操舵ハンドルと一体的に回転するラックギアと転舵輪に延設させるピニオンギアとの噛み合いにより,操舵角と転舵角との間の伝達比が決定されている。
【0003】
しかし,車両用操舵装置の伝達比が一定であると,特に,低速走行時と高速走行時とにおける運転フィーリングを両立することが難しい。すなわち,低速走行時では,少ない操舵角により大きな転舵角が得られる高い伝達比の設定が望ましい。逆に,高速走行時では,安全な走行安定性を確保するため,操舵角と転舵角との伝達比は低い方が良い。
【0004】
そこで,従来,走行状況に応じて,操舵角と転舵角との伝達比を変更し得るように構成した伝達比可変機構(VGRS:Variable Gear Ratio System)を有する車両用操舵装置が提案されている。
このような伝達比可変機構としては,減速比を可変とした減速機を採用した機構が知られている。この減速機としては,例えば,遊星歯車減速機や,波動歯車減速機等が用いられる(例えば,特許文献1参照。)。
【0005】
ここで,図5に示すごとく,波動歯車減速機90(図6)を利用した伝達比可変機構950を含む従来の車両用操舵装置9について説明する。この車両操舵装置9は,操舵ハンドル910の操作を,ユニバーサルジョイント921,951により相互に接続された操舵軸920,中間軸930及び940,後端軸960を介して,ギアボックス970に伝達するように構成してある。そして,ギアボックス970では,後端軸960の回転運動を,転舵ロッド980の軸線方向の直進運動に変換できるように構成してある。
そして,中間軸930と中間軸940との間には,両者間の伝達比を変更する伝達比可変機構950を配置してある。
【0006】
この伝達比可変機構950は,図6に示すごとく,中間軸930と中間軸940との間の伝達比を,波動歯車減速機90により変更するように構成してある。ここで,この波動歯車減速機90の作用について簡単に説明しておく。
この波動歯車減速機90は,同図に示すごとく,サーキュラスプライン91と,フレクスプライン93と,ウェーブジェネレータ92とを含む減速機である。そして,この波動歯車減速機90では,サーキュラスプライン91とフレクスプライン93との間の伝達比を,ウェーブジェネレータ92の回転により変更できるよう構成されている。
【0007】
例えば,ある伝達比可変機構950では,同図に示すごとく,後端軸960と一体的に回転する中間軸940にサーキュラスプライン91を連結し,ハウジング965を介して中間軸930にフレクスプライン93を連結してある。さらに,中間軸930と一体的に回転するハウジング965内部に固定した駆動モータ951の出力軸952は,ウェーブジェネレータ92のカム921に圧入してある。
【0008】
駆動モータ951は,ハウジング965の内側に固定されたステータ953と,該ステータ953の内側に配置されたロータ954と,該ロータ954の回転を出力する出力軸952とを有している。そして,この出力軸952と一体的に回転するウェーブジェネレータ92を回転させることにより,サーキュラスプライン91とフレクスプライン93との間の伝達比を変更できるように構成してある。
すなわち,伝達比可変機構950は,駆動モータ951の回転により,中間軸930と中間軸940との間の伝達比を変更するように構成してある。
【0009】
ここで,上記のごとく,駆動モータ951は,中間軸930と一体回転するハウジング965内部に固定してある。一方,この駆動モータ951には,電源を供給するためのリード線や,制御信号等を伝送するためのリード線等を接続する必要がある。
そのため,上記駆動モータ951の回転を吸収できるよう,上記リード線を配設することが必要になる。
【0010】
そこで,図7に示すごとく,リード線を並列配置したフラットケーブル957を,中間軸930の外周側にスパイラル状(うず巻き状)に緩く巻き付けて配置する場合がある。この場合には,さらに,このフラットケーブル957を,ハウジング965と相対回転するよう構成したカバー958に収容すると共に,外周側の端部を,回り止めしたカバー958に固定する。
上記のように構成した伝達比可変機構950であれば,中間軸930の回転動作による影響を,カバー958の内部で生じる上記スパイラル状のフラットケーブル957の拡縮に変換して吸収することができる。
そして,例えば,カバー958の外周側に配設した入出力端子959を介して,フラットケーブル957と車体側ケーブル(図示略)とを相互に電気的に接続することにより,ECU等の外部機器による駆動モータ951の制御ができるよう構成される。
【0011】
ここで,車体側ケーブル及び入出力端子959に作用するおそれがあるストレスを抑制するため,車体側ケーブルを接続する上記カバー958を回り止めしておく必要がある。
一般的に,上記車両用操舵装置9では,不快な走行振動等を操舵ハンドル910へ伝達しないよう,車体側との相対的な動きがある程度許容されている。そのため,車体側と伝達比可変機構950との間には,振動等,相対的な動きを生じるおそれがある。
そこで,従来では,上記伝達比可変機構950を構成するカバー958と,車体側とをワイヤ等の非剛体的な部材によって接続し,カバー958の回り止めを施す場合がある。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−232041号公報(明細書の段落番号「0013」〜「0017」,第2図及び第3図)
【0013】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の車両用操舵装置9においては,次のような問題がある。すなわち,上記のごとくハウジング965自体を回転軸体として構成した上記伝達比可変機構950は,中間軸930と中間軸940との間に釣り下げるように支持するより他なかった。
【0014】
そのため,従来の車両用操舵装置9では,中間軸930及び940と,伝達比可変機構950との取り付け剛性が十分でない場合には,伝達比可変機構950の取り付け姿勢が安定しないおそれがあった。
一方,伝達比可変機構950の取り付け剛性を十分に高く確保するには,中間軸930や中間軸940の取り付け剛性にまで遡って,根本的な対策を施す必要があった。
【0015】
さらに,従来の車両用操舵装置950では,ワイヤ等によって回り止めしたカバー958の回り止めが不十分であるという問題があった。
そのため,上記車体側ケーブルの長さに余裕を持たせて設計したり,車体側ケーブルと入出力端子959との接続構造等を強化する等の対策が必要であった。
【0016】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,伝達比可変機構を備えた車両用操舵装置において,伝達比可変機構の取り付け構造が簡単であって,かつ,信頼性が高い車両用操舵装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題の解決手段】
本発明は,操舵ハンドルと略一体的に回転する第1ステアリングシャフトと,転舵輪を転舵するための転舵ロッド及び該転舵ロッドに連結された第2ステアリングシャフトをハウジングに収容したステアリングギアボックスと,上記第1ステアリングシャフトから上記第2ステアリングシャフトへの回転伝達比を変化させるよう構成された伝達比可変機構とを有する車両用操舵装置において,
上記伝達比可変機構は,上記第1ステアリングシャフトと略一体回転するよう構成された中空構造を有するハウジングシャフトと,該ハウジングシャフトの内周側に固定して配設された駆動モータと,上記第1ステアリングシャフトの外周側に相対回転するように外挿され上記駆動モータに接続されるリード線を収容したカバーと,上記ハウジングシャフトに収容した減速機と,上記第2ステアリングシャフトに回転駆動力を伝達するアウトプットシャフトとを有しており,
上記第2ステアリングシャフトと上記アウトプットシャフトとは,一体的に接続してあり,
上記カバーは,上記ステアリングギアボックスの上記ハウジングから延設された固定部材に係合して,回り止めされていることを特徴とする車両用操舵装置にある(請求項1)。
【0018】
本発明の車両用操舵装置では,上記第2ステアリングシャフトと上記アウトプットシャフトとを一体的に接続する構造により,上記ステアリングギアボックスに上記伝達比可変機構を支持させてある。
そのため,上記ステアリングギアボックスに対する上記伝達比可変機構の振動等,相対的な動きを抑制することができる。
そして,上記ステアリングギアボックスと上記伝達比可変機構との間の相対的な動きを抑制することにより,上記伝達比可変機構から上記ステアリングギアボックスへの回転駆動力の伝達ロス等を抑制し,運転者らが体感する操舵感を向上することができる。
【0019】
また,上記のごとく,上記ステアリングギアボックスと一体化した上記伝達比可変機構では,上記ステアリングギアボックスの上記ハウジングから延設した上記固定部材を介して上記カバーを,確実に回り止めすることができる。
そして,上記カバーの回り止めを確実にすることで,上記リード線や,車体側ケーブルに生じるおそれのあるストレスを抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明においては,上記リード線が2本以上ある場合には,各リード線を個別にスパイラル状に巻き付けても良く,予め束ねて一本化したうえスパイラル状に巻き付けても良い。
さらに,一本化した上記リード線としては,各リード線を直線的に並列配置したフラットケーブルとするのが良い。平板状を呈するフラットケーブルであれば,軸体への巻き付けが容易であると共に,上記スパイラル状のリード線における
径方向の厚みを抑制することができる。
【0021】
また,上記第2ステアリングシャフトと上記アウトプットシャフトとを一体的に接続する構造としては,両軸間のスプライン結合や,キー結合や,フランジ結合などの機械的な接続構造の他,溶接や一体成形等による一体化構造等,種々の構造がある。
【0022】
また,上記固定部材は,上記ハウジングシャフトの少なくとも一部を回転可能に支持するよう構成された回転支持部を有していることが好ましい(請求項2)。
この場合には,上記伝達比可変機構の上記ハウジングシャフトを,上記回転支持部により回転支持することにより,さらに剛性高く上記伝達比可変機構を支持することができる。
【0023】
また,上記ステアリングギアボックス内には,上記操舵ハンドルの操作力を低減する油圧を制御するためのサーボバルブを内蔵しており,
上記ステアリングギアボックスを構成する上記ハウジングは,上記伝達比可変機構側に,上記サーボバルブを収容するバルブハウジング部を有しており,
該バルブハウジング部から上記固定部材を延設してあることが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記ハウジングの一部をなす上記バルブハウジング部に固定した上記固定部材により,上記カバーを確実に回り止めすることができる。
上記伝達比可変機構側に配置された上記バルブハウジング部によれば,効率良く上記固定部材を配置することができる。
【0024】
また,上記第2ステアリングシャフトと,上記アウトプットシャフトとは,一方の端面から穿設した凹部に,他方の端部を挿入する差込構造により,一体的に接続してあることが好ましい(請求項4)。
この場合には,上記差込構造によれば,上記伝達比可変機構を,上記第2ステアリングシャフトにより剛性高く支持することができる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
本例の車両用操舵装置1について,図1〜図3を用いて説明する。
本例の車両用操舵装置1は,図2に示すごとく,操舵ハンドル300(図1)と略一体的に回転する第1ステアリングシャフト110と,転舵輪を転舵するための転舵ロッド290及び該転舵ロッド290に連結された第2ステアリングシャフト220をハウジング210に収容したステアリングギアボックス20と,第1ステアリングシャフト110から上記第2ステアリングシャフト220への回転伝達比を変化させる伝達比可変機構10とを有している。
【0026】
上記伝達比可変機構10は,第1ステアリングシャフト110と略一体回転するよう構成された中空構造を有するハウジングシャフト160と,該ハウジングシャフト160の内周側に固定して配設された駆動モータ150と,第1ステアリングシャフト110の外周側に相対回転するように外挿され上記駆動モータ150に接続されるリード線(本例では,フラットケーブル121に相当。)を収容したカバー120と,ハウジングシャフト160に収容した減速機130(以下,適宜波動歯車減速機130と記載。)と,第2ステアリングシャフト220に回転駆動力を伝達するアウトプットシャフト140とを有している。
【0027】
ここで,第2ステアリングシャフト220とアウトプットシャフト140とは,一体的に接続してある。
そして,上記カバー120は,ステアリングギアボックス20のハウジング210から延設された固定部材42に係合して,回り止めされている。
以下に,この内容について詳しく説明する。
【0028】
本例の車両用操舵装置1は,左右室に油圧を導入するパワーシリンダ(図示略)の作用により操舵ハンドル300の操作力を低減できるように構成した油圧式の操舵装置である。
この車両用操舵装置1は,図1に示すごとく,操舵ハンドル300と,伝達比可変機構10と,油圧制御用のサーボバルブ229(図2)を備えたステアリングギアボックス20と,図示しない転舵輪とを有している。
【0029】
そして,操舵ハンドル300と一体の操舵軸310の回転駆動力は,ユニバーサルジョイント320,340と,2個のユニバーサルジョイント320,340の中間に配設された中間軸330とを介して,伝達比可変機構10に一端部を挿入する第1ステアリングシャフト110に伝達されるように構成してある。
【0030】
本例では,特に,図2に示すごとく,第2ステアリングシャフト220をアウトプットシャフト140の凹部145に挿入する差込構造や,バルブハウジング部212から延設した固定部材42による保持構造等より,伝達比可変機構10を剛性高く支持できるようにステアリングギアボックス20を構成してある。
【0031】
そして,本例の車両用制御装置1においては,伝達比可変機構10は,図示しないVGRS(VGRS:Variable Gear Ratio System)用ECUにより制御されるように構成してある。本例では,車速信号等をVGRS用ECUに入力して,車速やハンドルトルク等の操舵状況に応じて伝達比可変機構10の伝達比を適切に制御できるように構成してある。
【0032】
図2に示すごとく,ステアリングギアボックス20は,油圧制御用のサーボバルブ229を備えたラック・アンド・ピニオン形式のギアボックスであり,バルブハウジング部212とギアハウジング部211とを組み合わせたハウジング210に収容してある。
【0033】
このステアリングギアボックス20は,図2に示すごとく,ギアハウジング部211を貫通する転舵ロッド290と,該転舵ロッド290と略直交する方向から,ギアハウジング部210に挿入される第2ステアリングシャフト220とを有している。また,バルブハウジング部212には,第2ステアリングシャフト220を貫通すると共に,その外周側に上記サーボバルブ229を組み付けてある。
また,本例のバルブハウジング部212には,伝達比可変機構10を保持するための固定部材42をボルト接合してある。
【0034】
そして,図2に示すごとく,第2ステアリングシャフト220は,転舵ロッド290側の伝達シャフト部280と,アウトプットシャフト140側のトーションバー部221とを,略同軸上に有している。
ここで,トーションバー部221と,伝達シャフト部280とは,スプライン結合により接続してある。また,伝達シャフト部280と,転舵ロッド290とは,ギア係合により連結させてある。
【0035】
すなわち,ステアリングギアボックス20は,第2ステアリングシャフト220の回転運動を,転舵ロッド290の軸線方向の直進運動に変換できるように構成してある。
なお,この転舵ロッド290の両端には,図示しない転舵輪が接続されており,転舵ロッド290の軸線方向の直進運動により転舵輪の転舵角を変更できるように構成してある。
【0036】
第2ステアリングシャフト220の一部であるトーションバー部221は,図2に示すごとく,小径に形成されており,その先端を上記伝達シャフト部280にスプライン結合している。そして,伝達シャフト部280に回転駆動力を伝達する際に,この小径のトーションバー部221に微少なねじれを生じ得るように構成してある。
【0037】
一方,図2に示すごとく,トーションバー部221には,スプール222を外挿してある。そして,第2ステアリングシャフト220の伝達比可変機構10側の端部において,スプール222と第2ステアリングシャフト220とをスプライン結合してある。
そのため,トーションバー部221に生じたねじれを,スプール222と伝達シャフト部280との相対回転として顕在化することができる。
【0038】
そして,本例のステアリングギアボックス20では,図2に示すごとく,トーションバー部221の外周側に,油圧制御用のロータリ形のサーボバルブ229を配設してある。
本例のサーボバルブ229は,スプール222に形成されたロータ弁部材218と,該ロータ弁部材218とバルブハウジング部212との間隙に回動自在に収容されると共に,結合ピン217により伝達シャフト部280と連結されたスリーブ弁部材295とよりなる。
【0039】
このサーボバルブ229は,供給ポート291,排出ポート292及び一対の給排ポート293,294を有するロータリ形の4ポート絞り切換弁を形成している。
そして,一対の給排ポート293,294を,上記のごとく,転舵ロッド290の動作をアシストする図示しないパワーシリンダの左右室に接続してある。
【0040】
次に,伝達比可変機構10について説明する。本例の伝達比可変機構10は,図2に示すごとく,第1ステアリングシャフト110にスプライン結合して回転駆動力を入力するハウジングシャフト160と,上記第2ステアリングシャフト220に回転駆動力を伝達するアウトプットシャフト140とを有している。
【0041】
そして,ハウジングシャフト160内に収容した波動歯車減速機130と駆動モータ150とにより,ハウジングシャフト160とアウトプットシャフト140との間の回転伝達比を変更できるように構成してある。
さらに,ハウジングシャフト160における第1ステアリングシャフト110とのスプライン結合部161の外周側には,後述するフラットケーブル121を収容するカバー120を外挿してある。
ここで,ハウジングシャフト160におけるステアリングギアボックス20側の端部である小径端部165は,上記固定部材42の回転支持部422により回転支持されるよう構成してある。
【0042】
第1ステアリングシャフト110とスプライン結合されるハウジングシャフト160は,中空貫通構造を有する筒形状を呈する円筒部162を有している。
ハウジングシャフト160における第1ステアリングシャフト110側の端部には,同軸上に内挿された第1ステアリングシャフト110とスプライン結合するスプライン結合部161を形成してある。
【0043】
ハウジングシャフト160における第2ステアリングシャフト220側の端部には,アウトプットシャフト140のスプライン接合部141を収容する小径端部165を形成してある。この小径端部165は,固定部材42に固定した回転支持部422を外挿するように構成してある。
そして,ハウジングシャフト160の円筒部162の内周には,ハウジングシャフト160と略同一の回転軸を有するモータ出力軸158を備えた駆動モータ150を固定してあると共に,減速機としての波動歯車減速機130を収容してある。
本例では,波動歯車減速機130を構成する後述するサーキュラスプライン132を,円筒部162の内側に固定してある。
【0044】
上記駆動モータ150は,モータケース156に収容した状態で円筒部162内部に固定してある。駆動モータ150は,略円筒形状のモータケース156の内側に固定したステータ153と,モータ出力軸158に外挿されたロータ154とを有している。そして,モータ出力軸158は,上記の波動歯車減速機130を構成するカム131に圧入してある。
そして,駆動モータ150には,導電性の電線を並列配置してフラット化したフラットケーブル121を電気的に接続してある。
【0045】
ここで,ハウジングシャフト160と一体回転する駆動モータ150の回転を吸収できるように,図2及び4に示すごとく,フラットケーブル121は,ハウジングシャフト160のスプライン結合部161の外周側に,スパイラル状に巻き付けて配置してある。そして,このスパイラル状のフラットケーブル121の内周側の端部を,駆動モータ150に固定して,電気的な導通を確保してある。
【0046】
さらに,スパイラル状のフラットケーブル121は,図4に示すごとく,上記スプライン結合部161に外挿した上記カバー120の内部に収容してあると共に,その外周側の端部を,カバー120の内周面に固定してある。
そして,カバー120の外側に配設した入出力端子219と,フラットケーブル121との電気的な接続により,上記VGRS用ECU等の外部機器による駆動モータ150の制御を可能としている。
【0047】
さらに,カバー120は,図4に示すごとく,外周面の周方向1カ所に,貫通穴を穿孔した係合受部124を有している。そして,この係合受部124の貫通穴に,上記固定部材42の後述する係合ピン部424を係合させることにより,カバー120が回り止めされるように構成してある。
【0048】
上記のアウトプットシャフト140は,図2に示すごとく,ハウジングシャフト160の内側に配設したベアリング148,149により回転自在に支持されている。そして,波動歯車減速機130側の端部には,後述するフレクスプライン134の外周のスプライン歯と係合するジョイント部127を形成してある。
このジョイント部127は,端面から凹むと共に,軸方向に略平行な内周面にスプライン歯を形成した凹部128を有している。そして,この凹部128の内周のスプライン歯と,フレクスプライン134の外周のスプライン歯とが係合するように構成してある。
【0049】
アウトプットシャフト140におけるステアリングギアボックス20側の端面には,内周スプライン歯を形成した凹部145を形成してある。第2ステアリングシャフト220における外周スプライン歯を形成した端部を,凹部145に挿入した差込構造により,アウトプットシャフト140と第2ステアリングシャフト220とをスプライン結合してある。
【0050】
そして,対向して配置されるアウトプットシャフト140と,駆動モータ150との間に形成される空間に,波動歯車減速機130を配置してある。
この波動歯車減速機130は,図3に示すごとく,サーキュラスプライン132と,フレクスプライン134と,ウェーブジェネレータ136とを含む減速機である。
【0051】
上記サーキュラスプライン132は,図3に示すごとく,リング形状を呈する剛体部品であり,内周面にスプライン歯を形成してある。本例では,ハウジングシャフト160の円筒部162に嵌入したサーキュラスプライン132は,図示しないキーによりハウジングシャフト160の内側に固定してある。
【0052】
上記フレクスプライン134は,図3に示すごとく,カップ形状を呈する金属よりなる弾性体の部品である。そして,フレクスプライン134の開口端部付近の外周面には,サーキュラスプライン132のスプライン歯と同一ピッチであって,かつ,サーキュラスプライン132の歯数よりも2枚少ない歯数のスプライン歯を形成してある。
そして,サーキュラスプライン132の内周面のスプライン歯と,フレクスプライン134の外周面のスプライン歯とがスプライン係合するよう構成してある。
【0053】
本例では,さらに,フレクスプライン134の外周のスプライン歯には,図2に示すごとく,アウトプットシャフト140のジョイント部127を係合させてある。ここで,ジョイント部127の凹部128の内周面には,フレクスプライン134のスプライン歯と同一ピッチ,同一歯数のスプライン歯を形成してある。
【0054】
また,上記ウェーブジェネレータ136は,図3に示すごとく,楕円形状を呈するカム131の外周に,ボールベアリング135を嵌合した部品である。カム131に固定されたボールベアリング135の内輪部137は,カム131と一体的に回転するように構成してある。また,ボールベアリング135の外輪部133は,カム131の回転に伴って弾性変形するように構成されている。
【0055】
さらに,このウェーブジェネレータ136は,図3に示すごとく,カップ形状を呈するフレクスプライン134内部に嵌入してあり,フレクスプライン134におけるスプライン歯が形成された部分の内周面と,ウェーブジェネレータ136における外輪部133の外周面とを接触させてある。ここで,ウェーブジェネレータ136の嵌入により開口部の形状を楕円形状に撓められたフレクスプライン134は,外輪部133と隙間なく接触するよう構成してある。
【0056】
また,ここで,上記のごとく構成された波動歯車減速機130の動作の概略について説明しておく。この波動歯車減速機130では,図3に示すごとく,ウェーブジェネレータ136のカム131の回転によりフレクスプライン134とサーキュラスプライン132との間の伝達比を変更できるように構成されている。
【0057】
すなわち,フレクスプライン134の内部でカム131を回転させると,フレクスプライン134の開口部が順次,弾性変形していき,あたかも,その楕円形状が回転するような状態を呈する。そして,このフレクスプライン134の弾性変形により,フレクスプライン134とサーキュラスプライン132との噛み合い位置は,周方向に移動していく。
【0058】
ここで,上記のごとく,フレクスプライン134のスプライン歯及び,サーキュラスプライン132のスプライン歯としては,同一ピッチのスプライン歯を形成してある一方,サーキュラスプライン132のスプライン歯の歯数を,フレクスプライン134のスプライン歯の歯数よりも2枚多くしてある。そのため,カム131が1回転することにより,フレクスプライン134とサーキュラスプライン132との噛み合い位置が周方向に1回転分だけ移動する間に,フレクスプライン134とサーキュラスプライン132との間に相対回転を生じる。
【0059】
そして,波動歯車減速機130は,図3に示すごとく,フレクスプライン134とサーキュラスプライン132との間の相対回転量に応じて,フレクスプライン134とサーキュラスプライン132との間の伝達比を変更するよう構成されている。
なお,フレクスプライン134と係合するアウトプットシャフト140(図2)は,フレクスプライン134のスプライン歯と同一ピッチ,同一歯数のスプライン歯を有している。そのため,カム131が回転しても,フレクスプライン134とアウトプットシャフト140との間に相対回転は生じない。
すなわち,本例では,カム131の回転により,アウトプットシャフト140(図2)とサーキュラスプライン132との間に相対回転を生じるように,伝達比可変機構10を構成してある。
【0060】
したがって,図2に示すごとく,モータシャフト152と一体的に回転するカム131の回転に応じて,アウトプットシャフト140と,サーキャラスプライン132と一体的に回転するシャフトハウジング160との間に相対回転を生じることとなる。
このように,駆動モータ150から入力される回転により,シャフトハウジング160とスプライン結合された第1ステアリングシャフト110と,アウトプットシャフト140との間の回転伝達比を変更できるよう,伝達比可変機構10は構成されている。
【0061】
上記固定部材42は,図2に示すごとく,ステアリングギアボックス20から伝達比可変機構10に向けて,軸方向に略平行に伸びる略平板状の剛体部材である。ステアリングギアボックス20側の端部には,ステアリングギアボックス20の外周面にボルト固定するためのボルト固定部421を有している。
【0062】
固定部材42における伝達比可変機構10側の端部には,ケーブル用のカバー120の係合受部124の上記貫通穴に係合して,該ケーブル用のカバー120を回り止めする係合ピン部424を有している。
また,ボルト固定部421と係合ピン部424との間には,ハウジングシャフト160の小径端部165を軸支する回転支持部422を固定してある。
【0063】
以上のように構成された車両用操舵装置1において,伝達比可変機構10を制御する方法について,簡単に説明する。
伝達比可変機構10の制御処理を実施する上記のVGRS用ECUでは,車速信号等,入力された情報に基づいて,第1ステアリングシャフト110と第2ステアリングシャフト120との間の適正な伝達比を計算する。
さらに,VGRS用ECUは,駆動モータ150に供給すべきモータ電圧を算出すると共に,そのモータ電圧により駆動モータ150を駆動して,伝達比可変機構10において適正な回転伝達比を実現する。
【0064】
このように,本例の車両用操舵装置1においては,アウトプットシャフト140及び第2ステアリングシャフト220の差込構造と,上記固定部材42の回転支持部422による軸支構造とにより,ステアリングギアボックス20により伝達比可変機構10を支持させてある。
そのため,この車両用操舵装置1では,伝達比可変機構10は,剛性高く上記ステアリングギアボックス20に接続されており,その取り付け信頼性が高い。ステアリングギアボックス20と伝達比可変機構10との間の相対振動が抑制されるため,伝達比可変機構10による第1ステアリングシャフト110及び第2ステアリングシャフト220間の回転伝達比の制御性も良好である。
【0065】
さらに,上記の伝達比可変機構10では,ステアリングギアボックス20から延設された固定部材42によりカバー120を回転止めしてある。
そのため,カバー120が所定の回転位置からずれることにより,内部のフラットケーブル121や,車体側ケーブル等にストレスが作用するおそれを抑制することができる。また,車体側ケーブルを接合した入出力端子219に作用するおそれがあるストレスを抑制することができる。
このように,上記固定部材42により,カバー120を確実に回り止めした本例の車両用操舵装置1の構造によれば,電気的な信頼性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,車両用操舵装置の構成を示す説明図。
【図2】実施例1における,伝達比可変機構及びステアリングギアボックスの構造を示す断面図。
【図3】実施例1における,波動歯車減速機を示す正面図。
【図4】実施例1における,カバー内部におけるフラットケーブルの収容状態を示す図で,図1におけるA−A線矢視断面図。
【図5】従来例における,車両用操舵装置の構成を示す説明図。
【図6】従来例における,伝達比可変機構を示す断面図。
【図7】従来例における,カバー内部におけるフラットケーブルの収容状態を示す図で,図9におけるB−B線矢視断面図。
【符号の説明】
1...車両用操舵装置,
10...伝達比可変機構,
110...第1ステアリングシャフト,
120...カバー,
130...波動歯車減速機,
131...カム,
132...サーキュラスプライン,
134...フレクスプライン,
136...ウェーブジェネレータ,
124...係合受部,
150...駆動モータ,
151...モータ出力軸,
152...モータシャフト,
160...ハウジングシャフト,
20...ステアリングギアボックス,
210...ハウジング,
211...ギアハウジング部,
212...バルブハウジング部,
220...第2ステアリングシャフト,
290...転舵ロッド,
300...操舵ハンドル,
42...固定部材,
424...係合ピン部,

Claims (4)

  1. 操舵ハンドルと略一体的に回転する第1ステアリングシャフトと,転舵輪を転舵するための転舵ロッド及び該転舵ロッドに連結された第2ステアリングシャフトをハウジングに収容したステアリングギアボックスと,上記第1ステアリングシャフトから上記第2ステアリングシャフトへの回転伝達比を変化させるよう構成された伝達比可変機構とを有する車両用操舵装置において,
    上記伝達比可変機構は,上記第1ステアリングシャフトと略一体回転するよう構成された中空構造を有するハウジングシャフトと,該ハウジングシャフトの内周側に固定して配設された駆動モータと,上記第1ステアリングシャフトの外周側に相対回転するように外挿され上記駆動モータに接続されるリード線を収容したカバーと,上記ハウジングシャフトに収容した減速機と,上記第2ステアリングシャフトに回転駆動力を伝達するアウトプットシャフトとを有しており,
    上記第2ステアリングシャフトと上記アウトプットシャフトとは,一体的に接続してあり,
    上記カバーは,上記ステアリングギアボックスの上記ハウジングから延設された固定部材に係合して,回り止めされていることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1において,上記固定部材は,上記ハウジングシャフトの少なくとも一部を回転可能に支持するよう構成された回転支持部を有していることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は2において,上記ステアリングギアボックス内には,上記操舵ハンドルの操作力を低減する油圧を制御するためのサーボバルブを内蔵しており,
    上記ステアリングギアボックスを構成する上記ハウジングは,上記伝達比可変機構側に,上記サーボバルブを収容するバルブハウジング部を有しており,
    該バルブハウジング部から上記固定部材を延設してあることを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3において,上記第2ステアリングシャフトと,上記アウトプットシャフトとは,一方の端面から穿設した凹部に,他方の端部を挿入する差込構造により,一体的に接続してあることを特徴とする車両用操舵装置。
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